JP2007256827A - 投写レンズおよびプロジェクタ - Google Patents

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Takashi Kashiwabara
隆司 柏原
Shunsuke Kimura
俊介 木村
Atsushi Hatayama
淳 畑山
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Abstract

【課題】レンズ設計の負荷を抑えつつ、光学的収差を適切に補正する投写レンズを提供することを課題とする。
【解決手段】投写光学系500は、主鏡530およびMEMSミラー510と、後方レンズ群540および第1レンズ520と、を備える。MEMSミラー510は、電気信号により傾斜角度が連続的に制御される複数のマイクロミラーが2次元的に配列された素子である。MEMSミラー510は、マイクロミラーのそれぞれの傾斜角度が制御され、主鏡530、MEMSミラー510、後方レンズ群540および第1レンズ520により得られる光学パワーを変化させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像を投写表示する投写レンズおよびプロジェクタに関する。
従来よりホームシアターやプレゼンテーションにはプロジェクタが多用されている。このようなプロジェクタとして、最近、反射型光変調素子をライトバルブとして用いるビデオプロジェクタが数多く市販されている。反射型光変調素子は、光源からの光束を画像信号に応じて変調するものであり、半導体製造プロセスと同様のプロセスで製造される素子である。反射型光変調素子は、一辺が数ミクロンのマイクロミラーをシリコン基板上に縦横に2次元的に配列することにより形成されている。
1つの反射型光変調素子には、マイクロミラーが数十万〜数百万個形成されており、各マイクロミラーが変調画像の各画素を形成する(特許文献1参照)。各マイクロミラーの直下には、それぞれのマイクロミラーを駆動するドライバ回路が設けられている。各マイクロミラーは、所定の軸を回動軸として、電気信号のオン−オフによってシーソー運動を行う。したがって各マイクロミラーは、電気信号のオンの位置と、オフの位置との2つの状態を取りうる。
電気信号がオンの状態では、反射光束は投写光学系に入射して画像光として投写される。電気信号がオフの状態では、反射光束は投写光学系に入射せず、装置内部の特定の場所に投写され、吸収されて消滅する。
図7は、反射型光変調素子を1個使用した、従来の1チップ方式のプロジェクタ1の光学系の概要を示したものである。
プロジェクタ1は、照明光学系10と、色切替光学系20と、リレー光学系30と、反射型光変調素子40と、投写光学系50と、色切替光学系20および反射型光変調素子40の動作制御を行う制御回路部60とを備えている。
照明光学系10は、白色光を発光して反射型光変調素子40のマイクロミラー領域を照射するための光学系であり、主に光源装置11で構成されている。光源装置11は、光線を放射する光源ランプ11aと、この光源ランプ11aから発光放射された放射光を反射して後述するカラーホイール21に集光するリフレクタ11bとを有する。光源ランプ11aとしては、ハロゲンランプやメタルハライドランプや高圧水銀ランプなどが使用されることが多い。リフレクタ11bは、楕円面鏡であり、楕円面鏡を構成する楕円形の2つの焦点のうちリフレクタ11b側の焦点に光源ランプ11aが配置されている。リフレクタ11bとしては、光源装置11の用途に応じて、集光レンズ(凸レンズ)と組み合わせる放物面鏡が用いられることもある。
色切替光学系20は、照明光学系10から放射される白色光を時分割で赤、緑、青の色光線に色変調するものである。色切替光学系20は、円盤状に形成されたカラーホイール21と、カラーホイール21を通過した発散光を入射側端面22aより導き入れて収束させ、出射側端面22bに導くロッドインテグレータ22とを備えている。カラーホイール21は、回転することにより照明光学系10から放射された光束を赤、緑、青の色光線に色変調する。
図8は、カラーホイール21の正面図である。カラーホイール21には、周方向に並ぶ扇状の4つの領域が形成されている。その内、3つのカラーフィルター領域21R,21G,21Bは、それぞれ赤、緑、青の光線を透過する色フィルター機能を有した領域である。それぞれのカラーフィルター領域21R,21G,21Bは、誘電体多層膜や色素顔料等の薄膜で形成されている。カラーホイール21では、狭い面積に光束が収束されるため、光線のエネルギ密度が極めて高くなり、高温になる。このため、それぞれのカラーフィルター領域21R,21G,21Bは、誘電体多層膜で実現されることが望ましい。領域21Wは、色フィルター機能を有さない領域であり、照明光学系から放射された光束はそのまま透過する。これにより、投写画像の輝度(明るさ)が向上する。
ロッドインテグレータ22(図7参照)の入射側端面22aに入射した光束は、内部で多数回反射しながら重畳され出射側端面22bから出射する。ロッドインテグレータ22の入射側端面22aは、リフレクタ11bの2つの焦点のうち、光源ランプ11aが配置された第1焦点とは異なる第2焦点に位置している。カラーホイール21の回転面は、入射側端面22aの入射側に近接して配置される。
リレー光学系30は、色切替光学系20で時分割色変調された各色光を、反射型光変調素子40まで導くもので、リレーレンズ群31と、ミラー32と、フィールドレンズ33とを備えている。
リレーレンズ群31は、照明光軸上に配置されたフィールドレンズ33とともに、ロッドインテグレータ22から出射された光束を発散させずに反射型光変調素子40上に導く機能を有している。
フィールドレンズ33は、リレーレンズ群31から出射した各色光を反射型光変調素子40上に投写するとともに、反射型光変調素子40で変調された光束を投写光学系50とともに拡大投写するものである。
図9は、反射型光変調素子40の構成及び動作を示す概略図である。
反射型光変調素子40は、色切替光学系20で時分割色変調された各色光を画像信号に応じて変調するものである。反射型光変調素子40には、マイクロミラー41(説明上マイクロミラー41は拡大して描いている)が複数形成されている。マイクロミラー41は、印加されるバイアス電圧によって左方向に+θ傾いたオン位置と、右側に−θ傾いたオフ位置との2つの安定状態をとることができる。
マイクロミラー41に対して、水平方向より左下方2θ傾いた方向から入射する光束Lは、マイクロミラーがオン状態(位置n)の時は、投写光学系50の方向に反射され、画像光束Lnとして投写される。オフ状態(位置f)の時は、不用光束Lfとして水平方向から4θ上方に反射され、吸収体53で吸収される。
投写光学系50(図7参照)は、反射型光変調素子40によって変調された画像光束を、プロジェクタ1の前方に設置されたスクリーン(図示せず)に拡大投写するものである。投写光学系50の詳細は図示しないが、複数のレンズ素子で構成された組レンズ構造となっている。
装置制御部60は、色切替光学系20と反射型光変調素子40とに電気的に接続されており、それらの動作制御を行うものである。
特開2004−021094号公報
図7に示すプロジェクタ1では、白色光は、赤、緑、青の光束に時分割色変調され、それぞれ同じ光学系を通して投写される。投写光学系50は、球面収差、歪曲収差、像面湾曲、色収差等、各種の光学的収差を補正できるものであることが望まれる。しかし、全ての光学的収差を補正する投写光学系50を設計するには、設計の負荷が高く、高価なレンズ硝材を使う必要があり、なおかつレンズ枚数が増え、レンズ本体が大きく重いもとなってしまう。このため、レンズ設計の負荷を抑えた場合には、例えば、波長の異なる光線に対して全ての光学的収差を補正することが難しくなり、色収差が残存してしまう。軸上色収差が残存する場合、プロジェクタ1では、投写される各色の結像位置が少しづつずれる。具体的には、緑光束の結像位置を最適にする投写光学系では、赤光束の結像位置は少し後方(投写光学系より離れる側)に位置し、青光束の結像位置は少し前方に位置する。このため、スクリーンに投写された画像は、緑色に対して、赤色および青色が滲んだように観察される。これは、通称「色にじみ」あるいは「色ずれ」とも言われる現象である。
そこで、本発明では、レンズ設計の負荷を抑えつつ、光学的収差を適切に補正する投写レンズおよびそれを備えるプロジェクタを提供すること課題とする。
第1の発明としての投写レンズは、複数の反射鏡を有する反射素子と、複数の屈折素子とを備える。反射鏡の少なくとも1つは、電気信号により傾斜角度が連続的に制御される複数のミラーが2次元的に配列されたミラー素子により構成される。ミラー素子は、ミラーのそれぞれの傾斜角度が制御され、反射素子および屈折素子により得られる光学パワーを変化させる。
ミラー素子は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)と呼ばれる超小型の半導体素子で構成される。ミラー素子では、マトリクス状に配列された複数のミラーの傾斜角度は、電気信号により制御され、連続的な値を取る。ミラー素子のそれぞれのミラーが任意に制御可能であるため、反射素子および屈折素子を有する投写レンズは、任意に光学パワーを変化させることが可能となる。
本発明の投写レンズでは、ミラー素子の制御により、投写レンズの光学パワーを任意に変化させることが可能となる。このため、レンズ設計の負荷を抑えつつ、光学的収差を補正することが可能となる。例えば、投写される光束の波長に応じて光学パワーを任意に変化させ、色収差を補正することが可能となる。
第2の発明としての投写レンズでは、反射鏡は、主鏡と、主鏡よりも小径の副鏡とで構成され、ミラー素子は、副鏡である。
第3の発明としてのプロジェクタは、光源と、変調光学系と、投写光学系と、制御部とを備える。変調光学系は、光源から出射される光束を画像情報に応じた光学像に変調する。投写光学系は、第1又は第2の発明としての投写レンズを含み、変調光学系から出射される光学像を投写する。制御部は、投写レンズを制御する。
本発明のプロジェクタでは、ミラー素子の制御により、投写レンズの光学パワーを任意に変化させることが可能となる。このため、レンズ設計の負荷を抑えつつ、光学的収差を補正することが可能となる。例えば、投写される光束の波長に応じて光学パワーを任意に変化させ、色収差を補正することが可能となる。
第4の発明としてのプロジェクタでは、制御部は、画像情報と同期的にミラー素子を制御することにより、反射素子および屈折素子により得られる光学パワーを所定の値に制御する。
ここで、画像情報と同期的に制御する、とは、例えば、画像情報が時分割色変調される場合には、時分割された赤、緑、青の光束に同期的に制御が行われることを意味する。ミラー素子の制御では、例えば、各ミラーの設定(傾斜角度)が各色毎にROMなどの記憶装置に記憶されており、制御部は、色変調と同期的に各ミラーの設定をROMから読み出し、ミラー素子を制御する。
本発明のプロジェクタでは、画像情報の色変調に応じて光学パワーを任意に変化させ、色収差を補正することが可能となる。
第5の発明としてのプロジェクタは、光源、変調光学系および投写光学系を格納する筐体内の温度を計測する温度センサをさらに備える。制御部は、温度センサから取得する温度情報に対して予め記憶されたミラー素子の設定情報に基づいてミラー素子を制御することにより、反射素子および屈折素子により得られる光学パワーを所定の値に制御する。
プロジェクタでは、連続使用していると機器の温度が上昇し、光学系の諸寸法が微小に変化する。このため最適像面が移動し投写像がボケる、所謂「温度ドリフト」という現象が発生する。この温度上昇と像面の移動量との関係は、測定等で予め求めておくことができ、さらには、その像面の移動量を補正するためのミラー素子の設定(各ミラーの傾斜角度)を予め求めておくことができる。そこで、本発明のプロジェクタでは、予めROMなどの記憶装置に温度とミラー素子の設定との関係を記憶しておき、制御部は、温度センサから取得する温度情報に対してROMを参照してミラー素子の設定情報を取得し、ミラー素子を制御する。
本発明のプロジェクタでは、プロジェクタの温度に応じて光学パワーを任意に変化させ、光学的収差を補正することが可能となる。
第6の発明としてのプロジェクタは、投写レンズのズーム位置を計測するズーム位置センサをさらに備える。制御部は、ズーム位置センサから取得する位置情報に対して予め記憶されたミラー素子の設定情報に基づいてミラー素子を制御することにより、反射素子および屈折素子により得られる光学パワーを所定の値に制御する。
光学的ズーム機能が装備されているプロジェクタでは、ズーム操作によって投写像面が移動する場合がある。このズーム操作量(ズーム位置)と像面の移動量との関係は、予め求めておくことができ、さらには、その像面の移動量を補正するためのミラー素子の設定(各ミラーの傾斜角度)を予め求めておくことができる。そこで、本発明のプロジェクタでは、予めROMなどの記憶装置にズーム位置とミラー素子の設定との関係を記憶しておき、制御部は、ズーム位置センサから取得するズーム位置情報に対してROMを参照してミラー素子の設定情報を取得し、ミラー素子を制御する。
本発明のプロジェクタでは、プロジェクタのズーム位置に応じて光学パワーを任意に変化させ、光学的収差を補正することが可能となる。
本発明により、レンズ設計の負荷を抑えつつ、光学的収差を適切に補正する投写レンズおよびそれを備えるプロジェクタを提供することが可能となる。
(第1実施形態)
〈構成・作用〉
第1実施形態としての反射型投写光学系(反射型投写レンズ)は、MEMSミラー(反射型光変調素子)を備える。これにより、レンズ枚数を増やすことなく光学的収差を補正することが可能であり、従来の同機能のレンズと比較して、小形軽量で高機能の投写光学系を実現することが可能となる。以下、添付図面を参照して第1実施形態としての投写光学系500およびプロジェクタ2について説明する。
図1は、本発明に係わるプロジェクタ2の光学系の概要説明図である。
プロジェクタ2は、照明光学系100と、色切替光学系200と、リレー光学系300と、反射型光変調素子400と、MEMSミラー510を有する投写光学系500と、色切替光学系200、反射型光変調素子400およびMEMSミラー510の動作制御を行う制御回路部600と、を備えている。
照明光学系100、色切替光学系200、リレー光学系300および反射型光変調素子400の構成および機能は、図7に示す照明光学系10、色切替光学系20、リレー光学系30および反射型光変調素子40の構成および機能と同様であるため、それらの説明を省略する。
図2は、MEMSミラー510が組み込まれた投写光学系500の概略図である。MEMSミラー510は、反射型光変調素子40と同じように超多数個のマイクロミラーが縦横に2次元配列された構造を有している。しかし、反射型光変調素子40とはその構成および作用において相違する。具体的には、反射型光変調素子40のそれぞれのマイクロミラーは、ある1軸を回動軸としてシーソー動作を行い、それぞれの方向に倒れた時の2つの状態しか取ることができない。一方、MEMSミラー510は、傾斜可能な角度範囲において全方位自由な方向に傾くことができる。また、MEMSミラー510の傾斜角度は、電気信号の強弱によって連続的に制御される。このようなMEMSミラー510としては、例えば、特許第3657259号公報(例えば、第18図)に開示されている可変形ミラーを用いることができる。
さて、図3に示すように、既によく知られているフレネルレンズL1は、概略的には、1枚の板状であるが、詳細には、1個の凸(凹)レンズL2を同心円状に細分割し、曲面部分だけを残し、厚さ方向に圧縮した構造を有している。このようなフレネルレンズL1では、各同心円毎に斜面(厳密には球面の一部)の傾斜角が異なっている。
MEMSミラー510においても、マイクロミラーを反射率の高い金属薄膜等により形成し、各同心円毎にマイクロミラーの傾斜角を異ならせることにより、所定の凸(凹)面鏡としての機能を発揮させることが可能である。また、MEMSミラー510は、微細に分割されたマイクロミラーの傾きを個々に独立して制御することが可能である。このため、マイクロミラーの傾きを系統的に制御すれば、凸面鏡〜凹面鏡まで任意に実現することができ、MEMSミラー510を含む投写光学系500の光学的パワーを変えることが出来る。なお、MEMSミラー510では、球面反射面だけでなく、回転対象の非球面反射面、あるいは非回転対象の非球面反射面も実現可能である。
反射型光変調素子400(図2参照)で反射された投写光束は、投写光学系500の後方レンズ群540に入射する。そこを通過した光束は、光線の進行方向に配置されている副鏡であるMEMSミラー510に到達する。MEMSミラー510で反射された光束は、主鏡530で再度反射され、第1レンズ520を通過後、さらに光線の進行方向に設置されたスクリーン等に投写される。
制御回路部600(図1参照)は、色切替光学系200と、反射型光変調素子400およびMEMSミラー510との同期制御および駆動を行う電気回路である。例えば、照明光学系100から照射された光束がカラーホイール21の赤色のカラーフィルター領域21Rを通過中は、制御回路部600は、反射型光変調素子400を赤色画像信号で駆動する。また、制御回路部600は、それと同期して、図示しないROMなどに記憶された、MEMSミラー510の赤色変調時の設定(各マイクロミラーの傾斜角度)を読み出し、読み出した設定によりMEMSミラー510を制御する。これにより、投写光学系500は、赤色画像信号を適切な位置に投写する光学パワーを発揮する。同様の動作が、緑色変調時、青色変調時に同期して行われる。
〈効果〉
以上の構成および動作により、プロジェクタ2は、以下の効果を奏する。
図4は、従来の投写光学系50で、赤、緑、青の画像を投写した時の最適結像面の違いを示したものである。緑色の光束に対して最適に調節された結層位置7の前後に、それぞれ赤色の光束の結像位置9、青色の光束の結像位置8が位置する。なお、投写光学系50の設計によっては、このような軸上色収差を抑えることが可能であるが、レンズ設計の負荷が高くなる。
一方、投写光学系500は、MEMSミラー510を備え、それぞれの色の光束と同期的に光学パワーを変化させることが可能である。これにより、投写光学系500では、それぞれの色の光束に対してフォーカス調整を行い、所定の結像位置にそれぞれの光束を結像させることが可能となる。
なお、動画像として毎秒60枚(60フレームまたは60フィールド)のカラー画像が投写される場合、1枚のカラー画像は、赤色、緑色、青色の3画像の重ね合わせにより生成されるため、反射型光変調素子400では、毎秒60×3=180枚の画像を変調する必要がある。さらに、変調されたそれぞれの色の画像の結像位置を制御するためには、毎秒180回以上のフォーカス切替えが必要となる。しかし、投写光学系500は、MEMSミラー510を備え、このような高速駆動に対しても十分な応答性を備えている。
また、以上説明した投写光学系500を備えるプロジェクタ2は、ライトバルブが単板の単板式プロジェクタである。このような単板式プロジェクタであっても、プロジェクタ2は、投写レンズ系の中に電気信号によって光学パワーを高速に可変できる素子(MEMSミラー510)を組み入れており、各色の光束の結像位置のズレを補正する。これにより、色ずれが少なく、鮮明な投写像を得ることが可能となる。
〈その他〉
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、反射型投写光学系に反射型光変調素子を用いる構成としたが、反射型撮像光学系(反射式望遠撮像レンズ)に反射型光変調素子を用いてもよい。
一般に、高級望遠レンズには、色収差補正のために、蛍石などの高価な異常分散ガラスを用いているが、本発明の構成を採用すれば、簡素なレンズ構成で色収差補正を行うことが可能となる。
(第2実施形態)
〈構成・作用〉
第2実施形態としての反射型投写光学系(反射型投写レンズ)は、MEMSミラー(反射型光変調素子)を備える。さらに、プロジェクタ内の温度を計測する温度センサを備える。これにより、プロジェクタの温度に応じて光学パワーを任意に変化させ、光学的収差を補正することが可能となる。
図5は、本発明に係わるプロジェクタ3の光学系の概要説明図である。
プロジェクタ3は、照明光学系100と、色切替光学系200と、リレー光学系300と、反射型光変調素子400と、MEMSミラー510を有する投写光学系500と、色切替光学系200、反射型光変調素子400およびMEMSミラー510の動作制御を行う制御回路部700と、プロジェクタ3の筐体(図示せず)内の温度を計測する温度センサ710とを備えている。なお、第1実施形態で説明したプロジェクタ2の構成と同様の構成には同じ符号を付してそれらの説明を省略する。以下では、プロジェクタ3の特徴部分である制御回路部700と温度センサ710との構成及び作用について説明する。
図5に示すように、温度センサ710は、プロジェクタ3の筐体内の温度を計測し、温度に相当する温度情報(例えば、温度に比例する電圧など)を制御回路部700に出力する。
制御回路部700は、温度情報とMEMSミラー510の設定(各マイクロミラーの傾斜角度)との関係を予め記憶するROM(図示せず)などの記憶装置にアクセスし、温度センサ710から取得した温度情報に対応するMEMSミラー510の設定を取得する。さらに、制御回路部700は、取得した設定に基づいて、MEMSミラー510を駆動する。
〈効果〉
一般に、プロジェクタでは、連続使用していると機器の温度が上昇し、光学系の諸寸法が微小に変化する。このため最適像面が移動し投写像がボケる、所謂「温度ドリフト」という現象が発生する。この温度上昇と像面の移動量との関係は、測定等で予め求めておくことができ、さらには、その像面の移動量を補正するための各マイクロミラーの設定(傾斜角度)を予め求めておくことができる。
本発明のプロジェクタ3のROMは、温度情報と像面の移動量を補正するための各マイクロミラーの設定との関係を記憶している。さらに、制御回路部700は、温度センサ710から取得する温度情報に対してROMを参照して各マイクロミラーの設定を取得し、MEMSミラー510を制御する。
これにより、本発明のプロジェクタ3では、筐体内の温度変化による光学系のズレを補正し、光学的収差を適切に補正することが可能となる。
(第3実施形態)
〈構成・作用〉
第3実施形態としての反射型投写光学系(反射型投写レンズ)は、MEMSミラー(反射型光変調素子)を備える。さらに、投写レンズのズーム位置を計測するズーム位置センサを備える。これにより、プロジェクタのズーム位置に応じて光学パワーを任意に変化させ、光学的収差を補正することが可能となる。
図6は、本発明に係わるプロジェクタ4の光学系の概要説明図である。
プロジェクタ4は、照明光学系100と、色切替光学系200と、リレー光学系300と、反射型光変調素子400と、MEMSミラー510およびズームレンズ560を有する投写光学系550と、色切替光学系200、反射型光変調素子400およびMEMSミラー510の動作制御を行う制御回路部800と、ズームレンズ560のズーム位置を計測するズーム位置センサ810とを備えている。なお、第1実施形態で説明したプロジェクタ2の構成と同様の構成には同じ符号を付してそれらの説明を省略する。以下では、プロジェクタ4の特徴部分である制御回路部800とズーム位置センサ810との構成及び作用について説明する。
図6に示すように、プロジェクタ4の投写光学系550は、投写光学系500(図1参照)と同様の構成に加え、ズームレンズ560をさらに備えており、光学的ズーム機能を発揮する。ズーム位置センサ810は、ズームレンズ560のズーム位置を計測し、ズーム位置に相当する位置情報(例えば、位置に比例する電圧など)を制御回路部800に出力する。
制御回路部800は、位置情報とMEMSミラー510の設定(各マイクロミラーの傾斜角度)との関係を予め記憶するROM(図示せず)などの記憶装置にアクセスし、ズーム位置センサ810から取得した位置情報に対応するMEMSミラー510の設定を取得する。さらに、制御回路部800は、取得した設定に基づいて、MEMSミラー510を駆動する。
〈効果〉
一般に、光学的ズーム機能が装備されているプロジェクタでは、ズーム操作によって投写像面が移動する場合がある。ズーム位置と像面の移動量との関係は、測定等で予め求めておくことができ、さらには、その像面の移動量を補正するための各マイクロミラーの設定(傾斜角度)を予め求めておくことができる。
本発明のプロジェクタ4のROMは、ズーム位置の位置情報と像面の移動量を補正するための各マイクロミラーの設定との関係を記憶している。さらに、制御回路部800は、ズーム位置センサ810から取得する位置情報に対してROMを参照して各マイクロミラーの設定を取得し、MEMSミラー510を制御する。
これにより、本発明のプロジェクタ4では、ズーム操作による光学系のズレを補正し、光学的収差を適切に補正することが可能となる。
(その他)
なお、上述した第1〜第3実施形態に記載したそれぞれは、任意に組み合わせて実現することも可能である。例えば、プロジェクタ2が温度センサ710やズーム位置センサ810を備え、色変調、温度情報、位置情報に応じて、MEMSミラー510を駆動してもよい。この場合、プロジェクタ2が備えるROMには、色変調と、温度情報や位置情報との組み合わせに対するMEMSミラー510の設定が記憶されている。
本発明は、レンズ設計の負荷を抑えつつ、光学的収差を適切に補正することが求められる分野において、投写レンズおよびそれを備えるプロジェクタ、撮像レンズなどとして有用である。
MEMSミラーを有する投写光学系を搭載するプロジェクタの構成を示す概要図(第1実施形態) MEMSミラーを有する投写光学系の構成を示す概要図(第1実施形態) 凸レンズとフレネルレンズとについて説明する説明図(第1実施形態) 軸上色収差について説明する説明図(第1実施形態) MEMSミラーを有する投写光学系を搭載するプロジェクタの構成を示す概要図(第2実施形態) MEMSミラーを有する投写光学系を搭載するプロジェクタの構成を示す概要図(第3実施形態) 従来のプロジェクタの構成を示す概要図(背景技術) カラーホイールの色フィルター区分を示す図面(背景技術) 反射型光変調素子の動作を説明する模式図(背景技術)
符号の説明
1,2 プロジェクタ
10,100 照明光学系
20,200 色切替光学系
21 カラーホイール
22 ロッドインテグレータ
30,300 リレー光学系
31 リレーレンズ群
32 ミラー
33 フィールドレンズ
40,400 反射型光変調素子
50,500 投写光学系
53 光線吸収体
60,600 制御回路部
510 MEMSミラー
520 第1レンズ
530 主鏡
540 後方レンズ群

Claims (6)

  1. 複数の反射鏡を有する反射素子と、
    複数の屈折素子と、
    を備え、
    前記反射鏡の少なくとも1つは、電気信号により傾斜角度が連続的に制御される複数のミラーが2次元的に配列されたミラー素子により構成され、
    前記ミラー素子は、前記ミラーのそれぞれの前記傾斜角度が制御され、前記反射素子および前記屈折素子により得られる光学パワーを変化させる、
    投写レンズ。
  2. 前記反射鏡は、主鏡と、前記主鏡よりも小径の副鏡とで構成され、
    前記ミラー素子は、前記副鏡である、
    請求項1に記載の投写レンズ。
  3. 光源と、
    前記光源から出射される光束を画像情報に応じた光学像に変調する変調光学系と、
    請求項1又は2に記載の投写レンズを含み、前記変調光学系から出射される前記光学像を投写する投写光学系と、
    前記投写レンズを制御する制御部と、
    を備える、
    プロジェクタ。
  4. 前記制御部は、前記画像情報と同期的に前記ミラー素子を制御することにより、前記反射素子および前記屈折素子により得られる光学パワーを所定の値に制御する、
    請求項3に記載のプロジェクタ。
  5. 前記光源、前記変調光学系および前記投写光学系を格納する筐体内の温度を計測する温度センサ、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記温度センサから取得する温度情報に対して予め記憶された前記ミラー素子の設定情報に基づいて前記ミラー素子を制御することにより、前記反射素子および前記屈折素子により得られる光学パワーを所定の値に制御する、
    請求項3又は4に記載のプロジェクタ。
  6. 前記投写レンズのズーム位置を計測するズーム位置センサ、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記ズーム位置センサから取得する位置情報に対して予め記憶された前記ミラー素子の設定情報に基づいて前記ミラー素子を制御することにより、前記反射素子および前記屈折素子により得られる光学パワーを所定の値に制御する、
    請求項3〜5のいずれか1項に記載のプロジェクタ。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009169286A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Casio Comput Co Ltd 投影装置、投影制御方法及びプログラム

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