JP2007255632A - ラジアル針状ころ軸受 - Google Patents

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JP2007255632A JP2006082646A JP2006082646A JP2007255632A JP 2007255632 A JP2007255632 A JP 2007255632A JP 2006082646 A JP2006082646 A JP 2006082646A JP 2006082646 A JP2006082646 A JP 2006082646A JP 2007255632 A JP2007255632 A JP 2007255632A
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Abstract

【課題】ころの円滑な転動を確保できるラジアル針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】保持器52のポケット部52pが、ころ51の軸線方向位置を規制して、ピニオンシャフトCがスキマの小さくなる中央部側に移動しないようにしているので、ピニオンシャフトCに対するロングピニオンP1の回転を円滑に行えるようにしている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば車両用自動変速機の遊星歯車機構に用いられるラジアル針状ころ軸受に関する。
車両等に搭載されている自動変速機において、一般的には遊星歯車機構が用いられている。ところで、近年は、燃費の向上などを目的として、自動変速機においても多段化される傾向がある。しかるに、現在は4速が主流である自動変速機を、例えば5速或いは6速に多段化し且つ小型化を図るため、いわゆるラビニョ型と呼ばれる遊星歯車機構を用いる試みがある。ラビニョ型遊星歯車機構は、遊星歯車を共用する2つの遊星歯車機構を組み合わせたものであり、例えば特許文献1に記載されている。
ここで、ラビニョ型遊星歯車機構における一つの特徴は、共用する遊星歯車の軸線方向幅が大きくなるために、それを支持するピニオンシャフトにおいて径に対する軸線方向長が長くなる、即ち細長くなるということである。一方、特許文献2に示されるように、一般的な遊星歯車機構において遊星歯車を支持する転がり軸受としては、軸受内輪を兼ねるピニオンシャフトと軸受外輪を兼ねる遊星歯車の間に、針状ころが転動体として配置されるラジアル針状ころ軸受が使用されることが多い。しかるに、かかる針状ころ軸受としては、従来から保持器を持たない総ころ形式が一般的に使用されていたが、最近は、遊星歯車の高速回転化のために、保持器を持ついわゆるケージ&ローラ形式が用いられる場合がある。総ころ形式でころ(ローラ)列が複数以上となる場合は、列間に、ころ(ローラ)端部を案内する案内リングを具備するのが一般的である。これに対し、ケージ&ローラ形式では、ころ(ローラ)列が複数以上となっても、保持器がころ(ローラ)の端面を案内するので、案内リングを具備しないことが一般的である。
実開平4−126055号公報 実開平5−62729号公報
ここで、遊星歯車機構においては、遊星歯車が公転運動をしているために、遊星歯車に作用する遠心力および他の歯車とのかみ合い力がピニオンシャフトを弾性変形させる。ピニオンシャフトは、通常、焼き入れ鋼が使用されるが、不可避的に内在する残留オーステナイト組織のために、100℃以上の高温使用において、残留オーステナイト組織が分解し体積膨張を生じる。100℃以上でピニオンシャフトが弾性変形すると、圧縮応力が作用する部分よりも引っ張り応力が作用する部分の残留オーステナイト組織の分解速度が速いために、一般的に、ピニオンシャフトは、キャリアへの取り付け部に対し、そこから離れるほど弓状に塑性曲がりを発生するようになり、その速度は、シャフト温度が高いほど、遊星歯車の公転速度が速いほど、また、ピニオンシャフトが細く、長いほど、ピニオンギヤに負荷されるトルクが高いほど大きくなる傾向がある。
特に、車両用の自動変速機等に用いられる遊星歯車機構の小型化のために、例えば特許文献1で開示されるラビニョ式遊星歯車機構を使用した場合、共用する遊星歯車の軸線方向幅が大きくなるため、それを支持するピニオンシャフトにおいて、径に対する軸線方向長が長くなり、ピニオンシャフトが塑性曲がりを生じやすいという傾向がある。従って、径時的に増大するピニオンシャフトの塑性曲がり量と、荷重条件で決まる弾性曲がり量の和が大きくなり、ピニオンシャフトと遊星歯車内径面の距離がころ径よりも小さくなると、針状ころが円滑に転動できなくなり、ピニオンシャフトまたは針状ころにフレーキングが生じるという問題が発生する。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ころの円滑な転動を確保できるラジアル針状ころ軸受を提供することを目的とする。
本発明のラジアル針状ころ軸受は、車両用自動変速機の遊星歯車機構におけるピニオンシャフトとピニオンギヤとの間に配置されるラジアル針状ころ軸受において、
2列に配置されたころと、各列の前記ころを保持する保持器と、を有し、
前記保持器は、前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間に力が付与されたときに、前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間で最もスキマが小さくなる位置に前記ころが移動しないように、前記ころの軸線方向位置を規制することを特徴とする。
ピニオンシャフトが力を受けて曲がったときに、ピニオンシャフトとピニオンギヤ内径面の距離(スキマ)が最小となるのは、一般的にはピニオンシャフトの軸線方向中央部である。そこで、本発明によれば、前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間に力が付与されたときに、前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間で最もスキマが小さくなる位置(例えばピニオンシャフトの中央)に前記ころが移動しないように、前記保持器が前記ころの軸線方向位置を規制するので、2列のころは、いずれも前記ピニオンシャフトの中央側などへの移動が制限され、前記ピニオンシャフトが曲がっても、前記ころを円滑に転動させることができる。尚、ピニオンシャフト中央側の保持器端面・ポケット端面間の長さは、ころ長さの半分以上であることが望ましい。又、ピニオンシャフト軸線方向中央側の保持器端面のフランジの有無は問わない。
前記保持器は、各列ごとに2つ設けられていても良く、或いは単一であっても良い。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかるラジアル針状ころ軸受を含む車両の自動変速機の一部を示す断面図である。
図1において、ケース10内において、不図示のトルクコンバータのタービン出力回転をプラネタリギヤセット12に伝達する入力部材を構成する入力軸11は、プラネタリギヤセット12のフロントサンギヤ13側に配置されている。また、カウンタドライブギヤ14は、ケース10の後壁を挟んでプラネタリギヤセット12のリヤサンギヤ15側に配置されている。そして、プラネタリギヤセット12の内周側には、プラネタリギヤセット12の支持軸を構成するサンギヤ軸20が配置され、本形態において、この軸は、リヤサンギヤ15と一体化され、プラネタリギヤセット12とカウンタドライブギヤ14とを貫通して延在している。
入力軸11は、ケース10に支持されて、トルクコンバータのタービンと、各クラッチ16,17,18と、第1のワンウェイクラッチに連結されている。詳しくは、入力軸11は、オイルポンプカバーで構成されるケース10の前壁に固定した中空のステータシャフト19に前端部付近をブッシュを介して、また後端部付近をニードルベアリングを介して支持され、前端をスプライン係合でタービンハブ(不図示)に連結され、後端を各クラッチ18,17,16のドラム側の油圧サーボシリンダ内周側部材21に第1ワンウェイクラッチOC1のインナレースを経て連結されている。
サンギヤ軸20は、一方側の端部をクラッチ18及び第1ワンウェイクラッチOC1を介して入力軸11に連結され、他方側の端部をカウンタドライブギヤ14を貫通した外側でブレーキ22を介してケース10に連結されている。詳しくは、サンギヤ軸20は、前端を入力軸11後端の凹部にブッシュを介して支持され、後端部付近をブッシュを介してリングギヤフランジ23の軸部内周に支持され、その外周に嵌合するカウンタドライブギヤ14のボス部及びローラベアリング経由で最終的にケース10の後壁に支持されている。そして、サンギヤ軸20の前端部側は、スプライン係合でクラッチ18のハブ24側に連結されている。また、サンギヤ軸20の後端は、スプライン係合でブレーキ22のハブ25側に連結されている。
プラネタリギヤセット12は、そのフロントサンギヤ13とキャリヤQがブッシュを介してそれぞれサンギヤ軸20に支持され、リングギヤ26がそれにスプライン係合で連結されたリングギヤフランジ23経由で該部材にスプライン係合連結されたカウンタドライブギヤ14に固定されることで、結果的にボールベアリング27を介してケース10の後壁に支持されている。プラネタリギヤセット12のフロントサンギヤ13は、クラッチ17のハブ28側に連結され、キャリヤQは、クラッチ16のハブ29と、ブレーキ30のハブ31と、第2ワンウェイクラッチOC2のインナレースとに並列的に連結されている。
このギヤトレインにおいて、入力軸11をそれぞれ、フロントサンギヤ13に連結するクラッチ17、リヤサンギヤ15に連結するクラッチ17及びキャリヤQに連結するクラッチ16は、それら各クラッチの油圧サーボと摩擦部材を纏めて入力軸11とサンギヤ軸20の連結部の外周に配置されている。まず、クラッチ17は、ケース10の前壁を構成するオイルポンプボディにボルト止め固定されたオイルポンプカバーから延びるボス部32の外周に回転自在に嵌合させた内周側部材21と、それに内周側を固定したドラム33により囲われる内側に、クラッチ17のドラムを兼ねるピストン34を回止め嵌合させた油圧サーボと、ドラム33の先端内周の内側とフロントサンギヤ13に内周側を連結させて配置されたハブ28の外周にそれぞれスプライン係合連結された摩擦部材40とで構成されている。
次に、クラッチ18は、クラッチ17のピストンを兼ねて内周側部材21に摺動自在に嵌挿されたドラム34と、内周側部材21とドラム34とで囲われるシリンダ内側に嵌挿されたピストン35からなり、ピストン35の背後に遠心油圧のキャンセル室を備える油圧サーボと、ドラム34の先端内周と、更にその内周に内周側を入力軸11に連結させて配置されたハブ24の外周とにそれぞれスプライン係合連結された摩擦部材36とで構成されている。そして、このクラッチ18のハブ24には第1ワンウェイクラッチOC1のアウタレースが固定されている。
クラッチ16は、クラッチ17のドラム33をピストンとして、逆に該ピストンに被さるように嵌まるピストン37がドラム38に連結された構成とされ、遠心油圧のキャンセル室を備える油圧サーボと、プラネタリギヤセット12のキャリヤQにリベット止めされた第2ワンウェイクラッチOC2のインナレースに連結されたハブ29の外周とドラム38の内周にスプライン係合連結された摩擦部材39とで構成されている。
このように纏めて配置された各クラッチの油圧サーボにおいて、各クラッチに共通の内周側部材21とクラッチ17のドラムとクラッチ16のピストンを兼ねる部材33が軸方向に不動の部材とされ、クラッチ18は、ドラム34とピストン35共に軸方向可動部材とされている。したがって、ボス部32の油路からのサーボ油圧の供給によりクラッチ17は、自身のドラム33とクラッチ18のドラム34との間で摩擦部材40を挟持して係合させ、クラッチ18は、クラッチ17のドラム33に反力を取り、自身のピストン35を押し出すことでクラッチ17のピストン34を兼ねる自身のドラムとピストン35の間で摩擦部材36を挟持して係合させ、クラッチ16は、自身のドラム38をクラッチ17のドラム33に対して軸方向に前進させることでそれらの間で摩擦部材39を挟持して係合させることになる。
次に、ブレーキ30は、ケース10の後壁に内蔵させた油圧サーボと、第2ワンウェイクラッチOC2のインナレースから延びるハブ31とケース10の周壁にスプライン係合させた摩擦部材42とで構成され、摩擦部材42は、プラネタリギヤセット12のリングギヤ26の径方向外側に配置されている。そして、これと並列配置の第2ワンウェイクラッチOC2は、前記のようにインナレースをプラネタリギヤセット12のキャリヤQにリベット止め連結され、アウタレースをケース10の周壁にスプライン係合させてプラネタリギヤセット12の径方向外側のほぼ軸方向中央部に配置されている。
ブレーキ22は、ケース10の後壁より外側に配置されており、そこに配置されたカウンタギヤ対を覆うカバー10aと、サンギヤ軸20の最後部に固定されたハブ25とにスプライン係合させてカウンタギヤ対より後方に配置された摩擦部材43と、ケース10の後壁に内蔵させた油圧サーボとで構成されている。
このギヤトレインにおいて第1速(1st)を選択すると、入力軸11からの回転がクラッチ17経由でフロントサンギヤ13に入力され、第2ワンウェイクラッチOC2の係合により係止されたキャリヤQに反力を取って、リングギヤ26に出力される最大減速比の減速回転が、カウンタギヤ対を経て副変速部のリングギヤに伝達され、不図示のディファレンシャル装置から車両の駆動輪に伝達される。
次に、第2速(2nd)は、入力軸11からも回転がクラッチ17経由でフロントサンギヤ13に入力され、ブレーキ22の係合により係止されたリヤサンギヤ15に反力を取って、リングギヤ26に減速回転が出力される。この回転は、副変速部のリングギヤに入力され、不図示のディファレンシャル装置から車両の駆動輪に伝達される。
また、第3速(3rd)は、主軸部側については第2速と同様とされ、副軸部側のクラッチを係合させることで達成される。この場合、主変速部からの回転がクラッチの係合による直結状態のプラネタリギヤを経て、不図示のディファレンシャル装置から車両の駆動輪に伝達される。
更に、第4速(4th)は、主変速部側のプラネタリギヤセット12、副変速部側のプラネタリギヤが共に直結状態となり、入力軸11の入力回転が、カウンタギヤ対による減速がないものとして、そのまま不図示のディファレンシャル装置から車両の駆動輪に伝達される。
図2は、本実施の形態にかかるラジアル針状ころ軸受を用いたプラネタリギヤセットのピニオンシャフト周辺を示す概略断面図である。図3は、かかる実施の形態における保持器の1つを示す斜視図である。図2に示すように、針状ころ軸受50は、複列に配置されたころ51,51と、各列のころ51,51を保持する保持器52,52と、を有し、キャリヤに取り付けられたピニオンシャフトCの周囲に配置されて、ロングピニオン(ピニオンギヤ)P1を回転自在に支持している。
図3において、円筒状の保持器52は、円筒部52aと、フランジ部52bと、円筒部52aと、フランジ部52bとを連結する複数の柱部52cとからなる。柱部52cの中央部は、保持器52の軸線に近接するように縮径している。隣接する柱部52cの間に、ころ51を保持するポケット部52pが形成されている。
本実施の形態においては、2つの保持器52は互いに同じ形状を有するが、図2に示すように、円筒部52a同士を向かい合わせるようにして取り付けられている。このとき、ポケット部52pは、フランジ部52b側に寄せられて形成されており、例えばポケット部52pから円筒部52aの端部までの距離L2は、ころ51の軸線方向長さL1の1/2以上[L2≧(L1/2)]あると好ましい。
図4は、ロングピニオンP1が力を受けたときの状態を示す図2と同様な断面図であるが、変形を誇張して示している。図4において、ロングピニオンP1が図で下方より力Fを受けたとき、ピニオンシャフトCは中央部が上方に変位するように撓むこととなる。このとき、ロングピニオンP1とピニオンシャフトCとの間のスキマが最も小さくなるのは、ピニオンシャフトCの中央部である。即ち、一点鎖線で仮想的に示す位置にころ51が来ると、ピニオンシャフトCに対するロングピニオンP1の回転が円滑に行われなくなる恐れがある。
そこで、本実施の形態によれば、保持器52のポケット部52pが、ころ51の軸線方向位置を規制して、ピニオンシャフトCがスキマの小さくなる中央部側に移動しないようにしているので、ピニオンシャフトCに対するロングピニオンP1の回転を円滑に行えるようにしている。尚、ころ51,51の位置は、極力ロングピニオンP1の端部側であることが望ましい。
図5は、第2の実施の形態にかかるラジアル針状ころ軸受を用いたプラネタリギヤセットのピニオンシャフト周辺を示す概略断面図である。図6は、かかる実施の形態の保持器の1つを示す斜視図である。本実施の形態については、図2〜4に示す実施の形態に対して異なる点のみを説明し、共通する構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図5,6で明らかなように、保持器52’は、円筒部52aの端部にフランジ部52dを形成している。2つの保持器52’を組み付けるときは、フランジ部52d同士を突き合わせるようにしている。これにより、動作時における保持器52’の端部の面圧を低く抑えて、摩耗抑制等に有効となる。
図7は、第3の実施の形態にかかるラジアル針状ころ軸受の保持器を示す斜視図である。本実施の形態にかかる保持器52”は、図3に示す2つの保持器52、52を連結して一体的に形成されたものであり、共通する構成については同じ符号を付して説明を省略する。このように保持器52”を単一とすると、2つの保持器を設ける場合に比べて、保持器同士の当たり(干渉)を回避することができる。
図7において、2列のポケット部52pは、各列同じ数だけ設けられていると好ましい。又、両列のポケット部52pは、それぞれ端面からの距離が等しく配置されている。又、ポケット部52pの位相は同一である(即ち一方の列のポケット部52pを軸線方向に延長すると、他方の列のポケット部52pに重なる)と好ましいが、ずれていても良い。
図8は、上述したラジアル針状ころ軸受を用いることができる、別な例にかかるラビニョ型遊星歯車装置の軸線方向断面図であり、図9は、図8の構成をIX-IX線で切断して矢印方向に見た図である。入力軸105には一体にフォワードサンギヤ103bが形成され、リバースサンギヤ103aは入力軸105上に回転自在に支持されている。また、入力軸105にはキャリヤ103cが回転自在に支持され、このキャリヤ103cはハブ部110とカバー部120とで構成されている。上記ハブ部110にはカバー部120方向に突出する3個の突起部111が一体に形成され、この突起部111の間の空間に互いに噛み合う2種類のピニオン103d、103eが配置されている。上記リバースサンギヤ103aは軸長の長いロングピニオン103dと噛み合っており、フォワードサンギヤ103bは軸長の短いショートピニオン103eと噛み合っている。上記ロングピニオン103dはリングギヤ103fとも噛み合っており、リングギヤ103fは出力軸104に一体形成されている。上記カバー部120の外周面には図示しないブレーキのクラッチ板が係合するスプライン126が形成されている。上記突起部111とカバー部120は、スロットピン130と皿ねじ131によって一体的に結合されている。
上記ハブ部110とカバー部120の対向位置には軸受孔114、124が形成され、これら軸受孔にピニオンシャフト140、141が架け渡されている。ピニオンシャフト140、141は夫々ロングピニオン103dとショートピニオン103eをラジアル針状ころ軸受50、143を介して回転自在に支持している。なお、ラジアル針状ころ軸受50は上述した実施の形態と同様であるため説明を省略する。又、ショートピニオン103eはスペーサ145によってハブ部110側へ位置規制されている。ピニオンシャフト140、141の両端部には切欠部140a、141aが形成されており、これら切欠部と接合する2個の異形孔144a、144bを設けたスラストワッシャ144がピニオン103d、103eの外側面とキャリヤ103cの内側面との間に配置されている。そして、ピニオンシャフト140,141の両端部を上記スラストワッシャ144の異形孔144a、144bに嵌合することにより、ピニオンシャフト140、141の回転および軸方向の動きが規制される。特に、スラストワッシャ144は、図9に示すように異形孔144aの平坦面が必ず内側を向くように配置される。その理由は、ワッシャ144の外形形状が非対称形状に形成されており、もし平坦面が外径側となるように逆組しようとすれば、スラストワッシャ144の一部がリバースサンギヤ103aと干渉して組み付け不能となるからである。このように、異形孔144aの平坦面が必ず内側になるため、ピニオンシャフト140の切欠部140aも必ず内側を向くように位置決めされる。なお、この実施例ではピニオンシャフト141の切欠部141aも内側を向くように位置決めされる。
ロングピニオン103dを支持しているピニオンシャフト140の内部には、一端が切欠部140aに開口し、他端が中央部のキャリヤ外径側に開口する斜め方向の潤滑孔140bが形成されている。特に、潤滑孔140bの終端側開口は、直交方向に形成した有底のキリ孔140cと連通している。一方、ハブ部110の内側面には、内径部から潤滑用の溝112が外径方向に向かって形成されており、この溝112の外周端部は上記ピニオンシャフト140を接合した軸受孔114まで延びている。
ここで、上記遊星歯車装置のピニオン潤滑作用について説明する。入力軸105の軸心孔105aを通って供給された潤滑油は、直交方向のキリ孔105bを通り、キャリヤ103cの溝112に沿って外径方向へ流れる。そして、溝112の終端で潤滑油はピニオンシャフト140の切欠部140aに当たり、ここで一部はスラストワッシャ144を潤滑するとともに、大部分は遠心力によって斜め方向の潤滑孔140bに入る。そして、潤滑孔140bの中を通った潤滑油は2列に設けたラジアル針状ころ軸受50の中間に導かれ、ラジアル針状ころ軸受50の内部を均等に潤滑する。なお、ピニオンシャフト140にはハブ部110側からだけでなく、カバー部120側からも中央部に向かう斜め方向の潤滑孔140bを形成してあるので、カバー部120側から切欠部140aに流れ込んだ油も上記潤滑孔140bを通ってニードルベアリング142の間に導かれる。この場合、カバー部120の内側面にもハブ部110と同様に潤滑油路を設ければ、潤滑性が一層向上する。尚、本実施の形態のラビニョ型遊星歯車機構に、図5〜7の針状ころ軸受を用いることもできる。
以上、本発明を実施例を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。本発明は、ラビニョ型遊星歯車機構に限らず、その他のタイプの遊星歯車機構に用いる針状ころ軸受やピニオンシャフトに適用できる。
第1の実施の形態にかかるラジアル針状ころ軸受を含む車両の自動変速機1の一部断面図である。 第1の実施の形態にかかるラジアル針状ころ軸受を用いたプラネタリギヤセットのピニオンシャフト周辺を示す概略断面図である。 第1の実施の形態における保持器の1つを示す斜視図である。 ロングピニオンP1が力を受けたときの状態を示す図2と同様な断面図である 第2の実施の形態にかかるラジアル針状ころ軸受を用いたプラネタリギヤセットのピニオンシャフト周辺を示す概略断面図である。 第2の実施の形態における保持器の1つを示す斜視図である。 第3の実施の形態にかかるラジアル針状ころ軸受の保持器を示す斜視図である。 別な例にかかるラビニョ型遊星歯車装置の軸線方向断面図である。 図8の構成をIX-IX線で切断して矢印方向に見た図である。
符号の説明
10 ケース
10a カバー
11 入力軸
12 プラネタリギヤセット
13 フロントサンギヤ
14 カウンタドライブギヤ
15 リヤサンギヤ
16 クラッチ
17 クラッチ
18 クラッチ
19 ステータシャフト
20 サンギヤ軸
21 内周側部材
22 ブレーキ
23 リングギヤフランジ
24 ハブ
25 ハブ
26 リングギヤ
27 ボールベアリング
28 ハブ
29 ハブ
30 ブレーキ
31 ハブ
32 ボス部
33 ドラム
33 部材
34 ドラム
35 ピストン
36 摩擦部材
37 ピストン
38 ドラム
39 摩擦部材
40 摩擦部材
42 摩擦部材
43 摩擦部材
50 ラジアル針状ころ軸受
52 保持器
103a リバースサンギヤ
103b フォワードサンギヤ
103c キャリヤ
103d ロングピニオン
103e ショートピニオン
103f リングギヤ
104 出力軸
105 入力軸
105a 軸心孔
105b キリ孔
110 ハブ部
111 突起部
112 溝
114 軸受孔
120 カバー部
126 スプライン
130 スロットピン
140 ピニオンシャフト
140a 切欠部
140b 上記潤滑孔
140b 潤滑孔
140c キリ孔
141 ピニオンシャフト
141a 切欠部
142 ニードルベアリング
144 スラストワッシャ
144a 異形孔
145 スペーサ
C ピニオンシャフト
OC1 ワンウェイクラッチ
OC2 ワンウェイクラッチ
P1 ピニオンギヤ
Q キャリヤ

Claims (3)

  1. 車両用自動変速機の遊星歯車機構におけるピニオンシャフトとピニオンギヤとの間に配置されるラジアル針状ころ軸受において、
    2列に配置されたころと、各列の前記ころを保持する保持器と、を有し、
    前記保持器は、前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間に力が付与されたときに、前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間で最もスキマが小さくなる位置に前記ころが移動しないように、前記ころの軸線方向位置を規制することを特徴とするラジアル針状ころ軸受。
  2. 前記保持器は、各列ごとに2つ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のラジアル針状ころ軸受。
  3. 前記保持器は、単一であることを特徴とする請求項1に記載のラジアル針状ころ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102014214332A1 (de) * 2014-07-23 2016-01-28 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Käfig für ein Wälzlager, Wälzlager und Planetenradlagerung
DE102019133860A1 (de) * 2019-12-11 2021-01-14 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Zahnradlageranordnung

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