JP2007262979A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、捩れの発生を抑えたバルブ駆動ロッカの駆動が可能な内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】本発明の可変動弁装置は、排気バルブを制御するバルブ駆動ロッカ90として、カム追従ロッカ80を挟んだ両側にそれぞれ配置され、一端部にはカム追従ロッカ80の両側のロッカシャフト27部分に回動自在に支持されるボス部92を有し、他端部にはボス部92から排気バルブ15a,15bまで直線状に延びるアーム部93を有する一対のロッカアーム部91と、アーム部93の延出端部でアーム部間を連結する連結アーム部95とを有した構成を用いた。この門形のバルブ駆動ロッカ90により、排気バルブ15a,15b間の一方に偏って配置されるときでも、捩れ応力の発生を抑えながら、カム追従ロッカ80から伝わる変位で、排気バルブ15a、15bが駆動されるようにした。
【選択図】 図12

Description

本発明は、バルブの制御を行なう内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるレシプロ式エンジン(内燃機関)には、省燃費性を図るために、大きな出力を必要としない走行条件下で、一部の気筒を休止させる休筒モードの運転が行なえるようにしたエンジンがある。こうしたエンジンの休筒モード運転の多くは、ポンピングロスの低減のために、可変動弁装置を用いて、気筒の吸排気の各バルブのリフト(開閉)を停止させている。
ところで、特に排気バルブは、吸気バルブのように緻密に走行状態に応じてバルブリフト量や開閉タイミングを制御する要求が少ない。このために、排気バルブのリフト停止には、単純な構成ですむために、ロッカシャフトに組み付くロッカアームに、カムに追従するカム追従ロッカと、バルブの駆動をなすバルブ駆動ロッカとに分けた構造を用いて、カム追従ロッカの変位を、切換部を通じて、バルブ駆動ロッカへ伝達あるいは断つようにすることが行なわれる(特許文献1を参照)。つまり、切換部により、カム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとの間を接続すると、排気カムの変位が、カム追従ロッカからバルブ駆動ロッカを経て排気バルブへ伝わり、カム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとの間を切り離すと、カム追従ロッカが、バルブ駆動ロッカに対し空振りするだけで、排気カムの変位がバルブ駆動ロッカへ伝わらないようにしている。
ところで、排気バルブは、燃焼を終えたガスの排気性能を高めるために、複数、一般には2個、用いられる傾向にある。
そのため、排気バルブのバルブ駆動ロッカの多くは、バルブ駆動ロッカのアーム部(1本)の先端側を枝分かれさせ、分かれたアーム部の先端部をそれぞれバルブ上端部に配置する構造を用いて、2個の排気バルブを一緒に駆動させることが行なわれている(特許文献1を参照)。
特開2005−90408号公報
こうした分割式では、分割されたカム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとは、特許文献1に開示されているようにロッカシャフト上に軸方向に並んで配置される。このため、排気バルブに可変動弁装置を採用すると、カム追従ロッカの位置決めが排気カムの位置に依存するため、バルブ駆動ロッカは、排気バルブ間の一方側に偏って配置される傾向にある。この傾向は、排気バルブの可変動弁装置が、吸気バルブの可変動弁装置とセットで、SOHCのエンジンに搭載される場合に生じやすい。特に排気カムの位置が変わりやすい休筒モードの運転を可能とした吸気バルブの可変動弁装置とセットで、エンジンに搭載される場合、この傾向が顕著に表れる。
このため、バルブ駆動ロッカは、アーム部の先端側を枝分かれさせる構造にすると、2個の排気バルブにアーム部の端部を位置決めるために、特許文献1に開示されているようにアーム部の一方の先端部が、アーム部の根元側から横方向へ、かなり突き出るレイアウトが余儀なくされる。
ところが、一方のアーム部の先端部が横方向へかなり突き出るようになると、アーム部は、該アーム部の先端に加わる荷重、具体的には排気バルブを開弁するためにバルブ駆動ロッカを押し下げるときや排気バルブを閉弁するためにバルブスプリングの弾性力でバルブ駆動ロッカが戻るときの荷重を受けたときに、捩れ応力が生じやすい。この捩れ応力は、排気バルブのバルブリフト量の再現性を損なう要因となる。
このため、この捩れ応力の発生が、エンジンの性能に影響を与えてしまう問題があった。
そこで、本発明の目的は、捩れの発生を抑えたバルブ駆動ロッカの駆動が可能な内燃機関の可変動弁装置を提供する。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、カム追従ロッカからの変位の入力が行なわれるバルブ駆動ロッカには、カム追従ロッカを挟んだ両側でロッカシャフト部分に回動自在に支持されるボス部と、ボス部からバルブまで直線状に延びるアーム部を有する一対のロッカアーム部と、アーム部の延出端部でアーム部間を連結する連結アーム部とを有した構成を採用した。
請求項2に記載の発明は、さらにカム追従ロッカからの荷重が対称的にバルブへ伝わるよう、切換部の一部は、連結アーム部に配置する構成とした。
請求項3に記載の発明は、さらにロッカシャフトに設けられる油路と連通するシリンダとシリンダに摺動自在に挿入されるピストンとからなる切換作動部と、ピストンの摺動によりピストンと当接可能な当接部とを備え、切換作動部及び前記当接部のどちらか一方が前記連結アーム部に設けられる構成とした。
請求項1に記載の発明によれば、バルブ駆動ロッカは、捩れ応力の発生を抑えながら、カム追従ロッカから伝わる変位で、バルブを駆動することができる。
したがって、バルブ駆動ロッカは、常に所定のバルブリフトが再現でき、エンジン性能の向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、カム追従ロッカからの荷重が偏ってバルブへ伝わるのを抑制でき、さらに、切換部の重量増加分による荷重についても偏って働くことがないために、両バルブリフトの再現性の確保には好適である。また、連結部に切換部の一部を設けることで重量増加が抑制できるため、フリクションが軽減できるうえ、設計どおりのバルブリフト再現が特に高回転で容易になり、高いエンジン性能が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、カム追従ロッカからの荷重の伝達の切換えが確実に行える。また、切換え当接部への荷重の偏りが発生しにくいので、切換え部位の摩耗が抑制される。
[第1の実施形態]
以下、本発明を図1〜図13に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1はエンジン(内燃機関)、例えばV型6気筒のレシプロ式エンジン(以下、単にV型エンジンという)を後方から見た斜視図、図2は同エンジンの吸・排気バルブの可変動弁装置の斜視図、図3は同動弁装置の平面図(図1中のA矢視方向)、図4は同動弁装置の各種カムを示す平面図、図5〜図8は同動弁装置の各部の断面図(図3中のB〜E矢視の断面)、図9は吸気側の可変動弁装置を示す斜視図、図10は同装置の分解図、図11は排気側の可変動弁装置を示す斜視図、図12は同装置の分解図、図13は両装置がもたらすバルブ特性を示す線図をそれぞれ示している。なお、図1中Frは、V形エンジンの前方を示している。
図1中1は、V型エンジンのエンジン本体を示している。このエンジン本体1は、例えばV字形のシリンダブロック、具体的には下部に共通なクランクケース部2を有し、上部に例えば気筒3を3個づつ振り分けたV字形のデッキシリンダ部4をもつシリンダブロック5と、デッキシリンダ部4毎にその頭部に搭載されたシリンダヘッド6などといった部品を組み合わせて構成されている。なお、図1には、ヘッドカバー、オイルパンなど細かい部品は記載していない。そして、各デッキシリンダ部4、シリンダヘッド6などから、V字形に突き出る左右のバンク7a,7b(左右は前方方向を基準に定めている)を構成している。なお、各バンク7a,7bの気筒3にはピストン8が往復動可能に収めてあり(図2に図示)、クランクケース部2にはクランクシャフト(図示しない)が組み込んである。但し、バンク7a,7bは、クランクシャフトの軸線上に、各ピストン8から延びるコンロッド(図示しない)が並んで配置されるよう、前後方向で、オフセットさせてある。
気筒3と向き合う各シリンダヘッド6の下面には、図2に示されるように燃焼室11がそれぞれ形成されている。これら各燃焼室11には、同図に示されるようにバンク7a,7b間を挟んだ内側に、2個(複数)の吸気ポート12a,12b、同吸気ポート12a,12bを開閉する2個の吸気バルブ13a,13bが設けられている。また同じく外側に、2個(複数)の排気ポート14a,14b、同排気ポート14a,14bを開閉する2個の排気バルブ15a,15bが設けられていて、バンク内側から燃焼空気が吸入され、バンク外側から燃焼を終えたガスが排出される構造にしている。なお、吸気バルブ13a,13bおよび排気バルブ15a,15bには、いずれもバルブスプリング(図示しない)で閉方向に付勢される常閉構造が用いてある。
左右バンク7a,7bのシリンダヘッド6には、それぞれ吸・排気バルブのリフト動作を可変可能としたSOHC(Single Over Head Camshaft)式の動弁系17が設けられている。このうち左バンクの動弁系17aには、通常(低速)モードと高速モードと休筒モード(気筒を休止させるモード)とに切換可能(3モード切換え)な吸気用の可変動弁装置18と、通常(低速)モードと休筒モード(気筒を休止させるモード)に切換可能(2モード切換え)な排気用の可変動弁装置19(本願の可変動弁装置に相当)とを組み合わせた構造が用いられる。右側の動弁系17bには、通常(低速)モードと高速モードとに切換可能(2モード切換え)な吸気用の可変動弁装置20と、通常(低速)モードだけの動弁装置21とを組み合わせた構造が用いられている。
図2には、このうちの左バンク7aに搭載される動弁系17aの1気筒分の可変動弁装置18,19(吸気用と排気用の両方)が示されている(エンジン後方から見た図)。図9には、このうちの可変動弁装置18を内側から見たときの図、図10には同装置18を分解した図が示され、図11には可変動弁装置19を内側から見たときの図、図12には同装置19を分解した図が示されている。
同1気筒分の構造について説明すると、図2および図3中25は、燃焼室11の頭上中央にシリンダヘッド6の長手方向に沿って配設された回転可能なカムシャフト、26は同カムシャフト25を挟むバンク内側に該カムシャフト25と略平行に配設(固定)された吸気側のロッカシャフト、27はその反対側(バンク外側)にカムシャフト25と略平行に配設(固定)された排気側のロッカシャフト(本願のロッカシャフトに相当)を示している。なお、ロッカシャフト26、27はいずれもカムシャフト25の上側に配置してある。
このうちロッカシャフト27内には、休筒切換用の油路27aが軸方向に沿って形成されている。ロッカシャフト26内には、該油路27端と連通接続される休筒切換用の油路26aと、高速切換用の油路26bとが軸方向に沿って形成されている。
カムシャフト25は、クランク出力によって回転駆動される部品である。このカムシャフト25の燃焼室11の頭上に配置されるシャフト部分には、例えば図2および図4に示されるように前方側から順に高速用の吸気カム30、リフトレスカム(休止用カム)31、排気カム32、低速用の吸気カム33が形成されている。低速用の吸気カム33は、エンジンの低速運転に適した開閉タイミング、バルブリフト量に設定したカムプロフィルをもち、高速用の吸気カム30は、例えば低速用カム33と同じベース円で、エンジンの高速運転に適した開閉タイミング、バルブリフト量(低速用カム33より大)を設定したカムプロフィルをもち、リフトレスカム31は同一半径のカムプロフィル(ベース円だけ)をもつ。むろん、排気カム32は、燃焼ガスの排出に適した開閉タイミング、バルブリフト量のカムプロフィルをもつ。
吸気用の可変動弁装置18は、図2、図9および図10に示されるような分割式のロッカアーム構造が用いられている。これには、吸気バルブ13a,13bの駆動を行なうバルブ駆動ロッカ35と、吸気カム30,33と追従する低・高速別のカム追従ロッカ60,70とに分けた構造が用いてある。
詳しくは、図2および図10に示されるようにバルブ駆動ロッカ35は、筒形のロッカシャフト支持用のボス部36と、同ボス部36の両端部から半径方向に突き出た、軸方向に並ぶ一対(2本)のロッカアーム部37と、同ロッカアーム部37の端部に組み付けられたアジャストスクリュ部38と、同アーム部37の各根元部に設けられたモード切換用の切換作動部40a,40bとを有して構成してある。そして、図2に示されるようにロッカシャフト支持用ボス部36が、吸気カム30(高速用)が有る地点から吸気カム33(低速用)が有る地点までに相当するロッカシャフト26部分に渡り回動自在に嵌挿され、各ロッカアーム部37の先端のアジャストスクリュ部38をそれぞれ吸気バルブ13a,13bの上部端(バルブステム端)に位置決めている。つまり、バルブ駆動ロッカ35は、ロッカシャフト26を支点に揺動すると、吸気バルブ13a,13bが駆動される。
またボス部36の外周面のうち、リフトレスカム31と対応する外周面部分からは、図3、図4、図8〜図10に示されるように示されるようにスリッパ41がリフトレスカ31の外周面に向かって突き出ている。このスリッパ41の突出し長さは、吸気バルブ13a,13bが閉弁のとき、スリッパ41の先端部がリフトレスカム31の外周面と当接可能な寸法に設定されている。これで、吸気バルブ13a,13bが閉弁状態にあるとき、バルブ駆動ロッカ35の全体を、吸気バルブ13a,13bのバルブスプリングの反力を利用したスリッパ41のリフトレスカム31に対する当接から、不用意に動かないようにしている。
ボス部36の両端部に配置された切換作動部40a,40bには、いずれもピストン式が用いられている。このうち吸気カム33(低速用)側に配置される切換部40aを説明すると、図5、図9および図10中43は、吸気カム33側のアーム部37の根元部に形成された円筒形のシリンダである。このシリンダ43は、ロッカシャフト26の直径方向に沿って延びる縦形をなしている。このシリンダ43の前面(カムシャフト25側の面)の下部には窓部44が形成してある。またシリンダ43の底面からその直下のボス部36の内面36a(軸受け面)までには、シリンダ43より小径な通孔45(図5のみ図示)が形成されている。シリンダ43内には、ピストン46が、該ピストン46をシリンダ43の底面へ付勢する圧縮スプリング47と一緒に収容されている(図5のみ図示)。これにより、常時は、シリンダ41の窓部44は、ピストン46の下部外周面で塞がれ、ピストン46が上昇すると、ピストン46が窓部44から退かれて、同窓部44が開放されるようにしてある。通孔45内には、図5に示されるようにピン48が摺動可能に収められている。通孔45の下端開口は、図5に示されるように油路26aから分岐した分岐路49、詳しくは油路26aから半径方向へ分岐してロッカシャフト26の外周面に開口した分岐路49と連通していて、油路26aからピン48に油圧が加わると、ピン48の上昇動から、図5の二点鎖線で示されるように窓部44を塞いでいたピストン43を窓部44から退かせる方向に駆動、つまり窓部44が開放されるようにしてある。
吸気カム30(高速用)側に配置される切換作動部40bには、切換作動部40aと同様、図6、図9および図10に示されるようにアーム部37の根元部に円筒形のシリンダ51を形成した構造が用いてある。シリンダ51の直下のロッカシャフト26部分には、シリンダ51と直列に連通する通孔52が形成してある。なお、通孔52は、シリンダ51より小径である。また切換作動部40aとは異なり、図6に示されるようにシリンダ51の前面上部には、窓部50が形成され、シリンダ51内には、ピストン53が、該ピストン53を下部へ付勢する圧縮スプリング54と一緒に収容されている。またピストン53には、窓部50から下側のシリンダ部分に収まるだけの薄形が用いられていて、切換作動部40aとは逆に、常時は、シリンダ51の窓部50の開口は開放し、ピストン53が上昇すると、ピストン53の外周面で塞がれるようにしてある。通孔45内には、ピン55が摺動自在に収められている。通孔52の下端部は、図6に示されるように油路26bの一部と交差して連通していて、油路26bからピン48に油圧が加わると、ピン55の上昇動から、図6の二点鎖線で示されるようにピストン53が窓部50を塞ぐ方向に駆動、つまり窓部50が閉じられるようにしてある。
なお、ボス部36の両端側の開口縁部には、それぞれ、シリンダ43,51の下部〜ボス部36の前方(アーム部37が無い側)〜アーム部37の根元部までの領域を切欠いた一対の切欠き部57が形成してある(図10に図示)。
高速側のカム追従ロッカ70は、図2、図3、図6、図9および図10に示されるようにボス部36(バルブ駆動ロッカ)の吸気カム30(高速用)側の端部に隣接して配置される部品である。同カム追従ロッカ70は、ボス部36端に隣接したロッカシャフト26部分に回動自在に嵌挿される筒形のロッカシャフト支持用のボス部71と、同ボス部71の両端部から吸気カム30(高速用)の直上へ直線状に突き出た一対のローラ支持片72と、同ローラ支持片72の先端部間に支持された回転自在なローラ73と、ボス部71に形成されたウイング部74とを有している。このうち、ローラ73は、吸気カム30と転接していて、カム追従ロッカ70は、カムシャフト25が回転すると、ボス部71を支点に回動、すなわち吸気カム30の変位に追従しながら揺動するようにしてある。なお、カム追従ロッカ70は、追従性の維持のため、ローラ支持片71に形成した受け座75から入力されるプッシャ70a(図6に二点鎖線で一部図示)の付勢力によって、ローラ73を吸気カム30へ押し付けてある。
ボス部36(バルブ駆動ロッカ)と隣接するボス部71の端部には、図6および図10に示されるようにボス部36の開口端で残っている縁部36bを収めるための切欠き部76(一部だけ図示)が形成されている。こうした凹凸の嵌まり合いを利用して、カム追従ロッカ70の全体が、切欠き分、バルブ駆動ロッカ35側へずれた位置に配置されている。さらに述べれば、このずれを利用して、内側のローラ支持片72を窓部50と一直線上に連なる地点に配置させている。これで、カム追従ロッカ70は、窓部50の前方に内側のローラ支持片72が配置された姿勢を保ちながら揺動できるようにしてある。むろん、切欠き部57と切欠き部76は、カム追従ロッカ70の動きを阻害せずにすむ大きさや形状に設定してある。
ウイング部74は、この窓部50の前方に配置されるローラ支持片72を流用して形成されている(図6および図10に図示)。具体的には、ローラ支持片72の上部には、該ローラ支持片72に沿って一体にリブ部78が形成されている。このリブ部78は、ローラ支持片72の根元部に向かうにしたがい、L形の断面をなしながら、次第にボス部71から離れ、かつ次第に幅広に拡大される円弧形をなしている。ウイング部74は、このリブ78の先端部を、窓部50の地点まで張り出させてなる。この張り出た先端部をなす水平壁には、窓部50の内外に出入り可能な形状の当接部79が形成されていている。これで、通常時は、当接部79が、窓部50を通してシリンダ51内外へ出入りし、ピストン53で窓部50が塞がれたときは、当接部79が、窓部50から露出するピストン53と突き当たるようにしている。
つまり、切換作動部40bとウイング部74との組み合わせから、ウイング部74の先端部をなす当接部79が、空振りか、ピストン53と突き当たるかによって、カム追従ロッカ70からの高速用吸気カム30の変位がバルブ駆動ロッカ35に入力されるか、入力が停止されるかの切り換えを行なう切換機構を構成している。
低速側のカム追従ロッカ60は、図2、図3、図9および図10に示されるようにボス部36の吸気カム33(低速用)側の端部に隣接して配置される部品である。同カム追従ロッカ60は、先に説明した高速側のカム追従ロッカ70とは、勝手反対となるだけで、構造的には同じである。このため、カム追従ロッカ60の各部の説明は、先のカム追従ロッカ70の各部の符号71〜79の代わりに、同一部位に、2桁目の番号を変えた符号61〜69を付して、その省略する。
このカム追従ロッカ60により、図5に示されるように通常時は、当接部69が、窓部44を塞いでいるピストン46と突き当たり、ピストン46で窓部44が開放されたときは、当接部69が、窓部44を通してシリンダ43内外を出入りするようにしてある。つまり、切換作動部40aとウイング部74との組み合わせから、当接部69が、ピストン46と突き当たるか、空振りするかによって、カム追従ロッカ60からの低速用吸気カム33の変位がバルブ駆動ロッカ35に入力されるか、入力が停止されるかの切り換えを行なう切換機構を構成している。
他方、排気用の可変動弁装置19には、図2、図7、図11および図12に示されるような排気カム32に追従するカム追従ロッカ80と、排気バルブ15a,15bの駆動を行なうバルブ駆動ロッカ90とに分けた構造(分割式のロッカアーム構造)が用いられている。
このうちカム追従ロッカ80には、排気カム32と対応したロッカシャフト27部分に回動自在に嵌挿される筒形のロッカシャフト支持用のボス部81と、同ボス部81の両端部から排気カム32の直上へ直線状に突き出たU形のローラ支持片82と、同ローラ支持片82の先端部間に支持された回転自在なローラ83と、ボス部81に形成されたウイング部84とを有した構造が用いられている。ここで、ローラ83は、排気カム32に転接していて、カム追従ロッカ80は、カムシャフト25が回転すると、ボス部81を支点に回動、すなわち排気カム25の変位に追従しながら揺動するようにしてある。なお、カム追従ロッカ80は、追従性の維持のためローラ支持片82に形成した受け座85から入力されるプッシャ80a(図7に二点鎖線で一部だけ図示)の付勢力によって、ローラ83を排気カム32へ押し付けてある。
ウイング部84は、ボス部81の外面の幅方向中央に一体に形成されたリブ86をもつ。同リブ86は、ローラ支持片82の後端部から、ボス部81の周方向に沿いに、ボス部81の上部まで延びている。リブ81の先端部には、前方へ張り出す水平壁部で形成される当接部89が設けられている。
バルブ駆動ロッカ90には、図11および図12に示されるように門形の構造が用いられている。同ロッカ90には、ボス部81(カム追従ロッカ80)の両側に配置される一対のロッカアーム部91(複数:2個)と、モード切換用の切換作動部98(ウイング部84と組み合う部分:本願の切換部分に相当)とを組み合わせた構造が用いられている。
このうち一対のロッカアーム部91は、いずれも一端部にボス部81(カム追従ロッカ80)を挟んだ両側のロッカシャフト27部分に回動自在に嵌挿された一対の筒形のロッカシャフト支持用のボス部92を有し、他端部に同ボス部92からそれぞれ排気バルブ15a,15bまでの直線状に延びるアーム部93を有した構造が用いられている。そして、各アーム部93の先端部をなす、アジャストスクリュ部94が、それぞれ排気バルブ15a,15bの上部端(バルブステム端)に配置させてある。アーム部93,93間は、例えばプレート状の連結アーム95(本願の連結アーム部に相当)によって、アーム部93の端部、具体的にはアジャストスクリュ部94が有る地点で連結されている。これで、一対のロッカアーム部91を一体化させている。つまり、バルブ駆動ロッカ90は、ロッカシャフト27を支点として揺動すると、複数の排気バルブ15a,15bが駆動される構造になっている。
リフトレスカム31の直上に配置されるボス部92の外周面からは、図4、図8および図12に示されるようにリフトレスカム31の外周面に向かってスリッパ96が突き出ている。このスリッパ96の突出し長さは、排気バルブ15a,15bが閉弁のとき、スリッパ96の先端部がリフトレスカム31の外周面と当接可能な寸法をもつ。これにより、排気バルブ15a,15bが閉弁状態にあるとき、ロッカアーム部91の全体を、排気バルブ15a,15bのバルブスプリングの反力を利用したスリッパ96のリフトレスカム31に対する当接から、不用意に動かないようにしている。
切換作動部98は、図11および図12に示されるように連結アーム95、具体的には排気バルブ15a,15b間の略中央となるアーム部分に設けてある。この切換作動部98にはピストン式が用いられている。同切換作動部98の構造が図7に詳しく示されている。
同切換作動部98を説明すると、図7中99は縦形のシリンダである。同シリンダ99は、連結アーム95の中央(排気バルブ15a,15b間の略中央となる地点)から、上側へ突き出るように形成されている。このシリンダ99は、ロッカシャフト27から離れる方向に後傾している。このシリンダ99のうち、前面(カムシャフト25側の面)の下部には、窓部100が形成されている。またシリンダ99の底面からその直下のアーム部分の内部までには、シリンダ99より小径な通孔101が形成されている。
シリンダ99内には、ピストン102が、該ピストン102をシリンダ99の底面へ付勢する圧縮スプリング103と一緒に収容されている。つまり、常時は、シリンダ99の窓部100は、ピストン102の外周面で塞がれ、ピストン102が上昇すると、ピストン102が窓部100から退かれて、同窓部100が開放されるようにしてある。通孔101内には、ピン104が摺動可能に収められている。通孔104の下端開口は、図3および図7に示されるように連結アーム部95の内部に形成した中継路105、該中継路105とボス部92の内部とを連通するアーム部93内部の中継路106に連通している。さらに中継路106は、油路27aから分岐した分岐路107(図7のみ図示)、詳しくは油路27aから半径方向へ分岐してロッカシャフト26の外周面に開口した分岐路107と連通していて、油路27aからピン104に油圧が加わると、ピン104の上昇動から、図7の二点鎖線で示されるように窓部100を塞いでいたピストン102を窓部100から退かせる方向に駆動、つまり窓部100が開放されるようにしてある。
この窓部100の直前に、カム追従ロッカ80の当接部88が位置決められている。当接部89は、図7に示されるように窓部100の内外に出入り可能な形状に形成されていている。これで、通常時は、当接部89が、窓部100を塞いでいるピストン102と突き当たり、窓部100が開放されたときは、当接部89が、窓部100を通してシリンダ99内外を出入りするようにしてある。つまり、切換作動部98とウイング部84との組み合わせから、当接部89が、ピストン102と突き当たるか、空振りするかによって、カム追従ロッカ80からの排気カム32の変位がバルブ駆動ロッカ90に入力されるか、入力が停止されるかの切り換えを行なう切換機構110(本願の切換部に相当)を構成している。
他方、排気側のロッカシャフト26の油路27aは、図2に示されるように休筒切換用のオイルコントロールバルブ120(以下、OCV120という)を介して、油圧供給部(オイルポンプなどで形成される:図示しない)に接続されている。また吸気側のロッカシャフト26の油路26bは、高速切換用のオイルコントロールバルブ121(以下、OCV121という)を介して、油圧供給部(オイルポンプなどで形成される:図示しない)に接続されている。この二系統の油圧供給系のOCV120,121は、いずれも制御部122(例えばマイクロコンピュータで構成されるもの)に接続されている。制御部122には、例えば予め自動車の運転状態に応じて設定されたマップにしたがって、低速モードのときは、OCV120,121の両方を「閉」、高速モードのときは、OCV121だけ「開」、休筒モードのときはOCV120だけ「開」にする機能が設定されている。
こうした構造が、左バンク7aの各気筒に採用され、左バンク7aの吸気系においては高速用吸気カム30による弁駆動、低速用カム33による弁駆動、非弁駆動の3段切換えが行なえ、排気系においては排気カム32による弁駆動、非弁駆動の2段切換えが行なえるようにしている。
一方、右バンク7bの動弁系17bの各吸気用可変動弁装置20には、左バンク7aの吸気用の可変動弁装置18から、非弁駆動となる機構や部分を除いた構造が用いられている。同構造には、図示はされていないが、低速側の切換構造(主に切換作動部40a、カム追従ロッカ60)を省き、バルブ駆動ロッカ35が、常時、直接的に低速用吸気カム33で駆動される構造が用いてある。これで、高速側の切換構造だけを残して、低速モードと高速モードとの2段切換えが行なえる構造にしてある。また排気側には、左バンク7aの排気用の可変動弁装置19から、非弁駆動となる機構や部分を除いた構造、すなわちバルブ駆動ロッカ90だけが、常時、直接的に排気カム32で駆動される構造が用いてある。さらに右バンク7bでは、休筒モードの切換えをなす油路26a,27aを省いて、油路26bだけを残す構造が用いてある。つまり、右バンク7bは、吸気系において高速用吸気カム30による弁駆動、低速用カム33による弁駆動の2段切換えが行なえ、排気系において排気カム32による弁駆動だけが行なえる構造にしてある。
こうした左・右バンク7a,7bの動弁系17a,17bにより、一部の気筒(左バンク7aの3気筒)を休止させた運転が行なえるようにしている。
つぎに、図5〜図8を参照して動弁系17の作用を説明する。
今、自動車の走行状態により、制御部122に低速モードを実行する指令がなされたとする。
すると、制御部122により、OCV120,121はいずれも閉作動される。つまり、油路26a,26b、27aは、いずれも油圧供給系からの油圧が作用しない状態となる。これにより、図5の実線に示されるように左バンク7aの切換作動部40a(吸気)の窓部44は、ピストン46で遮られる状態となる(圧縮スプリング47の弾性力による)。また図6の実線に示されるように切換作動部40b(吸気)の窓部50は、開放された状態となる(圧縮スプリング54の弾性力による)。さらに図7に示されるように左バンク7aの切換作動部98(排気)の窓部100は、ピストン102(圧縮スプリング103の弾性力による)で遮られた状態となる。
すると、左バンク7aの吸気側では、カム追従ロッカ70(高速)は、空振りを伴いながら揺動駆動される。と同時にカム追従ロッカ60(低速)は、ピストン46と突き当たりながら揺動駆動される。また左バンク7aの排気側においては、カム追従ロッカ80が、ピストン102と突き当たりながら揺動駆動される。
これにより、吸気側では、カム追従ロッカ60から伝わる吸気カム33(低速用)の変位が、バルブ駆動ロッカ35から一対のロッカアーム部37を経て、一対の吸気バルブ13a,13bへ伝わり、該吸気バルブ13a,13bを駆動する。また排気側では、カム追従ロッカ80から伝わる排気カム32の変位が、バルブ駆動ロッカ90の連結アーム95から、バルブ端へ向かって並行に延びる状一対のアーム部93を経て、一対の排気バルブ15a,15bへ伝わり、該排気バルブ15a,15bを駆動する。
右バンク7bの可変動弁装置20においては、左バンク7aと同様、カム追従ロッカ(高速)は空振りを伴うので、バルブ駆動ロッカに伝わる低速用の吸気カムの変位だけが、一対の吸気バルブへ伝わり、該吸気バルブを駆動する。また排気側の動弁装置21においては、バルブ駆動ロッカを介して、直接的に、排気カムの変位が、一対のアーム部を経て、一対の排気バルブへ伝わり、該排気バルブを駆動する。
これにより、V形エンジンは、図13の線図中の低速カムおよび排気カムの組み合わせがもたらす低速モードで運転される。つまり、通常の走行で要求されるエンジン性能が出力される。
また自動車の走行状態により、制御部122において高速モードを実行する指令がなされると、制御部122により、高速切換用のOCV121だけが開作動する制御が行なわれる。これにより、油路26bだけに油圧が作用する。
すると、左バンク7aの切換作動部40b(吸気側)のピン55に油圧が加わる。これにより、図6中の二点鎖線に示されるように窓部50は、ピン55で上方へ駆動されるピストン53によって遮られる。なお、左バンク7aの排気側は、切換作動部98の窓部100がピストン102で遮られた状態が続く。
すると、吸気側のカム追従ロッカ70は、図6中の二点鎖線に示されるようにピストン53と突き当たりながら揺動駆動される。
ここで、切換作動部40aの窓部44は、ピストン46で遮れた状態であるが、高速用の吸気カム30の外形形状は、低速用の吸気カム33よりも大きく設定してあるから、カム追従ロッカ70から伝わる吸気カム30(高速用)のカム変位だけが、バルブ駆動ロッカ35から一対のロッカアーム部37を経て、一対の吸気バルブ13a,13bへ伝わる。つまり、吸気バルブ13a,13bは、高速の吸気カム30で駆動されていく。なお、排気バルブ15a,15bは、先の排気カム32の変位が、カム追従ロッカ80からバルブ駆動ロッカ90の連結アーム95へ伝わる経路により、駆動され続ける
また右バンク7bの可変動弁装置20では、左バンク7aと同様、カム追従ロッカから伝わる吸気カム(高速用)の変位が、バルブ駆動ロッカから一対のロッカアーム部を経て、一対の吸気バルブへ伝わることによって、該吸気バルブの駆動が行なわれる。なお、右バンク7bの動弁装置21は、バルブ駆動ロッカによって、直接的に、一対の排気バルブを駆動し続ける。
これにより、V形エンジンは、図13の線図中の高速カムおよび排気カムの組み合わせがもたらす高速モードで運転される。つまり、高いエンジン性能が出力される運転に切り換わる。
また自動車の走行状態により、制御部122において休筒モードを実行する指令がなされると、制御部122により、休筒用のOCV120だけが開作動する制御が行なわれる。これにより、油路26a、27aに油圧が作用する。
すると、左バンク7aの吸気側は、ピン48に油圧が加わり、該ピン48が上方へ駆動される。これにより、切換作動部40aのピストン46は、上方へ駆動され、図5中の二点鎖線に示されるように窓部44を開放させる。また切換作動部40bには、油圧が作用していないので、窓部50は、図6に示されるように開放された状態が続く。排気側でも、切換作動部98のピストン104は、ピン104の押し上げによって上方へ駆動される。これにより、切換作動部98の窓部100は開放される。
これにより、左バンク7aの各カム追従ロッカ60(吸気:低速)、カム追従ロッカ70(吸気:高速)、カム追従ロッカ80(排気)は、いずれも、空振りを伴いながら揺動駆動され、バルブ駆動ロッカ35,90(吸気、排気)には、バルブを駆動する駆動力が伝達されなくなる。これに伴い、図8に示されるように各バルブ駆動ロッカ35,90のスリッパ41,96が、リフトレスカム31の円形なカム面(外周面)と摺接し続け、吸気バルブ13a,13bと排気バルブ15a,15bの両者を閉弁状態に保つ。なお、カム追従ロッカ60,70,80は、プッシャ60a,70a,80aによって、カム面に押し付けられ続ける。
こうしたカム追従ロッカ60,70,80とバルブ駆動ロッカ35,90との間の切り離しにより、左バンク7aにおける吸気バルブ13a,13b、排気バルブ15a,15bのリフト(開閉)は停止される。
このとき、右バンク7bの吸気用の各可変動弁装置20、排気用の動弁装置21は、先の低速モードのときと同様、低速用の吸気カムの変位が吸気バルブへ伝わり続け、排気カムの変位が排気バルブへ伝わり続けているから、一部の気筒(左バンク7aの気筒)を休止させた休筒モードに切り換わる。
このような排気側に門形のバルブ駆動ロッカ90を採用したエンジンは、たとえ図3に示されるようにバルブ駆動ロッカ90が排気バルブ15a,15b間の片側(気筒3の片側)に偏って配置されても、ボス部92の幅寸法を変えたりアーム部93の位置を変えたりするだけで(調節)、バルブ駆動をなす一対のアーム部93が、いずれも排気バルブ15a,15bが有る地点から、カム追従ロッカ80の両側のロッカシャフト27の地点に向かう直線状の経路に並行に配置される。しかも、連結アーム95によるアーム部93端間の連結により、排気バルブ15a,15bを開弁するためにバルブ駆動ロッカ90を押し下げるときや排気バルブ15a,15bを閉弁するためにバルブ駆動ロッカ90が戻るときに加わる荷重は、捩れ応力を伴わずに、一対のアーム部93に作用する。
したがって、門形のバルブ駆動ロッカ90構造により、常に所定のバルブリフトを再現することができ、エンジン性能の向上が図れる。しかも、連結アーム95に、カム追従ロッカ80とバルブ駆動ロッカ90間の伝達を切り換える切換作動部98を設けると、カム追従ロッカ80からの荷重が、排気バルブ15a,15bに対称的に作用するので、高いバルブリフトの再現性をもたらすことができる。特に切換作動部98を排気バルブ15a,15b間の略中央に設けると、均等に荷重が排気バルブ15a,15bに作用するようになるので、一層、高い再現性をもたらすことができる。
また、シリンダやピストンを備えた重量物である切換作動部98が連結アーム95に設けられているため、切換作動部98の重量増加分による荷重についても偏って働くことがないために、両バルブリフトの再現性が高まる。加えて、連結部に切換部の一部を設けることで重量増加が抑制できるため、フリクションが軽減できるうえ、設計どおりのバルブリフト再現が特に高回転で容易になり、高いエンジン性能が得られる。
さらには、切換え当接部への荷重の偏りが発生しにくいので、切換え当接部の接点移動が抑制される。そして、切換え部位の摩耗が抑制され、耐久信頼性が向上される。
[第2の実施形態]
図14は、本発明の第2の実施形態を示す。
第1の実施形態では、バルブ駆動ロッカ90の連結アーム95に切換作動部98を設け、カム追従ロッカ80にウイング部84を設けて、カム追従ロッカ80とバルブ駆動ロッカ90間の伝達切換えを行なうようにした例を挙げたが、これに限らず、図14に示されるように、反対に、バルブ駆動ロッカ90の連結アーム95にウイング部84(本願の切換部分に相当)を設け、カム追従ロッカ80に切換作動部98を設けて、カム追従ロッカ80とバルブ駆動ロッカ35間の伝達切換えを行なうようにした構造でもよい。
但し、図14において、第1の実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略した。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱し
ない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば上述した実施形態では、本発明をV形エンジンに適用した例を挙げたが、これに限らず、他の直列形といったシリンダの並び方の異なるエンジンに適用してもよい。
さらに、上述の実施形態ではリフトレスカムと排気カムとの切換えについて例を挙げたが、小リフトとそれを包括する大リフトの切換えに適用しても良い。この場合、低リフト時は荷重がアンバランスとなるが、低リフト時は荷重自体が低いため問題とならない。荷重の高い高リフト時には本願の効果が同様に得られる。
本発明の第1の実施形態に係る可変動弁装置を搭載したエンジンを示す斜視図。 同エンジンの左バンクに搭載されている1気筒分の吸・排気両方の可変動弁装置の全体を示す斜視図。 図1中のA矢視から見た平面図。 カムシャフトの各種カムのレイアウトを示す平面図。 図3中のB矢視から見た吸気側(低速)の可変動弁装置の断面図。 図3中のC矢視から見た吸気側(高速)の可変動弁装置の断面図。 図3中のD矢視から見た排気側の可変動弁装置の断面図。 図3中のE矢視から見たリフトレスカム回りの断面図。 吸気側の可変動弁装置の全体を示す斜視図。 同装置をカム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとに分解した斜視図。 排気側の可変動弁装置の全体を示す斜視図。 同装置をカム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとに分解した斜視図。 吸・排気の可変動弁装置がもたらす各種バルブリフトの可変を説明するための線図。 本発明の第2の実施形態の要部を説明する分解斜視図。
符号の説明
1…エンジン本体(内燃機関)、7a,7b…左・右バンク、15a,15b…排気バルブ、19…排気用の可変動弁装置、25…カムシャフト、27…排気用のロッカシャフト、32…排気カム、80…カム追従ロッカ、84,98…ウイング部、切換作動部(切換部)、90…バルブ駆動ロッカ、91…一対のロッカアーム部、92…ボス部、93…アーム部、95…連結アーム(連結アーム部)、110…切換機構(切換部)。

Claims (3)

  1. 内燃機関に回転可能に設けられ、カムを有するカムシャフトと、
    前記カムシャフトと並行に配置されたロッカシャフトと、
    前記カムにより駆動可能な複数のバルブと、
    前記ロッカシャフトに回動自在に設けられ、前記カムに追従して変位するカム追従ロッカと、
    前記ロッカシャフトに前記カム追従ロッカと並んで回動自在に設けられ、前記バルブの駆動を行なうバルブ駆動ロッカと、
    前記カム追従ロッカと前記バルブ駆動ロッカとの当接により前記カム追従ロッカの変位を前記バルブ駆動ロッカへ伝達する切換部とを有し、
    前記バルブ駆動ロッカは、
    前記カム追従ロッカを挟んだ両側でロッカシャフト部分に回動自在に支持されるボス部と、前記ボス部から前記排気バルブまで直線状に延びるアーム部を有する一対のロッカアーム部と、
    前記アーム部の延出端部において前記アーム部間を連結する連結アーム部と
    を有して構成されることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記切換部は、前記カム追従ロッカの変位を前記バルブ駆動ロッカに伝達と非伝達とに切換え可能とし
    前記連結アーム部に、前記バルブ駆動ロッカ側の切換部の一部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記切換部は、
    前記ロッカシャフトに設けられる油路と連通するシリンダと前記シリンダに摺動自在に挿入されるピストンとからなる切換作動部と、
    前記ピストンの摺動により同ピストンと当接可能な当接部とを備え、
    前記切換作動部及び前記当接部のどちらか一方が前記連結アーム部に設けられることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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