JP2007266699A - 画像データ変換処理装置および画像データ変換処理方法 - Google Patents

画像データ変換処理装置および画像データ変換処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実用性の高い画像データ変換処理を提供する。
【解決手段】画素の階調値データ12を誤差拡散法に従って多値化値データ14に変換する多値化処理18と、その多値化処理に先立って原画像の画像データから処理後画像の画素ごとの階調値データを作成する前処理18とを実行する場合に、それらの処理を、それぞれ、1画素ラインを構成する画素ごとの画素データを画素ラインに沿った方向に順次作成するライン処理を実行するとともに、そのライン処理を対象となる画素ラインを遷移させつつ繰り返し実行することで、処理後画像を構成する各画素の画素データを作成する処理とし、かつ、上記多値化処理でのライン処理の処理方向および上記前処理でのライン処理の処理方向とが、同じ画素ラインに対して互いに同じ方向となり、かつ、画素ラインごとにそれらの処理方向が逆方向に切り換わるようにして行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像データ変換処理装置および画像データ変換処理方法、詳しくは、画素がマトリクス状に配列された画像の画像データを別の画像データに変換するための処理装置および処理方法に関する。
画素がマトリクス状に配列された画像の画像データを変換する処理は、一般的に、1画素ラインの各画素のデータをそのラインに沿って1画素ずつ作成するライン処理を、対象となる画素ラインを遷移させつつ繰り返して実行することによって行われる。下記特許文献には、誤差拡散法に従って各画素の多値化値データを階調値データから変換する画像データ変換処理が記載されており、その処理では、各画素ラインについてのライン処理が、処理方向を画素ラインごとに逆転させられて実行されている。
特開2001−8003号公報
画像データ変換処理は、処理の速度が速いことが望まれ、また、処理の精度つまり処理後の画像データによって形成される画像の画質が高いことが望まれており、それら処理速度,画質の向上に関して、限りない追求がなされている。上記特許文献に記載されているような画像データ変換処理、つまり、ライン処理の処理方向の切り換えが行われるような変換処理においても、処理速度,画質の向上は大きな命題であり、さらなる高速化あるいは高画質化を実現させることが、その処理の実用性を高めることに繋がるのである。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い画像データ変換処理装置,画像データ変換処理方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像データ変換処理装置および画像データ変換処理方法は、画素の階調値データを誤差拡散法に従って多値化値データに変換する多値化処理と、その多値化処理に先立って原画像の画像データから処理後画像の画素ごとの階調値データを作成する前処理とを実行可能とされ、それらの処理が、それぞれ、1画素ラインを構成する画素ごとの画素データを画素ラインに沿った方向に順次作成するライン処理を実行するとともに、そのライン処理を対象となる画素ラインを遷移させつつ繰り返し実行することで、処理後画像を構成する各画素の画素データを作成する処理とされ、上記多値化処理のライン処理の処理方向および上記前処理のライン処理の処理方向とが、同じ画素ラインに対して互いに同じ方向となり、かつ、画素ラインごとにそれらの処理方向が逆方向に切り換わるように構成される。
本発明の画像データ変換処理装置および画像データ変換処理方法によれば、誤差拡散法に従う多値化処理が画素ラインごとに方向が逆転されて実行されるため、画素ラインの延びる方向における一方側への拡散誤差の蓄積等を原因とする処理後画像の画質の低下を、効果的に緩和,抑制することが可能であり、高品質な画像を形成可能な画像データを得ることが可能となる。また、本発明の画像データ変換処理装置および画像データ変換処理方法によれば、上記前処理におけるライン処理の方向も多値化処理に合わせて画素ラインごとに逆方向に切り換わるようされるため、前処理によって得られた画像データを一旦何らかの記憶手段に記憶してその記憶手段からその画像データを読み出しつつ多値化処理を行うといった必要がなく、迅速な処理が可能となる
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、下記(1)項ないし(8)項の態様は、画像データ変換処理装置のカテゴリに属する態様を示す項であり、下記(1)項は、請求可能発明の前提となる態様を示し、(1)項を直接的あるいは間接的に引用する(2)項以下の項が、請求可能発明の態様を示す項となる。ちなみに、以下の各項において、(1)項を引用する(6)項が請求項1に相当し、請求項1に(7)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項2に、請求項2に(3)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項3に、それぞれ相当する。同様に、下記(11)項ないし(18)項の態様は、画像データ変換処理方法のカテゴリに属する態様を示す項であり、下記(11)項は、請求可能発明の前提となる態様を示し、(11)項を直接的あるいは間接的に引用する(12)項以下の項が、請求可能発明の態様を示す項となる。ちなみに、以下の各項において、(11)項を引用する(16)項が請求項4に相当し、請求項4に(17)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項5に、請求項5に(13)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項6に、それぞれ相当する。
(1)複数の画素がマトリクス状に配列された原画像の画像データであってそれら複数の画素の各々の特性値データを含んで構成された原画像データを、複数の画素がマトリクス状に配列された処理後画像の画像データであってそれら複数の画素の各々の特性に関する特性値データを含んで構成された処理後画像データに変換処理する画像データ変換処理装置であって、
前記原画像データに基づいて、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の特性値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の特性値データを作成する処理後画像データ作成処理部と、
その処理後画像データ作成処理部によって実行されるライン処理における処理方向を画素ラインごとに逆の方向に切り換えるライン処理方向切換制御部と
を備えた画像データ変換処理装置。
本項の画像データ変換処理装置の対象となる「画像データ」は、例えば、マトリクス上の画素位置と関連付けられた各画素の特性値が集合したデータと考えることができる。各画素の「特性値データ」には、例えば、各画素の光学的な特性を示す光学的特性値に関するデータ、プリンタ等の画像形成装置による画像形成処理に対応して設定された特定値に関するデータ等が広く含まれる。具体的には例えば、光学的特性値には、例えば、モノクロ画像である場合における画素の濃度,輝度等を表す値、カラー画像である場合におけるRGB強度,CMYあるいはCMYK濃度,各種表色系(L***,L***,三刺激値等)の各種パラメータ等が含まれ、画像形成装置による画像形成処理に対応して設定された特定値には、画素に対応して記録媒体に形成されるドットの有無、ドットの大きさ等を表す値等が含まれる。なお、処理後画像の各画素の特性値データおよび原画像の各画素の特性値データは、当該装置によって実行される処理に応じて、種々のものを適用することが可能であり、また、それら特性値データは、互いに同じ種類のものであってもよく、異なる種類のものであってもよい。さらに、それら特性値データは、例えば、階調値(アナログ的な連続値をも含む概念である)データであってもよく、2あるいは3以上の値をとる多値化値データであってもよい。なお、本明細書において、「多値化データ」とは、3以上の値で表されるデータのみならず、例えば0,1の2つの値で表される2値化データをも含む概念である。
「原画像」および「処理後画像」は、それぞれ、複数の画素が二次的なマトリクス状に配置されたものと観念でき、例えば、画素が1列に並ぶ画素ラインが複数並ぶように構成されたものと観念することができる。「処理後画像」は、便宜的に規定した画像であり、当該装置の処理によって得られる特定の画素マトリクスを有する概念的な画像を意味する。処理後画像の画素ラインの数(以下、「画素ライン数」あるいは単に「ライン数」という場合がある)および1画素ラインの画素数(以下「画素コラム数」あるいは単に「コラム数」という場合がある)は、原画像の画素ライン数および画素コラム数と同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、当該装置が、原画像に対して、画素ラインの延びる方向(以下、「ライン方向」という場合がある)と画素ラインが並ぶ方向(以下、「コラム方向」という場合がある)との少なくとも一方における圧縮処理と拡大処理との少なくとも一方が実行可能なものであり、それらの処理の少なくとも一方が実行される場合には、原画像と処理後画像とは、ライン数とコラム数との少なくとも一方が異なるものとなる。
当該画像データ変換処理装置が備える「処理後画像データ作成処理部」は、その装置において中心的な役割を果たす機能部である。その機能部が実行する処理は特に限定されず、その機能部は、例えば、原画像データが各画素の光学的特性に関する特性値データによって構成されている場合において、その特性値データを別の種類の特性値データに変換するような変換処理を始め、各画素の特性値データを近傍画素の特性値データに対して平滑化するあるいは強調するフィルタ処理、各画素の特性値データに対してγ補正等の補正を行う補正処理、原画像を圧縮する圧縮処理、原画像を拡大する拡大処理、階調値データを多値化値データに変換する多値化処理等、種々の画像データ処理のうちの1以上を実行可能に構成することができる。また、単一の処理を実行するようにも、複数の処理を実行するようにも構成することができ、複数の処理を実行する場合において、1以上の処理を実行する機能部を複数有するように構成することも可能である。
処理後画像データ作成処理部による処理は、上述のようなライン処理を、対象となる画素ラインを遷移させつつ繰り返し行うようにして実行される。言い換えれば、画素ラインにおいて画素の並ぶ方向、つまり、画素ラインの延びる方向(以下、処理に関連して「主走査方向」という場合がある)に走査するように画素ごとの処理を実行し、その画素ラインごとの処理であるライン処理を、画素ラインの並ぶ方向(以下、処理に関連して「副走査方向」という場合がある)に走査するようにして実行される。なお、上述のように、処理後画像データ作成処理部による処理は、処理後画像の画素マトリクスに従って実行される。
当該画像データ変換処理装置が備える「ライン処理方向切換制御部」は、ライン処理、つまり、上記主走査方向の処理の態様が、画素ラインの一方端に存在する画素から他方端に存在する画素に向かう方向(以下、「順方向」という場合がある)に走査して行う態様と、他方端に存在する画素から一方端に存在する画素に向かう方向(以下、「逆方向」という場合がある)に走査して行う態様との間で交互に切り換わるように、処理後画像データ作成処理部を制御する機能部と考えることができる。つまり、ライン処理の対象となる画素ライン(以下、「対象画素ライン」あるいは「対象ライン」という場合がある)が変更されるごとに、主走査方向における処理方向を反転させるような機能部と考えることができる。
なお、当該画像データ変換処理装置は、各種のコンポーネントによって構成される電子回路として実現されるものであってもよく、コンピュータを主体とし、そのコンピュータが所定のプログラムを実行することによって当該装置に必要な機能が発揮されるようにして実現されるものであってもよい。
(2)前記処理後画像データ作成処理部が、(a)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素のうちのいくつかの画素を間引くようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも減少させる画素数減少処理と、(b)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素に対していくつかの画素を補間するようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも増加させる画素数増加処理との少なくとも一方を実行可能とされ、
当該画像データ変換処理装置が、
前記画素数減少処理が実行される場合においては、前記処理後画像のいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置の画素が間引かれるように、前記画素数増加処理が実行される場合においては、前記処理後画像のいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置に画素が補間されるように、前記処理後画像データ作成処理部によって実行されるライン処理を管理する画素数増減管理部を備えた(1)項に記載の画像データ変換処理装置。
本項に記載の態様は、平たく言えば、当該画像データ変換処理装置がライン方向つまり主走査方向における圧縮処理と拡大処理との少なくとも一方を実行可能とされた態様である。ライン処理の処理方向を切り換えつつライン方向の圧縮処理あるいは拡大処理を行う場合、先頭のコラム(ライン方向における一端に存在するコラムであって、最初に処理の対象となるコラム)を基準としたカウントを行って所定のカウント値となるコラムの画素を間引きあるいは補間したとしても、画素ラインによって、画素マトリクスにおいて異なる位置のコラムの画素が間引かれあるいは補間されることになる。このことは、処理後画像の画質の低下に繋がる。本項に記載の態様では、上記「画素数増減管理部」が設けられており、その機能部の働きによって、いずれの画素ラインにおいても画素マトリクスにおける同じ位置のコラムの画素が間引かれあるいは補間されることが担保される。したがって、本項の態様の画像データ変換処理装置によって変換処理された画像データは、高画質画像を実現可能な画像データとなる。
(3)前記画素数増減管理部が、前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素と前記処理後画像の1画素ラインを構成する複数の画素とを対応付ける画素対応付けインデックスを利用して、前記処理後画像データ作成処理部によって実行されるライン処理を管理するものである(2)項に記載の画像データ変換処理装置。
本項に記載の態様は、上記画素数増減管理部によるライン処理管理の具体的手法について限定を加えた態様である。上記「画素対応付けインデックス」は、例えば、原画像の1画素ラインに存在する各画素のコラムと、そのコラムに対応するところの処理後画像の1画素ラインに存在する各画素のコラムとの関係を示すようなものであればよい。具体的には、例えば、原画像のコラムNo.とそれに対応する処理後画像のコラムNo.とを列挙したテーブル形式のデータ、上記関係を示す関係式、関数等、いろいろな種類のものを採用することが可能である。例えば、テーブル形式のデータとして規定されたインデックスである場合には、そのデータが参照されつつ、関係式,関数として規定されたインデックスである場合には、それらに基づく演算が実行されつつ、ライン処理が管理されることになる。
(4)前記処理後画像データ作成処理部が、(A)前記原画像を構成する複数の画素ラインのうちのいくつかの画素ラインを間引くようにして、前記処理後画像の画素ライン数を前記原画像の画素ライン数より減少させるライン数減少処理と、(B)前記原画像を構成する複数の画素ラインに対していくつかの画素ラインを補間するようにして、前記処理後画像の画素ライン数を前記原画像の画素ライン数より増加させるライン数増加処理との少なくとも一方を実行可能とされた(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の画像データ変換処理装置。
(5)前記ライン数減少処理と前記ライン数増加処理との少なくとも一方が、前記原画像の複数の画素ラインと前記処理後画像の複数の画素ラインとを対応付けるライン対応インデックスを利用して実行されるものである(4)項に記載の画像データ処理装置。
上記2つの態様は、当該画像データ変換処理装置が、コラム方向、つまり、副走査方向における圧縮処理と拡大処理との少なくとも一方を実行可能とされた態様であり、後者は、それら圧縮処理と拡大処理との少なくとも一方が、上述した画素対応付けインデックスと同様のインデックスを用いて行われるようにされた態様である。ライン方向に加えて、コラム方向の圧縮処理あるいは拡大処理をも実行可能とすれば、当該装置の実用性がさらに向上する。
(6)当該画像データ変換処理装置が、前記原画像の複数の画素の各々の特性値データとしてそれらの画素の各々の光学的特性に関する階調値データを含んで構成された前記原画像データを、前記処理後画像の複数の画素の各々の特性値データとしてそれらの画素の各々の特性に関する多値化値データを含んで構成された前記処理後画像データに変換処理するものとされ、
前記処理後画像データ作成処理部が、
前記原画像データに基づいて、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の光学的特性に関する階調値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の階調値のデータを作成する処理後画像階調値データ作成処理部と、
その処理後画像階調値データ作成処理部によって作成された前記処理後画像の各画素ラインの各画素の階調値データに基づき、誤差拡散法に従って、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の多値化値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の多値化値データを作成する処理後画像多値化値データ作成処理部と
を有し、
前記ライン処理方向切換制御部が、前記処理後画像階調値データ作成処理部によって実行されるライン処理における処理方向、および、前記処理後画像多値化値データ作成処理部によって実行されるライン処理における処理方向を、同じ画素ラインを対象とする場合に互いに同じ方向とし、それら処理方向を画素ラインごとに逆の方向に切り換えるものである(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の画像データ変換処理装置。
本項に記載の態様は、平たく言えば、当該画像データ変換処理装置が、誤差拡散法に従う多値化処理と、その多値化処理に先立って行う画像処理である前処理とを実行するように構成された態様である。誤差拡散法に従う多値化処理において、各画素ラインに対するライン処理の処理方向を同じ方向とした場合、つまり、すべての画素ラインのライン処理の処理方向を一方向とした場合には、各画素の変換誤差が画素マトリクス上のライン方向における一端部側に蓄積され、そのことを原因とする処理後の画像の画質低下が懸念される。また、誤差拡散法による多値化処理では、誤差拡散法特有のテクスチャノイズの発生が懸念される。それら、変換誤差の蓄積,テクスチャノイズ等を緩和するためには、ライン処理の方向を画素ラインごとに切り換えることが有効である。本項の態様では、誤差拡散法に従う多値化処理が画素ラインごとに処理方向が反転されて実行されるため、本項の態様の画像データ変換処理装置によれば、高い画質を有する画像の画像データを得ることが可能なる。なお、本項の態様における多値化処理は、階調値データを多値化値データに変換する処理であるが、その多値化値データは、3以上の値とるデータに限定されず、例えば、0,1といった2つの値をとるデータも含まれる。つまり、本項の態様における多値化処理は、2値化処理を含む概念である。
多値化処理に先立って行われる前処理は、特に限定されるものではなく、例えば、先に説明した特性値変換処理,フィルタ処理,圧縮処理,拡大処理等、種々の画像処理のうちの1以上の処理とすることができる。そのような前処理では、従来、ライン処理の処理方向を切り換えずに実行されるのが一般的であり、多値化処理におけるライン処理の処理方向を切り換える場合には、前処理が実行されて得られた画像データを、一旦、外部記憶手段等に格納し、その格納された画像データをその外部記憶手段から処理の進行に応じて順次読出して多値化処理が行われる。このような画像データ変換処理は、外部記憶手段が必要となることに加え、その外部記憶手段との間のデータのやり取りが負担となって、処理速度が低いものとなる。本項の態様では、前処理についても、ライン処理の方向を切り換えるようにされており、また、同じ画素ラインについての前処理のライン処理の方向と多値化処理のライン処理の方向とを一致させているため、前処理の進行によって逐次得られる画素ごとの特性値データに対して、逐次、多値化処理を実行させることが可能となる。したがって、本項の態様の画像データ変換処理装置によれば、外部記憶手段に頼ることなく、迅速な画像処理が可能となる。
(7)前記処理後画像データ作成処理部が、前記処理後画像階調値データ作成処理部において、(a)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素のうちのいくつかの画素を間引くようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも減少させる画素数減少処理と、(b)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素に対していくつかの画素を補間するようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも増加させる画素数増加処理との少なくとも一方を実行可能とされ、
当該画像データ変換処理装置が、
前記画素数減少処理が実行される場合においては、前記処理後画像のいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置の画素が間引かれるように、前記画素数増加処理が実行される場合においては、前記処理後画像のいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置に画素が補間されるように、前記処理後画像データ作成処理部によって実行されるライン処理を管理する画素数増減管理部を、前記処理後画像階調値データ作成処理部によって実行されるライン処理を管理するものとして備えた(6)項に記載の画像データ変換処理装置。
(8)前記処理後画像データ作成処理部が、前記処理後画像階調値データ作成処理部において、(A)前記原画像を構成する複数の画素ラインのうちのいくつかの画素ラインを間引くようにして、前記処理後画像の画素ライン数を前記原画像の画素ライン数より減少させるライン数減少処理と、(B)前記原画像を構成する複数の画素ラインに対していくつかの画素ラインを補間するようにして、前記処理後画像の画素ライン数を前記原画像の画素ライン数より増加させるライン数増加処理との少なくとも一方を実行可能とされた(6)項または(7)項に記載の画像データ変換処理装置。
上記2つの項に記載の態様は、多値化処理とそれの前処理とを実行可能な画像データ変換処理装置において、前処理にて圧縮処理と拡大処理との少なくとも一方が実行可能とされた態様である。それら2つの項の態様においても、先に説明した圧縮処理,拡大処理を技術的特徴とする態様による利点を享受することができる。
(11)複数の画素がマトリクス状に配列された原画像の画像データであってそれら複数の画素の各々の特性値データを含んで構成された原画像データを、複数の画素がマトリクス状に配列された処理後画像の画像データであってそれら複数の画素の各々の特性に関する特性値データを含んで構成された処理後画像データに変換処理する画像データ変換処理方法であって、
前記原画像データに基づいて、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の特性値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の特性値データを作成する処理後画像データ作成処理を行い、かつ、
その処理後画像データ作成処理で実行されるライン処理における処理方向を画素ラインごとに逆の方向に切り換える画像データ変換処理方法。
(12)前記処理後画像データ作成処理において、(a)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素のうちのいくつかの画素を間引くようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも減少させる画素数減少処理と、(b)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素に対していくつかの画素を補間するようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも増加させる画素数増加処理との少なくとも一方を実行し、
前記画素数減少処理が実行される場合においては、前記処理後画像のいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置の画素が間引かれるように、前記画素数増加処理が実行される場合においては、前記処理後画像のいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置に画素が補間されるように、前記処理後画像データ作成処理で実行されるライン処理を管理する(11)項に記載の画像データ変換処理方法。
(13)前記ライン処理の管理を、前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素と前記処理後画像の1画素ラインを構成する複数の画素とを対応付ける画素対応付けインデックスを利用して行う(12)項に記載の画像データ変換処理方法。
(14)前記処理後画像データ作成処理において、(A)前記原画像を構成する複数の画素ラインのうちのいくつかの画素ラインを間引くようにして、前記処理後画像の画素ライン数を前記原画像の画素ライン数より減少させるライン数減少処理と、(B)前記原画像を構成する複数の画素ラインに対していくつかの画素ラインを補間するようにして、前記処理後画像の画素ライン数を前記原画像の画素ライン数より増加させるライン数増加処理との少なくとも一方を実行する(11)項ないし(13)項のいずれかに記載の画像データ変換処理方法。
(15)前記ライン数減少処理と前記ライン数増加処理との少なくとも一方を、前記原画像の複数の画素ラインと前記処理後画像の複数の画素ラインとを対応付けるライン対応インデックスを利用して実行する(14)項に記載の画像データ処理装置。
(16)当該画像データ変換処理方法が、前記原画像の複数の画素の各々の特性値データとしてそれらの画素の各々の光学的特性に関する階調値データを含んで構成された前記原画像データを、前記処理後画像の複数の画素の各々の特性値データとしてそれらの画素の各々の特性に関する多値化値データを含んで構成された前記処理後画像データに変換処理する方法であり、
前記処理後画像データ作成処理が、
前記原画像データに基づいて、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の光学的特性に関する階調値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の階調値のデータを作成する処理後画像階調値データ作成処理と、
その処理後画像階調値データ作成処理によって作成された前記処理後画像の各画素ラインの各画素の階調値データに基づき、誤差拡散法に従って、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の多値化値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の多値化値データを作成する処理後画像多値化値データ作成処理と
を含み、
前記処理後画像階調値データ作成処理で実行されるライン処理における処理方向、および、前記処理後画像多値化値データ作成処理で実行されるライン処理における処理方向を、同じ画素ラインを対象とする場合に互いに同じ方向とし、それら処理方向を画素ラインごとに逆の方向に切り換える(11)項ないし(15)項のいずれかに記載の画像データ変換処理方法。
(17)前記処理後画像階調値データ作成処理において、(a)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素のうちのいくつかの画素を間引くようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも減少させる画素数減少処理と、(b)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素に対していくつかの画素を補間するようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも増加させる画素数増加処理との少なくとも一方を実行し、
前記画素数減少処理が実行される場合においては、前記処理後画像のいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置の画素が間引かれるように、前記画素数増加処理が実行される場合においては、前記処理後画像のいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置に画素が補間されるように、前記処理後画像階調値データ作成処理によって実行されるライン処理を管理する(16)項に記載の画像データ変換処理方法。
(18)前記処理後画像階調値データ作成処理において、(A)前記原画像を構成する複数の画素ラインのうちのいくつかの画素ラインを間引くようにして、前記処理後画像の画素ライン数を前記原画像の画素ライン数より減少させるライン数減少処理と、(B)前記原画像を構成する複数の画素ラインに対していくつかの画素ラインを補間するようにして、前記処理後画像の画素ライン数を前記原画像の画素ライン数より増加させるライン数増加処理との少なくとも一方を実行する(16)項または(17)項に記載の画像データ変換処理方法。
上記8つの項は、画像データ変換処理方法のカテゴリに属する請求可能発明の態様であり、それぞれが、画像データ変換処理装置のカテゴリに属する先の項の態様と同じ技術的特徴を有している。したがって、先の説明との重複を避けるべく、それら8つの項についての説明は省略する。
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
≪画像データ変換処理装置による処理の概要≫
図1に示すように、請求可能発明に従う画像データ変換処理装置(以下、「変換処理装置」と略す場合がある)10は、原画像12の画像データである原画像データを、変換処理後の画像である処理後画像14の画像データ、つまり、処理後画像データに変換処理する装置である。つまり、この画像データ変換処理装置は、請求可能発明に従う画像データ変換処理方法を実現可能な装置とされている。
画像データ変換処理の対象となる原画像12は、ライン数m,コラム数nの画素マトリクスを有する画像であり、原画像データは、その画素マトリクス上に配置された各画素の特性値データとして、各画素のRGB強度の階調値データ(レッド,グリーン,ブルーの各々の強度を示す階調値のデータ)を含んで構成される。一方、画像データ変換処理が施された後の画像である処理後画像14は、ライン数M,コラム数Nの画素マトリクスを有する画像であり、本変換処理装置10は、後に説明するように、画像データを圧縮・拡大する機能、つまり、画像の圧縮処理および拡大処理処理を実行可能とされいることから、ライン数M,コラム数Nは、原画像12のライン数m,ライン数nと異なる種々の値となり得る。また、処理後画像データは、上記画素マトリクス上に配置された画素の特性値データとして、各画素のCMYK多値化値データ(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各々に関する多値化値のデータ)を含んで構成される。
本画像データ変換処理装置10による処理は、大きくは、2つの処理に区分することができ、その1つは、誤差拡散法に従う多値化処理であり、もう1つは、多値化処理に先立って行われる多値化前処理である。多値化前処理では、それぞれを後に詳しく説明するところの、圧縮・拡大処理、フィルタ処理、画素値変換処理,補正処理等が実行される。この多値化前処理では、原画像12の各画素のRGB強度階調値データが、処理後画像14の各画素のCMYK階調値データに変換され、この処理を実行する多値化前処理部16は、「処理後画像階調値データ作成処理部」として機能する。多値化前処理によって作成された処理後画像14の各画素のCMYK階調値データは、続く多値化処理によって、処理後画像14の各画素のCMYK多値化値データに変換され、この処理を実行する多値化処理部18は、「処理後画像多値化値データ作成処理部」として機能する。それら多値化前処理部16と多値化処理部18とによって、本画像データ変換処理装置10における「処理後画像データ作成部」が構成されているのである。
図2に示すように、多値化前処理および多値化処理は、ともに、処理後画像14の画素マトリクスを構成する1つの画素ライン20についてのライン処理を行い、対象となる画素ラインである対象ラインを画素ラインの並ぶ方向であるコラム方向に順次遷移させつつ、上記ライン処理を繰り返すようにして実行される。ライン処理は、1つの画素22を対象とする画素単位処理を、画素ラインを構成する画素の並ぶ方向であるライン方向に、順次、対象となる画素である対象画素を遷移させつつ、繰り返し行うことによって行われる。つまり、多値化前処理および多値化処理は、画素ラインごとに、ライン方向である主走査方向に画素を走査するとともに、コラム方向である副走査方向に画素ライン単位の走査を行なうようにして実行されるのである。
図2に示すように、本画像データ変換処理装置10による変換処理では、副走査方向においては、一方向(図における上から下に向かう方向)に走査されるが、主走査方向においては、画素ラインごとに、走査方向が反転させられる。つまり、ライン処理の処理方向が、画素ラインごとに、逆方向に切り換えられるのである。さらにいえば、多値化処理のみならず、多値化前処理についてもライン処理の処理方向の切り換えが行われ、同じ対象ラインについては、多値化処理におけるライン処理の方向と多値化前処理におけるライン処理の方向とが一致させられる。したがって、本画像データ変換処理装置10による変換処理では、多値化前処理部16で作成される各画素についての特性値データが、画素単位で多値化処理部18に送られ、その送られた画素22の特性値データに対しての多値化処理を実行可能とされており、図1に示すように、本画像データ変換処理装置10では、多値化前処理部16において作成された処理後画像20の全画素についての特性値データを記憶する一時記憶メモリ24が不要となる。また、そのメモリ24との間の画像データのやり取りを行わなくても済むことから、迅速な画像データ変換処理が実行可能となる。
≪圧縮処理,拡大処理の概要≫
先に述べたように、本画像データ変換処理装置10による多値化前処理においては、画像の圧縮処理および拡大処理が実行可能とされている。それら圧縮処理および拡大処理は、コラム方向つまり副走査方向の処理についていえば、原画像12の画素ラインのいくつかを間引くことによって、あるいは、原画像12のいくつかの画素ラインの間に画素ラインを補間することによって行われる。つまり、主走査方向の圧縮処理,拡大処理は、ライン数減少処理,ライン数増加処理とされている。また、ライン方向つまり主走査方向の処理についていえば、原画像12の各画素ラインにおいて、いくつかのコラムを間引くことによって、あるいは、いくつかのコラム間にコラムを補間することによって行われる。つまり、主走査方向の圧縮処理,拡大処理は、画素数減少処理,画素数増加処理とされている。
図3に、副走査方向の圧縮処理,拡大処理の例として、ライン数mの原画像が、ライン数Mの処理後画像に圧縮,拡大される様子、詳しくは、圧縮率5/7となるようにライン数が減少させられる様子、および、拡大率7/5となるようにライン数が増加させられる様子を示す。圧縮処理においては、原画像の画素ラインは規則的に間引かれ、拡大処理においては、処理後画像の画素ラインは規則的に補間される。具体的に言えば、圧縮率5/7の圧縮処理の場合、○印を付した原画像の画素ラインNo.3,6,10,13,17,20・・・が間引かれ、処理後画像は、◎印を付したライン間に存在するはずであった画素ラインが存在していない画素マトリクスを有することになる。また、拡大率7/5の拡大処理の場合、△印を付した原画像の画素ラインNo.2,4,7,9,12,14,17,19,22・・・が、処理後画像において、□印を付した画素ラインNo.3,6,10,13,17,20,24,27,31・・・として、重複的に配置されることなる。
上記間引きおよび補間の規則は、圧縮率,拡大率に応じて採択されるライン対応付けインデックスとしてのライン対応関数fM,fM -1によって定まる。それらライン対応関数fM,fM -1は、下記式で表されるものであり、
M=fM(xm
m=fM -1(xM
原画像の画素ラインのラインNo.をxm,処理後画像の画素ラインのラインNo.をxMとした場合における、それらの対応を示す関数とされている。ちなみに、関数fM -1は、関数fMの逆関数である。なお、関数fMは、拡大処理によって原画像の画素ラインが処理後画像の2以上の画素ラインに重複的に対応する場合(例えば、fM(2),fM(4)等)には、それら2以上の画素ラインの各々を示す値をとることになり、圧縮処理において原画像の画素ラインが間引かれる場合には(例えば、fM(3),fM(6)等)、処理後画像に対応する画素ラインが存在しないことから、それの値が0となる。
図4に、主走査方向の圧縮処理,拡大処理の例として、コラム数nの原画像が、コラム数Nの処理後画像に圧縮,拡大される様子、詳しくは、圧縮率2/3となるようにコラム数が減少させられる様子、および、拡大率4/3となるようにコラム数が増加させられる様子を示す。副走査方向の処理と同様に、圧縮処理においては、原画像のコラムは規則的に間引かれ、拡大処理においては、処理後画像のコラムは規則的に補間される。具体的に言えば、圧縮率2/3の圧縮処理の場合、○印を付した原画像のコラムNo.2,5,8,11,14,17,20・・・が間引かれ、処理後画像は、◎印を付したコラム間に存在するはずであったコラムが存在していない画素マトリクスを有することになる。また、拡大率4/3の拡大処理の場合、△印を付した原画像のコラムNo.2,5,8,11,14,17,20・・・が、処理後画像において、□印を付したコラムNo.3,7,11,15,19,23,27・・・として、重複的に配置されることなる。
上記間引きおよび補間の規則は、副走査方向における場合と同様、圧縮率,拡大率に応じて採択される画素対応付けインデックスとしてのコラム対応関数fN,fN -1によって定まる。それらコラム対応関数fN,fN -1は、下記式で表されるものであり、
N=fN(yn
n=fN -1(yN
原画像の1画素ラインを構成する画素のコラムNo.をyn,処理後画像の1画素ラインを構成する画素のコラムNo.yNをとした場合における、それらの対応を示す関数とされている。ちなみに、fN -1は、関数fNの逆関数である。なお、ライン対応関数fM,fM -1と同様、関数fNは、拡大処理によって原画像のコラムが処理後画像の2以上のコラムに重複的に対応する場合(例えば、fN(2),fN(5)等)には、それら2以上の画素ラインの各々を示す値をとることになり、圧縮処理において原画像のコラムが間引かれる場合には(例えば、fN(3),fN(5)等)、処理後画像に対応するコラムが存在しないことから、それの値が0となる。
後に詳しく説明するが、本画像データ変換処理装置10による変換処理では、処理の進行を管理するため、処理の対象となる画素ラインである対象画素ラインを示す主たるカウンタとして、処理後画像の画素マトリクスを基準とするラインカウンタCMを採用し、対象画素ラインにおいて処理の対象となるコラムである対象コラムを示す主たるカウンタとして、原画像の画素マトリクスを基準とするコラムカウンタCnを採用している。そして、処理の中で、それらカウンタCM,Cnが示す対象画素ライン,対象コラムに対応する原画像の画素ライン,処理後画像のコラムを特定すべく、それら画素ライン,コラムを示す副次的なカウンタとしてラインカウンタCm,コラムカウンタCNをも用いている。上述したライン対応関数fM,fM -1,コラム対応関数fN,fN -1は、それらラインカウンタCM,Cm間の対応付け、コラムカウンタCN,Cn間の対応付けのためのインデックスとして利用される。なお、コラム対応関数fN,fN -1に依存して処理が進行させられることにより、画素ラインごとに主走査方向が切り換わっても、いずれの画素ラインにおいても、画素マトリクスにおける同じコラムNo.の画素が間引かれ、補間されることになる。
≪画像データ変換処理装置の構成≫
本画像データ変換処理装置10は、1つ回路板に各種のコンポーネントが配置されて形成された電子回路とされるとともに、図5に示すような構成をなしており、インクジェットプリンタの1構成要素として、当該プリンタ内部に組み込まれている。そのインクジェットプリンタは、本変換処理装置10の他に、そのプリンタの全体的な制御を司るメインCPU30を始めとして、原画像データを格納するメモリとして構成された原画像データ格納部32,本変換処理装置10に送られる原画像データの一部分を一時的に格納するメモリとしての3つのラインバッファ34,原画像データ格納部32に格納されたシリアル形式の原画像データをパラレル形式の原像データに変換するとともにその変換された原画像データのラインバッファ34への受け入れを制御するパラレル変換・ラインラインバッファ制御部36を有しており、さらに、本変換処理装置10によって変換処理された処理後画像データを格納するメモリとして構成された処理後画像データ格納部38,その格納部38あるいは本変換処理装置10から送られる処理後画像データを基に記録媒体に実画像を形成するプリンタ部40等を有している。なお、図5において実線で示す信号線は、データ信号の信号線であり、破線で示す信号線は、制御信号の信号線である。
画像データ変換処理装置10は、それぞれが、RGB強度特性値の各々に対応して設けられ3つのマトリクスバッファ50と3つの内部ラインバッファ52を備えている。3つのマトリクスバッファ50の各々は、原画像データの一部分を一時的に記憶し、3つのラインバッファ52は、2ライン分の原画像データを一時的に記憶する。マトリクスバッファ50は、後に説明するフィルタ処理の便宜を図るために設けられており、対象となる画素の近傍の画素のデータを記憶する程度の大きさのメモリとされている。原画像データのラインバッファ34からの取り込みおよびマトリクスバッファ50,内部ラインバッファ52への格納、マトリクスバッファ50と内部ラインバッファ50との間の原画像データのやり取りは、データ取込処理部54によって行われる。このデータ取込処理部54は、いずれの画素ラインの原画像データをマトリクスバッファ50に取り込むかを選択する機能を有しており、この選択的な取込処理によって、画素ラインの間引き,補間つまり副走査方向の画像の圧縮処理,拡大処理が実行されることなる。また、データ取込処理部54は、原画像データをマトリクスバッファ50に格納する際に、画素ラインごとの画像データを格納するライン方向の順序を制御する機能を有しており、簡単にいえば、この機能によって、フィルタ処理以降の画素ラインごとの処理方向が切り換えられることになる。
画像データ変換処理装置10は、フィルタ処理を実行する回路としてのフィルタ処理部60を備えている。このフィルタ処理部60は、対象となる1画素について、その画素の特性値を、その対象画素の近傍の画素の特性値との関係において、平滑化あるいは強調するためのフィルタ処理を実行する。フィルタ処理部60は、図6に示すように、対象画素およびそれの近傍の画素の特性値をRGBそれぞれの強度値からY輝度値,I色差値,Q色差値に変換するYIQ変換部62と、その変換部62によって変換された対象画素等の特性値に基づいて像域分離を行う像域分離部64と、像域分離部64による判断結果に基づき、対象画素のY輝度値に対して平滑化処理と強調処理とのいずれかを実行するフィルタ処理実行部66を有している。このフィルタ処理実行部66は、当該フィルタ処理部60に格納されている平滑化フィルタ68と強調フィルタ70とのいずれかを選択的に用いて、フィルタ処理を実行する。また、フィルタ処理部60は、フィルタ処理実行部66によってフィルタ処理された対象画素のY輝度値、および、像域分離部64を経て出力される対象画素のI色差値,Q色差値を、その対象画素のRGBそれぞれの強度値に逆変換するRGB変換部72を有している。このフィルタ処理部60によるフィルタ処理の詳細については、後に説明する。なお、このフィルタ部60へ供給される画像データのマトリクスバッファ50からの取り出しは、図5に示すマトリクスバッファ取出制御部74によって行われる。
画像データ変換処理装置10は、図5に示すように、さらに、主走査方向の圧縮処理を行うべく選択的な画素の間引きを実行する画素間引部80,間引かれなかった画素を対象としてその画素のRGB強度値をCMYそれぞれの濃度値に変換するCMY変換部82,CMY濃度値にさらにK(ブラック)濃度値を追加して対象画素の特性値としてCMYK濃度値を取得する墨生成部84,対象画素のCMYK濃度値の各々に対してγ補正を実行するγ補正部86,主走査方向の拡大処理を行うべく、選択的に同じ画素値を繰り返し出力することで画素を補間する画素補間部88を有している。画素補間部88から出力される各画素の特性値データは、必要に応じて主走査方向および副走査方向の圧縮処理あるいは拡大処理がなされた画素に対する特性値データであり、各画素のCMYK濃度値に関する階調値データとなる。ここまでの処理を実行する機能部、つまり、データ取込処理部54〜画素補間部88と、マトリクスバッファ50および内部ラインバッファ52とを含んで、当該変換処理装置10における多値化前処理部が構成されているのである。
画素補間部88から出力された各画素のCMYK濃度値に関する階調値データに対して多値化処理を施すための多値化処理部として、本画像データ変換処理装置10は、4つの誤差拡散処理部90を有している。それら4つの誤差拡散処理部90は、CMYK濃度値の各々に対応して設けられており、それぞれが、誤差拡散法に従う多値化処理を実行する。誤差拡散処理部90の各々は、図7に示すような回路構成をなしており、対象画素のCMYK濃度値のいずれかに関する階調値をその対象画素の近傍の画素の平均誤差値に基づいて補正する補正部92と、補正部92によって補正された階調値を3つの多値化閾値S1〜S3と比較することで4値化された多値化値に変換してその多値化値を出力する比較部94とを有している。さらに、各誤差拡散処理部90は、比較部94によって出力された多値化値と補正部92によって補正された階調値とに基づいて対象画素の変換誤差値を算出する変換誤差算出部96と、その変換誤差値を一時的に記憶する変換誤差ラインバッファ98と、そのバッファ98に記憶されている近傍画素の変換誤差値を重み付けて平均化することによってそれら近傍画素の平均誤差値を算出する平均誤差算出部100とを有している。平均誤差値は、それら変換誤差値の重み付け平均値であり、平均誤差値の算出には、近傍画素の各々について設定された重み付け係数が対象画素との相対位置に対応付けられた誤差拡散フィルタ102が用いられる。また、変換誤差ラインバッファ98と変換誤差算出部96および平均誤差算出部100との間の変換誤差値のやり取りは、バッファ制御部104によって制御される。なお、この誤差拡散処理部90による多値化処理の詳細については、後に詳しく説明する。
さらに、画像データ変換処理装置10は、4つの誤差拡散処理部90から出力される各画素の多値化値データを一時的に記憶するメモリとしての出力データバッファ110を備えている。先に説明したように対象画素ラインごとに主走査方向における処理方向が切り換えられるため、その処理方向に応じて出力データバッファ110への格納領域を決定しつつそのバッファ110へ多値化値データが格納される。この格納処理は、出力データ記憶処理部112によって行われる。また、出力の一単位となる複数の画素の多値化値データは、それら複数の画素のうちの先頭画素のラインNo.,コラムNo.と対応付けられたシリアル形式データとされ、そのデータが出力データとして出力されるようにされている。この出力処理は、出力処理部114にて実行される。さらにまた、主走査方向および副走査方向の圧縮処理および拡大処理のための対象画素ライン,対象画素のコラムの管理、主走査方向における処理方向の切り換え等、当該変換処理装置10による処理を統括的に制御するために、コントロール部120が設けられており、当該変換処理装置10が備える各機能部による処理は、そのコントロール部120からの指令信号に基づいて実行される。
≪画像データ変換処理のフローおよび詳細≫
以下に、画像データ変換処理装置10によって実行される画像データ変換処理の流れを、図8に示すフローチャートを参照しつつ説明するとともに、その処理を構成する各種の処理を、順次、詳しく説明する。なお、画像データ変換処理装置10は、電子回路を主体として構成されたものであることから、当該画像データ変換処理を構成する各種の処理はそれらの2以上のものが並行して実行され、実際には、本画像データ変換処理装置10による処理のプロセスは、厳密な意味において、このフローチャートに従うものとはならない。ここで説明する処理の流れは、あくまでも、本画像データ変換処理の理解を容易にするための目安である。
i)初期処理
本画像データ変換処理では、まず、ステップ1(以下、「S1」と略す。他のステップも同様である。)において、コントロール部120によって、メインCPU30から、原画像のライン数m,コラム数n、および、処理後画像の原画像に対する圧縮率あるいは拡大率が取得される。続くS2では、それらを基に、処理後画像のライン数M,コラム数N、および、先に説明したライン対応関数fM,fM -1およびコラム対応関数fN,fN -1が、コントロール部120によって設定される。続くS3において、コントロール部120によって、各種ラインバッファの設定が行われる。具体的には、当該画像データ変換処理装置10が有する内部ラインバッファ52および変換誤差ラインバッファ98の1格納ラインのコラム数つまり格納領域の数が、原画像のコラム数n,処理後画像のコラム数Nに基づいて設定され、さらに、当該変換処理装置10の外部に設けられたラインバッファ34のコラム数が、原画像のコラム数nに基づいて、また、そのバッファ34の格納ライン数が、上記圧縮率,拡大率に基づいて、それぞれ設定される。次いで、S4において、先に説明したラインカウンタCM,Cm,コラムカウンタCN,Cnおよび後に説明するバッファカウンタCBがリセットされる。
ii)ラインバッファの更新
続くS5において、処理後画像の画素ラインに対応するラインカウンタCMが先頭の画素ラインを示す値である1とされて、その画素ラインを対象ラインとするライン処理の実行が開始される。ライン処理は処理後画像の全ラインについて終了するまで(S30)、ラインカウンタCMがカウントアップされつつ、繰り返し実行される。このライン処理の冒頭のS6において、ラインバッファ34の更新処理がなされる。
ラインバッファ34は、図9に示すように、R,G,B強度の各々に関する階調値データに対応して3つ設けられている。原画像の各画素のR,G,B強度階調値データR(xm,yn),G(xm,yn),B(xm,yn)は、シリアル形式のデータとされており、R,G,B強度の各々の階調値データへのパラレル変換は、パラレル変換・ラインバッファ制御部36によって、原画像データ格納部32からラインバッファ34への取込の際に行われる。ラインバッファ34は、それぞれが、複数の格納ラインを有するように初期設定されるとともに、それら複数の格納ラインの各々が原画像のコラム数nに等しい格納領域を有するように初期設定されており、各ラインバッファ34には、原画像の連続する5画素ライン以上の各画素のR,G,B強度のいずれかの階調値データ(以下、画素の特性値に関するこのようなデータを「画素データ」と呼ぶ場合がある)が格納される。ちなみに、R,G,B強度の各々に関する階調値データは、階調値が0〜255の値となる256階調に関するデータであり、各画素データの格納領域は、8bitの領域とされている。
図9(a)は、ライン方向における圧縮処理および拡大処理が行われないことを前提として、各ラインバッファ34に対して6つの格納ライン#1〜#6が設定された状態を示しており、その状態においてある程度処理が進行した場合におけるそれらラインバッファ34の状態を示している。処理後画像の1つの対象画素ライン(図における黒塗りのライン)についての処理は、後に説明するように、その対象ラインに対応する原画像の画素ラインを中心とした前後2ラインの画素データが必要とされる(図におけるハッチングの領域)。そのため、ラインバッファ34の更新処理は、それら必要な画素データが格納された状態を実現するように行われる。具体的に言えば、ラインカウンタCMが示す処理後画像における対象画素ライン(以下、「ラインCM」という場合がある)は、ライン対応関数fM -1によって、ラインカウンタCnが示す原画像における対象画素ライン(以下、「ラインCn」という場合がある)に対応付けられており、ラインバッファ34の各々には、図に示すように、ラインCn、および、そのラインCnに対する前ライン(Cn−1),前々ライン(Cn−2),次ライン(Cn+1),次々ライン(Cn+2)のすべて画素の画素データが記憶される。図では、それらの画素データは#1〜#5の格納ラインに格納されている状態が示されている。さらに、図から解るように、ラインカウンタCMがカウントアップされた場合に配慮して、#6の格納ラインには、次々ラインのさらに次のライン(Cn+3)のずべての画素の画素データが記憶される。
図9(b)に示すように、対象画素ラインが遷移するのに応じて、ラインバッファ34における対象画素ラインが変わり、その場合には、必要となる画素データが格納されている格納ラインが#2〜#6に変わることになる。それに伴って、画素データが必要でなくなった格納ライン#1に、ラインカウンタCMがさらにカウントアップされた場合に必要となるところの次々ラインの次のライン(Cn+3)の画素の画素データが、原画像データ格納部32から読み出されて格納される。以降、ラインカウンタCMがカウントアップされるごとに、都度、更新処理が行われる。なお、ラインバッファ34のいずれの格納ラインに原画像のいずれの画素ラインの画素データが格納されるべきか、あるいは、格納されているかは、コントロール部120によって把握されており、更新処理は、コントロール部120からの指令信号に基づいて実行される。
ちなみに、以上の説明は、コラム方向つまり副走査方向の圧縮処理および拡大処理が実行されない場合についての説明であるが、例えば、拡大処理が実行される場合には、ラインカウンタCMがカウントアップされても、ラインCmが変わらないこともあり得る。その場合には、実質的に更新のための処理は実行されない。また、例えば、圧縮処理が実行される場合には、ラインカウンタCMがカウントアップされた場合、ラインCmが、原画像の画素ラインにおいて次々ライン以降のラインに変更されることもあり得る。そのため、圧縮処理が実行される場合には、初期設定において、圧縮処理に応じて格納ライン数が7以上に設定されるとともに、原画像における画素ラインの間引きを伴ってラインカウンタCMがカウントアップされた場合には、2ライン以上の画像データが更新される。
先に述べたS3におけるラインバッファ34の初期設定においては、上述のようなラインバッファ34の機能に基づいて、原画像データが記憶される格納ライン数が設定され、各格納ラインにおけるコラム数が設定される。なお、ラインバッファ34の更新処理において、ラインカウンタCMに対応するラインカウンタCmの値が1あるいは2である場合には、原画像において、ライン(Cm−1),(Cm−2)あるいはライン(Cm−2)が実在しないため、それらのラインの画素データとして、ライン1の画素データが重複的に格納される。同様に、ラインカウンタCmの値がmあるいは(m−1)である場合には、原画像において、ライン(Cm+1),(Cm+2)あるいはライン(Cm+2)が実在しないため、それらのラインの画素データとして、ラインmの画素データが重複的に格納される。
iii)ライン処理の方向の切り換え
ラインバッファ34の更新処理の後、S7において、ラインカウンタCMの値が奇数であるか偶数であるがが判断される。対象画素ラインが奇数ラインである場合、画素マトリクスにおける当該ラインのコラムNo.の小さい画素から大きい画素に向かって順次画素ごとの画像データ変換処理が繰り返し実行される。つまり、順方向のライン処理が実行される。この順方向のライン処理では、S8において、原画像を基準とするコラムカウンタCnが1とされ、最もコラムNo.が大きい画素を対象とする変換処理が終了するまで(S17)、コラムカウンタCnがカウントアップされつつ(S18)、原画像においてそのカウンタCnが示すコラムの画素(以下、「画素Cn」という場合がある)を対象画素とする画素単位処理、つまり、S9以降の処理が実行される。それに対して、対象画素ラインが偶数ラインである場合には、逆に、画素マトリクスにおける当該ラインのコラムNo.の大きい画素から小さい画素に向かって順次画素ごとの画像データ変換処理が繰り返し実行される。つまり、逆方向のライン処理が実行される。この逆方向のライン処理では、S19において、コラムカウンタCnがnとされ、最もコラムNo.が小さい画素を対象とする変換処理が終了するまで(S28)、コラムカウンタCnがカウントダウンされつつ(S29)、画素Cnを対象画素とする画素単位処理、つまり、S20以降の処理が実行される。
上述したラインカウンタCMのカウントアップを始め、そのカウンタ値によるライン処理の方向の切り換え、つまり、コラムカウンタCnをカウントアップさせるかカウントダウンさせるかの選択、カウントアップあるいはカウントダウンさせられたコラムカウンタCnに基づく画素ごとの画像データ変換処理の管理等は、コントロール部120によって実行される。したがって、コントロール部120は、「ライン処理方向切換制御部」として機能するものとなっている。以下に、処理の方向が切り換えられつつライン処理が実行される場合における画素単位処理を、詳しく説明する。
iv)フィルタ関連処理
画素単位処理の冒頭であるS9若しくはS20において、図10にフローを示すフィルタ関連処理が実行される。このフィルタ関連処理では、まず、S41において、マトリクスバッファ50にラインバッファ34から画素データの取り込みが可能であるか否かが判断され、取り込みが可能である場合には、S42において、マトリクスバッファ50および内部ラインバッファ52の更新処理が実行される。
マトリクスバッファ50および内部ラインバッファ52は、ラインバッファ34と同様、R,G,B強度の各々に関する階調値データに対応して、それぞれ、3つ設けられており、それら3つのバッファ50,52のそれぞれには、3つのラインバッファ34の対応するものの画素データ、つまり、R,G,B強度の各々に関する各画素の階調値データが格納される。各マトリクスバッファ50は、それぞれが5ライン×4コラム分の画素データが格納可能な3つの格納ブロック#1〜#3に区分されている。また、各内部ラインバッファ52は、2つの格納ライン#1,#2を有しており、それらはそれぞれ、先に説明したS3の初期設定において、原画像のコラム数nに相当するコラム数の画素データを格納可能に設定されている。
マトリクスバッファ50には、後に説明するフィルタ処理のための画素データ、つまり、対象ラインであるラインCMに対応する原画像のラインCmにおける画素Cnを対象画素とし、それを中心とした5ライン×5コラム分の画素データを、アクセス可能に格納するようにされている。図11は、ラインバッファ34が図9(a)に相当する状態にあって、対象ラインをラインCMとする順方向のライン処理がある程度進行した状態におけるマトリクスバッファ50の状態を示す。図においては、対象画素が★印で示されており、それを中心とした5ライン×5コラム分の画素データ、つまり、フィルタ処理で利用される画素データである利用画素データが、ハッチングで示されている。図の状態では、マトリクスバッファ50の格納ブロック#1および#2に跨った領域の画素データが、利用画素データとされる。具体的に言えば、ライン(Cm−2)〜ライン(Cm+2)の各々のコラム(Cn−2)〜コラム(Cn+2)の画素データが、利用画素データとなる。なお、内部ラインバッファ52には、後に説明するように、格納ライン#1,#2の各々に、ライン処理の進行に応じて、前々ラインであるライン(Cm−2)および前ラインであるライン(Cm−1)、あるいは、前ライン(Cm−1)および対象ラインであるラインCmの画素データが格納されている。
順方向のライン処理においてコラムカウンタCnがカウントアップされた場合、図12に示すように、対象画素が、ラインバッファ34,マトリクスバッファ50の各々において変更されることになる。図に示す場合においては、対象画素の変更に伴って、マトリクスバッファ50における利用画素データは、ブロック#2および#3に跨った領域に存在することになり、ブロック#1に格納されている画素データは、本ライン処理においてはもはや必要とされない画素データとなる。このように、必要のなくなった画素データのみが格納されているブロックが存在する場合に、マトリクスバッファ50の更新処理が実行される。図に示す場合について具体的に説明すれば、マトリクスバッファ50の格納ブロック#1に格納されている画素データは、コラムカウンタCnにカウントアップに伴って、コラム(Cn−6)〜コラム(Cn−3)の4つのコラムの画素データとなっており、まず、内部ラインカウンタ52の格納ライン#2に格納されている前ライン(Cm−1)の画素データのうち、上記4つのコラムに相当する画素の画素データが、格納ライン#1の同じ4つのコラムに格納される。この4つのコラムに、マトリクスバッファ50の格納ブロック#1のラインCmに存在する4つの画素の画素データが格納される。この処理によって、内部ラインバッファ52の部分的な格納ラインの更新がなされる。次いで、マトリクスバッファ50の格納ブロック#1には、後の処理によって必要となるコラム(Cn+6)〜コラム(Cn+9)の画素データとして、内部ラインバッファ52の格納ライン#1および#2に格納されているライン(Cm−2)およびライン(Cm−1)のそれらのコラムの画像データが、マトリクスバッファ50のブロック#1のライン(Cm−2)およびライン(Cm−1)の格納領域に格納される。そして、ラインバッファ34の格納ライン#3〜#5に格納されているラインCm〜ライン(Cm+2)の当該4つのコラムの画素データが、マトリクスバッファ50の格納ブロック#1のラインCm〜ライン(Cm+2)の格納領域に格納される。
逆方向のライン処理においては、図13に示すような状態でマトリクスバッファ50および内部ラインバッファ52に画素データが格納される。順方向のライン処理の場合と異なり、マトリックスバッファ50には、ライン方向において逆向きに画素データが格納される。更新処理がなされる場合には、図14に示すように、コラムカウンタCnがカウントダウンされるため、ラインバッファ34においては逆の方向に対象画素が遷移するが、マトリクスバッファ50においては、順方向のライン処理における場合と同じ方向に対象画素が遷移することになる。なお、逆方向のライン処理においては、マトリクスバッファ50における画素データの格納の向きが異なることから、図に示すように、ラインバッファ34および内部ラインバッファ52とマトリクスバッファ50との間で、画素のライン方向の並びが逆転されるようにして、画素データがやり取りされることとなる。
上述したように、マトリクスバッファ50の更新処理では、内部ラインバッファ52に格納された画素データを利用して行われる。ラインカウンタCMがカウントアップされて対象ラインが遷移させられた場合、内部ラインバッファ52には、前々ラインであるライン(Cm−2),前ラインであるライン(Cm−1)の画素データが格納されており、それらの画像データがマトリクスバッファ50に取り込まれ、ラインバッファ34からは、3画素ライン分の画像データしか取り込まれない。ラインバッファ34は、当該画像データ変換処理装置10の外部に存在するメモリであり、いわゆるSDRAMであることから、それからのマトリクスバッファ50への画素データの取り込み時間は、比較的長い時間がかかることになる。したがって、本画像データ変換処理装置10では、画素データのマトリクスバッファ50への取り込みにおいて内部ラインバッファ52を利用することで、画像データ変換処理の処理速度の向上が図られているのである。
上述したマトリクスバッファ50および内部ラインバッファ52の更新処理は、コラム方向の圧縮処理および拡大処理が実行されない場合を説明しているが、圧縮処理が実行されて原画像の画素ラインが間引かれる場合には、上記内部ラインバッファ52からの画素データの取り込みは、1ライン分しか行われず、あるいは、1ライン分も行われず、ラインバッファ34から、4ライン分あるいは5ライン分の画素データが取り込まれる。また、その場合には、また、拡大処理が実行される場合、ラインカウンタCMがカウントアップされても、原画像において同じ画素ラインが対象ラインとなるときがあり、そのときには、前回のライン処理における更新処理と同じ更新処理が実行される。
上記更新処理において、ラインカウンタCMに対応するラインカウンタCmの値が1あるいは2である場合、および、mあるいは(m−1)である場合には、ラインバッファ34の更新の場合と同様、原画像におけるライン1あるいはラインmの画素データが、重複的に利用される。また、コラムカウンタCnの値が1あるいは2である場合には、原画像におけるコラム(Cn−1),(Cn−2)あるいはコラム(Cm−2)が実在しないため、それらのコラムの画素データとして、コラム1の画素データが重複的に利用され、Cnの値がnあるいは(n−1)である場合には、原画像におけるコラム(Cm+1),(Cm+2)あるいはコラム(Cm+2)が実在しないため、それらのコラムの画素データとして、コラムnの画素データが重複的に利用される。
ここまで説明したマトリクスバッファ50および内部ラインバッファ52の更新処理、すなわち、マトリクスバッファ50と、内部ラインバッファ52およびラインバッファ34との間の画像データのやり取りは、データ取込処理部54によって行われる。ラインバッファ34,マトリクスバッファ50,内部ラインバッファ52のいずれの記憶領域に、原画像のいずれの画素ライン,コラムの画素データが格納されているか、あるいは、格納されるべきかは、コントロール部120によって把握されており、データ取込処理部54による処理は、そのコントロール部120からの指令信号に基づいて実行される。
繰り返すが、データ取込処理部54によるマトリクスバッファ50への画素データへの取り込みでは、ラインカウンタCMのカウントアップに応じて、処理後画像のラインCMに対応する原画像のラインCnを中心とした5ライン分の画素データが取り込まれる。その際、原画像のラインCnは、処理後画像のラインCMに基づきライン対応関数fM -1によって決定される。したがって、その関数fM -1を利用した取込処理によれば、コラム方向つまり副走査方向において画素ラインが間引かれる場合あるいは画素ラインが補間される場合であっても、自動的にその間引き,補間が実行されることになる。つまり、ライン対応関数fM -1に依存した画素データの取込処理を実行するデータ取込処理部54は、副走査方向の圧縮処理,拡大処理における画素ラインの間引き,補間を実行するライン間引・補間部として機能することになる。
上述したマトリクスバッファ50の更新処理が行わるか否かに拘わらず、フィルタ関連処理では、コラムカウンタCnのカウントアップあるいはカウントダウンによって、対象画素が遷移させられ、S43において、その遷移させられた画素についてのフィルタ処理を実行するための上記利用画素データ、つまり、ラインカウンタCMおよびコラムカウンタCnによって示される対象画素(以下、「画素(CM,Cn)」という場合がある)とその画素の近傍の画素の画素データが、マトリクスバッファ50から取り出され、フィルタ処理部60は、それらの画素データを取得する。なお、取得される画素データは、RGBそれぞれの強度に関する階調データである。この処理は、コントロール部120からの指令信号に基づき、マトリクスバッファ取出処理部74にて行われる。
続いて、S44において、上記画素(CM,Cn)およびそれの近傍画素のRGB強度階調データが、フィルタ処理部60が有するYIQ変換部62によって、それらの画素のYIQ画素データ、つまり、Y輝度値,I色差値,Q色差値に関する画素データに変換される。次に、S45において、上記変換されたYIQ画素データに基づいて、像域分離処理が実行される。この像域分離処理は、簡単にいえば、対象画素が画像のエッジに相当する部分に存在するか否かを判断する処理であり、この処理の結果によって、フィルタ処理において採用されるフィルタがされることになる。具体的に言えば、S46において、対象画素が画像のエッジに相当する部分に存在するものでものではない場合には、その対象画素およびそれの近傍画素の特性値を平滑化するための平滑化フィルタ68が選択され、エッジに相当する部分に存在するものである場合には、対象画素の特性値を近傍画素の特性値に対して強調するための強調フィルタ70が選択される。
フィルタの選択の後、S47において、フィルタ処理が実行される。フィルタ処理の実行は、フィルタ処理実行部66によって行われ、対象画素およびそれの近傍画素のY輝度値データに対して行われる。フィルタ処理に利用される画素は、対象画素(CM,Cn)を中心とする5ライン×5コラムの画素であり、平滑化フィルタ68,強調フィルタ70は、それらの画素の各々に対応して設定された係数が5ライン×5コラムのマトリクスに配置されたマトリクスフィルタとされている。各画素の画素値データをY(i,j)、フィルタにおける各画素に対応する係数値をn(i,j)とすれば、フィルタ処理は、次式
Figure 2007266699
に従がう演算によって行われ、その結果として、フィルタ処理が施された対象画素のY輝度値Y’(CM,Cn)が算出される。ちなみに、各画素に対する係数は、平滑化フィルタでは図15(a)に示すように、強調フィルタでは図15(a)に示すように、それぞれ設定されている。フィルタ処理が実行された後、S48において、逆変換処理が実行される。この逆変換処理は、RGB変換部72によって行われ、この処理では、対象画素(CM,Cn)のI色差値I(CM,Cn),Q色差値Q(CM,Cn)およびフィルタ処理によって得られたY輝度値Y’(CM,Cn)が、R強度値R(CM,Cn),G強度値G(CM,Cn),B強度値B(CM,Cn)に変換される。以上の処理によって、対象画素についてのフィルタ処理が実行され、フィルタ処理部60から、その対象画素についての上記RGB強度値に関する階調値データが出力される。
v)主走査方向の画素の間引き
上述したS9あるいはS20のフィルタ関連処理が実行された後、S10あるいはS21において、原画像のマトリクスを基準とするコラムカウンタCnのカウンタ値に基づき、コラム対応関数fNを利用して、原画像のコラムCnに対応する処理後画像におけるコラムCNが存在するか否が判断される。主走査方向の圧縮処理によって、原画像のコラムCnが間引かれるべきコラムである場合には、fN(Cn)は0の値となり、その場合には、対応するコラムCNが存在せず、順方向のライン処理が実行されているときには、S18において、コラムカウンタCnがカウントアップされ、逆方向のライン処理が実行されているときには、S29において、コラムカウンタCnがカウントダウンされ、次の対象画素についてのフィルタ関連処理が実行される。つまり、対応するコラムCNが存在しない場合には、フィルタ関連処理の実行によって得られた対象画素についての画素データは、後の処理に利用されず、ここで破棄されることなる。このようにして、画素の間引きが行われる。
それに対して、対応するコラムCNが存在する場合、つまり、画素の間引きが行われない場合には、以下の処理が実行される。順方向のライン処理が実行されているときには、S11において、fN(Cn)の最小値Min〔fN(Cn)〕が、処理後画像のマトリクスを基準とするコラムカウンタCNのカウンタ値とされる。つまり、今回の画素単位の変換処理が、対応コラムのうちの最もコラムNo.の小さいコラムについての処理であることの認定がなされる。逆方向のライン処理が実行されているときには、S22において、fN(Cn)の最大値Max〔fN(Cn)〕が、処理後画像のマトリクスを基準とするコラムカウンタCNのカウンタ値とされる。つまり、今回の画素単位の変換処理が、対応コラムのうちの最もコラムNo.の大きいコラムについての処理であることの認定がなされる。上記最小値,最大値に基づく認定処理は、主走査方向における拡大処理がなされる場合に原画像の1つのコラムに対応する処理後画像のコラムが2以上存在することを考慮したものであり、ライン処理の方向に応じて、それら2以上のコラムのうちの1つのコラムを変換処理の対象として特定するための処理である。
なお、上述したS9,S10およびS21,S22の処理は、コントロール部120からの指令信号に基づき、画素間引部80によって実行される。画素が間引かれない場合には、フィルタ処理部60から画素間引部80に入力された画素データは、ラインカウンタCM,コラムカウンタCNが示すところの処理後画像のマトリクスにおける対象画素(CM,CN)の画素データとして、画素間引部80から出力される。
vi)変換・補正処理
上記画素間引部60による処理の後、S12またはS23において、画素間引部60から出力された画素データに対して、図16にフローを示す変換・補正処理が実行される。この変換・補正処理では、まず、S51において、対象画素(CM,CN)についてのRGB強度に関する階調値データが、CMY濃度に関する階調値データに変換され、次いで、S52において、いわゆる墨生成処理として、その階調値データがCMYの各々の濃度がK濃度加えられたCMYK濃度に関する階調値データに変換される。続くS53においては、その階調データに対して、γ補正がなされる。それら、S51〜S53の処理の各々は、順次、CMY変換部82,墨生成部84,γ補正部86において実行される。なお、各機能部から出力される階調値データは、いずれも、256階調の階調値を表す8bitのデータであり、γ補正部86から出力されるCMYK濃度階調値データは、画素補間部88を介して、誤差拡散処理部90に送られる。
vii)主走査方向の画素の補間
変換・補正処理が実行された後、S13,S14あるいはS24,S25において、対象画素(CM,CN)についての誤差拡散処理およびデータ出力関連処理が実行されるが、ここでは、説明の順序を変えて、画素補間部88によって行われるところのS15およびS26の処理について先に説明する。順方向のライン処理におけるS15では、コラムカウンタCNの値に基づき、コラム対応関数fN -1を利用して、現時点での対象画素のコラムCNに対応する原画像のコラムfN -1(CN)が求められ、さらに、コラムカウンタCNをカウントアップさせた場合に対象画素となるコラム(CN+1)に対応する原画像のコラムfN -1(CN+1)が求められる。そして、それらが、同じ値、つまり、原画像において同じコラムである場合には、対象画素(CM,CN)についての誤差拡散処理およびデータ出力関連処理が実行された後、S16においてコラムカウンタCNがカウントアップされ、画素補間部88に保持されてもはや前回の対象画素(CM,CN−1)となった画素のCMYK濃度階調値データが、重複的に、誤差拡散処理部90に出力される。一方、逆方向のライン処理におけるS26では、コラムカウンタCNの値に基づき、コラム対応関数fN -1を利用して、現時点での対象画素のコラムCNに対応する原画像のコラムfN -1(CN)が求められ、さらに、コラムカウンタCNをカウントダウンさせた場合に対象画素となるコラム(CN−1)に対応する原画像のコラムfN -1(CN−1)が求められる。そして、それらが、同じ値、つまり、原画像において同じコラムである場合には、対象画素(CM,CN)についての誤差拡散処理およびデータ出力関連処理が実行された後、S27においてコラムカウンタCNがカウントダウンされ、画素補間部88に保持されてもはや前回の対象画素(CM,CN+1)となった画素のCMYK濃度階調値データが、重複的に、誤差拡散処理部90に出力される。それらの処理は、コントロール部120の指令信号に基づいて行われ、それらの処理によって、主走査方向の拡大処理における画素の補間がなされるのである。
上記主走査方向の画素の補間は、先に説明した主走査方向の画素の間引きと相俟って、主走査方向の圧縮処理・拡大処理を実現する。それらの処理、つまり、画素間引部80および画素補間部88による処理は、いずれも、コントロール部120によるコラムカウンタCN,Cnのカウントアップ,カウントダウンに基づき、コラム対応関数fN,fN -1を利用して行われる。したがって、ライン処理の方向が順方向であるか逆方向であるかに拘わらず、いずれの画素ラインにおいても、原画像マトリクスの同じコラムにおける画素が間引かれ、処理後画像マトリクスの同じコラム間に画素が補間されることになる。したがって、上記コントロール部120,画素間引部80および画素補間部88は、それらが協働することにより、「画素数増減管理部」として機能することになる。
viii)誤差拡散処理
変換・補正処理の後、S13あるいはS24において、画素間引部88から出力される対象画素(CM,CN)のCMYK濃度階調データに対して、図17にフローを示す誤差拡散処理が実行される。この誤差拡散処理は、対象画素のC,M,Y,Kの4つの階調値データの各々に対する処理が、それらの各々に対応して設けられた4つの誤差拡散処理部90のいずれかによって、個別に実行される。以下の誤差拡散処理についての説明では、4つの階調値を総括する概念として、対象画素(CM,CN)についての階調値をD(CM,CN)と呼び、また、その階調値D(CM,CN)から作成される当該対象画素(CM,CN)の多値化値をD’(CM,CN)と呼んで、対象画素のC,M,Y,Kの各々の処理を一元化して説明するものとする。なお、説明は、図18を参照しつつ、順方向のライン処理が実行されている場合の誤差拡散処理を中心に行い、その後に、図19を参照しつつ、逆方向のライン処理が実行される場合の誤差拡散処理を、補足的に行うこととする。
誤差拡散処理部60には、変換誤差ラインバッファ98が設けられている。そのバッファ98は、2つの格納ライン#1,#2を有しており、前述の初期設定処理によって処理後画像のコラム数Nに相当する格納領域を有するように設定されている。図18は、順方向のライン処理がある程度進行した場合を示しており、誤差変換ラインバッファ98の格納ライン#1には、前回のライン処理において対象ラインとされたライン(以下、「前ライン」という場合がある)であるライン(CM−1)の各コラムの変換誤差値ΔDが格納されており、格納ライン#2には、今回のライン処理において対象ラインとされているラインCMの処理済のコラムの変換誤差値ΔDが格納されている。誤差拡散処理では、まず、S61において、変換誤差ラインバッファ98の格納ライン#1に格納されているライン(CM−1)の変換誤差値ΔDのうち対象画素(CM,CN)の近傍画素であるコラム(CN+2)〜コラム(CN−2)の変換誤差値ΔD(CM−1,CN+2)〜ΔD(CM−1,CN−2)が取得される。この取得処理は、コントロール部120からの指令信号に基づいて、バッファ制御部104が、当該変換誤差値ΔDをそれらが格納されている領域から読み出し、その読み出した変換誤差値ΔDを平均誤差算出部100に出力することによって行われる。続いて、S62において、変換誤差ラインバッファ98の格納ライン#2に格納されているラインCMの変換誤差値ΔDのうち対象画素(CM,CN)の近傍画素であるコラム(CN−1)〜コラム(CN−2)の変換誤差値ΔD(CM,CN−1)〜ΔD(CM,CN−2)が取得される。この取得処理も、コントロール部120からの指令信号に基づいて、バッファ制御部104が、当該変換誤差値Δをそれらが格納されている領域から読み出し、その読み出した変換誤差値ΔDを平均誤差算出部100に出力することによって行われる。
続いて、S63において、上記2つのラインの近傍画素の変換誤差値ΔDを基に、平均誤差算出部100によってそれら近傍画素の平均誤差値ΣΔDが算出される。平均誤差値ΣΔDは、重み付け平均であり、対象画素との位置関係に応じて近傍画素の各々に対して設定された7つの重み付け係数K1(1)〜K1(5),K0(1)〜K0(2)によって構成される誤差拡散フィルタ102を利用して、次式に従って算出される。
Figure 2007266699
ちなみに、重み付け係数K1(1),K1(1),K1(1),K1(1),K1(5),K0(1),K0(2)は、それぞれ、1/16,1/16,4/16,1/16,1/16,4/16,4/16に設定されている。
対象画素(CM,CN)の近傍画素の平均誤差値ΣΔDが算出された後、S64において、対象画素(CM,CN)の諧調値D(CM,CN)が、その平均誤差値ΣΔDに基づいて補正される。この補正は、加算器を主体に構成された補正部92によって行われ、それら諧調値D(CM,CN)と平均誤差値ΣΔDとが加算される。
次いで、S65において、補正された対象画素の階調値DH(CM,CN)=D(CM,CN)+ΣΔDに基づいて、対象画素(CM,CN)の多値化値が算出される。この算出処理は、比較器を主体に構成された比較部94によって行われる。インクジェット方式によって画像形成するプリンタ部40は、3つの大きさのインクドットを記録媒体に射出形成するようにされており、変換される多値化値は、そのようなプリンタ部40の機能に応じて、4値化値とされている。具体的にいえば、インクドットが形成されない0、あるいは、形成されるインクドットの直径に応じてその直径が小さい順である1,2,3のいずれかの値とされる。当該誤差拡散処理部90には、それら4つの値のいずれかに多値化するための多値化閾値として、S1,S2,S3の3つの閾値が格納されており、比較部94は、対象画素の補正後の階調値DH(CM,CN)とそれら閾値S1〜S3とを比較して、対象画素の多値化値D’(CM,CN)を求める。具体的には、階調値DH(CM,CN)が0以上かつ閾値S1未満の場合には、多値化値D’(CM,CN)は0とされ、閾値S1以上かつ閾値S2未満の場合には1と、閾値S2以上かつ閾値S3未満の場合には2と、閾値S3以上255以下の場合には3とされる。算出された多値化値D’(CM,CN)は、誤差拡散処理部90から出力される。
続いて、S66において、階調値から多値化値に変換されたことによる対象画素の変換誤差値ΔD(CM,CN)が算出される。この算出処理は、変換誤差算出部96によって実行される。変換誤差算出部96には、対象画素の補正後の階調値DH(CM,CN)と多値化値D’(CM,CN)とが入力され、多値化値D’(CM,CN)が0の場合には、補正後の階調値DH(CM,CN)がそのまま変換誤差値ΔD(CM,CN)とされ、1の場合には、補正後の階調値DH(CM,CN)から閾値S1を減じた値が、2の場合には、補正後の階調値DH(CM,CN)から閾値S2を減じた値が、3の場合には、補正後の階調値DH(CM,CN)から閾値S3を減じた値が、それぞれ、変換誤差値ΔD(CM,CN)とされる。
算出された対象画素(CM,CN)についての変換誤差値ΔD(CM,CN)は、続くS67において、変換誤差ラインバッファ98に格納される。この格納処理では、その変換誤差値ΔD(CM,CN)は、変換誤差ラインバッファ98の格納ライン#2のコラムCNの格納領域に格納され、格納された変換誤差値ΔD(CM,CN)は、対象画素が変更された次回以降の多値化処理において用いられる。格納処理の後、S68において、今回実行された対象画素(CM,CN)についての多値化処理が、現時点で実行されているライン処理における最終画素についての多値化処理であるか否かが判断される。S68で最終画素でないと判断された場合には、1つの画素に対する多値化処理が終了し、最終画素であると判断された場合には、S69において、誤差ラインバッファ98の更新処理が実行される。この更新処理では、変換誤差ラインバッファ98の格納ライン#2に格納されている変換誤差値ΔDが、格納ライン#1に移動させられる。上記格納処理および更新処理は、コントロール部120の指令信号に基づき、バッファ制御部104によって行われる。
逆方向のライン処理が実行されている場合には、対象画素の遷移方向の相違により、図19に示すように、対象画素について設定される近傍画素が先に説明した順方向のライン処理における場合と異なる。具体的にいえば、前ラインであるライン(CM−1)においては、コラム(CN−2)〜コラム(CN+2)とされ、対象ラインであるラインCMにおいては、コラム(CN+1)〜コラム(CN+2)とされる。それに伴い、誤差拡散フィルタ102における重み付け係数K1(1)〜K1(5),K0(1)〜K0(2)の配置も異なり、上記近傍画素の平均誤差値ΣΔDは、次式に従って求められる。
Figure 2007266699
誤差拡散処理の流れは、順方向のライン処理が実行されている場合と同様であり、先に説明したようにして、対象画素の多値化値D’(CM,CN)が求められ、変換誤差ラインバッファ98への格納,それの更新がなされる。
なお、いずれの方向にライン処理が行われる場合であっても、ラインカウンタCMの値が1の場合、コラムカウンタCNの値が1,2,(N−1),Nの場合には、近傍画素の一部あるいは全部が実在しないことになるため、その場合において実在しない近傍画素の変換誤差値ΔDは、0として扱われる。
ix)データ出力関連処理
上記誤差拡散処理が実行された後、S24あるいはS26において、図20に示すようなデータ出力関連処理が実行される。4つの誤差拡散処理部90によって作成された対象画素(CM,CN)のCMYK濃度の各々に関する多値化画素値は、いずれも、4値化値であり、2bitデータとなる。それに対し、当該画像データ変換処理装置10から最終的に出力される出力データは、処理後画像の複数の画素、具体的には、B個の画素の画像データを1単位として、その1単位を構成する複数の画素についての多値化画素値がシリアル形式に並ぶデータであり、データ出力関連処理は、そのような出力データを調製すべく実行される。
データ出力関連処理では、まず、S71において、誤差拡散処理によって得られた対象画素(CM,CN)のCMYK濃度の各々に関する多値化画素値C’(CM,CN),M’(CM,CN),Y’(CM,CN),K’(CM,CN)が、出力データバッファ110に格納される。出力データバッファ110は、図21,図22に示すように、1画素分の4つの多値化画素値が格納可能な格納ブロックをB個有する多値化画素値記憶部130を有しており、各多値化画素値は、上述した順にいずれかの格納ブロックに格納される。また、出力データバッファ110は、誤差拡散処理が終了した各画素の処理後画像におけるラインNo.およびコラムNo.(以下、「画素位置」という場合がある)を記憶する格納セルをB個有する画素位置記憶部132とを有しており、上記多値化画素値の格納ととともに、それら多値化画素値に対応する対象画素の画素位置(CM,CN)が、いずれかの格納セルに格納される。それら多値化画素値記憶部130,画素位置記憶部132における格納順序つまり格納処理の方向は、実行されているライン処理の方向によって異なる。順方向の処理が実行されている場合には、図21に示すように、格納ブロック#1から格納ブロック#Bに、格納セル#1から格納セル#Bに向かって、逆方向のライン処理が実行されている場合には、図22に示すように格納ブロック#Bから格納ブロック#1に、格納セル#Bから格納セル#1に向かって、それぞれ、対象画素の多値化画素値および画素位置が、適切な格納ブロック,格納セルに格納される。ちなみに、図21,図22は、1単位のデータがすべて格納された状態を示している。ここで説明した格納処理は、コントロール部120の指令信号に基づき、出力データ記憶処理部112によって実行される。
1画素の格納処理が実行された後、S72において、いくつの画素のデータが出力データバッファ110に格納されているかを示すバッファカウンタCBがカウントアップされ、続くS73において、そのカウンタ値が、1単位のデータを構成する画素数であるBとなったか否かが判断される。1単位のデータを構成するすべての画素のデータが出力データバッファ110に格納されている場合には、次のS74において、それらの画素のうち最もコラムNo.の小さい画素の画素位置が特定され、S75において、その特定された画素位置とともに、出力データバッファ110に格納されている各画素の多値化画素値が、コラムNo.の小さい順に、処理後画像データ格納部38とプリンタ部40との少なくとも一方に出力される。具体的に言えば、格納セル#1の画素位置が読み出され、また、格納ブロック#1から格納ブロック#に向かって、順次、各画素の多値化画素値が読み出され、それらのデータがシリアル形式で出力される。この1単位の画像データの出力処理は、コントロール部120の指令信号に基づき、出力処理部114にて実行される。この1単位の出力処理が実行された後、S76において、バッファカウンタCBがリセットされる。
ここで説明したところの、単位画素についての1連のデータ出力関連処理が実行された後、先に説明したS15あるいはS26の判定が行われ、必要な場合には、画素の補間処理が実行される。その後、S17あるいはS28において、ライン処理の終了が判断され、ライン処理が終了していない場合には、S18あるいはS29において、コラムカウンタCnのカウントアップあるいはカウントダウンがなされ、S9以降の一連の処理あるいはS20以降の一連の処理が実行される。ライン処理が終了したと判断された場合には、S30において、処理後画像におけるすべての画素ラインについてのライン処理が終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合には、S31において、ラインカウンタCMのカウントアップがなされ、対象ラインが遷移させられてS6以降の一連の処理が実行される。すべてのラインのライン処理が終了によって、本画像データ変換処理が終了する。
≪変形例等≫
上記画像データ変換処理において、副走査方向,主走査方向の圧縮処理,拡大処理は、特定の画素ライン,画素を単に間引き,補間することに行われているが、そのような処理に代え、例えば圧縮処理においては、隣接する2画素ラインの各画素あるいは隣接する2画素の画素値の平均等を算出し、それら2画素ラインあるいは2画素を基に新たな1画素ライン,1画素を作成し、それら2画素ラインあるいは2画素に新たな1画素ライン,1画素を置き換えることによって、圧縮処理を実行することも可能である。また、間引かれることによって互いに隣接することとなった2画素ラインの各画素あるいは2画素の画素値を、間引きに応じて何らかの補正を加えるようして圧縮処理を実行することも可能である。同様に、拡大処理においても、補間される画素ライン,画素を挟む2画素ラインの各画素あるいは2画素の画素値を平均等することによって新たな1画素ライン,1画素を作成し、それら2画素ラインあるいは2画素の間に1画素ライン,1画素を補間することによって、拡大処理を実行することも可能である。また、補間された画素ライン,画素を挟んで存在する2画素ラインの各画素あるいは2画素の画素値を、補間に応じて何らかの補正を加えるようして拡大処理を実行することも可能である。
上述した画像データ変換処理は、電子回路を主体として構成された画像データ変換処理装置によって行われる処理であるが、画像データ変換処理は、コンピュータを主体とする画像データ変換処理装置によって行うことも可能である。その場合、上記フローチャートに従うプログラムを作成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることによって、当該画像データ変換処理を実現させることができる。コンピュータによる処理の場合、先に説明した画像データ変換処理装置10において実在する各機能部に相当する機能部は、それぞれが実行していた処理を実現するための仮想的な、若しくは、概念的な機能部となる。
画像データ変換処理装置による処理の概要を示す概念図である。 画像データ変換処理における主走査方向の切り換えを示す概念図である。 副走査方向の画像の圧縮・拡大を示す概念図である。 主走査方向の画像の圧縮・拡大を示す概念図である。 画像データ変換処理装置の構成を示すブロック図である。 画像データ変換処理装置が備えるフィルタ処理部の構成を示すブロック図である。 画像データ変換処理装置が備える誤差拡散処理部の構成を示すブロック図である。 画像データ変換処理装置によって実行される画像データ変換処理の流れを示すフローチャートである。 画像データ変換処理装置の外部に設けられて原画像データを一時的に格納するラインバッファおよびそのバッファの更新処理を説明するための概念図である。 図8に示す画像データ変換処理の中で行われるフィルタ関連処理の流れを示すフローチャートである。 画像データ変換処理装置が備えるマトリクスバッファの状態であって、順方向のライン処理が実行される場合の状態を示す概念図である。 順方向のライン処理が実行される場合において図11に示すマトリクスバッファが更新される様子を示す概念図である。 画像データ変換処理装置が備えるマトリクスバッファの状態であって、逆方向のライン処理が実行される場合の状態を示す概念図である。 逆方向のライン処理が実行される場合において図13に示すマトリクスバッファが更新される様子を示す概念図である。 フィルタ処理に用いられる平滑化フィルタおよび強調フィルタのが施される画素およびその処理に用いられるフィルタを示す概念図である。 図8に示す画像データ変換処理の中で行われる変換・補正処理の流れを示すフローチャートである。 図8に示す画像データ変換処理の中で行われる誤差拡散処理の流れを示すフローチャートである。 画像データ変換装置によって実行される誤差拡散処理であって、順方向のライン処理が実行さている場合の処理を説明するための概念図である。 画像データ変換装置によって実行される誤差拡散処理であって、逆方向のライン処理が実行さている場合の処理を説明するための概念図である。 図8に示す画像データ変換処理の中で行われるデータ出力関連処理の流れを示すフローチャートである。 画像データ変換装置によって実行されるデータ出力関連処理であって、順方向のライン処理が実行される場合における処理を説明するための概念図である。 画像データ変換装置によって実行されるデータ出力関連処理であって、逆方向のライン処理が実行される場合における処理を説明するための概念図である。
符号の説明
10:画像データ変換処理装置 12:原画像 14:処理後画像 16:多値化前処理部 18:多値化処理部 20:画素ライン 22:画素 32:原画像データ格納部 34:ラインバッファ 38:処理後画像データ格納部 40:プリンタ部 50:マトリクスバッファ 52:内部ラインバッファ 60:フィルタ処理部 80:画素間引部 82:CMY変換部 84:墨生成部 86:γ補正部 88:画素補間部 90:誤差拡散処理部 110:出力データバッファ 120:コントロール部

Claims (6)

  1. 複数の画素がマトリクス状に配列された原画像の画像データであってそれら複数の画素の各々の光学的特性に関する階調値データを含んで構成された原画像データを、複数の画素がマトリクス状に配列された処理後画像の画像データであってそれら複数の画素の各々の特性に関する多値化値データを含んで構成された処理後画像データに変換処理する画像データ変換処理装置であって、
    前記原画像データに基づいて、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の光学的特性に関する階調値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の階調値のデータを作成する処理後画像階調値データ作成処理部と、
    その処理後画像階調値データ作成処理部によって作成された前記処理後画像の各画素ラインの各画素の階調値データに基づき、誤差拡散法に従って、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の多値化値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の多値化値データを作成する処理後画像多値化値データ作成処理部と
    前記処理後画像階調値データ作成処理部によって実行されるライン処理における処理方向、および、前記処理後画像多値化値データ作成処理部によって実行されるライン処理における処理方向を、同じ画素ラインを対象とする場合に互いに同じ方向とし、それら処理方向を画素ラインごとに逆の方向に切り換えるライン処理方向切換制御部と
    を備えた画像データ変換処理装置。
  2. 前記処理後画像階調値データ作成処理部が、(a)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素のうちのいくつかの画素を間引くようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも減少させる画素数減少処理と、(b)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素に対していくつかの画素を補間するようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも増加させる画素数増加処理との少なくとも一方を実行可能とされ、
    当該画像データ変換処理装置が、
    前記画素数減少処理が実行される場合においては、前記処理後画像におけるいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置の画素が間引かれるように、前記画素数増加処理が実行される場合においては、前記処理後画像におけるいずれの画素ラインにおいても、前記原画像の画素ラインにおける同じ位置に画素が補間されるように、前記処理後画像階調値データ作成処理部によって実行されるライン処理を管理する画素数増減管理部を備えた請求項1に記載の画像データ変換処理装置。
  3. 前記画素数増減管理部が、前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素と前記処理後画像の1画素ラインを構成する複数の画素とを対応付ける画素対応付けインデックスを利用して、前記処理後画像データ作成処理部によって実行されるライン処理を管理するものである請求項2に記載の画像データ変換処理装置。
  4. 複数の画素がマトリクス状に配列された原画像の画像データであってそれら複数の画素の各々の光学的特性に関する階調値データを含んで構成された原画像データを、複数の画素がマトリクス状に配列された処理後画像の画像データであってそれら複数の画素の各々の特性に関する多値化値データを含んで構成された処理後画像データに変換処理する画像データ変換処理方法であって、
    前記原画像データに基づいて、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の光学的特性に関する階調値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の階調値のデータを作成する処理後画像階調値データ作成処理と、
    その処理後画像階調値データ作成処理部によって作成された前記処理後画像の各画素ラインの各画素の階調値データに基づき、誤差拡散法に従って、前記処理後画像の1つの画素ラインを構成する各画素の多値化値データを画素の並ぶ方向に沿って順次画素ごとに作成するライン処理を実行するとともに、対象となる画素ラインを順次遷移させつつそのライン処理を繰り返し実行することにより、前記処理後画像の各画素ラインの各画素の多値化値データを作成する処理後画像多値化値データ作成処理と
    を含み、
    前記処理後画像階調値データ作成処理で実行されるライン処理における処理方向、および、前記処理後画像多値化値データ作成処理で実行されるライン処理における処理方向を、同じ画素ラインを対象とする場合に互いに同じ方向とし、それら処理方向を画素ラインごとに逆の方向に切り換える画像データ変換処理方法。
  5. 前記処理後画像階調値データ作成処理において、(a)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素のうちのいくつかの画素を間引くようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも減少させる画素数減少処理と、(b)前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素に対していくつかの画素を補間するようにして、前記処理後画像の1画素ラインの画素数を、前記原画像の1画素ラインの画素数よりも増加させる画素数増加処理との少なくとも一方を実行し、
    前記画素数減少処理が実行される場合においては、前記処理後画像におけるいずれの画素ラインにおいても、対応する前記原画像の画素ラインにおける同じ位置の画素が間引かれるように、前記画素数増加処理が実行される場合においては、前記処理後画像におけるいずれの画素ラインにおいても、前記原画像の画素ラインにおける同じ位置に画素が補間されるように、前記処理後画像階調値データ作成処理部で実行されるライン処理を管理する請求項4に記載の画像データ変換処理方法。
  6. 前記ライン処理の管理を、前記原画像の1画素ラインを構成する複数の画素と前記処理後画像の1画素ラインを構成する複数の画素とを対応付ける画素対応付けインデックスを利用して行う請求項5に記載の画像データ変換処理方法。
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