JP2007255451A - インサートナットおよびこれを用いた接合構造ならびにセラミック構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のインサートナットは、被締結部材と接着剤を介して接合する必要があり、工程が煩雑であった。
【解決手段】被締結部材に組み付けられてネジとの螺合に供されるインサートナット100において、外周面に環状溝11を備えた本体10と、環状溝11内に配置され、径の伸縮により前記本体を把持するための係止部材20とからなることを特徴とし、さらに前記本体10は、円筒状であり、且つ前記係止部材20は、スリット21を有する割スリーブ状であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ネジ加工が困難な被締結部材である、例えばコンクリート、ガラスおよびセラミックスなどの難加工性の被締結部材に埋設するためのインサートナットおよびこれを用いた接合構造ならびにセラミック構造体に関する。
従来より、コンクリート、ガラスおよびセラミックスなどの脆性材料からなる難加工性の被締結部材にネジ加工を行なう場合は、被締結部材に丸穴を形成し、この丸穴にあらかじめネジ溝加工を施したインサートナットを埋設し被締結部材とインサートナットを接着剤を介して接合する方法が用いられている。
しかしながら、この方法では、被締結部材に埋設したインサートナットのネジ溝にボルトを螺合させ、ボルトを締め付けた場合や緩めた場合に、被締結部材とインサートナットを接合している接着剤の接合強度以上の回転トルクが発生すると、接着剤に割れが発生し、被締結部材からインサートナットが剥がれてしまうという課題を有していた。
この課題に対して、特許文献1では、被締結部材に形成する丸穴を角穴状とし、この丸穴にインサートナットを埋設することにより、角穴状の丸穴に埋設したインサートナットの回転が抑制されるため、ボルトを締め付ける場合や、緩める場合にインサートナットが回転することを阻止するものである。
また、特許文献2では、インサートナットの内周面に形成するネジ溝の中心をインサートナットの軸中心からずらすことにより、インサートナットの内周の中心からインサートナットの外周までの距離は場所によって異なるため、ネジを締め付けた場合や緩めた場合にように大きな回転トルクが印加されても、インサートナットの側面が被締結部材の穴の側面に当たるのでインサートナットの回転が抑制される。したがって、インサートナットは被締結部材から剥がれ難くなるとされている。
特開平7−18603号公報 特開2000−310211号公報
しかしながら被締結部材がガラス、コンクリートおよびセラミックスなどの脆性材料である場合、締結部の剛性を高めるために複数のインサートナットを埋設する必要が生じる。このような場合、特許文献1、2のインサートナットでは、インサートナットを埋設するために、被締結部材に形成する丸穴の面積が大きくなるため、インサートナット間のピッチを狭くできない課題が生じる。また、狭小の面積部分に複数個のインサートナットを埋設する場合は、被締結部材に形成する丸穴が重なる場合が生じ、その重なる丸穴の形状に合わせてインサートナットの外形を加工する必要が生じ、インサートナットの加工費が余分に掛かるなどの課題が生じる。
また、上述のインサートナットによれば、ボルトの締め付けなどに生じる回転トルクに対し、インサートナットの回転を防止することが可能になるものの、依然として被締結部材とインサートナットの接合に接着剤が必要であるので、接着剤の調整、被締結部材に形成した丸穴もしくはインサートナットへの接着剤の塗布、はみ出た接着剤の拭き取り、もしくは加熱固着など行う必要があり工程が非常に長いとともに作業性が悪いなどの課題が残っている。また、接着剤の塗布量が不足すると規定値以外の抜去力でインサートナットが丸穴から抜脱する問題があるとともに、適正な接着剤を被締結部材に形成した丸穴に均一に塗布することが困難であった。
また、これらに用いられる接着剤は有機物が用いられることが多く、有機物の接着剤は金属、セラミックスなどと比較すると一般的に耐候性に劣り、長期間の信頼性に欠けているとともに、定期的なメンテナンスを必要としていた。
本発明のインサートナットは上記課題を解決するために、被締結部材に(組み付けられて)埋設されてネジとの螺合に供されるインサートナットにおいて、内周面にネジ溝を有するとともに、外周面に環状溝を備えた筒状の本体と、前記環状溝内に配置され、径の伸縮により前記本体を把持する係止部材と、からなることを特徴とするものである。
また、前記本体は、円筒状であり、且つ前記係止部材は、軸方向の両端に達するスリットを有する円筒状であることを特徴とするものである。
また、本体は、前記環状溝に連通する凹部を備えることを特徴とするものである。
さらに、係止部材は、本体へ連結させるための連結部を備えることを特徴とするものである。
またさらに、本体は、外周面に前記環状溝に連通するクサビ溝を長手方向に備えるとともに、クサビ溝内に配置するクサビとを備えることを特徴とするものである。
さらにまた、上述のインサートナットを被締結部材に埋設した接合構造であって、被締結部材に環状の鍔部を有する埋設穴を備えるとともに、前記係止部材は前記埋設穴内において前記本体の環状溝および鍔部の両者にわたって配置されていることを特徴とする接合構造であることを特徴とするものである。
また、係止部材は、前記鍔部に対して押圧状態で配置されている構造体であることを特徴とするものである。
また、被締結部材は、セラミックスであることを特徴とするものである。
さらに、以上の接合構造により得られたことセラミック構造体であることを特徴とするものである。
本発明のインサートナットによれば、内周面にネジ溝を有するとともに、外周面に環状溝を備えた筒状の本体と、前記環状溝内に配置され、径の伸縮により前記本体を把持する係止部材と、からなることから、簡単な構造で、且つ接着剤の使用を不要とするとともに被締結部材からの抜脱を有効に防止することができる。
また、前記本体は、円筒状であり、且つ前記係止部材は、軸方向の両端に達するスリットを有した円筒状であることから、インサートナットを被締結部材に形成した埋設穴に埋設することが容易になる。
さらに、前記本体は、前記環状溝に連通する凹部を備えることにより、本体と係止部材を一体に備えることができるため、インサートナットの埋設を容易にすることができる。
またさらに、前記係止部材は、本体へ連結させるための連結部を備えていることから、ボルトの締め付けもしくは緩めに伴うインサートナットの回転を防止することができる。
さらにまた、前記本体は、外周面に前記環状溝に連通するクサビ溝を長手方向に備えるとともに、クサビ溝内に配置するクサビとを備えていることから、被締結部材からのインサートナットの着脱を自由に行なうことができるとともにメンテナンスが容易なインサートナットを得ることができる。
また、上述のインサートナットを被締結部材に埋設した接合構造であって、被締結部材に環状の鍔部を有する埋設穴を備えるとともに、前記係止部材は前記埋設穴内において前記本体の環状溝および鍔部の両者にわたって配置されていることから、インサートナットの抜脱することを防止することが可能となる。
ここで本発明のインサートナットの実施形態について説明する。
図1(a)に、本発明のインサートナットの斜視図、(b)に本体の斜視図、(c)に係止部材の斜視図を示す。
図1(a)に示す通り、本発明のインサートナット100は、外周面に環状溝11を備えた本体10と、前記環状溝11内に配置され径の伸縮により前記本体10を把持するための係止部材20とからなることを特徴とする。
本発明のインサートナット100のうち、係止部材20を本体10に配置した状態で被締結部材に設けた埋設穴41に埋設するものであり、本体10は、図1(b)に示すように、内周にボルトやネジを螺合するため、中心部にネジ溝13が形成されており、本体10の軸中心とネジ溝13の中心はほぼ同一に形成されている。また、外周面に係止部材20を配置するための環状溝11が形成されている。
また、本体10の材質は、ステンレスもしくは鉄系材料にメッキを施したものなどが使用され、ステンレスの場合は、SUS304、SUS303などが用いられる。また、磁性を嫌う場所に用いる場合は、ベリリウム銅もしくはリン青銅を用いることができる。
前記係止部材20は、図1(c)に示すように円筒状の形状をなしており、本体10の外周面に形成した環状溝11内に配置され、径の伸縮により前記本体10を把持するものであり、例えば、図1(c)に示すように係止部材20は、一部にスリット21を有する割スリーブ状であるが、係止部材20を円形に相当するものとした場合に、その形状がほぼ真円状である場合は、係止部材20の外径の直径は、本体10の最大外径よりも大きい方が好ましく、また、係止部材20の形状が楕円状である場合、係止部材20の内周の短径は、本体10の環状溝11部分の外径と略同一であり、係止部材20の内周の長径は、本体10の最大外径よりも大きい方が好ましい。
これらの理由を、本発明のインサートナット100を被締結部材に埋設した状態を示す、図2(a)〜(c)および図3(a)〜(c)を用いて説明する。
まず、係止部材20がほぼ真円状である場合を図2(a)〜(c)を用いて説明する。
図2(a)は、インサートナット100を被締結部材40に埋設した状態を被締結部材40の上面から見た平面図であり、同図(b)は、(a)のA−A断面図、同図(c)は(a)のB−B断面図である。
被締結部材40には、あらかじめ埋設穴41を形成し、埋設穴41には環状の鍔部42が備えられている。また、本体10および係止部材20からなるインサートナット100はザクリ41に埋設され、さらに係止部材20は、本体10の環状溝11および鍔部42にわたって配置されている。
本発明のインサートナット100は、上述の通り、係止部材20が本体10の環状溝11および鍔部42にわたって配置されることにより、インサートナット100が被締結部材40から抜脱されることを防止する効果を奏している。したがって、係止部材20がほぼ真円状である場合は、係止部材20の外径の直径が本体10の最大外形よりも大きいと、図2(b)のように、係止部材20が環状溝11と鍔部42に同時に配置されている場所を形成し、また、図2(c)のように、係止部材20の一部が完全に環状溝11に配置されてい場所と、鍔部42に配置されている場所を形成することができるので、被締結部材40からのインサートナット100の抜脱を確実に防止することが可能となる。
続いて、係止部材20が楕円状である場合について図2(a)〜(c)を用いて説明する。
図3(a)は、上述の図2(a)と同様の状態を示す平面図であり、同図(b)は(a)のC−C断面図、同図(c)は(a)のD−D断面図である。また、被締結部材40に形成する埋設穴41および鍔部42は図2と同様である。図3(b)、(c)に示すように係止部材20が楕円状であり、係止部材20の内周の短径が、本体10の環状溝11の外径と略同一であり、係止部材20の内周の長径が、本体10の直径よりも大きいと係止部材20が環状溝11と埋設穴41にわたって配置されることになるので、被締結部材40からのインサートナット100の抜脱を確実に防止することが可能となる。
さらに、インサートナット100のネジ穴13にボルトやネジを螺合させ、ボルトやネジを締め付ける場合や緩めた場合は、インサートナット100がボルトやネジと同時に回転することがあるが、本発明のインサートナット100によれば、図2、図3に示すように、係止部材20が径の伸縮によって本体10を把持しており、かつ、被締結部材40の鍔部42に対して押圧状態で配置されることが可能となるため、本体10の回転を防止する効果を奏することができる。
このようなインサートナット100の埋設方法において、前記係止部材20は、スリット21を有する割スリーブ状であることが好ましく、係止部材20を本体10とともに被締結部材40の埋設穴41に埋設するとき、係止部材20を被締結部材40の埋設穴41の形状に合わせて収縮しやすくなるともに、本体10の環状溝11に係止部材20を配置しやすくなるからである。また、スリット21の幅を調整することにより、係止部材20の鍔部42に対する押圧を調整することが可能となる。
また、上述のように係止部材20は、本体10の抜脱を防止するとともに、鍔部42に押圧をかけることによって、ボルトの締め付けもしくは緩め時に発生する回転トルクに対する本体10の回転を効果的に抑制することができる。この効果をさらに向上させるための係止部材20の材質としては、ステンレス鋼などの鋼材であることが好ましく、特にSUS304−CSPを用いることが好ましい。SUS304−CSPは、弾性特性に優れているからである。もしくは、リン青銅も弾性特性に優れているため係止部材20の材質としては好適である。
次いで、図4に本発明のインサートナット100の第1の別の実施形態を示す。
このインサートナット100は、本体10に環状溝11に連通する凹部12を備えるものであり、割スリーブ状の係止部材20には突出部22を形成し、この突出部22と凹部12をさらに嵌合させることによって本体10と係止部材20を一体的に備えることができる。
また、図4(a)に示すインサートナット100を被締結部材40に埋設した状態を図5(a)、(b)に示す。図5(a)は、インサートナット100を被締結部材40に埋設した状態を被締結部材40の上面から見た平面図であり、(b)は、同図(a)のE−E断面図である。
図5(b)に示すように、係止部材20の突出部22は、本体10と被締結部材40との空間に配置される状態になるため、突出部22の対向面(図中X付近)にて鍔部42に対する押圧を効果的に発生させることができる。さらに、係止部材20は、鍔部42に対して押圧している状態であるので係止部材20の回転が抑制された状態にある。したがって、本体10に回転トルクが加わったとしても、凹部12に嵌合した突出部22で本体10の回転を抑止することが可能となり、インサートナット100の回転を防止することができる。
さらに、図4(c)は、凹部12の形状の他の実施形態を示す平面図である。このように凹部12は、その側面が本体10の軸方向に広がるテーパー形状であることが好ましい。また、テーパー形状の凹部12に嵌合するように突出部22を形成し配置することにより、本体10に回転トルクが印加されても、本体10と係止部材20の突出部22の滑りを防止できるので、信頼性の高いインサートナット100を得ることができる。
なお、図4、5においては、環状溝11に連通する凹部12は、環状溝11から本体10の上部に向けて1本のみ配置しているが、本体10の下部に向けて配置しても良く、また、同時に2本形成しても構わない。特に本体10に高い回転トルクがかかる場合は2本形成する方が好ましい。また、図4における凹部12は、環状溝11から本体10の上面にわたって形成されているが、突出部22の形状に応じて適宜調整することも可能である。
図6(a)〜(d)に、係止部材20の別の実施形態とそれに伴う本体10の実施形態を示す。
このように、係止部材20は、本体10へ連結させるための連結部23を備えていることが好ましい。連結部23は、本体10の連結孔14に圧入されることにより連結される。このように係止部材20と本体10を連結することにより、係止部材20は、鍔部42に対して効果的に押圧を発生させることができる。また、係止部材20が被締結部材40の鍔部42に対する押圧を発生させることにより係止部材20の回転は抑制され、ボルトまたはネジの締め付けや緩め時の本体10の回転を防止することが可能となる。
また、連結部23は、係止部材20が鍔部42に押圧をかける場所と本体10の軸を中心に略対称となる場所に形成することが好ましく、これにより、係止部材20が鍔部42にかける押圧と係止部材20によって本体10の回転の抑制をバランス良く保つことが可能となる。
連結部23は、係止部材20の内径側に溶接などの手段で接合しても良いが、(c)に示すように係止部材20の一部を係止部材20の内径側に折り曲げて連結部23としても構わない。また、(b)(d)に示すようなピン状の連結部23は、係止部材20の外周面側から内周面側に貫通するピンを挿入し連結部23としても良い。また、本体10と係止部材20の連結強度を高めることを目的として連結部23を2箇所以上設けることも良い。
また、図6(a)に示す本体10の連結孔14は、係止部材20の突出部22の形状と略同一の四角形であるが、同図(b)に示す本体10の連結孔14と同様に円状の連結孔14としても構わない。
ここで、なお、図1〜6に示す係止部材20は、本体10の軸方向の中央部付近より下部に形成されているが、本体10の上部端面側に近い外周面に配置することにより、被締結部材40に埋設することが容易になるので好ましい。
次いで、図7に本発明のインサートナット100の第2の別の実施形態を示す。
図7(a)、(b)は、本発明のインサートナット100の第2の別の実施形態を示す斜視図と平面図であり、本体10の外周面の環状溝11に連通するクサビ溝15を長手方向に備えており、クサビ溝15に配置するクサビ30と、を備えていることを特徴とする。
図7(a)は、クサビ30を係止部材20のスリット21に合わせて配置した状態であり、クサビ30によって、係止部材20の径を拡張し係止部材20が本体10の環状溝11と被締結部材40の埋設穴41の鍔部42にわたって配置するようにしている。
また、同図(b)は、本体10と係止部材20の間にクサビ30を配置するようにしたものであり、同時に係止部材20の径を拡張し係止部材20が本体10の環状溝11と被締結部材40の鍔部42にわたって配置するようにしている。
したがって、係止部材20が本体10の環状溝11と被締結部材40の鍔部42にわたって配置することが可能となるため、インサートナット100が被締結部材40から抜脱することを防止することができる。また、係止部材20は、鍔部42に押圧状態となり、係止部材20と本体10の回転を抑制することが可能となる。
さらに、クサビ30を抜くことにより、係止部材20を鍔部42に配置しないようにでき、インサートナット100を被締結部材40から着脱可能することが可能なり、メンテナンス性に優れたインサートナット100を提供することが可能となる。
図8(a)〜(c)に、クサビ30の別の実施形態を示す。図8(a)、(b)に示すようにクサビ30に突起部31を設け、この先端に治具などを引っかけ引き上げることにより、クサビ30の抜去が容易になり、インサートナット100のメンテナンス性を向上させることができる。さらに、突起部31の先端を同図(a)、(b)に示すように段状に形成すると治具が引っ掛かりやすくなり好ましい。また、この場合、突起部31が被締結部材40から突出しないようにするには、被締結部材40に凹部を形成し、凹部内に突起部31を配置すれば良い。また、同図(c)に示すようにクサビ30自体に切欠部32を形成することにより同様に治具などを引っかけ引き上げが可能になりクサビ30の抜去を容易にすることができる。
また、クサビ30の材質としては、鋼材、ステンレス材などが選択されるが、耐食性の優れたステンレス材であることが好ましく、特にSUS304−CSP、SUS−WPAが好ましい。係止部材20にステンレス材を用いた場合、クサビ30の配置による径の拡張時に係止部材20の摩耗を防止するためには係止部材20と同質材質を用いることが好ましい。
上述のような3つの実施形態に示すようなインサートナット100は、ガラス、コンクリートおよびセラミックスなどの各材質からなる被締結部材40に埋設し、これら部材同士を接続する接合構造として好適に用いることができる。
本発明のインサートナット100をガラス、コンクリートおよびセラミックスなどの接合構造に用いることにより、被締結部材40へのネジ加工を必要とせず、従来、インサートナット100の接合に必要とされていた接着剤を用いることなく、インサートナット100の抜脱することを防止することができるとともに本体10の回転を防止することが可能となる。また、接着剤の調整、被締結部材40もしくはインサートナット100への接着剤の塗布、はみ出た接着剤の拭き取り、もしくは加熱固着などの工程を必要とせず、容易な方法でインサートナット100を埋設することができるので工程の短縮に寄与することが可能となる。さらに、耐候性の悪い接着剤を用いないため信頼性の高い構造体を得ることができる。
また、本発明のインサートナット100を埋設する場合、ガラス、コンクリートおよびセラミックスなどの被締結部材40に形成する埋設穴41は、本体10の外径とほぼ同一であるため、インサートナット100のピッチを狭く設定することが可能となる。特にガラス、コンクリートおよびセラミックスは脆性材料であり被締結部材40同士の接合強度もしくは剛性を高めるためにインサートナット100のピッチを狭くする必要が生じるが本発明のインサートナット100はこれらの要求に対して適切に対応することが可能となる。
さらに、この被締結部材40がセラミックスからなる場合、セラミックスはネジ加工が困難であるため、埋設穴41を設けてインサートナット100を埋設することにより、容易に接合構造を得ることができるため、特に有効に用いることができる。また、近年セラミックスは、その耐食性、剛性などの機械的特性が優れているために、半導体製造装置用部材や液晶製造装置用部材などの分野に広く用いられており、特に液晶製造装置用部材では、広面積の試料を保持、支持するために試料と同等かもしくはそれよりも広い面積のセラミック構造体が用いられている。これらのセラミック構造体は、製造工程上、分割された部材をボルトやナットを用いて接合する場合が増えているが、これらのセラミック構造体を用いることに高剛性で、かつ高い寸法精度を有する液晶製造装置用部材を得ることが可能となる。
さらに、本発明の接合構造を用いたセラミック構造体は、有機物から接着剤を用いていないために、半導体製造装置用部材のように真空環境下で使用する場合の真空度の低下を抑制することが可能となる。さらに、耐候性に劣る接着剤を用いないために、インサートナット100のメンテナンスの回数を低減することが可能になるので高信頼性の接合構造を得ることができる。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々改良や変更したものにも適用できることはいう迄もない。
(a)は本発明のインサートナットの実施形態を示す斜視図であり、(b)は同図(a)のインサートナットの本体の斜視図であり、(c)は同図(a)のインサートナットの係止部材の斜視図である。 (a)は図1のインサートナットを被締結部材に埋設した実施形態を上面から見た平面図であり、(b)は同図(a)のA−A断面図であり、(c)は同図(a)のB−B断面図である。 (a)は図1のインサートナットを被締結部材に埋設した別の実施形態を上面から見た平面図であり、(b)は同図(a)のA−A断面図であり、(c)は同図(a)のB−B断面図である。 (a)は本発明のインサートナットの別の実施形態を斜視図であり、(b)は同図(a)のインサートナットの本体および係止部材の斜視図であり、(c)は本体の凹部の別の実施形態を示す平面図である。 (a)は図4のインサートナットを被締結部材に埋設した実施形態を上面から見た平面図であり、(b)は同図(a)のE−E断面図である。 (a)(b)は本発明のインサートナットの本体および係止部材の別の実施形態を示す斜視図であり、(c)(d)は、係止部材の別の実施形態を示す斜視図である。 (a)(b)は本発明のインサートナットの別の実施形態を示す斜視図および上面から見た平面図である。 (a)〜(c)はクサビの別の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
100:インサートナット
10:本体
11:環状溝
12:凹部
13:ネジ溝
14:連結孔
15:クサビ溝
20:係止部材
21:スリット
22:突出部
23:連結部
30:クサビ
31:突起部
32:切欠部
40:被締結部材
41:埋設穴
42:鍔部

Claims (9)

  1. 被締結部材に埋設してネジとの螺合に供されるインサートナットにおいて、内周面にネジ溝を有するとともに、外周面に環状溝を備えた筒状の本体と、前記環状溝内に配置され、径の伸縮により前記本体を把持する係止部材と、からなることを特徴とするインサートナット。
  2. 前記本体は、円筒状であり、且つ前記係止部材は、軸方向の両端に達するスリットを有した円筒状であることを特徴とするインサートナット。
  3. 前記本体は、前記環状溝に連通する凹部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のインサートナット。
  4. 前記係止部材は、前記本体へ連結させるための連結部を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインサートナット。
  5. 前記本体は、外周面に前記環状溝に連通するクサビ溝を長手方向に備えるとともに、前記クサビ溝内に配置するクサビと、を備えたことを特徴とする請求項4に記載のインサートナット。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のインサートナットを被締結部材に埋設した接合構造であって、被締結部材に鍔部を有する埋設穴を備えるとともに、前記係止部材は、前記埋設穴内において前記本体の環状溝および前記鍔部の両者にわたって配置されていることを特徴とする接合構造。
  7. 前記係止部材は、前記鍔部に対して押圧状態で配置されていることを特徴とする請求項6に記載の接合構造。
  8. 前記被締結部材は、セラミックスであることを特徴とする請求項7に記載の接合構造
  9. 請求項8に記載の接合構造により得られたことを特徴とするセラミック構造体。
JP2006077302A 2006-03-20 2006-03-20 インサートナットおよびこれを用いた接合構造ならびにセラミック構造体 Pending JP2007255451A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011027097A (ja) * 2009-06-22 2011-02-10 Jitsuo Maeda 真空式スクイーズポンプ車でスランプ8センチ圧送可能なチューブポンプ
JP2013177945A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Mikuni Corp 締結装置、着脱装置
CN104454862A (zh) * 2014-09-30 2015-03-25 太原科技大学 一种承受轴向载荷的变刚度复合螺母连接
JP6188003B1 (ja) * 2017-03-17 2017-08-30 照国工業株式会社 アンカー部材及びその製造方法

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