JP2007235792A - テレビシステム、およびテレビ音声聴取方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】視聴者が、周囲への音漏れの迷惑を心配せずにテレビを視聴することができる、テレビシステムを提供する。
【解決手段】テレビジョンに内蔵された超音波スピーカから、音声信号で変調された超音波信号をベッドに向けて放射し、該超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生し、前記視聴者にテレビジョンの音声信号を聴取させるテレビシステムであって、前記ベッドの枕元上部に配置され、前記テレビジョンからの超音波信号をベッドの枕元の方向に反射し、前記ベッドの枕元でテレビジョンの音声信号を再生させる音場形成器を備えることを特徴とするテレビシステム。
【選択図】図1
【解決手段】テレビジョンに内蔵された超音波スピーカから、音声信号で変調された超音波信号をベッドに向けて放射し、該超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生し、前記視聴者にテレビジョンの音声信号を聴取させるテレビシステムであって、前記ベッドの枕元上部に配置され、前記テレビジョンからの超音波信号をベッドの枕元の方向に反射し、前記ベッドの枕元でテレビジョンの音声信号を再生させる音場形成器を備えることを特徴とするテレビシステム。
【選択図】図1
Description
本発明は、入院患者が、周囲への音漏れの迷惑を心配せずにテレビジョン(単に「テレビ」ともいう)を視聴することができる、テレビシステム、およびテレビ音声聴取方法に関する。
現在、一般的に病室内に設置されているテレビが、通常のラウドスピーカを内蔵したテレビであることから、時間帯あるいは同部屋に入院している患者を気遣う必要があり、テレビを視聴する患者は音量を下げるか、あるいはイヤホンを使用して、周囲に音が漏れないようにするなどの配慮をしていた。
また、通常、患者はベッドに寝た状態でテレビを見ることが多く、この場合イヤホンは必須である。よって、イヤホンを長い時間使用すると耳に痛みが生じたり、イヤホンを耳に挿したまま体の向きを変えたりする場合には、イヤホンのリード線が邪魔になったり、逆の耳に挿し変えたりなど、面倒なことが多々あった。
そこで、周囲に迷惑がかからないように、周囲への音漏れを低減することを可能とした、超音波スピーカを用いた音響装置やテレビなどが提案されている。例えば、従来技術の音響装置及び音響装置の制御方法がある(特許文献1を参照)。
この従来技術の音響装置及び音響装置の制御方法では、リモートコマンダーからの遠隔制御信号によりリモートコマンダーの方向を検出し、超音波によるスピーカの指向性をこのリモートコマンダーの方向に可変することにより、周囲への音漏れを低減してスピーカにより適切な音場を形成可能としたテレビジョン、各種オーディオ機器等を提供している。
しかしながら、この従来技術の構成においては、超音波の強い指向性を保持した状態で音場形成するため、視聴者が場所を変えるか、姿勢を変える度に、リモートコマンダーによる遠隔操作で、スピーカの向きを修正しなくてはならず、非常に面倒である。また、超音波は比較的硬い材質のものであれば簡単に反射してしまうため、背面に超音波を反射し易い壁や物体があると音が乱反射し、結果周囲に迷惑がかかることとなる。
特開2005−295411号公報
上述したように、従来技術の音響装置及び音響装置の制御方法においては、超音波の強い指向性を保持した状態で音場形成するため、視聴者が場所を変えるか、姿勢を変える度に、リモートコマンダーによる遠隔操作で、スピーカの向きを修正しなくてはならず、非常に面倒であった。また、超音波は比較的硬い材質のものであれば簡単に反射してしまうため、背面に超音波を反射し易い壁や物体があると音が乱反射し、結果周囲に迷惑がかかるという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、テレビに指向性スピーカ(超音波スピーカ)を備えた場合に、入院患者が、周囲への音漏れの迷惑を心配せずに、ベッドに寝たままの状態、あるいは半身を起こした状態(リクライニング状態)でもテレビを視聴することができる、テレビシステム、およびテレビ音声聴取方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のテレビシステムは、テレビジョンに内蔵された超音波スピーカから、音声信号で変調された超音波信号をベッドに向けて放射し、該超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生し、前記視聴者にテレビジョンの音声を聴取させるテレビシステムであって、前記ベッドの枕元上部に配置され、前記テレビジョンからの超音波信号をベッドの枕元の方向に反射し、前記ベッドの枕元でテレビジョンの音声信号を再生させる音場形成器を備えることを特徴とする。
このような構成のテレビシステムにおいては、テレビに内蔵された超音波スピーカから放射される超音波信号を、ベッドの枕元の上部に設置した音場形成器により反射させ、超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生させる。
これにより、入院患者は、周囲への音漏れの迷惑を心配せずに、ベッドに寝たまま、あるいは半身を起こした状態(リクライニング状態)でもテレビを視聴することができる。
このような構成のテレビシステムにおいては、テレビに内蔵された超音波スピーカから放射される超音波信号を、ベッドの枕元の上部に設置した音場形成器により反射させ、超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生させる。
これにより、入院患者は、周囲への音漏れの迷惑を心配せずに、ベッドに寝たまま、あるいは半身を起こした状態(リクライニング状態)でもテレビを視聴することができる。
また、本発明のテレビシステムは、前記音場形成器の反射面が楕円曲面形状に形成されたことを特徴とする。
このような構成により、音場形成器の反射面を楕円曲面形状としたので、これにより、超音波の指向性を弱めて、ある程度音に広がりを持たせることで、視聴者の頭の位置が変わっても、テレビの音声の聞こえ方に変化が出ないようにすることができる。
このような構成により、音場形成器の反射面を楕円曲面形状としたので、これにより、超音波の指向性を弱めて、ある程度音に広がりを持たせることで、視聴者の頭の位置が変わっても、テレビの音声の聞こえ方に変化が出ないようにすることができる。
また、本発明のテレビシステムは、前記音場形成器の反射面が、超音波信号を散乱させるように形成されたことを特徴とする。
このような構成により、例えば、音場形成器の内側表面を複数の平面とする、粗面とする、または細かい多数の凹凸や半球を配する等することにより、音波に広がりが生じ、試聴可能な範囲が広がる。これにより、視聴者が若干体を移動させても、同様の音量でテレビの音声を聞くことができる。
このような構成により、例えば、音場形成器の内側表面を複数の平面とする、粗面とする、または細かい多数の凹凸や半球を配する等することにより、音波に広がりが生じ、試聴可能な範囲が広がる。これにより、視聴者が若干体を移動させても、同様の音量でテレビの音声を聞くことができる。
また、本発明のテレビシステムは、前記音場形成器は、超音波信号の反射面を左右方向および上下方向に変更するための可変機構を備えることを特徴とする。
このような構成により、音場形成器の反射面を、上下、左右など、如何なる方向及び角度へも変更可能としている。
これにより、テレビの設置位置に合わせて、音場形成器の向きを適切に合わせることができる。従って、テレビをベッドの足元付近のみならず、ベッドと平行に並べて配置することもできる。
このような構成により、音場形成器の反射面を、上下、左右など、如何なる方向及び角度へも変更可能としている。
これにより、テレビの設置位置に合わせて、音場形成器の向きを適切に合わせることができる。従って、テレビをベッドの足元付近のみならず、ベッドと平行に並べて配置することもできる。
また、本発明のテレビシステムは、前記音場形成器は、前記テレビジョンに対して音場形成器自身の位置信号を送信するための位置検出送信器を備え、前記テレビジョンは、前記音場形成器の位置検出送信器からの位置信号を受信する位置検出受信器と、前記音場形成器から送信される位置信号の変化に合わせて、超音波スピーカの向きを修正する自動移動機構とを備えることを特徴とする。
このような構成により、テレビは、音場形成器の位置検出送信器から位置信号を受信し、音場形成器から送信される位置信号の変化に合わせて、超音波スピーカの向きを修正する。
これにより、音場形成器の位置に合わせて超音波スピーカの向きを自動修正できる。
このような構成により、テレビは、音場形成器の位置検出送信器から位置信号を受信し、音場形成器から送信される位置信号の変化に合わせて、超音波スピーカの向きを修正する。
これにより、音場形成器の位置に合わせて超音波スピーカの向きを自動修正できる。
また、本発明のテレビ音声聴取方法は、テレビジョンに内蔵された超音波スピーカから、音声信号で変調された超音波信号をベッドに向けて放射し、該超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生し、前記視聴者にテレビジョンの音声を聴取させるテレビシステムにおけるテレビ音声聴取方法であって、前記超音波信号を反射する音場形成器を前記ベッドの枕元上部に配置する手順と、前記音場形成器により前記テレビジョンからの超音波信号をベッドの枕元の方向に反射させ、該ベッドの枕元の近辺でテレビジョンの音声信号を再生させる手順とを含むことを特徴とする。
このような方法により、テレビに内蔵された超音波スピーカから放射される超音波信号を、ベッドの枕元の上部に設置した音場形成器により反射させ、超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生させる。
これにより、入院患者は、周囲への音漏れの迷惑を心配せずに、ベッドに寝たまま、あるいは半身を起こした状態(リクライニング状態)でもテレビを視聴することができる。
このような方法により、テレビに内蔵された超音波スピーカから放射される超音波信号を、ベッドの枕元の上部に設置した音場形成器により反射させ、超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生させる。
これにより、入院患者は、周囲への音漏れの迷惑を心配せずに、ベッドに寝たまま、あるいは半身を起こした状態(リクライニング状態)でもテレビを視聴することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明によるテレビシステムの構成例を示す図である。図1に示すように、本発明のテレビシステム1は、テレビ10と、ベッド2に設けられた音場形成器20とで構成されている。
図1は、本発明によるテレビシステムの構成例を示す図である。図1に示すように、本発明のテレビシステム1は、テレビ10と、ベッド2に設けられた音場形成器20とで構成されている。
図2は、本発明のテレビシステムで使用されるテレビ本体の外観図を示している。図2(A)は、テレビの正面図、図2(B)はテレビの側面図を示している。
図2に示すように、テレビ10には超音波スピーカ11が内蔵されており、これが非常に強い指向性を持つビーム状の音源となり、図2(B)中の点線矢印Aで示すような超音波が放出される(超音波スピーカの構成と動作については後述する)。
図2に示すように、テレビ10には超音波スピーカ11が内蔵されており、これが非常に強い指向性を持つビーム状の音源となり、図2(B)中の点線矢印Aで示すような超音波が放出される(超音波スピーカの構成と動作については後述する)。
図1に戻り、この超音波スピーカ11は、放射する超音波が視聴者に到達する前にベッド2の一部、寝具、椅子等によって遮られることがないように、テレビ10のやや上方に配置するのが良い。
また、テレビ10の超音波スピーカ11の上部には、位置検出受信器12が備えられており、ベッド上方に装着された音場形成器20に備えた位置検出送信器21からの位置信号を基に、音場形成器20の最適な反射スポットに対して音波を放出するように、自動移相機構13により超音波スピーカ11の向きを調整する。
なお、位置検出送信器21は、例えば、赤外線による信号を送信する。位置検出受信器12では、例えば、複数の赤外線センサを円弧形状に配列し、各赤外線サンサの受信強度を比較することにより、位置検出送信器21の方向を判別することができる。また、位置検出受信器12では、例えば、複数の赤外線センサを曲面形状等に平面的に配列し、各赤外線サンサの受信強度を比較することにより、位置検出送信器21の方向と、角度の両方を検出することができる。
また、音場形成器20は曲面形状を成し、角度および向きを自由に変えるための可変機構22を介して、ベッド2の本体頭部の縦板あるいはフレームに固定されている。なお、音場形成器2は、ベッド2の本体の一部では無く、視聴者の頭部上方の壁等に固定しても構わない。
このような構成とすることにより、視聴者の耳の位置とテレビ10の位置に合わせて、音場形成器20を任意の向きを変えることができる。音場形成器20によって反射された超音波からの復調音(テレビの音声)は、枕元に向かってやや後方上部から降りてくる。また、超音波成分を含む音波は、視聴者の衣類や寝具類によってほぼ完全に吸収されるため、乱反射して周囲に音が漏れることも無い。
図3は、ベッドをリクライニング状態とした時の構成例を示す図である。図3に示す例では、ベッド2の状態を除くその他の構成は図1と同じである。音場形成器20を視聴者の頭部よりも上部に配置しておけば、必要に応じて音場形成器20の向きや角度を調整するだけで、図1と同様の状態でテレビ10を視聴することができる。
なお、図1および図3に示す例では、テレビ10がベッド2と同一直線上の足元付近に設置されているが、テレビ10をベッド2と平行に並べて設置した場合でも、音場形成器20の向きと角度を調整し、テレビ10の向きに合わせるようにすれば、上記と同様の状態でテレビ10を視聴することができる。
ここで、ベッド2と平行にテレビ10を設置した場合には、音場形成器20の向きを大きく修正する必要がある。この場合には、音場形成器20に備えた位置検出送信器21の信号を基に、テレビに備えた位置検出受信器12が音場形成器20の方向を検出し、その方向に対して、自動移動機構13を駆動、制御することにより、超音波スピーカ11の向きが自動修正される。
図4は、音場形成器の構成例を示す図である。図4(A)は正面、図4(B)は側面から見た外観を示している。音場形成器20は、超音波スピーカ11から受けた音波を可能な限り効率良く集音し、かつ周囲への音の散乱を防止するために、楕円曲面形状を成す。音場形成器20の内側表面(=音波を受ける面)は、平滑な面としても良いが、超音波の指向性を弱めて、ある程度音に広がりを持たせることで、視聴者の頭の位置が変わっても、聞こえ方に変化が出難い構成とするもの良い。
例えば、音場形成器20の内側表面を粗面とする、細かい多数の凹凸や半球を配する等することにより、音波に広がりが生じ、試聴可能な範囲が広がる。こうすることにより、視聴者が若干体を移動させても、同様の音量でテレビの音声を聞くことができる。
また、音波は視聴者の上方から降りてくる。すなわち、音波が向かう先は、視聴者の衣類や寝具など、超音波を反射し難い材質のため、先ほど示した楕円曲面の内面の表面の処理によって音場が広がっても、周囲に音が散乱することはない。
また、音場形成器20は可変機構22と支持部23によって、上下、左右如何なる方向及び角度へも変更可能な構造としている。可変機構22は球体であり、これを支持部23に半分より若干深く埋め込んでおり、向きに関しては360度全方向、角度についても少なくとも±70度以内で変更可能である。
上述した音場形成器20では、支持部23をベッド本体の頭部縦板あるいはフレームに直接固定した場合を示したが、多関節型のアームを介してベッドあるいは近傍の壁等に固定する方法を用いれば、如何なる角度にも変更することが可能となる。
図5は、テレビ内の超音波スピーカの自動移動機構の構成例を示す図である。図5は、超音波トランスデューサ移動機構の一例として、電磁アクチュエータ方式の例を示したものであり、超音波トランスデューサの自動移動機構13の中心断面を示したものである。
超音波スピーカは超音波を放射する超音波トランスデューサ31を有しており、この超音波トランスデューサ31は非磁性材料から成る球状のホルダー32に収納され、ホルダーの背面の中央部には小片の軟磁性材料である磁性板33が埋め込まれている。ホルダー32の背面には、所定の間隔で所望の位置を磁化することが可能な磁化装置34が備えられている。
よって、超音波トランスデューサ31を矢印Aの方向に回転させて、ある特定の向きに変更したい場合は、磁化装置34によって磁化する位置を移動させることにより、ホルダー32に埋め込まれた磁性板33を吸引して所望の位置に誘導する。
図5(B)は、超音波トランスデューサ31を左45°回転して保持した例であり、図5(C)は、超音波トランスデューサ31を中心位置に保持した例であり、図5(D)は、超音波トランスデューサ31を右45°回転させて保持した例を示している。
なお、図5に示す自動移動機構13は、磁性板33と磁化装置34を用いた電磁アクチュエータ方式の例であるが、モータとギヤを用いた機構でもよい。また、図5では、超音波トランスデューサ31を、図5上で、矢印Aの方向にのみ回転する例についてだけ示したが、超音波トランスデューサ31を矢印Aの方向のみならず、紙面と垂直な方向に回転するような機構を用いることも容易にできる。
また、図6は、本発明のテレビシステムの全体構成を示すブロック図である。音場形成器20には位置検出送信器21が設備されており、可変機構22を介して支持部23によりベッドなどに取り付けられている。
テレビ10には、本発明に直接関係する部分のみが示されており、テレビ自身の受信回路や、映像や音声信号の検波、復調、再生回路や、映像表示部等は省略されている。テレビ10内の制御部14はCPU等で構成され、位置検出受信器12、音場形成器位置判別部15、超音波スピーカ位置制御部16、および自動移動機構13等を統括制御する。
位置検出受信器12は、音場形成器20の位置検出送信器21から位置信号を赤外線等により受信する。音場形成器位置判別部15は、位置検出受信器12からの信号を受信し、音場形成器20の位置を判別する処理を行う。超音波スピーカ位置制御部16は、音場形成器位置判別部15から受信した音場形成器20の位置信号を基に、自動移動機構13を制御する。すなわち、自動移動機構13により、超音波トランスデューサ31が音場形成器20の方向に向かうように制御する。
図7は、超音波スピーカで使用される静電型超音波トランスデューサの構成と動作ついて説明するための図である。図7(A)は、静電型超音波トランスデューサの断面構造を示す図である。図7(A)に示す静電型超音波トランスデューサは、電極として機能する導電性材料で形成された導電部材を含む一対の固定電極40、41と、一対の固定電極40、41に挟持され、導電層(振動膜電極)421を有する振動膜42と、一対の固定電極40、41と振動膜42を保持する支持部材45とを有している。
振動膜42は、絶縁層420と、導電性材料で形成された導電層421とを有しており、該導電層421には、直流バイアス電源46により単一極性(正極性でも負極性のいずれでもよい)の直流バイアス電圧が印加されるようになっている。
また、一対の固定電極40、41は振動膜42を介して対向する位置に同数かつ複数の貫通孔44を有しており、一対の固定電極40、41の導電部材間には信号源48A、48Bにより交流信号が印加されるようになっている。固定電極40と導電層421、固定電極41と導電層421には、それぞれコンデンサが形成されている。
上記構成において、静電型超音波トランスデューサは、振動膜42の導電層421に、直流バイアス電源46により単一極性の(本例では正極性の)直流バイアス電圧が印加される。一方、一対の固定電極40、41には、信号源48A、48Bにより交流信号が印加される。この結果、信号源48A、48Bから出力される交流信号の正の半サイクルでは、固定電極40に正の電圧が印加されるために、振動膜42の固定電極で挟持されていない表面部分43Aには、静電反発力が作用し、表面部分43Aは、図7上、下方に引っ張られる。また、このとき、対向する固定電極41には、負の電圧が印加されるために、振動膜42の裏面側である裏面部分43Bには、静電吸引力が作用し、裏面部分43Bは、図7上、さらに下方に引っ張られる。
したがって、振動膜42の一対の固定電極40、41により挟持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電斥力を受ける。これは、信号源48A、48Bから出力される交流信号の負の半サイクルについても同様に、振動膜42の表面部分43Aには、図7上、上方に静電吸引力が、また裏面部分43Bには、図7上、上方に静電反発力が作用し、振動膜42の一対の固定電極40、41により挟持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電斥力を受ける。このようにして、交流信号の極性の変化に応じて振動膜42が同方向に静電反発力と静電斥力を受けながら、交互に静電力が働く方向が変化するので、大きな膜振動、すなわち、パラメトリックアレイ効果を得るのに十分な音圧レベルの音響信号を発生することができる。
このように図7に示す超音波トランスデューサは、振動膜42が一対の固定電極40、41から力を受けて振動することからプッシュプル(Push−Pull)型と呼ばれている。プッシュプル型の静電型超音波トランスデューサは、振動膜に静電吸引力のみしか作用しないプル型(Pull)型の静電型超音波トランスデューサに比して、広帯域性と高音圧を同時に満たす能力を持っている。
上述したように、プッシュプル型の静電型超音波トランスデューサにおいては、振動膜には高電圧の直流バイアス電圧が印加され、固定電極には交流電圧が印加されることにより、固定電極−振動膜に働く静電力(引力及び斥力)により膜部分が振動する。この場合、超音波帯の振動を実現する為には振動部分の孔径を数mm以下にする必要があり、例えば、図7(B)に示すように、固定電極40上に多数の貫通孔(振動孔)44を設けることにより、追従性が高くて出力が大きいトランスデューサを構成する必要がある。
図8は、テレビに内蔵される超音波スピーカの構成例を示す図である。この超音波スピーカの超音波トランスデューサ31には、図7に示したプッシュプル型の静電型超音波トランスデューサが使用されている。超音波スピーカは、キャリア波と呼ばれる超音波にテレビの音声信号(可聴周波数信号)でAM変調をかけ、これを空中に放出すると空気の非線形により、空中で元の音声信号が自己再生される、というものである。つまり音波は空気を媒体として伝播する粗密波であるので、変調された超音波が伝播する過程で、空気の密な部分と疎な部分とが顕著に表れ、密な部分は音速が速く、疎な部分は音速が遅くなるので変調波自身に歪が生じ、その結果キャリア波(超音波)と可聴波(音声信号)に波形分離され、我々人間は20kHz以下の可聴音(テレビの音声信号)のみを聴くことができるという原理であり、一般にはパラメトリックアレイ効果と呼ばれている。
図8に示す超音波スピーカは、可聴波周波数帯の信号波を生成する可聴周波数帯発信源(テレビの音声信号源)51と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力する超音波周波数発信源52と、変調器53と、プリアンプ54と、パワーアンプ55と、直流バイアス電源46と、超音波トランスデューサ31とを有している。
上記構成において、変調器53では、可聴周波数帯発信源(テレビの音声信号源)51にて生成された可聴周波数帯の信号(テレビの音声信号)を入力信号とし、超音波周波数発信源52にて生成された超音波周波数信号(キヤリア波信号)を可聴周波数信号にて変調する。プリアンプ54では変調信号の前段増幅を行い、パワーアンプ55で変調信号をさらに増幅させる。パワーアンプ55により増幅された変調信号を静電型の超音波トランスデューサ31により音波(超音波)に変換し、空気中に放出すると、空気伝播中にパラメトリック効果が起こり、可聴周波数音波が自己復調され、可聴音を聞くことができる。
以上説明したように、テレビに指向性スピーカを備え、ベッドに音場形成器を備え、音場形成器の形状及び設置位置を最適化し、さらに音場形成器に可変機構を備えたことにより、視聴者が如何なる姿勢(寝たままの状態や、リクライニング状態)であっても、またテレビの位置が如何なる位置にあっても、容易にテレビの音声を聞くことができる。さらには、超音波の乱反射による周囲への音漏れを防止する構成としたことにより、周囲への気遣い無しに、煩わしいイヤホンを使用せずテレビを楽しむことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のテレビシステムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1…テレビシステム、2…ベッド、10…テレビジョン、11…超音波スピーカ、12…位置検出受信器、13…自動移動機構、14…制御部、15…音場形成器位置判別部、16…超音波スピーカ位置制御部、20…音場形成器、21…位置検出送信器、22…可変機構、23…支持部、31…超音波トランスデューサ、32…ホルダー、33…磁性板、34…磁化装置、40、41 固定電極、42…振動膜、44…貫通孔、45…支持部材、46…直流バイアス電源、51…可聴周波数帯発信源、52…超音波周波数発信源、53…変調器、54…プリアンプ、55…パワーアンプ
Claims (6)
- テレビジョンに内蔵された超音波スピーカから、音声信号で変調された超音波信号をベッドに向けて放射し、該超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生し、前記視聴者にテレビジョンの音声を聴取させる テレビシステムであって、
前記ベッドの枕元上部に配置され、前記テレビジョンからの超音波信号をベッドの枕元の方向に反射し、前記ベッドの枕元でテレビジョンの音声信号を再生させる音場形成器を
備えることを特徴とするテレビシステム。 - 前記音場形成器の反射面が楕円曲面形状に形成されたこと
を特徴とする請求項1に記載のテレビシステム。 - 前記音場形成器の反射面が、超音波信号を散乱させるように形成されたこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレビシステム。 - 前記音場形成器は、超音波信号の反射面を左右方向および上下方向に変更するための可変機構を備えること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のテレビシステム。 - 前記音場形成器は、
前記テレビジョンに対して音場形成器自身の位置信号を送信するための位置検出送信器を備え、
前記テレビジョンは、
前記音場形成器の位置検出送信器からの位置信号を受信する位置検出受信器と、
前記音場形成器から送信される位置信号の変化に合わせて、超音波スピーカの向きを修正する自動移動機構と
を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のテレビシステム。 - テレビジョンに内蔵された超音波スピーカから、音声信号で変調された超音波信号をベッドに向けて放射し、該超音波信号に含まれる音声信号をベッド上に横たわる視聴者の枕元の近辺で再生し、前記視聴者にテレビジョンの音声を聴取させるテレビシステムにおけるテレビ音声聴取方法であって、
前記超音波信号を反射する音場形成器を前記ベッドの枕元上部に配置する手順と、
前記音場形成器により前記テレビジョンからの超音波信号をベッドの枕元の方向に反射させ、該ベッドの枕元の近辺でテレビジョンの音声信号を再生させる手順と
を含むことを特徴とするテレビ音声聴取方法。
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JP2006057323A JP2007235792A (ja) | 2006-03-03 | 2006-03-03 | テレビシステム、およびテレビ音声聴取方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009212898A (ja) * | 2008-03-05 | 2009-09-17 | Nippon Ceramic Co Ltd | 超音波音響装置 |
JP2010263416A (ja) * | 2009-05-07 | 2010-11-18 | Nippon Ceramic Co Ltd | 振幅変調回路、超音波音響装置 |
JP2013128584A (ja) * | 2011-12-20 | 2013-07-04 | Kyoraku Sangyo Kk | 遊技機 |
JP5488732B1 (ja) * | 2013-03-05 | 2014-05-14 | パナソニック株式会社 | 音響再生装置 |
RU2740860C2 (ru) * | 2016-04-29 | 2021-01-21 | Бурместер Аудиосистем ГмбХ | Громкоговоритель |
-
2006
- 2006-03-03 JP JP2006057323A patent/JP2007235792A/ja not_active Withdrawn
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