JP2007258375A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】p型コンタクト層とp側電極との間に良好なオーミックコンタクトを形成することが可能な半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による窒化物ガリウム系半導体発光素子の製造方法は、p型GaN層からなるp型コンタクト層24を成長させる工程と、p型コンタクト層24のp側電極6が形成される面に絶縁膜材30aを塗布した後ベーキングすることによって絶縁膜30を成膜する工程と、絶縁膜30を酸によってウェットエッチングすることによりp型コンタクト層24の表面から絶縁膜30を除去する工程とを備えている。
【選択図】図3
【解決手段】本発明による窒化物ガリウム系半導体発光素子の製造方法は、p型GaN層からなるp型コンタクト層24を成長させる工程と、p型コンタクト層24のp側電極6が形成される面に絶縁膜材30aを塗布した後ベーキングすることによって絶縁膜30を成膜する工程と、絶縁膜30を酸によってウェットエッチングすることによりp型コンタクト層24の表面から絶縁膜30を除去する工程とを備えている。
【選択図】図3
Description
本発明は、p型GaN系半導体層からなるp型コンタクト層を有する半導体素子の製造方法に関する。
従来、p側電極が形成されるp型コンタクト層にp型GaN系半導体層を適用することが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような半導体素子の製造方法としては、n型基板上にn型半導体層、活性層等を成長させた後、p型GaN系半導体層からなるp型コンタクト層を最上層に含むp型半導体層を成長させる。次に、p型コンタクト層の表面を塩酸やフッ酸等の酸によって洗浄する洗浄工程を行う。その後、p型コンタクト層上にp側電極が形成される。
このように酸によりp型コンタクト層を洗浄することによって、p型コンタクト層の表面に存在する自然酸化膜や汚染物を除去することができるので、p型コンタクト層とp側電極との間の抵抗をある程度小さくすることができる。
特許2540791号公報
しかしながら、上述の酸による洗浄工程では、p型コンタクト層の表面の自然酸化膜や汚染物の除去が充分ではないため、p型コンタクト層とp側電極との間で抵抗を充分に小さくすることができず、良好なオーミックコンタクトを形成することができないといった問題点があった。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、p型コンタクト層とp側電極との間に良好なオーミックコンタクトを形成することが可能な半導体素子の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、p型GaN系半導体層からなりp側電極が形成されるp型コンタクト層を成長させる工程と、前記p型コンタクト層の前記p側電極が形成される面に絶縁膜材を塗布することによって絶縁膜を成膜する工程と、前記絶縁膜を酸によってウェットエッチングすることによりp型コンタクト層の表面から前記絶縁膜を除去する工程とを備えたことを特徴とする半導体素子の製造方法である。尚、ここでいう絶縁膜材を塗布するとは、絶縁膜材を滴下した後スピンコートによって塗布することや、絶縁膜材をスプレーなどによって塗布することを含む。
本発明によれば、p型コンタクト層のp側電極が形成される面に、絶縁膜を形成した後、BHF溶液によって絶縁膜を除去しているので、絶縁膜に自然酸化膜及び汚染物を吸着させて、p型コンタクト層の当該面上の自然酸化膜等を絶縁膜と共に除去することができる。これによって、酸のみによってp型コンタクト層の当該面を洗浄することにより自然酸化膜等を除去する場合に比べて、より多くの自然酸化膜等をp型コンタクト層の当該面上から除去することができる。この結果、p型コンタクト層とp側電極との間の抵抗値を低減し、良好なオーミックコンタクトを形成することができる。
また、プラズマCVD法等によってp型コンタクト層の面上に絶縁膜を形成した場合は、絶縁膜を除去した後のp型コンタクト層の表面に多くのダメージが形成されp型コンタクト層とp側電極との間の抵抗値が極めて大きくなるが、本発明では、絶縁膜材を塗布することによってp型コンタクト層上に絶縁膜を形成しているので、p型コンタクト層上のダメージを防ぐことができる。これにより、p型コンタクト層とp側電極との間の抵抗値を、更に低減して、良好なオーミックコンタクトを形成することができる。
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本発明の半導体素子の製造方法によって製造された窒化ガリウム系半導体発光素子の断面構造を示す。
図1に示すように、窒化ガリウム系半導体発光素子1は、n型のGaN基板2上に、n型半導体層3、活性層4、p型半導体層5が順次積層されている。また、p型半導体層5の上面には、金属製のp側電極6が形成されると共に、n型半導体層3には、後述するn型コンタクト層11にn側電極(図示略)が形成されている。
n型半導体層3は、GaN基板2側から順に、n型GaN層からなるn型コンタクト層11、約25Åの厚みのn型Al0.16Ga0.84N層及び約25Åの厚みのn型GaN層が各260層積層された約13000Åの厚みのn型超格子クラッド層12、約700Åの厚みのn型GaN層からなるn型ガイド層13、n型InGaN層とn型GaN層が交互に複数積層されたn型超格子層14が順次積層されている。
活性層4は、Inの組成比の異なる2つのInGaN層からなる障壁層及び井戸層が交互に複数積層されている。
p型半導体層5は、活性層4側から順に、約200Åの厚みのAl0.2Ga0.8N層からなるp型電子バリア層21、約1000Åの厚みのp型ガイド層22、約25Åの厚みのp型Al0.16Ga0.84N層及び約25Åの厚みのp型GaN層が各80層積層された約4000Åの厚みのp型超格子クラッド層23、約500Åの厚みのp型GaN層からなるp型コンタクト層24が順次積層されている。
この窒化ガリウム系光半導体発光素子1では、n側電極及びp側電極6からキャリアが供給されると、n型半導体層3及びp型半導体層5を介して、活性層4に注入される。そして、活性層4に注入されたキャリアが結合することによって、光を発光する。
次に、上述した窒化ガリウム系半導体発光素子の製造方法について、図2〜図5を参照して説明する。図2〜図5は、実施形態に係る窒化ガリウム系半導体発光素子の各製造工程の断面構造を示す図である。
まず、図2に示すように、MOCVD法等の既知の方法によって、n型のGaN基板2を約1050℃の成長温度に保持した状態で、GaN基板2上に、n型コンタクト層11、n型超格子クラッド層12、n型ガイド層13を順次成長させる。次に、GaN基板2を約780℃の成長温度に下げてn型超格子層14、活性層4を順次成長させた後、GaN基板2を約1070℃の成長温度まで上げてp型電子バリア層21を成長させる。次に、GaN基板2を約1000℃の成長温度まで下げてp型ガイド層22を成長させた後、GaN基板2を約1050℃の成長温度まで上げてp型超格子クラッド層23を成長させる。次に、GaN基板2を約1000℃の温度に下げた状態で、約500Åの厚みのp型GaN層からなるp型コンタクト層24を成長させる。
次に、p型コンタクト層24上にSiO2からなる約1000Åの厚みの絶縁膜30を塗布及びベーキングすることによって成膜する。具体的には、図3に示すように、ジブチルエーテル溶液にポリシラザンを溶解させた絶縁膜材30aをp型コンタクト層24上に滴下する。次に、図4に示すように、スピンコート法によって絶縁膜材30aをp型コンタクト層24の上面に渡って延ばして塗布したものを加水分解又は重縮合反応させた後、多段階ベーキングを行うことによってSiO2からなる絶縁膜30を成膜する。多段階ベーキングは、成膜する絶縁膜30によって異なるが、例えば、約220℃で2分間行った後、約350℃で約2分間行い、最後に、約400℃で30分間行う多段階ベーキングを適用することができる。尚、絶縁膜30の厚みを1000Å以上にする場合には、上述した絶縁膜の形成工程を複数回行ってもよいが、絶縁膜30の厚みは10000Å以下にすることが望ましい。このように、絶縁膜30を10000Å以下にすることによって、p型コンタクト層24と絶縁膜30との熱膨張率の違いに起因する、p型コンタクト層24のクラック等の破損を防止することができる。
次に、図5に示すように、約14.9%の濃度を有する約25℃のBHF(一水素二フッ化アンモニウム)溶液でウェットエッチングすることにより、p型コンタクト層24上から絶縁膜30を除去する。このように絶縁膜30を成膜した後ウェットエッチングによって除去することによって、p型コンタクト層24のp側電極6が形成される面上の多くの自然酸化膜や汚染物を絶縁膜30と共に除去することができる。
次に、p側電極6を既知の方法によって形成した後、電子線照射やアニーリングによってオーミックコンタクトを形成する。最後にn側電極を形成して、窒化ガリウム系半導体発光素子1が完成する。
上述したように本発明による窒化ガリウム系半導体発光素子の製造方法では、p型コンタクト層24のp側電極6が形成される面に、絶縁膜30を形成した後、BHF溶液によって絶縁膜30を除去しているので、酸のみによって自然酸化膜等を除去する場合よりも、p型コンタクト層24の当該面上の多くの自然酸化膜及び汚染物を絶縁膜30と共に除去することができる。これによって、p型コンタクト層24とp側電極6との間の抵抗値を低減し、良好なオーミックコンタクトを形成することができる。
また、プラズマCVD法等によってp型コンタクト層上に絶縁膜を形成した場合は、絶縁膜を除去した後のp型コンタクト層の表面に多くのダメージが形成され、p型コンタクト層とp側電極との間の抵抗値が極めて大きくなるが、本実施形態の製造方法では、絶縁膜材30aを塗布することによってp型コンタクト層24上に絶縁膜30を形成しているので、p型コンタクト層24上のダメージを防ぐことができる。これにより、p型コンタクト層24とp側電極6との間の抵抗値を、更に低減して、良好なオーミックコンタクトを形成することができる。
次に、図面を参照して、p型コンタクト層上に絶縁膜を形成することによって、p型コンタクト層とp側電極との間の抵抗値が低減する効果を証明するために行った実験について説明する。
まず、上述の実験を行うために作製した本発明及び比較例による試料について説明する。図6は、実験のために作製した試料の断面構造を示す図である。
図6に示すように、試料41は、n型GaN層42と、n型GaN層42上に形成されたp型GaN層43を備えている。p型GaN層43には、Pd及びAuからなるp側電極44が形成されると共に、n型GaN層42には、Ti及びAlからなるn側電極45が形成されている。
この試料41は、n型GaN層42上にp型GaN層43及びPd/Auからなるp側電極44を順次積層した後、p側電極44、p型GaN層43及びn型GaN層42の一部をメサエッチングし、露出したn型GaN層42の一部にTi/Alからなるn側電極45を形成することによって、作製した。
ここで本発明による試料41は、p型GaN層43を形成した後、p側電極44を形成する前に、上述の実施形態で説明した製造方法に基づいて、約1000Åの絶縁膜を形成した後、BHF溶液でその絶縁膜をウェットエッチングすることにより除去した。一方、比較例の試料は、p型GaN層43を形成した後、絶縁膜を形成することなく、BHF溶液でのみp型GaN層43を洗浄して、p側電極44を形成した。
次に、図7を参照して実験結果について説明する。図7は、試料に流した電流と電圧との関係を示す図である。尚、横軸が流した電流を示し、縦軸がその際の電圧を示す。この実験は、p側電極44とn側電極45との間に流す電流の電流値を徐々に上げ、各電流値での電圧値を測定した。
図7に示すように、p型GaN層43に絶縁膜を形成した本発明による試料41は、p型GaN層43に絶縁膜を形成しなかった比較例の試料に比べて抵抗値が低いことがわかる。これは、p型GaN層43を形成した後、絶縁膜を形成せずにp側電極44を形成した比較例による試料は、p型GaN層43とp側電極44との間に自然酸化膜や汚染物が除去されずに残ったので抵抗値が高くなったと考えられる。一方、本発明による試料41は、絶縁膜をp型GaN層43に形成した後、絶縁膜を除去することによって、自然酸化膜や汚染物を除去することができたので、抵抗値を低減することができたと考えられる。
以上、上記実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲内で変更して実施することができる。即ち、本明細書の記載は、一例であり、本発明を何ら限定的な意味に解釈させるものではない。以下、上記実施形態を一部変更した変更形態について説明する。
例えば、上述の実施形態では、SiO2からなる絶縁膜30を用いたが、他の酸化物又はSiN等の窒化物からなる絶縁膜を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、絶縁膜30を除去する酸として、BHF溶液を用いたが、BHF溶液の代わりにフッ酸系溶液等の他の酸を用いることもできる。
また、上述の実施形態では、絶縁膜材30aを滴下した後、塗布したが、スプレー等によって絶縁膜材30aをp型コンタクト層24上に塗布してもよい。また、絶縁膜材を塗布した後、電子線や紫外線を照射することによって絶縁膜を形成してもよい。
また、上述の実施形態では、p型コンタクト層24をp型GaN層によって構成したが、p型InGaN層等、他のp型GaN系半導体層によって構成してもよい。
1 窒化ガリウム系半導体発光素子
2 GaN基板
3 n型半導体層
4 活性層
5 p型半導体層
6 p側電極
11 n型コンタクト層
12 n型超格子クラッド層
13 n型ガイド層
14 n型超格子層
21 p型電子バリア層
22 p型ガイド層
23 p型超格子クラッド層
24 p型コンタクト層
30 絶縁膜
30a 絶縁膜材
2 GaN基板
3 n型半導体層
4 活性層
5 p型半導体層
6 p側電極
11 n型コンタクト層
12 n型超格子クラッド層
13 n型ガイド層
14 n型超格子層
21 p型電子バリア層
22 p型ガイド層
23 p型超格子クラッド層
24 p型コンタクト層
30 絶縁膜
30a 絶縁膜材
Claims (1)
- p型GaN系半導体層からなりp側電極が形成されるp型コンタクト層を成長させる工程と、
前記p型コンタクト層の前記p側電極が形成される面に絶縁膜材を塗布することによって絶縁膜を成膜する工程と、
前記絶縁膜を酸によってウェットエッチングすることによりp型コンタクト層の表面から前記絶縁膜を除去する工程とを備えたことを特徴とする半導体素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006079519A JP2007258375A (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | 半導体素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006079519A JP2007258375A (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | 半導体素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007258375A true JP2007258375A (ja) | 2007-10-04 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011086755A1 (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-21 | 住友電気工業株式会社 | 半導体素子及び半導体素子を作製する方法 |
-
2006
- 2006-03-22 JP JP2006079519A patent/JP2007258375A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011086755A1 (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-21 | 住友電気工業株式会社 | 半導体素子及び半導体素子を作製する方法 |
JP2011146636A (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-28 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 半導体素子及び半導体素子を作製する方法 |
CN102414848A (zh) * | 2010-01-18 | 2012-04-11 | 住友电气工业株式会社 | 半导体元件及制作半导体元件的方法 |
US8227898B2 (en) | 2010-01-18 | 2012-07-24 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Ohmic contact on a p-type principal surface tilting with respect to the c-plane |
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