JP2007263938A - 車輪検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】列車の走行するレールの所定の車輪検出箇所に設置され、閉そく装置や踏切制御装置に使用される車輪検出器を提供する。
【解決手段】列車の走行するレールを中間に挟んだ一方側に送信コイルを、他方側に受信コイルを設け、その送信コイルに所定周波数の送信信号を供給して交流磁界を発生させる。この受信コイルの全巻数の半分を第1受信コイルとし、残りの半分を第2受信コイルとし、これら第1受信コイルと第2受信コイルは、その巻回方向を互いに逆にし、かつ送信コイルからの交流磁界により誘起される第1受信コイルと第2受信コイルそれぞれの受信信号レベルに差を生じる関係を保って配置することで、その信号レベルの変化に基づいて車輪を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、列車の走行するレールの所定の車輪検出箇所に設置され、閉そく装置や踏切制御装置等の列車制御装置に使用される車輪検出器に関する。
従来、この種の車輪検出器は、検知子及び検出器で構成されていて、このうち検知子は、列車の走行するレールの所定の車輪検出箇所に設置され、そして検出器は、その検知子から得られた信号を処理して車輪の有無を検出するように構成されている。
上記検知子は、レールを中間に挟んだ一方側に送信コイルが配置されているとともにそのレールの他方側に受信コイルが配置されていて、その送信コイルは、常時、所定の周波数を有する送信信号が供給(印加)されるように構成されている。したがって、送信コイルは、その所定の周波数に対応した交流磁界を常時発生させることができ、その発生された交流磁界により受信コイルに受信信号を誘起させることができる。この受信コイルに誘起される受信信号レベルは、送信コイル及び受信コイル間のレール上に車輪が存在していないときの定常時と、その送信コイル及び受信コイル間のレール上に車輪が存在し、その車輪で送信コイルからの交流磁界が遮蔽されたときの検出時とでは変化するので、検出部ではその受信信号レベルの変化に基づいて車輪の有無を検出するようにしている。
ところで、上述の検知子の設置されている箇所は、レールに流れる帰線電流やレールを走行する列車の車上装置等に起因する外部ノイズが多く存在している。このため、従来の車輪検出器には、外部ノイズが存在しても正確に車輪検出ができるように対策が講じられている。例えば、レールに流れる帰線電流に起因する外部ノイズに対しては、受信コイルとは別にその受信コイルから所定距離離れた位置にノイズ検出コイルを配置し、検出部において、受信コイルで検出される磁界変化とノイズ検出コイルで検出される磁界変化とに基づいて車輪の有無を検出するようにしている。すなわち、このノイズ検出コイルを用いた車輪検出器では、ノイズ検出コイルで検出される磁界変化に対応する磁界変化だけが受信コイルで検出された場合、受信コイルの近傍のレール上には車輪が無いと判定するようにしている(特許文献1参照)。
特開2001−264005号公報
しかしながら、上記従来の車輪検出器においては、外部ノイズ対策として本来の受信コイルとは別にその受信コイルと離れた位置にノイズ検出コイルを設けるようにしているので、現場における設置作業に多くの時間と手間を必要とするだけでなく、メンテナンスも余分に必要とする等の不都合があった。また、近年の列車には、多くの電気機器が搭載されるようになってきているので、これら車載機器から発生する外部ノイズも効果的に除去できる車輪検出器の出現が待たれていた。
そこで、本発明は、上述の不都合を解消するとともに、上述の要望に応えるためになされたものであって、その目的は、従来の車輪検出器のようなノイズ検出コイルを別途用いることなく、しかも、外部ノイズを効果的に除去できる車輪検出器を提供することにある。
本発明に係る車輪検出器は、上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、列車の走行するレールを中間に挟んだ一方側に送信コイルを設けるとともに他方側に受信コイルを設け、その送信コイルに所定の周波数を有する送信信号を供給してその送信コイルから交流磁界を発生させるとともに、その発生された交流磁界により上記受信コイルに受信信号を誘起させ、その誘起された受信信号レベルの変化に基づいて車輪を検出する車輪検出器において、前記受信コイルは、全巻数のうちの半分を第1受信コイルとするとともに残りの半分を第2受信コイルとし、その第1受信コイルの巻回方向とその第2受信コイルの巻回方向とを逆とし、かつ前記送信コイルから発生される交流磁界により誘起されるその第1受信コイルの受信信号レベルとその第2受信コイルの受信信号レベルとの間に差を生じる関係を保って配置したことを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の車輪検出器は、送信コイル、第1受信コイル及び第2受信コイルのそれぞれのコイル軸は、レールの踏面に対する垂直線と平行していることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルは、直列に接続されていることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルは、互いにコイルの軸心が同一で、かつ上下に配置されていることを特徴としている。
本発明の請求項5に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルは互いにコイルの軸心位置を異ならせて配置されていることを特徴としている。
本発明の請求項6に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルは、平面から見た形状が8の字状に形成されていることを特徴としている。
本発明の請求項7に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルは線材を8の字状に巻回して構成されていることを特徴としている。
本発明の請求項8に記載の車輪検出器は、送信コイル、第1受信コイル及び第2受信コイルの各コイルの軸心位置は一直線上に位置していることを特徴としている。
本発明の請求項9に記載の車輪検出器は、送信コイル、第1受信コイル及び第2受信コイルはその送信コイルの軸心位置及びその第1受信コイルの軸心位置を結ぶ線の長さと、その送信コイルの軸心位置及びその第2受信コイルの軸心位置を結ぶ線の長さとが異なるようにして位置していることを特徴としている。
本発明の請求項10に記載の車輪検出器は、受信コイルから出力される受信信号は、送信コイルに供給される所定の周波数の信号を通過させるバンドパスフィルタを介してフィルタ処理されることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載の車輪検出器は、受信コイルを、全巻数のうちの半分を第1受信コイルとするとともに残りの半分を第2受信コイルとし、その第1受信コイルの巻回方向とその第2受信コイルの巻回方向とを逆とし、かつ送信コイルから発生される交流磁界により誘起されるその第1受信コイルの受信信号レベルとその第2受信コイルの受信信号レベルとの間に差を生じる関係を保って配置したので、従来のように、別途ノイズ検出コイルを用いなくとも外部からのノイズ信号を効果的に打ち消すことができ、耐ノイズ性に優れたものとすることができる。さらに、車輪検出時における第1受信コイル及び第2受信コイルの受信信号レベル差が小さくなる位置とすることで、車輪検出時の変化量を大きくすることができる。
本発明の請求項2に記載の車輪検出器は、送信コイル、第1受信コイル及び第2受信コイルのそれぞれのコイル軸がレールの踏面に対する垂直線と平行しているので、第1受信コイル及び第2受信コイルに効果的に受信信号を誘起させることができる。
本発明の請求項3に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルが直列に接続されているので、信号取出点が少なくなるため装置の簡素化を図ることができる。
本発明の請求項4に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルが同一軸心上で、かつ上下に配置されているので、受信コイルの実装密度を高めることができる。
本発明の請求項5に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルが互いに軸心位置を異ならせて配置されているので、第1受信コイル及び第2受信コイルの受信信号レベル差を容易に得ることができる。
本発明の請求項6に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルは、平面から見た形状が8の字状に形成されているので、第1受信コイル及び第2受信コイルを容易に実施することができる。
本発明の請求項7に記載の車輪検出器は、第1受信コイル及び第2受信コイルは線材を8の字状に巻回して構成されるので、第1受信コイル及び第2受信コイルを容易に製造することができる。
本発明の請求項8に記載の車輪検出器は、送信コイル、第1受信コイル及び第2受信コイルの各コイルの軸心位置は一直線上に位置しているので、その第1受信コイルの受信信号レベルとその第2受信コイルの受信信号レベルとの間に容易に差を生じさせることができる。
本発明の請求項9に記載の車輪検出器は、送信コイル、第1受信コイル及び第2受信コイルはその送信コイルの軸心位置及びその第1受信コイルの軸心位置を結ぶ線の長さと、その送信コイルの軸心位置及びその第2受信コイルの軸心位置を結ぶ線の長さとが異なるようにして位置しているので、第1受信コイル及び第2受信コイルをレールの近くに設置することができる。
本発明の請求項10に記載の車輪検出器は、受信コイルから出力される受信信号を、送信コイルに供給される所定の周波数の信号を通過させるバンドパスフィルタを介してフィルタ処理しているので、車輪の有無を効率よく検出することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る車輪検出器の動作原理を示す説明図であって、同図(a)は、列車の走行するレールR上に車輪Wが存在していない状態の定常時を示し、同図(b)は、そのレールR上に車輪Wが存在していてその車輪Wを検出しているときの検出時を示している。なお、本発明でレールRを走行する列車というときは、レールR上を走行する列車のみならず、電車や気動車等のレールR上を車輪Wを用いて走行する全ての車両を指している。
列車の走行するレールRは、図示しない枕木を介してバラストB上に載置されているが、レールRを支える路盤としては、バラストB以外のスラブやモルタル等であってもよい。また、レールRの送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の設置される箇所、すなわち検知子(従来の図8参照)の設けられる箇所のレールRの底面とスラブBとの間には、金属板からなるシールド板Sが設けられている。このシールド板Sは、バラスト、スラブ等の路盤の影響を抑え、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の下方向から受ける交流磁界を減らし、車輪による変化量を多くすることを目的として用いられている。
送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2のレールRに対する配置関係は、図2に示されている。すなわち、送信コイルC0は、列車の走行する一対のレールのうちの一方のレールRの一方側でそのレールRの近傍に設けられている。図示の例では、送信コイルC0は、一対のレールの外側に設けられている。そして、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2は、レールRの他方側、すなわち一対のレールの内側で、そのレールRの近傍に設けられていて、送信コイルC0に対しては、レールRの長手方向と直交する線上に位置して設けられている(図2(b)の一点鎖線参照)。
上述の送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2は、当然のことながら列車の走行に支障を来たさないように、レールRの高さよりも低い位置に設けられる。また、これら送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2のそれぞれのコイル軸心方向は、レールRの車輪Wの踏面(レールRの上面)に対する垂直軸と平行するように設けられている。このように送信コイルC0と第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2との軸心が平行状に保たれているので、後述する送信コイルC0から送出される交流磁界の磁束(図1のH01,H02参照)を第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2に効率よく鎖交させることができ、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2から受信信号を効率よく誘起させることができる。
上述の第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2は、従来の検知子に組込まれている受信コイルの全巻数の半分の巻数分のコイルを第1受信コイルC1とするとともに、残りの巻数分のコイルを第2受信コイルC2コイルをとし、そして第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2を直列に接続し、また、第1受信コイルC1の巻回方向と第2受信コイルC2の巻回方向とが逆になるようにし、さらに、同一軸上で第1受信コイルC1が第2受信コイルC2よりも上方に位置するように構成されている。
上述の配置関係に保たれている送信コイルC0、第1受信コイルC1、第2受信コイルC2において、送信コイルC0に発振回路1から所定周波数を有する信号が供給(印加)されると、送信コイルC0からはその所定周波数に対応した交流磁界が発生する(図1のH01,H02参照)。この送信コイルC0に供給される信号の周波数は、外部ノイズと一致しない周波数が選ばれ、通常、30kHz帯又は60kHz帯が採用される。
レールR上に車輪Wが存在しない定常時において(図1(a)参照)、送信コイルC0から送信された交流磁界はレールRの上方を迂回して第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2に達し、これら第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2からそれぞれ出力信号を発生させる。すなわち、上方に位置する第1受信コイルC1には、交流磁界H01が交鎖して受信信号レベルV1の信号が誘起される。他方、下方に位置する第2受信コイルC2には、第1受信コイルC1よりも下方に位置する分だけ弱い交流磁界H02が交鎖して受信信号レベルV2の信号が誘起される。そして、第1受信コイルC1と第2受信コイルC2とは巻回方向が逆であるから、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2全体の信号レベル(受電電圧)Vは、V=V1−V2として表われる。
したがって、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の受電電圧Vが所定のレベル以上のときに、レールR上に車輪Wは存在しないと判定することができる。また、この定常時において、レールRに流れる帰線電流等によって第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2に外部ノイズに起因する磁界が交鎖したときは、第1受信コイルC1と第2受信コイルC2との巻回方向が逆であるので、その外部ノイズに起因する受電電圧はキャンセルされ、車輪Wの検出動作には一切関係することがない。
レールR上に車輪Wが存在する検出時においては(図1(b)参照)、車輪Wには交流磁界に比例した誘導電流が流れ、その電流によって交流磁界は打ち消されるので、上方に位置する第1受信コイルC1には、当初の交流磁界H01から車輪Wによって打ち消された分の磁界Hr1だけ減ぜられた交流磁界(H01−Hr1)が交鎖して受信信号レベルV3aが誘起される。他方、下方に位置する第2受信コイルC2には、当初の交流磁界H02から車輪Wによって打ち消された分の磁界Hr2だけ減ぜられた交流磁界(H01−Hr2)が交鎖して受信信号レベルV3bが誘起される。
したがって、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の受電電圧Vは、V=V3a−V3bとして表すことができ、V3a及びV3bは同じ値とすると、V=0となり、受電電圧Vは無しとなり、これによりレールR上に車輪Wが存在していると判定することができる。また、この検出時において、レールRに流れる帰線電流、列車に搭載されているモータやその他の車載機器からの外部ノイズに起因する磁界が交鎖したときは、第1受信コイルC1と第2受信コイルC2との巻回方向が逆であるので、その外部ノイズに起因する受電電圧はキャンセルされ、車輪Wの検出動作には一切関係することがない。なお、図1(b)中、Vaは、交流磁界(H01−Hr1)によって誘起された受電電圧を表わし、Vbは、交流磁界(H02−Hr2)によって誘起された受電電圧を表わしている。
上述の例では、定常時に第1受信コイルC1と第2受信コイルC2との間に受電電圧の差を生じさせるために、同一軸心上において第1受信コイルC1を上方に、第2受信コイルC2を下方に位置させたが、これを図3及び図4に示すように、互いに異なる軸心とすることもできる。また、図示しないが、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2が送信コイルC0に対する互いの距離が異なるために、所定の受電電圧の差が得られるならば、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2を同一平面上に設けることもできる。このように、互いのコイル軸心をずらしたときは、第1受信コイルC1と第2受信コイルC2との間の受電電圧の差を容易に得ることができる。さらに、同一軸心上で、かつ同一平面上であって、第1受信コイルC1の内側に第2受信コイルC2を配する構成、あるいはこれとは逆に第2受信コイルC2の内側に第1受信コイルC1を配する構成とすることもできる。この場合においても受電電圧の差を得ることができる。
図5は、本発明に係る車輪検出器の第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の配置関係を平面から見たときに8の字状に形成した例を示している。すなわち、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2は、図6に示されるように、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2を形成する線材C'を8の字状に巻回して構成されている。このように、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2は、8の字状に巻回されるので、互いの巻回方向が逆となり、かつ互いの巻回数が同数に形成される。そして、送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の各コイルの軸心位置は、図5(a)に示されるように一直線上に位置して構成されている。したがって、第1受信コイルC1は、第2受信コイルC2よりも送信コイルC0に近い位置関係に保たれている。
上述の配置関係に保たれている送信コイルC0、第1受信コイルC1、第2受信コイルC2において、送信コイルC0に発振回路1から所定周波数を有する信号が供給(印加)されると、送信コイルC0からは、その所定周波数に対応した交流磁界が発生する。この送信コイルC0に供給される信号の周波数は、外部ノイズと一致しない周波数が選ばれ、通常、30kHz帯又は60kHz帯が採用される。
レールR上に車輪Wが存在しない定常時において(図1(a)参照)、送信コイルC0から送信された交流磁界(図1のH01,H02参照)は、レールRの上方を迂回して第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2に達し、これら第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2からそれぞれ出力信号を発生させる。すなわち、送信コイルC0に近い方に位置する第1受信コイルC1には、交流磁界H01が交鎖して受信信号レベルV1の信号が誘起される。他方、送信コイルC0から遠い方に位置する第2受信コイルC2には、第1受信コイルC1よりも遠い分だけ弱い交流磁界H02が交鎖して受信信号レベルV2の信号が誘起される。そして、第1受信コイルC1と第2受信コイルC2とは巻回方向が逆であるから、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2全体の信号レベル(受電電圧)Vは、V=V1−V2として表われる。
したがって、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の受電電圧Vが所定のレベル以上のときに、レールR上に車輪Wは存在しないと判定することができる。また、この定常時において、レールRに流れる帰線電流等によって第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2に外部ノイズに起因する磁界が交鎖したときは、第1受信コイルC1と第2受信コイルC2との巻回方向が逆であるので、その外部ノイズに起因する受電電圧はキャンセルされ、車輪Wの検出動作には一切関係することがない。
レールR上に車輪Wが存在する検出時においては(図1(b)参照)、車輪Wには交流磁界に比例した誘導電流が流れ、その電流によって交流磁界は打ち消されるので、送信コイルC0に近い方に位置する第1受信コイルC1には、当初の交流磁界H01から車輪Wによって打ち消された分の磁界Hr1だけ減ぜられた交流磁界(H01−Hr1)が交鎖して受信信号レベルV3aが誘起される。他方、送信コイルC0から遠い方に位置する第2受信コイルC2には、当初の交流磁界H02から車輪Wによって打ち消された分の磁界Hr2だけ減ぜられた交流磁界(H01−Hr2)が交鎖して受信信号レベルV3bが誘起される。
したがって、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の受電電圧Vは、V=V3a−V3bとして表すことができ、V3a及びV3bは同じ値とすると、V=0となり、受電電圧Vは無しとなり、これによりレールR上に車輪Wが存在していると判定することができる。また、この検出時において、レールRに流れる帰線電流、列車に搭載されているモータやその他の車載機器からの外部ノイズに起因する磁界が交鎖したときは、第1受信コイルC1と第2受信コイルC2との巻回方向が逆であるので、その外部ノイズに起因する受電電圧はキャンセルされ、車輪Wの検出動作には一切関係することがない。
図7は、上述の第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2をレールRに沿い、かつ、送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の配置関係は、その送信コイルの軸心位置及びその第1受信コイルC1の軸心位置を結ぶ線の長さがその送信コイルC0の軸心位置及びその第2受信コイルC2の軸心位置を結ぶ線の長さより短くなるように決められている。したがって、この場合も、上述と同様に、第1受信コイルC1と第2受信コイルC2との間の受電電圧の差を容易に得ることができる。また、この場合は、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2は、レールRに沿って設けられるので、コンパクトに設置することができる。
次に、図8を用いて本発明に係る車輪検出器の概略構成について説明する。なお、この図では、列車の走行するレールRに対する送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の配置関係は、上述の図1及び図2に示したものと同じである。
送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2を含んで構成される検知子10は、列車の走行するレールRの所定の車輪検出箇所、例えば、本発明に係る車輪検出器か踏切制御装置に使用される場合であれば、踏切近くの所定の車輪検出箇所に設置される。
送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2は、図面では省略されているが透磁性材からなる筐体11に耐水性、耐振動性を保って内蔵されていて、その筐体11は、図示しない固定部材を用いてレールRに固定されている。
図中、20は、検知子10の近傍に設置されている器具箱(図示せず)内に設けられている検出部の概略構成を示すブロック図である。この検出部20内には、送信コイルC0に接続された送信部30と、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2に接続された受信部40とが設けられている。送信部30は、水晶発振回路及び出力調整回路を含んで構成される発振回路31、その発振回路31から出力される信号を増幅処理する増幅回路32及びその増幅回路32から出力された信号を送信コイルC0に接続する出力トランス33を有している。
この送信コイルC0に送信部30から供給される信号の周波数は、外部ノイズと一致しないように選択され、通常、30kHz帯又は60kHz帯が採用される。この送信コイルC0には、送信部30から上述の周波数を有する信号が、常時、供給される。したがって、送信コイルC0からは、その周波数に対応した交流磁界が、常時、発生される。
受信部40は、上述の交流磁界によって誘起された第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2の受電電圧の信号を入力する入力トランス41と、その入力トランス41を介して入力した信号中から、送信部30で用いた周波数近辺の信号のみを取り込むためのバンドパスフィルタ42と、そのバンドパスフィルタ42の出力を増幅処理する増幅回路43と、その増幅回路43からの出力を検波処理する検波回路44と、その検波回路44の出力に基づいて車輪Wの有無を判定する検出処理部45とを有している。
上述の受信部40の処理部45では、単にレールR上に車輪Wが存在するか否かを検出したが、車輪Wを検出するまでは出力信号を出力し、車輪Wの検出で出力信号を停止する、いわゆるCT情報を出力してもよく、あるいは、車輪Wを検出するまでは出力信号を停止し、車輪Wの検出で出力信号を出力する、いわゆるOT情報を出力してもよく、さらには、CT情報及びOT情報の両方を出力する形式とすることもできる。
なお、上述の例では、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2を直列に接続して一つの受電電圧を受信部40に入力して処理したが、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2からのそれぞれ受電電圧を入力して別々に処理するようにしてもよいが、上述のように、両コイルC1,C2を直列に接続して処理すると装置の簡易化・小型化を図ることができる。
本発明に係る車輪検出器の動作原理を示す説明図であり、(a)は定常時を、(b)は検出時をそれぞれ示している。 送信コイルC0、第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2のレールRに対する配置関係を示す図である。 第1受信コイルC1と第2受信コイルC2の軸心を互いに異ならせた例を示す図である。 第1受信コイルC1と第2受信コイルC2の軸心を互いに異ならせた他の例を示す図である。 第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2を8の字状に形成した例を示す図である。 第1受信コイルC1と第2受信コイルC2の巻回を示す図である。 第1受信コイルC1及び第2受信コイルC2を8の字状に形成した他の例を示す図である。 本発明に係る車輪検出器の概略構成について説明するための図である。
符号の説明
R レール
W 車輪
B バラスト
0 送信コイル
1 第1受信コイル
2 第2受信コイル
C' 線材
S シールド板
H01,H02 交流磁界
r1,Hr2 磁界
3a,V3b 受信信号レベル
V,Va,Vb 受電電圧
11 筐体
10 検知子
20 検出部
30 送信部
31 発振回路
32,43 増幅回路
33 出力トランス
40 受信部
41 入力トランス
42 バンドパスフィルタ
44 検波回路
45 検出処理部

Claims (10)

  1. 列車の走行するレールを中間に挟んだ一方側に送信コイルを設けるとともに他方側に受信コイルを設け、その送信コイルに所定の周波数を有する送信信号を供給してその送信コイルから交流磁界を発生させるとともに、その発生された交流磁界により上記受信コイルに受信信号を誘起させ、その誘起された受信信号レベルの変化に基づいて車輪を検出する車輪検出器において、
    前記受信コイルは、全巻数のうちの半分を第1受信コイルとするとともに残りの半分を第2受信コイルとし、その第1受信コイルの巻回方向とその第2受信コイルの巻回方向とを逆とし、かつ前記送信コイルから発生される交流磁界により誘起されるその第1受信コイルの受信信号レベルとその第2受信コイルの受信信号レベルとの間に差を生じる関係を保って配置したことを特徴とする車輪検出器。
  2. 請求項1に記載の車輪検出器において、前記送信コイル、前記第1受信コイル及び前記第2受信コイルのそれぞれのコイル軸は、前記レールの踏面に対する垂直線と平行していることを特徴とする車輪検出器。
  3. 請求項1又は2に記載の車輪検出器において、前記第1受信コイル及び前記第2受信コイルは、直列に接続されていることを特徴とする車輪検出器。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の車輪検出器において、前記第1受信コイル及び前記第2受信コイルは、互いにコイルの軸心が同一で、かつ上下に配置されていることを特徴とする車輪検出器。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の車輪検出器において、前記第1受信コイル及び前記第2受信コイルは、互いにコイルの軸心位置を異ならせて配置されていることを特徴とする車輪検出器。
  6. 請求項1、2又は5に記載の車輪検出器において、前記第1受信コイル及び前記第2受信コイルは、平面から見た形状が8の字状に形成されていることを特徴とする車輪検出器。
  7. 請求項6に記載の車輪検出器において、前記第1受信コイル及び前記第2受信コイルは、線材を8の字状に巻回して構成されていることを特徴とする車輪検出器。
  8. 請求項6又は7に記載の車輪検出器において、前記送信コイル、前記第1受信コイル及び前記第2受信コイルの各コイルの軸心位置は、一直線上に位置していることを特徴とする車輪検出器。
  9. 請求項6又は7に記載の車輪検出器において、前記送信コイル、前記第1受信コイル及び前記第2受信コイルは、その送信コイルの軸心位置及びその第1受信コイルの軸心位置を結ぶ線の長さと、その送信コイルの軸心位置及びその第2受信コイルの軸心位置を結ぶ線の長さとが異なるようにして位置していることを特徴とする車輪検出器。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の車輪検出器において、前記受信コイルから出力される受信信号は、前記送信コイルに供給される所定の周波数の信号を通過させるバンドパスフィルタを介してフィルタ処理されることを特徴とする車輪検出器。
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