JP2007255500A - クリープ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
運転者にクリープトルクの消失をクリープトルクの増減による変動により認識させることのできるクリープ制御装置を提供する。
【解決手段】
駆動源と、駆動輪と、駆動源の駆動トルクを駆動輪に伝達するための動力伝達系と、動力伝達系中に設けられたクラッチとを有する車両のクラッチの係合状態を制御してクリープトルクを制御するクリープ制御装置において、クラッチの温度を検出するクラッチ温度検出手段とクラッチ温度検出手段により検出される温度が所定値以上であるとき、クリープトルクの増減を伴う変動を行ってからクリープトルクを消失させるクリープトルク変動制御手段とを具備する。
【選択図】図3

Description

本発明は、動力源と、駆動輪と、動力源の駆動トルクを駆動輪に伝達するための動力伝達系と、動力伝達系中に設けられたクラッチとを有する車両のクラッチの係合状態を制御してクリープトルクを制御するクリープ制御装置に関する。
トルクコンバータを有する自動変速機においては、走行レンジにおいてアクセル全閉状態であっても、エンジンアイドル回転により駆動されたトルクコンバータからのトルクが車輪に伝達されてクリープ走行が可能である。一方、トルクコンバータを有しない変速機においては、走行レンジにおいてアクセル全閉状態のときにクラッチを部分係合させてクリープ走行を可能とする制御が行われている。このクリープ制御におけるクラッチの部分係合の際にクラッチ摩擦による乾式クラッチの不具合の発生や湿式クラッチの潤滑油の劣化等を防止するべき対策が図られている。
クリープ制御の先行技術としては、以下の特許文献がある。特許文献1には、湿式クラッチにおいては、クラッチの係合による摩擦による発熱をディスクプレートに給油される油によって冷却する場合、給油される油量及び油圧が所定値以下となるとクラッチ板の冷却作用が不十分となり、クラッチ故障に至ることがあることから、それを防止するべく、油量や油圧が一定以下となると、警報を発することが記載されている。
また、特許文献2には、クラッチ温度が第1の所定温度以下であれば、クリープトルクを一定とし、クラッチ温度が第1の所定温度と第2の所定温度との間であれば、クラッチ温度に対してリニアに減少するクリープトルクとし、クラッチ温度が第2の所定温度以上であれば、クリープトルクをゼロにすることが記載されている。
実開昭62−6536号公報 特開平10−325423号公報
しかしながら、特許文献1では、湿式クラッチ板の磨耗によるクラッチの損傷を防止することができるが、乾式クラッチ板についての記載がないことから、乾式クラッチではプレッシャプレートの磨耗によるクラッチ板の不具合の発生を防止することはできない。
また、油量や油圧が所定値以下となった場合の記載はあるが、クラッチ自体が温度上昇することによりクラッチの不具合を防止するためのクリープトルクの制御についての記載はないことから、油量や油圧が所定値以上であってもその油温が上昇している場合にクリープトルクを発生させると、油の劣化等を防止することはできない。
特許文献1では、警報が発せられている間のクリープトルクの制御について記載されていないが、その間、クリープトルクを零にしたとき、運転者が警報に気が付かない場合には、クリープトルクが消失することが認識されずに、車両が運転者の意図に反して後退してしまうという問題点があった。更に、警告灯などの部品を追加する必要があった。
また、特許文献2では、クラッチ温度が第1の所定温度でクリープトルクが徐々に減少し始めるため、運転者は、クリープトルクの減少に気が付かず、例えば、登坂路でクリープ走行している場合、クリープトルクの減少により車両が後退していることに気がつかない場合が考えられる。
更に、クラッチ温度が第2の所定温度でクリープトルクが消失しても、クリープトルクの変化が穏やかなため、クリープトルクの消失に気が付かない場合や、警告灯の点灯も見逃す場合が考えられる。運転者に警告灯によりクリープトルクの消失を事前に知らせる場合は、警告灯などの部品を追加する必要がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、クラッチ温度の上昇によるクラッチ等の不具合の発生を防止するとともに、運転者にクリープトルクの消失をクリープトルクの増減による変動により認識させることのできるクリープ制御装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明によると、駆動源と、駆動輪と、前記駆動源の駆動トルクを前記駆動輪に伝達するための動力伝達系と、前記動力伝達系中に設けられたクラッチとを有する車両の前記クラッチの係合状態を制御してクリープトルクを制御するクリープ制御装置であって、前記クラッチの温度を検出するクラッチ温度検出手段と、前記クラッチ温度検出手段により検出された前記クラッチの温度が所定値以上であるとき、前記クリープトルクの増減を伴う変動を行ってから前記クリープトルクを消失させるクリープトルク変動制御手段とを具備したことを特徴とするクリープ制御装置が提供される。
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明において、前記クリープトルク変動制御手段は、前記クラッチ温度検出手段により検出された前記クラッチの温度が前記所定値を越えた時点での前記クラッチ温度検出手段により検出された前記クラッチの温度が大きくなると、前記クリープトルクの増減を伴う変動の開始から前記クリープトルクを消失させるまでの時間を短くすることを特徴とするクリープ制御装置が提供される。
請求項1記載の発明によれば、クラッチ温度検出手段により検出されるクラッチの温度が所定値以上であるとき、クリープトルクの増減を伴う変動を行ってからクリープトルクを消失させるので、クラッチの温度上昇による不具合の発生を防止するとともに、運転者はクリープトルク消失前にクリープトルクが消失することを認識することができる。
請求項2記載の発明によれば、所定値を越えた時点でのクラッチ温度検出手段により検出されたクラッチの温度が大きくなると、クリープトルクの増減を伴う変動開始からクリープトルクを消失させるまでの時間を短くするので、クリープトルク消失する時点でのクラッチの温度の上昇を抑制することができ、クラッチの温度上昇によるクラッチの不具合の発生をより効果的に抑制できる。
図1は本発明の実施形態による車両の概略構成を示す図である。図1に示すように、車両は、駆動源2、クラッチ4、クラッチアクチュエータ6、油圧源パワーユニット8、シフト操作レバー10、変速機12、プロペラシャフト13、ECU14、クラッチ温度検出手段16、シフトポジションセンサ17、アクセルペダル開度センサ18、図示しないフットブレーキスイッチ、フットブレーキ、ハンドブレーキ、アクセルペダル及びスロットル等を有する。
駆動源2は、車輪を駆動するための駆動トルクを発生するものであり、例えば、電気自動車等に設けられる電動機や4サイクルDOHC型の火花点火式ガソリン内燃機関等であり、その出力軸(電動機の場合は回転軸、内燃機関の場合はクランク軸)はクラッチ4を通して変速機12の入力軸(メインシャフト)に接続される。
クラッチ4は、機械式摩擦クラッチ(乾燥単板式クラッチ)である。本実施形態では、レリーズフォークがクラッチアクチュエータ6に押圧されることにより、クラッチ係合を行う乾燥板式クラッチを例に説明するが、クラッチの係合を油圧で制御する油圧クラッチ(湿式クラッチ)でも良い。
クラッチ4は、駆動源2の出力軸に連結されたフライホイールと、クラッチカバーと、プレッシャプレートと、クラッチディスクと、スプリングと、レリーズフォークと、レリーズベアリングを有する。プレッシャプレートは、スプリングによるスプリング力によってクラッチディスクをフライホイールに圧着し、その摩擦力で駆動源2の駆動トルクを変速機12に伝達(クラッチ4を締結)する。
クラッチアクチュエータ6のシリンダに収容されたピストンによりレリーズフォークを押圧すると、レリーズフォークが揺動する。この揺動によりレリーズベアリングが移動され、スプリングを押してそのバネ力を弱めることにより、プレッシャプレートをクラッチディスクから離間させて、駆動源2の出力トルクの変速機12への伝達を遮断(クラッチ4を解放)する。レリーズフォークには、油圧式のクラッチアクチュエータ6の先端に設けられたピストンが接続される。
クラッチアクチュエータ6のピストンへの油圧供給はクラッチアクチュエータ6に設けられた電磁ソレノイド付きの流動制御バルブによって制御され、公知のPWM手法によってECU14の制御により供給される電磁ソレノイドへの通電量に応じて移動するクラッチアクチュエータ6のスプールの位置に応じた油圧が供給される。
クラッチアクチュエータ6のピストンは供給される油圧に比例したストローク量でレリーズフォークを押圧することにより、プレッシャプレートを押圧する。クラッチアクチュエータ6のピストンのストローク位置によっていわゆるクラッチ4が半クラッチとなり、駆動源2の出力トルクを部分的に変速機12へ伝達する。
油圧源パワーユニット8は、駆動源2で駆動されるギヤポンプでリザーバタンクから汲み上げられて加圧された作動油をクラッチアクチュエータ6の流動制御バルブに供給するユニットであり、その油圧路にクラッチアクチュエータ6の電磁ソレノイド付き流量制御バルブのポートが接続される。
ここでは、クラッチ4は駆動源2と変速機12との間に設けられている例を説明しているが、駆動源2から車輪に至る動力伝達系中に配設され、係合することにより、駆動源2の駆動トルクが駆動輪に伝達され、非係合とすることにより、駆動源2の駆動トルクが遮断され、その係合がクラッチアクチュエータ等により自動制御されるものであれば良い。例えば、変速機12の出力軸(カウンタシャフト)とドライブシャフトとの間に設けられるもの等であっても良い。
シフト操作レバー10は、例えば、変速機12に接続され、変速機12の変速段の変速を行うためのレバーである。変速機12は、駆動源2の駆動トルクを所望のトルクで車輪を駆動するためのものであり、例えば、複数本のシフトフォークシャフト、そのそれぞれに固定されたシフトフォーク及びクラッチアクチュエータ6と同様の電磁ソレノイド付き流動バルブを有するシフトセレクトアクチュエータをECU14の制御により電磁ソレノイドへの通電量を制御することによって、目標とするギヤを確立するように、シフトフォークシャフトを軸方向とそれに直交する方向に移動しつつシフトフォークを駆動するようにするようにし、シフト操作レバー10がマニュアル位置(M)に移動されると手動変速モードが選択され、ドライブ位置(D)に移動されると自動変速モードが選択されるようにECU14により制御する。
自動変速モードとは、スロットル開度及び車速に応じて変速段が定義されたシフトマップに基づいて、変速がECU14により制御されるモードをいう。駆動源2よりクラッチ4を介してメインシャフトに伝達された入力トルクに基づいて、カウンタシャフト、ドライブシャフト及びプロペラシャフト13を通して図示しない駆動輪が駆動される。
尚、自動変速機の代わりに、常時噛合式シンクロメッシュ機構付き変速機からなるマニュアル変速機であっても良い。マニュアル変速機では、その内部にはメインシャフトとカウンタシャフトの間に複数個のギヤが配置され、シフトフォークを介していずれかのギヤが噛合することにより、前進5段(5速)〜前進1段(1速)及び後進1段の任意の変速が確立する。更に、変速機12は無段変速機(CVT)等であっても良い。
クラッチ温度検出手段16は、クラッチ4の温度を検出する手段であり、例えば、クラッチ温度センサやECU14によりクラッチ4の温度を検出する。クラッチ温度センサは、クラッチ4の近傍に配置され、クラッチ4の温度を検出し、クラッチ温度に応じた電気信号(電圧信号)を出力する。クラッチ温度センサの出力信号は、ECU14に入力され、ECU14でアナログ/デジタル変換される。
また、クラッチ温度センサを設けずにECU14によりクラッチ4の温度を算出する場合は、外気温やエンジン冷却水温等を初期温度として設定した後、駆動源2の出力軸の回転数及びクラッチ4の冷却特性からクラッチ4のスリップ中のプレッシャプレートの周囲への熱伝達分に基づくプレッシャプレート冷却温度、メインシャフト回転数及びクラッチ6の入力トルク(クラッチトルク)からクラッチスリップ時間中の発熱量、発熱量及びプレッシャプレートの熱容量からクラッチ4のスリップ中のプレッシャプレート上昇温度をそれぞれ算出し、過去に推定されたクラッチ4の温度、プレッシャプレート上昇温度及びプレッシャプレート冷却温度からクラッチ6の温度を推定する。
また、クラッチ4が湿式多板クラッチの場合、クラッチ4の係合のための潤滑油の油温を測定することにより、クラッチ4の温度を求めることも可能である。
シフトポジションセンサ(シフト操作レバー操作検出手段)17は、シフト操作レバー10に接続され、運転者のシフト操作レバー10の操作により選択されたシフト位置を検出し、シフトポジション信号を出力する。
アクセルペダル開度センサ18は、車両運転席の床面に配置された図示しないアクセルペダルの付近に配置され、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じた電気信号を出力する。シフトポジションセンサ17及びアクセルペダル開度センサ18のセンサ出力信号は、ECU14に入力されて、ECU14でアナログ/デジタル変換される。
ECU14は、詳述するように、クラッチ温度検出手段16により検出されたクラッチ温度、シフトポジションセンサ17に検出されたシフトポジション信号、アクセルペダル開度センサ18により検出されたアクセルペダル開度に基づいて、クラッチ4の係合力を制御することにより、クリープ制御を行う。
クリープ制御とは、運転者が、車両がインギアにある状態で、アクセルペダルを操作しなくても、微速走行可能とするものである。更に、フットブレーキ等が踏まれた場合には、フットブレーキの踏み込み量に応じてクリープトルクを弱める制御を行う。
図2はECU14のクリープ制御に係るクリープ制御装置の機能ブロック図である。クリープ制御装置50は、ECU14がプログラムを実行することにより実現され、走行モード判定手段52、通常走行制御手段54及びクリープ走行制御手段56を有する。走行モード判定手段52は、通常走行モード及びクリープ走行モードのいずれのモードであるかを判断する。クリープ走行モードとは、車両が所定の運転状態であるとき、クラッチ4を半クラッチ状態とし、駆動源2からクラッチ4に入力されるクラッチトルクの一部(クリープトルク)を変速機12のメインシャフトに伝達し、クリープトルクにより駆動輪を駆動するモードをいう。通常走行モードとは、クリープ走行以外のインギアでのモードをいう。
所定の運転状態とは、例えば、(1)アクセルペダル開度センサ18により検出されたアクセルペダル開度が全閉であることを示すこと、(2)シフトポジョンセンサ17からのセンサ信号がインギヤ(1速前進/後退)であること示すことである。
通常走行制御手段54は、通常走行モードにおいて、運転状態に応じて、クラッチ4が係合/非係合となるようクラッチアクチュエータ6の制御を行うとともに、変速機12の変速を制御する。クリープ走行制御手段56は、通常クリープ制御手段70及びクリープトルク変動制御手段72を有する。
通常クリープ制御手段70は、所定の運転状態であるとき、クリープトルクが一定、あるいは、ブレーキペダルが踏まれたときは、その踏み込み量に応じてクリープトルクが減少するようにクラッチアクチュエータ6を通してクラッチ4の係合を制御する。このときの走行モードを通常クリープモードと呼ぶ。
所定の運転状態とは、クラッチ4がクリープトルク一定としても通常に作動可能な状態、換言すれば、クリープトルク変動のトリガとなる状態であり、例えば、クラッチ4の温度が第1の閾値温度Th1以下であることである。第1の閾値温度Th1は、クリープトルク消失を運転者に認識させるために、クリープトルク変動が開始される温度であり、所定の回数クリープトルクの増減を伴う変動を与えた後にクリープトルクを消失させる。また、第2の閾値温度Th2はクラッチ4に不具合が起こる恐れのある温度であり、クリープトルクを消失させる温度である。尚、クリープトルクは、クラッチ4の半クラッチ状態での締結量、即ち、クラッチアクチュエータ6のピストンのストローク位置に応じて、変動させる。
クリープトルク変動制御手段72は、通常クリープモードではない運転状態(クリープトルク変動モード)、例えば、クラッチ4の温度が第1の閾値温度Th1になると、クリープトルクの増減を伴う変動を開始し、所定の回数クリープトルクの増減を伴う変動を与えた後にクリープトルクを消失させる。所定の回数は、予め定められた値でも良いし、後述するように、クラッチ4の温度の上昇率に応じた値であっても良い。また、クラッチ温度が第2の閾値温度Th2となった場合は、速やかにクリープトルクを消失する。
更に、クラッチ温度検出手段16により検出された第1の閾値温度Th1を越えた時点やクリープトルクの増減を伴う変動を与えている時にクラッチ4の温度が高くなると、クリープトルクの増減を伴う変動を与える回数を少なくする等して、クリープトルクの増減を伴う変動の開始からクリープトルクを消失させるまでの時間が短くなるように制御する。
クリープトルクの変動は、運転者がクリープトルク消失を認識できればクリープトルクの変動の形態は問わず、クラッチ4の温度の急激な上昇を伴わず、また、運転者にクリープトルク消失を認識させやすい観点から、運転者をあまり驚かせることの無い範囲で任意に設定することができる。
例えば、クリープトルク大の第1のクリープトルクCRTc1を第1の時間T1及びクリープトルク小の第2のクリープトルクCRTc2を第2の時間T2を1サイクルとするクリープトルク変動期間を所定の回数(カウンタ値)nだけ行い、それが終了すると、クリープトルクを消失させる。
カウンタ値nは、予め定められた値であっても良く、また、温度上昇率に応じた値、例えば、クリープトルク変動開始時点のクラッチ4の温度の時間に対する上昇率と同じ上昇率でクラッチ4のクリープトルク変動後も上昇すると仮定し、第2の閾値温度Th2と第1の閾値温度Th1との温度差(Th2−Th1)をクリープトルク変動の1サイクルの上昇温度(1サイクル時間×温度上昇率)で割り算した値でも良い。尚、通常クリープモード及び変動クリープモードでのクラッチトルクは同じであるとする。
あるいは、クリープトルク変動開始時点のクラッチ4の温度Tcl(=第1の閾値温度Th1)、クラッチ4の冷却特性、クラッチトルク、プレッシャプレートの熱容量、第1及び第2のクリープトルクCRTc1,CRTc2による第1及び第2の期間T1,T2におけるクラッチトルクに基づく発熱量よりクラッチ4の温度を時系列順に推定し、クラッチ4の温度が第2の閾値Th2となった時点でクリープトルクを速やかに消失させても良い。同様に、クラッチ温度検出手段16がクラッチ温度検出センサで構成される場合は、クラッチ温度検出センサにより検出されたクラッチ温度Tclが第2の閾値温度Th2となった時点でクリープトルクを速やかに消失させても良い。
第1のクリープトルクCRTc1は、通常クループ走行でのクリープトルクと等しいか又はそれ以下のトルクとする。第2のクリープトルクCRTc2は、第1のクリープトルクCRTc1よりも小さいトルクとする。第1及び第2のクリープトルクCRTc1,CRTc2並びに第1及び第2の期間T1,T2は、運転者がクリープトルクの変動が認識できるようなものとする。
上記クリープトルク変動の制御により、クラッチ温度Tclの温度上昇率が高くなる、例えば、クラッチ温度Tclが第1の閾値温度Th1を越えた時点のクラッチ温度Tclの温度上昇率が高くなればなる程、カウンタ値nが小さくなり、クリープ変動開始からクリープトルク消失までの時間が短くなる。
また、第1及び第2の期間T1,T2をクラッチ温度Tclの温度上昇率に対して可変となるようにしても良い。例えば、クラッチ温度Tclの温度上昇率が高くなればなるほど、第1及び第2の期間T1,T2を短くし、カウンタ値nが増加するようにしても良い。
また、運転者により確実にクリープトルク消失を認識させるために、クリープトルク変動制御と警告灯及び又は警告音を組み合わせることも可能である。また、その組み合わせをクリープトルク増減を伴う変動制御と同期/非同期に段階的に行うことも可能である。例えば、第1の期間で警告灯を点灯し、第2の期間で消灯し、点滅を繰り返しても良い。更に、第1及び第2のクリープトルクCRTc1,CRTc2をクラッチ温度Tclの温度上昇率に対して可変となるようにしても良い。
図3は本発明の実施形態によるクリープトルク制御方法の一例を示すフローチャートである。このフローチャートで示す処理は、ECU14により、例えば、10ms毎に実行される。図4はクリープトルク制御方法を示すタイムチャートであり、上段の横軸が時間、上段の縦軸がクラッチ温度、下段の横軸が時間、下段の縦軸がクリープトルクを示す。
ステップS2で車両が上述した所定の運転状態であるクリープモード、それ以外の通常走行モードいずれのモードであるかモードの判定をする。ステップS4でクリープモードであるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS6に進む。否定判定ならば、ステップS24に進む。
ステップS6でクラッチ温度検出手段16からのセンサ出力信号又は上述した推定によりクラッチ温度Tclを算出する。尚、クラッチ温度Tclは現在及び過去のものが累積されている。ステップS8でクラッチ温度Tclが第1の閾値温度Th1以上であるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS10に進む。否定判定ならば、ステップS22に進む。
ステップS10で現在及び過去のクラッチ温度Tclから現時点のクラッチ温度Tclの温度上昇率を算出し、第2の閾値温度Th2と第1の閾値温度Th1の温度差(Th2−Th1)をクリープ変動の1サイクルの時間×温度上昇率で割り算して、カウンタ値nを算出する。例えば、図4に示すように、時刻t1でクラッチ温度Tclが第1の閾値温度Th1以上となったものとすると、時刻t1でのクラッチ温度Tclの傾きである温度上昇率からカウンタ値nが算出される。尚、カウンタ値は予め定められた所定値であっても良い。
ステップS12でKに0を代入する。ステップS14でKを1増加する。ステップS16でクリープトルクを変動する。クリープトルク変動は、例えば、図4に示すように、クリープトルク小の第1のクリープトルクCRTc1を第1の時間T1、クリープトルク大の第2のクリープトルクCRTc2を第2の時間T2を1サイクルとするものである。
ステップS18でK<nであるか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS14に戻る。否定判定ならば、ステップS20に進む。ステップS14に戻って、ステップS14〜S18までをK=nとなるまで繰り返す。このように、クリープトルク大・小のクリープトルク変動が繰り返されるので、運転者に、クリープトルクが消失することを認識させることができる。
例えば、図4に示すように、時刻t1から時刻t2までの間、クリープトルクが変動する。一方、従来技術では、図5に示すように、時刻t1’から徐々にクリープトルクが減少し、時刻t2’でクリープトルクを消失させるが、クリープトルクが徐々に減少するため、運転者にクリープトルクの消失を認識させることは困難である。
ステップS20でクリープトルクを0にする(クリープトルクを消失する)。例えば、図4に示すように、クリープトルクが0となる時刻t2では、クラッチ温度Tclは第2の閾値温度Th2となる。ステップS22でクリープトルクを維持(通常クリープ走行)する。例えば、図4に示すように、時刻t1までは通常クリープ走行が行われる。ステップS24で通常走行が行われる。
以上説明したように、本実施形態によれば、クリープトルクを消失させる前に、クリープトルクを増減を伴う変動をしてから消失させるので、警告灯などの部品を追加することなく、運転者にクリープトルクの消失を事前に認識させることができる。この結果、クラッチ温度の上昇によるクラッチ等の不具合の発生を防止するとともに、運転者にクリープトルクの消失を事前に認識させることができる。
本発明の実施形態によるクリープ制御装置の概略構成図である。 本発明の実施形態のクリープ制御装置のブロック図である。 本発明の実施形態によるクリープモード制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態によるクリープモード制御を示すタイムチャートである。 従来のクリープトルク制御を示すタイムチャートである。
符号の説明
2 動力源
4 クラッチ
6 クラッチアクチュエータ
8 油圧源パワーユニット
10 シフト操作レバー
12 変速機
14 ECU
16 クラッチ温度検出手段
17 シフトポジションセンサ
18 アクセルペダル開度センサ
50 クリープトルク制御装置
56 クリープ走行制御手段
70 通常クリープトルク制御手段
72 クリープトルク変動制御手段

Claims (2)

  1. 駆動源と、駆動輪と、前記駆動源の駆動トルクを前記駆動輪に伝達するための動力伝達系と、前記動力伝達系中に設けられたクラッチとを有する車両の前記クラッチの係合状態を制御してクリープトルクを制御するクリープ制御装置であって、
    前記クラッチの温度を検出するクラッチ温度検出手段と、
    前記クラッチ温度検出手段により検出された前記クラッチの温度が所定値以上であるとき、前記クリープトルクの増減を伴う変動を行ってから前記クリープトルクを消失させるクリープトルク変動制御手段と、
    を具備したことを特徴とするクリープ制御装置。
  2. 前記クリープトルク変動制御手段は、前記クラッチ温度検出手段により検出された前記クラッチの温度が前記所定値を越えた時点での前記クラッチ温度検出手段により検出された前記クラッチの温度が大きくなると、前記クリープトルクの増減を伴う変動の開始から前記クリープトルクを消失させるまでの時間を短くすることを特徴とする請求項1記載のクリープ制御装置。
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