JP2007258022A - 膜電極接合体の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な生産効率および作業性を有する膜電極接合体の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】 電解質膜20が配置される第1支持治具120、第1支持治具に配置された電解質膜の表面に、触媒成分を含有するインクを塗布するための塗布装置162,163,165,166,168、および、電解質膜に形成されたインクの塗布層28を乾燥して触媒層を形成するための乾燥手段を有する。第1支持治具は、塗布装置に対して着脱自在である。
【選択図】図12
【解決手段】 電解質膜20が配置される第1支持治具120、第1支持治具に配置された電解質膜の表面に、触媒成分を含有するインクを塗布するための塗布装置162,163,165,166,168、および、電解質膜に形成されたインクの塗布層28を乾燥して触媒層を形成するための乾燥手段を有する。第1支持治具は、塗布装置に対して着脱自在である。
【選択図】図12
Description
本発明は、膜電極接合体の製造装置および製造方法に関する。
燃料電池の膜電極接合体は、イオン交換膜からなる電解質膜、および触媒層を有する。触媒層は、支持治具に配置された電解質膜に、触媒成分を含有するインクを塗布し、乾燥することによって、形成される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−319139号公報
しかし、支持治具およびインクの塗布装置とは、一体化されており、インクの塗布層の乾燥工程が律速となり、生産効率を向上させることが困難である。また、作業エリアが限定されるため、支持治具の洗浄やメンテナンスおよび支持治具に対する電解質膜の位置合せが難しく、作業性に問題を有する。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、良好な生産効率および作業性を有する膜電極接合体の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
電解質膜が配置される第1支持治具、
前記第1支持治具に配置された前記電解質膜の表面に、触媒成分を含有するインクを塗布するための塗布手段、および、
前記インクの塗布層を乾燥して触媒層を形成するための乾燥手段を有し、
前記第1支持治具は、前記塗布手段に対して着脱自在である
ことを特徴とする膜電極接合体の製造装置である。
電解質膜が配置される第1支持治具、
前記第1支持治具に配置された前記電解質膜の表面に、触媒成分を含有するインクを塗布するための塗布手段、および、
前記インクの塗布層を乾燥して触媒層を形成するための乾燥手段を有し、
前記第1支持治具は、前記塗布手段に対して着脱自在である
ことを特徴とする膜電極接合体の製造装置である。
上記目的を達成するための請求項21に記載の発明は、
電解質膜を第1支持治具に配置するための配置工程、
触媒成分を含有するインクを塗布するための塗布手段に、前記電解質膜が配置された前記第1支持治具を取付けるための取付け工程、
前記電解質膜の表面に、前記塗布手段によって前記インクを塗布するための塗布工程、
前記インクの塗布後、前記塗布手段から前記第1支持治具を取外すための取外し工程、および、
前記インクの塗布層を、乾燥手段によって乾燥し、触媒層を形成するための乾燥工程
を有することを特徴とする膜電極接合体の製造方法である。
電解質膜を第1支持治具に配置するための配置工程、
触媒成分を含有するインクを塗布するための塗布手段に、前記電解質膜が配置された前記第1支持治具を取付けるための取付け工程、
前記電解質膜の表面に、前記塗布手段によって前記インクを塗布するための塗布工程、
前記インクの塗布後、前記塗布手段から前記第1支持治具を取外すための取外し工程、および、
前記インクの塗布層を、乾燥手段によって乾燥し、触媒層を形成するための乾燥工程
を有することを特徴とする膜電極接合体の製造方法である。
上記のように構成した本発明は、以下の効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、インクの塗布後、塗布装置から第1支持治具を取外し、別途、電解質膜に形成されたインクの塗布層を乾燥することが可能であり、乾燥手段によるインクの塗布層の乾燥が律速とならないため、生産効率を向上させることが容易である。また、第1支持治具は、塗布装置から分離した状態においては、洗浄やメンテナンスおよび電解質膜の位置合せも、容易に実行することができる。つまり、良好な生産効率および作業性を有する膜電極接合体の製造装置を提供することができる。
請求項21に記載の発明によれば、インクの塗布後、第1支持治具の取外し工程を経由して、乾燥工程が配置されており、別途、電解質膜に形成されたインクの塗布層が乾燥されるため、乾燥工程は律速とならず、生産効率を向上させることが容易である。また、第1支持治具は、塗布装置から分離した状態においては、洗浄やメンテナンスおよび電解質膜の位置合せも、容易に実行することができる。つまり、良好な生産効率および作業性を有する膜電極接合体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施の形態1に係る膜電極接合体を説明するための断面図である。
実施の形態1に係る燃料電池の膜電極接合体10は、電解質膜20および触媒層30,40を有し、その両面には、セパレータ50,60が配置される。セパレータ50,60は、触媒層30,40に燃料ガスおよび酸化ガスを供給するための流路を有する。
電解質膜20は、固体高分子材料、例えば、フッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を呈する。
触媒層30,40は、導電性担体に触媒成分が担持されてなる電極触媒と、高分子電解質とを含んでおり、アノード触媒層およびカソード触媒層を構成する。電極触媒の導電性担体は、触媒成分を所望の分散状態で担持するための比表面積、および、集電体として十分な電子導電性を有しておれば、特に限定されないが、主成分がカーボン粒子であるのが好ましい。
アノード触媒層に適用される触媒成分は、燃料ガス(水素)の酸化反応に触媒作用を有するものであれば、特に限定されない。カソード触媒層に適用される触媒成分は、酸化ガス(酸素)の還元反応に触媒作用を有するものであれば、特に限定されない。
触媒成分は、例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、及びそれらの合金等などから選択される。
電極触媒の高分子電解質は、良好なプロトン伝導性を有する部材であれば、特に限定されず、例えば、ポリマー骨格の全部又は一部にフッ素原子を含むフッ素系電解質や、ポリマー骨格にフッ素原子を含まない炭化水素系電解質が適用可能である。
なお、膜電極接合体10は、必要に応じ、ガス拡散層を有する。ガス拡散層は、充分なガス拡散性および導電性を有する部材、例えば、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスや、カーボンペーパ、あるいはカーボンフェルトから形成される。
次に、実施の形態1に係る膜電極接合体の製造装置を説明する。
図2および図3は、第1支持治具を説明するための断面図および平面図、図4は、塗布装置を説明するための断面図、図5は、乾燥装置を説明するための断面図である。
実施の形態1に係る燃料電池の膜電極接合体の製造装置は、概して、第1支持治具120、塗布装置(塗布手段)160および乾燥装置(乾燥手段)180を有する。第1支持治具120は、電解質膜20が配置され、また、塗布装置160に対して着脱自在である。塗布装置160は、第1支持治具120に配置された電解質膜20の表面に、触媒成分を含有するインクを塗布するために使用される。乾燥装置180は、電解質膜20に形成されたインク塗布層28を、乾燥して触媒層30を形成するために使用される。
したがって、インクの塗布後、塗布装置160から第1支持治具120を取外し、別途、電解質膜20に形成されたインク塗布層28を乾燥することが可能である。そのため、乾燥装置180によるインク塗布層28の乾燥が律速とならず、生産効率を向上させることが容易である。また、第1支持治具120は、塗布装置160から分離した状態においては、洗浄やメンテナンスおよび電解質膜の位置合せも、容易に実行することが可能である。
支持治具、塗布装置および乾燥装置を、詳述する。
第1支持治具120は、電解質膜20が配置される支持面122、支持面122に配置される開口部124、および、開口部124と連通しているポート128を有する。開口部124は、金属プレートを機械加工することで形成されている。開口部124は、例えば、金属メッシュ構造体や焼結金属を利用することで、形成することが可能である。
ポート128は、開閉自在のコック(バルブ手段)130を有し、かつ外部の吸引ポンプ(負圧発生手段)に連結された配管系に着脱自在である。したがって、第1支持治具120の支持面122は、吸引ポンプが発生させた負圧によって、電解質膜20を吸着固定することが可能である。吸着固定においては、電解質膜20の着脱が容易であるため、着脱の際における電解質膜20の破損を抑制することが可能であり、好ましい。
開口部124は、複数設けることで、電解質膜20における吸収痕および皺の発生や、触媒層30のクラックの発生を抑制している。これは、結果的に、燃料電池セルの組み立てを容易にし、かつ接触抵抗の低減、電極面圧の均一をもたらし、セル性能および耐久性を向上させることを可能とする。
塗布装置160は、収容スペース162、スプレーノズル163、ヒータ(2次予備加熱手段)165、吸引ポンプ166およびマスキング材(不図示)を有する。収容スペース162は、第1支持治具120が着脱自在に配置される。スプレーノズル163は、触媒成分を含有するインクを電解質膜20に塗布するために使用され、駆動装置(不図示)が連結されている。
ヒータ165は、収容スペース162の下方に配置される抵抗発熱体からなる。マスキング材は、インクの塗布が不要な部位、例えば、膜電極接合体10とセパレータ50,60との間における密閉性を確保するためのシールが配置される部位である電解質膜20の外縁を、カバーする形状を有する。
インクの溶媒は、例えば、水や、エタノールなどの低級アルコールを主成分とする。また、溶媒成分として、グリコール、塩化メチレン、脂肪酸エステル等を利用することも可能である。塗布は、スプレー方式に限定されず、ダイコーターやスクリーンコーターなどの他の方式を適用することも可能である。
ヒータ165は、第1支持治具120および電解質膜20を予備加熱することで、インクの塗布の際における第1支持治具120および電解質膜20の温度低下を抑制し、かつ乾燥装置180の負荷を低減するために使用される。インクが常温乾燥タイプである場合は、ヒータ165を適宜省略することも可能である。
吸引ポンプ166は、配管系168を介し、収容スペース162に配置された第1支持治具120のポート128に連結される。吸引ポンプ166が発生させた負圧は、第1支持治具120に対する電解質膜20の固定を、持続させると共に、インクの塗布による電解質膜20の膨潤特性を抑制することが可能である。吸引ポンプ166は、適宜省略することも可能である。
乾燥装置180は、基部182、ヒータ(加熱手段)184および吸引ポンプ186を有する。基部182は、インク塗布層28が形成された電解質膜20を保持する第1支持治具120が、配置される。
ヒータ184は、基部182の内部に配置される抵抗発熱体からなり、インク塗布層28を昇温させて、インク塗布層28に含まれる溶媒成分(揮発成分)を蒸発させることで、触媒層30を形成するために使用される。インク塗布層28を昇温温度は、例えば、40〜80℃である。なお、インクが常温乾燥タイプである場合は、ヒータ184を省略することも可能である。
吸引ポンプ186は、配管系188を介し、基部182に配置される第1支持治具120のポート128に連結され、インク塗布層28に含まれる溶媒成分が蒸発している際、電解質膜20を吸着するために使用される。吸引ポンプ186は、適宜省略することも可能である。
次に、実施の形態1に係る膜電極接合体の製造方法を説明する。
図6は、製造方法を説明するための工程図、図7は、図6に示される第1触媒層形成処理を説明するための工程図である。
実施の形態1に係る燃料電池の膜電極接合体の製造方法は、電解質膜20の一方の面に触媒層30を形成するための第1触媒層形成処理、触媒層30が形成された電解質膜20を裏返すための反転工程、電解質膜20の他方の面に触媒層40を形成するための第2触媒層形成処理を有する。
第1触媒層形成処理は、膜配置工程、予備加熱工程、支持治具取付け工程、塗布工程、支持治具取外し工程および乾燥工程を有する。膜配置工程においては、電解質膜20が第1支持治具120に配置される。予備加熱工程においては、電解質膜20が予備加熱される。支持治具取付け工程においては、触媒成分を含有するインクを塗布するための塗布装置160に、電解質膜20が配置された第1支持治具120が取付けられる。
塗布工程においては、電解質膜20の表面(一方の面)に、塗布装置160によってインクが塗布される。支持治具取外し工程においては、インクの塗布後、塗布装置160から第1支持治具120が取外される。乾燥工程においては、電解質膜20に形成されたインク塗布層28が、乾燥装置180によって乾燥され、触媒層30が形成される。
つまり、インクの塗布後、支持治具取外し工程を経由して、乾燥工程が配置されており、別途、電解質膜20に形成されたインク塗布層28が乾燥されるため、乾燥工程は律速とならず、生産効率を向上させることが容易である。また、第1支持治具120は、塗布装置から分離した状態においては、洗浄やメンテナンスおよび電解質膜20の位置合せも、容易に実行することができる。
実施の形態1に係る膜電極接合体の製造装置および製造方法を詳述する。
図8は、図7に示される膜配置工程を説明するための断面図、図9は、図8に続く、予備加熱工程を説明するための断面図、図10は、図9に続く、支持治具取付け工程を説明するための断面図、図11は、図10に続く、塗布工程を説明するための断面図、図12は、図11に続く、支持治具取外し工程を説明するための断面図、図13は、図12に続く、乾燥工程を説明するための断面図、図14は、図13に続く、反転工程における膜取外し段階を説明するための断面図、図15は、図14に続く、反転工程における膜裏返し段階を説明するための断面図である。
膜配置工程においては、所定のサイズに切断された電解質膜20が、第1支持治具120の支持面122に配置される。第1支持治具120のポート128と、吸引ポンプ132に連結された配管系134とが、接続され、コック130が開の状態で、吸引ポンプ132が作動される。電解質膜20は、吸引ポンプ132が発生させた負圧によって、支持面122に吸着される(図8参照)。吸着による固定が完了すると、コック130は、閉に変更され、配管系134とポート128との接続が解除される。
予備加熱工程においては、コック130の閉により、電解質膜20の固定が維持されている第1支持治具120が、予備加熱装置110に配置される(図9参照)。
予備加熱装置110は、第1支持治具120が載置される基部112と、ヒータ(1次予備加熱手段)114とを有する。ヒータ114は、基部112の内部に配置される抵抗発熱体からなり、インクの塗布の際における第1支持治具120および電解質膜20の温度低下を抑制し、かつ乾燥装置180の負荷を低減するため、電解質膜20を予備加熱する。なお、塗布工程において適用されるインキが、常温乾燥タイプである場合は、予備加熱工程は、省略することも可能である。
支持治具取付け工程においては、第1支持治具120が、塗布装置160の収容スペース162に配置される。第1支持治具120のポート128は、吸引ポンプ166から延長する配管系168と接続される(図10参照)。
塗布工程においては、マスキング材(不図示)が第1支持治具120の表面に配置され、例えば、電解質膜20の外縁をカバーする。そして、吸引ポンプ166による吸引が開始されると、コック130が開とされ、ヒータ165による第1支持治具120および電解質膜20の予備加熱が開始される。その後、スプレーノズル163は、駆動され、電解質膜20の上方を移動しながら、インクを塗布し、インク塗布層28を形成する(図11参照)。所定のインク塗布層28の形成が完了すると、マスキング材が剥離され、コック130は、閉に変更され、配管系168とポート128との接続が解除される。
支持治具取外し工程においては、第1支持治具120が、塗布装置160の収容スペース162から取外される(図12参照)
乾燥工程においては、インク塗布層28を保持する電解質膜20が固定されかつ予備加熱された第1支持治具120が、乾燥装置180の基部182に配置される。そして、第1支持治具120のポート128は、吸引ポンプ186から延長する配管系188と接続される(図13参照)。
乾燥工程においては、インク塗布層28を保持する電解質膜20が固定されかつ予備加熱された第1支持治具120が、乾燥装置180の基部182に配置される。そして、第1支持治具120のポート128は、吸引ポンプ186から延長する配管系188と接続される(図13参照)。
吸引ポンプ186による吸引が開始されると、ポート128のコック130が開とされ、乾燥装置180のヒータ184は、電解質膜20を介してインク塗布層28を昇温し、インク塗布層28に含まれる溶媒成分を蒸発させ、触媒層30を形成する。
なお、乾燥工程の後に、後処理として2次加熱工程を設けることも可能である。2次加熱工程は、電解質膜20に形成された触媒層30を、昇温温度より高い温度に2次昇温することで、電解質膜20と触媒層30との密着性を向上させるために使用される。2次昇温温度は、昇温時の温度が80℃である場合、例えば、150℃である。
この場合、ヒータ184は、電解質膜20と触媒層30との密着性を向上させるための2次加熱手段として機能する。しかし、2次加熱手段は、ヒータ184によって兼ねられる形態に限定されず、別途設けることも可能である。
反転工程は、膜取外し段階および膜裏返し段階を有する。
膜取外し段階においては、第1支持治具120のコック130は、閉に変更され、配管系188とポート128との接続が解除され、第1支持治具120が、乾燥装置180の基部182から取外される。そして、コック130は、開に変更され、電解質膜20の吸着が停止され、第1支持治具120に対する電解質膜20の固定が解除さる。その後、触媒層30が形成された電解質膜20が、第1支持治具120から取外される(図14参照)。
膜裏返し段階においては、電解質膜20における触媒層が形成された一方の面が下方に位置するように、電解質膜20が裏返されて、第1支持治具120に配置される(図15参照)。したがって、電解質膜20の触媒層30は、第1支持治具120の支持面122に相対する。
続いて、電解質膜20の他方の面(表面)に、触媒層40を形成するための第2触媒層形成処理が実施され、図1に示される膜電極接合体10が形成されることになる。第2触媒層形成処理は、第1触媒層形成処理と、略同一の処理であるため、重複を避けるため、その説明を省略する。
以上のように、実施の形態1は、良好な生産効率および作業性を有する膜電極接合体の製造装置および製造方法を提供することが可能である。
なお、吸引ポンプおよび配管系を共有化することも可能である。また、ヒータは、抵抗加熱を利用する形態に限定されない。
図16は、実施の形態1に係る変形例1を説明するための断面図である。
第1支持治具120は、ヒータ138を有することも可能である。この場合、ヒータ138は、予備加熱装置110のヒータ114、塗布装置160のヒータ165および乾燥装置180のヒータ184を兼用することが可能であるため、予備加熱装置110、塗布装置160および乾燥装置180の構成を簡略化することが可能である。
図17は、実施の形態1に係る変形例2を説明するための断面図である。
第1支持治具120は、コック130を有するポート128を2つ以上有することも可能である。この場合、複数の第1支持治具120を使用して、複数の電解質膜20の固定や取外し等の作業が、同時にできるため、生産効率を向上させることが可能である。
図18および図19は、実施の形態1に係る変形例3に係る塗布装置および乾燥装置を説明するための断面図である。
電解質膜20における吸収痕および皺の発生や、触媒層30のクラックの発生を、確実に抑制するためには、第1支持治具120の開口部124における負圧を調整することが、好ましい。これは、例えば、塗布装置160に係る吸引ポンプ166から延長する配管系168の途中および乾燥装置180に係る吸引ポンプ186から延長する配管系188の途中に、圧力制御器(圧力制御手段)169,189を配置することで、達成することが可能である。
この場合、圧力制御器169における塗布時の吸引圧P1は、圧力制御器189における乾燥時の吸引圧P2より大きいあるいは等しいことが好ましく、特に、大きいことが好ましい。
つまり、塗布工程における負圧(塗布装置160によってインクを塗布する際における第1支持治具120の開口部124における負圧)は、乾燥工程における負圧(乾燥装置180によって触媒層30を形成する際における第1支持治具120の開口部124における負圧)より大きいあるいは等しいことが好ましく、特に、大きいことが好ましい。
なお、吸引圧P1は、例えば、53〜101kPa(400〜760mmmHg)、吸引圧P2は、例えば、20〜53kPa(150〜400mmHg)である。
図20〜図22は、実施の形態1に係る変形例4〜6を説明するための断面図である。
電解質膜における吸収痕および皺の発生や、触媒層のクラックの発生を、確実に抑制するためには、第1支持治具の開口部124の形状、分布および開口率は、インクの塗布量の分布を考慮し、インクの乾燥速度が均一になるように構成されることも好ましい。
例えば、図20に示されるように、電解質膜においてインクが塗布される部位と対応する第1支持治具の支持面122の中央部における開口部124の分布を密とし、一方、電解質膜においてインクが塗布されない部位と対応する支持面122の外周部における開口部124の分布を疎とすることが可能である。また、インクの性状や塗布方式に応じて、図21および図22に示されるような構成を適用することも可能である。
次に、実施の形態2を説明する。
図23および図24は、実施の形態2に係る製造装置および製造方法を説明するための断面図および平面図である。実施の形態2は、電解質膜20を湿潤させるための湿潤装置(湿潤手段)が適用される湿潤工程を、さらに有する点で、実施の形態1と概して異なる。なお、以下において、実施の形態1と同様の機能を有する部材については類似する符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
湿潤装置は、電解質膜20に水を噴霧するための噴霧装置(噴霧手段)290を有する。噴霧装置290は、膜配置工程において利用され、第1支持治具220の支持面222に配置される電解質膜20の上方を、移動自在に配置されている。つまり、湿潤工程は、膜配置工程に組み入れられている。
実施の形態2に係る膜配置工程においては、所定のサイズに切断された電解質膜20が、第1支持治具220の支持面222に配置される。噴霧装置290が、電解質膜20に向かって水を噴霧する。水による湿潤領域は、塗布工程においてマスキング材が配置される部位22が好ましいが、必要に応じて、電解質膜20全体を湿潤領域とすることも可能である。
湿潤完了後、第1支持治具220のポート228と吸引ポンプ232に連結された配管系234とが、接続され、コック230が開の状態で、吸引ポンプ232が作動される。電解質膜20は、吸引ポンプ232が発生させた負圧によって、支持面222に吸着される。吸着による固定が完了すると、コック230は、閉に変更され、配管系234とポート228との接続が解除される。
予備加熱工程以降は、実施の形態1と略一致するために、その説明を省略する。
以上のように、実施の形態2は、湿潤装置(湿潤工程)を有するため、電解質膜20の湿潤状態を制御することが可能である。したがって、電解質膜20の湿潤状態のバラツキ等に基づく、電解質膜20における吸収痕および皺の発生や、触媒層30のクラックの発生を抑制することができる。
なお、湿潤装置は、噴霧装置290を有する形態に限定されず、雰囲気の湿度を上昇させることが可能な加湿装置を有することも可能である。
図25は、実施の形態2の変形例を説明するための断面図である。
噴霧装置290は、膜配置工程に適用することに限定されず、例えば、塗布装置260に配置し、インクの塗布中に、電解質膜を湿潤することも可能である。なお、符号263および266は、スプレーノズルおよび吸引ポンプを示している。
次に、実施の形態3を説明する。
図26は、実施の形態3に係る製造装置を説明するための断面図である。実施の形態3は、支持治具の構造および反転工程に関して、実施の形態1と概して異なる。
実施の形態3に係る製造装置は、第1支持治具320と略同一形状を有する第2支持治具340を有する。第2支持治具340は、電解質膜20の他方の面に触媒層40を形成するために使用され、反転工程において、第1支持治具320に配置された電解質膜20に形成された触媒層30に相対するように配置される。
第1支持治具320および第2支持治具340は、支持面322,342の外部に配置される凹部326,346および凸部327,347をそれぞれ有する。第1支持治具320の凹部326および凸部327は、第2支持治具340の凸部347および凸部347と、嵌合することで、位置合せ構造を形成する。
つまり、触媒層30が一方の面に形成された電解質膜20を吸着保持している第1支持治具320と、電解質膜20の他方の面に触媒層40を形成するための第2支持治具340とは、支持面322,342が重なるように、容易かつ確実に位置合せすることが可能である。したがって、電解質膜20の一方の面に形成された触媒層30のエリアと、電解質膜20の他方の面に形成される触媒層40のエリアとを、正確に一致させることが可能になる。
なお、符号328,348は、ポートを示し、符号330,350は、コックを示している。
次に、実施の形態3に係る製造方法を説明する。図27は、反転工程における治具取外し段階を説明するための断面図、図28は、図27に続く、反転工程における位置合せ段階を説明するための断面図、図29は、図28に続く、反転工程における吸引切換え段階を説明するための断面図、図30は、図29に続く、反転工程における膜裏返し段階を説明するための断面図である。
実施の形態1と同様に、第1触媒層形成処理の膜配置工程〜乾燥工程を経由し、第1支持治具320に吸着固定される電解質膜20の一方の面に、触媒層30が形成されると、反転工程に投入される。
実施の形態3に係る反転工程は、治具取外し段階、位置合せ段階、吸引切換え段階および膜裏返し段階を有する。
治具取外し段階においては、第1支持治具320のコック330は、閉に変更され、ポート328と配管系388との接続が解除され、第1支持治具320が、乾燥装置の基部382から取外される(図27参照)。なお、コック330が閉であるため、第1支持治具320による電解質膜20を吸着固定は、維持されている。
位置合せ段階においては、第2支持治具340が、電解質膜20を吸着固定している第1支持治具320上に配置される(図28参照)。第2支持治具340の凸部347および凹部346は、第1支持治具320の凹部326および凸部327と、嵌合することで、位置合せ構造を形成し、第2支持治具340の支持面342と第1支持治具320の支持面322とが正確に重なる。
つまり、触媒層30が一方の面に形成された電解質膜20を吸着保持している第1支持治具320と、電解質膜20の他方の面に触媒層40を形成するための第2支持治具340とは、支持面322,342が重なるように、容易かつ確実に位置合せされる。
第2支持治具340のポート348と吸引ポンプ396から延長する配管系398とが接続され、第2支持治具340のコック350は、開に設定される。その結果、電解質膜20は、第2支持治具340によって吸着される。その後、第1支持治具320のコック130は、開に変更され、第1支持治具320による電解質膜20を吸着固定は、解除される(図29参照)。
膜裏返し段階においては、第2支持治具340が第1支持治具320から離されて(図30参照)、裏返される。電解質膜20は、第2支持治具340の支持面342によって単独で保持されているため、第2支持治具340に同伴される。
電解質膜20における触媒層30が形成されている一方の面は、第2支持治具340の支持面342に相対している。したがって、電解質膜20の表面は、触媒層30が形成されていない他方の面となる。
そして、第2触媒層形成処理において、電解質膜20の他方の面に対する触媒層40の形成が、電解質膜20の一方の面に対する触媒層30の形成と同様に実施される。したがって、電解質膜20の一方の面に形成された触媒層30のエリアと、電解質膜20の他方の面に形成される触媒層34のエリアとが、正確に一致する。
以上のように、実施の形態3は、第1支持治具320と連携し位置合せ構造を形成する第2支持治具340を有するため、電解質膜20の両面に形成される触媒層30のエリアを、確実に一致させることが可能である。また、位置合せが容易であるため、電解質膜20の反転に要する時間が短縮され、かつ、電解質膜20の取扱いが減るため、電解質膜20の破損が抑制することができる。
なお、第1支持治具320および第2支持治具340は、略同一形状を有することに限定されない。
次に、実施の形態4を説明する。
図31は、実施の形態4に係る製造装置を説明するための断面図、図32は、図31に示される切断治具の背面図である。実施の形態4は、電解質膜20を所定のサイズに切断するための切断装置を有し、配置工程が切断段階を有する点に関し、実施の形態1と概して異なる。
切断装置402は、基部404、切断治具(トリミング手段)406および吸引ポンプ432を有する。基部404は、第1支持治具420が着脱自在に配置される収容スペース405を有する。
切断治具406は、電解質膜20の所定のサイズに対応するトムソン型刃408が埋め込まれており、また、基部404に旋回自在に取付けられている。吸引ポンプ432は、収容スペース405に配置される第1支持治具420のポート428と連結される配管系434を有する。
次に、実施の形態4に係る製造方法を説明する。図33は、配置工程における支持治具取付け段階を説明するための断面図、図34は、図33に続く、配置工程における切断段階を説明するための断面図、図35は、図34に続く、配置工程における支持治具取外し段階を説明するための断面図である。
実施の形態4に係る配置工程は、支持治具取付け段階、切断段階および支持治具取外し段階を有する。
支持治具取付け段階においては、切断治具406は、第1支持治具420の取付けを妨害いしないように、上方に旋回した状態で、保持される。第1支持治具420が、切断装置402の収容スペース405に配置されると、電解質膜20が、第1支持治具420の支持面422に配置される(図33参照)。なお、第1支持治具420は、トムソン型刃408に対応する溝部423を有する。
第1支持治具420のポート428と、吸引ポンプ432に連結された配管系434とが、接続される。コック430が開の状態で、吸引ポンプ432が作動される。電解質膜20は、吸引ポンプ432が発生させた負圧によって、支持面422に吸着固定される。
切断段階においては、切断治具406は、電解質膜20に向かって旋回する。切断治具406に埋め込まれているトムソン型刃408は、電解質膜20を所定のサイズに切断し、その先端は、第1支持治具420の溝部423に位置することとなる(図34参照)。つまり、電解質膜20は、第1支持治具420の支持面422の所定のエリアに、正確に配置された状態で、切断される。
支持治具取外し段階においては、切断治具406が上方に旋回し、コック430は、閉に変更され、配管系434とポート428との接続が解除される。第1支持治具420は、コック430の閉により、電解質膜20の吸着固定が維持された状態で、切断装置402の収容スペース405から取外される(図35参照)。
その後、第1支持治具420は、予備加熱工程に搬入される。なお、予備加熱工程以降は、実施の形態1と略一致するために、その説明を省略する。
以上のように、実施の形態4は、切断装置(切断段階)が組み込まれているめ、電解質膜20を、第1支持治具420に正確に位置合せして、配置することが可能である。また、位置合せが容易であるため、電解質膜20の配置に要する時間が短縮され、かつ、電解質膜20の取扱いが減るため、電解質膜20の破損が抑制することができる。
なお、必要に応じ、切断治具406を下方に配置し、第1支持治具420を基部404に旋回自在かつ着脱自在に取付けられるように構成することも可能である。
図36は、実施の形態4に係る変形例1を説明するための断面図である。
切断治具406は、反転工程に利用することも可能である。例えば、切断治具(トリミング手段)406に、切断治具406および第2支持治具440が旋回自在かつ着脱自在に取付けられるように構成する場合、実施の形態3の同様に、電解質膜20の一方の面に形成される触媒層30のエリアと、電解質膜20の他方の面に形成される触媒層40のエリアとを、確実に一致させることが可能である。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。
例えば、実施の形態1に係る変形例1〜6同士や、実施の形態1に係る変形例1〜6と、実施の形態2〜4とを、適当に組み合わせることも可能である。
10・・膜電極接合体、
20・・電解質膜、
22・・部位、
28・・インク塗布層、
30,40・・触媒層、
50,60・・セパレータ、
110・・予備加熱装置、
112・・基部、
114・・ヒータ、
120・・第1支持治具、
122・・支持面、
124・・開口部、
128・・ポート、
130・・コック、
132・・吸引ポンプ、
134・・配管系、
138・・ヒータ、
160・・塗布装置、
162・・収容スペース、
163・・スプレーノズル、
165・・ヒータ、
166・・吸引ポンプ、
168・・配管系、
169・・圧力制御器、
180・・乾燥装置、
182・・基部、
184・・ヒータ、
186・・吸引ポンプ、
188・・配管系、
189・・圧力制御器、
220・・第1支持治具、
222・・支持面、
228・・ポート、
230・・コック、
232・・吸引ポンプ、
234・・配管系、
260・・塗布装置、
263・・スプレーノズル、
266・・吸引ポンプ、
290・・噴霧装置、
320・・第1支持治具、
322・・支持面、
326・・凹部、
327・・凸部、
328・・ポート、
330・・コック、
340・・第2支持治具、
342・・支持面、
346・・凹部、
347・・凸部、
348・・ポート、
350・・コック、
382・・基部、
388・・配管系、
396・・吸引ポンプ、
398・・配管系、
402・・切断装置、
404・・基部、
405・・収容スペース、
406・・切断治具、
408・・トムソン型刃、
420・・第1支持治具、
422・・支持面、
423・・溝部、
428・・ポート、
430・・コック、
432・・吸引ポンプ、
434・・配管系、
440・・第2支持治具、
P1,P2・・吸引圧。
20・・電解質膜、
22・・部位、
28・・インク塗布層、
30,40・・触媒層、
50,60・・セパレータ、
110・・予備加熱装置、
112・・基部、
114・・ヒータ、
120・・第1支持治具、
122・・支持面、
124・・開口部、
128・・ポート、
130・・コック、
132・・吸引ポンプ、
134・・配管系、
138・・ヒータ、
160・・塗布装置、
162・・収容スペース、
163・・スプレーノズル、
165・・ヒータ、
166・・吸引ポンプ、
168・・配管系、
169・・圧力制御器、
180・・乾燥装置、
182・・基部、
184・・ヒータ、
186・・吸引ポンプ、
188・・配管系、
189・・圧力制御器、
220・・第1支持治具、
222・・支持面、
228・・ポート、
230・・コック、
232・・吸引ポンプ、
234・・配管系、
260・・塗布装置、
263・・スプレーノズル、
266・・吸引ポンプ、
290・・噴霧装置、
320・・第1支持治具、
322・・支持面、
326・・凹部、
327・・凸部、
328・・ポート、
330・・コック、
340・・第2支持治具、
342・・支持面、
346・・凹部、
347・・凸部、
348・・ポート、
350・・コック、
382・・基部、
388・・配管系、
396・・吸引ポンプ、
398・・配管系、
402・・切断装置、
404・・基部、
405・・収容スペース、
406・・切断治具、
408・・トムソン型刃、
420・・第1支持治具、
422・・支持面、
423・・溝部、
428・・ポート、
430・・コック、
432・・吸引ポンプ、
434・・配管系、
440・・第2支持治具、
P1,P2・・吸引圧。
Claims (38)
- 電解質膜が配置される第1支持治具、
前記第1支持治具に配置された前記電解質膜の表面に、触媒成分を含有するインクを塗布するための塗布手段、および、
前記インクの塗布層を乾燥して触媒層を形成するための乾燥手段を有し、
前記第1支持治具は、前記塗布手段に対して着脱自在である
ことを特徴とする膜電極接合体の製造装置。 - 前記乾燥手段は、前記インクの塗布層を昇温するための加熱手段を有することを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記触媒層を、前記インクの塗布層の昇温温度より高い温度に2次昇温し、前記電解質膜と前記触媒層との密着性を向上させるための2次加熱手段を有することを特徴とする請求項2に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記加熱手段は、前記2次加熱手段を兼ねていることを特徴とする請求項3に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記第1支持治具は、加熱手段を有することを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 負圧発生手段、
前記第1支持治具の支持面に配置される開口部、および、
前記負圧発生手段と前記開口部とを連結するための配管系を有し、
前記第1支持治具の支持面は、前記負圧発生手段が発生させた負圧によって、前記電解質膜を、固定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造装置。 - 前記開口部は、複数であることを特徴とする請求項6に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記開口部の形状、分布および開口率は、前記インクの塗布層の乾燥速度が均一になるように構成されることを特徴とする請求項7に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記開口部の分布は、前記支持面の中央部が密であり、前記支持面の外周部は疎であることを特徴とする請求項8に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記第1支持治具は、前記配管系に接続するためのポートを有し、前記ポートは、開閉自在のバルブ手段を有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記第1支持治具の開口部における負圧を調整するための圧力制御手段を有することを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記塗布手段によって前記インクを塗布する際における前記第1支持治具の開口部における負圧は、前記乾燥手段によって前記触媒層を形成する際における前記第1支持治具の開口部における負圧より大きいあるいは等しいことを特徴とする請求項11に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記インクを塗布する前あるいは塗布中に、前記電解質膜を湿潤させるための湿潤手段を有することを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記インクを塗布する前かつ前記電解質膜が前記第1支持治具に固定される前に、前記電解質膜を湿潤させるための湿潤手段を有することを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記湿潤手段は、前記電解質膜に水を噴霧するための噴霧手段を有することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記触媒層が形成された前記電解質膜を裏返すために、前記第1支持治具に相対するように配置される第2支持治具を有し、
前記第1支持治具および前記第2支持治具は、前記第1支持治具の支持面と前記第2支持治具の支持面とが重なるように位置合せするための位置合せ構造を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造装置。 - 前記第1支持治具および前記第2支持治具は、前記支持面の外部に配置される凹部および凸部をそれぞれ有し、
前記位置合せ構造は、前記第1支持治具の凹部および凸部と、前記第2支持治具の凸部および凹部とを嵌合させることによって形成されることを特徴とする請求項16に記載の膜電極接合体の製造装置。 - 前記第1支持治具および前記第2支持治具は、略同一形状を有することを特徴とする請求項17に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記電解質膜を所定のサイズに切断するためのトリミング手段を有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 前記トリミング手段は、トムソン型刃を有することを特徴とする請求項19に記載の膜電極接合体の製造装置。
- 電解質膜を第1支持治具に配置するための配置工程、
触媒成分を含有するインクを塗布するための塗布手段に、前記電解質膜が配置された前記第1支持治具を取付けるための取付け工程、
前記電解質膜の表面に、前記塗布手段によって前記インクを塗布するための塗布工程、
前記インクの塗布後、前記塗布手段から前記第1支持治具を取外すための取外し工程、および、
前記インクの塗布層を、乾燥手段によって乾燥し、触媒層を形成するための乾燥工程
を有することを特徴とする膜電極接合体の製造方法。 - 前記乾燥工程においては、前記乾燥手段が有する加熱手段によって、前記インクの塗布層が昇温させられることを特徴とする請求項21に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記触媒層を、前記インクの塗布層の昇温温度より高い温度に2次昇温し、前記電解質膜と前記触媒層との密着性を向上させるための2次加熱工程を有することを特徴とする請求項22に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記第1支持治具の支持面は、負圧発生手段から延長する配管系と連結される開口部を有し、
前記電解質膜は、前記負圧発生手段が発生させた負圧によって、前記第1支持治具の支持面に固定される
ことを特徴とする請求項21〜23のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。 - 前記開口部は、複数であることを特徴とする請求項24に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記開口部の形状、分布および開口率は、前記インクの塗布層の乾燥速度が均一になるように構成されることを特徴とする請求項25に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記開口部の分布は、前記支持面の中央部が密であり、前記支持面の外周部は疎であることを特徴とする請求項26に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記第1支持治具は、前記配管系に接続するためのポートを有しており、
前記ポートが有するバルブ手段を閉とすることにより、前記配管系との接続が解除された状態で、前記第1支持治具に対する前記電解質膜の固定が、維持されることを特徴とする請求項24〜27のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。 - 前記第1支持治具の開口部における負圧は、調整されることを特徴とする請求項28に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記塗布工程における前記第1支持治具の開口部における負圧は、前記乾燥工程における前記第1支持治具の開口部における負圧より大きいあるいは等しいことを特徴とする請求項29に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記インクを塗布する前あるいは塗布中に、前記電解質膜を湿潤させるための湿潤工程を、さらに有することを特徴とする請求項24〜30のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記インクを塗布する前かつ前記電解質膜が前記第1支持治具に固定される前に、前記電解質膜を湿潤させるための湿潤工程を、さらに有することを特徴とする請求項24〜30のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記湿潤工程においては、前記電解質膜に水が噴霧されることを特徴とする請求項31又は請求項32に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記第1支持治具に相対するように配置される第2支持治具によって、前記触媒層が形成された前記電解質膜を裏返すための反転工程を有し、
前記反転工程は、前記第1支持治具および前記第2支持治具が有する位置合せ構造によって、前記第1支持治具の支持面と前記第2支持治具の支持面とが重なるように位置合せするための位置合せ段階を有することを特徴とする請求項24〜33のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法。 - 前記第1支持治具および前記第2支持治具は、前記支持面の外部に配置される凹部および凸部をそれぞれ有し、
前記位置合せ構造は、前記第1支持治具の凹部および凸部と、前記第2支持治具の凸部および凹部とを嵌合させることによって形成されることを特徴とする請求項34に記載の膜電極接合体の製造方法。 - 前記第1支持治具および前記第2支持治具は、略同一形状を有することを特徴とする請求項35に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記配置工程は、トリミング手段によって前記電解質膜を所定のサイズに切断するための切断段階を有することを特徴とする請求項4に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記トリミング手段は、トムソン型刃を有することを特徴とする請求項37に記載の膜電極接合体の製造方法。
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