JP2006019864A - プロジェクタシステム及びスクリーン構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より臨場感の高い音場環境が得られるプロジェクタシステム及びそのスクリーン構造を提供する。
【解決手段】 映像が投射されるスクリーン2と、映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタ本体と音響ソースから供給される音声信号を再生し、スクリーンにおける音波反射面近傍に仮想音源を形成する超音波スピーカとを有するプロジェクタ1とを備え、スクリーン2の一部に前記超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部を設け、前記超音波スピーカからスクリーン2の音響反射用凸部に向けて音響信号を出力する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、超音波スピーカ等の超指向性スピーカを音声信号再生に使用して映像が投射されるスクリーン近傍に仮想音源を形成するようにしたプロジェクタシステム及びこのプロジェクタシステムに使用されるスクリーンの構造に関する。
DVDや大型テレビ、プロジェクタなどの普及に伴い、手軽に家庭でシアターを楽しめるようになった。
より大型画面で楽しむにはフロントプロジェクタから映像を投影し、2メートルから3メートル離れた場所にスクリーンを設置すれば80インチから100インチの大型画面を作り出すことができる。
シアターでは映像と共に音響が重要な要素であり、劇場映画のようにスクリーン上あるいはスクリーン近傍に音源を形成し臨場感を高めたいというニーズがある。上記のようにプロジェクタスクリーン上に仮想音源を形成する超音波スピーカを用いた音響装置(特許文献1参照)、や超音波スピーカを内蔵したプロジェクタ(特許文献2参照)等の超指向性音響システムが提案されている。
さらに、スクリーンで反射する音の拡がりを拡大するようにした視聴覚装置が提案されている(特許文献3)。
従来の超音波スピーカの構成を図11に示す。超音波スピーカは、可聴周波数帯の信号を生成する可聴周波数波発振源81と、キャリア波を生成するキャリア波発振源82と、変調器83と、パワーアンプ84と、超音波トランスデューサ85とを有している。
上記構成において、可聴周波数波発振源81より出力される信号によってキャリア波発振源82から出力される超音波周波数帯のキャリア波を変調器83により変調し、パワーアンプ84で増幅した変調信号により超音波トランスデューサ85を駆動する。この結果、上記変調信号が超音波トランスデューサ85により有限振幅レベルの音波に変換され、この音波は媒質中(空気中)に放射されて媒質(空気)の非線形効果によって元の可聴周波数帯の信号音が再生されるようになっている。
この場合、可聴周波数帯の再生信号の再生範囲は、超音波トランスデューサ85から放出軸方向へのビーム状の範囲となる。
ここで、従来の超音波スピーカに使用されている超音波トランスデューサの構成を図12に示す。従来の超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。図12に示す超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いて電気信号の超音波への変換と超音波の電気信号への変換(超音波の送信と受信)の両方を行う。図12(A)に示すバイモルフ型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電セラミック91および92と、コーン93と、ケース94と、リード95および96と、スクリーン97とから構成されている。
圧電セラミック91および92は、互いに貼り合わされていて、その貼り合わせ面と反対側の面にそれぞれリード95とリード96が接続されている。
一方、図12(B)に示すユニモルフ型の超音波トランスデューサは、1枚の圧電セラミック101と、ケース102と、リード103および104と、内部配線105と、ガラス106とから構成されている。圧電セラミック101は、内部配線105を介してリード103が接続されるとともに、ケース102に接地されている。
共振型の超音波トランスデューサは、圧電セラミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数周辺の比較的狭い周波数帯域でしか良好でないので、音質が悪いなどの欠点を抱えている。
特開昭60−254992号公報 特開平11−262084号公報 特開平11−98592号公報
上述したようなプロジェクタスクリーン上に仮想音源を形成した音響装置では、視聴覚者は、スクリーンから反射してくる再生音を聴き取ることになるが、超指向性スピーカから発せられた音響信号はスクリーンから反射しても指向性が強く残り、臨場感の高く感じられる範囲が狭くなる問題が有った。
また、上述したスクリーンで反射する音の拡がりを拡大するようにした視聴覚装置によれば、映像投影面の背部に配設された凹凸面により超指向性音響が乱反射するとともに有効に拡散し臨場感の高い音再現範囲を拡大することができる。
しかし、この装置では、スクリーン構成が複雑となること、映像投影面に音響信号を透過させる穴加工が必要なこと、そのために投影効率が下がる、すなわち映像の輝度が下がること、その上、映像投影面から反射してくる指向性の強い音があること、等の問題が有った。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、より臨場感の高い音場環境が得られるプロジェクタシステム及びスクリーン構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のプロジェクタシステムは、映像が投射されるスクリーンと、映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタ本体と音響ソースから供給される音声信号を再生し、スクリーンにおける音波反射面近傍に仮想音源を形成する超音波スピーカとを有するプロジェクタとを備えたプロジェクタシステムであって、前記スクリーンの一部に前記超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部を設け、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号を出力することを特徴とする。
上記構成の本発明のプロジェクタシステムでは、スクリーンの一部に前記超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部が設けられており、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号が出力される。
したがって、スクリーンの音響反射用凸部で反射した再生音が所望の方向に安定的に拡散され、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い反射再生音を広い範囲で聞くことができる。
また、本発明のプロジェクタシステムは、前記音響反射用凸部は、前記水平方向断面が円弧状に形成されていることを特徴とする。
上記構成のプロジェクタシステムでは、スクリーンに水平方向断面が円弧状の音響反射用凸部が形成される。したがって、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号が出力された際に、スクリーンの音響反射用凸部で反射した再生音が、水平方向に効率的に拡散される。水平方向にのみ再生音を分散させる場合には、音響エネルギーを効率的に利用でき、ホームシアターとしてプロジェクタシステムを使用する場合に適している。
また、上記音響反射用凸部の垂直方向の断面も円弧状に形成すると、該音響反射用凸部では、水平方向、垂直方向、斜め方向の各方向に平均的に分散し、広い空間でプロジェクタシステムを使用するのに好適である。
また、本発明のプロジェクタシステムは、前記音響反射用凸部の高さは前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より長いことを特徴とする。
上記構成のプロジェクタシステムでは、前記音響反射用凸部の高さは前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より長くなるように形成される。したがって、音響反射用凸部で反射された音響信号は、拡散性散乱と、鏡面反射の中間の状態で、反射されて再生されることにより、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い再生音を広い範囲で聞くことができる。
また、本発明のプロジェクタシステムは、前記音響反射用凸部は、複数の小さい凸部がアレイ状に配設されることにより形成されることを特徴とする。
上記構成のプロジェクタシステムでは、スクリーンに複数の小さい凸部がアレイ状に配設されることにより前記音響反射用凸部が形成される。したがって、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号を放射し、該音響反射用凸部における反射位置を変更することにより、映像投影サイズに対応させて仮想音源の形成位置を変更することができ、臨場感を高めることができる。
また、本発明のプロジェクタシステムは、前記複数の小さい凸部の各々の高さは、前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より短く、前記スクリーンの映像投射面に形成された凹凸の凸部の高さより長いことを特徴とする。
上記構成のプロジェクタシステムでは、前記複数の小さい凸部の各々の高さは、前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より短く、前記スクリーンの映像投射面に形成された凹凸の凸部の高さより長くなるように形成される。したがって、音響反射用凸部で反射された音響信号は、拡散性散乱と、鏡面反射の中間の状態で、反射されて再生されることにより、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い再生音を広い範囲で聞くことができる。
また、本発明のプロジェクタシステムは、前記スクリーンの音響反射用凸部が設けられる位置にスピーカの映像を表示することを特徴とする。
上記構成のプロジェクタシステムでは、スクリーンの音響反射用凸部が設けられる位置にスピーカの映像が表示される。したがって、スクリーンにあたかもスピーカが設置されているように視聴者には感じられ、臨場感を一層、高めることができる。
また、本発明のスクリーン構造は、映像が投射されるスクリーンと、映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタ本体と音響ソースから供給される音声信号を再生し、スクリーンにおける音波反射面近傍に仮想音源を形成する超音波スピーカとを有するプロジェクタとを備えたプロジェクタシステムのスクリーンにおいて、前記超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部を一部に有することを特徴とする。
上記構成の本発明のスクリーン構造では、スクリーンの一部に前記超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部が設けられており、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号が出力される。
したがって、スクリーンの音響反射用凸部で反射した再生音が所望の方向に安定的に拡散され、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い反射再生音を広い範囲で聞くことができる。
また、本発明のスクリーン構造は、前記音響反射用凸部は、前記水平方向断面が円弧状に形成されていることを特徴とする。
上記構成の本発明のスクリーン構造では、スクリーンに水平方向断面が円弧状の音響反射用凸部が形成される。したがって、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号が出力された際に、スクリーンの音響反射用凸部で反射した再生音が、水平方向に効率的に拡散される。水平方向にのみ再生音を分散させる場合には、音響エネルギーを効率的に利用でき、ホームシアターとしてプロジェクタシステムを使用する場合に適している。
また、上記音響反射用凸部の垂直方向の断面も円弧状に形成すると、該音響反射用凸部では、水平方向、垂直方向、斜め方向の各方向に平均的に分散し、広い空間でプロジェクタシステムを使用するのに好適である。
また、本発明のスクリーン構造は、前記音響反射用凸部の高さは前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より長いことを特徴とする。
上記構成の本発明のスクリーン構造では、前記音響反射用凸部の高さは前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より長くなるように形成される。したがって、音響反射用凸部で反射された音響信号は、拡散性散乱と、鏡面反射の中間の状態で、反射されて再生されることにより、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い再生音を広い範囲で聞くことができる。
また、本発明のスクリーン構造は、前記音響反射用凸部は、複数の小さい凸部がアレイ状に配設されることにより形成されることを特徴とする。
上記構成の本発明のスクリーン構造では、スクリーンに複数の小さい凸部がアレイ状に配設されることにより前記音響反射用凸部が形成される。したがって、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号を放射し、該音響反射用凸部における反射位置を変更することにより、映像投影サイズに対応させて仮想音源の形成位置を変更することができ、臨場感を高めることができる。
また、本発明のスクリーン構造は、前記複数の小さい凸部の各々の高さは、前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より短く、前記スクリーンの映像投射面に形成された凹凸の凸部の高さより長いことを特徴とする。
上記構成の本発明のスクリーン構造では、前記複数の小さい凸部の各々の高さは、前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より短く、前記スクリーンの映像投射面に形成された凹凸の凸部の高さより長くなるように形成される。したがって、音響反射用凸部で反射された音響信号は、拡散性散乱と、鏡面反射の中間の状態で、反射されて再生されることにより、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い再生音を広い範囲で聞くことができる。
また、本発明のスクリーン構造は、前記スクリーンの音響反射用凸部が設けられる位置にスピーカの映像を表示することを特徴とする。
上記構成の本発明のスクリーン構造では、スクリーンの音響反射用凸部が設けられる位置にスピーカの映像が表示される。したがって、スクリーンにあたかもスピーカが設置されているように視聴者には感じられ、臨場感を一層、高めることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係るプロジェクタシステムは、映像が投射されるスクリーンと、映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタ本体と音響ソースから供給される音声信号を再生し、スクリーンにおける音波反射面近傍に仮想音源を形成する超音波スピーカとを有するプロジェクタとを備えており、前記スクリーンの一部に前記超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部が設けられており、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号を出力することを特徴としている。
図1は、本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムの使用状態を示している。同図に示すように、本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムでは、プロジェクタ1は、視聴者3の後方に設置され、視聴者3の前方に設置されたスクリーン2に映像を投影するとともに、プロジェクタ1に搭載されている超音波スピーカにより超指向性の音響信号をスクリーンに向けて放射し、スクリーンで反射させることにより、スクリーン2の投影面近傍に仮想音源を形成し、音声を再生するようになっている。スクリーンの構造については後述する。
プロジェクタシステムを構成するプロジェクタ1の外観構成を図2に示す。映像をスクリーン等の投影面に投影する投影光学系を含むプロジェクタ本体20と、超音波周波数帯の音波を発振できる超音波トランスデューサ24を含んで構成され、音響ソースから供給される音声信号から可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカとが一体的に構成されている。
本実施形態では、ステレオ音声信号を再生するために、投影光学系を構成するプロジェクタレンズ2020を挟んで左右に超音波スピーカを構成する超音波トランスデューサ24A、24Bがプロジェクタ本体に搭載されている。
さらに、プロジェクタ本体20の底面には低音再生用スピーカ23が設けられている。また、25は、プロジェクタ本体20の高さ調整を行うための高さ調節ねじ、26は、空冷ファン用の排気口である。
また、本発明に係るプロジェクタシステムにおけるプロジェクタでは、超音波スピーカを構成する超音波トランスデューサとして広周波数帯域の音響信号(超音波周波数帯の音波)を発振できるものを使用して、キャリア波の周波数を変更することにより可聴周波数帯の再生信号の空間的な再生範囲を制御することにより、ステレオサラウンドシステムや5.1chサラウンドシステム等で得られるような音響効果を従来必要であった大掛かりな音響システムを必要とすることなく実現でき、かつ持ち運びが容易なプロジェクタを実現することができる。
次に、本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムにおけるプロジェクタの電気的構成を図3に示す。本発明の実施形態に係るプロジェクタ1は、操作入力部10と、再生範囲設定部12、再生範囲制御処理部13、音声/映像信号再生部14、キャリア波発振源16、変調器18A,18B、パワーアンプ22A,22B及び超音波トランスデューサ24A,24Bからなる超音波スピーカと、ハイパスフィルタ17A,17Bと、ローパスフィルタ19と、加算器21と、パワーアンプ22Cと、低音再生用スピーカ23と、プロジェクタ本体20とを有している。
プロジェクタ本体20は、映像を生成する映像生成部200と、生成された映像を投影面に投影する投影光学系202とを有している。
本実施形態に係るプロジェクタ1は、超音波スピーカ及び低音再生用スピーカ23と、プロジェクタ本体20とが一体化されて構成されている。
操作入力部10は、テンキー、数字キー、電源のオン、オフをおこなうための電源キーを含む各種機能キーを有している。
再生範囲設定部12は、ユーザが操作入力部12をキー操作することにより再生信号(信号音)の再生範囲を指定するデータを入力できるようになっており、該データが入力されると、再生信号の再生範囲を規定するキャリア波の周波数が設定され、保持されるようになっている。再生信号の再生範囲の設定は、超音波トランスデューサ24A,24Bの音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離を指定することにより行われる。
また、再生範囲設定部12は、音声/映信号再生部14より映像内容に応じて出力される制御信号によりキャリア波の周波数が設定できるようになっている。
また、再生範囲制御処理部13は、再生範囲設定部12の設定内容を参照し、設定された再生範囲となるようキャリア波発振源16により生成されるキャリア波の周波数を変更するようにキャリア波発振源16を制御する機能を有する。
例えば、再生範囲設定部12の内部情報として、キャリア波周波数が50kHzに対応する上記距離が設定されている場合、キャリア波発振源12に対して50kHzで発振するように制御する。
再生範囲制御処理部13は、再生範囲を規定する超音波トランスデューサ24A,24Bの音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離とキャリア波の周波数との関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶部を有している。このテーブルのデータは、キャリア波の周波数と上記再生信号の到達距離との関係を実際に計測することにより得られる。
再生範囲制御処理部13は、再生範囲設定部12の設定内容に基づいて、上記テーブルを参照して設定された距離情報に対応するキャリア波の周波数を求め、該周波数となるようにキャリア波発振源16を制御する。
音声/映像信号再生部14は、例えば、映像媒体としてDVDを用いるDVDプレーヤーであり、再生した音声信号のうちRチャンネルの音声信号は、ハイパスフィルタ17Aを介して変調器18Aに、Lチャンネルの音声信号はハイパスフィルタ17Bを介して変調器18Bに、映像信号はプロジェクタ本体20の映像生成部200にそれぞれ、出力されるようになっている。
また、音声/映像信号再生部14より出力されるRチャンネルの音声信号とLチャンネルの音声信号は、加算器21により合成され、ローパスフィルタ19を介してパワーアンプ22Cに入力されるようになっている。音声/映像信号再生部14は、本発明の音響ソースに相当する。
ハイパスフィルタ17A,17Bは、それぞれ、Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号における中高音域の周波数成分のみを通過させる特性を有しており、またローパスフィルタは、Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号における低音域の周波数成分のみを通過させる特性を有している。
したがって、上記Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号のうち中高音域の音声信号は、それぞれ超音波トランスデューサ24A,24Bにより再生され、上記Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号のうち低音域の音声信号は低音再生用スピーカ23により再生されることとなる。
なお、本実施形態では、音声/映像信号再生部14はDVDプレーヤーとしたが、これに限らず、外部から入力されるビデオ信号を再生する再生装置であってもよい。
また、音声/映像信号再生部14は、再生される映像のシーンに応じた音響効果を出すために再生音の再生範囲を動的に変更するように、再生範囲設定部12に再生範囲を指示する制御信号を出力する機能を有している。
キャリア波発振源16は、再生範囲設定部12より指示された超音波周波数帯の周波数のキャリア波を生成し、変調器18A,18Bに出力する機能を有している。
変調器18A,18Bは、キャリア波発振源16から供給されるキャリア波を音声/映像信号再生部14から出力される可聴周波数帯の音声信号でAM変調し、該変調信号を、それぞれパワーアンプ22A,22Bに出力する機能を有する。
超音波トランスデューサ24A,24Bは、それぞれ、変調器18A,18Bからパワーアンプ22A,22Bを介して出力される変調信号により駆動され、該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射し、可聴周波数帯の信号音(再生信号)を再生する機能を有する。
この超音波トランスデューサ24A,24Bは、例えば、広周波数帯域の音響信号(超音波)を発振できる静電型トランスデューサである。超音波トランスデューサ24は、広周波数帯域の音響信号を発振できるものであれば、静電型のものでなくてもよい。
映像生成部200は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)等のディスプレイと、該ディスプレイを音声/映像信号再生部14から出力される映像信号に基づいて駆動する駆動回路等を有しており、音声/映像信号再生部14から出力される映像信号から得られる映像を生成する。
投影光学系202は、ディスプレイに表示された映像をプロジェクタ本体20の前方に設置されたスクリーン等の投影面に投影する機能を有している。
超音波トランスデューサ24Aの具体的構成を図4に示す。超音波トランスデューサ24Bについても同様であるので、ここでは、超音波トランスデューサ24Aについてのみ示す。図4に示す静電型の超音波トランスデューサは、振動体として3〜10μm程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフクレート樹脂)等の誘電体31(絶縁体)を用いている。誘電体31に対しては、アルミ等の金属箔として形成される上電極32がその上面部に蒸着等の処理によって一体形成されるとともに、真鍮で形成された下電極33が誘電体31の下面部に接触するように設けられている。この下電極33は、リード52が接続されるとともに、ベークライト等からなるベース板35に固定されている。
また、上電極32は、リード53が接続されており、このリード53は直流バイアス電源50に接続されている。この直流バイアス電源50により上電極32には50〜150V程度の上電極吸着用の直流バイアス電圧が常時、印加され上電極32が下電極33側に吸着されるようになっている。51は交流信号源であり、図3におけるパワーアンプ22Aの出力(AC50〜150Vp-p)に相当する。
誘電体31および上電極32ならびにベース板35は、メタルリング36、37、および38、ならびにメッシュ39とともに、ケース30によってかしめられている。
下電極33の誘電体31側の面には不均一な形状を有する数十〜数百μm程度の微小な溝が複数形成されている。この微小な溝は、下電極33と誘電体31との間の空隙となるので、上電極32および下電極33間の静電容量の分布が微小に変化する。このランダムな微小な溝は、下電極33の表面を手作業でヤスリで荒らすことで形成されている。静電方式の超音波トランスデューサでは、このようにして空隙の大きさや深さの異なる無数のコンデンサを形成することによって、超音波トランスデューサの周波数特性が図5において曲線Q1に示すように広帯域となっている。
上記構成の超音波トランスデューサ24では、上電極32に直流バイアス電圧が印加された状態で上電極31と下電極33との間に変調信号(パワーアンプ22の出力)が印加されるようになっている。因みに、図5に曲線Q2で示すように共振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、中心周波数(圧電セラミックの共振周波数)が例えば、40kHzであり、最大音圧となる中心周波数に対して±5kHzの周波数において最大音圧に対して−30dBである。これに対して、上記構成の広帯域発振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、40kHzから100kHz付近まで平坦で、100kHzで最大音圧に比して±6dB程度である。
次に本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムのスクリーン2(図1)の構造について図7乃至図10を参照して説明する。
スクリーンから反射してくる音の拡がりは、反射面の凹凸と硬さによって様々で、平面度が高いほど、また硬いほど反射音の指向性が強く残る。しかし、プロジェクタシステムとしてはスクリーンにおける映像投影面の平面度や硬さが違っていても、反射再生音が十分な拡がりをもって安定して再生されることが好ましい。
本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムでは、スクリーン2の一部にプロジェクタに搭載された超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部を設け、超音波スピーカからスクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号を出力することにより、スクリーンから反射された再生音を積極的に分散させ、視聴者に臨場感を高めるようにしている。
図7に本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムのスクリーン構造の一例を示す。図7(A)はスクリーン2の正面図、図7(B)は底面図、図7(C)は、右側面図である。同図において、スクリーン2は、映像が投射される映像投射領域200と、映像投射領域200の下部に設けられている、プロジェクタに搭載された超音波スピーカから放射される音波が反射される音波反射領域201とを有している。
音波反射領域201には、ステレオ信号再生用の2つの超音波スピーカから出力される音響信号を反射するための音響反射用凸部210A,210Bが左右に設けられている。
上記音響反射用凸部210A,210Bは、水平方向断面が円弧状に形成されており、その高さhは、プロジェクタに搭載された超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より長くなるように形成されている。
上記構成のスクリーン2では、プロジェクタに搭載されたRチャンネル用、Lチャンネル用の2つの超音波スピーカからスクリーン2の音響反射用凸部210A,210Bに向けて音響信号が出力された際に、スクリーン2の音響反射用凸部210A,210Bで反射した音響信号(可聴周波数帯の信号波で変調された超音波、または再生された可聴周波数帯の信号波)が、水平方向に効率的に拡散される。
水平方向にのみ音響信号を分散させる場合には、音響エネルギーを効率的に利用でき、ホームシアターとして比較的狭い空間でプロジェクタシステムを使用する場合に適している。
また、音響反射用凸部210A,210Bの高さhが音響信号の超音波の波長λに近いと、拡散性散乱現象が起こり、音響反射用凸部210A,210Bの高さhが超音波の波長λより十分長いか、または短いと鏡面反射の状態に近づくようになる。
したがって、本実施形態では、音響反射用凸部210A,210Bの高さhはプロジェクタに搭載された超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より長くなるように形成されているので、音響反射用凸部210A,210Bで反射された音響信号は、拡散性散乱と、鏡面反射の中間の状態で、反射されて再生されることにより、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い再生音を広い範囲で聞くことができる。
図8は、本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムのスクリーン構造の他の構成例を示す。図8(A)はスクリーン2の正面図、図8(B)は底面図、図8(C)は、右側面図である。図8に示したスクリーン構造が、図7に示したスクリーン構造と異なるのは、スクリーン2の音波反射領域201に形成される音響反射用凸部211A,211Bを、水平方向の断面を円弧状に形成し、かつ垂直方向にも円弧状に形成するようにした点であり、他の構成は図7のスクリーン構造と同じである。
図8に示したスクリーン構造では、音響反射用凸部211A,211Bを、水平方向の断面を円弧状に形成し、かつの垂直方向の断面も円弧状に形成するようにしたので、音響反射用凸部211A,211Bでは、入射した音響信号(可聴周波数帯の信号波で変調された超音波、または再生された可聴周波数帯の信号波)が水平方向、垂直方向、斜め方向の各方向に平均的に分散し、広い空間でプロジェクタシステムを使用するのに好適である。
図8に示したスクリーン構造においても、図7の構成例と同様に、音響反射用凸部211A,211Bの高さhは超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より長くなるように形成される。したがって、音響反射用凸部211A,211Bで反射された音響信号は、拡散性散乱と、鏡面反射の中間の状態で、反射されて再生されることにより、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い再生音を広い範囲で聞くことができる。
次に、本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムのスクリーン構造のさらに他の構成例を図9に示す。図9(A)はスクリーン2の正面図、図9(B)は底面図、図9(C)は、右側面図である。同図において、スクリーン2は、映像が投射される映像投射領域200と、映像投射領域200の下部に設けられている、プロジェクタに搭載された超音波スピーカから放射される音波が反射される音波反射領域201とを有している。
音波反射領域201には、複数の小さい凸部2120が水平方向に、ほぼ全域にわたってアレイ状に配設されることにより超音波スピーカから出力される音響信号を反射するための音響反射用凸部212が形成されている。
したがって、プロジェクタに搭載された超音波スピーカからスクリーン2の音響反射用凸部212に向けて音響信号を放射し、該音響反射用凸部212における反射位置を変更することにより、映像投影サイズに対応させて仮想音源の形成位置を変更することができ、臨場感を高めることができる。
また、上記構成のスクリーン構造では、前記複数の小さい凸部2120の各々の高さh’は、プロジェクタに搭載された超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長λより短く、スクリーン2の映像投射領域200に形成された凹凸の凸部の高さhより長く形成されている。映像投射領域200に形成された凹凸の凸部の高さhは、例えば、100μm未満である。
空中を伝搬する超音波の波長λは、音速C=340m/s、周波数f=50kHzとして計算すると、波長λ=C/f=6.8mmである。アレイ状に並んだ音響反射用凸部212を形成する凸部2120の高さh’がλに近いと拡散性散乱現象が起こり、一方向から放射された超音波は凹凸部によって四方八方に散乱する。凸部高さがλより十分大きいか十分小さければ鏡面反射に近づいていく。実際の視聴環境を考えると凸部2120の高さh’=λでは拡散しすぎて臨場感が損なわれ、h’>>λ、またはh’<<λでは視聴範囲が狭くなってしまう。
上述した理由から複数の小さい凸部2120の各々の高さh’は、プロジェクタに搭載された超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長λより短く、スクリーン2の映像投射面200に形成された凹凸の凸部の高さhより長くなるように形成されている。したがって、音響反射用凸部212で反射された音響信号は、拡散性散乱と、鏡面反射の中間の状態で、反射されて再生されることにより、スクリーン2近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い再生音を広い範囲で聞くことができる。
また、図10に示すように、図9に示したスクリーン2の音響反射用凸部212が設けられる位置にスピーカの映像220A,220Bを表示するようにしてもよい。このように、スクリーンの音響反射用凸部212が設けられる位置にスピーカの映像が表示することにより、あたかもスピーカが設置されているように視聴者には感じられ、臨場感を一層、高めることができる。
次に、上記構成からなる本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムにおけるプロジェクタ1の動作について説明する。なお、この実施形態では、スクリーンは、図7に示したものを使用するものとする。
まず、ユーザのキー操作により操作入力部10から再生信号の再生範囲を指示するデータ(距離情報)が再生範囲設定部12に設定され、音声/映像信号再生部14に再生指示がなされる。
この結果、再生範囲設定部12には、再生範囲を規定する距離情報が設定され、再生範囲制御処理部13は、再生範囲設定部12に設定された距離情報を取り込み、内蔵する記憶部に記憶されているテーブルを参照し、上記設定された距離情報に対応するキャリア波の周波数を求め、該周波数のキャリア波を生成するようにキャリア波発振源16を制御する。
この結果、キャリア波発振源16は、再生範囲設定部12に設定された距離情報に対応する周波数のキャリア波を生成し、変調器18A,18Bに出力する。
一方、音声/映像信号再生部14は、再生した音声信号のうちRチャンネルの音声信号を、ハイパスフィルタ17Aを介して変調器18Aに、Lチャンネルの音声信号をハイパスフィルタ17Bを介して変調器18Bに、Rチャンネルの音声信号及びLチャンネルの音声信号を加算器21に出力し、映像信号をプロジェタ本体20の映像生成部200にそれぞれ、出力する。
したがって、ハイパスフィルタ17Aにより上記Rチャンネルの音声信号のうち中高音域の音声信号が変調器18に入力され、ハイパスフィルタ17Bにより上記Lチャンネルの音声信号のうち中高音域の音声信号が変調器18Bに入力される。
また、上記Rチャンネルの音声信号及びLチャンネルの音声信号は加算器21により合成され、ローパスフィルタ19により上記Rチャンネルの音声信号及びLチャンネルの音声信号のうち低音域の音声信号がパワーアンプ22Cに入力される。
映像信号生成部200では、入力された映像信号に基づいてディスプレイを駆動して映像を生成し、表示する。このディスプレイに表示された映像は、投影光学系20により、投影面、例えば、図1に示すスクリーン2に投影される。
他方、変調器18Aは、キャリア波発振源16から出力されるキャリア波をハイパスフィルタ17Aから出力される上記Rチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号でAM変調し、パワーアンプ22Aに出力する。
また、変調器18Bは、キャリア波発振源16から出力されるキャリア波をハイパスフィルタ17Bから出力される上記Lチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号でAM変調し、パワーアンプ22Bに出力する。
パワーアンプ22A,22Bにより増幅された変調信号は、それぞれ、超音波トランスデューサ24A,24Bの上電極32と下電極33との間に印加され、該変調信号は、有限振幅レベルの音波(音響信号)に変換され、超音波トランスデューサ24A,24Bの音波放射面からスクリーン2における音波反射領域201に配設されている音響反射用凸部210A,210Bに向けて媒質(空気中)に放射され、上記音響信号は、スクリーン2における音響反射用凸部210A,210Bで反射され、該音響反射用凸部210A,210Bで反射した音響信号の再生音は所望の方向に安定的に拡散され、スクリーン近傍で仮想音源が形成される。
ここで、超音波トランスデューサ24Aからは、上記Rチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号が再生され、超音波トランスデューサ24Bからは、上記Lチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号が再生される。
また、また、パワーアンプ22Cで増幅された上記Rチャンネル及びLチャンネルにおける低音域の音声信号は低音再生用スピーカ23により再生される。
スクリーンの映像投射面あるいはその近傍で形成された仮想音源から再生音が効率的に分散され、視聴者は臨場感の高い反射再生音を広い範囲で聞くことができる。
ここで、媒質(空気)の非線形効果について簡単に述べておくと、超音波トランスデューサにより媒質中(空気中)に放射された超音波の伝播において、その伝播に伴い音圧の高い部分では音速が高くなり、音圧の低い部分では音速は遅くなる。この結果、波形の歪みが発生することが知られている。
放射する超音波帯域の信号(キャリア波)を可聴周波数帯の信号で変調(AM変調)しておいた場合には、上記波形歪みの結果により、変調時に用いた可聴周波数帯の信号波が超音波周波数帯のキャリア波と分離して自己復調する形で形成されてくることも知られている。その際、再生信号の広がりは超音波の特性からビーム状となり、通常のスピーカとは全く異なる特定方向のみに音が再生される。
本実施形態に係るプロジェクタでは、超音波スピーカを構成する超音波トランスデューサ24から出力されるビーム状の再生信号は、投影光学系202により映像が投影される投影面(スクリーン)に向けて放射され、投影面で反射され拡散する。再生範囲設定部12に設定されるキャリア波の周波数に応じて超音波トランスデューサ24の音波放射面からその放射軸方向(法線方向)においてキャリア波から再生信号が分離されるまでの距離、キャリア波のビーム幅(ビームの拡がり角)が異なるために、再生範囲は、変化する。
本実施形態に係るプロジェクタにおける超音波トランスデューサ24A,24Bを含んで構成される超音波スピーカによる再生信号の再生時の状態を図6に示す。プロジェクタ1において、キャリア波が音声信号により変調された変調信号により超音波トランスデューサが駆動される際に、再生範囲設定部12により設定されたキャリア周波数が低い場合は、音波トランスデューサ24の音波放射面からその放射軸方向(音波放射面の法線方向)においてキャリア波から再生信号が分離されるまでの距離、すなわち、再生地点までの距離が長くなる。
したがって、再生された可聴周波数帯の再生信号のビームは、比較的拡がらずに投影面2に到達することとなり、この状態で投影面2において反射するので、再生範囲は、図6において点線の矢印で示す可聴範囲Aとなり、投影面2から比較的に遠くかつ狭い範囲でのみ再生信号(再生音)が聞こえる状態となる。
これに対して、再生範囲設定部12により設定されたキャリア周波数が上述した場合より高い場合は、超音波トランスデューサ24の音波放射面から放射される音波は、キャリア周波数が低い場合より絞られているが、超音波トランスデューサ24の音波放射面からその放射軸方向(音波放射面の法線方向)においてキャリア波から再生信号が分離されるまでの距離、すなわち、再生地点までの距離が短くなる。
したがって、再生された可聴周波数帯の再生信号のビームは、投影面2に到達する前に拡がって投影面2に到達することとなり、この状態で投影面2において反射するので、再生範囲は、図6において実線の矢印で示す可聴範囲Bとなり、投影面2から比較的に近くかつ広い範囲でのみ再生信号(再生音)が聞こえる状態となる。
本発明の実施形態に係るプロジェクタによれば、前記音響ソースから供給される音声信号のうち中高音域の音声信号は超音波スピーカにより再生され、前記音響ソースから供給される音声信号のうち低音域の音声信号は低音再生用スピーカにより再生される。
したがって、中高音域の音響は、スクリーン等の音波反射面近傍に形成される仮想音源から発せられるように再生され、低音域の音響は、プロジェクタに備えられた低音再生用スピーカから直接出力されるので、低音域の補強ができ、より臨場感の高い音場環境を創生できる。
本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムによれば、スクリーンの一部にプロジェクタに搭載された超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部が設けられており、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号が出力される。
したがって、スクリーンの音響反射用凸部で反射した再生音が所望の方向に安定的に拡散され、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い反射再生音を広い範囲で聞くことができる。
映像が投射されるスクリーンと、映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタ本体と音響ソースから供給される音声信号を再生し、スクリーンにおける音波反射面近傍に仮想音源を形成する超音波スピーカとを有するプロジェクタとを備えたプロジェクタシステムのスクリーンにおいて、スクリーンの一部に前記超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部が設けられており、前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号が出力される。
したがって、スクリーンの音響反射用凸部で反射した再生音が所望の方向に安定的に拡散され、スクリーン近傍で仮想音源が形成され、視聴者は、スクリーンの映像投射面あるいはその近傍から臨場感の高い反射再生音を広い範囲で聞くことができる。
プロジェクタを使用する場合に、専用スクリーンを用いずに壁面をスクリーンとして利用することがある。そのような場合にも本発明が適用でき、その場合にはスクリーンの音波反射領域に設けられた音響反射用凸部として機能する凸部部材を壁面に貼り付けるなどして設置すれば上述した本発明の実施形態により得られる効果と同様の効果が得られる。
さらにプロジェクタシステムに限定されることはなく、ディスプレイと音響再生用超音波スピーカとが一体的に構成された直視型ディスプレイにおいても適用可能である。
本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムの使用状態を示す説明図。 図1に示した本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムにおけるプロジェクタの外観構成を示す斜視図。 図1に示した本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムにおけるプロジェクタの電気的構成を示すブロック図。 図3に示した超音波トランスデューサの具体的構成を示す図。 図4に示した超音波トランスデューサの周波数特性を示す特性図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムにおけるプロジェクタに搭載された超音波トランスデューサによる再生信号の再生時の状態を示すイメージ図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムのスクリーン構造の一例を示す説明図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムのスクリーン構造の他の例を示す説明図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタシステムのスクリーン構造のさらに他の例を示す説明図。 図9に示したスクリーン構造における音波反射領域にスピーカの映像を表示した状態を示す説明図。 従来の超音波スピーカの電気的構成を示すブロック図。 共振型の超音波トランスデューサの構成例を示す図。
符号の説明
1…プロジェクタ、2…スクリーン(投影面)、10…操作入力部、12…再生範囲設定部、13…再生範囲制御処理部、14…音声/映像信号再生部(音響ソース)、16…キャリア波発振部、17A,17B…ハイパスフィルタ、18A,18B…変調器、19…ローパスフィルタ、20…プロジェクタ本体、21…加算器、22A,22B,22C…パワーアンプ、23…低音再生用スピーカ、24A,24B…超音波トランスデューサ、200…映像放射領域、201…音波反射領域、210A,210B,211A,211B,212…音響反射用凸部

Claims (12)

  1. 映像が投射されるスクリーンと、映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタ本体と音響ソースから供給される音声信号を再生し、スクリーンにおける音波反射面近傍に仮想音源を形成する超音波スピーカとを有するプロジェクタとを備えたプロジェクタシステムであって、
    前記スクリーンの一部に前記超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部を設け、
    前記超音波スピーカから前記スクリーンの音響反射用凸部に向けて音響信号を出力することを特徴とするプロジェクタシステム。
  2. 前記音響反射用凸部は、前記水平方向断面が円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタシステム。
  3. 前記音響反射用凸部の高さは前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より長いことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタシステム。
  4. 前記音響反射用凸部は、複数の小さい凸部がアレイ状に配設されることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタシステム。
  5. 前記複数の小さい凸部の各々の高さは、前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より短く、前記スクリーンの映像投射面に形成された凹凸の凸部の高さより長いことを特徴とする請求項4に記載のプロジェクタシステム。
  6. 前記スクリーンの音響反射用凸部が設けられる位置にスピーカの映像を表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のプロジェクタシステム。
  7. 映像が投射されるスクリーンと、映像を前記スクリーンに投射するプロジェクタ本体と音響ソースから供給される音声信号を再生し、スクリーンにおける音波反射面近傍に仮想音源を形成する超音波スピーカとを有するプロジェクタとを備えたプロジェクタシステムのスクリーンにおいて、
    前記超音波スピーカから出力される指向性音響信号を反射する音響反射用凸部を一部に有することを特徴とするスクリーン構造。
  8. 前記音響反射用凸部は、前記水平方向断面が円弧状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のスクリーン構造。
  9. 前記音響反射用凸部の高さは前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より長いことを特徴とする請求項8に記載のスクリーン構造。
  10. 前記音響反射用凸部は、複数の小さい凸部がアレイ状に配設されることにより形成されることを特徴とする請求項7に記載のスクリーン構造。
  11. 前記複数の小さい凸部の各々の高さは、前記超音波スピーカから出力される音響信号の超音波の波長より短く、前記スクリーンの映像投射面に形成された凹凸の凸部の高さより長いことを特徴とする請求項10に記載のスクリーン構造。
  12. 前記スクリーンの音響反射用凸部が設けられる位置にスピーカの映像を表示することを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載のスクリーン構造。
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