JP2007261380A - エアバッグ用基布及びその製造方法 - Google Patents

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和洋 堺
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Abstract

【課題】本発明は、二重袋織部、一重織部及び接合部の応力が集中する部分の気密化、並びにインフレーターガス導入部の耐熱性・気密性の向上を確保すると共に、塗工量の低減を図り、エアバッグのコンパクト化、低コスト化を実現することを課題とする。
【解決手段】エアバック作動時に膨張する,織物1a,1bから構成される二重袋織部1と、織物からなる一重織部2と、二重袋織部1と一重織部2との境界部に形成され,エアバック作動時に膨張しない,織物からなる接合部3とを備えたエアバッグ用基布であり、
前記二重袋織部1、一重織部2及び接合部3は各々織物の組織が異なり、かつ二重袋織部1、一重織部2及び接合部3の一部または数箇所が部分的に塗工用樹脂で厚塗りされていることを特徴とするエアバック用基布。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の側面衝突または横転事故の際、車両の乗員を保護するために設計されたエアバック、特にサイドカーテンエアバックとして使用されるエアバッグ用基布及びその製造方法に関する。
近年、自動車安全部品の一つとしてのエアバッグの装着率は、乗員の安全意識の向上に伴って急速に向上している。エアバッグは自動車の衝突事故の際、衝撃をセンサーが感知すると、インフレーターから高温、高圧のガスを発生させ、このガスによってエアバッグを急激に展開させ、乗員保護に役立つものである。ところで、従来、エアバッグには運転席用、助手席用の正面からの衝突時に乗員を保護するものが装着されてきたが、最近では側面からの衝突にも対応できるエアバッグが開発され搭載する車も多くなってきている。
この車の側面への衝突、即ち側突事故用として使用される側面衝突用のエアバッグは、大部分、車内のルーフサイドから側部窓上に降りてくるカーテン式の形で搭載されることから「サイドカーテンエアバッグ」と称せられている。側面衝突用のエアバッグは、車のロールオーバーに対応するために、数秒から10秒程度に亘ってエアバッグの内圧を保持し、車両の横転時にも乗員の頭部が保護可能なように設計されることから、運転席用、助手席用エアバッグより高い気密性が要求される。
そのために、側面衝突用のエアバッグは、ジャガード織機で製織し、エアバッグ作動時に膨張する複数枚の織物から構成される二重袋部と、エアバッグ作動時に膨張しない1枚の織物から形成される接合部とが一体となった構造を有するバッグ状の織物(この織物は、「OPW」又は「ワンピース織り」として当分野で知られているが、以後「OPW基布」と呼ぶ)に、シリコーン樹脂を両面にコーティングしたものを基布とするエアバッグが主として使用されている。一方、運転席用、助手席用のエアバッグは、二枚のエアバッグ用基布をカットし、それを縫製することによって作製されてきた、所謂、カット&ソー方式のエアバッグである。
このOPW基布によって構成されるエアバッグにおいては、例えばエアバッグが作動し、展開する場合にOPW基布の膨張部と接合部との境界部(以後、「OPWシーム部」と呼称する。)等のエアバッグ作動時に応力が集中する箇所の気密性を確保すること、及びインフレーターガス導入部などでは気密性の確保と同時に耐熱性を向上させることが、このサイドカーテンエアバッグの重要な課題となっている。そこで、OPW基布からのアプローチとして、例えば、以下の特許文献1,2のようにOPWシーム部の気密性の改良に関する提案がなされている。
1)特許文献1:製織前の隣り合う経糸及び製織前の隣り合う緯糸で上布又は下布を形成しないように二重織組織を規定する方法。
2)特許文献2:袋織部の外周に、糸繊度、織密度および糸本数の関係が特定された斜子組織からなる一重織部を、二重袋織部を介して並列に配置した接合部を形成する方法。
また、例えば、特許文献3のように、OPW基布へ塗工される組成液からのアプローチとして、シリコーンから構成されるモノマーと非シリコーン成分から構成されるモノマーとを重合させて気密性の高いコポリマーを得る方法が提案なされている。
ところで、こうした従来技術によれば、塗工面では、OPWシーム部以外の部分は低塗工量でも気密性を確保することが可能である。しかし、前記ロールオーバーに対してOPWシーム部に要求される気密性を確保するために、ナイフコート等、従来用いられている塗工方法ではエアバッグのデザインに応じて部分的に塗工量を調整することは不可能である。従って、OPWシーム部の気密性確保に必要な量に合わせて全体の塗工量を増加させている。また、一般にインフレーターガス導入部の耐熱性の向上に関しても部分的な厚塗りが不可能という同様の理由で、OPW基布全体を厚塗りすることで対処しているのがOPW基布によるエアバッグの現状であり、サイドカーテンエアバッグに要求されるコンパクト化、低コスト化が十分には実現されていない。
特開2004−100056号公報 特開2005−105438号公報 特開2005−163256号公報
本発明では、特に、塗工面に関し、OPWシーム部等の二重袋織部、一重織部及び接合部の応力が集中する部分の気密化、並びにインフレーターガス導入部の耐熱性・気密性の向上を確保すると共に、塗工量の低減を図り、エアバッグのコンパクト化、及び低コスト化を実現できるエアバッグ用基布及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るエアバック用基布は、エアバック作動時に膨張する,織物から構成される二重袋織部と、織物からなる一重織部と、二重袋織部と一重織部との境界部に形成され,エアバック作動時に膨張しない,織物からなる接合部とを備えたエアバッグ用基布であり、前記二重袋織部、一重織部及び接合部は各々織物の組織が異なり、かつ二重袋織部、一重織部及び接合部の一部または数箇所が部分的に塗工用樹脂で厚塗りされていることを特徴とする。
本発明に係るエアバック用基布の製造方法は、エアバック作動時に膨張する,織物から構成される二重袋織部と、織物からなる一重織部と、二重袋織部と一重織部との境界部に形成され,エアバック作動時に膨張しない,織物からなる接合部とを備え、前記二重袋織部、一重織部及び接合部は各々織物の組織が異なり、かつ二重袋織部、一重織部及び接合部の一部または数箇所が部分的に塗工用樹脂で厚塗りされているエアバック用基布を製造する方法において、織物の一方の面に塗工用樹脂を薄塗りした後、織物の他方の面に薄塗りをし、更に織物の少なくとも一方の面に塗工用樹脂を重ね塗りし、前記二重袋織部、一重織部及び接合部一部または数箇所を部分的に厚く塗ることを特徴とする。
本発明により、OPW基布の各部を必要最小限の樹脂量で塗工が可能となり、その結果、塗工樹脂量が少ないことから、低コストで、且つ、収納スペースの限られるエアバック特にサイドカーテンエアバッグにとって特に必要とされる収納性の良い。その上、部分厚塗り効果により、エアバッグ作動時に集中応力を受け、特に気密性が要求されるOPWシーム部の気密性が良好でインフレーターガス導入部の耐熱性・気密性が向上したエアバッグ用基布を得ることができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のエアバック用基布の製造においては、織物の一方の面に塗工用樹脂を薄塗りした後、織物の他方の面に薄塗りをし、更に織物の少なくとも一方の面に塗工用樹脂を重ね塗りし、前記二重袋織部、一重織部及び接合部一部または数箇所を部分的に厚く塗る。塗工用樹脂の薄塗りは、1回塗っただけでもよいし、複数回(例えば2回)塗ってもよい。織物の両面に薄塗りした後は、薄く樹脂が塗られた織物の一方の面又は両面に更に塗工用樹脂を塗って、結果的に二重袋織部、一重織部及び接合部の一部または数箇所を部分的に厚く塗る。二重袋織部、一重織部及び接合部の一部又は数箇所を部分的に厚塗りすることにより、エアバッグ作動時に集中応力を受け、特に気密性が要求されるOPWシーム部の気密性が良好で、インフレーターガス導入部の耐熱性・気密性が向上する。なお、樹脂は、特に気密性、耐熱性が要求される部位に塗られ、樹脂の塗工量は20g/m以上とすることが好ましい。
本発明において、二重袋織部、一重織部及び接合部の一部または数箇所を部分的に厚く塗るには、織物に樹脂を塗る際に樹脂の塗布量を調節するためのナイフを用い、かつナイフ形状を幅方向で曲率半径を部分的に変更することが好ましい。これにより、樹脂の部分的な厚塗りを簡単に行うことができる。
本発明に係るエアバック用基布は、例えば図1(A),(B),(C)に示すような構成となっている。ここで、図1(A)はエアバック用基布の平面図、図1(B)は図1(A)のX−X線に沿う概略的拡大断面図で二重袋織部を膨らませた状態を示し、図1(C)は図1(A)の部分拡大図を示す。なお、図1(B)では、便宜上樹脂が織物の表裏にのみ形成されているように図示されているが、実際は織物内にも含浸している。エアバック用基布は、作動時に膨張する二重袋織部1と、織物から構成される一重織部2と、二重袋織部1と一重織部2の境界部に位置し、サイドエアバック作動時に膨張しない,織物から構成される接合部3から構成されている。二重袋織部1、一重織部2及び接合部3は、各々織物の組織が異なる。二重袋織部1は、下側の織物1aと上側の織物1bとからなる。二重袋織部1の両面には塗工用樹脂4が塗られ、特に気密性や耐熱性が必要とされる箇所は他と比べて厚く塗られている。一重織部2の両面にも塗工用樹脂4が塗られ、特に気密性や耐熱性が必要とされる箇所は他と比べて厚く塗られている。接合部3の両面にも塗工用樹脂4が塗られ、特に気密性や耐熱性が必要とされる箇所例えば弱いシーム部5は他と比べて厚く塗られている。なお、接合部3は、二重袋織部1の外周部に相当する。また、図1(A)中の符番6は樹脂重ね塗りされた領域を示す。また、符番7はインフレーターガス導入部を示す。
本発明に係る車両用サイドエアバックに使用されるエアバック用基布に樹脂を塗布する場合は、例えば図2及び図3に示すように行われる。図2において、符番11は基布12を送り出す送出しロールであり、符番13は樹脂14を塗布した基布12を巻き取る巻取りロールを示す。送出しロール11と巻取りロール13間には樹脂14の塗布量を調節するナイフ15、及び基布12に塗布された樹脂を乾燥する乾燥炉16が配置されている。送出しロール11より送出された基布12には樹脂14が塗布されるが、樹脂14の塗布量はナイフ15で適宜調節される。樹脂14が塗布された基布12は、その後乾燥炉16で乾燥されてから巻取りローラ13に巻き取られる。
本発明のエアバッグ用基布を構成する原糸は、特に素材を限定するものではないが、例えばナイロン66、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド繊維、アラミド繊維のような芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのホモポリエステルが使用される。他には全芳香族ポリエステル、超高分子量ポリエチレン繊維、PPS繊維、ポリエーテルケトン繊維などが挙げられる。但し、強度面、経済性を勘案するとポリエステル繊維、ポリアミド繊維(ナイロン66、ナイロン6、ナイロン46)を用いることが特に好ましい。
また、これらの合成繊維は原糸製造工程や後加工工程での工程通過性を向上させるために、各種添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、例えば酸化防止剤、熱安定剤、平滑剤、帯電防止剤、増粘剤、難燃剤が挙げられる。また、本発明に使用可能な塗工材料としては、特に限定するものではなく、例えばクロロプレン、クロルスルフォン化オレフィン、シリコーン、ウレタン、アクリルなどの従来公知の樹脂が挙げられる。
本発明の実施法方法の一つであるOPW基布全体に薄塗りを施した後、エアバッグ作動時に集中応力を強く受け、特に気密性が要求されるOPWシーム部のみを部分的に厚塗りするのに適した塗工装置としては、特に限定するものではないが、ナイフ、カーテンコーター、ダイコーター等が挙げられる。しかし、広範囲の粘度、塗工量に対応できるという理由からナイフコーターが最も好ましい。また、この実施方法において、後述する実施例2及び実施例3のように2つのヘッドを有する装置を使用し、一工程で重ね塗りすることも可能であるが、当然のことながら、実施例4のように二工程に分けて重ね塗りすることも可能である。
また、本発明のもう一つの実施方法である、ナイフ形状を幅方向で部分的に変更することによりOPWシーム部のみを部分的に厚く塗工する方法において、変更するナイフ形状とは、これも限定するものではないが、例えば、塗エナイフの接液部のR(半径)を幅方向で部分的に厚塗りしたい部分の幅のみ他の部分よりもR(半径)を大きくすることにより他の部分よりも厚塗りすることが可能となる。
次に、下記実施例、及び実施した試験結果により、更に本発明を詳述する。なお本発明において、発明の効果を評価するため、OPWエアバッグの二重袋織部内圧の測定は次に示す方法で行った。
(内圧測定方法)
内圧は図4に示す測定装置を使用して行った。この測定装置は、試験試料としてのOPWエアバッグ21とチューブ22を介して接続する圧力容器23と、前記チューブ22に介装された電磁弁24と、前記チューブ22に連通してエアバック21内の内圧変動を測定できる内圧測定器25を、備えている。前記圧力容器23によりエアバック21内に瞬時に内圧を加えることができる。
測定方法は、まず測定装置にOPWエアバッグ21を装着した後、電磁弁24を開いて圧力容器23に貯めたエアーを瞬時にOPWエアバッグ21内に封入して内圧を加える。今回の測定では、エアバッグ内初期圧が120kPaになるよう調整した。電磁弁24を開放した状態で、圧力容器23〜エアバッグ21は閉じた系となるため、その状態で内圧の変動を測定する。通常はエアバッグ21からの圧の漏れが生じるため、内圧減衰率の測定となる。測定値は、初期内圧からの減衰が少ないほど、エアバッグ21は気密性に優れていることになる。
(実施例1)
塗工用樹脂としてはシリコーン樹脂(商品名:DC3730 A&B、ダウコーニング社製)を、基材クロスとしては、サイドカーテンエアバッグ用であるナイロン6,6(繊径470dtex/144フィラメント)で構成されるOPW(袋織りクロス)クロス(住商エアバッグシステムズ(株)製)を使用し、ナイフコーターにてナイフ・オン・エアー法で基材クロスの両面にコーティングを実施した。この際、塗工用ナイフは幅方向で部分的に形状を変更し、より詳細には、エアバッグのデザインでインフレーターガス導入部にあたる100mm幅部分及びデザイン上特に気密性の弱い接合部(シーム部)50mm幅部分のナイフのRをそれ以外の部分のR2より大きくR5にした状態でコーティングを実施し、その後炉中で乾燥・架橋させた。
その結果、インフレーターガス導入部100mm幅部分及び前記接合部(シーム部)50mmの樹脂量が90g/mで、他の部分が50g/mである、クロス幅方向で厚みの異なるエアバック用基布を得ることができた。
上述のようにして得られる実施例1に係るエアバック用基布は、図1に示すように、エアバック作動時に膨張する,2枚の織物1a、1bから構成される二重袋織部1と、1枚の織物からなる一重織部2と、二重袋織部1と一重織部2との境界部に形成され,エアバック作動時に膨張しない,織物からなる接合部3とを備え、二重袋織部1、一重織部2及び接合部3の各々織物の組織は異なり、かつ前記二重袋織部1、一重織部2及び接合部3の夫々の一部が部分的に塗工用樹脂4で厚塗りされた構成となっている。
(実施例2)
塗工用樹脂としてはシリコーン樹脂(商品名:LR3003 A&B、旭化成ワッカーシリコーン社製)を、基材クロスとしては、サイドカーテンエアバッグ用であるナイロン6,6(繊径470dtex/144フィラメント)で構成されるOPW(袋織りクロス)クロス(住商エアバッグシステムズ(株)製)を使用し、下記の塗工条件にてコーティングを実施した。即ち、コーティングは2つのコーティングヘッドを持つ装置を使用した。1つ目のヘッドがナイフ・オン・エアー方式であり、その後にナイフ・オン・ロール方式のヘッドを備えたものである。
コーティングは1つ目のヘッドでクロス全体が70g/m均一にコーティングされるように制御して、乾燥・架橋した。つづいて、同ライン上のナイフ・オン・ロール部でエアバッグのデザインでインフレーター導入部にあたる部分及びデザイン上特に気密性の弱いシーム部50mm幅部分の樹脂量が120g/mになるようにコーティングした後、乾燥・架橋した。なお、ナイフ・オン・ロール部では厚塗りする部分のみに樹脂を供給するようにサイドダムの位置を調整した。以上のコーティングをクロスの両面に実施した。
その結果・インフレーターガス導入部の100mm幅の部分及び前記シーム部50mm幅部分の樹脂量が120g/mで、他の部分が70g/mである、クロス幅方向で厚みの異なるエアバック用基布を得ることができた。
(実施例3)
塗工用樹脂としてはシリコーン樹脂(商品名:DC3730 A&B、ダウコーニング社製)を、基材クロスとしては、サイドカーテンエアバッグ用であるナイロン6,6(繊径470dtex/144フィラメント)で構成されるOPW(袋織りクロス)クロス(住商エアバッグシステムズ(株)製)を使用し、下記の塗工条件にてコーティングを実施した。即ち、コーティングは2つのコーティングヘッドを持つ装置を使用した。1つ目のヘッドがナイフ・オン・エアー方式であり、その後にダイコーターヘッドを備えたものである。コーティングは1つ目のヘッドでクロス全体が50g/mで均一にコーティングされるように制御した。つづいて、同ライン上でダイコーターを用いてエアバッグのデザインでインフレーター導入部にあたる部分及びデザイン上特に気密性の弱いシーム部50mm幅部分の樹脂量が100g/mになるようにコーティングして、乾燥・架橋した。以上のコーティングをクロスの両面に実施した。
その結果、インフレーターガス導入部の100mm幅の部分及び前記シーム部50mm幅部分の樹脂量が100g/mで、他の部分が50g/mである、クロス幅方向で厚みの異なるエアバック用基布を得ることができた。
(実施例4)
塗工用樹脂としてはシリコーン樹脂(商品名:LR6251F A&B、旭化成ワッカーシリコーン社製)を、基材クロスとしては、サイドカーテンエアバッグ用であるナイロン6,6(繊径470dtex/144フィラメント)で構成されるOPW(袋織りクロス)クロス(住商エアバッグシステムズ(株)製)を使用し、下記の塗工条件にてコーティングを実施した。即ち、コーティングはナイフコーターにてナイフ・オン・エアー法で実施した。
1回目のコーティングは、基材クロス片面全体を60g/mで均一にコーティングし乾燥・架橋させクロスを巻き取った。
2回目も1回目と同じ面をコーティングするが、インフレーターガス導入部及びデザイン上特に気密性の弱いシーム部50mm幅部分のみに樹脂を供給するようにサイドダムの位置を調整し、これらの部分を100g/mでコーティングした。
以上の方法でクロスの反対面も同様にコーティングした。その結果、インフレーターガス導入部の100mm幅の部分の樹脂量が100g/mで他の部分が60g/mである、クロス幅方向で厚みの異なるエアバック用基布を得ることができた。
(比較例1)
塗工用樹脂としてはシリコーン樹脂(商品名:DC3730 A&B、ダウコーニング社製)を、基材クロスとしてはサイドカーテンエアバッグ用であるナイロン6,6(繊径470dtex/144フィラメント)で構成されるOPW(袋織りクロス)クロス(住商エアバッグシステムズ(株)社製)を使用し、ナイフコーターにてナイフ・オン・エアー法にて基材クロス両面が共に樹脂量80g/mになるようにコーティングを実施した。
(比較例2)
塗工用樹脂としてはシリコーン樹脂(商品名:DC3730 A&B、ダウコーニング社製)を、基材クロスとしてはサイドカーテンエアバッグ用であるナイロン6,6(繊径470dtex/144フィラメント)で構成されるOPW(袋織りクロス)クロス(住商エアバッグシステムズ(株)社製)を使用し、ナイフコーターにてナイフ・オン・エアー法にて基材クロス両面が共に樹脂量 50g/mになるようにコーティングを実施した。
以上の実施例1〜4並びに比較例1及び2で得られたエアバッグ基材に関し、二重袋織部の膨張から6秒後の内圧を測定した。その結果を以下の表1に記す。
Figure 2007261380
上述したように、比較例1,2は樹脂を全体的に同じ厚さに塗工した場合であり、実施例1〜4は部分的に厚塗りした場合である。しかし、上記表1に示す結果のように、本発明品である実施例1〜4の方が、比較例1,2と比較して部分的に厚塗りした部分の以外の厚さが同等以下であるにも関わらず、部分厚塗りの効果により二重袋織部内圧の保持性に優れていることが実証されている。このことから、本発明によれば、次のような利点があることが明らかである。
1)OPW基布の各部を必要最小限の樹脂量で塗工が可能となる。その結果、塗工樹脂量が少ないことから、低コストで、且つ、エアバック特に収納スペースの限られるサイドカーテンエアバッグにとって特に必要とされる収納性が良い。
2)その上、部分厚塗り効果により、エアバッグ作動時に集中応力を受け、特に気密性が要求されるOPWシーム部の気密性が良好でインフレーターガス導入部の耐熱性・気密性が向上したサイドカーテンエアバッグ用のコーティング基布が得られる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
エアバック用基布の説明図。 エアバック用基布を製造する為の製造装置の概略図。 図2の製造装置において、基布に樹脂を塗布する場合の説明図。 エアバッグ内圧測定装置の説明図。
符号の説明
1…二重袋織部、1a,1b…織物、2…一重織部、3…接合部、4…塗工用樹脂、5…シーム部、15…ナイフコーター。

Claims (3)

  1. エアバック作動時に膨張する,織物から構成される二重袋織部と、織物からなる一重織部と、二重袋織部と一重織部との境界部に形成され,エアバック作動時に膨張しない,織物からなる接合部とを備えたエアバッグ用基布であり、
    前記二重袋織部、一重織部及び接合部は各々織物の組織が異なり、かつ二重袋織部、一重織部及び接合部の一部または数箇所が部分的に塗工用樹脂で厚塗りされていることを特徴とするエアバック用基布。
  2. エアバック作動時に膨張する,織物から構成される二重袋織部と、織物からなる一重織部と、二重袋織部と一重織部との境界部に形成され,エアバック作動時に膨張しない,織物からなる接合部とを備え、前記二重袋織部、一重織部及び接合部は各々織物の組織が異なり、かつ二重袋織部、一重織部及び接合部の一部または数箇所が部分的に塗工用樹脂で厚塗りされているエアバック用基布を製造する方法において、
    織物の一方の面に塗工用樹脂を薄塗りした後、織物の他方の面に薄塗りをし、更に織物の少なくとも一方の面に塗工用樹脂を重ね塗りし、前記二重袋織部、一重織部及び接合部一部または数箇所を部分的に厚く塗ることを特徴とするエアバック用基布の製造方法。
  3. 織物に樹脂を塗る際に樹脂の塗布量を調節するためのナイフを用い、かつナイフ形状を幅方向で曲率半径を部分的に変更することにより、二重袋織部、一重織部及び接合部の一部または数箇所を厚く塗ることを特徴とする請求項2記載のエアバッグ用基布の製造方法。
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