JP2004067038A - 軌道短絡性能確認装置 - Google Patents

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福田 光芳
Masatoshi Ikeda
池田 昌俊
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Abstract

【課題】死区間または軌道回路境界についても、鉄道車両を走行しながら車上側で短絡性能を確認できるようにすること。
【解決手段】軌道短絡性能確認装置10は鉄道車両1に搭載されている。一対の車軸部3A,3Bと一対のレール2,2とで電気的なループ回路4が形成されている。電流発生用コイル12と電流検出用コイル13は、いずれも車軸3aを囲むリング状コイルである。電流発生用コイル12は、信号送信部11から供給された性能確認用信号電流に基づいてループ回路4に誘起電流を発生させる。電流検出用コイル13はループ回路4を流れる誘起電流を検出し、出力信号を発生する。信号処理部18は、電流検出用コイル13の出力信号を処理して車軸部3A,3Bとレール2との短絡状態の良否を判定する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のレール上を走行する鉄道車両による軌道短絡の性能を確認する軌道短絡性能確認装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の軽量化等により、全国的に短絡不良が問題となっている。特に、列車本数が少ない構内側線やローカル線では事態は深刻である。また、レール交換等の改良工事でも短絡不良が発生しており、これらの実態把握が急務となっている。短絡不良は列車の追突や踏切事故等の重大な事故につながる恐れがあり、短絡性能の確認は鉄道事業にとって必須不可欠なことである。短絡性能確認は、地上側で行われているが、これでは保安装置に直結できないという問題がある。そこで、従来から鉄道車両を走行しながら車上側で短絡性能を確認する装置が提案されてきた。
【0003】
例えば、特開平10−59180号公報には、列車上で一対のレール間の短絡状態を検出できる軌道短絡検出装置が開示されている。この軌道短絡検出装置は、列車の車軸部によって一対のレール間を電気的に短絡させるときの短絡状態を車上で検出する軌道短絡検出装置であって、前記車軸部より前方の前記列車上の前記一対のレールに対向して設けられ、前記一対のレールを流れる電流に応じた第1検知信号を生成する第1電流検知手段と、前記車軸部より後方の前記列車上で前記一対のレールに対向して設けられ、前記一対のレールを流れる電流に応じた第2検知信号を生成する第2電流検知手段と、前記第1検知信号及び第2検知信号に基づいて、前記一対のレール間の短絡状態の判定を行う演算手段とを備えて構成された軌道短絡検出装置である。
【0004】
しかしながら、上述の軌道短絡検出装置は、軌道回路境界部分を列車が跨ぐ場合に、先頭部で受ける信号と最後尾で受ける信号が全く別のものとなり、短絡状態を検出できないという問題がある。
【0005】
また、上述の軌道短絡検出装置は編成単位での検出になるので、踏切制御子などの制御長が短い軌道回路に対する短絡状態が検出できないという問題もある。例えば、先頭台車だけ短絡していて、他の台車が短絡不良の場合でも、「短絡性能良好」と判断されるが、踏切制御子は途中から列車検知ができない場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、死区間または軌道回路境界についても、鉄道車両を走行しながら車上側で短絡性能を確認できる軌道短絡性能確認装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、鉄道車両に搭載される軌道短絡性能確認装置を、一対のレールと鉄道車両の少なくとも一対の車軸部とで形成される電気的なループ回路に性能確認用信号を与える信号供給手段と、前記性能確認用信号に基づいてループ回路を流れる電流を利用してそのインピーダンスに応じた電気量を検出する電気量検出手段と、前記電気量を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態を確認する信号処理手段とで構成した。
【0008】
即ち、上記課題を解決する第1の軌道短絡性能確認装置は、一対のレールと少なくとも一対の車軸部とで電気的なループ回路が形成される鉄道車両に搭載され、性能確認用信号電流を発生する信号送信部と、電流発生用コイルと、電流検出用コイルと、信号処理部とから構成された軌道短絡性能確認装置である。
【0009】
上記第1の軌道短絡性能確認装置において、前記電流発生用コイルは、前記信号送信部から供給された性能確認用信号電流に基づいて前記ループ回路に電流を誘起させるものである。また、前記電流検出用コイルは、前記ループ回路を流れる電流を検出するコイルである。
【0010】
前記電流発生用コイルと前記電流検出用コイルは、いずれも車軸を囲むリング状コイルである。
【0011】
又は、前記電流発生用コイルは前記ループ回路に沿わせて配置されたループコイル若しくは前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルであり、前記電流検出用コイルは車軸を囲むリング状コイルである。
【0012】
又は、前記電流発生用コイルは車軸を囲むリング状コイルであり、前記電流検出用コイルは前記ループ回路に沿わせて配置されたループコイル若しくは前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルである。
【0013】
前記信号処理部は、前記電流検出用コイルの出力信号を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態の良否を判定する。
【0014】
上記課題を解決する第2の軌道短絡性能確認装置は、一対のレールと左右の車輪が電気的に絶縁された車軸部を含む少なくとも一対の車軸部とで電気的なループ回路が形成される鉄道車両に搭載され、性能確認用電圧信号を印加する信号送信部と、電圧発生用回転コイルと、電圧発生用固定コイルと、電流検出用コイルと、信号処理部とから構成された軌道短絡性能確認装置である。
【0015】
上記第2の軌道短絡性能確認装置において、前記電圧発生用回転コイルは、前記絶縁された車軸部に固定され且つ前記絶縁された左右の車輪の間に両端が接続されている。また、前記電圧発生用固定コイルは、前記電圧発生用回転コイルと電磁的に結合するように配置され且つ前記信号送信部から前記性能確認用電圧信号が印加される。
【0016】
前記電流検出用コイルは、前記電圧発生用回転コイルの両端に発生した誘起電圧により前記ループ回路を流れる電流を検出する。
【0017】
前記信号処理部は、前記電流検出用コイルの出力信号を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態の良否を判定する。
【0018】
上記第2の軌道短絡性能確認装置において、前記電圧発生用回転コイルは車軸に取付けられ車軸を軸心とする糸巻き状鉄心上に同心円状に導線が巻回されたコイルであり、前記電圧発生用固定コイルは前記糸巻き状鉄心の外周縁に近接して固定され前記糸巻き状鉄心と同一磁気回路を形成する鉄心に導線が巻回されたコイルである。
【0019】
又は、上記第2の軌道短絡性能確認装置において、前記電流検出用コイルは車軸を囲むリング状コイル、前記ループ回路に沿わせて配置されたループコイル、若しくは前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルである。
【0020】
上記課題を解決する第3の軌道短絡性能確認装置は、一対のレールと少なくとも一対の車軸部とで電気的なループ回路が形成される鉄道車両に搭載され、性能確認用信号電流を発生する信号送信部と、インピーダンス変化検出用コイルと、変成器と、信号処理部とから構成された軌道短絡性能確認装置である。
【0021】
上記第3の軌道短絡性能確認装置において、前記インピーダンス変化検出用コイルは、前記ループ回路と電磁的に結合された車軸を囲むリング状コイル、前記ループ回路に沿わせて配置されたループコイル、若しくは前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルである
【0022】
前記変成器は、前記信号送信部に接続されて前記性能確認用信号電流が供給される入力コイルと前記インピーダンス変化検出用コイルの両端が接続された第1出力コイルと出力信号が誘起される第2出力コイルとを有する。
【0023】
前記信号処理部は、前記変成器の第2出力コイルに接続され前記出力信号を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態の良否を判定する。
【0024】
上記課題を解決する第4の軌道短絡性能確認装置は、一対のレールと少なくとも一対の車軸部とで電気的なループ回路が形成される鉄道車両に搭載され、性能確認用信号電流を発生する信号送信部と、インピーダンス変化検出用コイルと、変成器と、信号処理部とから構成された軌道短絡性能確認装置である。
【0025】
上記第4の軌道短絡性能確認装置において、前記信号送信部は、高利得増幅器とフィードバック回路とで発振回路を構成し所定の周波数の性能確認用信号電流を発生する。
【0026】
前記インピーダンス変化検出用コイルは、相互に交差して配置された送信コイルと受信コイルとから構成され且つ前記ループ回路と電磁的に結合されたインピーダンス変化検出用コイルであって、前記フィードバック回路に挿入されている。
【0027】
前記インピーダンス変化検出用コイルを構成する送信コイルと受信コイルは、いずれも前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルである。
【0028】
前記変成器は、前記信号送信部に接続されて前記性能確認用信号電流が供給される入力コイルと前記インピーダンス変化検出用コイルの送信コイルの両端が接続された第1出力コイルと出力信号が誘起される第2出力コイルとを有する。
【0029】
前記信号処理部は、前記変成器の第2出力コイルに接続され前記出力信号を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態の良否を判定する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に係る軌道短絡性能確認装置は鉄道車両に搭載され、一対のレールと鉄道車両の少なくとも一対の車軸部とで形成される電気的なループ回路に性能確認用信号を与える信号供給手段と、前記性能確認用信号に基づいて前記ループ回路を流れる電流を利用してそのインピーダンスに応じた電気量を検出する電気量検出手段と、前記電気量を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態を確認する信号処理手段とで構成されたものであるが、図1〜図5に示す如く、様々な形態で実施されるものである。
【0031】
(第1実施形態)
図1に示す第1実施形態の軌道短絡性能確認装置10は、一対のレール2,2と一対の車軸部3A,3Bとで電気的なループ回路4が形成される鉄道車両1に搭載されたもので、信号送信部11と、電流発生用コイル12と、電流検出用コイル13と、信号処理部18と、表示部19とから構成されている。
【0032】
電流発生用コイル12と電流検出用コイル13は、いずれも車軸3Aを囲むリング状コイルである。この場合、コイル巻線は、車軸3Aをリング状に囲む磁性体又は非磁性体を磁路とし、これと交差するよう巻線の中心軸に磁路が位置するように巻き込む。リング状コイルについては、以下同じである。
【0033】
電流発生用コイル12はループ回路4に沿わせて配置されたループコイルで、電流検出用コイル13は車軸を囲むリング状コイルでもよい。
【0034】
電流発生用コイル12はループ回路4に電磁的に結合する開口したループコイルであり、電流検出用コイル13は車軸を囲むリング状コイルでもよい。
【0035】
又は、図4に示す如く、電流発生用コイル12は車軸を囲むリング状コイルであり、電流検出用コイル13はループ回路4に沿わせて配置されたループコイルでもよい。
【0036】
更に、電流発生用コイル12は車軸を囲むリング状コイルであり、電流検出用コイル13はループ回路4に電磁的に結合する開口したループコイルでもよい。
【0037】
信号送信部11は、性能確認用信号電流Iaを発生する。電流発生用コイル12は、信号送信部11から供給された性能確認用信号電流Iaに基づいてループ回路4に誘起電流Ibを発生させるコイルである。また、電流検出用コイル13は、ループ回路4を流れる誘起電流Ibを検出するコイルである。
【0038】
短絡不良は、ループ回路4のインピーダンスZを変化させ、従ってループ回路4を流れる誘起電流Ibの変化として現れる。
【0039】
信号処理部18は、電流検出用コイル13が検出した誘起電流Ibに基づいて信号処理し、電流検出用コイル13のレベル変化を検出することにより、車輪3Ab,3Bbとレール2との短絡状態の良否を判定する。判定結果は、表示器19に表示される。
【0040】
(第2実施形態)
図2に示す第2実施形態の軌道短絡性能確認装置10は、一対のレール2,2と、左右の車輪3Ab,3Abが絶縁手段3Aaaにより電気的に絶縁された車軸部3Aを含む一対の車軸部3A,3Bとで電気的なループ回路4が形成される鉄道車両1に搭載されたものである。
【0041】
軌道短絡性能確認装置10は、信号送信部11と、電圧発生用固定コイル14Bと、電圧発生用回転コイル14Aと、電流検出用コイル13と、信号処理部18と、表示部19とから構成されている。
【0042】
電圧発生用回転コイル12Aは、絶縁された車軸部3Aの車軸3Aaに固定され且つ絶縁された左右の車輪3Ab,3Abの間に導線14Ac,14Adを介して両端が接続されている。
【0043】
電圧発生用回転コイル14Aは車軸3Aに取付けられ車軸3Aを軸心とする糸巻き状鉄心14Ab上に同心円状に導線が巻回されたコイル14Aaであり、電圧発生用固定コイル14Bは糸巻き状鉄心14Abの外周縁に近接して固定され糸巻き状鉄心14Abと同一磁気回路を構成する鉄心14Bbに導線が巻回されたコイル14Baである。
【0044】
電流検出用コイル13は車軸3Aを囲むリング状コイルである。又は、電流検出用コイル13は、ループ回路4に沿わせて配置されたループコイル、若しくはループ回路4に電磁的に結合する開口したループコイルである。
【0045】
電圧発生用固定コイル14Bは、電圧発生用回転コイル14Aと電磁的に結合するように配置されている。信号送信部11は性能確認用電圧信号Vaを電圧発生用固定コイル14Bに印加する。電圧発生用固定コイル14Bに印加された性能確認用電圧信号Vaによって、電圧発生用回転コイル14Aには誘起電圧Vbが発生する。すると、ループ回路4には、誘起電圧Vbとループ回路4のインピーダンスZに対応した電流Icが流れる。
【0046】
短絡不良は、ループ回路4のインピーダンスZを変化させ、従ってループ回路4を流れる電流Icの変化として現れる。
【0047】
電流検出用コイル13は、電圧発生用回転コイル14Aの両端に発生した誘起電圧Vbによりループ回路4を流れる電流Icを検出する。
【0048】
信号処理部18は、電流検出用コイル13が検出した電流Ic、電流Icと性能確認用電圧信号Vaとから算出したループ回路4のインピーダンスZに基づいて信号処理し、車輪3Ab,3Bbとレール2との短絡状態の良否を判定する。判定結果は、表示器19に表示される。
【0049】
(第3実施形態)
図3に示す第3実施形態の軌道短絡性能確認装置10は、一対のレール2,2と一対の車軸部3A,3Bとで形成される電気的なループ回路が4が形成される鉄道車両1に搭載されたもので、信号送信部11と、インピーダンス変化検出用コイル15と、変成器16と、信号処理部18と、表示部19とから構成されている。
【0050】
インピーダンス変化検出用コイル15は、ループ回路4と電磁的に結合された車軸3Aaを囲むリング状コイルである。又は、インピーダンス変化検出用コイル15は、ループ回路4に沿わせて配置されたループコイル、若しくはループ回路4に電磁的に結合する開口したループコイルである
【0051】
変成器16は、入力コイル16Aと第1出力コイル16Bと第2出力コイル16Cとを有する。入力コイル16Aは信号送信部11に接続され、信号送信部11から性能確認用信号電流Iaが供給される。
【0052】
変成器16の第1出力コイル16Bは、入力コイル16Aを流れる性能確認用信号電流Iaに対応して発生した誘起電流Idをインピーダンス変化検出用コイル15に供給する。すると、ループ回路4には、誘起電流Idに基づいてループ回路4のインピーダンスZに対応した電流Ieが流れる。
【0053】
変成器16の第2出力コイル16Cにも、入力コイル16Aを流れる性能確認用信号電流Iaに対応して誘起電流Ifが発生する。この誘起電流Ifは、ループ回路4を流れる電流Ie、従ってループ回路4のインピーダンスZに対応して変動する。
【0054】
短絡不良はループ回路4のインピーダンスZを変化させ、従って変成器16の第2出力コイル16Cの誘起電流Ifの変化として現れる。また、短絡不良は、インピーダンス変化検出用コイル15のインダクタンスの変化、或いはインピーダンス変化検出用コイル15を含んで構成された共振回路の共振周波数の変化となって現れる。
【0055】
信号処理部18は、変成器16の第2出力コイル16Cを流れる誘起電流Ifのレベル又は周波数に基づいて信号処理し、車輪3Ab,3Bbとレール2との短絡状態の良否を判定する。判定結果は、表示器19に表示される。
【0056】
(第4実施形態)
図5に示す第4実施形態の軌道短絡性能確認装置は、一対のレール2,2と一対の車軸部3A,3Bとで電気的なループ回路4が形成される鉄道車両1に搭載され、信号送信部17と、インピーダンス変化検出用コイル15と、変成器16と、信号処理部18と、表示部19とから構成されている。
【0057】
信号送信部17は、高利得増幅器17Cとフィードバック回路とで発振回路を構成し、所定の周波数Faの性能確認用信号電流Iaを発生する。高利得増幅器17Cの出力信号は出力回路17Dと変成器16を介して信号処理部18に与えられると共にフィードバック回路に与えられている。また、高利得増幅器17Cには、絶縁トランス17Aと入力回路17Bを介してフィードバック信号が入力されている。
【0058】
インピーダンス変化検出用コイル15は、相互に交差して配置された送信コイル15Aと受信コイル15Bとから構成され且つループ回路4と電磁的に結合されたコイルであって、信号送信部17のフィードバック回路に挿入されている。
【0059】
インピーダンス変化検出用コイル15を構成する送信コイル15Aと受信コイル15Bは、いずれもループ回路4に電磁的に結合する開口したループコイルである。
【0060】
変成器16は、入力コイル16Aと第1出力コイル16Bと第2出力コイル16Cとを有する。入力コイル16Aは信号送信部17に接続され、信号送信部17から性能確認用信号電流Iaが供給される。
【0061】
変成器16の第1出力コイル16Bは、入力コイル16Aを流れる性能確認用信号電流Iaに対応して発生した誘起電流Idを送信コイル15Aに供給する。すると、ループ回路4には、誘起電流Idに基づいてループ回路4のインピーダンスZに対応した電流Ieが流れる。
【0062】
受信コイル15Bにも送信コイル15Aを流れる誘起電流Idに基づいた誘起電流Igが発生する。この誘起電流Igは、ループ回路4を流れる電流Ie、従ってループ回路4のインピーダンスZに対応して変化する。
【0063】
短絡不良は、ループ回路4のインピーダンスZを変化させ、受信コイル15Bを流れる誘起電流Igを変化させる。誘起電流Igは、絶縁トランス17Aと入力回路17Bを介して高利得増幅器17Cに入力されるフィードバック信号である。従って、短絡不良は、信号送信部17の出力信号である性能確認用信号電流Iaのレベルと周波数の変化として現れる。
【0064】
信号処理部18は、変成器16の第2出力コイル16Cを流れる誘起電流Ifのレベル又は周波数に基づいて信号処理し、車輪3Ab,3Bbとレール2との短絡状態の良否を判定する。判定結果は、表示器19に表示される。
【0065】
以上詳細に説明したことから理解される通り、本発明は、鉄道車両1の一対の車軸部3A,3Bと一対のレール2,2とで形成される電気的なループ回路4に鉄道車両1に車上から性能確認用信号を与え、前記性能確認用信号に基づいてループ回路4を流れる電流を利用してそのインピーダンスに応じた電気量を車上で検出し、且つ前記電気量を車上で処理して車軸部3A,3Bとレール2,2との短絡状態を確認するようにした軌道短絡性能確認装置である。
【0066】
なお、本発明に係る軌道短絡性能確認装置において、一対のレール2,2と共に電気的なループ回路4を形成する一対の車軸部3A,3Bは、鉄道車両1の台車単位の車軸部が望ましい。また、検出される電気量は、実施形態に対応して電流、電圧、インピーダンス、インダクタンス、周波数など適切なものが選ばれる。更にまた、表示部19による車軸部3A,3Bとレール2,2との短絡状態の表示は、前記電気量そのもの、又は前記電気量と基準値との比較結果である。
【0067】
本発明に係る軌道短絡性能確認装置は、一対のレールと共に電気的なループ回路を形成する少なくとも一対の車軸部は台車単位の車軸部、又は隣接する台車の車軸部である。従って、本発明に係る軌道短絡性能確認装置は、台車が軌道回路境界部分を跨ぐ場合でも、短絡状態の検知は可能である。ただし、図4又は図5の如く台車単位で構成した本発明に係る軌道短絡性能確認装置は、軌道回路境界部分を跨いだ場合、短絡状態の検知ができない。しかしなから、ループが小さいため、走行時には検出不良の時間が短く実用上問題なく使える。また、踏切制御子等の制御長が短い軌道回路に対しても有効である。
【0068】
【発明の効果】
本発明により、死区間または軌道回路境界についても、鉄道車両を走行しながら車上側で短絡性能を確認できる実用的な軌道短絡性能確認装置が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の軌道短絡性能確認装置のブロック回路図である。
【図2】本発明の第2実施形態の軌道短絡性能確認装置のブロック回路図である。
【図3】本発明の第3実施形態の軌道短絡性能確認装置のブロック回路図である。
【図4】本発明の第1実施形態の軌道短絡性能確認装置の他のブロック回路図である。
【図5】本発明の第4実施形態の軌道短絡性能確認装置のブロック回路図である。
【符号の説明】
1 鉄道車両
2 レール
3A 車軸部
3Aa 車軸
3Ab 車輪
3Aaa 車輪の絶縁部
3B 車軸部
3Ba 車軸
3Bb 車輪
4 ループ回路
10 軌道短絡性能確認装置
11 信号送信部
12 電流発生用コイル
13 電流検出用コイル
14 電圧発生用コイル
14A 電圧発生用回転コイル
14Aa コイル
14Ab 糸巻き状鉄心
14B 電圧発生用固定コイル
14Ba コイル
14Bb 鉄心
15 インピーダンス変化検出用コイル
15A 送信コイル
15B 受信コイル
16 変成器
16A 入力コイル
16B 第1出力コイル
16C 第2出力コイル
17 信号送信部
17A 絶縁トランス
17B 入力部
17C 高利得増幅器
17D 出力部
18 信号処理部
19 表示部

Claims (11)

  1. 一対のレールと少なくとも一対の車軸部とで電気的なループ回路が形成される鉄道車両に搭載され、前記車軸部と前記レールとの間の短絡性能を確認する軌道短絡性能確認装置において、
    性能確認用信号電流を発生する信号送信部と、
    前記信号送信部から供給された性能確認用信号電流に基づいて前記ループ回路に電流を誘起させる電流発生用コイルと、
    前記ループ回路を流れる電流を検出する電流検出用コイルと、
    前記電流検出用コイルの出力信号を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態の良否を判定する信号処理部とから構成された軌道短絡性能確認装置。
  2. 一対のレールと左右の車輪が電気的に絶縁された車軸部を含む少なくとも一対の車軸部とで電気的なループ回路が形成される鉄道車両に搭載され、前記車軸部と前記レールとの間の短絡性能を確認する軌道短絡性能確認装置において、
    性能確認用電圧信号を発生する信号送信部と、
    前記絶縁された車軸部に固定され且つ前記絶縁された左右の車輪の間に両端が接続された電圧発生用回転コイルと
    前記電圧発生用回転コイルと電磁的に結合するように配置され且つ前記信号送信部から確認用電圧信号が印加される電圧発生用固定コイルと、
    前記電圧発生用回転コイルの両端に発生した誘起電圧により前記ループ回路を流れる電流を検出する電流検出用コイルと、
    前記電流検出用コイルの出力信号を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態の良否を判定する信号処理部とから構成された軌道短絡性能確認装置。
  3. 一対のレールと少なくとも一対の車軸部とで電気的なループ回路が形成される鉄道車両に搭載され、前記車軸部と前記レールとの間の短絡性能を確認する軌道短絡性能確認装置において、
    性能確認用信号電流を発生する信号送信部と、
    前記ループ回路に電磁的に結合され前記信号送信部から供給された性能確認用信号電流を流すことにより前記ループ回路のインピーダンス又はインピーダンス変化を検出するインピーダンス変化検出用コイルと、
    前記インピーダンス変化検出用コイルに流れる信号電流を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態の良否を判定する信号処理部とから構成された軌道短絡性能確認装置。
  4. 一対のレールと少なくとも一対の車軸部とで電気的なループ回路が形成される鉄道車両に搭載され、前記車軸部と前記レールとの間の短絡性能を確認する軌道短絡性能確認装置において、
    高利得増幅器とフィードバック回路とで発振回路を構成し所定の周波数の性能確認用信号電流を発生する信号送信部と、
    相互に交差して配置された送信コイルと受信コイルとから構成され且つ前記ループ回路と電磁的に結合されたインピーダンス変化検出用コイルであって前記フィードバック回路に挿入されたインピーダンス変化検出用コイルと、
    前記信号送信部に接続されて前記性能確認用信号電流が供給される入力コイルと前記インピーダンス変化検出用コイルの送信コイルの両端が接続された第1出力コイルと出力信号が誘起される第2出力コイルとを有する変成器と、
    前記変成器の第2出力コイルに接続され前記出力信号を処理して前記車軸部と前記レールとの短絡状態の良否を判定する信号処理部とから構成された軌道短絡性能確認装置。
  5. 前記電流発生用コイルは車軸を囲むリング状コイルであること、及び前記電流検出用コイルも車軸を囲むリング状コイルであることを特徴とする請求項1の軌道短絡性能確認装置。
  6. 前記電流発生用コイルは前記ループ回路に沿わせて配置されたループコイル又は前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルであること、及び前記電流検出用コイルは車軸を囲むリング状コイルであることを特徴とする請求項1の軌道短絡性能確認装置。
  7. 前記電流発生用コイルは車軸を囲むリング状コイルであること、及び前記電流検出用コイルは前記ループ回路に沿わせて配置されたループコイル又は前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルであることを特徴とする請求項1の軌道短絡性能確認装置。
  8. 前記電圧発生用回転コイルは車軸に取付けられ車軸を軸心とする糸巻き状鉄心上に同心円状に導線が巻回されたコイルであり、前記電圧発生用固定コイルは前記糸巻き状鉄心の外周縁に近接して固定され前記糸巻き状鉄心と同一磁気回路を形成する鉄心に導線が巻回されたコイルであることを特徴とする請求項2の軌道短絡性能確認装置。
  9. 前記電流検出用コイルは車軸を囲むリング状コイル、前記ループ回路に沿わせて配置されたループコイル、又は前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルであることを特徴とする請求項2の軌道短絡性能確認装置。
  10. 前記インピーダンス変化検出用コイルは車軸を囲むリング状コイル、前記ループ回路に沿わせて配置されたループコイル、又は前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルであることを特徴とする請求項3の軌道短絡性能確認装置。
  11. 前記インピーダンス変化検出用コイルを構成する送信コイルと受信コイルは、いずれも前記ループ回路に電磁的に結合する開口したループコイルであることを特徴とする請求項4の軌道短絡性能確認装置。
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