JP2007266270A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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敬彦 佐々木
Minoru Nakae
穣 中榮
Takahisa Harayama
卓久 原山
Tomoko Tanaka
智子 田中
Muhan Choi
ムハン チェ
Takehiro Fukushima
丈浩 福嶋
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Abstract

【課題】複数のレーザ光を、それぞれの強度および方向を調整して出力できる新規な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】本発明の半導体レーザ装置は、基板11と、基板11上に形成され活性層を含む半導体多層膜20と、半導体多層膜20の上面と接触する第1の電極13と、基板11の裏面側に接触する第2の電極14とを含む。活性層は、互いに対向する第1および第2の端面と、互いに対向する第3および第4の端面とを有する。第1の電極13の表面のうち特定の電圧印加部と第2の電極14との間に電圧を印加して活性層に電流を注入することによって、第1および第2の端面から複数のレーザ光が出射される。そして、電圧印加部の位置および注入電流の大きさから選ばれる少なくとも1つを変更することによって、複数のレーザ光の光強度および方向が制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置に関する。
従来から、複数の方向にレーザ光を出射する半導体レーザ装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1の半導体レーザ装置では、環状の導波路を時計回りおよび反時計回りに伝搬する2つのレーザ光を出射させている。また、特許文献2の半導体レーザ装置では、2次元方向に広がるキャビティー内において時計回りおよび反時計回りに伝搬する2つのレーザ光を、キャビティーの端面から出射させている。
特開2000−230831号公報 特開2004−235339号公報
しかしながら、上記従来の半導体レーザ装置では、出射される複数のレーザ光の強度はほぼ同じであり、それらを簡単に制御することは難しかった。このような状況において、本発明は、複数のレーザ光を、それぞれの強度および方向を調整して出力できる新規な半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の半導体レーザ装置は、基板と、前記基板上に形成され活性層を含む半導体多層膜と、前記半導体多層膜の上面と接触する第1の電極と、前記基板の裏面側に接触する第2の電極とを含む半導体レーザ装置であって、前記活性層は、互いに対向する第1および第2の端面と、互いに対向する第3および第4の端面とを有し、前記第1、第2、第3および第4の端面は、それぞれ、仮想の菱形の第1、第2、第3および第4の頂点の位置に存在し、前記第1の電極の表面のうち特定の電圧印加部と前記第2の電極との間に電圧を印加して前記活性層に電流を注入することによって、前記第1および第2の端面から複数のレーザ光が出射され、前記電圧印加部の位置および前記電流の大きさから選ばれる少なくとも1つを変更することによって、前記複数のレーザ光の光強度および方向が制御される。
本発明によれば、複数のレーザ光を、それぞれの強度および方向を調整して出力できる新規な半導体レーザ装置が得られる。
以下、本発明について例を挙げて説明する。ただし、本発明は以下で挙げる例には限定されない。
[半導体レーザ装置]
本発明の半導体レーザ装置は、基板と、基板上に形成され活性層を含む半導体多層膜と、半導体多層膜の上面と接触する第1の電極と、基板の裏面側に接触する第2の電極とを含む。
活性層は、互いに対向する第1および第2の端面と、互いに対向する第3および第4の端面とを有する。第1および第2の端面は、それぞれ、外側に凸の曲面である。第1、第2、第3および第4の端面は、それぞれ、仮想の菱形の第1、第2、第3および第4の頂点の位置に存在する。この仮想の菱形の2つの対角線は、第1の頂点と第2の頂点とを結ぶ対角線、および、第3の頂点と第4の頂点とを結ぶ対角線である。
第1の電極の表面のうち特定の電圧印加部と第2の電極との間に電圧を印加して活性層に電流を注入することによって、第1および第2の端面から複数のレーザ光が出射される。そして、電圧印加部の位置および注入電流の大きさから選ばれる少なくとも1つを変更することによって、上記複数のレーザ光の光強度および方向が制御される。
活性層を含む半導体多層膜は、半導体基板上に形成される。半導体多層膜は、活性層の他に、半導体レーザ装置に必要な層を備える。たとえば、半導体多層膜は、活性層で励起されたレーザ光を閉じ込めるための光閉じ込め層を備える。この光閉じ込め層は、活性層を挟むように配置された2つのクラッド層を含む。クラッド層は、活性層の材料よりも屈折率(レーザ光の波長における屈折率)が低い材料によって形成されている。本発明の半導体レーザ装置では、活性層の平面形状と光閉じ込め層(たとえばクラッド層)の平面形状とは、通常同じである。なお、この明細書において、「平面形状」とは、図3に示される形状、すなわち、半導体層の積層方向と垂直な方向における形状を意味する。活性層および光閉じ込め層は、キャビティー(共振器)を構成する。
本発明の半導体レーザ装置を構成する半導体および積層構造に特に限定はなく、利用するレーザ光の波長などに応じて選択される。半導体層の材料の一例としては、たとえば、III−V族化合物半導体が挙げられる。
活性層の平面形状は、上記菱形の経路の頂点が外縁部に位置するように上記菱形を含む形状である。活性層に電流が注入されると、光が発生するが、この光は、活性層の端面で反射されるとともに誘導放出を生じる。そして、キャビティーの平面形状に応じて、特定の経路を安定に周回するレーザ光が励起される。本発明の半導体レーザ装置では、菱形の経路の4つの頂点のそれぞれに対応する位置に活性層の端面が存在する。そのため、菱形の経路に沿って菱形の経路の全体に電流を注入すると、菱形の経路を周回するレーザ光が励起される。
活性層およびそれを挟むように配置される光閉じ込め層は、通常、均一な層であり、上記経路に対応するような一定の幅の導波路は形成されていない。すなわち、本発明の半導体レーザ装置のキャビティーは、実質的に環状でなく、2次元的に広がっている。
本発明の半導体レーザ装置の典型的な一例では、第1の電極は、所定の領域(コンタクト領域)において半導体多層膜と接触し、第2の電極は、基板を介して半導体多層膜と電気的に接続される。第1の電極から活性層に注入される電流(キャリア)は、そのコンタクト領域を通過する。半導体多層膜は薄いため、通常、活性層のうちコンタクト領域の近傍に電流の大部分が注入される。そのため、コンタクト領域の形状を特定の形状とすることによって、活性層のうちの特定の領域のみに集中的に電流を注入することが可能である。
第1の電極と半導体多層膜の上面とは、上記仮想の菱形に対応する領域において接触していてもよい。すなわち、コンタクト領域が、仮想の菱形に対応する形状であってもよい。
本発明の半導体レーザ装置では、複数のレーザ光の光強度および方向の制御が、第1の電極における電圧降下を利用して行われてもよい。この場合、第1の電極は、抵抗値が高い材料や、薄い金属層で形成される。本発明の半導体レーザ装置の一例では、複数の電圧印加部のうち最も離れた2点間の距離Leが300μm〜1000μmの範囲にあり、金属からなる第1の電極の厚さDが200nm〜600nmの範囲にある。たとえば、距離Leが300μm〜600μm(一例では300μm〜400μm)の範囲にあり、金属からなる第1の電極の厚さDが300nm〜500nmの範囲にあってもよい。
[半導体レーザ装置の一例]
以下に、本発明の半導体レーザ装置の一例について説明する。この半導体レーザ装置10の斜視図を図1に示し、図1の線II−IIにおける断面図を図2に示す。なお、本発明の説明に用いる図面は模式的なものであり、理解が容易なように各部の縮尺を変更している。
図1の半導体レーザ装置10は、基板11と、基板11上に形成された半導体多層膜20と、半導体多層膜20上に形成された絶縁層12および第1の電極13と、基板11の裏面側の全面に形成された第2の電極14とを含む。第1の電極13は、絶縁層12の貫通孔の部分に形成されたコンタクト電極13aと、コンタクト電極13aのほぼ全域および絶縁層12の大部分に接するように形成されたパッド電極13bとによって構成されている。
図2を参照して、半導体多層膜20は、基板11側から順に積層された、バッファ層22、クラッド層23、SCH型(分離閉じ込めヘテロ構造)の活性層24、クラッド層25およびキャップ層26を含む。キャップ層26の上には、貫通孔を有する絶縁層12が形成されている。第1の電極13とキャップ層26とは、絶縁層12の貫通孔の部分(コンタクト領域31)で接触する。このコンタクト領域31を介して活性層24に電流が注入される。
基板11は、n型GaAs基板である。絶縁層12は、SiO2層(厚さ約500nm)である。バッファ層22は、n型GaAs層である。クラッド層23は、n型Al0.3Ga0.7As層(厚さ4μm)である。SCH型の活性層24は、SCH−DQW(二重量子井戸)の活性層であり、閉じ込め層を含めた全体の厚さが0.1μmである。この活性層において、井戸層はInGaAsである。このような活性層を用いることによって、波長が約980nmのレーザ光が出射される。クラッド層25は、p型Al0.3Ga0.7As層(厚さ2μm)である。キャップ層26は、p型GaAs(厚さ0.5μm)である。
コンタクト電極13aは、半導体多層膜20側から順に積層された、Au層(厚さ20nm)、Zn層(厚さ20nm)、およびAu層(厚さ60nm)によって構成されている。パッド電極13bは、コンタクト電極13a側から順に積層された、Ti層(厚さ30nm)およびAu層(厚さ300nm)によって構成されている。第2の電極14は、基板11側から順に積層された、AuGe層(厚さ500nm)、Ni層(厚さ500nm)、Au層(厚さ2000nm)によって構成されている。
半導体レーザ装置10の活性層24を上方から見たときの平面形状を図3示す。なお、半導体多層膜20を構成する各層(たとえばクラッド層23および25)は、活性層24と同じ平面形状を有する。
図3を参照して、活性層24は、仮想の菱形の経路32を含む面状に形成された薄膜である。経路32の第1から第4の頂点32a〜32dのうち、第1および第2の頂点32aおよび32bにおける内角は、第3および第4の頂点32cおよび32dにおける内角よりも角度が小さい。活性層24は、頂点32a〜32dの位置に配置された第1から第4の端面(ミラー面)24a〜24dを有する。第1および第2の端面24aおよび24bは、外側に向かって凸に膨らんだ曲面である。第3および第4の端面24cおよび24dは、フラットな平面である。頂点32aと頂点32bとを結ぶ対角線32abは、頂点32a近傍において端面24aと実質的に直交し、頂点32b近傍において端面24bと実質的に直交する。また、頂点32cと頂点32dとを結ぶ対角線32cdは、端面24cおよび24dのそれぞれと、実質的に直交する。
活性層24は、第1の領域24fと、第1の領域24fに隣接する4つの第2の領域24sとを備える。第1の領域24fの平面形状は、ほぼ長方形状であって、厳密には長方形の短辺を外側にふくらませた形状である。経路32は、第1の領域24f内に形成される。第1の領域24fと第2の領域24sとによって構成される活性層24は、略H字状の形状(より詳しくはHの字を横に引き延ばした形状)をしている。活性層24の第1の頂点32aと第2の頂点32bとの間の距離Lf(図3参照)は1000μmであり、第3の頂点32cと第4の頂点32dとの間の距離Wは100μmである。
本発明で用いられる半導体レーザの活性層では、W/Lfの値が、たとえば0.05以上0.32以下である。これに対して、直線状のキャビティーを有する従来の一般的な半導体レーザのキャビティーでは、幅/長さの値が、通常0.02以下である。
4つの第2の領域24sは、第1の領域24fで発生したレーザ光が端面24cおよび24dで多重反射されることによって発生するモードを抑制するために形成される。半導体レーザ装置10では、第1の頂点32aと第2の頂点32bとを結ぶ対角線32abに平行な方向における第2の領域24sの長さLs(図3参照)が250μmである。また、Lf/4は250μmである。このように、Lf/4≦Lsが満たされる場合、上記モードが特に抑制される。また、第3の頂点32cと第4の頂点32dとを結ぶ対角線32cdの方向における第2の領域24sの長さWsは116.5μmである。
端面24aおよび24bの形状は、それぞれ、円柱の曲面の一部の形状である。具体的には、対角線32ab上であって活性層24の表面と垂直に中心軸が配置された円柱の曲面の一部と同じ形状である。その円柱の半径、すなわち端面24aの曲率半径R1(図3参照)は1000μmであり、端面24bの曲率半径R2(図示せず)も同じく1000μmである。なお、曲率半径R1およびR2は、それぞれ、第1の頂点と第2の頂点との間の距離Lfの0.5倍以上2倍以下の範囲から選択されてもよい。
活性層24の平面形状は、対角線32abに対して線対称の形状であり、また、対角線32cdに対して線対称の形状である。ただし、活性層を含む半導体層の平面形状は必ずしも線対称の形状ではなくともよく、たとえば、端面24bは、端面24aとは曲率が違う曲面であってもよい。
コンタクト電極13aの平面形状(コンタクト領域31の平面形状)を図4(a)にしメス。また、コンタクト電極13aと、パッド電極13bと、活性層24の位置関係を、図4(b)に模式的に示す。図4(b)では、コンタクト電極13a(コンタクト領域31)の部分をハッチングで示している。図4(a)において、S1=983μm、S2=583μm、S3=417μm、T1=83μm、T2=73μm、T3=27μmである。
活性層24と、コンタクト領域31と、経路32の位置関係を図5に模式的に示す。なお、図5では、コンタクト領域31の部分をハッチングで示している。
コンタクト領域31は、仮想の菱形の経路32(仮想の菱形の辺)に対応する形状を有する。なお、この明細書において、「菱形の経路に対応する形状」とは、菱形の経路に沿うように形成された形状を意味する。また、「菱形の経路に対応する形状」は、菱形の経路の全体に沿う形状に加えて、菱形の経路の50%以上(好ましくは、70%以上でより好ましくは90%以上)に沿う形状を含む。また、コンタクト領域の面積は、活性層の平面形状の面積に対して通常50%以下であり、たとえば30%以下である。
第1の電極13と第2の電極14との間に電圧を印加して活性層24にキャリアを注入すると、活性層24で光が励起される。この光は、光閉じ込め層(クラッド層23および25等)によって閉じこめられて、活性層24およびその近傍を伝搬する。経路32に沿って均一に充分な電流が注入された場合、図5に示すように、経路32を時計回りに伝搬するレーザ光(L1)と、経路32を反時計回りに伝搬するレーザ光(L2)とが励起される。レーザ光(L1)の一部は、端面24aから第1のレーザ光51として出射され、端面24bから第3のレーザ光53として出射される。レーザ光(L2)の一部は、端面24aから第2のレーザ光52として出射され、端面24bから第4のレーザ光54として出射される。活性層24の屈折率と大気の屈折率との差のために、レーザ光51〜54の方向は、経路32の菱形の辺の方向からずれている。
一方、第1の電極13の特定の電圧印加部から電圧を印加した場合、第1の電極13の抵抗によって電圧降下が生じ、コンタクト領域31から注入される電流は均一ではなくなる。本発明の半導体レーザ装置では、この電流の不均一を利用して、レーザ光の光強度および方向を制御する。
上述した一例の半導体レーザ装置について、電圧印加部の位置と注入電流とを変化させて、レーザ光の出射方向および出射強度を観察した。まず、パッド電極13bのうち、第2の領域24sの1つのほぼ中央部(図6の領域C)に電圧印加用のプローブを接触させ、第1の電極13と第2の電極14との間に電圧を印加して、700mAの電流を注入した。その結果、第1および第2の端面からレーザ光が出射された。出射されたレーザ光の光強度および方向を図7(a)に示す。なお、レーザの方向を示す角度は、図6に示すように、対角線32cdの方向を0°とし、第1の端面24a側を−90°、第2の端面24b側を90°としたときの角度である。
図7(a)のレーザ光のうち、第1の端面24aから出射されたレーザ光を図7(b)に示し、第2の端面24bから出射されたレーザ光を図7(c)に示す。第1の端面24aからは、角度差が約8.4°の2つのピークが観察された。それらの2つのピークの光強度はほぼ同じであった。第2の端面24bからは、約87°を中心として±3°および±5.2°の方向に、4つのレーザ光のピークが観察された。4つのレーザ光の光強度はほぼ同じであった。なお、電圧印加用のプローブを領域Cではなく領域Dに接触させて700mAの電流を注入した場合も、ほぼ同様の結果が得られた。
次に、パッド電極13bの領域E(図6参照)のほぼ中央部に電圧印加用のプローブを接触させ、第1の電極13と第2の電極14との間に電圧を印加して、700mAの電流を注入した。その結果、第1および第2の端面からレーザ光が出射された。出射されたレーザ光の光強度および方向を図8(a)に示す。
図8(a)のレーザ光のうち、第1の端面24aから出射されたレーザ光を図8(b)に示し、第2の端面24bから出射されたレーザ光を図8(c)に示す。第1の端面24aからは、約−110°の方向を中心とする一群のレーザ光と、約−90°の方向を中心とする一群のレーザ光(一群の幅が約26.6°)と、約−70°の方向を中心とする一群のレーザ光とが観察された。同様に、第2の端面24bからは、約106°の方向を中心とする一群のレーザ光と、約87°の方向を中心とする一群のレーザ光(一群の幅が約23.2°)と、約68°の方向を中心とする一群のレーザ光とが観察された。
このように、第1の電極13のうち選択的に電圧を印加する領域(電圧印加部)を変化させることによって、出射されるレーザ光の光強度および方向を制御できる。たとえば、領域AまたはBと、領域CまたはDと、領域Eのそれぞれに電圧印加用(電流注入用)のワイヤを接続し、3本のワイヤのいずれかに選択的に電圧を印加することによって、出射されるレーザ光の光強度および方向を簡単に制御できる。なお、本発明の効果が得られる限り、コンタクト電極13aおよび/またはパッド電極13bは、電圧印加部にあわせて分割されていてもよい。
電圧を印加する複数の領域の一例は、第1の頂点32aから0.25Lf(Lfは図3の共振器長)の距離内にある領域と、経路32の菱形の中央から0.1Lfの距離内にある領域と、第2の頂点32bから0.25Lfの距離内にある領域である。
本発明の半導体レーザ装置では、特定の領域に注入する電流量を変化させることによっても、出射されるレーザ光の光強度および方向を制御することが可能である。領域CおよびDの部分に電圧を印加し、700mAの電流を注入した場合の、第1の端面24aから出射されたレーザ光の遠視野像を図9(a)に示す。図9(a)および(b)の横軸は、対角線32abの方向を0°としたときの角度である。一方、領域CおよびDに電圧を印加し、1300mAの電流を注入した場合の、第1の端面24aから出射されたレーザ光の遠視野像を図9(b)に示す。図9(a)および(b)に示すように、特定の領域に注入する電流量の変化によっても、レーザ光の光強度および方向を制御できる。すなわち、本発明の半導体レーザ装置では、電圧印加部の位置および注入電流の大きさから選ばれる少なくとも1つを変更することによって、レーザ光の光強度および方向を制御できる。
なお、上記半導体レーザ装置では、第1の電極13における電圧降下を利用している。そのため、第1の電極13が充分に厚く、電圧降下の影響が小さい場合には、電圧印加部の位置を変えても出射されるレーザ光が変化しなくなる。たとえば、上記一例の半導体レーザ装置において、Ti層(厚さ30nm)/Au層(厚さ300nm)の積層膜の代わりに、Ti層(厚さ50nm)/Au層(厚さ500nm)の積層膜をパッド電極13bとした場合には、電圧印加部の位置によるレーザ光の変化はほとんど観察されなかった。
[半導体装置の製造方法の一例]
本発明の半導体レーザ装置の製造方法に限定はなく、公知の半導体製造技術によって製造できる。以下に、半導体レーザ装置10を製造する方法の一例を説明する。
図10(a)〜(h)に、製造工程を模式的に示す。なお、図10(a)〜(h)では、絶縁層12の形成状態の理解を容易にするため、絶縁層12の表面にハッチングを付す。また、図10の工程はウェハ上で行われるが、図10では一部のみを拡大して図示する。
まず、図10(a)に示すように、基板11上に、複数の半導体層からなる半導体多層膜20aと、絶縁層12aとを形成する。半導体多層膜20aは、エッチングによって半導体多層膜20(図2参照)となる層であり、絶縁層12aはエッチングによって絶縁層12となる層である。半導体多層膜20aを構成する各層は、一般的な方法、たとえば、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成できる。絶縁層12aは、たとえばSiOからなる。絶縁層12aは、たとえばCVD法で形成できる。
次に、図10(b)に示すように、絶縁層12a上に、パターニングされたレジスト膜201を形成する。レジスト膜201は、図3に示した活性層24の形状にパターニングする。
次に、レジスト膜201をマスクとして絶縁層12aをRIE法(Reactive Ion Etching法)によってエッチングすることによって、絶縁層12を形成する。その後、レジスト膜201を除去する。次に、図10(c)に示すように、絶縁層12をマスクとして、半導体多層膜20aと基板11の一部とをエッチングする。エッチングは、ICP−RIE法によって行い、少なくともバッファ層22または基板11に到達するまでエッチングする。エッチングによって、所定の形状の絶縁層12および半導体多層膜20が形成される。エッチングは、半導体多層膜20の側面の垂直性および平滑性が高くなるような条件で行われる。そのような条件は、半導体製造プロセスで一般的に採用されている。エッチングによって、半導体多層膜20を構成するすべての半導体層の平面形状は、図3に示した活性層24の平面形状と同じになる。また、半導体多層膜20の側面はミラー面となる。
次に、図10(d)に示すように、コンタクト領域31(図2および図5参照)に対応する形状を有する貫通孔202hを有するレジスト膜202を形成する。次に、このレジスト膜202をマスクとして絶縁層12の一部をエッチングし、図10(e)に示すように、絶縁層12に貫通孔12hを形成する。
次に、コンタクト電極13aとなる金属膜を形成したのち、レジスト膜202を剥離することによって、図10(f)に示すように、絶縁層12の貫通孔内にコンタクト電極13aを形成する。
次に、レジスト膜を用いたリフトオフ法によって、パッド電極13bを形成する。このようにして、電極13を形成する(図10(g))。
1枚の基板11(ウェハ)を用いて多数の半導体レーザを形成する場合、基板11のへき開を容易にするため、基板11の厚さが150μm以下になるように基板11の裏面を研磨することが好ましい。
次に、図10(h)に示すように、基板11の裏面側に複数の金属層を蒸着法で順次形成して第2の電極14を形成する。第1の電極13および第2の電極14を構成する金属層を合金化する場合には、金属層を蒸着したのちに400〜450℃で熱処理する。最後に、必要に応じて、半導体レーザごとに基板11をへき開する。このようにして、半導体レーザ装置10を形成できる。
なお、電圧印加部にあわせてパッド電極13bを複数の領域に分割して形成する場合には、レジストパターンの形状を変更すればよい。
本発明は、複数のレーザ光を出射する半導体レーザ装置、およびそれを用いた電子機器に適用できる。たとえば、スイッチング素子や分波器といった電子機器に適用できる。
本発明の半導体レーザ装置の一例を模式的に示す斜視図である。 図1に示した半導体レーザ装置の断面図である。 図1に示した半導体レーザ装置の活性層の平面形状を示す図である。 (a)パッド電極の平面形状、および(b)活性層と第1の電極との位置関係を模式的に示す図である。 図1に示した半導体レーザ装置から出射されるレーザ光の方向の一例を示す模式図である。 図1に示した半導体レーザ装置について、電圧印加部の位置、および出射されるレーザ光の角度の表示方法を示す図である。 図1に示した半導体レーザ装置から出射されるレーザ光について、方向および光強度の一例を示すグラフである。 図1に示した半導体レーザ装置から出射されるレーザ光について、方向および光強度の他の一例を示すグラフである。 図1に示した半導体レーザ装置から出射されるレーザ光について、方向および光強度の他の一例を示すグラフである。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
10 半導体レーザ装置
11 基板
12 絶縁層
13 第1の電極
13a コンタクト電極
13b パッド電極
14 第2の電極
20 半導体多層膜
23、25 クラッド層
24 活性層
24a、24b、24c、24d 端面
24f 第1の領域
24s 第2の領域
26 キャップ層
32 経路(仮想の菱形)
31 コンタクト領域
32a、32b、32c、32d 頂点
51、52、53、54、L1、L2 レーザ光
A、B、C、D、E 領域(電圧印加部)

Claims (3)

  1. 基板と、前記基板上に形成され活性層を含む半導体多層膜と、前記半導体多層膜の上面と接触する第1の電極と、前記基板の裏面側に接触する第2の電極とを含む半導体レーザ装置であって、
    前記活性層は、互いに対向する第1および第2の端面と、互いに対向する第3および第4の端面とを有し、
    前記第1、第2、第3および第4の端面は、それぞれ、仮想の菱形の第1、第2、第3および第4の頂点の位置に存在し、
    前記第1の電極の表面のうち特定の電圧印加部と前記第2の電極との間に電圧を印加して前記活性層に電流を注入することによって、前記第1および第2の端面から複数のレーザ光が出射され、
    前記電圧印加部の位置および前記電流の大きさから選ばれる少なくとも1つを変更することによって、前記複数のレーザ光の光強度および方向が制御される、半導体レーザ装置。
  2. 前記第1の電極と前記半導体多層膜の上面とが、前記仮想の菱形に対応する領域において接触している、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記複数のレーザ光の光強度および方向の制御は、前記第1の電極における電圧降下を利用して行われる、請求項2に記載の半導体レーザ装置。
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