JP2007258226A - 半導体集積回路 - Google Patents

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Hiroshi Seki
浩 関
Hiroshi Tokiwai
弘志 常盤井
Toshiyuki Takahane
利幸 高羽
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Abstract

【課題】 電源遮断対象の回路ブロックへの電源供給や、電源遮断を制御する電源制御信号線の配置や電源制御信号のタイミングを最適化した半導体集積回路の提供。
【解決手段】 低電力モード中には特定回路ブロック32への電源供給が遮断される半導体集積回路は、特定回路ブロックを囲んで配置され、通常及び低電力モード中に電源電圧が供給される環状電源配線50と、環状電源配線と特定回路ブロック内の電源配線とを接続する、電源中継配線34と、低電力モード時にアクティブ電位となる電源制御信号CTRLを供給する電源制御信号線42と、電源中継配線34途中に配置され、電源制御信号に基づいて、電源電圧の供給を遮断する電源スイッチ36と、特定回路ブロックの複数の出力信号線に接続され低電力モード時に、特定回路ブロックからの複数の出力信号が不定となって伝播することを防止する出力不定防止回路40とを、一つのマクロブロック30内に収容した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体集積回路に関する。特に、通常動作モードでは複数の回路ブロックに電源供給され、低電力モード中には、複数の回路ブロック中の特定回路ブロックへの電源供給が遮断される半導体集積回路に関する。
特に携帯機器など電池駆動の機器に用いられる半導体集積回路では、スタンバイ時またはアクティブ時に低消費電力化して、バッテリーなどの電力消費を低下したいニーズがある。従来、メモリではデータリテンションモードとして供給電圧を下げ、低消費電力対策としたものがある。さらなる要望として、メモリ等の特定回路ブロックへは電源供給を遮断するというニーズがある。復帰後は再度データを書き込むのでデータ保持も不要である等の場合である。
特許文献1は、低電力モード時に第1回路ブロックへの電源供給が遮断されて、第1回路ブロックの出力がフローティングとなっても、その出力を受ける第2回路ブロックにて貫通電流が流れないようにした技術が開示されている。
特開2004−248143号公報
特許文献1の技術では、電源スイッチ、フローティング防止回路、それらを制御するスイッチ制御信号線の引き回しなど、チップ設計者の負担が増える。単に回路設計上の負担であれば時間が解決するが、引き回されるスイッチ制御信号の配線負荷や、引き回しによる配線負荷の増大により増設される波形整形用のバッファ回路の存在に起因して、スイッチ制御信号が遅延する。スイッチ制御信号の遅延により、フローティング防止回路が誤動作し、論理シミュレーションの困難化を招く。フローティング防止回路が誤動作すると、本来の目的である貫通電流の防止もできなくなる。
また、電源遮断対象の負荷によって、電源配線幅を設計する必要があり、自動配置配線法による配線は困難となる。
本発明は、電源遮断対象の回路ブロックへの電源供給や、電源遮断を制御する電源制御信号線の配置や電源制御信号のタイミングを最適化でき、チップ設計が容易であって、論理シミュレーションも複雑化しない半導体集積回路を提供することにある。
本発明は、複数の回路ブロックを有し、通常動作モードでは前記複数の回路ブロックに電源供給され、低電力モード中には、前記複数の回路ブロック中の特定回路ブロックへの電源供給が遮断される半導体集積回路において、前記特定回路ブロックと、前記特定回路ブロックを囲んで配置され、前記通常動作モード及び前記低電力モード中に電源電圧が供給される環状電源配線と、前記環状電源配線と前記特定回路ブロック内の電源配線とを接続する、前記環状電源配線よりも線幅の広い電源中継配線と、前記低電力モード時にアクティブ電位となる電源制御信号を供給する電源制御信号線と、前記電源中継配線途中に配置され、前記電源制御信号に基づいて、前記電源電圧の供給を遮断する電源スイッチと、前記特定回路ブロックの複数の出力信号線に接続され、前記通常動作モードでは前記特定回路ブロックからの複数の出力信号が出力され、前記低電力モード時に、前記複数の出力信号が不定となって伝播することを防止する出力不定防止回路とを、一つのマクロブロック内に収容したことを特徴とする
本発明では、マクロブロック内に配置された電源制御信号配線は他の回路ブロックまで引き回さなくても良いので、必要に応じて用意される電源制御信号の波形整形用バッファの設置や、そのバッファ及び配線負荷に起因した信号遅延を、マクロブロックの中で最適化できる。このため、スタンバイモード等の低電力モード時に特定回路ブロックからの出力が不定となることを確実に防止でき、論理シミュレーションを単純化できる。さらに、マクロブロック内では、環状電源配線や、その環状電源配線から電源スイッチ経由で特定ブロックに電源電圧を中継供給する電源中継線の配置や線幅を、特定ブロック内の負荷に応じて最適化できる。チップ設計者は、マクロブロックで完結している要素には配慮せずに、他の回路ブロックの配置や配線に自動配置配線法をできる限り使用でき、マクロブロック内に収容された電源制御配線や電源現配線の配置や線幅を考慮しなくても良い。
このように、チップ設計者は、低電力モードに必要な要素はマクロブロック内で完結しているので、電源スイッチがオンされた低電力モードでの動作を考慮せずにチップ設計することができる。
本発明において、前記出力不定防止回路は複数の論理ゲートを有し、前記複数の論理ゲートの各々には、前記複数の出力信号の各一つと、前記電源制御信号とが入力され、前記電源制御信号を前記電源スイッチ及び前記出力不定防止回路に供給する前記電源制御信号配線を、前記一つのマクロブロック内に配置できる。
本発明では、前記低電力モードでは、前記電源スイッチの出力側の前記電源中継配線には、前記電源スイッチの制御により、前記電源電圧に代えて、前記電源制御信号のアクティブ電位である接地電位を供給できる。この場合には、前記出力不定防止回路は複数の論理ゲートを有し、前記複数の論理ゲートの各々には、前記複数の出力信号線の各1本と、前記電源スイッチの出力側の前記電源中継配線が接続され、前記電源スイッチの出力側より前記出力不定防止回路に至る前記電源中継配線を、前記一つのマクロブロック内に配置すればよい。つまり、電源制御信号線を出力不定防止回路まで延長しなくても良い。
本発明では、前記特定回路ブロックと前記出力不定防止回路とを結ぶ前記複数の出力信号線途中に遅延回路を設け、前記低電力モードに移行後に前記特定回路ブロックの前記複数の出力信号が不定となって前記出力不定防止回路に到達する前に、前記電源制御信号のアクティブ電位が前記出力不定防止回路に到達するようにして、前記出力不定防止回路の出力論理を固定することができる。こうして、出力不定防止回路の誤動作を防止するタイミング合わせを、マクロブロック内で完結できる。
本発明では、前記出力不定防止回路は、前記低電力モード時に、前記特定回路ブロックの前記複数の出力信号が不定となる前の電位をラッチするラッチ回路を有し、前記低電力モード時には前記ラッチ回路の出力電位に固定することができる。こうすると、電源遮断時から電源復帰にかけて、電源遮断前の出力信号の論理を維持することができる。
本発明では、前記出力不定防止回路は、前記電源制御信号のアクティブ電位及びノンアクティブ電位をクロックとし、前記ノンアクティブ電位のクロックにより前記複数の出力信号線の1本の信号論理を反転して出力するクロックドインバータと、前記クロックドインバータの出力線に接続されたループ配線途中に設けられたラッチ素子と、前記ループ配線途中に設けられ、前記電源制御信号線のアクティブ電位により前記ループ配線を閉鎖し、前記電源制御信号線のノンアクティブ電位により前記ループ配線を開放するスイッチとを有することができる。
クロックドインバータに電源制御信号のノンアクティブ電位が入力されると、出力信号の論理を反映させた出力が出力不定防止回路から得られる。一方、電源制御信号がアクティブ電位となる低電力モードでは、スイッチによってループ配線が閉じられ、ラッチ素子により低電力モード前のクロックドインバータの出力がラッチされ、そのラッチ出力により出力不定防止回路の出力を電位固定できる。
本発明では、前記特定回路ブロックはメモリ回路であり、前記電源中継配線の線幅は、前記メモリ回路が、前記一つのマクロブロック内に収容できる最大メモリ容量である時に適合する線幅に合わせて設計することができる。それに加えて、あるいはそれとは別個に、前記電源スイッチが基本セルにて形成され、前記メモリ回路のメモリ容量に従って1または複数の電源スイッチを配置することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る半導体集積回路の一部を示す回路図である。図1には、I/Oセル10を介して入力される電源電位VDDを供給する電源供給線12と、I/Oセル14を介して入力される接地電源電位VSSを供給する接地電源供給線16とが示されている。図1では、電源供給線12及び接地電源供給線16に接続された複数の回路ブロックとして、第1のロジック回路20、第2のロジック回路22及びRAMブロック(広義には特定ブロック)32が示されている。
RAMブロック32は、通常動作モードでは、第1のロジック回路20から複数の入力信号が供給されると、第2のロジック回路22に複数の出力信号を供給する。このRAMブロック32は、IP(Intellectual Property)ブロックとも称される機能ブロックの一つであり、低電力モード時には電源供給が遮断される。このために、電源供給線12とRAMブロック32内の電源配線とを結ぶVDD中継線(広義には電源中継線)34途中には、電源スイッチ36が配置されている。この電源スイッチ36は、低電力モード時にアクティブ電位(本実施形態ではLOWアクティブであるが、HIGHアクティブでもよい)となる電源制御信号CTRLに基づいて、電源電圧VDDの供給を遮断する。
また、RAMブロック32の出力段には出力不定防止回路40が設けられている。この出力不定防止回路40は4つの論理ゲート40Aを有する。4つの論理ゲート40Aの各々は、4本の第1の出力信号線38の1本と電源制御信号線42とが入力段に接続され、第2の出力信号線44が出力段に接続される。この出力不定防止回路40は、低電力モード時に、RAMブロック32からの4つの出力信号/O1〜/O4が不定となって第2のロジック回路22に第2の出力信号OUT1〜OUT4として伝播することを防止するものである。なお、出力不定防止回路40は、通常動作モードでは、第1の出力信号/O1〜/O4の論理を出力する。
ここで、RAMブロック32、VDD中継線34、出力不定防止回路40、電源制御信号線42などは、一つのマクロブロック30に配置されている。
図2は、マクロブロック30内の具体的レイアウトを示している。図2において、RAMブロック32を囲んで、通常動作モード中に電源電圧が供給される環状VDD電源配線(広義には環状電源配線)50と、環状VSS配線52が設けられている。この環状VDD配線50及び環状VSS配線52には、自動配置配線法によって、図1に示す電源供給線12及び接地電源供給線16が複数ポイントで接続される。
マクロブロック30内では、環状VDD配線50とRAMブロック32内のVDD配線(図示せず)とを中継接続する例えば2本のVDD中継線34が設けられている。そして、各1本のVDD中継配線34の途中に電源スイッチ36が設けられている。本実施形態では2つの電源スイッチ36を設けているが、一つでも良く、三つ以上設けてもよい。電源スイッチ36の数は、RAMブロック32に流れる電流の大きさによって定まるVDD中継配線34の本数と一致する。半導体集積回路の仕様に応じて、RAMブロック32のメモリ容量は種々の種類が用意されている。どのメモリ容量のRAMブロック32が搭載されても、設計を簡易化するためにVDD中継線34の線幅を一定とすることができる。この場合、VDD中継線34の線幅は、マクロブロック30内に収容できる最大メモリ容量のRAMブロック32に適合するように、環状VDD配線50よりも幅広に形成することができる。こうすると、メモリ容量が小さくなっても、同じ線幅のVDD中継線34で統一できる。また、電源スイッチ36も基準セル化しておくと、RAMブロック32のメモリ容量、つまり消費電流に応じて基準セル化された電源スイッチ36の個数を増加させることができる。これにより、種々のメモリ容量のRAMブロック32に応じたマクロセル30の設計時間が短縮される。
VSS中継線54は、環状VSS配線をRAMブロック32内のVSS配線に中継接続するために設けられている。
マクロブロック30には、上述した出力不定防止回路40と、この出力不定防止回路40及び電源スイッチ32に電源制御信号CTRLを供給する電源制御信号線42が配置されている。
次に、出力不定防止回路40の各論理ゲート40Aについて、図3に具体的回路の一例を示す。本実施形態では、低電力モードでアクティブ電位LOW(VSS)となり、通常動作モードでノンアクティブ電位HIGH(VDD)となる電源制御信号CTRLを用いている。この場合、論理ゲート40Aは、図1及び図2に示すアンドゲートで構成しても良いし、図3に示すナンドゲート40Bとインバータ40Cとを直列接続して構成しても良い。この論理ゲート40Aの真理値表によれば、電源制御信号CTRLがノンアクティブ電位HIGH(VDD)であると、RAMブロック32の第1の出力信号線38からの出力信号(/O1〜/O4のいずれか一つ)の論理(HIGHまたはLOW)がそのままスルーして出力される。一方、電源制御信号CTRLがアクティブ電位LOW(VSS)であると、RAMブロック32の第1の出力信号線38からの出力信号(/O1〜/O4のいずれか一つ)の論理が電源遮断により不定となっても、論理ゲート40Aの第2の出力信号線44からの出力信号(OUT1〜OUT4のいずれか)はLOW固定され、不定とはならない。
図4は、出力不定防止回路の各論理ゲート40Aの他の一例を示している。図4に示す論理ゲート40Aは、低電力モード時に、RAMブロック32の第1の出力信号(/O1〜/O4のいずれか)が不定となる前の電位をラッチするラッチ回路60を有し、低電力モード時には低電力モード移行前の第1の出力信号線38の電位に出力固定するものである。
図4において、論理ゲート40Aは、電源制御信号CTRLのアクティブ電位LOW及びノンアクティブ電位HIGHをクロックとし、ノンアクティブ電位HIGHのクロックにより第1の出力信号線の信号論理(/O1〜/O4のいずれか)を反転して出力するクロックドインバータ62と、クロックドインバータ62の出力線に接続されたループ配線64途中に設けられた2つのインバータ66,68(広義にはラッチ素子)と、ループ配線64途中に設けられ、電源制御信号線CTRLのアクティブ電位LOWによりループ配線64を閉鎖し、電源制御信号線CTRLのノンアクティブ電位HIGHによりループ配線64を開放するトランスミッションゲート(広義にはスイッチ)70とを有する。なお、ラッチ回路60は、ループ配線64とラッチ素子66,68で構成されている。また、ループ配線64の出力段にはインバータ72が接続されている。
図4に示すクロックドインバータ62は、電源制御信号CTRLがノンアクティブ電位HIGHである通常動作モードでは、VDD−VSS間に直列接続された2つのP型トランジスタP1,P2及び2つのN型トランジスタN1,N2のうち、VDD側のP型トランジスタP1と、VSS側のN型トランジスタN2とが常時オンしている。よって、電源制御信号CTRLがノンアクティブ電位HIGHであると、第1の出力信号線38からの出力信号(図4では例えば/O1)の論理が反転されて出力される。この通常動作モードでは、トランスミッションゲート70はオフするのでループ配線64は開放状態である。従って、2つのインバータ66,68はバッファとして機能する。このため、クロックドインバータ62の出力は、バッファ66,68を介してインバータ72にて反転されるので、出力信号/O1の論理がそのまま出力される。
一方、図4に示すクロックドインバータ62は、電源制御信号CTRLがアクティブ電位LOWである低電力モードでは、P型トランジスタP1及びN型トランジスタN2は共にオフされ、第1の出力信号/O1の論理に拘わらずクロックドインバータ62の出力はフローティングとなる。このとき、トランスミッションゲート70がオンされてループ配線64が閉鎖されるので、ループ配線64途中の2つのインバータ66,68はラッチ素子として機能する。よって、低電力モードへの移行直前のクロックドインバータ62の出力電位がラッチ回路60にてラッチされ、そのラッチ出力がインバータ72で反転された電位に出力固定される。こうして、低電力モード時には、第2の出力信号線44を、低電力モード移行前の第1の出力信号線38の電位に出力固定できる。
ここで、図3の場合も図4の場合も、低電力モード後に第1の出力信号線38からの出力信号/O1が不定となる前に、第2の出力信号線44の出力信号OUT1が電位固定されなければならない。マクロブロック30は、ブロック内を最適化できるように設計されるので、低電力モードでは必ず第2の出力信号線44の出力信号OUT1が電位固定されるように、アクティブ電位となった電源制御信号CTRLが、不定となった第1の出力信号/O1よりも先に論理ゲート40Aに到達するように、タイミング合わせがなされている。必要があれば、図3または図4に示すように、第1の出力信号線38途中に、バッファ回路などで構成される遅延回路80を配置することができる。
図5は、電源スイッチ36の一例を示している。図5において、入力側の電源中継線34Aと出力側の電源中継線34Bとの間には、トランスミッションゲート90が設けられている。このトランスミッションゲート90には、N型トランジスタ90Aのゲートに電源制御信号CTRLが、P型トランジスタ90Bのゲートに電源制御信号CTRLがインバータ92で反転された信号/CTRLが入力される。出力側の電源中継線34Bと接地端との間にはN型トランジスタ94が接続され、そのゲートにはインバータ92の出力/CTRLが入力される。
図5に示す電源スイッチ36は、通常動作モードでは、電源制御信号CTRLがノンアクティブ電位HIGH(VDD)であるので、トランスミッションゲート90はオン、N型トランジスタ94はオフされるので、RAMブロック32には電源電圧VDDが供給される。一方、低電力モードでは、電源制御信号CTRLがアクティブ電位LOW(VSS)になるので、トランスミッションゲート90はオフされる。これにより、N型トランジスタ94はオンされ、RAMブロック32には電源電圧VDDは供給されず、出力側の電源中継線34Bは接地される。この結果、RAMブロック32への電源供給が遮断される。
電源スイッチ36は、図6に示すように構成しても良い。図6では、2つインバータ100,102にて構成されるバッファ回路が設けられている。前段のインバータ100は電源制御信号CTRを反転出力する。後段のインバータ102は、入力側の電源中継線34Aにより電源供給され、前段のインバータ100の出力/CTRLを反転出力して、出力側の電源中継線34Bに供給する。ここで、前段のインバータ100よりも電流供給能力が大きく設計されることで、RAMブロック32内の負荷容量に見合った電流が供給される。図6の電源スイッチ36では、電源制御信号CTRLの論理レベルが出力側の電源中継線34Bに現れるので、通常動作モードではノンアクティブ電位HIGH(VDD)が、低電力モードではアクティブ電位LOW(VSS)を供給できる。
次に、本実施形態の半導体集積回路を、図7に示す比較例と対比して、本実施例の作用・効果について説明する。図7に示す比較例は、図1の本実施形態と回路構成は同じであるが、RAMブロック32のみがマクロブロック化されている点で、図1とは異なる。このため、図7では、出力不定防止回路40は第2のロジック回路22内に配置され、この出力不定防止回路40に接続される電源制御信号線110が引き回し配線されている。
図7の比較例でも、低電力モード時に、電源制御信号CTRL(LOWアクティブ)によって、電源スイッチ36によりRAMブロック32への電源供給を遮断できる。また、電源遮断時に、RAMブロック32からの第1の出力信号線ロジック2の入力が不定となっても、出力不定防止回路40により第2のロジック回路22への入力は不定とならない。
しかし、図7の比較例では、電源制御信号線110を第2のロジック回路22まで引き回す必要があるため、配線負荷が大きくなる電源制御信号線110途中にバッファ回路を追加して波形整形する必要がある。この場合、図3及び図4にて説明したように、電源制御信号CTRLの遅延は出力不定防止回路40の論理ゲート40Aを誤動作させるので好ましくない。これを避けるためには、RAMブロック32からの第1の出力信号線38の出力信号/O1等をさらに遅延させる必要があり、バッファ回路がさらに増えるという第1の問題が生ずる。
このように、図7の比較例では、電源制御信号線110及び第1の出力信号線38にバッファ回路が増設されるので、その分面積を確保しなければならない。しかも、電源制御信号線110を第2のロジック回路22まで引き回す必要があるため、さらに面積が増大するという第2の問題が生ずる。
この点、図1に示す本実施形態では、マクロブロック30内で電源制御信号線42及び第1の出力信号線38の各遅延量及び配線レイアウトが最適化できるので、図7の比較例のような第1及び第2の問題は生じない。
図7の比較例ではさらに、RAMブロック32に接続される電源配線を自動配置配線法では設計できないという第3の問題が生ずる。つまり、チップ設計者は、RAMブロック32のメモリ容量に応じた電圧降下を見込んで、RAMブロック32の容量に適合する電源配線の配線幅に設計して、消費電流に見合う設計幅としなければならないからである。このような設計はマニュアルでの配線設計でしか対応できない。
この点、図1に示す本実施形態では、電源配線をマクロブロック30内で最適化できるので、RAMブロック32に対する電源配線に関するチップ設計者の負担はない。
上述した第1の問題にて指摘したように、電源制御信号線110と第1の出力信号線38での遅延量の設計は試行錯誤的になるので、低電力モード時に電源制御信号CTRLが遅延した場合には、第2のロジック回路22に不定出力が供給されるので、論理シミュレーションでも不定出力が伝播されることになる。そうなると、論理検証が複雑となり、原因を突き止めた後の設計変更へのフィードバックが度重なりなり、時間と費用が増大する。また、検証しきれずに不良原因が残存すると、例えば第2のロジック回路22内のインバータへの入力が不定となって、インバータにて貫通電流が流れるという不具合が内在してしまう。
この点、本実施形態では、マクロブロック30内にて出力不定防止回路40での正常動作が担保できるように最適設計できるので、論理シミュレーションの信頼性も高い。
図8及び図9は、本実施形態を適用した半導体集積回路の平面図である。図8の半導体集積回路は大容量RAMであり、周辺の入出力セル120の内側に、それぞれ図2に示すRAMブロック32、電源スイッチ36、出力不定防止回路40、VDD電源中継線34、電源制御信号線42、環状電源線50,52、VSS中継線54を含んだ6つのマクロブロック30を有する。図8では、6つのマクロセル30以外にはデュアルPLLブロック130,132や、例えばゲートアレイにより形成される各種ロジック回路が形成されているが、これらは電源遮断の必要がないものである。
一方、図9に示す半導体集積回路は、2つのマクロブロック140,140を有し、各マクロセル140では、図8に示す3つ分のマクロブロック30とその周辺ロジック回路を含めてブロックされている。さらに、デュアルPLLブロック130,132もそれぞれ電源遮断できるように、図2に示す電源スイッチ36等と共にPLL回路をマクロブロック化することができる。デュアルPLLブロック130,132の一方を電源遮断するニーズがあるからである。このように、電源遮断する対象としては、RAMなどのメモリに限らず、デュアルPLL回路など、電源遮断するニーズのある各種回路を対象とすることができる。
なお、本発明の実施形態について説明したが、本発明の発明特定事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形例が可能であることは当業者には容易に理解できる。従って、このような変形例は全て本発明の範囲内に含まれるものである。例えば、本明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な用語と共に記載された異なる用語は、本明細書又は図面のいかなる箇所においても、その広義または同義の用語に置き換えることができる。
上述した本実施形態では、電源制御信号CTRLはLOWアクティブとしたが、HIGHアクティブとしてもよい。この場合、出力不定防止回路40の論理ゲート40Aを構成する図3または図4の構成や、電源スイッチ36を構成する図5または図6の構成を、論理が合うように変更すればよい。
電源制御信号CTRLをLOWアクティブとした場合には、図1に代えて図10に示す構成を採用しても良い。つまり、図10に示すように、出力不定防止回路40を構成する論理ゲート40Aには、電源制御信号CTRLを入力させる代わりに、電源制御信号CTRLと同じ論理レベルとなる、電源スイッチ36の出力側の電源中継線34Bを接続しても良い。このようにしても、電源中継線34Bの電位は、通常動作モードではVDD電位であり、低電力モードではVSS電位であり、それぞれ電源制御信号CTRLのノンアクティブ電位VDD、アクティブ電位VSSと同じである。よって、図1と図10の出力不定防止回路40の同一動作となる。
本発明の一実施形態である半導体集積回路の一部を示す図である。 図1に示すマクロブロックの詳細を示す図である。 図2に示す出力不定防止回路の一つの論理ゲートの具体的回路例を示す図である。 図3の変形例としてのラッチ付きの論理ゲートを示す図である。 図2に示す電源スイッチの一例を示す回路図である。 図5の変形例である電源スイッチの回路図である。 図1の比較例の図である。 図2のマクロブロックを含む半導体集積回路の平面図である。 図8とは異なる半導体集積回路の平面図である。 図1の出力不定防止回路に接続される電源制御線を電源スイッチからの電源中継線に置き換えた変形例を示す図である。
符号の説明
10,14 I/Oセル、12 VDD電源供給線、16 VSS電源供給線、20 第1のロジック回路、22 第2のロジック回路、30 マクロブロック、32 RAMブロック(特定回路ブロック)、34 VDD中継線(電源中継線)、36 電源スイッチ、38 第1の出力信号線(出力信号線)、40 出力不定防止回路、40A 論理ゲート、40B ナンドゲート、40C インバータ40C、42 電源制御信号線、44 第2の出力信号線、50 環状VDD配線(環状電源配線)、52 環状VSS配線、54 VSS中継線、60 ラッチ回路、62 クロックドインバータ62、64 ループ配線、66,68 インバータ(ラッチ素子)、70 トランスミッションゲート(スイッチ)、72 インバータ、P1,P2 P型トランジスタ、N1,N2 N型トランジスタ、80 遅延回路、90 トランスミッションゲート、90A N型トランジスタ、90B P型トランジスタ、92 インバータ、94 N型トランジスタ、100,102 インバータ、110 電源制御信号線、120 入出力セル、130,132 デュアルPLLブロック、140 マクロブロック

Claims (8)

  1. 複数の回路ブロックを有し、通常動作モードでは前記複数の回路ブロックに電源供給され、低電力モード中には、前記複数の回路ブロック中の特定回路ブロックへの電源供給が遮断される半導体集積回路において、
    前記特定回路ブロックと、
    前記特定回路ブロックを囲んで配置され、前記通常動作モード及び前記低電力モード中に電源電圧が供給される環状電源配線と、
    前記環状電源配線と前記特定回路ブロック内の電源配線とを接続する、前記環状電源配線よりも線幅の広い電源中継配線と、
    前記低電力モード時にアクティブ電位となる電源制御信号を供給する電源制御信号線と、
    前記電源中継配線途中に配置され、前記電源制御信号に基づいて、前記電源電圧の供給を遮断する電源スイッチと、
    前記特定回路ブロックの複数の出力信号線に接続され、前記通常動作モードでは前記特定回路ブロックからの複数の出力信号の論理が出力され、前記低電力モード時に、前記複数の出力信号が不定となって伝播することを防止する出力不定防止回路と、
    を一つのマクロブロック内に収容したことを特徴とする半導体集積回路。
  2. 請求項1において、
    前記出力不定防止回路は複数の論理ゲートを有し、前記複数の論理ゲートの各々には、前記複数の出力信号の各一つと、前記電源制御信号とが入力され、前記電源制御信号を前記電源スイッチ及び前記出力不定防止回路に供給する電源制御信号配線が、前記一つのマクロブロック内に配置されていることを特徴とする半導体集積回路。
  3. 請求項1において、
    前記低電力モードでは、前記電源スイッチの出力側の前記電源中継配線には、前記電源スイッチの制御により、前記電源電圧に代えて、前記電源制御信号のアクティブ電位である接地電位が供給され、
    前記出力不定防止回路は複数の論理ゲートを有し、前記複数の論理ゲートの各々には、前記複数の出力信号線の各1本と、前記電源スイッチの出力側の前記電源中継配線が接続され、前記電源スイッチの出力側より前記出力不定防止回路に至る前記電源中継配線が、前記一つのマクロブロック内に配置されていることを特徴とする半導体集積回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記特定回路ブロックと前記出力不定防止回路とを結ぶ前記複数の出力信号線途中に遅延回路を設け、前記低電力モードに移行後に前記特定回路ブロックの前記複数の出力信号が不定となって前記出力不定防止回路に到達する前に、前記電源制御信号のアクティブ電位が前記出力不定防止回路に到達するようにして、前記出力不定防止回路の出力論理を固定することを特徴とする半導体集積回路。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記出力不定防止回路は、前記低電力モード時に、前記特定回路ブロックの前記複数の出力信号が不定となる前の電位をラッチするラッチ回路を有し、前記低電力モード時には前記ラッチ回路の出力電位に固定することを特徴とする半導体集積回路。
  6. 請求項5において、
    前記出力不定防止回路は、
    前記電源制御信号のアクティブ電位及びノンアクティブ電位をクロックとし、前記ノンアクティブ電位のクロックにより前記複数の出力信号線の1本の信号論理を反転して出力するクロックドインバータと、
    前記クロックドインバータの出力線に接続されたループ配線途中に設けられたラッチ素子と、
    前記ループ配線途中に設けられ、前記電源制御信号線のアクティブ電位により前記ループ配線を閉鎖し、前記電源制御信号線のノンアクティブ電位により前記ループ配線を開放するスイッチと、
    を有することを特徴とする半導体集積回路。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記特定回路ブロックはメモリ回路であり、
    前記電源中継配線の線幅は、前記メモリ回路が、前記一つのマクロブロック内に収容できる最大メモリ容量である時に適合する線幅に合わせて設計されていることを特徴とする半導体集積回路。
  8. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記特定回路ブロックはメモリ回路であり、
    前記電源スイッチは基本セルにて形成され、前記メモリ回路のメモリ容量に従って、1または複数の前記電源スイッチが配置されていることを特徴とする半導体集積回路。
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