JP2007266389A - 導電性パターンの形成方法、およびそれを用いた有機トランジスタの製造方法 - Google Patents

導電性パターンの形成方法、およびそれを用いた有機トランジスタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い配置精度を有する導電性パターンを、簡便な工程で得ることのできる手段を提供すること。
【解決手段】 基板1表面上にあらかじめ導電性パターンに応じて形成した凹部2に、機能液を注入し、機能液を導電膜6に変換することにより導電性パターンを形成させる。これにより、高精度に配置された導電性パターンを、大掛かりな設備を必要とせずに形成させることができる。しかも、材料を無駄に廃棄することがないので、材料使用率を向上させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、機能液を基板上に配置することによりパターンを形成する導電性パターンの形成方法および有機トランジスタの製造方法に関する。
従来より、半導体集積回路などの微細な導電性パターンを有するデバイスの製造方法としては、フォトリソグラフティ法およびインクジェット法が知られている。フォトリソグラフティ法は、あらかじめ導電膜を塗布した基板上に感光剤を塗布した後に、回路パターンを照射して現像し、パターンに応じて導電膜をエッチングすることで導電性パターンを形成するものであり、高精度に導電性パターンを配置することができる。しかしながら、この方法は真空装置などの大掛かりな設備を必要とすることに加え、材料使用率も低いため、製造コストが高くなってしまうという問題点があった。
また、別の方法として、インクジェットを用いた方法がある(例えば、特許文献1参照)。このインクジェット法は、金属微粒子等の導電性微粒子を分散させた機能液であるパターン用インクを基板に直接塗布し、その後熱処理やレーザー照射を行って導電性パターンに変換するものである。この方法によれば、フォトリソグラフティ法に比べて、プロセスが大幅に簡単なものになるとともに原材料の使用も少なくてすむ一方、導電性パターンの配置精度が悪くなってしまい、微小配線が形成できないという問題点があった。
そこで、有機分子膜によって撥液部と親液部のパターンを形成した基板の親液部のみに選択的に機能性液体材料を塗布し、その後の熱処理によって導電膜パターンに変換する導電性パターン形成方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この導電性パターン形成方法を、図27から図31を参照して説明する。まず、図27から図29に示すように、基板101上に自己組織化膜102を形成(図27参照)した後、自己組織化膜102を紫外光(UV)照射などにより部分的に除去し(図28参照)、親液部103と撥液部104とを所定のパターンで形成する(図29参照)パターン形成工程を踏む。そして、図30に示すように、インクジェット法やスピンコート法などにより、親液部103に導電性微粒子が分散された機能液105塗布する機能液塗布工程を踏む。その後、図31に示すように、熱処理によって、塗布した機能液を導電膜106に変換する熱処理工程を踏む。以上の工程により、図31に示すように、導電性パターンが形成された基板素子100が製造される。この導電性パターンの形成方法によれば、フォトリソグラフティに用いるような真空装置等が不要であるとともに、インクジェットのみを用いてパターンを塗布する方法と比較してパターンの配置精度の向上が期待される。
米国特許第5132248号公報 特開2002−164635号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法によっても、親液部に微粒子分散液を塗布する工程で、インクジェット法を用いた場合には、実質的にはパターンの配置精度はインクジェットの液滴着弾精度以上の精度は得られず、配置精度を10マイクロメートル以下とすることは難しいという問題点があった。一方、配置精度を向上させるために、親液部に微粒子分散液を塗布する工程で、スピンコート法を用いると、無駄に廃棄する材料が多くなってしまいコストがかかってしまうという問題点があった。しかも、自己組織化膜を部分的に除去する工程では、露光機やフォトマスクなどの大掛かりな装置が必要となり、工程が複雑になるとともに、製造コストがかかってしまうという問題点もあった。
このように、10マイクロメートル以下の配置精度を有する導電性パターンを、大掛かりな装置を使用せず、簡便な工程で、しかも材料を無駄なく形成する手法は、これまでに提案されていなかった。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、高い配置精度を有する導電性パターンを、簡便な工程でしかも材料を無駄なく使用して得ることのできる薄膜のパターンの形成方法およびそれを用いた有機トランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明の導電性パターンの形成方法は、導電性を有する材料を含む機能液を基板上に塗布してパターンを形成する導電性パターンの形成方法であって、前記基板に、前記導電性パターンに応じた凹部、および該凹部と前記基板の端部とを連通させる溝部を形成する凹部形成工程と、前記凹部および前記溝部の上面を覆うカバー材を、前記基板と接着させるカバー材接着工程と、前記凹部および前記溝部と前記カバー材との隙間に、前記機能液を注入する注入工程と、前記凹部と前記溝部とに注入された前記機能液を導電膜に変換する変換工程と、前記カバー材と前記基板とを分離する分離工程と、前記導電膜のうち、前記溝部に応じて形成された部分を含む不要部を除去する除去工程とを有することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の導電性パターンの形成方法は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記カバー材は、フィルム材により形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の導電性パターンの形成方法は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記カバー材は、撥水性または撥油性を有することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の導電性パターンの形成方法は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記カバー材は、離型剤が塗布されていることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の導電性パターンの形成方法は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記カバー材は、前記分離工程において、紫外光を照射すると剥離性が生じることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の導電性パターンの形成方法は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記基板は、撥水性または撥油性を有することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の導電性パターンの形成方法は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記基板は、離型剤が塗布されていることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の導電性パターンの形成方法は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記基板は、前記分離工程において、紫外光を照射すると剥離性が生じることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の導電性パターンの形成方法は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記機能液の粘度は、10cP以下であることを特徴とする。
また、請求項10に係る発明の有機トランジスタの製造方法は、導電性パターンを形成する工程を有する有機トランジスタの製造方法であって、請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法により、前記基板上もしくは前記カバー材上に導電性パターンを形成することを特徴とする。
また、請求項11に係る発明の有機トランジスタの製造方法は、支持層上に導電性パターンを形成する工程を有する有機トランジスタの製造方法であって、前記支持層上面にソース電極、ドレイン電極を形成する第1の工程と、前記ソース電極、ドレイン電極の上面に有機半導体を形成する第2の工程と、前記有機半導体が形成された前記支持層上面をゲート絶縁膜で皮膜する第3の工程と、前記ゲート絶縁膜で皮膜された前記支持層上面にゲート電極を形成する第4の工程とを有し、前記第1の工程では、前記基板若しくは前記カバー材の一方を前記支持層として、請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法を用いて前記ソース電極、前記ドレイン電極を形成することを特徴とする。
また、請求項12に係る発明の有機トランジスタの製造方法は、基板上に導電性パターンを形成する工程を有する有機トランジスタの製造方法であって、前記基板上面に請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法を用いてソース電極、ドレイン電極を形成する第1の工程と、前記基板下面に請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法を用いてゲート電極を形成する第2の工程と、前記ソース電極、前記ドレイン電極の上面に有機半導体を形成する第3の工程とからなることを特徴とする。
また、請求項13に係る発明の有機トランジスタの製造方法は、基板上に導電性パターンを形成する工程を有する有機トランジスタの製造方法であって、前記基板上面に請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法を用いてソース電極、ドレイン電極を形成する第1の工程と、前記基板下面にゲート電極を形成する第2の工程と、前記ソース電極、前記ドレイン電極の上面に有機半導体を形成する第3の工程とを有し、前記第2の工程は、前記基板に、前記導電性パターンに応じた凹部、および該凹部と前記基板の端部とを連通させる溝部を形成する凹部形成工程と、前記凹部および前記溝部の上面を覆うカバー材を、基板と接着させるカバー材接着工程と、前記凹部および前記溝部と前記カバー材との隙間に、機能液を注入する注入工程と、前記凹部と前記溝部とに注入された前記機能液を導電膜に変換する変換工程とを有することを特徴とする。
請求項1に係る発明の導電性パターンの形成方法では、基板表面上にあらかじめ導電性パターンに応じた凹部を形成して、パターン用機能液を基板上の凹部に注入することにより導電性パターンを形成させるために、パターン用機能液を基板に直接塗布する場合と比較して、高精度に配置された導電性パターンを形成させることができる。また、大掛かりな設備を必要とせずに、簡便な工程で導電性パターンを形成させることができるとともに、大面積の導電性パターンを形成することが可能である。しかも、材料を無駄に廃棄することがないので、材料使用率を向上させることができる。
また、請求項2に係る発明の導電性パターンの形成方法によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、フィルム材により構成されたカバー材をローラーに巻くことができるため、カバー材接着工程において、ローラーを用いてカバー材を基板上に接着させることができる。つまり、連続的にカバー材を基板に接着させることができ、効率的に導電性パターンを形成することができる。
また、請求項3に係る発明の導電性パターンの形成方法によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、撥水性または撥油性を有するカバー材が、分離工程においてスムーズに基板および基板凹部に形成された導電膜から分離されるため、効率的に高い品質の導電性パターンを形成することができる。
また、請求項4に係る発明の導電性パターンの形成方法によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、離型剤が塗布されたカバー材が、分離工程においてスムーズに基板および基板凹部に形成された導電膜から分離されるため、効率的に高い品質の導電性パターンを形成することができる。
また、請求項5に係る発明の導電性パターンの形成方法によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、紫外光照射により剥離性を有するカバー材に、分離工程において紫外光照射を行うことにより、カバー材がスムーズに基板および基板凹部に形成された導電膜から分離される。これにより、効率的に品質の高い導電性パターンを形成することができる。
また、請求項6に係る発明の導電性パターンの形成方法によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、撥水性または撥油性を有する基板が、分離工程においてカバー材および基板凹部に形成された導電膜から剥がれることにより、導電性パターンはカバー材表面に形成される。これにより、基板上に凹部および溝部を形成する凹部形成工程を1回行えば、凹部が形成された基板を何度も用いて、複数のカバー材に導電性パターンを形成することができる。そのため、材料を節約できるとともに、より製造工程を簡単にすることができる。しかも、カバー材には凹部や溝部を形成する必要がないため、薄い材料を選択することができる。そのため、より薄い導電性パターンを形成することができる。
また、請求項7に係る発明の導電性パターンの形成方法によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、離型剤が塗布された基板が分離工程においてスムーズにカバー材および基板凹部に形成された導電膜から分離されるため、効率的にカバー材上に配線パターンが形成された導電性パターンを形成することができる。
また、請求項8に係る発明の導電性パターンの形成方法によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、紫外光照射により剥離性を有する基板に、分離工程において紫外光照射を行うことにより、基板がスムーズにカバー材および基板凹部に注入した機能剤から分離される。そのため、効率的にカバー材上に配線パターンが形成された導電性パターンを形成することができる。
また、請求項9に記載の導電性パターンの形成方法によれば、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、10cP以下の粘度特性を持つ機能液が、注入工程において、基板端部からカバー材と基板の溝部および凹部との隙間をスムーズに流れていくために、効率よく導電性パターンを形成することができる。
また、請求項10に記載の有機トランジスタの製造方法によれば、請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法により製造された導電性パターンが基板上に形成されているために、薄型で、高集積化された有機トランジスタを得ることができる。
また、請求項11に記載の有機トランジスタの製造方法によれば、支持層に形成されたソース電極、ドレイン電極の上面に、有機半導体を介してゲート絶縁膜を製膜し、その上面にゲート電極を形成するため、ゲート絶縁膜を薄くしてゲート電極とソース電極、ドレイン電極の距離を近づけることができる。そのため、低電圧駆動を可能とした有機トランジスタを得ることができる。
また、請求項12に記載の有機トランジスタの製造方法によれば、請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法を用いて、基板上面にソース電極、ドレイン電極のパターンを形成するだけでなく、基板下面にゲート電極のパターンを形成するため、ゲート電極についても高精度にパターンを配置することができる。これにより、いっそう配線精度の高い有機トランジスタを得ることができる。
また、請求項13に記載の有機トランジスタの製造方法によれば、ゲート電極上を皮膜しているカバー材を基板から分離しないために、製造工程で用いたカバー材を、そのままゲート電極の封止として用いることができる。つまり、わざわざゲート電極剥離防止のための手段を講じることなく、製造工程で用いたカバー材を利用して、ゲート電極の剥離を防止することができる。そのため、いっそう簡単な工程で、高品質の有機トランジスタを製造することができる。
以下、本発明の導電性パターンの形成方法およびそれを用いた有機トランジスタの第1乃至第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本実施形態の導電性パターンの形成方法について、図1乃至図9を参照して説明する。図1は設計上必要とされる導電性パターン14が形成された素子基板15の平面図であり、図2は本実施形態の導電性パターンが形成された素子基板10の平面図であり、図3は、図2に示した素子基板10のX−X線における矢視方向断面図である。また、図4は凹部形成工程を説明するための基板1の斜視図であり、図5は図4に示した基板1のX−X線における矢視方向断面図であり、図6はカバー材接着工程を説明するための基板1、カバー材3の断面図である。また、図7は注入工程を説明するための基板1、カバー材3および機能液4の断面図であり、図8は注入工程を説明するための基板1、カバー材3および機能液4の該略的な斜視図である。また、図9は変換工程を説明するための基板1、カバー材3および導電膜6の断面図であり、図10は分離工程を説明するための基板1、カバー材3および導電膜6の断面図である。
まず、本実施形態において設計上必要とされる導電性パターン14について、図1を参照して説明する。図1に示すように、導電性パターン14は、基板1上に形成される。この導電性パターン14は、基板端部9の一端から他端に連通して形成される帯状のパターン12と、基板端部9とは連通しない平面視四角形状のパターン13とからなる。
次に、本実施形態の導電性パターンが形成された素子基板10の構造について、図2、図3および図4を参照して説明する。図2、図3は、素子基板10の平面図および断面図であり、図4は素子基板10を構成する基板1の斜視図である。図2、図3に示すように、素子基板10は、導電性パターンを構成する導電膜6と支持体となる基板1とから構成される。
導電膜6は、図2に示すように、基板端部9の一端から他端に連通して形成される帯状の導電膜S部61と、基板端部9とは連通しない平面視四角形状の導電膜D部62と、導電膜D部62と基板端部9とを連通してなる導電膜L部63とから構成される。つまり、導電膜6は、設計上必要とされるパターン12、13に対応する導電膜S部61、導電膜D部62以外に、導電膜L部63を有する。この導電膜6は、図3に示すように、基板1に形成された後述する凹部2の内部に形成されている。
基板1は、図4に示すように、上面に、設計上必要な導電性パターン14に応じて形成された凹部2および、凹部2と基板端部9とを連通するように形成された溝部7とが形成される。
凹部2は、図4に示すように、基板端部9の一端から他端に連通するようにまっすぐに形成された凹部S部213と、基板端部9とは連通しない四角柱状の凹部D部223とからなる。つまり、凹部S部213は、図1に示す帯状のパターン12に対応しており、凹部D部223は、四角形状のパターン13に対応している。この凹部2の形状は、幅については1μmから1mm、深さについては1μmから1mmであることが好ましい。幅1μm、深さ1μm未満であると、後述する機能液4に分散させた導電性微粒子の粒子径との関係から、導電性パターンの形成が困難になる。一方、幅1mm、深さ1mmより大きい場合には、精度の高い導電性パターン形成が可能となる本発明の効果が薄れてしまうからである。例えば、本実施形態の凹部S部213は、幅100μm、深さ25μmで形成される。
溝部7は、導電膜6の材料となる機能液4を基板端部9から凹部D部223に案内する案内路の役割を果たし、凹部2および基板端部9とを連通させるように形成される。つまり、図4で示すように、溝部7は、凹部S部213のような基板端部9に直接連通している凹部2に対しては形成されず、凹部D部223のような基板端部9と直接連通していない凹部2に対してのみ形成される。
次に、本実施形態の導電性パターンの形成方法について、図1乃至図10を参照して説明する。第1実施形態の導電性パターンの形成は、以下の工程で行われる。まず、図4、図5に示すように、基板1に導電性パターンに応じた凹部2、および凹部2と基板の端部とを連通させる溝部7を形成する(凹部形成工程)。次に、図6に示すように、凹部2および溝部7の上面を覆うカバー材3を、基板1と接着させる(カバー材接着工程)。そして、図7、図8に示すように、凹部2および溝部7とカバー材3との隙間に、機能液4を注入し(注入工程)、図9に示すように、注入した前記機能液4を熱処理により導電膜6に変換する(変換工程)。そして、図10に示すように、カバー材3と前記基板1とを分離(分離工程)する。最後に、形成された導電膜6のうち、溝部7に応じて形成された導電膜6の一部を切断する(除去工程)ことにより、図2、図3に示される導電性パターンが形成された素子基板10が完成する。以下、各工程の詳細を説明する。
<凹部形成工程>
はじめに、凹部形成工程を図4、図5を参照して説明する。凹部形成工程は、有機トランジスタの回路基板をなす基板1上面に、凹部2および溝部7を形成する工程である。
基板1の加工は、メタクリル樹脂(PMMA 三菱化学製アクリペット)を射出成型することにより行われる。基板1の厚さは、0.1から1.0mmが好ましい。この工程により、基板1の上面には、図4に示すように、設計上必要な導電性パターン14に応じた位置に凹部2が形成され、凹部2と基板端部9とを連通させるように溝部7が形成される。
なお、基板1の材料は、メタクリル樹脂に限定されず、他にも例えば、ガラス、シリコンウェハー、石英などの無機基材、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリイミドなどの有機基材、もしくはそれらの複合基材を用いることが可能である。
<カバー材接着工程>
次のカバー材接着工程では、図6に示すように、凹部2および溝部7の形成された基板1上面とカバー材3とを接着させる。カバー材3は、伸びに等方性があるポリオレフィン基材に、紫外光(UV)を照射すると剥離性を生じる粘着剤を塗布し、フィルムセパレータを貼り合わせて形成される(スリオンテック社製 UV剥離テープ)。つまり、カバー材3は、粘着性を有するとともに、紫外光(UV)を吸収すると剥離性を有するという両性質を有する。なお、カバー材の材質として、UV剥離性を有するもののほかに、撥水性または撥油性を有するものや、その他の材質に離型材を塗布してもよい。
<注入工程>
注入工程は、図7に示すように、カバー材3と凹部2、溝部7との隙間に機能液4を注入する工程である。注入法には、例えば、図8に示すように、基板端部9の一端部を機能液4に浸して他端部を真空吸引することで、圧力差を利用して機能液4を吸い上げる方法や、基板1全体を機能液4に浸漬する方法などがある。本実施形態では、真空吸引する方法を用いた。
機能液4は、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液が用いられる。機能液4に分散される導電性微粒子としては、金、銅、パラジウム、ニッケルのうちのいずれかを含む金属性粒子、これらの酸化物、導電性高分子や超伝導体の微粒子などを用いることができる。これらの粒径は、1μm以下が好ましい。
分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散させることができるもので、凝集を起こさないものであれば、特に限定されない。例えば、水のほかに、アルコール類、炭化水素系化合物類、エーテル系化合物類、極性化合物類などが例示される。本実施形態では、機能液4にアルバックコーポレート製の銀ナノインクを用いた。
また、機能液4の粘度は10cP以下であることが望ましい。粘度が10cP以下であることにより、機能液4を注入する際に、機能液4が凹部2、溝部7にスムーズに行渡り、効率的に生産を行うことができるからである。
<変換工程>
変換工程は、図9に示すように、凹部2、溝部7に注入した前記機能液4を熱処理により導電膜6に変換する工程である。この工程では、機能液4中に存在する導電性微粒子間の電気的接触をよくするために、分散媒の除去を行う。分散媒の除去は、一般的に熱処理または光処理などにより行われるが、本実施形態では、まず、機能液4が凹部2、溝部7に十分に充填したことを目視で確認したところで引き上げて、大気中100℃雰囲気下で1時間乾燥させ、さらに、後述する分離工程の後、大気中150℃雰囲気下で3時間乾燥させることにより行う。ここで、変換工程を2回に分けて行う理由は、本実施形態で用いるカバー材3が、高温下で劣化してしまう性質を有するからであり、耐熱性のカバー材3を使用した場合には、熱処理は分離工程の前に1度行うだけでよい。なお、必要に応じて、大気中ではなく、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。このような工程により、機能液4中の粒子間の電気的接触が確保されて、導電膜6に変換される。
<分離工程>
分離工程では、カバー材3と前記基板1とを分離する。分離は、図10に示すように、互いに接着されたカバー材3と基板1とに、カバー材3側から紫外光(UV)を照射することにより行う。これにより、カバー材3に塗布された粘着剤に剥離性が生じ、カバー材3が基板1から剥離する。
<除去工程>
最後に、図2に示すように、形成された導電膜6のうち、溝部7に応じて形成された部分を切断することにより、必要な導電性パターンを得る。切断は、切断したい部分11にレーザーを照射させることにより行う。レーザーを照射した部分は、レーザーにより高いエネルギーを与えられて高温となり焼き切られる。このような工程により、溝部に応じて形成された導電膜L部63は電気的に切断され、配線に必要な導電膜D部62を孤立させることができる。
以上の工程により、幅100μm、深さ25μmに形成された凹部2の中に、幅70μm、高さ20μmの導電膜6が形成された。この導電膜6の抵抗率を測定したところ、約0.002Ωcmであり、十分低い値の抵抗率を得ることができた。
以上説明したように、第1の実施形態の導電性パターンの形成方法では、凹部形成工程において、基板1上に設計上必要な導電性パターン14に対応した凹部2と凹部2に機能液を案内する溝部7とを形成し、カバー材接着工程で凹部2の形成された基板1にカバー材3をする。そして、注入工程でカバー材3と凹部2および溝部7との間に機能液4を注入した後、変換工程でパターン用の機能液4を導電膜6に変換する。最後に、分離工程でカバー材3と基板1とを分離して、除去工程で前記溝部7に応じて形成された導電膜L部63を切断する。
このように、基板1表面上にあらかじめ導電性パターンに応じた凹部2を形成して、機能液4を基板1上の凹部2に注入することにより、導電性パターンを形成させるために、機能液4を基板1に直接塗布する場合と比較して、高精度に配置された導電性パターンを得ることができる。また、大掛かりな設備を必要とせずに、簡便な工程で導電性パターンを形成させることができるとともに、大面積の導電性パターンを形成することが可能である。しかも、材料を無駄に廃棄することがないので、材料使用率を向上させることができる。
また、カバー材3が紫外光(UV)照射により剥離性を有するために、分離工程においては、紫外光(UV)照射を行うことにより、カバー材がスムーズに基板および基板凹部に注入した機能剤から分離される。そのため、効率的に品質の高い導電性パターンを形成することができる。
さらに、機能液4が10cP以下の粘度特性を持つことから、注入工程においては、基板端部9から基板1の凹部2および溝部7をスムーズに流れていく。そのために、効率よく導電性パターンを形成することができる。
また、厚みの薄いカバー材3および基板1を用いているため、カバー材3および基板1をローラーに巻くことができる。つまり、カバー材接着工程においては、ローラーを用いてカバー材3を基板1上に接着させることができるため、連続的にカバー材3を基板1に接着させることができ、効率的に導電性パターンを形成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2の実施形態の導電性パターンの形成について、図11乃至図16を参照して説明する。図11は、本発明の導電性パターンが形成された素子基板20の平面図であり、図12は、図11に示す素子基板20のX−X線における矢視方向断面図であり、図13は凹部形成工程を説明するための基板21の断面図である。また、図14はカバー材接着工程を説明するための基板21とカバー材23との断面図であり、図15は注入工程を説明するための基板21とカバー材23と機能液24との断面図であり、図16は変換工程を説明するための基板21とカバー材23と導電膜26との断面図である。
第2の実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態により形成された導電膜6が、図3に示すように、基板1上に形成されているのに対し、第2の実施形態により形成された導電膜26は、図12に示すように、カバー材23上に形成されている。
第2実施形態の導電性パターンの形成方法は、第1実施形態と同様に、凹部形成工程、カバー材接着工程、注入工程、変換工程、分離工程、除去工程とを有するが、第1実施形態においては、カバー材3と基板1とを分離する分離工程において、導電膜6が基板1側に付着しているのに対し、第2実施形態では、導電膜26は基板21側ではなくカバー材23側に付着する点で異なる。以下、第2実施形態の各工程を第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
<凹部形成工程>
凹部形成工程では、図13に示すように、第1実施形態と同様の方法で、メタクリル樹脂(PMMA 三菱化学製アクリペット)を射出成型して、基板21上面に凹部22および図示しない溝部を形成した後、基板21の表面に、撥水剤25(FG5010 フロロテクノロジー社製)を塗布する。なお、基板21表面に塗布する塗布材は、撥水剤25に限定されず、離型性を有するものであれば良い。離型性を有する塗布材としては、例えばフッ素樹脂、シリコン樹脂などがあげられる。
<カバー材接着工程>
カバー材接着工程では、図14に示すように、基板21上面とカバー材23とを、両面テープ31を用いて接着させる。カバー材23は、厚さ125μmのPET樹脂により形成される。
<注入工程>
注入工程では、第1実施形態と同様の手法で、図15に示すように、カバー材23と凹部22、図示しない溝部との隙間に機能液24を注入する。機能液24は、導電性高分子より成り、本実施形態ではBaytron PEDOT:PSSを用いるが、他にもポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテンなどを用いることができる。
<変換工程>
機能液24の導電膜26への変換は、第1実施形態と同様に熱処理により行われる。熱処理は、機能液24が凹部22、図示しない溝部に十分に充填したところで引き上げて、大気中100℃雰囲気下で1時間乾燥させることにより行われる。このとき、基板21表面上には撥水剤25が塗布されているため、図16に示すように導電膜26はカバー材23上に形成される。
<分離工程>
導電膜26の形成後、カバー材23と基板21とを分離する。第2実施形態では、基板21表面上に撥水剤25が塗布されているために、特別な工程を踏まなくても、カバー材23と基板21とを簡単に分離することができる。この工程により、導電膜26が形成されたカバー材23(図12)と、基板21とが分離される。
<除去工程>
最後に、図11に示すように、形成された導電膜26のうち、溝部7に応じて形成された部分を切断することにより、必要な導電性パターンを得る。切断は、切断したい部分211にレーザーを照射させることにより行う。レーザーを照射した部分211は、レーザーにより高いエネルギーを与えられて高温となり焼き切られる。このような工程により、溝部に応じて形成された導電膜26部分は電気的に切断され、配線に必要な導電膜26部分を孤立させることができる。
以上の工程により、カバー材23表面上に導電膜26が形成される。例えば、凹部形成工程において、基板21に形成する凹部22を、幅100μm、深さ25μmとした場合には、カバー材23上面に、幅40μm、高さ10μmの導電膜26が形成された。この導電膜26の抵抗率を測定したところ、約9.8Ωcmであり、十分低い値の抵抗率を得ることができた。
以上説明したように、第2の実施形態の導電性パターンの形成方法では、第1の実施形態の導電性パターンの形成方法の効果に加えて、以下の効果を有する。まず、基板21上に撥水剤25が塗布されているために、導電膜26が基板21上ではなく、カバー材23表面に形成される。これにより、基板21上に凹部22と図示しない溝部とを形成する凹部形成工程を1回行えば、凹部22と図示しない溝部とが形成された基板21を何度も再利用して、複数のカバー材23に導電性パターンを形成することができ、材料を節約できるとともに、製造工程を簡単にすることができる。しかも、カバー材23には凹部22や図示しない溝部を形成する必要がないため、薄い材料を選択することができる。そのため、より薄い導電性パターンを形成することができる。
さらに、基板21には撥水剤25が塗布されているために、基板21は、分離工程において、スムーズに導電膜26およびカバー材23から分離される。そのため、効率的に高い品質の導電性パターンを形成することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の有機トランジスタ40の形成について、図17乃至図20を参照して説明する。図17は、本発明の第3実施形態の製造方法により製造された有機トランジスタ40の断面図であり、図18は第1の工程を説明するための基板41、ソース電極461およびドレイン電極462の断面図である。また、図19は第2の工程を説明するための、基板41、ソース電極461、ドレイン電極462および有機半導体43の断面図であり、図20は第3の工程を説明するための基板41、ソース電極461、ドレイン電極462、有機半導体43およびゲート絶縁膜44の断面図である。第3実施形態により製造された有機トランジスタ40は、第1の実施形態により形成された導電性パターンを、ソース配線およびドレイン配線として用いて形成されている。
はじめに、有機トランジスタ40の構造について、図17を参照して説明する。有機トランジスタ40は、基板41と、ソース電極461と、ドレイン電極462と、有機半導体43と、ゲート絶縁膜44と、ゲート電極45とから構成される。基板41の上面には、凹部42が加工され、凹部42の内部にはソース電極461、ドレイン電極462が形成されている。また、基板41の上面には、有機半導体43が、ソース電極461およびドレイン電極462の両方に接触するように、またがって形成される。また、有機半導体43の上面には、ソース電極461、ドレイン電極462および有機半導体43を覆うように、ゲート絶縁膜44が積層される。そして、ゲート絶縁膜44の上面には、有機半導体43の上方となるように、ゲート電極45が形成される。
次に、第3実施形態の有機トランジスタ40の製造方法について説明する。有機トランジスタ40の製造は、以下の工程で行われる。まず、基板41の上面にソース電極461およびドレイン電極462を形成する(第1の工程)。次に、有機半導体43を、ソース電極461およびドレイン電極462の両方に接触するように、またがって形成する(第2の工程)。そして、ゲート絶縁膜44を、有機半導体43の上面に、ソース電極461、ドレイン電極462および有機半導体43を覆うように形成する(第3の工程)。最後に、ゲート電極45を、ゲート絶縁膜44の上面に、有機半導体43の上方となるように形成する(第4の工程)。以下、有機トランジスタ40の製造方法について、工程ごとに詳細に説明する。
<第1の工程>
第1の工程では、図18に示すように、基板41の上面にソース電極461およびドレイン電極462を形成する。この手法は、第1実施形態で示した導電性パターンの形成方法と同様の手法で行う。なお、本実施形態では、基板41上にソース電極461、ドレイン電極462を形成させるが、第2実施形態で示した手法を用いて、カバー材上にソース電極461、ドレイン電極462を形成しても良い。
<第2の工程>
第2の工程では、図19に示すように、有機半導体43を、ソース電極461およびドレイン電極462の両方に接触するように、またがって形成する。有機半導体43の素材としては、ペンタセン、銅フタロシアニン、テトラセン、ペリレンなどの低分子半導体や、ポリ3ヘキシルチオフェンなどの高分子半導体が用いられる。この有機半導体43でのキャリア移動度が、有機トランジスタ40の性能を大きく左右する。
有機半導体43の形成方法としては、有機半導体43としてペンタセンなどの低分子半導体を用いた場合には、蒸着法により形成され、一方、ポリ3ヘキシルチオフェンなどの高分子半導体を用いた場合には、スピンコート法やインクジェット法により形成される。
<第3の工程>
第3の工程では、図20に示すように、ゲート絶縁膜44を、有機半導体43の上面に、ソース電極461、ドレイン電極462および有機半導体43を含めて覆うように形成する。ゲート絶縁膜44は、ポリメチルメタアクリレート、ポリイミド、ポリパラビニルフェノールなどにより形成され、主にスピンコート法により、ソース電極461、ドレイン電極462、有機半導体43上面を皮膜する。
なお、ゲート絶縁膜44の素材は、上記の有機材料に限定されず、例えばSiO2やSiN、Al2O3のような無機材料を使用することも可能である。この場合には、ゲート絶縁膜44の製膜方法として、スパッタリングやCVD法が用いられる。
<第4の工程>
第4の工程では、図17に示すように、ゲート電極45を、ゲート絶縁膜44の上面に、有機半導体43の上方となるように形成する。ゲート電極45は、金、モリブデン、クロム、アルミニウムなどの金属により形成される。ゲート電極45の形成方法としては、蒸着法を用いてゲート絶縁膜44上面に形成する場合や、スパッタリング法により、ゲート絶縁膜44上面全体に製膜後、フォトリソグラフティ法を用いて製膜する場合がある。
なお、ゲート電極45の形成方法は、蒸着法やスパッタリング法に限定されず、導電性材料を含有する液滴を、インクジェットで吐出することによっても形成される。この時の導電性材料としては、銀、アルミニウム、金、銅、パラジウム、ニッケル、導電性高分子などが好適に採用可能である。
このようにして、電子ペーパーなどで使用される有機トランジスタ40が製造される。なお、説明した有機トランジスタ40は、電子ペーパー等の1画素を駆動させるトランジスタに相当する。
第3実施形態の有機トランジスタ40の製造方法によれば、第1実施形態の導電性パターンの形成方法により製造された導電性パターンが基板41上に形成されているために、薄型で、高集積化された有機トランジスタ40を得ることができる。
また、ゲート電極45およびソース電極461ならびにドレイン電極462が、ゲート絶縁膜44を介して形成されているため、ゲート絶縁膜44を薄くして、ゲート電極45とソース電極461・ドレイン電極462の距離を近づけることができる。そのため、低電圧駆動を可能とした有機トランジスタ40を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の有機トランジスタ50の形成について、図21乃至図26を参照して説明する。図21は、本発明の第4実施形態の製造方法により製造された有機トランジスタ50の断面図であり、図22は凹部形成工程を説明するための基板51の断面図であり、図23はカバー材接着工程を説明するための基板51とカバー材53との断面図である。また、図24は注入工程を説明するための基板51、カバー材53および機能液54の断面図であり、図25は分離工程を説明するための基板51、カバー材53、ソース電極521、ドレイン電極522およびゲート電極523の断面図であり、図26は分離工程を説明するための基板51、カバー材532、ソース電極521、ドレイン電極522およびゲート電極523の断面図である。
はじめに、第4実施形態の有機トランジスタ50の構造について、図21を参照して説明する。有機トランジスタ50は、基板51と、ソース電極521と、ドレイン電極522と、ゲート電極523と、カバー材532と、有機半導体55とから構成される。有機トランジスタ50の基板51には、上面および下面の両方に凹部52が形成されている。そして、基板51上面に形成された凹部52の内部にソース電極521、ドレイン電極522が形成されており、基板51下面に形成された凹部52の内部にゲート電極523が形成されている。ソース電極521、ドレイン電極522が形成された基板51の上面には、有機半導体55が、ソース電極521およびドレイン電極522の両方に接触するように、またがって形成される。一方、ゲート電極523が形成された基板51の下面には、ゲート電極523を含めて基板51を覆うように、カバー材532が積層される。
上記構成を有する第4実施形態の有機トランジスタ50の製造は、以下の工程で行われる。まず、基板51の上面にソース電極521およびドレイン電極522を形成する(第1の工程)とともに、基板51の下面に、ゲート電極523を形成する(第2の工程)。この第1の工程と第2の工程とは、途中まで同時に並行して行われる。つまり、ソース電極521とドレイン電極522とゲート電極523とは、途中まで、同様の手法で同時に形成される。その後、有機半導体55を、ソース電極521およびドレイン電極522の両方に接触するように、またがって形成する(第3の工程)。以下、有機トランジスタ50の製造方法について、工程ごとに詳しく述べる。
<第1の工程および第2の工程>
第1の工程および第2の工程は、それぞれ、第1、第2実施形態で述べた凹部形成工程、カバー材接着工程、注入工程、変換工程とを有する。ここで、第1の工程においては、上記の工程に加えてさらに、分離工程と除去工程とを有するが、第2の工程においては有さない。つまり、ソース電極521とドレイン電極522とは、第1実施形態で述べた導電性パターンの形成方法と同様の工程により形成され、ゲート電極523は、途中まで第1実施形態で述べた導電性パターンの形成方法と同様の工程により形成される。以下、それぞれの工程について、第1実施形態とは異なる点について中心に述べる。
<凹部形成工程>
凹部形成工程では、図22に示すように、メタクリル樹脂(PMMA 三菱化学製アクリペット)を射出成型することにより、基板51上面および下面の両方に凹部52、および図示しない溝部を形成する。基板51上面に形成された凹部52の位置は、有機トランジスタ50におけるソース電極、ドレイン電極の配線パターンに対応しており、一方、基板51下面に形成された凹部52の位置は、ゲート電極の配線パターンに対応している。
<カバー材接着工程>
次のカバー材接着工程では、図23に示すように、基板51とカバー材53とを、基板51の上面および下面において接着させる。カバー材53としては、基板51上面に接着させるものについては、UV剥離性を有するカバー材531を用いる。一方、基板51下面に接着させるカバー材532については、剥離性を有さないものを用いる。
<注入工程>
注入工程および変換工程は、第1実施形態から第3実施形態と同様の方法で行う。つまり、注入工程では、図24に示すように、カバー材53と上下面に形成された凹部52、図示しない溝部との隙間に機能液54を注入する。
<変換工程>
変換工程では、熱処理により、機能液24の導電膜への変換を行う。この導電膜が、有機トランジスタ50のソース電極521、ドレイン電極522、ゲート電極523に対応する。
<分離工程>
ソース電極521、ドレイン電極522、ゲート電極523の形成後、図26に示すように、カバー材53のうち基板51の上面に接着されたカバー材531のみを、基板51と分離する。カバー材531の分離は、図25に示すように、カバー材531表面に紫外光(UV)を照射することによりおこなう。基板51上面に貼り付けたカバー材531は、UV剥離性を有する一方、基板51下面に貼り付けたカバー材532は、UV剥離性を有さないため、紫外光(UV)を照射させることにより、基板51の上面に接着したカバー材531のみを選択的に剥離させることができる。
<除去工程>
カバー材531の分離後、形成された導電膜のうち、溝部7に応じて形成された部分を切断することにより、必要な導電性パターンを得る。切断は、第1実施形態から第3実施形態と同様に、切断したい部分にレーザーを照射させることにより行う。
<第3の工程>
第3の工程では、第3実施形態と同様の手法により、図21に示すように、基板51の上面に、有機半導体55を、ソース電極521およびドレイン電極522の両方に接触するように、またがって形成させる。
以上の工程により、基板51の上面にソース電極521、ドレイン電極522が形成されるとともに、基板51下面にゲート電極523が形成された有機トランジスタ50を製造することができる。
なお、第4実施形態においては、基板51下面に接着されたカバー材532を、基板51と分離せず、接着したままとしたが、分離工程において、基板51上面に接着されたカバー材531と同様に、分離する製造方法としてもよい。つまり、ゲート電極523についても、ソース電極521、ドレイン電極522と同様に、第1実施形態で示した導電性パターンの形成方法と同様の手法でパターンを形成してもよい。この場合には、カバー材531、532を再利用することができるため、材料を無駄にすることなく有機トランジスタ50を製造することができる。
第4実施形態の有機トランジスタ50の製造方法によれば、基板51上面にソース電極521、ドレイン電極522のパターンを形成するだけでなく、同時に、基板51下面にゲート電極523のパターンを形成することができる。そのため、ゲート電極523についても高精度にパターンを配置することができ、いっそう配線精度の高い有機トランジスタ50を得ることができる。また、ゲート電極523を形成時においても無駄に材料を廃棄することがないため、製造工程における材料廃棄率の少ない有機トランジスタ50を得ることができる。さらに、ソース電極521とドレイン電極522とゲート電極523とを同時に形成させることができるので、製造工程をいっそう簡単にすることができる。
しかも、ゲート電極523上を皮膜しているカバー材532を基板から分離しないために、製造工程で用いたカバー材532を、そのままゲート電極523の封止として用いることができる。つまり、わざわざゲート電極523剥離防止のための手段を講じることなく、製造工程で用いたカバー材532を利用して、ゲート電極523の剥離を防止することができる。そのため、いっそう簡単な工程で、高品質の有機トランジスタ50を製造することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせは一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき、種々変更可能である。例えば、実施形態中の各工程の順序は、上述した例に限定されない。また、第1実施形態から4における凹部形成工程での基板加工方法は、射出成型に限定されないし、除去工程における除去方法も、レーザーを用いた導電膜の切断に限定されない。さらに、基板、カバー材、機能液やその他の材料についても、実施形態中で例示したものに限定されない。
設計上必要とされる導電性パターン14が形成された素子基板15の平面図である。 第1実施形態の導電性パターンが形成された素子基板10の平面図である。 図2に示す素子基板10のX−X線における矢視方向断面図である。 凹部形成工程を説明するための基板1の斜視図である。 図4に示した基板1のX−X線における矢視方向断面図である。 カバー材接着工程を説明するための基板1、カバー材3の断面図である。 注入工程を説明するための基板1とカバー材と機能液4との断面図である。 注入工程を説明するための基板1とカバー材3と機能液4との該略的な斜視図である。 変換工程を説明するための基板1とカバー材3と導電膜6との断面図である。 分離工程を説明するための基板1とカバー材3と導電膜6との断面図である。 本発明の導電性パターンが形成された素子基板20の平面図である。 図11に示す素子基板20のX−X線における矢視方向断面図である。 凹部形成工程を説明するための基板21の断面図である。 カバー材接着工程を説明するための基板21とカバー材23との断面図である。 注入工程を説明するための基板21とカバー材23と機能液24との断面図である。 変換工程を説明するための基板21とカバー材23と導電膜26との断面図である。 本発明の第3実施形態の製造方法により製造された有機トランジスタ40の断面図である。 第1の工程を説明するための基板41、ソース電極461およびドレイン電極462の断面図である。 第2の工程を説明するための、基板41、ソース電極461、ドレイン電極462および有機半導体43の断面図である。 第3の工程を説明するための基板41、ソース電極461、ドレイン電極462、有機半導体43およびゲート絶縁膜44の断面図である。 本発明の第4実施形態の製造方法により製造された有機トランジスタ50の断面図である。 凹部形成工程を説明するための基板51の断面図である。 カバー材接着工程を説明するための基板51とカバー材53との断面図である。 注入工程を説明するための基板51、カバー材53および機能液54の断面図である。 分離工程を説明するための基板51、カバー材53ソース電極521、ドレイン電極522、ゲート電極523の断面図である。 分離工程を説明するための基板51、カバー材532ソース電極521、ドレイン電極522、ゲート電極523の断面図である。 従来の実施形態である導電性パターンを形成する工程を説明するための基板101と自己組織化膜102の断面図である。 従来の実施形態である導電性パターンを形成する工程を説明するための基板101と自己組織化膜102の断面図である。 従来の実施形態である導電性パターンを形成する工程を説明するための基板101と自己組織化膜102の断面図である。 従来の実施形態である導電性パターンを形成する工程を説明するための基板101と自己組織化膜102と機能液105の断面図である。 従来の実施形態である導電性パターンを形成する工程を説明するための基板101と自己組織化膜102と導電膜106の断面図である。
符号の説明
1 基板
2 凹部
3 カバー材
4 機能液
6 導電膜
7 溝部
9 基板端部
10 素子基板
40 有機トランジスタ
41 基板
42 凹部
43 有機半導体
44 ゲート絶縁膜
45 ゲート電極
50 有機トランジスタ
51 基板
52 凹部
53 カバー材
54 機能液
55 有機半導体
57 溝部
461 ソース電極
462 ドレイン電極
521 ソース電極
522 ドレイン電極
523 ゲート電極
531 カバー材
532 カバー材

Claims (13)

  1. 導電性を有する材料を含む機能液を基板上に塗布してパターンを形成する導電性パターンの形成方法であって、
    前記基板に、前記導電性パターンに応じた凹部、および該凹部と前記基板の端部とを連通させる溝部を形成する凹部形成工程と、
    前記凹部および前記溝部の上面を覆うカバー材を、前記基板と接着させるカバー材接着工程と、
    前記凹部および前記溝部と前記カバー材との隙間に、前記機能液を注入する注入工程と、
    前記凹部と前記溝部とに注入された前記機能液を導電膜に変換する変換工程と、
    前記カバー材と前記基板とを分離する分離工程と、
    前記導電膜のうち、前記溝部に応じて形成された部分を含む不要部を除去する除去工程と、
    を有することを特徴とする導電性パターンの形成方法。
  2. 前記カバー材は、フィルム材により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
  3. 前記カバー材は、撥水性または撥油性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性パターンの形成方法。
  4. 前記カバー材は、離型剤が塗布されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性パターンの形成方法。
  5. 前記カバー材は、前記分離工程において、紫外光を照射すると剥離性が生じることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性パターンの形成方法。
  6. 前記基板は、撥水性または撥油性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性パターンの形成方法。
  7. 前記基板は、離型剤が塗布されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性パターンの形成方法。
  8. 前記基板は、前記分離工程において、紫外光を照射すると剥離性が生じることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性パターンの形成方法。
  9. 前記機能液の粘度は、10cP以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法。
  10. 導電性パターンを形成する工程を有する有機トランジスタの製造方法において、
    請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法により、前記基板上もしくは前記カバー材上に導電性パターンを形成することを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
  11. 支持層上に導電性パターンを形成する工程を有する有機トランジスタの製造方法において、
    前記支持層上面にソース電極、ドレイン電極を形成する第1の工程と、
    前記ソース電極、ドレイン電極の上面に有機半導体を形成する第2の工程と、
    前記有機半導体が形成された前記支持層上面をゲート絶縁膜で皮膜する第3の工程と、
    前記ゲート絶縁膜で皮膜された前記支持層上面にゲート電極を形成する第4の工程と、
    を有し、
    前記第1の工程では、前記基板若しくは前記カバー材の一方を前記支持層として、請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法を用いて前記ソース電極、前記ドレイン電極を形成することを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
  12. 基板上に導電性パターンを形成する工程を有する有機トランジスタの製造方法において、
    前記基板上面に請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法を用いてソース電極、ドレイン電極を形成する第1の工程と、
    前記基板下面に請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法を用いてゲート電極を形成する第2の工程と、
    前記ソース電極、前記ドレイン電極の上面に有機半導体を形成する第3の工程と、
    からなることを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
  13. 基板上に導電性パターンを形成する工程を有する有機トランジスタの製造方法において、
    前記基板上面に請求項1乃至9のいずれかに記載の導電性パターンの形成方法を用いてソース電極、ドレイン電極を形成する第1の工程と、
    前記基板下面にゲート電極を形成する第2の工程と、
    前記ソース電極、前記ドレイン電極の上面に有機半導体を形成する第3の工程と、
    を有し、
    前記第2の工程は、前記基板に、前記導電性パターンに応じた凹部、および該凹部と前記基板の端部とを連通させる溝部を形成する凹部形成工程と、
    前記凹部および前記溝部の上面を覆うカバー材を、基板と接着させるカバー材接着工程と、
    前記凹部および前記溝部と前記カバー材との隙間に、機能液を注入する注入工程と、
    前記凹部と前記溝部とに注入された前記機能液を導電膜に変換する変換工程と、
    を有することを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
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