JP2007266085A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電体の表面に形成される凹凸の形状および配置を最適化すること。
【解決手段】マイクロ波プラズマ処理装置100は,導波管22にマイクロ波を伝播させ,T字型のスロット23aから漏れ出したマイクロ波を誘電体24に透過させ,マイクロ波の電界エネルギーにより処理ガスをプラズマ化させて,基板Wをプラズマ処理する。マイクロ波を透過させる誘電体24には,処理容器10の天上部に露出した表面にて一定のピッチでシリンダ形状の凹部24aが周期的に形成される。発明者らがシミュレーションした結果,電界の広がりを効果的に抑制するためには,ピッチを30×ε1/2以下にすればよいことがわかった。すなわち,上記ピッチで凹部24aを誘電体24の下面に設けることにより,定在波の電界のバラツキを抑止して,プラズマをより均一に生成させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は,誘電体を透過したマイクロ波により処理ガスをプラズマ化させて,被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置に関する。より詳しくは,プラズマ処理装置に設けられた誘電体の形状に関する。
従来から,マイクロ波を導波管に伝播させ,スロットを介して誘電体を透過させることにより,誘電体底面にて表面波を生じさせ,この表面波の電界エネルギーによって処理ガスをプラズマ化させる表面波プラズマ処理装置(SWP:Surface Wave Plasma)が提案されている。
この装置では,発生した表面波が誘電体底面を伝播し,誘電体の端部にて反射することにより定在波が生じる。このようにして発生した定在波の電界強度は,定在波の腹では強く,節では弱くなる。このため,生成されたプラズマが不均一になる。昨今では,基板の大面積化に応じた誘電体の大面積化が著しいために,定在波により生じる電界強度のバラツキは以前に比べ非常に大きくなっており,この結果,生成されるプラズマの不均一の程度も非常に大きくなっている。
そこで,定在波による電界強度のバラツキを抑制し,プラズマをより均一に生成するために,誘電体に凹凸を設けたプラズマ処理装置が提案されている(たとえば,特許文献1を参照。)。このプラズマ処理装置では,誘電体の底面に設けられた凹凸により表面波の伝播を抑制することによって,定在波の発生を抑止し,これにより,電界強度のバラツキを抑え,プラズマが均一に生成される。
特開2003−142457号公報
しかし,特許文献1には,誘電体の表面に形成された凹凸のピッチは一定であっても一定でなくてもよいと記載されており,いずれの場合であっても同様な効果を有すると認識されている。一方,表面波プラズマ処理装置において,前述したように,近年の著しい誘電体の大面積化に鑑みれば,誘電体の表面に形成された凹凸の形状および配置方法は,均一なプラズマを生成することができるか否かに直結し,被処理体をプラズマ処理する際の精度を決定づける根幹部分となっている。このため,凹部または凸部が,誘電体の表面の最適位置に形成される必要がある。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,誘電体の表面に形成される凹凸の配置を最適化する,新規かつ改良されたプラズマ処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,マイクロ波を伝播させる導波部と,上記導波部を伝播したマイクロ波を透過させる誘電体と,上記誘電体を透過したマイクロ波により処理ガスをプラズマ化させて被処理体をプラズマ処理する処理容器と,を備えるプラズマ処理装置が提供される。そして,このプラズマ処理装置の誘電体には,上記処理容器側に露出した表面にて,一定の間隔で凹部または凸部が周期的に形成されている。
これによれば,表面波が,処理容器側に露出した誘電体の底面を伝播して,一定の間隔で周期的に誘電体に形成された凹部または凸部を伝播するとき,表面波は,その凹凸にてエネルギーを損失する。これにより,電界の広がりが抑制され,定在波が起こりにくくなる。換言すれば,電界の広がりが抑えられることにより,定在波によって生じる電界強度のバラツキを効果的に小さくすることができる。この結果,プラズマを均一に生成することができる。
上記誘電体には,上記処理容器側の表面にて,30×ε1/2(ε:誘電体の誘電率)以下の一定の間隔で凹部または凸部が周期的に形成されていてもよい。
また,上記誘電体には,上記一定の間隔で凹部または凸部が一次元または二次元に点在するようにしてもよい。
また,上記誘電体には,シリンダ形状または略半円柱形状の凹部が形成されるようにしてもよい。
さらに,上記誘電体の凹部は,半径10mm,深さ10mmのシリンダ形状であってもよく,半径5mmの略半円柱形状であってもよい。また,上記誘電体は,石英またはアルミナから形成されていてもよい。
以上説明したように本発明によれば,誘電体の表面に形成される凹凸の配置を最適化した,新規かつ改良されたプラズマ処理装置を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお,以下の説明及び添付図面において,同一の構成及び機能を有する構成要素については,同一符号を付することにより,重複説明を省略する。また,本明細書中1mTorrは(10−3×101325/760)Pa,1sccmは(10−6/60)m/secとする。
(第1実施形態)
まず,本発明の第1実施形態にかかるプラズマ処理装置について,図1を参照しながら説明する。なお,以下の説明では,Arガス,CFガスおよびOガスの混合ガスを用いたアッシング処理を例に挙げて本実施形態にかかるプラズマ処理装置について説明する。ただし,本発明にかかるプラズマ処理装置は,アッシング処理の他に,CVD(Chemical Vapor Deposition)処理やエッチング処理などのプロセスに適用可能である。
(プラズマ処理装置の構成)
図1は,マイクロ波プラズマ処理装置100をxy面に垂直な面にて切断した断面図である。マイクロ波プラズマ処理装置100は,プラズマ処理装置の一例である。
マイクロ波プラズマ処理装置100は,処理容器10と蓋体20とからなる筐体を有している。処理容器10は,上部が開口した有底直方体形状を有していて,接地されている。処理容器10は,たとえば,アルミニウム(Al)などの金属から形成されている。処理容器10の内部には,略中央にて,たとえば,ガラス基板W(以下,「基板W」ともいう。)を載置する載置台であるサセプタ11が設けられている。サセプタ11は,たとえば,窒化アルミニウムから形成されている。
サセプタ11の内部には,給電部11aおよびヒータ11bが設けられている。給電部11aには,整合器12a(たとえば,コンデンサ)を介して高周波電源12bが接続されている。また,給電部11aには,コイル13aを介して高圧直流電源13bが接続されている。整合器12a,高周波電源12b,コイル13aおよび高圧直流電源13bは,処理容器10の外部に設けられていて,高周波電源12bおよび高圧直流電源13bは,接地されている。
給電部11aは,高周波電源12bから出力された高周波電力により処理容器10の内部に所定のバイアス電圧を印加させるようになっている。また,給電部11aは,高圧直流電源13bから出力された直流電圧により基板Wを静電吸着するようになっている。
ヒータ11bには,処理容器10の外部に設けられた交流電源14が接続されていて,交流電源14から出力された交流電圧により基板Wを所定の温度に保持するようになっている。
処理容器10の底面は筒状に開口され,開口された外周近傍にてベローズ15の一端が処理容器10の外部に向かって装着されている。ベローズ15の他端には,昇降プレート16が固着されている。このようにして,処理容器10底面の開口部分は,ベローズ15および昇降プレート16により密閉されている。
サセプタ11は,昇降プレート16上に配置された筒体17に支持されていて,昇降プレート16よび筒体17と一体となって昇降する。これにより,サセプタ11は,処理プロセスに応じた高さに調整されるようになっている。
サセプタ11の周囲には,処理容器10内のガスの流れを好ましい状態に制御するための整流板18が設けられている。また,処理容器10の底面には,図示しない真空ポンプに接続されるガス排出管19が設けられていて,真空ポンプにより処理容器10内を所望の真空度まで排気するようになっている。
蓋体20は,処理容器10の上方にて処理容器10を密閉するように配設されている。蓋体20は,処理容器10と同様に,たとえば,アルミニウム(Al)などの金属から形成されている。また,蓋体20は,処理容器10と同様に接地されている。
蓋体20には,蓋本体21,導波管22,スロットアンテナ23および誘電体24が設けられている。処理容器10と蓋体20とは,蓋本体21の下面外周部と処理容器10の上面外周部との間に配置されたOリング25により,気密性が保持されるように固定されている。また,蓋本体21の下方には,導波管22が形成されている。
導波管22は,それぞれの軸方向に垂直な断面の形状が矩形状である矩形導波管により形成されていて,マイクロ波発生器33(図3参照)に接続されている。スロットアンテナ23は,導波管22の下部に設けられていて,たとえば,アルミニウム(Al)などの金属から形成されている。スロットアンテナ23には,図4に1つのみ示したスロット23a(開口)が複数設けられている。
図2に示したように,スロット23aは,二つのスロット23a1,23a2から形成されている。各スロット23a1,23a2は,その長手方向がマイクロ波の進行方向に対して左右にそれぞれ45°の傾きを持ちながら,わずかに離れた位置にて略T字状に配置されている。
たとえば,マイクロ波が円偏波である場合,導波管22内を伝搬するマイクロ波により導波管22内にて発生する電磁界は回転する。このように,電磁界は回転しながら略T字型スロット23aから漏れ,誘電体24を透過して処理容器10の内部に伝わるようになっている。なお,導波管22およびスロットアンテナ23は,マイクロ波を伝播させる導波部に相当する。
再び図1に戻ると,スロットアンテナ23の下部には,誘電体24が密着して設けられている。誘電体24は,マイクロ波を透過するように,たとえば,石英,アルミナ(酸化アルミニウム:Al)などから形成されている。
天井部に露出した誘電体24を処理容器10側から見上げた状態を図3に示したように,処理容器10側に露出した誘電体24には,処理容器10側の表面にて,一定の間隔でシリンダ形状の凹部24aが周期的に形成されていて,その周縁にて金属の梁29により支持されている。金属の梁29には,図1に示した複数のガス導入管30が貫通している。
処理ガス供給源32は,バルブ32a1,32a3,32b1,32b3,32c1,32c3,マスフローコントローラ32a2,32b2,32c2,Arガス供給源32a4,CFガス供給源32b4およびOガス供給源32c4から構成されている。
処理ガス供給源32は,各バルブの開閉を制御することにより,Arガス,CFガスおよびOガスの混合ガスを流路31から処理容器10内に供給するようになっている。また,各マスフローコントローラは,それぞれが供給する処理ガスの流量を制御することにより混合ガスを所望の濃度に調整する。このようにして,処理ガス供給源32から供給された混合ガスは,複数のガス導入管30を通って金属の梁29から誘電体24下方に向かって噴射される。
このような構成により,マイクロ波プラズマ処理装置100は,マイクロ波発生器33から出力された,たとえば,2,45GHzのマイクロ波を,導波管22を介してスロットアンテナ23に伝播させ,スロットアンテナ23にT字型に切られたスロット23aを通して誘電体24に伝播させる。このようにして,マイクロ波プラズマ処理装置100は,スロットアンテナ23から漏れるマイクロ波の電界を用いてプラズマを発生させ,このプラズマにより処理容器10に配置された基板Wをアッシングするようになっている。
(シミュレーションモデル)
<凹部の形状:シリンダ形状>
つぎに,誘電体24に形成される凹部の配置の最適化を図るために,発明者らが実行したシミュレーションについて説明する。本実施形態のシミュレーションモデルでは,図4に示したように,長手方向の長さ653mm,短手方向の長さ150mm,厚さ20mmの誘電体24が用いられる。また,誘電体24の上面中央には一本の導波管22が配設されている。導波管22下部の略中央には,T字型のスロット23aが1つまたは2つ(図4では1つ)設けられている。
また,図4の1−1面にて誘電体24を切断した断面図である図5に示したように,誘電体24の底面(処理容器側の表面)には,シリンダ形状の凹部24aが複数形成されている。シリンダ形状の凹部24aは,半径10mm,深さ10mmの円柱状であり,x軸方向およびy軸方向に向かって(二次元的に)一定のピッチで周期的に設けられている。
なお,シリンダ形状の凹部24aは,誘電体24の表面に一定のピッチで周期的に設けられていれば,x軸方向およびy軸方向の両方に二次元に点在するように配置されていてもよく(図3参照),x軸方向またはy軸方向の一方に一次元に点在するように配置されていてもよい。
<プロセス条件>
このシミュレーションモデルでは,Arガスの流量を500sccm,CFガスの流量を200〜250sccm,Oガスの流量を250〜300sccmに設定した。また,処理容器10内の圧力を30〜70mtorrに設定し,処理容器10内に投入されるマイクロ波のパワーを5000Wに設定した。さらに,処理容器10内の温度を40〜45℃に設定した。また,本実施形態では,誘電体24はアルミナから構成されることとした。
<ピッチ>
このシミュレーションモデルでは,シリンダ形状の凹部24aの中心(シリンダの断面の円の中心)から,x軸方向またはy軸方向に平行して隣接するシリンダ形状の凹部24aの中心までの距離を横方向ピッチおよび縦方向ピッチとする。なお,x軸またはy軸に平行に一列に配置されたシリンダ形状の凹部24a群とその隣りにて各軸に一列に配置されたシリンダ形状の凹部24a群とは半ピッチの間隔で段違いになっている(図3参照)。
発明者らは,横方向ピッチおよび縦方向ピッチを50mm〜120mmまで,いずれのピッチも同じ長さだけ変化させながら,各ピッチにおける誘電体24底面の電界強度Eの分布を計算し,算出された電界強度Eの分布によって誘電体24に形成するの凹部のピッチ(横方向ピッチおよび縦方向ピッチ)の最適値を求めるシミュレーションを行った。
より具体的には,発明者らは,予め,凹部を有さない平板誘電体40の底面近傍の電界強度Eの分布を比較例としてシミュレーションにより算出した。図6では,この比較例のシミュレーション結果をref(flat)として示した。その上で,各ピッチ(50mm,60mm,70mm,80mm,90mm,100mm,120mm)でシリンダ形状の凹部24aを設けた誘電体24における電界強度Eの分布を算出し,それらを比較することによりピッチの最適値を求めた。
(シミュレーション結果)
つぎに,図6を参照しながらシミュレーション結果について考察する。図6は,図4にて誘電体の略中央に設けられたスロット23aの位置を中心に,誘電体24の長手方向の位置を横軸に示し,各位置での電界強度Eを縦軸に示している。図6の各曲線をみると,平板誘電体40(ref(flat)にて示した曲線)の場合,その電界強度Eは,T字型のスロット23a下部近傍部分でピークになるとともに,平板誘電体40の端部になるほど低くなるが,端部においても0.4程度の高い値をとっている。
つぎに,凹部24aを有する誘電体24の場合のシミュレーション結果について考察する。シリンダ形状の凹部24aのピッチが120mmの場合(P(120)にて示した曲線)およびピッチが100mmの場合(P(100)にて示した曲線),その電界強度Eは,T字型のスロット23a下部近傍部分でピークになるとともに,裾部分にて平板誘電体40より小さいものの0.2程度の高い値をとっている。
しかし,ピッチが50mm,60mm,70mm,80mm,90mmの各場合(P(50),P(60),P(70),P(80),P(90)にて示した曲線),電界強度Eの広がりは,位置が0.4および0.7付近にて明らかに収束している。すなわち,これらのピッチに配置されたシリンダ形状の凹部24aを有する誘電体24の場合には,平板誘電体40の場合に比べピーク位置からの電界強度Eの広がりは明らかに小さいことがわかる。
これは,T字型のスロット23aを通過したマイクロ波が表面波となって処理容器10側に露出した誘電体24の底面を伝播し,一定の間隔で周期的に誘電体24に形成されたシリンダ形状の凹部24aを伝播するとき,表面波は,その凹部24aにてエネルギーを損失する。これにより,電界の広がりが抑制され,定在波が起こりにくくなる。換言すれば,電界の広がりが抑えられることにより,定在波によって生じる電界強度のバラツキを効果的に小さくすることができる。この結果,プラズマを均一に生成することができる。
特に,発明者らが実行したシミュレーションの結果によれば,凹部24aがシリンダ形状であって,誘電体24がアルミナの場合,前述したように,90mm以下のピッチで誘電体24に凹部24aを周期的に設けると,電界の広がりが抑制され,定在波の発生を抑止する効果が非常に高くなることがわかった。これにより,発明者らは,定在波により生じる電界エネルギーのバラツキを効果的に小さくして,プラズマをより均一に生成するためには,シリンダ形状の凹部24aを点在させるピッチを,90mm以下にする必要があることをつきとめた。
なお,上記シミュレーションでは,発明者らは,1つのT字型のスロット23aから漏れ出したマイクロ波のみをエネルギー源として図6の電界強度Eの分布を導き出した。一方,図3に示したように,実際のマイクロ波プラズマ処理装置100のスロットは多数存在する。このため,T字型のスロット23aが1つであるか複数であるかにより,シリンダ形状の凹部24aを配置するときのピッチの最適値が異なってくるのではないかという疑義が生じる。そこで,発明者らは,T字型スロット23aが1つの場合と2つの場合について結果に違いが生じるのか否かについてもシミュレーションを行った。
図7は,(a)誘電体24の中央にT字型のスロット23a1を1つ設けた場合,(b)誘電体24の中央より少し上部にT字型のスロット23a2を1つ設けた場合,(c)スロット23a1およびスロット23a2を設けた場合,のシミュレーション結果を示している。また,(d)は,(a)および(b)により算出されたシミュレーション結果を重ね合わせたものである。
この結果によれば,(c)の場合の電界強度Eは,(a)および(b)の結果を足し合わせた(d)の場合の電界強度Eにほぼ近い値になっていることがわかる。これにより,1つのT字型のスロット23aを用いた場合のシミュレーションモデルとして得られたシミュレーション結果を複数のT字型のスロット23aを用いた場合のシミュレーションモデルとして得られたシミュレーション結果として拡張することができることがわかった。
(第1実施形態の変形例)
つぎに,第1実施形態の変形例について説明する。本変形例では,誘電体24が石英から構成されている点で,誘電体24がアルミナから構成されている第1実施形態と構成上異なる。この場合,発明者らは,シリンダ形状の凹部24aのx軸方向のピッチ(横方向ピッチ)およびy軸方向のピッチ(縦方向ピッチ)を50mm〜80mmまで,いずれのピッチも同じ長さだけ変化させてシミュレーションを行った。そのときのシミュレーション結果を図8に示す。
(シミュレーション結果)
シミュレーション結果を見ると,シリンダ形状の凹部24aのピッチが80mmの場合,電界強度Eの分布は,平板誘電体40の場合に類似している。しかし,ピッチが50mm,60mm,70mmの場合,電界強度Eは,位置が0.4および0.7付近にて明らかに収束しており,平板誘電体40の場合のように電界強度Eが広がっていない。
これにより,本変形例にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100によれば,誘電体24が石英の場合,70mm以下のピッチで凹部24aを設けることにより,電界の広がりを抑制し,定在波によって生じる電界強度のバラツキを効果的に小さくすることによって,プラズマをより均一に生成することができることがわかった。
(第2実施形態)
つぎに,本発明の第2実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100について説明する。本実施形態では,誘電体24に設けられる凹部24aが半円柱形状の溝である点で,凹部24aがシリンダ形状である第1実施形態と構成上異なる。したがって,この点を中心に本実施形態について説明する。
処理容器10の天井部を表した図9に示したように,誘電体24には,処理容器10側の表面にて,一定の間隔で半円柱形状の溝24b(半円柱形状の凹部)が周期的に形成(すなわち,格子状に形成)されている。
(シミュレーションモデル)
<凹部の形状:半円柱形状の溝>
このシミュレーションモデルでは,図10に示したように,溝24bは,半径5mmの半円柱状に形成され,一定の間隔(ピッチ)で横方向および縦方向に平行に配置されている。半円柱形状の溝24bのx軸方向のピッチ(横方向ピッチ)およびy軸方向のピッチ(縦方向ピッチ)を50mm〜100mmまで,いずれのピッチも同じ長さだけ変化させることにより,発明者らは,各ピッチにおける誘電体24底面の電界強度Eの分布を算出し,算出された電界強度Eの分布によって誘電体24に配置するの溝24bのピッチの最適値を求めた。
なお,このシミュレーションモデルでは,ガスの流量,処理容器内の圧力,マイクロ波のパワー,処理容器内の温度は第1実施形態の場合と同様であるが,導波管22と誘電体24との位置関係が,第1実施形態の場合と比べて90度ずれている。
具体的には,発明者らは,予めシミュレーションにより算出された平板誘電体40の底面の電界強度Eの分布(ref)と,半円柱形状の溝24bを有する誘電体24の各ピッチ(50mm,60mm,70mm,80mm,90mm,100mm)における電界強度Eの分布と,を比較することにより溝間のピッチの最適値を求めた。そのシミュレーション結果を図11に示す。
(シミュレーション結果)
図11によれば,溝24bのピッチが90mmおよび100mmの場合,電界強度Eの広がりは,平板誘電体40(ref)の場合と類似する。しかし,ピッチが50mm,60mm,70mm,80mmの場合には,電界強度Eの広がりは,位置が0.3および0.7付近にて収束しており,平板誘電体40の場合より明らかに小さい。
この結果,誘電体に半円柱形状の溝24bが設けられ,かつ,誘電体24がアルミナの場合,80mm以下のピッチで誘電体24に溝24bを周期的に設けると,電界の広がりが抑制され,定在波により生じる電界強度のバラツキを効果的に小さくして,プラズマをより均一に生成することができることを導き出した。
(第2実施形態の変形例)
つぎに,第2実施形態の変形例について説明する。本変形例では,誘電体24が石英から構成されている点で,誘電体24がアルミナから構成されている第2実施形態と構成上異なる。この場合,発明者らは,溝24bのx軸方向のピッチ(横方向ピッチ)およびy軸方向のピッチ(縦方向ピッチ)を30mm〜60mmまで,いずれのピッチも同じ長さだけ変化させてシミュレーションを行った。この場合のシミュレーション結果を図12に示す。
(シミュレーション結果)
シミュレーション結果を見ると,溝24bのピッチが60mmの場合,電界強度Eの分布は,平板誘電体40(ref)の場合に類似している。しかし,ピッチが30mm,40mm,50mmの場合,電界強度Eは,位置が0.4および0.6付近にて明らかに収束しており,平板誘電体40(ref)の場合のように広がっていない。
これにより,本変形例にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100によれば,凹凸部が半円柱形状の溝24bであって,誘電体24が石英の場合,50mm以下のピッチで誘電体24下面に溝24bを設けることにより,電界の広がりが抑制され,定在波により生じる電界強度のバラツキを効果的に小さくして,プラズマをより均一に生成することができることがわかった。
(結論)
上に説明した各実施形態および各変形例のまとめを図13に示した。図13には,シリンダ形状の凹部24aが,石英からなる誘電体24に形成された場合(第1実施形態の変形例),シリンダ形状の凹部24aが,アルミナからなる誘電体24に形成された場合(第1実施形態),半円柱形状の溝24bが石英からなる誘電体24に形成された場合(第2実施形態の変形例),半円柱形状の溝24bがアルミナからなる誘電体24に形成された場合(第2実施形態)の4つの場合について,誘電率εとピッチとの関係が示されている。
これにより,発明者らは,誘電率εが大きくなると,とりえるピッチが大きくなり,誘電率εが小さくなると,とりえるピッチも小さくなることがわかった。また,具体的なピッチの値は,各実施形態および各変形例にてシミュレーションした結果得られたピッチ/ε1/2の値のほぼ平均値となる「30」の値から,誘電率εと定数「30」とを用いて,次の式(1)にて示せることがわかった。
ピッチ≦30×ε1/2・・・(1)
この結果,誘電体24の処理容器10側の表面に,30×ε1/2(ε:誘電体の誘電率)以下の一定の間隔で凹部を周期的に形成すると,電界の広がりが抑制され,定在波の発生を効率よく抑え,プラズマをより均一に生成することができると結論付けた。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば,上記の説明では,誘電体24にシリンダ形状,または半円柱形状の凹部を設けたが,本発明にかかるプラズマ処理装置では,これに限られず,誘電体24にシリンダ形状の凸部や半円柱形状の凸部を設けてもよく,凹凸を混在させて設けてもよい。また,誘電体24に設ける凹凸は,シリンダ形状,または半円柱状に限られず,他の形状であってもよい。
また,上記の説明では,スロット23aがT字型に設けられたが,スロット23aの形状および配置位置はこれに限られず,マイクロ波のモードに合わせた位置にマイクロ波のモードに合わせた形状でスロットを切ることができる。
本発明は,誘電体の表面に形成される凹凸の形状および配置を最適化した,新規かつ改良されたプラズマ処理装置に適用可能である。
各実施形態にかかるプラズマ処理装置を示す断面図である。 各実施形態にかかるスロットの形状および配置位置を示した図である。 第1実施形態にかかる天井部に露出した誘電体を説明するための図である。 同実施形態にかかるシミュレーションモデルを説明するための斜視図である。 同実施形態にかかるシミュレーションモデルの誘電体の断面図である。 同実施形態にかかるシミュレーション結果を示した図である。 スロットが単数および複数の場合のシミュレーション結果を示した図である。 第1実施形態の変形例にかかるシミュレーション結果を示した図である。 第2実施形態にかかる誘電体に形成された凹部を説明するための図である。 同実施形態にかかるシミュレーションモデルの誘電体の断面図である。 同実施形態にかかるシミュレーション結果を示した図である。 第2実施形態の変形例にかかるシミュレーション結果を示した図である。 各実施形態および各変形例のシミュレーション結果のまとめを示した図である。
符号の説明
10 処理容器
11 サセプタ
20 蓋体
22 導波管
23 スロットアンテナ
23a スロット
24 誘電体
24a 凹部
24b 溝
30 ガス導入管
32 ガス供給源
40 平板誘電体
100 マイクロ波プラズマ処理装置

Claims (7)

  1. マイクロ波を伝播させる導波部と,前記導波部を伝播したマイクロ波を透過させる誘電体と,前記誘電体を透過したマイクロ波により処理ガスをプラズマ化させて被処理体をプラズマ処理する処理容器と,を備えるプラズマ処理装置であって,
    前記誘電体には,
    前記処理容器側に露出した表面にて,一定の間隔で凹部または凸部が周期的に形成され,
    前記一定の間隔の上限値は,
    前記誘電体の誘電率εに比例することを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記誘電体には,
    前記処理容器側の表面にて,30×ε1/2以下の一定の間隔で凹部または凸部が周期的に形成されることを特徴とする請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  3. 前記誘電体には,
    前記一定の間隔で凹部または凸部が一次元または二次元に点在することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  4. 前記誘電体には,
    シリンダ形状または半円柱形状の凹部が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  5. 前記誘電体の凹部は,
    半径10mm,深さ10mmのシリンダ形状であることを特徴とする請求項4に記載されたプラズマ処理装置。
  6. 前記誘電体の凹部は,
    半径5mmの半円柱形状であることを特徴とする請求項4に記載されたプラズマ処理装置。
  7. 前記誘電体は,
    石英またはアルミナから形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
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