本発明の請求項1記載の発明は、伝熱板と前記伝熱板の間隔を保持するための間隔リブと気流の漏れを遮蔽するための遮蔽リブとを樹脂にて一体成形して単位素子を形成し、この単位素子を複数積層することにより前記伝熱板間に通風路が形成され、一次気流と二次気流を前記通風路に流通することにより、前記伝熱板を介して熱交換するようにした熱交換器において、前記単位素子を積層した時に積み間違いが分かる手段を備えたものであり、単位素子を積層した際に積み間違いが分かる手段を備えたことにより、単位素子の積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子の積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また単位素子の積み間違いによって、伝熱板毎に同じ方向に通風路が形成され、一次気流と二次気流を熱交換器に流通すると、誤って積層した部分については熱交換がされない。単位素子を積層した際に積み間違いが分かる手段を備えたことにより、単位素子の積み間違いによって、伝熱板毎に正しく通風路が形成できないことに起因する熱交換効率の低下を防止することができる。
また、本発明の請求項2記載の発明は、間隔リブおよび遮蔽リブが何れかで連結したものであり、単位素子の間隔リブおよび遮蔽リブは何れかで連結しているため、間隔リブおよび遮蔽リブを有する単位素子が一回の樹脂成形で一体に形成でき、量産性を向上することができ、更に金型内に伝熱板を挿入してから射出成形するインサート射出成形を用いると、一回の成形で伝熱板と間隔リブと遮蔽リブが一体成形され、単位素子を形成できることにより加工工程が少なくでき、更に量産性を向上することができ、また、部品点数が少なく、製造コストを低減することができる。
また、本発明の請求項3記載の発明は、単位素子は二種類の間隔リブおよび遮蔽リブを備え、第一の間隔リブおよび第一の遮蔽リブと第二の間隔リブおよび第二の遮蔽リブは伝熱板を間に挟んだものであり、金型内に伝熱板を挿入してから射出成形するインサート射出成形を用いた場合、溶融した樹脂を伝熱板表面側から金型内に射出すると、射出圧力が高いため溶融した樹脂は、伝熱板表面の第一の間隔リブおよび第一の遮蔽リブを成形すると共に、和紙などの紙類で構成された伝熱板を貫通し、伝熱板裏面の第二の間隔リブおよび第二の遮蔽リブと連結する形で形成することができるので、一回の成形で伝熱板と間隔リブと遮蔽リブが一体成形され、単位素子を形成できることにより加工工程が少なくでき、量産性を向上することができ、また、部品点数が少なく、製造コストを低減することができる。また伝熱板表面の第一の間隔リブおよび第一の遮蔽リブと伝熱板裏面の第二の間隔リブおよび第二の遮蔽リブがインサート射出成形する際に伝熱板を間に挟んで一体形成されるので、気密性の高い単位素子が形成でき、この単位素子を積層することにより、気流の漏れを防止することができる熱交換器が得られる。
また、本発明の請求項4記載の発明は、積み間違いが分かる手段として、単位素子に凹部と凸部を備え、前記単位素子を正しく積層した時には隣接する前記単位素子の前記凹部と前記凸部が嵌合し、誤って積層した時には前記凸部と隣接する前記単位素子の一部が干渉するものであり、単位素子を正しく積層した時には隣接する前記単位素子の凹部と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉するため、単位素子の積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子の積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また凹部と凸部は単位素子を積層した際に凹部と凸部が嵌合することにより、単位素子同士が互いに固定するため、単位素子のずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記嵌合構造が単位素子を積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また、本発明の請求項5記載の発明は、遮蔽リブに凹部と凸部を備えたものであり、単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の凹部と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉するため、単位素子の積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子の積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また凹部と凸部は単位素子を積層した際に凹部と凸部が嵌合することにより、単位素子同士が互いに固定するため、単位素子のずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記嵌合構造が単位素子を積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また、本発明の請求項6記載の発明は、間隔リブに凹部と凸部を備えたものであり、単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の凹部と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉するため、単位素子の積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子の積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また凹部と凸部は単位素子を積層した際に凹部と凸部が嵌合することにより、単位素子同士が互いに固定するため、単位素子のずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記嵌合構造が単位素子を積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また、本発明の請求項7記載の発明は、単位素子に貫通穴を備え、この貫通穴の一部の周囲に凹部と凸部を備えたものであり、貫通穴の一部の周囲に凹部と凸部を備えたことにより、単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の凹部と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉するため、単位素子の積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子の積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また凹部と凸部は単位素子を積層した際に凹部と凸部が嵌合することにより、単位素子同士が互いに固定するため、単位素子のずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記嵌合構造が単位素子を積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また、本発明の請求項8記載の発明は、単位素子に貫通穴と二種類の凹部と凸部を備え、第一の凹部と第一の凸部は前記貫通穴の周囲に設け、前記単位素子を積層した時に前記第一の凹部と前記第一の凸部が嵌合し、第二の凹部と第二の凸部は前記単位素子を正しく積層した時には隣接する前記単位素子の前記第二の凹部と前記第二の凸部が嵌合し、誤って積層した時には前記第二の凸部と隣接する前記単位素子の一部が干渉するものであり、第一の凹部と第一の凸部は単位素子を積層した際に第一の凹部と第一の凸部が嵌合することにより、単位素子同士が互いに固定するため、単位素子のずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また貫通穴の周囲に設けた嵌合構造が、単位素子を積層する際に発生する位置ずれを防止することにより量産性を向上することができる。更に第二の凹部と第二の凸部は単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の第二の凹部と第二の凸部が嵌合し、誤って積層した時には第二の凸部と隣接する単位素子の一部が干渉するため、単位素子の積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子の積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また第二の凹部と第二の凸部は単位素子を積層した際に第二の凹部と第二の凸部が嵌合することにより、単位素子同士が互いに固定するため、単位素子のずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記第二の嵌合構造が単位素子を積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また、本発明の請求項9記載の発明は、貫通穴に支持棒を通し、単位素子同士を結束したものであり、単位素子を積層した際に、単位素子同士を結束することにより、単位素子のずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。
また、本発明の請求項10記載の発明は、単位素子は穴と貫通穴と凸部を備え、前記穴は伝熱板に設け、この穴の周囲に前記貫通穴を設け、前記凸部は前記単位素子を正しく積層した時には隣接する前記単位素子の前記貫通穴と嵌合し、誤って積層した時には前記凸部と隣接する前記単位素子の一部が干渉するものであり、金型内に伝熱板を挿入してから射出成形するインサート射出成形を用いた場合、伝熱板に設けた穴は、樹脂金型に伝熱板を挿入する際の位置決めを容易に行うことができ、量産性を向上することができる。また単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の貫通穴と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉するため、単位素子の積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子の積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また貫通穴と凸部は単位素子を積層した際に貫通穴と凸部が嵌合することにより、単位素子同士が互いに固定するため、単位素子のずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記嵌合構造が単位素子を積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また、本発明の請求項11記載の発明は、間隔リブまたは遮蔽リブの少なくとも何れか、または前記間隔リブまたは前記遮蔽リブの少なくとも何れかに連結する位置に貫通穴を設けたものであり、単位素子の間隔リブおよび遮蔽リブは何れかで連結し、且つ樹脂で構成されているため、間隔リブまたは遮蔽リブの少なくとも何れか、または間隔リブまたは遮蔽リブの少なくとも何れかに連結する位置に貫通穴を設けることにより、間隔リブと遮蔽リブと貫通穴を有する単位素子が一回の樹脂成形で一体に形成でき、量産性を向上することができる。
また、本発明の請求項12記載の発明は、方形の単位素子を伝熱面に対して平行に90度回転しながら積層したものであり、一つの単位素子を90度回転しながら交互に積層するだけで熱交換器が形成できるため、一つの金型を設けるだけでよく、製造コストを低減することができる。
また、本発明の請求項13記載の発明は、方形の単位素子において、貫通穴を四隅に設けたものであり、貫通穴を方形の単位素子の四隅に設けたことにより、単位素子を誤って積層した時には、貫通穴の周囲に設けた凸部と隣接する単位素子の一部が干渉している状態が、熱交換器側面から容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。
(実施の形態1)
図1は熱交換器の概略斜視図、図2(a)はX方向から見た単位素子の概略斜視図、図2(b)はY方向から見た単位素子の概略斜視図、図3は熱交換器の概略分解斜視図、図4(a)は単位素子を正しく積層した熱交換器の概略斜視図、図4(b)はA−A断面の熱交換器の概略斜視図、図4(c)はA−A断面の熱交換器の概略拡大斜視図、図5(a)は単位素子を誤って積層した熱交換器の概略斜視図、図5(b)は熱交換器の概略拡大斜視図、図6(a)は単位素子を正しく積層した熱交換器の概略斜視図、図6(b)はB−B断面の熱交換器の概略斜視図、図6(c)はB−B断面の熱交換器の概略拡大斜視図、図7(a)は単位素子を誤って積層した熱交換器の概略斜視図、図7(b)はC−C断面の熱交換器の概略斜視図、図7(c)はC−C断面の熱交換器の概略拡大斜視図、図8は伝熱板の概略斜視図、図9(a)は単位素子を正しく積層した熱交換器の概略斜視図、図9(b)はB−B断面の熱交換器の概略斜視図、図9(c)はB−B断面の熱交換器の概略拡大斜視図、図10(a)は単位素子を誤って積層した熱交換器の概略斜視図、図10(b)はC−C断面の熱交換器の概略斜視図、図10(c)はC−C断面の熱交換器の概略拡大斜視図、図11は熱交換器の概略量産工程図、図12は射出成形金型の概略断面図、図13(a)は単位素子を正しく積層した熱交換器の概略斜視図、図13(b)はB−B断面の熱交換器の概略斜視図、図13(c)はB−B断面の熱交換器の概略拡大斜視図である。
図1、図2(a)、2(b)、図3、図4(a)、4(b)、4(c)において、熱交換器1aは一辺が120mmの方形で厚みが2.5mmの単位素子2aを交互に90度回転しながら積層し、支持棒3にて単位素子2a同士を結束することにより構成され、伝熱板4の間に形成された通風路5に、一次気流Aと二次気流Bを流通すると、一次気流Aと二次気流Bとは伝熱板4を介して直交しながら熱交換を行う。
図2(a)および図2(b)の単位素子2aは、伝熱板4のX方向表面に第一の間隔リブ6a、第一の遮蔽リブ7a、遮蔽リブ凹部8、貫通穴9、第一の凸部として貫通穴凸部10、第二の凸部として積層確認凸部11、位置決め凸部12、位置決め貫通穴13a、遮蔽リブ注入口14a、間隔リブ注入口15を備え、伝熱板4のY方向表面に第二の間隔リブ6aa、第二の遮蔽リブ7aa、貫通穴9、位置決め貫通穴13aa、遮蔽リブ凸部16、第一の凹部として貫通穴凹部17、第二の凹部として積層確認凹部18、位置決め平面部19を備え、第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaおよび第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaが伝熱板4を間に挟むように、樹脂にて一体成形して得られる。
伝熱板4のX方向表面において、第一の間隔リブ6aは高さ1mm、幅1mmで所定間隔に6本形成し、第一の遮蔽リブ7aは伝熱板4の向かい合う一組の両端で第一の間隔リブ6aと平行に高さ1mm、幅5mmに形成する。遮蔽リブ凹部8は第一の遮蔽リブ7aの上面に、凹高さ0.5mm、幅2.5mmに通風路5に沿って凹形状に形成し、第一の遮蔽リブ7aと遮蔽リブ凹部8の断面は階段状に形成される。遮蔽リブ注入口14aは台形状で第一の遮蔽リブ7aと連結し、通風路5内に形成し、遮蔽リブ凹部8と同じ凸高さに形成する。貫通穴9は単位素子2aの四隅であって、第一の遮蔽リブ7aに穴を設け、この貫通穴9の穴の周囲に凸高さ0.4mmの貫通穴凸部10を設ける。積層確認凸部11は貫通穴凸部10に連結し、方形の単位素子2aの対角する2箇所に凸高さ0.4mmで設ける。位置決め凸部12は第一の間隔リブ6aの上面に凸高さ1.7mmで2個設け、位置決め貫通穴13aは第一の間隔リブ6aに凸高さ1.0mmで2個の円筒を設け、間隔リブ注入口15は第一の間隔リブ6aの上面に凹高さ0.5mmに第一の間隔リブ6aの段を落とすような形状に形成する。
伝熱板4のY方向表面において、第二の間隔リブ6aaは第一の間隔リブ6aと直交し、高さ1mm、幅1mmで所定間隔に6本形成し、第二の遮蔽リブ7aaは伝熱板4の向かい合う一組の両端で第二の間隔リブ6aaと平行に高さ1mm、幅5mmに形成する。遮蔽リブ凸部16は第二の遮蔽リブ7aaの上面に、凸高さ0.4mm、幅2.4mmに通風路5に沿って凸形状に形成し、第二の遮蔽リブ7aaと遮蔽リブ凸部16の断面は階段状に形成される。貫通穴9は単位素子2aの四隅であって、第二の遮蔽リブ7aaに穴を設け、この貫通穴9の穴の周囲に凹高さ0.5mmの貫通穴凹部17を設ける。積層確認凹部18は貫通穴凹部17に連結し、方形の単位素子2aの対角する2箇所に凹高さ0.5mmで設ける。位置決め平面部19は伝熱板4を挟んで位置決め凸部12の反対側に凸高さ1.0mmの円柱を2箇所設け、位置決め貫通穴13aaは伝熱板4を挟んで位置決め貫通穴13aの反対側に凸高さ1.0mmで2個の円筒を設ける。
図4(a)、4(b)、4(c)に示すように、第一の間隔リブ6aと第二の間隔リブ6aaは単位素子2aを交互に90度回転しながら積層した時に、隣接する第一の間隔リブ6aと第二の間隔リブ6aaが重なり合うように形成され、伝熱板4を一定の間隔に保持する働がある。本実施の形態では、第一の間隔リブ6aおよび第二の間隔リブ6aaの凸高さを1mmとしたので、伝熱板4は2mm毎に積層される。
図4(a)、4(b)、4(c)に示すように、第一の遮蔽リブ7aと第二の遮蔽リブ7aaは単位素子2aを交互に90度回転しながら積層した時に、隣接する第一の遮蔽リブ7aと第二の遮蔽リブ7aaが重なり合うように形成され、熱交換器1aの通風路5を流通する一次気流Aおよび二次気流Bが熱交換器1aの端面から気流が漏れないように遮蔽する働きと、伝熱板4を一定の間隔に保持する働きがある。
なお第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaは熱交換器1aの伝熱板4を一定容積内で広く取るために、方形の単位素子2aの両端部に形成する構成としたが、熱交換器の設計や量産性などにより適宜決定する。
図4(a)、4(b)、4(c)に示すように、遮蔽リブ凹部8と遮蔽リブ凸部16は単位素子2aを交互に90度回転しながら正しく積層した時には、隣接する遮蔽リブ凹部8の凹部と遮蔽リブ凸部16の凸部が嵌合するよう形成される。熱交換器1aは第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aaに設けた遮蔽リブ凹部8と遮蔽リブ凸部16の嵌合により、単位素子2a同士が互いに固定化され、且つ単位素子2aを積層する際に発生する位置ずれを防止する。熱交換器1aの側面における気流の遮蔽は、図4(c)に示すように隣接する第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aa同士が重なり合うことにより行われ、遮蔽リブ凹部8の凹部と遮蔽リブ凸部16の凸部の嵌合も気流の遮蔽を行う。この明細書では、金型の製造精度と樹脂成形の精度を考慮して、第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aaは必ず重なり合うようにし、遮蔽リブ凹部8と遮蔽リブ凸部16の嵌合は、気流が漏れない程度に高さ方向に0.1mmの積層逃がし部20aを設けた。なお0.1mmの高さ方向の積層逃がし部20aを設けたが、単位素子2aを正しく積層した時には、熱交換器1aの側面における気流の遮蔽と単位素子2a同士の嵌合ができれば良く、熱交換器の設計や製造精度により適宜決定する。
図5(a)、5(b)に示すように、単位素子2aを交互に90度回転せず、誤って積層した時には、遮蔽リブ凸部16の凸部は隣接する第一の間隔リブ6aと干渉し、隣接する単位素子2a同士が嵌合できず、熱交換器1aの側面から確認すると単位素子2a同士に隙間があり、容易に単位素子2aの積み間違いを確認することができる。
熱交換器1aは、単位素子2aを積層した際に積み間違いが分かる手段として、第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaに遮蔽リブ凹部8と遮蔽リブ凸部16を備えたことにより、単位素子2aを正しく積層した時には隣接する単位素子2aの遮蔽リブ凹部8の凹部と遮蔽リブ凸部16の凸部が嵌合し、誤って積層した時には遮蔽リブ凸部16の凸部と隣接する単位素子2aの一部(第一の間隔リブ6a)が干渉するため、単位素子2aの積み間違いを容易に確認することができる構成となっている。
なお遮蔽リブ凹部8および遮蔽リブ凸部16は単位素子2aの第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aaに設けたが、単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の凹部と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉する構造であれば、その他の構成の熱交換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
この明細書における干渉とは、単位素子2aを誤って積層した時に凸部と隣接する単位素子2aの一部が当たり、隣接する単位素子2a同士が嵌合できず隙間ができる状態のことである。また、単位素子2aを正しく積層するとは、単位素子2aに備えた凹部と凸部の嵌合構造が互いに嵌合し、気流の漏れが無く、熱交換器の基本性能が発揮できる状態のことであり、単位素子2aを誤って積層するとは、単位素子2aに備えた凸部と単位素子2aの一部が干渉し、隣接する単位素子2aの間に隙間ができ、気流の漏れが有り、熱交換器の基本性能が発揮できない状態のことである。
図6(a)、6(b)、6(c)に示すように、第一の凹部および第一の凸部として設けた貫通穴凹部17と貫通穴凸部10は単位素子2aを交互に90度回転しながら正しく積層した時には、隣接する貫通穴凹部17の凹部と貫通穴凸部10の凸部が嵌合するよう形成される。熱交換器1aは単位素子2aの四隅に設けた貫通穴凹部17と貫通穴凸部10の嵌合により、単位素子2a同士が互いに固定化され、且つ単位素子2aを積層する際に発生する位置ずれを防止する。熱交換器1aの四隅における気流の遮蔽は、図6(c)に示すように隣接する第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aa同士が重なり合うことにより行われ、貫通穴凹部17の凹部と貫通穴凸部10の凸部の嵌合も気流の遮蔽を行う。この明細書では、金型の製造精度と樹脂成形の精度を考慮して、第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aaは必ず重なり合うようにし、貫通穴凹部17と貫通穴凸部10の嵌合は、気流が漏れない程度に高さ方向に0.1mmの積層逃がし部20bを設けた。なお0.1mmの高さ方向の積層逃がし部20bを設けたが、単位素子2aを正しく積層した時には、熱交換器1aの四隅における気流の遮蔽と単位素子2a同士の嵌合ができれば良く、熱交換器の設計や製造精度により適宜決定する。
なお貫通穴凹部17および貫通穴凸部10は単位素子2aの単位素子2aの四隅に設けたが、単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の凹部と凸部が嵌合し、間隔リブまたは遮蔽リブの少なくとも何れか、または間隔リブまたは遮蔽リブの少なくとも何れかに連結する構造であれば、その他の構成の熱交換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
図6(a)、6(b)、6(c)に示すように、第二の凹部および第二の凸部として設けた積層確認凹部18と積層確認凸部11は単位素子2aを交互に90度回転しながら正しく積層した時には、隣接する積層確認凹部18の凹部と積層確認凸部11の凸部が嵌合するよう形成される。熱交換器1aは方形の単位素子2aの対角する2箇所に設けた積層確認凹部18と積層確認凸部11の嵌合により、単位素子2a同士が互いに固定化され、且つ単位素子2aを積層する際に発生する位置ずれを防止する。熱交換器1aの四隅における気流の遮蔽は、図6(c)に示すように隣接する第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aa同士が重なり合うことにより行われ、積層確認凹部18の凹部と積層確認凸部11の凸部の嵌合も気流の遮蔽を行う。この明細書では、金型の製造精度と樹脂成形の精度を考慮して、第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aaは必ず重なり合うようにし、積層確認凹部18と積層確認凸部11の嵌合は、気流が漏れない程度に高さ方向に0.1mmの積層逃がし部20cを設けた。なお0.1mmの高さ方向の積層逃がし部20cを設けたが、単位素子2aを正しく積層した時には、熱交換器1aの四隅における気流の遮蔽と単位素子2a同士の嵌合ができれば良く、熱交換器の設計や製造精度により適宜決定する。
図7(a)、7(b)、7(c)に示すように、単位素子2aを交互に90度回転せず、誤って積層した時には、積層確認凸部11の凸部は隣接する第二の遮蔽リブ7aaと干渉し、隣接する単位素子2a同士が嵌合できず、熱交換器1aの側面から確認すると単位素子2a同士に隙間があり、容易に単位素子2aの積み間違いを確認することができる構成となっている。
なお積層確認凹部18および積層確認凸部11は単位素子2aの対角にそれぞれ2個設けたが、単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の凹部と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉する構造であれば、その他の構成の熱交換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
図8に示す伝熱板4は一辺が119mmの方形で、厚さが0.2〜0.01mm、好ましくは0.1〜0.01mmの和紙、防燃紙、伝熱性と透湿性と気体遮蔽性を有する特殊加工紙、透湿膜、または伝熱性のみを有するポリエステル系、ポリスチレン系のABS、AS、PS、ポリオレフィン系のPP、PEなどの樹脂シート、樹脂フィルムなどで構成される。伝熱板4の四隅には貫通穴9を4個設け、方形の伝熱板4の一つの対角線上に位置決め穴21を2個設け、この伝熱板4を樹脂金型に挿入し、インサート射出成形を用いて単位素子2aを一体成形する。伝熱板4を樹脂金型内に挿入する際、伝熱板4を位置決め、固定するためのピンを樹脂金型に設けておき、樹脂金型のピンと伝熱板4の位置決め穴21によって伝熱板4の位置決めを行う。
図9(a)、9(b)、9(c)に示すように、位置決め貫通穴13a、13aaは伝熱板4の位置決め穴21の周囲に形成され、位置決め凸部12の凸部は単位素子2aを交互に90度回転しながら正しく積層した時には、隣接する位置決め貫通穴13a、13aaと嵌合するように形成され、位置決め平面部19は隣接する位置決め貫通穴13aの穴を塞ぐように形成される。
熱交換器1aは単位素子2aの対角線上に設けた位置決め貫通穴13a、13aaと位置決め凸部12の嵌合により、単位素子2a同士が互いに固定化され、且つ単位素子2aを積層する際に発生する位置ずれを防止する。熱交換器1aの中央部における気流の遮蔽は、図9(c)に示すように隣接する位置決め平面部19と位置決め貫通穴13aおよび位置決め凸部12の凸部下面と位置決め貫通穴13aaが重なり合うことにより行われ、位置決め貫通穴13a、13aaの穴と位置決め凸部12の凸部の嵌合も気流の遮蔽を行う。この明細書では、金型の製造精度と樹脂成形の精度を考慮して、位置決め平面部19と位置決め貫通穴13aおよび位置決め凸部12の凸部下面と位置決め貫通穴13aaは必ず重なり合うようにし、位置決め貫通穴13a、13aaと位置決め凸部12の嵌合は、気流が漏れない程度に高さ方向に0.3mmの積層逃がし部20dを設けた。なお0.3mmの高さ方向の積層逃がし部20dを設けたが、単位素子2aを正しく積層した時には、熱交換器1aの中央部における気流の遮蔽と単位素子2a同士の嵌合ができれば良く、熱交換器の設計や製造精度により適宜決定する。
図10(a)、10(b)、10(c)に示すように、単位素子2aを交互に90度回転せず、誤って積層した時には、位置決め凸部12の凸部は隣接する位置決め平面部19と干渉し、隣接する単位素子2a同士が嵌合できず、熱交換器1aの側面から確認すると単位素子2a同士に隙間があり、容易に単位素子2aの積み間違いを確認することができる構成となっている。
なお、位置決め貫通穴13a、13aa、位置決め凸部12および位置決め平面部19は単位素子2aの対角線上にそれぞれ2個設けたが、単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の穴と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉する構造であれば、その他の構成の熱交換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
図6(c)、図8に示すように、伝熱板4と樹脂を一体成形して形成された単位素子2aにおいて、伝熱板4の貫通穴9は第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaの貫通穴9と同じ位置で、単位素子2aに貫通する穴が形成され、この穴の周囲に貫通穴凸部10および貫通穴凹部17が形成される。
図6(c)、図9(c)に示すように、貫通穴9、貫通穴凸部10および貫通穴凹部17は第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaに連結する位置に構成し、位置決め貫通穴13a、13aa、位置決め凸部12および位置決め平面部19は第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaに連結する位置に構成しているため、一回の樹脂成形でこれらを有する単位素子2aが形成できる。
なお、貫通穴9、貫通穴凸部10および貫通穴凹部17は第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaに連結する位置に形成し、位置決め貫通穴13a、13aa、位置決め凸部12および位置決め平面部19は第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaに連結する位置に形成したが、貫通穴9、貫通穴凸部10、貫通穴凹部17、位置決め貫通穴13a、13aa、位置決め凸部12および位置決め平面部19は第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaまたは第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaの少なくとも何れか、または第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaまたは第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaの少なくとも何れかに連結する位置に設け、伝熱板4と樹脂を一体成形して単位素子2aを得る際に、一回の樹脂成形で一体に形成できれば良く、その他の構成を用いても同様の作用効果を得ることができる。
図11、図12に熱交換器1aの製造工程および製造方法を示す。切断工程22は伝熱板4を所定の大きさに切断する。
次の成形工程23は伝熱板4を射出成形金型24に挿入し、射出成形機にて伝熱板4と樹脂を一体成形するインサート射出成形工法で単位素子2aが得られる。この樹脂としては熱可塑性樹脂を適用し、樹脂の種類としては、ポリエステル系、ポリスチレン系のABS、AS、PS、またはポリオレフィン系のPP、PEなどが用いられる。また熱可塑性樹脂の中にガラス繊維または炭素繊維の無機充填剤を添加した樹脂を用いても良い。無機充填剤の添加量は樹脂の重量に対して1〜50重量%、更に好ましくは10〜30重量%であり、樹脂に無機充填剤を添加すると、樹脂成形品の単位素子2aは強度と反りや収縮性の物性が向上することと、一体成形する伝熱板4と樹脂との接着性が向上する。これは化学結合による接着性が向上するのではなく、無機充填剤と伝熱板4との繊維の絡まりが強くなった物理結合が向上するものである。無機充填剤の添加量は樹脂の重量に対して多く混入すると、樹脂成形品の強度と反りや収縮性の物性が向上するが、50重量%以上になると、射出成形する時の溶融した樹脂の流動性が低下するため、樹脂成形品が得られない場合があり、無機充填剤の添加量は樹脂成形品の必要強度、樹脂物性、射出成形機の仕様などにより適宜決定する。
この成形工程23は、溶融した樹脂を伝熱板4のX方向からから射出成形金型24内に射出すると、樹脂流路を通り、金型のゲート部から単位素子2aに設けた遮蔽リブ注入口14aおよび間隔リブ注入口15から流入し、更に溶融した樹脂は射出圧力が高いため、伝熱板4のX方向表面の第一の間隔リブ6aおよび第一の遮蔽リブ7aを成形すると共に、和紙などの紙類で構成された伝熱板4を貫通し、伝熱板4Y方向表面の第二の間隔リブ6aaおよび第二の遮蔽リブ7aaと連結する形で形成することができるので、一回の成形で伝熱板4と第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaと第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaを有する単位素子2aを形成することができる。
単位素子2aを樹脂成形する射出成形金型24はランナーレスにする手段を備え、ランナーレスにする手段として、オープンゲート式またはバルブゲート式のホットランナーを使用する。ヒータ25によりランナー・ゲート部を加熱制御して溶融樹脂を常に流動化状態に保てるため、樹脂成形時に廃材となるスプル・ランナー26が出ず、樹脂材料費削減と省資源化することができる。また成形品の単位素子2aのみを射出成形金型24から連続的に取り出せるので成形サイクルを短縮することができる。
この明細書のスプルとは、射出成形金型24において成形材料の流路の一部で円錐形の部分を指し、ランナーとは射出成形金型24においてキャビティに溶融樹脂を流し込む径路のうち、スプルからゲートまでの部分を指す。
またバルブゲート式のホットランナーはゲート開閉機能を有するので、溶融樹脂が射出成形金型24から注入される単位素子2aの遮蔽リブ注入口14aおよび間隔リブ注入口15においてバリができないため、単位素子2aを積層した際に隣接する単位素子2a同士がバリによって干渉することがなく、隙間無く単位素子2aを積層することができる。
次の積層工程27は単位素子2aを交互に90度回転しながら積層し、単位素子2aの四隅に設けた貫通穴9に支持棒3を挿入する工程である。
次の結束工程28は貫通穴9に挿入した支持棒3の両端に止め具を付設し単位素子2a同士を結束することによって熱交換器1aを得る工程である。また、支持棒3は熱可塑性樹脂などよりなるものであって、支持棒3の両端を熱によって溶融し単位素子2a同士を締め付けた状態で固化させることにより結束するものであってもよい。なお本発明における結束とは、単位素子2a同士を機械的拘束により固定化したものである。
熱交換器1aは第一の間隔リブ6aおよび第一の遮蔽リブ7aに連結する位置に溶融樹脂を注入する遮蔽リブ注入口14aおよび間隔リブ注入口15を備え、第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaおよび第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaが何れかで連結している構成である。また遮蔽リブ注入口14aおよび間隔リブ注入口15は、単位素子2aを積層した時に隣接する単位素子2aが干渉しないように逃がす手段を備え、逃がす手段として、第一の間隔リブ6aおよび第一の遮蔽リブ7aに段落としを設ける。また段落としとして第一の遮蔽リブ7aに連結し、通風路5内に遮蔽リブ注入口14aを設ける。
図4(a)、4(b)、4(c)に示すように、遮蔽リブ注入口14aは通風路5内に段落としを設けたことにより、溶融樹脂が金型から注入される遮蔽リブ注入口14aにおいてバリが万一発生しても、単位素子2aを積層した際に隣接する単位素子2a同士は段落しによってバリを逃がすことにより干渉せず、更に前記バリは通風路5内に位置するため、隣接する単位素子2aとの通風路5空間によってバリを逃がすことにより更に干渉せず、隙間無く単位素子2aを積層することができる。
図13(a)、13(b)、13(c)に示すように、第一の間隔リブ6aに設けた間隔リブ注入口15は単位素子2aを交互に90度回転しながら正しく積層した時には、隣接する第二の間隔リブ6aaと重なり合うが、間隔リブ注入口15は第一の間隔リブ6aの上面に凹高さ0.5mmに第一の間隔リブ6aを段落しするような形状のため、溶融樹脂が金型から注入される間隔リブ注入口15においてバリが万一発生しても、単位素子2aを積層した際に隣接する単位素子2a同士は逃がす手段によってバリを逃がすことにより干渉せず、隙間無く単位素子2aを積層することができる。
この明細書における段落しとは、溶融樹脂が金型から単位素子2aに注入される注入口において、バリが万一発生しても、単位素子2aを積層した際に隣接する単位素子2a同士が干渉しないように、周囲の樹脂リブより凸高さを下げることである。
なお、間隔リブ注入口15の段落しは第一の間隔リブ6aの上面に設け、遮蔽リブ注入口14aの段落しは第一の遮蔽リブ7aに連結するように設けたが、溶融樹脂を注入する注入口は、第一の間隔リブ6aまたは第一の遮蔽リブ7aの少なくとも何れかに連結し、通風路5内に設け、バリを逃がすように段落しにする構成であれば良く、その他の構成を用いても同様の作用効果を得ることができる。
上記構成により、熱交換器1aは、単位素子2aを積層した際に積み間違いが分かる手段として、第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaに遮蔽リブ凹部8と遮蔽リブ凸部16を備えたことにより、単位素子2aを正しく積層した時には隣接する単位素子2aの遮蔽リブ凹部8の凹部と遮蔽リブ凸部16の凸部が嵌合し、誤って積層した時には遮蔽リブ凸部16の凸部と隣接する単位素子2aの一部(第一の間隔リブ6a)が干渉するため、単位素子2aの積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子2aの積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また遮蔽リブ凹部8の凹部と遮蔽リブ凸部16の凸部は単位素子2aを積層した際に凹部と凸部が嵌合することにより、単位素子2a同士が互いに固定するため、単位素子2aのずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記嵌合構造が単位素子2aを積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また単位素子2aの積み間違いによって、伝熱板4毎に同じ方向に通風路5が形成され、一次気流Aと二次気流Bを熱交換器1aに流通すると、誤って積層した部分については熱交換がされない。単位素子2aを積層した際に積み間違いが分かる手段を備えたことにより、単位素子2aの積み間違いによって、伝熱板4毎に正しく通風路5が形成できないことに起因する熱交換効率の低下を防止することができる。
また熱交換器1aは、単位素子2aに貫通穴9と、第一の凹部と第一の凸部として貫通穴凹部17および貫通穴凸部10と、第二の凹部と第二の凸部として積層確認凹部18および積層確認凸部11を備えたことにより、第一の凹部と第一の凸部は単位素子2aを積層した際に貫通穴凹部17と貫通穴凸部10が嵌合することにより、単位素子2a同士が互いに固定するため、単位素子2aのずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また貫通穴9の周囲に設けた前記第一の嵌合構造が、単位素子2aを積層する際に発生する位置ずれを防止することにより量産性を向上することができる。更に第二の凹部と第二の凸部は単位素子2aを正しく積層した時には隣接する単位素子2aの積層確認凹部18と積層確認凸部11が嵌合し、誤って積層した時には積層確認凸部11と隣接する単位素子2aの一部(第二の遮蔽リブ7aa)が干渉するため、単位素子2aの積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子2aの積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また第二の凹部と第二の凸部は単位素子2aを積層した際に積層確認凹部18と積層確認凸部11が嵌合することにより、単位素子2a同士が互いに固定するため、単位素子2aのずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記第二の嵌合構造が単位素子2aを積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また熱交換器1aは、単位素子2aを積層した際に貫通穴9に支持棒3を通し、単位素子2a同士を結束したことにより、単位素子2aのずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。
また熱交換器1aは、伝熱板4に位置決め穴21を備え、単位素子2aに位置決め貫通穴13a、13aaと位置決め凸部12と位置決め平面部19を備えたことにより、金型内に伝熱板4を挿入してから射出成形するインサート射出成形を用いた場合、伝熱板4に設けた位置決め穴21の穴は、樹脂金型に伝熱板4を挿入する際の位置決めを容易に行うことができ、量産性を向上することができる。また単位素子2aを正しく積層した時には隣接する単位素子2aの位置決め貫通穴13a、13aaの穴と位置決め凸部12の凸部が嵌合し、誤って積層した時には位置決め凸部12の凸部と隣接する単位素子2aの一部(位置決め平面部19)が干渉するため、単位素子2aの積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子2aの積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また貫通穴と凸部は単位素子2aを積層した際に位置決め貫通穴13a、13aaの穴と位置決め凸部12の凸部が嵌合することにより、単位素子2a同士が互いに固定するため、単位素子2aのずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記嵌合構造が単位素子2aを積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また熱交換器1aは、単位素子2aの第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaおよび第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaは何れかで連結しているため、第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaおよび第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaを有する単位素子2aが一回の樹脂成形で一体に形成でき、量産性を向上することができ、更に金型内に伝熱板4を挿入してから射出成形するインサート射出成形を用いると、一回の成形で伝熱板4と第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaと第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaが一体成形され、単位素子2aを形成できることにより加工工程が少なくでき、更に量産性を向上することができ、また、部品点数が少なく、製造コストを低減することができる。
また熱交換器1aは、溶融した樹脂を伝熱板4のX方向からから射出成形金型24内に射出すると、樹脂流路を通り、金型のゲート部から単位素子2aに設けた遮蔽リブ注入口14aおよび間隔リブ注入口15から流入し、更に溶融した樹脂は射出圧力が高いため、伝熱板4のX方向表面の第一の間隔リブ6aおよび第一の遮蔽リブ7aを成形すると共に、和紙などの紙類で構成された伝熱板4を貫通し、伝熱板4Y方向表面の第二の間隔リブ6aaおよび第二の遮蔽リブ7aaと連結する形で形成することができるので、一回の成形で伝熱板4と第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaと第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaを有する単位素子2aを形成することができることにより、加工工程が少なくでき、量産性を向上することができ、また、部品点数が少なく、製造コストを低減することができる。また伝熱板4X方向表面の第一の間隔リブ6aおよび第一の遮蔽リブ7aと伝熱板Y方向表面の第二の間隔リブ6aaおよび第二の遮蔽リブ7aaがインサート射出成形する際に伝熱板4を間に挟んで一体形成されるので、気密性の高い単位素子2aが形成でき、この単位素子2aを積層することにより、気流の漏れを防止することができる熱交換器1aが得られる。
また熱交換器1aは、単位素子2aの第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaおよび第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaは何れかで連結し、且つ樹脂で構成されているため、第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaまたは第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaの少なくとも何れか、または第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaまたは第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaの少なくとも何れかに連結する位置に貫通穴9を設けたことにより、第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaと第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaと貫通穴9を有する単位素子2aが一回の樹脂成形で一体に形成でき、量産性を向上することができる。
また熱交換器1aは、単位素子2aを方形に構成したために、一つの単位素子2aを90度回転しながら交互に積層するだけで熱交換器1aが形成できるため、一つの金型を設けるだけでよく、製造コストを低減することができる。
また熱交換器1aは、貫通穴9を方形の単位素子2aの四隅に設けたことにより、単位素子2aを誤って積層した時には、貫通穴9の周囲に設けた積層確認凸部11と隣接する単位素子2aの一部(第二の遮蔽リブ7aa)が干渉している状態が、熱交換器1a側面から容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。
また熱交換器1aは、単位素子2aの第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaおよび第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaは何れかで連結し、且つ樹脂で構成されているため、第一の間隔リブ6aに間隔リブ注入口15を設け、第一の遮蔽リブ7aに連結する位置に遮蔽リブ注入口14aを設けたことにより、成形工程23において、伝熱板4を射出成形金型24に挿入し、射出成形機にて伝熱板4と樹脂を一体成形するインサート射出成形工法で単位素子2aを成形する際、間隔リブ注入口15および遮蔽リブ注入口14aから溶融樹脂が注入することによって、第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaおよび第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaを有する単位素子2aが一回の樹脂成形で一体に形成でき、量産性を向上することができる。またインサート射出成形工法を用いたことにより、一回の成形で伝熱板4と第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaと第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaが一体成形され、単位素子2aを形成できることにより加工工程が少なくでき、更に量産性を向上することができ、また、部品点数が少なく、製造コストを低減することができる。
また間隔リブ注入口15および遮蔽リブ注入口14aは、単位素子2aを積層した際に隣接する単位素子2aが干渉しないように逃がす手段として、第一の間隔リブ6aおよび第一の遮蔽リブ7aに段落としを備えているため、溶融樹脂が射出成形金型24から注入される単位素子2aの間隔リブ注入口15および遮蔽リブ注入口14aにおいてバリが万一発生しても、単位素子2aを積層した際に隣接する単位素子2a同士は逃がす手段によってバリを逃がすことにより干渉せず、隙間無く単位素子2aを積層することができ、気流の漏れを防止することができる。
また遮蔽リブ注入口14aの段落としは、第一の遮蔽リブ7aに連結し、通風路5内に設けたことにより、溶融樹脂が射出成形金型24から注入される単位素子2aの注入口においてバリが万一発生しても、単位素子2aを積層した際に隣接する単位素子2a同士は段落しによってバリを逃がすことにより干渉せず、更に前記バリは通風路5内に位置するため、隣接する単位素子との通風路5空間によってバリを逃がすことにより更に干渉せず、隙間無く単位素子2aを積層することができ、気流の漏れを防止することができる。
また単位素子2aを樹脂成形する射出成形金型24にランナーレスにする手段を備えたことにより、樹脂成形時に廃材となるスプル・ランナー26が出ず、樹脂材料費削減により製造コストを低減することができ、また省資源化することができる。
またランナーレスにする手段として、ホットランナーを使用したことにより、射出成形金型24のランナー・ゲート部をヒータ25で加熱制御して常に流動化状態に保てるため、樹脂成形時に廃材となるスプル・ランナー26が出ず、樹脂材料費削減により製造コストを低減することができ、また省資源化することができる。また成形品の単位素子2aのみを射出成形金型24から連続的に取り出せるので成形サイクルの短縮ができ、量産性を向上することができる。
またオープンゲート式のホットランナーを使用したことにより、射出成形金型24のランナー・ゲート部をヒータ25で加熱制御して常に流動化状態に保てるため、樹脂成形時に廃材となるスプル・ランナー26が出ず、樹脂材料費削減により製造コストを低減することができ、また省資源化することができる。また成形品の単位素子2aのみを射出成形金型24から連続的に取り出せるので成形サイクルの短縮ができ、量産性を向上することができる。
またゲート開閉機能を有するバルブゲート式のホットランナーを使用したことにより、溶融樹脂が射出成形金型24から注入される単位素子2aの間隔リブ注入口15および遮蔽リブ注入口14aにおいてバリができないため、単位素子2aを積層した際に隣接する単位素子2a同士がバリによって干渉することがなく、隙間無く単位素子2aを積層することができ、気流の漏れを防止することができる。
(実施の形態2)
図14は熱交換器の概略斜視図、図15(a)はX方向から見た単位素子の概略斜視図、図15(b)はY方向から見た単位素子の概略斜視図、図16(a)は単位素子を正しく積層した熱交換器の概略斜視図、図16(b)はD−D断面の熱交換器の概略斜視図、図16(c)はD−D断面の熱交換器の概略拡大斜視図、図17(a)は単位素子を誤って積層した熱交換器の概略斜視図、図17(b)はE−E断面の熱交換器の概略斜視図、図17(c)はE−E断面の熱交換器の概略拡大斜視図、図18(a)は単位素子を正しく積層した熱交換器の概略斜視図、図18(b)はF−F断面の熱交換器の概略斜視図、図18(c)はF−F断面の熱交換器の概略拡大斜視図、図19(a)は単位素子を誤って積層した熱交換器の概略斜視図、図19(b)はG−G断面の熱交換器の概略斜視図、図19(c)はG−G断面の熱交換器の概略拡大斜視図である。
実施の形態1と同一部分は同一番号とし、同一の作用効果を有するものとし、詳細な説明は省略する。
図14、図15(a)、15(b)、図16(a)、16(b)、16(c)において、熱交換器1bは一辺が120mmの方形で厚みが2.0mmの単位素子2bを交互に90度回転しながら積層し、支持棒3にて単位素子2b同士を結束することにより構成され、伝熱板4の間に形成された通風路5に、一次気流Aと二次気流Bを流通すると、一次気流Aと二次気流Bとは伝熱板4を介して直交しながら熱交換を行う。
図15(a)および図15(b)の単位素子2bは、伝熱板4のX方向表面に第一の間隔リブ6a、間隔リブ凸部29、第一の遮蔽リブ7a、貫通穴9、貫通穴9の一部の周囲に設ける凸部として貫通穴一部凸部30、位置決め凸部12、位置決め貫通穴13a、遮蔽リブ注入口14b、間隔リブ注入口15を備え、伝熱板4のY方向表面に第二の間隔リブ6aa、間隔リブ凹部31、第二の遮蔽リブ7aa、貫通穴9、位置決め貫通穴13aa、貫通穴9の一部の周囲に設ける凹部として貫通穴一部凹部32、位置決め平面部19を備え、第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaおよび第一の遮蔽リブ7a、第二の遮蔽リブ7aaが伝熱板4を間に挟むように、樹脂にて一体成形して得られる。
伝熱板4のX方向表面において、第一の間隔リブ6aは高さ1mm、幅1mmで所定間隔に6本形成し、第一の遮蔽リブ7aは伝熱板4の向かい合う一組の両端で第一の間隔リブ6aと平行に高さ1mm、幅5mmに形成する。間隔リブ凸部29は第一の間隔リブ6aの上面の両端に、凸高さ0.4mm、幅1mm、長さ15mmに凸形状に形成する。遮蔽リブ注入口14bは台形状で第一の遮蔽リブ7aと連結し、通風路5の外側に、伝熱板4から凸高さ0.5mmに形成する。貫通穴9は単位素子2bの四隅であって、第一の遮蔽リブ7aに4箇所穴を設ける。貫通穴一部凸部30は貫通穴9の4箇所の穴の一部として、方形の単位素子2bの対角する2箇所に、貫通穴9の穴の周囲に凸高さ0.4mmの凸形状を形成する。位置決め凸部12は第一の間隔リブ6aの上面に凸高さ1.7mmで2個設け、位置決め貫通穴13aは第一の間隔リブ6aに凸高さ1.0mmで2個の円筒を設け、間隔リブ注入口15は第一の間隔リブ6aの上面に凹高さ0.5mmに第一の間隔リブ6aの段を落とすような形状に形成する。
伝熱板4のY方向表面において、第二の間隔リブ6aaは第一の間隔リブ6aと直交し、高さ1mm、幅1mmで所定間隔に6本形成し、第二の遮蔽リブ7aaは伝熱板4の向かい合う一組の両端で第二の間隔リブ6aaと平行に高さ1mm、幅5mmに形成する。間隔リブ凹部31は第二の間隔リブ6aaの上面の両端に、凹高さ0.5mm、幅1mm、長さ15.1mmに凹形状に形成する。貫通穴9は単位素子2bの四隅であって、第二の遮蔽リブ7aaに4箇所穴を設ける。貫通穴一部凹部32は貫通穴9の4箇所の穴の一部として、方形の単位素子2bの対角する2箇所に、貫通穴9の穴の周囲に凹高さ0.5mmの凹形状を形成する。位置決め平面部19は伝熱板4を挟んで位置決め凸部12の反対側に凸高さ1.0mmの円柱を2箇所設け、位置決め貫通穴13aaは伝熱板4を挟んで位置決め貫通穴13aの反対側に凸高さ1.0mmで2個の円筒を設ける。
図16(a)、16(b)、16(c)に示すように、第一の間隔リブ6aと第二の間隔リブ6aaは単位素子2aを交互に90度回転しながら積層した時に、隣接する第一の間隔リブ6aと第二の間隔リブ6aaが重なり合うように形成され、伝熱板4を一定の間隔に保持する働がある。本実施の形態では、第一の間隔リブ6aおよび第二の間隔リブ6aaの凸高さを1mmとしたので、伝熱板4は2mm毎に積層される。
図16(a)、16(b)、16(c)に示すように、間隔リブ凸部29と間隔リブ凹部31は単位素子2bを交互に90度回転しながら正しく積層した時には、隣接する間隔リブ凸部29の凸部と間隔リブ凹部31の凹部が嵌合するよう形成される。熱交換器1bは第一の間隔リブ6aおよび第二の間隔リブ6aaに設けた間隔リブ凸部29と間隔リブ凹部31の嵌合により、単位素子2b同士が互いに固定化され、且つ単位素子2bを積層する際に発生する位置ずれを防止する。熱交換器1bの伝熱板4を一定の間隔に保持する構成は、図16(c)に示すように隣接する第一の間隔リブ6aおよび第二の間隔リブ6aa同士が重なり合うことにより行われ、間隔リブ凸部29の凸部と間隔リブ凹部31の凹部の嵌合も伝熱板4を一定の間隔に保持する。この明細書では、金型の製造精度と樹脂成形の精度を考慮して、第一の間隔リブ6aおよび第二の間隔リブ6aaは必ず重なり合うようにし、間隔リブ凸部29と間隔リブ凹部31の嵌合は、高さ方向に0.1mmの積層逃がし部20eを設けた。なお0.1mmの高さ方向の積層逃がし部20eを設けたが、単位素子2bを正しく積層した時に、熱交換器1bの伝熱板4が一定の間隔に保たれれば良く、熱交換器の設計や製造精度により適宜決定する。
図17(a)、17(b)、17(c)に示すように、単位素子2bを交互に90度回転せず、誤って積層した時には、間隔リブ凸部29の凸部は隣接する第二の遮蔽リブ7aaと干渉し、隣接する単位素子2b同士が嵌合できず、熱交換器1bの側面から確認すると単位素子2b同士に隙間があり、容易に単位素子2bの積み間違いを確認することができる構成となっている。
なお間隔リブ凸部29および間隔リブ凹部31は単位素子2bの第一の間隔リブ6aおよび第二の間隔リブ6aaに設けたが、単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の凹部と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉する構造であれば、その他の構成の熱交換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
図18(a)、18(b)、18(c)に示すように、貫通穴一部凹部32と貫通穴一部凸部30は単位素子2bを交互に90度回転しながら正しく積層した時には、隣接する貫通穴一部凹部32の凹部と貫通穴一部凸部30の凸部が嵌合するよう形成される。熱交換器1bは方形の単位素子2bの対角する2箇所に設けた貫通穴一部凹部32と貫通穴一部凸部30の嵌合により、単位素子2b同士が互いに固定化され、且つ単位素子2bを積層する際に発生する位置ずれを防止する。熱交換器1bの四隅における気流の遮蔽は、図18(c)に示すように隣接する第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aa同士が重なり合うことにより行われ、貫通穴一部凹部32の凹部と貫通穴一部凸部30の凸部の嵌合も気流の遮蔽を行う。この明細書では、金型の製造精度と樹脂成形の精度を考慮して、第一の遮蔽リブ7aおよび第二の遮蔽リブ7aaは必ず重なり合うようにし、貫通穴一部凹部32と貫通穴一部凸部30の嵌合は、気流が漏れない程度に高さ方向に0.1mmの積層逃がし部20fを設けた。なお0.1mmの高さ方向の積層逃がし部20fを設けたが、単位素子2bを正しく積層した時には、熱交換器1bの四隅における気流の遮蔽と単位素子2b同士の嵌合ができれば良く、熱交換器の設計や製造精度により適宜決定する。
図19(a)、19(b)、19(c)に示すように、単位素子2bを交互に90度回転せず、誤って積層した時には、貫通穴一部凸部30の凸部は隣接する第二の遮蔽リブ7aaと干渉し、隣接する単位素子2b同士が嵌合できず、熱交換器1bの側面から確認すると単位素子2b同士に隙間があり、容易に単位素子2bの積み間違いを確認することができる構成となっている。
なお貫通穴一部凹部32および貫通穴一部凸部30は貫通穴9の4箇所の穴の一部として、方形の単位素子2bの対角する2箇所に設けた。例えば、貫通穴9の4箇所に貫通穴一部凹部32の凹部と貫通穴一部凸部30の凸部を設けた場合、誤って単位素子2aを積層した時にも隣接する単位素子2aの貫通穴一部凹部32の凹部と貫通穴一部凸部30の凸部が嵌合し、単位素子2aの積み間違いが分からないため、貫通穴一部凹部32および貫通穴一部凸部30は貫通穴9の4箇所の穴の一部に備えた。この明細書では貫通穴9の4箇所の穴の一部として、方形の単位素子2bの対角する2箇所に設けが、貫通穴9の穴の一部とは、単位素子を正しく積層した時には隣接する単位素子の凹部と凸部が嵌合し、誤って積層した時には凸部と隣接する単位素子の一部が干渉する構造であれば、その他の構成の熱交換器を用いても同様の作用効果を得ることができる。
熱交換器1bは単位素子2bを積層した時に隣接する単位素子2bが干渉しないように逃がす手段を備え、逃がす手段として、第一の遮蔽リブ7aに連結し、通風路5の外側に遮蔽リブ注入口14bの段落としを設けた構成である。
図14に示すように、遮蔽リブ注入口14bは通風路5の外側に段落としを設けたことにより、溶融樹脂が金型から注入される遮蔽リブ注入口14bにおいてバリが万一発生しても、単位素子2bを積層した際に隣接する単位素2b同士は段落しによってバリを逃がすことにより干渉せず、更に前記バリは通風路5の外側に位置するため、隣接する単位素子2bとの空間を大きくでき、バリを逃がすことにより更に干渉せず、隙間無く単位素子2bを積層することができる。
なお、遮蔽リブ注入口14bの段落しは第一の遮蔽リブ7aに連結するように設けたが、溶融樹脂を注入する注入口は、第一の遮蔽リブ7aの少なくとも何れかに連結し、通風路5の外側に設け、バリを逃がすように段落しにする構成であれば良く、その他の構成を用いても同様の作用効果を得ることができる。
上記構成により、熱交換器1bは、単位素子2bを積層した際に積み間違いが分かる手段として、第一の間隔リブ6a、第二の間隔リブ6aaに間隔リブ凸部29と間隔リブ凹部31を備えたことにより、単位素子2bを正しく積層した時には隣接する単位素子2bの間隔リブ凸部29の凸部と間隔リブ凹部31の凹部が嵌合し、誤って積層した時には間隔リブ凸部29の凸部と隣接する単位素子2bの一部(第二の遮蔽リブ7aa)が干渉するため、単位素子2bの積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子2bの積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また間隔リブ凸部29の凸部と間隔リブ凹部31の凹部は単位素子2bを積層した際に凹部と凸部が嵌合することにより、単位素子2b同士が互いに固定するため、単位素子2bのずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記嵌合構造が単位素子2bを積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また熱交換器1bは、単位素子2bに貫通穴9を備え、この貫通穴9の一部の周囲として、方形の単位素子2bの対角する2箇所に貫通穴一部凹部32および貫通穴一部凸部30を備えたことにより、単位素子2bを正しく積層した時には隣接する単位素子2bの貫通穴一部凹部32と貫通穴一部凸部30が嵌合し、誤って積層した時には貫通穴一部凸部30と隣接する単位素子2bの一部(第二の遮蔽リブ7aa)が干渉するため、単位素子2bの積み間違いを容易に確認することができ、積み間違いを修正することによって生産工程の不良を低減することができ、量産性を向上することができる。また単位素子2bの積み間違いに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができる。また単位素子2bを積層した際に貫通穴一部凹部32と貫通穴一部凸部30が嵌合することにより、単位素子2b同士が互いに固定するため、単位素子2bのずれに起因する密封性の低下を防止することができ、気流の漏れを防止することができ、また前記嵌合構造が単位素子2bを積層する際に発生する位置ずれを防止することにより、量産性を向上することができる。
また遮蔽リブ注入口14bの段落としは、第一の遮蔽リブ7aに連結し、通風路5の外側に設けたことにより、溶融樹脂が射出成形金型24から注入される単位素子2bの注入口においてバリが万一発生しても、単位素子2bを積層した際に隣接する単位素子2b同士は段落しによってバリを逃がすことにより干渉せず、更に前記バリは通風路5の外側に位置するため、隣接する単位素子2bとの空間を大きくでき、バリを逃がすことにより更に干渉せず、隙間無く単位素子2bを積層することができ、気流の漏れを防止することができる。