JP2007262355A - 耐衝撃性プリプレグ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マトリックス樹脂の優れた機械的特性及び熱的特性を損ねることなく、靭性(タフネス)が付与された複合材料を得るためのプリプレグと、その製造方法を提供すること。
【解決手段】強化繊維とマトリックス樹脂とからなるプリプレグにおいて、プリプレグの外層を構成するマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂からなり、プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂は、内層を構成するマトリックス樹脂全体の40重量%以上が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする耐衝撃性プリプレグ。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐衝撃性に優れたプリプレグ及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、マトリックス樹脂の優れた機械的特性及び熱的特性を損ねることなく、靭性(タフネス)が付与された成形物を得るためのプリプレグとその製造方法に関するものである。
近年、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維等を強化繊維として用いた複合材料は、その高い比強度、比剛性を利用して、航空機等の構造材として多く用いられてきている。これらの複合材料は、強化繊維にマトリックス樹脂が含浸された中間製品であるプリプレグから、加熱・加圧といった成形・加工工程を経て成形される場合が多い。
プリプレグのマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等が用いられ、また、最近ではポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエ−テルエ−テルケトン等の熱可塑性樹脂も用いられるようになってきている。いずれの樹脂を用いた場合も、複合材料は、その優れた機械的特性、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐候性が特徴となっている。
熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とした場合、良好な耐熱性、機械的特性に加え、複合材料の衝撃特性も優れていることが期待されているが、プリプレグとしての取扱性、例えば、ドレ−プ性に乏しいために、現状の成形加工技術では取り扱いにくい材料であり、複雑な形状物への適用が難しいという難点がある。
一方、エポキシ樹脂系プリプレグのように、熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂に用いた場合、耐熱性、機械的特性が良好であることが認められていたが、反面、マトリックス樹脂の伸度が低く、脆いために複合材料の靭性、耐衝撃性に劣ることが指摘され、その改善が求められてきた。そこで、これらの複合材料に靭性、耐衝撃性を付与させるため、種々の手法が提案されている。
例えば、プリプレグ用マトリックス樹脂を高靭性化し、複合材料の耐衝撃性を向上させる技術として、マトリックス樹脂に特定のエラストマ−成分、高分子量ゴム成分、熱可塑性樹脂微粉末を配合し、複合材料の靭性(耐衝撃性)を高めたプリプレグ組成物が提案されている(特許文献1〜5参照)。しかし、マトリックス樹脂に特定のエラストマ−成分、高分子量ゴム成分を配合する手法では、複合材料の耐衝撃性の改善効果が低かったり、マトリックス樹脂の粘度が著しく上昇する等の問題を有している。また、熱可塑性樹脂微粉末を配合する手法では、耐衝撃性は向上するものの、空気雰囲気下の暴露によりプリプレグのタックが経時的に変化する(徐々に低下する)という問題がある。
特開昭58−120639号公報 特開昭61−250021号公報 特開昭62−36421号公報 特開昭62−57417号公報 特開平1−104625号公報
また、複合材料の積層間に異種材料を挿入し、複合材料の衝撃特性を向上させる技術として、インタ−リ−フ技術も知られている。そして、インタ−リ−フ材料としては、一般に厚さ0.03〜0.06mmの可撓性に優れたエポキシ樹脂層を用いたり、厚さ0.01〜0.05mmの、例えば、ポリエ−テルイミド、ポリエ−テルサルホン、ポリエ−テルエ−テルケトンのフィルムといった熱可塑性樹脂フィルムが使用されている(特許文献6〜7参照)。しかし、インタ−リ−フを用いる手法では、インタ−リ−フ材料に可撓性に優れたエポキシ樹脂、例えばエラストマ−成分の多いエポキシ樹脂層を用いた場合、衝撃特性の向上を図るためにはエラストマ−成分を多量配合することが必要であるが、そうすると、エラストマ−成分の種類や量により複合材料の耐熱性や機械的特性の低下を招くことがあり、その種類や量に制限が加えられるため、充分な効果を発揮できないことが多い。また、複合材料の積層間に熱可塑性樹脂フィルムを挿入した場合、複合材料の耐衝撃性を向上させる効果は認められているが、プリプレグのタックに問題があった。
特開昭60−63229号公報 特開昭63−162733号公報
更に、また、複合材料用プリプレグの外表面に、繊維状の熱可塑性樹脂を配置させ、複合材料の靱性を向上させる技術も知られている(特許文献8〜13参照)。しかし、繊維状の熱可塑性樹脂を配置する手法では、一方向に引き揃えられた状態で繊維状の熱可塑性樹脂や編物を、プリプレグの外表面に配置する手法が例示されているが、この方法では、靱性を向上させるためには、多くの繊維状の熱可塑性樹脂をプリプレグの外表面に配置しなければならない。その結果、プリプレグのタック性が低下するという問題があった。また、特開平4−325527号公報(特許文献11)に例示されているように、充分な靱性改良効果を得るため、引き揃えた繊維状の熱可塑性樹脂が、プリプレグの中心部に完全に埋没しないように留意して製造しなければならないという、製造上の制約があった。
特開平4−292634号公報 特開平4−292909号公報 特開平4−306238号公報 特開平4−325527号公報 特開平7−149927号公報 特開平8−92392号公報
本発明の課題は、マトリックス樹脂の優れた機械的特性及び熱的特性を損ねることなく、靭性(タフネス)が付与された複合材料を得るためのプリプレグと、その製造方法を提供することにある。
本発明の請求項1に記載された発明は、強化繊維とマトリックス樹脂とからなるプリプレグにおいて、このプリプレグの外層を構成するマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂からなり、このプリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂は、内層を構成するマトリックス樹脂全体の40重量%以上が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする耐衝撃性プリプレグである。
請求項2に記載された発明は、プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂が、熱可塑性樹脂のフィルムを含むものであることを特徴とする請求項1記載の耐衝撃性プリプレグである。
請求項3に記載された発明は、プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂が、熱可塑性樹脂の粉末を含むものであることを特徴とする請求項1記載の耐衝撃性プリプレグである。
請求項4に記載された発明は、プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂が、熱可塑性樹脂のメルトブローマットを含むものであることを特徴とする請求項1記載の耐衝撃性プリプレグである。
そして、請求項5に記載された発明は、強化繊維とマトリックス樹脂とからなるプリプレグであって、このプリプレグの外層を構成するマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂からなり、このプリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂は、内層を構成するマトリックス樹脂全体の40重量%以上が熱可塑性樹脂からなるプリプレグを製造するに際し、先ず、熱硬化性樹脂シート又はフィルム、強化繊維層、熱可塑性樹脂が40重量%以上からなる樹脂シート又はフィルム、強化繊維層、熱硬化性樹脂シート又はフィルムの順に積層・配置した積層体を作成し、次いで、この積層体を加熱・加圧することを特徴とする耐衝撃性プリプレグの製造方法である。
本発明のプリプレグを用いると、耐衝撃性に優れ、衝撃時のクラック伝播を抑制する能力のある複合材料を製造することができる。具体的には、例えば、高強度炭素繊維などを強化繊維とした場合に、プリプレグを構成するマトリックス樹脂の優れた機械的特性及び熱的特性を損ねることなく、靭性(タフネス)が付与された複合材料・成形品を得ることができる。また、従来の耐衝撃性プリプレグは、表層に熱可塑性樹脂微粉末があったので、タック性が経時変化して取り扱い性が悪かったが、本発明のプリプレグでは、表層が熱硬化性樹脂だけなので、タック性の経時変化がないという効果もある。
本発明の耐衝撃性プリプレグは、プリプレグの外層を構成するマトリックス樹脂が、熱硬化性樹脂からなり、プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂が、内層を構成するマトリックス樹脂全体の40重量%以上が熱可塑性樹脂からなるものであるが、本発明においては、1枚のプリプレグの断面を見たとき、上下各約1/4を外層、内部の約2/4を内層と定義するものとする。
上記のようなプリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂は、内層を構成するマトリックス樹脂全体の40重量%以上、好ましくは、60重量%以上が熱可塑性樹脂からなるものである。残りは熱硬化性樹脂等であれば良いが、熱可塑性樹脂の配合・混合量が40重量%以上あれば、内層の熱可塑性樹脂が海島構造から相互連続構造となり、プリプレグの耐衝撃性が向上する。
更に、本発明の内層を形成するマトリックス樹脂は、このマトリックス樹脂全体の40重量%以上が熱可塑性樹脂である限り、熱可塑性樹脂のフィルム、粉末、又は、メルトブローマットを含むものであっても良い。あるいは、マトリックス樹脂全部が、熱可塑性樹脂のフィルム、粉末、又は、メルトブローマットから形成されていても良い。
本発明において用いられる熱可塑性樹脂のフィルムとしては、後述の熱可塑性樹脂のフィルム又はシートを用いることができるが、特に好ましいのは、熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム(例えば、オーラムフィルム、三井化学社製)である。熱可塑性樹脂の粉末としては、粒度が2〜50μmの範囲にあるものが好ましい。2μm以下では取扱性が良くなく、50μm以上では製造時の加工性・含浸性が不十分となる。メルトブローマット(メルトブローン不織布)とは、いわゆるメルトブロー法(熱可塑性樹脂の溶融紡糸)によって製造された不織布である(例えば、特開2004−76248号参照)。
本発明のプリプレグは、強化繊維とマトリックス樹脂とからなるものであるが、強化繊維は、通常、シート状の強化繊維材料として用いられる。シート状の材料とは、繊維材料を一方向にシート状に引き揃えたもの、これらを、例えば、直交に積層したもの、繊維材料を織編物や不織布等の布帛に成形したもの、ストランド状のもの、多軸織物等を全て含む。繊維の形態としては、長繊維状モノフィラメントあるいはこれらを束にしたものが好ましく使用される。
強化繊維材料としては、無機繊維、有機繊維、金属繊維又はそれらの混合からなる繊維材料がある。具体的には、無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維を挙げることが出来る。有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維が挙げられる。好ましいのは、炭素繊維とアラミド繊維である。本発明においては、特に、引張強度400kgf/mm2 以上、引張弾性率29×103 kgf/mm2 以上の、いわゆる高強度中弾性炭素繊維を用いることが好ましい。
本発明において用いられるマトリックス樹脂のうち熱可塑性樹脂は、特に制限されないが、融点又はガラス転移温度が、150℃以上の結晶性又は非晶性の熱可塑性樹脂が好ましい。具体例としては、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド、ポリベンズイミダゾール等が挙げられる。この中でも、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンは、高靭性かつ耐熱性良好であるため本発明に好ましく用いられる。これらの樹脂は、2種以上併用して用いることもできる。
本発明において用いられる熱硬化性マトリックス樹脂は、特に限定されないが、具体例として、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂の予備重合樹脂、ビスマレイミド樹脂、アセチレン末端を有するポリイミド樹脂及びポリイソイミド樹脂、ナジック酸末端を有するポリイミド樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることもできる。中でも、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れたエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂が、特に好ましい。これらの熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤以外に、通常用いられる着色剤や各種添加剤等が含まれていてもよい。プリプレグに占める樹脂組成物の含有率は、10〜90重量%、好ましくは20〜60重量%、更に好ましくは25〜45重量%である。
本発明のプリプレグの製造法は特に限定されないが、例えば、ホットメルト法により製造することができる。ホットメルト法を適用する場合は、まず、それぞれ外層と内層を構成するように調合された樹脂組成物を、フィルコ−タ−等で樹脂フィルムにする。次いで、それぞれの樹脂フィルム上に強化繊維を供給し、積層体を形成し、得られた積層体を重ねてプレ−ト、ロ−ラ−等で加熱・加圧し、プリプレグとする。
本発明のプリプレグの製造法で好ましいのは、先ず、熱硬化性樹脂シート又はフィルム、強化繊維層、熱可塑性樹脂が40重量%以上からなる樹脂シート又はフィルム、強化繊維層、熱硬化性樹脂シート又はフィルムの順に積層・配置した積層体を作成し、次いで、該積層体を加熱・加圧することを特徴とする耐衝撃性プリプレグの製造方法である。熱硬化性樹脂シート又はフィルム、強化繊維層、熱可塑性樹脂が40重量%以上からなる樹脂シート又はフィルムからなる複合シートを一度製造し、得られたシートを2枚、熱硬化性樹脂シート面を外側にして貼り合わせても良い。
また、熱硬化性樹脂シート又はフィルムと強化繊維層からなる複合シート(A)と、強化繊維層と熱可塑性樹脂が40重量%以上からなる樹脂シート又はフィルムからなる複合シート(B)を別々に作成し、シート(A)、シート(B)、シート(A)の順序に重ねた積層体とし、この積層体を加熱・加圧しても良い。積層する際に、シート(A)と(B)の間及び/又はシート(B)と(A)の間に、前記熱可塑性樹脂フィルム、樹脂粉末、あるいは樹脂のメルトブローマットを挟むと、より耐衝撃性が改良されるので好ましい。
本発明のプリプレグは、通常の成形方法・手段によって成形品に成形することができる。
成形に際しては、プリプレグは、一方向に積層しても良いし、疑似等方性を有するように、例えば、(+45°/0°/−45°/90°)4Sというように積層しても良い。以下、実施例により本発明を詳述する。
[実施例1]
熱硬化性樹脂として、ビスマレイミド樹脂(デグサ社製、Compimide 796)60重量部と、
4,4'−ビス(o-プロペニルフェノキシ)ベンゾフェノン(デグサ社製、Compimide TM-123)40重量部の混合物を用い、フィルムコ−タ−にて熱硬化性樹脂フィルム(C)を作製した(外層用)。これとは別に、ホットメルト法にて、熱硬化性樹脂として、ビスマレイミド樹脂(デグサ社製、Compimide 796)60重量部と、4,4'−ビス(o-プロペニルフェノキシ)ベンゾフェノン(デグサ社製、Compimide TM-123)40重量部を含み、熱可塑性ポリイミド樹脂として三井化学社製PIXA-M(ガラス転移温度235℃、平均粒子径:10μm)を70重量部(内層樹脂全体の41重量%)を含む樹脂フィルム(D)を作成した(内層用)。強化繊維としては、炭素繊維、テナックスIM−600(東邦テナックス社製、引張強度580kgf/mm2 、引張弾性率29×103 kgf /mm2)を用いた。
上記(C)を上面樹脂フィルムとし、(D)を下面樹脂フィルムとして、これらの樹脂フィルムの間に、上記炭素繊維の長繊維を一方向に均一に配列させ供給し、ロ−ラ−で加熱・加圧し、ロールに巻き取り、炭素繊維に樹脂を含浸させたシート材料(E)とした。シート材料(E)は、(C)側が熱硬化性樹脂のみ、(D)側が熱可塑性樹脂+熱硬化性樹脂の構成となっている。得られたシート材料(E)のプリプレグの炭素繊維の目付は75g/m2 、プリプレグ全体の樹脂含有率は32重量%であった。
次いで、得られたプリプレグを2枚、お互いの(C)側が外側になるように連続的に重ね合わせ、ロ−ラ−で加熱・加圧して貼り合わせ、1枚の本発明のプリプレグを得た。このプリプレグは、良好なタック、ドレ−プ性を有していた。このプリプレグを擬似等方性(+45°/0°/−45°/90°)4Sで32枚を積層し、オ−トクレ−ブ成形により昇温速度2℃/分、180℃で2時間の硬化条件で硬化した。その後、210℃で9時間、230℃で10時間アフタ−キュアして(昇温速度2℃/分)、成形板を作製した。
この成形板より試験片を切り出し、1500インチ・ポンド/インチの落錘衝撃を与えた後、SACMA・SRM2−88に従い、衝撃後の圧縮強度(CAI)を測定した。また、このプリプレグ14枚を一方向に積層し、同条件で成形後、層間せん断強度(ILSS)及びガラス転移温度(Tg)をそれぞれASTM
D2344、ASTM D3418に準拠して測定した。CAIは、30kgf/mm2、Tgは310℃、ILSSは12.0kgf/mm2 であった。
[実施例2]
実施例1と同様の製造方法で2枚のシート材料を貼り合わせるときに、中間層に厚さが10μmの熱可塑性樹脂フィルム(オーラムフィルム PL450C)を1層挿入した。樹脂組成物及び熱可塑性樹脂フィルムのトータルの重量の割合が、32重量%になるように本発明のプリプレグを作製した。このプリプレグは、良好なタック、ドレ−プ性を有していた。このプリプレグを実施例1と同様に硬化した成形物のCAIは、36kgf/mm2、Tgは305℃、ILSSは11.0kgf/mm2 であった。
[比較例1]
比較例として、熱硬化性樹脂プラス熱可塑性樹脂層/強化繊維層/熱硬化樹脂プラス熱可塑性樹脂層の三層からなるプリプレグを製造した。炭素繊維としては実施例1と同じもので、目付を150g/mのものを用いた。先ず、熱硬化性樹脂として、ビスマレイミド樹脂(デグサ社、Compimide
796)120重量部と、4,4'−ビス(o-プロペニルフェノキシ)ベンゾフェノン(デグサ社製、Compimide
TM-123)80重量部を含み、熱可塑性ポリイミド樹脂として三井化学社製PIXA-M(ガラス転移温度235℃)を70重量部を含む樹脂組成物を用いて樹脂フィルムを作成した。この樹脂フィルムの間に、前記炭素繊維の長繊維を一方向に均一に配列させ供給し、ロ−ラ−で加熱・加圧し、プリプレグを製造した。
得られたプリプレグは、貼り合わすことなく、炭素繊維の目付150g/m2 のままで使用した。樹脂含有量は32重量%であり、良好なタック、ドレ−プ性を有していた。このプリプレグを実施例1と同様に硬化して、諸物性を測定した。この成形物のCAIは、23kgf/mm、Tgは313℃、ILSSは11.5kgf/mmであった。実施例1〜2は比較例1と比較すると、耐熱性(Tg)、機械的特性(ILSS)が同等の優れたレベルを保持していながら、耐衝撃性(CAI)が良好であることが明らかとなった。
本発明のプリプレグは、優れた機械的特性、熱的特性、靭性、耐衝撃性等を兼備しており、このプリプレグを用いて成形された成形品は、発生したクラックを伝播させにくい特性を有するため、航空機構造材料、宇宙構造物材料等へ好適に使用される。

Claims (5)

  1. 強化繊維とマトリックス樹脂とからなるプリプレグにおいて、該プリプレグの外層を構成するマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂からなり、該プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂は、内層を構成するマトリックス樹脂全体の40重量%以上が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする耐衝撃性プリプレグ。
  2. プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂が、熱可塑性樹脂のフィルムを含むものであることを特徴とする請求項1記載の耐衝撃性プリプレグ。
  3. プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂が、熱可塑性樹脂の粉末を含むものであることを特徴とする請求項1記載の耐衝撃性プリプレグ。
  4. プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂が、熱可塑性樹脂のメルトブローマットを含むものであることを特徴とする請求項1記載の耐衝撃性プリプレグ。
  5. 強化繊維とマトリックス樹脂とからなるプリプレグであって、該プリプレグの外層を構成するマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂からなり、該プリプレグの内層を構成するマトリックス樹脂は、内層を構成するマトリックス樹脂全体の40重量%以上が熱可塑性樹脂からなるプリプレグを製造するに際し、先ず、熱硬化性樹脂シート又はフィルム、強化繊維層、熱可塑性樹脂が40重量%以上からなる樹脂シート又はフィルム、強化繊維層、熱硬化性樹脂シート又はフィルムの順に積層・配置した積層体を作成し、次いで、該積層体を加熱・加圧することを特徴とする耐衝撃性プリプレグの製造方法。



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