JP2008270858A - 指向性サウンドシステム及びプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の建造物や物体の配置を考慮して、仮想音源制御を行う事により、サラウンド音響効果を実現することができる指向性サウンドシステムを提供する。
【解決手段】音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、前記超音波スピーカから放射された音響出力の音圧を検出するマイクと、前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検出強度プロファイルを生成する検出強度プロファイル生成手段と、前記検出強度プロファイルを保存する記憶手段と、前記検出強度プロファイルを参照して前記超音波トランスデューサの可動範囲を制御する制御手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波に対する媒質(空気)の非線形性を用いて可聴周波数帯の信号音を再生させるとともに、可聴周波数帯の信号音が再生される範囲を制御することができる超音波スピーカを用いた指向性サウンドシステム及びこの指向性サウンドシステムを搭載したプロジェクタに関する。
現在、リアルサウンドを再現できるサウンドシステムは、数種類が世に送り出されている。その1つにDVD(Digital Versatile Disk)を音源および画像源としたサラウンドシステムがある。このDVDシステムはドルビーディジタル方式で録音されているため、再生をドルビーディジタル方式にしたがって行うと、リアルなサウンドを実現することができる。
しかし、このシステムは画像を表示する画面の下、リスナの後ろ、重低音用、左右用と合計5個のスピーカを必要とする。よって、ドルビーディジタル方式で再生する場合、器材を調達するのにコストが高くなると共に、多くのスピーカを設置するスペースが必要になってしまい、さらに設置されるスピーカとの配線も複雑になるので面倒であった。
そこで、少ない数のスピーカにより、画面に表示される話者がいかにも喋っているようなリアルな効果を演出することができる音声出力装置および方法が提案されており、さらに画像を投影するプロジェクタに取り付けられた指向性の高いスピーカにより、視聴者が容易にサラウンド音響効果を体験できる音声出力装置および方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−23281号公報
一般的に超音波を使用したスピーカシステムでは、視聴者のみに聞こえるように直接超音波を当てる方法と、スクリーンや壁などに音波を当てて、そこで反射されてくる音を聞かせる方法がある(特許文献1参照)。
後者の方法では、スクリーンのサイズが予め決まっている場合には、限られた範囲内に音波を飛ばすことになる。よって、超音波によって生成される仮想音源の位置を広い範囲で移動させる事により、サラウンド効果を正確かつ効率よく創出させる事は難しい。
例えば、仮想音源の位置を変える事は自由自在にできた場合でも、スクリーンの周囲に反射性の悪い物体や、複雑な形状をした物体が存在すると、音波は予想しない方向に反射されてしまい、音響効果が乱れる原因となってしまう。特に、家屋の内壁などに音波を当てる場合には、壁沿いに物が置かれたり、壁に物が吊るされていたりなどするケースが多く、これらが音響効果を乱す原因となり兼ねない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、超音波トランスデューサを用いて周囲の建造物や物体の配置を考慮して、仮想音源制御を行う事により、サラウンド音響効果を実現することができる指向性サウンドシステムおよびこれを搭載したプロジェクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の指向性サウンドシステムは、超音波トランスデューサの音響出力を所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカを備えたことを特徴とする。
上記構成の本発明の指向性サウンドシステムでは、上記可変角度機構により超音波スピーカの音波放射軸を所望の空間領域で超音波スピーカの音響出力を走査するように変更することにより、上記所望の空間領域における前記音響出力の反射波の音圧を検出し、その検出強度プロファイルを取得する。この検出強度プロファイルに基づいて超音波トランスデューサの可動範囲を制御する。したがって、周囲の建造物や物体の配置を考慮して、仮想音源制御を行う事により、上記所望の空間領域においてサラウンド音響効果を実現することができる。
また、本発明の指向性サウンドシステムは、超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、前記超音波スピーカから放射された音波の反射波の音圧を検出するマイクとを備えたことを特徴とする。
上記構成の本発明の指向性サウンドシステムでは、上記可変角度機構により超音波スピーカの音波放射軸を所望の空間領域で超音波スピーカの音響出力を走査するように変更することにより、上記所望の空間領域における前記音響出力の反射波の音圧を前記マイクにより検出し、その検出強度プロファイルを取得する。
この検出強度プロファイルに基づいて超音波トランスデューサの可動範囲を制御する。したがって、周囲の建造物や物体の配置を考慮して、仮想音源制御を行う事により、上記所望の空間領域においてサラウンド音響効果を実現することができる。
また、本発明の指向性サウンドシステムは、超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、前記超音波スピーカから放射された音響出力の音圧を検出するマイクと、前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検出強度プロファイルを生成する検出強度プロファイル生成手段とを有することを特徴とする。
上記構成の本発明の指向性サウンドシステムでは、上記可変角度機構により超音波スピーカの音波放射軸を所望の空間領域で超音波スピーカの音響出力を走査するように変更することにより、上記所望の空間領域における前記音響出力の反射波の音圧を前記マイクにより検出する。検出強度プロファイル生成手段は、前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検強度プロファイルを生成し、その検出強度プロファイルを取得する。この検出強度プロファイルに基づいて超音波トランスデューサの可動範囲が制御される。
したがって、周囲の建造物や物体の配置を考慮して、仮想音源制御を行う事により、上記所望の空間領域においてサラウンド音響効果を実現することができる。
また、本発明の指向性サウンドシステムは、超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、前記超音波スピーカから放射された音響出力の音圧を検出するマイクと、前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検出強度プロファイルを生成する検出強度プロファイル生成手段と、前記検出強度プロファイルを保存する記憶手段とを有することを特徴とする。
上記構成からなる指向性サウンドシステムでは、上記可変角度機構により超音波スピーカの音波放射軸を所望の空間領域で超音波スピーカの音響出力を走査するように変更することにより、上記所望の空間領域における前記音響出力の反射波の音圧を前記マイクにより検出する。検出強度プロファイル生成手段は、前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検強度プロファイルを生成し、その検出強度プロファイルは、記憶手段に保存される。この記憶手段に保存された検出強度プロファイルに基づいて超音波トランスデューサの可動範囲が制御される。したがって、周囲の建造物や物体の配置を考慮して、仮想音源制御を行う事により、上記所望の空間領域においてサラウンド音響効果を実現することができる。
また、本発明の指向性サウンドシステムは、超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、前記超音波スピーカから放射された音響出力の音圧を検出するマイクと、前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検出強度プロファイルを生成する検出強度プロファイル生成手段と、前記検出強度プロファイルを保存する記憶手段と、前記検出強度プロファイルを参照して前記超音波トランスデューサの可動範囲を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
上記可変角度機構により超音波スピーカの音波放射軸を所望の空間領域で超音波スピーカの音響出力を走査するように変更することにより、上記所望の空間領域における前記音響出力の反射波の音圧を前記マイクにより検出する。検出強度プロファイル生成手段は、前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検強度プロファイルを生成し、その検出強度プロファイルは、記憶手段に保存される。この記憶手段に保存された検出強度プロファイルに基づいて超音波トランスデューサの可動範囲が制御される。したがって、周囲の建造物や物体の配置を考慮して、仮想音源制御を行う事により、上記所望の空間領域においてサラウンド音響効果を実現することができる。
また、本発明のプロジェクタは、超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、映像を投影面に投影する投影光学系とを有することを特徴とする。
上記構成の本発明のプロジェクタでは、上記可変角度機構により超音波スピーカの音波放射軸を所望の空間領域で超音波スピーカの音響出力を走査するように変更することにより、上記所望の空間領域における前記音響出力の反射波の音圧を検出し、その検出強度プロファイルを取得する。この検出強度プロファイルに基づいて超音波トランスデューサの可動範囲を制御する。
したがって、周囲の建造物や物体の配置を考慮して、仮想音源制御を行う事により、上記所望の空間領域においてサラウンド音響効果を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1に本発明の実施形態に係る指向性サウンドシステムの外観構成を図2に示す。本実施形態では、指向性サウンドシステムの一例として、音響を出力するとともに、映像を画面に表示するプロジェクタに適用した場合について説明する。図2(a)はプロジェクタの正面図であり、図2(b)はプロジェクタの側面図である。
図2において、プロジェクタ1は、超音波スピーカ2A,2Bを備えている。
超音波スピーカ2A,2Bは非常に強い指向性を持つビーム状の音源であり、図中の点線矢印aに示すように、比較的拡がりの小さな音波を発生させることができる。

また、プロジェクタ1からは内蔵されている投影光学系から画像が符号cで示されるように前方に投影される。
超音波スピーカ2A,2Bには音波の照射方向を変えられるようなトランスデューサ角度可変機構部6を有している。このトランスデューサ角度可変機構部6は、ホルダー7に収納された超音波スピーカ2の音波放射軸の角度を可変させる機能を有している。
次に、図2に示したプロジェクタの電気的構成を図1に示す。図1において、プロジェクタ1は、トランスデューサ角度可変機構部6と、音声/映像信号再生部10と、音声信号処理部11と、キャリア波発振源12と、変調器13A,13Bと、パワーアンプ14A,14Bと、超音波トランスデューサ15A,15Bと、スピーカ設定部16と、音量制御部17A,17Bと、仮想音源制御部20と、音圧計測用マイク21と、検出強度プロファイル生成回路22と、データ記憶部23と、プロジェクタ1に内蔵されている映像を生成する映像生成部250と、生成された映像を投影する投影光学系251とを有している。図1ではトランスデューサ角度可変機構部6を、説明の便宜上一つしか示していないが、実際には超音波トランスデューサ15A,15Bにそれぞれ設けられているものとする。
キャリア波発振源12、変調器13A、パワーアンプ14A及び超音波トランスデューサ15Aは超音波スピーカ2Aを構成している。また、キャリア波発振源12、変調器13B、パワーアンプ14B及び超音波トランスデューサ15Bは超音波スピーカ2Bを構成している。
音声/映像信号再生部10は、音声信号および映像信号を再生する機能を有している。
音声信号処理部11は、入力された音声信号から音声の発生位置、周波数、音響効果等を解析し、超音波スピーカ2の信号系統に送出する機能を有する。
音声信号処理部11は、音源方位解析部110と、周波数解析部111と、音響効果解析部112とを有している。
音源方位解析部110は、各音声の発生位置、すなわち、視聴者の位置を基準としてフロント、リア、サイドの各音声の発生位置を音声信号から検出する機能を有している。
周波数解析部111は、入力された音声信号の周波数帯域、例えば、低周波域か、高周波域かを解析する機能を有している。
音響効果解析部112は、入力された音声信号から音響効果を解析する機能を有している。具体的には、フェードイン、フェードアウト、ドップラー効果、大音響、静寂音等の存在についての信号検出を行う。
キャリア波発振源12は、超音波周波帯のキャリア波を生成する機能を有している。
変調器13A,13Bは、音声信号処理部11から出力される可聴周波数帯の音声信号(信号波)によりキャリア波発振源12から出力されるキャリア波を変調する。
超音波スピーカ2A,2Bを構成する超音波トランスデューサ15A,15Bの具体的構成の一例を図3に示す。図3(A)は、静電型超音波トランスデューサの断面構造を示す図である。図3(A)に示す静電型超音波トランスデューサは、電極として機能する導電性材料で形成された導電部材を含む一対の固定電極40、41と、一対の固定電極40、41に挟持され、導電層(振動膜電極)421を有する振動膜42と、一対の固定電極40、41と振動膜42を保持する支持部材45とを有している。
振動膜42は、絶縁層420と、導電性材料で形成された導電層421とを有しており、該導電層421には、直流バイアス電源46により単一極性(正極性でも負極性のいずれでもよい)の直流バイアス電圧が印加されるようになっている。
また、一対の固定電極40、41は振動膜42を介して対向する位置に同数かつ複数の貫通孔44を有しており、一対の固定電極40、41の導電部材間には信号源48A、48Bにより交流信号が印加されるようになっている。固定電極40と導電層421、固定電極41と導電層421には、それぞれコンデンサが形成されている。
上記構成において、静電型超音波トランスデューサ15A(または15B)は、振動膜42の導電層421に、直流バイアス電源46により単一極性の(本例では正極性の)直流バイアス電圧が印加される。一方、一対の固定電極40、41には、信号源48A、48Bにより交流信号が印加される。この結果、信号源48A、48Bから出力される交流信号の正の半サイクルでは、固定電極40に正の電圧が印加されるために、振動膜42の固定電極で挟持されていない表面部分43Aには、静電反発力が作用し、表面部分43Aは、図3上、下方に引っ張られる。また、このとき、対向する固定電極41には、負の電圧が印加されるために、振動膜42の裏面側である裏面部分43Bには、静電吸引力が作用し、裏面部分43Bは、図3上、さらに下方に引っ張られる。
したがって、振動膜42の一対の固定電極40、41により挟持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電吸引力を受ける。これは、信号源48A、48Bから出力される交流信号の負の半サイクルについても同様に、振動膜42の表面部分43Aには、図3上、上方に静電吸引力が、また裏面部分43Bには、図3上、上方に静電反発力が作用し、振動膜42の一対の固定電極40、41により挟持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電吸引力を受ける。このようにして、交流信号の極性の変化に応じて振動膜42が同方向に静電反発力と静電吸引力を受けながら、交互に静電力が働く方向が変化するので、大きな膜振動、すなわち、パラメトリックアレイ効果を得るのに十分な音圧レベルの音響信号を発生することができる。
このように図3に示す超音波トランスデューサは、振動膜42が一対の固定電極40、41から力を受けて振動することからプッシュプル(Push−Pull)型と呼ばれている。プッシュプル型の静電型超音波トランスデューサは、振動膜に静電吸引力のみしか作用しないプル型(Pull)型の静電型超音波トランスデューサに比して、広帯域性と高音圧を同時に満たす能力を持っている。
上述したように、プッシュプル型の静電型超音波トランスデューサにおいては、振動膜には高電圧の直流バイアス電圧が印加され、固定電極には交流電圧が印加されることにより、固定電極−振動膜に働く静電力(引力及び斥力)により膜部分が振動する。この場合、超音波帯の振動を実現する為には振動部分の孔径を数mm以下にする必要があり、例えば、図3(B)に示すように、固定電極40上に多数の貫通孔(振動孔)44を設けることにより、追従性が高くて出力が大きいトランスデューサを構成する必要がある。
また、スピーカ設定部16は、音声信号処理部11より入力される音声信号及び、音源方位解析部110、周波数解析部111、音響効果解析部112の上記各解析結果を取り込み、各音声に対し、これを発生させるスピーカを選択するように設定し、かつ音量制御部17A,17Bに各スピーカの音量を設定するための音量制御情報を送出するとともに、超音波トランスデューサ15A(または15B)をトランスデューサ角度可変機構部6を介して駆動制御するための制御情報を仮想音源制御部20に送出する。
超音波トランスデューサ15A,15Bは、トランスデューサ角度可変機構部6を有している。トランスデューサ角度可変機構部6は、仮想音源制御部20の制御下に音波トランスデューサ15を所望の空間領域を決められたステップで走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する機能を有している。
図4は、超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変化させるトランスデューサ角度可変機構部6の一例として、電磁アクチュエータ方式の例を示したものであり、トランスデューサ角度可変機構部6の中心断面を示したものである。
超音波スピーカ2A,2Bとも機構的構成は同様であるので、ここでは超音波スピーカ2Aについてのみ説明する。
超音波スピーカ2Aは超音波を放射する超音波トランスデューサ15Aを有しており、この超音波トランスデューサ15Aは非磁性材料から成る球状のホルダー7に収納され、ホルダー7の背面の中央部には小片の軟磁性材料である磁性板33が埋め込まれている。ホルダー7の背面には、所定の間隔で所望の位置を磁化することが可能な磁化装置34が備えられている。
よって、超音波トランスデューサ15Aを矢印Aの方向に回転させて、ある特定の向きに変更したい場合は、磁化装置34によって磁化する位置を移動させることにより、ホルダー7に埋め込まれた磁性板33を吸引して所望の位置に誘導する。
図4(B)は、超音波トランスデューサ15Aを左45度回転して保持した例であり、図4(C)は、超音波トランスデューサ15Aを中心位置に保持した例であり、図4(D)は、超音波トランスデューサ15Aを右45度回転させて保持した例を示している。
なお、図4に示すトランスデューサ角度可変機構部6は、磁性板33と磁化装置34を用いた電磁アクチュエータ方式の例であるが、モータとギヤを用いた機構でもよい。また、図4では、超音波トランスデューサ15Aを、図4上で、矢印Aの方向にのみ回転する例についてだけ示したが、超音波トランスデューサ15を矢印Aの方向のみならず、紙面と垂直な方向に回転するような機構を用いることも容易にできる。
音量制御部17A,17Bは、スピーカ設定部16から出力される音量制御情報に基づいてそれぞれ、パワーアンプ14A,14Bのゲインを設定し、これにより超音波スピーカ2A,2Bの音量を制御する。
音圧計測用マイク21は、超音波スピーカ2A,2Bから放射された音響出力の音圧を検出する。音圧計測用マイク21は本発明のマイクに相当する。
検出強度プロファイル生成回路22は、音圧計測用マイク21で検出した音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検出強度プロファイルを生成する。
検出強度プロファイル生成回路22は本発明の検出強度プロファイル生成手段に相当する。
データ記憶部23は、上記検出強度プロファイルを保存する機能を有する。このデータ記憶部23は本発明の記憶手段に相当する。
仮想音源制御部20は、前記検出強度プロファイルを参照して前記超音波トランスデューサ15の可動範囲を、トランスデューサ角度可変機構部6を介して制御する。仮想音源制御部20は本発明の制御手段に相当する。
次に、検出強度プロファイル生成のフローを説明する。
上記構成において、トランスデューサ角度可変機構部6を駆動制御することにより、超音波トランスデューサ15A(または超音波トランスデューサ15B)の音波放射軸の角度をトランスデューサ角度可変機構部6を介して所定の角度刻みで変化させることにより超音波トランスデューサ15A(または超音波トランスデューサ15B)から放射される超音波を所望の空間領域で走査する。各設定位置で超音波トランスデューサ15A(または超音波トランスデューサ15B)より発信された超音波は、通常スクリーンや壁などで反射され、音圧計測用マイク21によって、音圧が計測される。これを基に、検出強度プロファイル生成回路22は検出強度プロファイルを生成する。生成された検出強度プロファイルはデータ記憶部23に保存される。
ここで、図5に示すように、一般的なコの字形の構造を成した壁に対して上記の計測を実施した場合には、壁に対して垂直(=走査角度0度、ここを起点とする)に超音波トランスデューサ15A(または超音波トランスデューサ15B)より超音波が発信された場合には、極めて高い音圧で反射波が音圧計測用マイク21により検出される。
また、壁に対して垂直に発信されなかった場合、周囲の壁や物体によって反射を繰り返した後に音圧計測用マイク21によって計測されるため、反射の繰り返しによる超音波の減衰は起こるが、安定して計測可能な音圧で検出される。
一方、図6に示すように、計測領域内に超音波を吸収するようなウレタン系の物体や反射し難い布などの超音波吸収体が存在する場合には、超音波は著しく減衰し、安定に検出する事が困難となり、検出強度が非常に低くなる。
また、超音波を発信した方向に、仮に超音波を吸収するようなものが存在しない場合でも、反射を繰り返した先に、超音波を吸収するようなものが存在する場合、音圧計測用マイク21で検出される音圧強度が著しく低下する事があり、圧計測状態も不安定となる。
このように結果的に、音圧計測用マイク21で、音の検出強度が著しく低下する位置(角度)に対しては、音波を発信しても、十分な音場を形成する事ができない。そこで、仮想音源制御部20では、この位置(角度)を避けて、超音波スピーカ2における超音波トランスデューサ15A,15Bの音波放射軸の角度を変化させるトランスデューサ角度可変機構部6を制御する。
このようにして生成、保存された検出強度プロファイルを基にして、仮想音源制御部20で周囲の構造を考慮しながら、トランスデューサ角度可変機構部6を介して超音波トランスデューサ15A,15Bの音波放射軸の角度を変化させる事により、周囲の環境に合わせた音源定位が可能となり、確実なサラウンド効果を創出できる。
図7(a)は左右の超音波スピーカ2A,2Bの音波を、プロジェクタ1に対してともに直角に発生させた場合(図4(A)と同様)であり、個々の超音波スピーカ2A,2Bの音波は、それぞれの到達位置で反射され、図中fのような可聴域の音波が再生される。
図7(b)は左右の超音波スピーカ2A,2Bの音波を、プロジェクタ1に対してともに内側へ傾けて発生させた場合であり、個々の超音波スピーカ2A,2Bの音波は、同一の到達位置で反射され、図中gに示すように、プロジェクタ1に対して正面領域に集中させた可聴域の音波が再生される。よって、再生音の音量が大きくでき、臨場感の創出に効果がある。
図7(c)は左右の超音波スピーカ2A,2Bの音波を、プロジェクタ1に対してともに外側へ傾けて発生させた場合であり、個々の超音波スピーカ2A,2Bの音波は、それぞれの到達位置で反射され、図中hのように更に外側へ拡散するような可聴域の音波が再生される。
よって、ある映像シーンの音源の位置が斜め前に存在する場合には、上記の方法によって音像定位が可能となる。
また、ある映像シーンにおいて、音源が上方または側方にある場合には、超音波スピーカ2A(または超音波スピーカ2B)の音波の発生角度を大きく傾ける事により、前方の壁で反射された超音波がさらに天井や側壁で反射されて、可聴域の音波を再生させることもできる。
また、2個あるいは1個の超音波スピーカのトランスデューサ角度可変機構部6を利用することにより、音が上下あるいは左右に流れていく状態、あるいは音がまわる状態なども演出できる。
また、本発明の実施形態における超音波スピーカのトランスデューサ角度可変機構部においては、視聴者の後方の壁面のみならず、上下方または側方の壁面に対して超音波を直接、照射することも可能であり、さらに複雑かつ多彩な音響効果を演出する事もできる。
本発明の実施形態に係る指向性サウンドシステムとしてのプロジェクタの構成を示すブロック図。 図1に示したプロジェクタの外観構成を示す説明図。 図1における超音波トランスデューサの具体的構成の一例を示す図。 図1におけるトランスデューサ角度可変機構部の構成を示す説明図。 所望の空間領域における超音波トランスデューサから放射された音響出力の反射波の検出強度プロファイルを取得するための計測の一実施例を示す説明図。 所望の空間領域における超音波トランスデューサから放射された音響出力の反射波の検出強度プロファイルを取得するための計測の他の実施例を示す説明図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタにおける超音波スピーカから放射される音波の向きを変更可能にした場合における各種の再生状態を示す説明図。
符号の説明
1…プロジェクタ、2A,2B…超音波スピーカ、6…トランスデューサ角度可変機構部、10…音声/映像信号再生部、11…音声信号処理部、12…キャリア波発振源、13A,13B…変調器、14A,14B…パワーアンプ、15A,15B…超音波トランスデューサ、16…スピーカ設定部、17A,17B…音量制御部、20…仮想音源制御部、21…音圧計測用マイク、22…検出強度プロファイル生成回路、23…データ記憶部、250…映像生成部、251…投影光学系

Claims (6)

  1. 超音波トランスデューサの音響出力を所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカを備えたことを特徴とする指向性サウンドシステム。
  2. 超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、
    前記超音波スピーカから放射された音波の反射波の音圧を検出するマイクと、
    を備えたことを特徴とする指向性サウンドシステム。
  3. 超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、
    前記超音波スピーカから放射された音響出力の音圧を検出するマイクと、
    前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検出強度プロファイルを生成する検出強度プロファイル生成手段と、
    を有することを特徴とする指向性サウンドシステム。
  4. 超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、
    前記超音波スピーカから放射された音響出力の音圧を検出するマイクと、
    前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検出強度プロファイルを生成する検出強度プロファイル生成手段と、
    前記検出強度プロファイルを保存する記憶手段と、
    を有することを特徴とする指向性サウンドシステム。
  5. 超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、
    前記超音波スピーカから放射された音響出力の音圧を検出するマイクと、
    前記マイクで検出した前記音響出力の強度に基づいて検出対象空間における検出強度プロファイルを生成する検出強度プロファイル生成手段と、
    前記検出強度プロファイルを保存する記憶手段と、
    前記検出強度プロファイルを参照して前記超音波トランスデューサの可動範囲を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする指向性サウンドシステム。
  6. 超音波トランスデューサを所望の空間領域で走査するように超音波トランスデューサの音波放射軸の角度を変更する可変角度機構を有する超音波スピーカと、
    映像を投影面に投影する投影光学系と、
    を有することを特徴とするプロジェクタ。
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