JP2007254605A - 生ごみ炭化装置 - Google Patents

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秀人 新保
Koji Matsukawa
浩司 松川
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菊男 村山
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Abstract

【課題】燃焼温度のオーバーシュートを防止して燃焼温度を安定させるとともに、煙や臭気またはダイオキシン等の発生を抑制できる生ごみ炭化装置を提供する。
【解決手段】燃焼温度が第1の閾値温度である815℃以上で、かつ第1の閾値温度より高い第2の閾値温度である820℃未満においては、加熱ヒータ2および燃焼ヒータ3を稼動するとともに、送風機5から供給される空気A2の供給量を増加させ、燃焼温度が第2の閾値温度である820℃以上で、かつ第2の閾値温度より高い第3の閾値温度である830℃未満においては、加熱ヒータ2および燃焼ヒータ3を停止するとともに、送風機5から供給される空気A2の供給量の増加を継続する制御部7を設けた。
【選択図】図1

Description

本願発明は、無酸素状態または低酸素状態において生ごみを加熱することで炭化処理を行う、生ごみ炭化装置に関するものである。
生ごみ炭化装置においては、投入された生ごみを貯留するための貯留部と、この貯留部を加熱することにより、上記貯留部内の生ごみを炭化処理する加熱部と、その炭化処理の際に発生するガスを燃焼させる燃焼部とを有している。
また、ガスを燃焼させるために必要な空気を上記燃焼部に供給する空気供給部と、この燃焼部における燃焼温度を検知する温度検知部とを備えており、この温度検知部により検知された燃焼温度によって、加熱部と燃焼部および空気供給部を制御する制御部が設けられている。
上記生ごみ炭化装置においては、燃焼温度が第1の閾値温度以上で、かつ第1の閾値温度より高い第2の閾値温度未満の場合、制御部は、加熱部および燃焼部を稼動するとともに、空気供給部から供給される空気の供給量を抑制して、ガスを安定して燃焼させるように制御している。
また制御部は、燃焼温度が第2の閾値温度以上で、かつ第2の閾値温度より高い第3の閾値温度未満に上昇した場合は、燃焼部の稼動を継続させる一方で加熱部を停止させ、さらに空気供給部から供給される空気の供給量を増加させて燃焼部の冷却を行うことで、燃焼温度の上昇を防止している(特許文献1)。
特開2000−129268号公報
しかしながら、前記背景技術の特許文献1に記載の生ごみ炭化装置においては、燃焼温度が第2の閾値温度以上かつ第3の閾値温度未満に上昇した場合に、加熱部を停止させるとともに、空気供給部からの空気の供給量を増加させて燃焼部を冷却するように制御しているために、燃焼温度が過度に上昇する、いわゆるオーバーシュートについては抑制することができる一方で、加熱部の停止により燃焼部で燃焼されるガスの発生が減少することにより、空気供給部からの空気の供給量を増加させて燃焼部を冷却した際に、燃焼温度が過度に低下する、いわゆるアンダーシュートが発生するという問題があった。
本願発明はこのような上記背景技術の課題を解決するものであり、加熱部と燃焼部、および空気供給部を燃焼温度に応じて適切に制御することで、燃焼温度のオーバーシュートおよびアンダーシュートを防止し、安定した燃焼温度において煙や臭気またはダイオキシン等の発生を防止できる、生ごみ炭化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明は、投入された生ごみを貯留する貯留部と、貯留部を加熱して貯留部内の生ごみを炭化処理する加熱部と、炭化処理の際に発生するガスを燃焼させる燃焼部と、を有し、ガスの燃焼に必要な空気を燃焼部に供給する空気供給部と、燃焼部の燃焼温度を検知する温度検知部と、加熱部と燃焼部および空気供給部を制御する制御部と、を備えた生ごみ炭化装置において、燃焼温度が第1の閾値温度以上で、かつ第1の閾値温度より高い第2の閾値温度未満においては、加熱部および燃焼部を稼動するとともに、空気供給部から供給される空気の供給量を増加させ、燃焼温度が第2の閾値温度以上で、かつ第2の閾値温度より高い第3の閾値温度未満においては、加熱部および燃焼部を停止するとともに、空気供給部から供給される空気の供給量の増加を継続するように制御するものであることを特徴としている。
本願請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の生ごみ炭化装置において、制御部は、燃焼温度が第3の閾値温度以上の場合に、加熱部および燃焼部の停止を継続するとともに、空気供給部から供給される空気の供給量が最大となるように制御するものであることを特徴としている。
本願請求項1記載の発明の生ごみ炭化装置においては、まず、燃焼温度が第1の閾値温度以上かつ第2の閾値温度未満のときに、加熱部および燃焼部の稼動を維持した状態で、空気供給部から供給される空気の供給量を増加させて燃焼部の冷却を行うために、燃焼温度のオーバーシュートを防止することができるとともに、加熱部の稼動を維持して燃焼部で燃焼されるガスの発生量の低下を防止しているため、燃焼温度のアンダーシュートも防止することができる生ごみ炭化装置を提供できる。
また、燃焼温度が第2の閾値温度以上かつ第3の閾値温度未満へ上昇した場合は、加熱部および燃焼部を停止するとともに、空気供給部から供給される空気の供給量の増加を継続するために、速やかに燃焼温度を低下させることができることから、燃焼温度のオーバーシュートをより確実に防止することができる。
本願請求項2記載の発明の生ごみ炭化装置においては、特に、燃焼温度が第3の閾値温度以上になったときに、加熱部および燃焼部の停止を継続するとともに、空気供給部から供給される空気の供給量を最大値まで増加させることにより、燃焼温度を速やかに低下させることができるため、燃焼温度のオーバーシュートを、さらに確実に防止することができる。
図1は、本願発明の実施形態である生ごみ炭化装置を示している。この生ごみ炭化装置は図1に示すように、投入された生ごみ1aを貯留する貯留部1と、貯留部1を加熱して貯留部1内の生ごみ1aを炭化処理する加熱部としての加熱ヒータ2と、炭化処理の際に発生するガスG1を燃焼させる燃焼部としての燃焼ヒータ3を備えた燃焼管4と、を有し、ガスの燃焼に必要な空気A2を燃焼管4に供給する空気供給部としての送風機5と、燃焼管4の燃焼温度を検知する、温度検知部としての温度センサ6と、加熱ヒータ2と燃焼ヒータ3および送風機5を制御する制御部7と、を備えている。
次に、制御部7は、表1に示すように燃焼温度が第1の閾値温度である815℃以上で、かつ第1の閾値温度より高い第2の閾値温度である820℃未満においては、加熱ヒータ2および燃焼ヒータ3を稼動するとともに、送風機5から供給される空気A2の供給量を増加させ、燃焼温度が第2の閾値温度である820℃以上で、かつ第2の閾値温度より高い第3の閾値温度である830℃未満においては、加熱ヒータ2および燃焼ヒータ3を停止するとともに、送風機5から供給される空気A2の供給量の増加を継続するように制御している。
Figure 2007254605
また、表1に示すように、制御部7は、燃焼温度が第3の閾値温度である830℃以上の場合に、加熱ヒータ2および燃焼ヒータ3の停止を継続するとともに、送風機5から供給される空気A2の供給量が最大となるように制御している。
以下、この実施形態の生ごみ炭化装置をより具体的詳細に説明する。図1に示すように生ごみ炭化装置の本体8があり、この本体8内には、投入された生ごみ1aを貯留する貯留部1と、貯留部1を加熱して貯留部1内の生ごみ1aを炭化処理する加熱ヒータ2と、炭化処理の際に発生するメタンや一酸化炭素等のガスG1を燃焼させるための燃焼ヒータ3を備えた燃焼管4と、この燃焼管4にガスG1の燃焼に必要な空気A2を供給する送風機5と、加熱ヒータ2や燃焼ヒータ3、または送風機5等を制御する制御部7とが設けられている。
上記貯留部1には蓋9が取りつけられており、この蓋9を開閉することによって生ごみ1aを貯留部1に投入することができ、かつ炭化処理された生ごみ1aを貯留部1から取り出すことができる。
また、貯留部1の周囲には断熱壁10と扉11が配置されており、この扉11には、扉11の開閉状態を確認する近接スイッチ12と、扉11の不完全な開閉状態を防止するとともに、扉11を確実に密閉するためのソレノイドロック13が設けられていて、貯留部1と断熱壁10との間には、貯留部1の加熱温度を検知する温度センサ6が設けられている。
次に、貯留部1の蓋9には、貯留部1内の生ごみ1aが炭化処理される際に発生する、メタンや一酸化炭素等のガスG1を排出する排出管14が接続されており、この排出管14は、断熱壁10の上部を貫通して配置されている。
上記排出管14は、断熱壁10の上方に設けられた燃焼管4に接続されていて、この燃焼管4には、燃焼管4を囲むようにコイル状に形成され、燃焼管4に導入されたガスG1を過熱して燃焼させる燃焼ヒータ3が設けられている。
また、燃焼管4および燃焼ヒータ3の周囲には断熱材15が配置されて、燃焼管4と外気とを遮断しており、燃焼管4の下流側には燃焼触媒16が設けられていて、この燃焼触媒16の前後および燃焼管4の略中央部には、それぞれ温度センサ6が取りつけられている。
さらに、燃焼管4の下流側には、燃焼管4内で燃焼した後のガスG2を排気する排気管17の一方端が接続されており、この排気管17の他方端には送風機5が接続されている。
次に、本体8の下部には、空気A1を吸気する吸気口18が設けられていて、吸気口18から吸気された空気A1は、吸気口18に接続された空気管19により本体8内へ導入され、導入された空気A1は、空気管19の途中に接続された供給管20により、上記燃焼管4の入口側へガスG1を燃焼させるための空気A2として供給されている。
一方、同様に空気管19より導入された空気A1は、供給管20が接続された場所より上流側から分岐された分岐管21によって、上記排気管17の途中に設けられた希釈室22に送気される空気A3となり、この希釈室22内で、燃焼後のガスG2を希釈および冷却している。
また、空気管19は、送風機5の下流側に接続管23およびサイレンサ24を介して接続された排気筒25の途中に接続されており、希釈室22で希釈および冷却された燃焼後のガスG2を、空気A1によりさらに希釈および冷却している。そして、排気筒25は、本体8の上部を貫通して配置されていて、燃焼後のガスG2を本体8外へ排気している。
以上の構成において、本願発明の実施形態における生ごみ炭化装置の動作を、図1から3を用いて説明する。
使用者が、扉11を開けて貯留部1の蓋9を取り外し、台所や厨房等で発生した生ごみ1aを貯留部1内へ投入し、蓋9を取りつけてから扉11を閉めると、扉11に設けられたソレノイドロック13が作動して扉11を固定するとともに、同様に扉11に設けられたホールIC等からなる近接スイッチ12が、扉11の密閉状態を検知する。
このとき、扉11が密閉されていない場合は、制御部7に設けられた異常ランプ(図示せず)が点灯して、使用者に扉11が密閉されていないことを報知する。
次に、使用者が扉11の密閉状態を上記異常ランプにより確認してから制御部7に配置された運転スイッチ(図示せず)を入れると、制御部7は燃焼管4の周囲に設けられた燃焼ヒータ3をPID制御等により稼動して燃焼管4を加熱するとともに、同様に加熱ヒータ2をPID制御等により稼動して貯留部1内の生ごみ1aの加熱を開始する。
ここで、図2に示すように、燃焼管4の加熱が開始されると、時間の経過とともに燃焼管4の温度、すなわち燃焼温度が上昇する。
また、貯留部1内では、無酸素状態または低酸素状態において、ヒータ2により加熱された生ごみ1aが炭化処理されることにより、メタンや一酸化炭素等のガスG1が発生し、発生したガスG1は、貯留部1の蓋9に接続された排出管14より排出され、この排出管14に接続された燃焼管4に導入される。
一方、制御部7が送風機5を稼動して発生した負圧により、吸気口18から空気A1が吸気され、吸気された空気A1は空気管19より本体8内に導入された後、空気管19に接続された供給管20によって、ガスを燃焼するための空気A2として燃焼管4の入口側から燃焼管4内へ供給される。
上記燃焼管4内においては、排出管14より導入されたガスG1に供給管20より供給された空気A2が混合された後、燃焼ヒータ3により加熱されて、燃焼管4および燃焼触媒16を通過する間に燃焼される。燃焼後のガスG2は、燃焼管4に接続された排気管17より排気される。
ここで、表1に示すように、燃焼管4の温度センサ6により検知された燃焼温度が815℃未満の場合、制御部7は、燃焼ヒータ3をPID制御等により稼動状態にしており、燃焼温度の低下を防止して煙や臭気またはダイオキシン等の発生を抑制している。また、加熱ヒータ2もPID制御等により稼動状態にあり、生ごみ1aの炭化処理を行うとともに、送風機5は通常速度において稼動されている。
次に、燃焼温度が上昇して815℃に達すると、制御部7は、燃焼ヒータ3および加熱ヒータ2の稼動を継続した状態において送風機5を高速で稼動させて、供給管20から燃焼管4へ供給される空気A2を増加させる。
このとき、ガスG1の発生量が少ない場合は、ガスG1に対して増加した空気A2が過剰となり残留し、この空気A2によって燃焼管4内が冷却されてしまうため、温度センサ6により検知される燃焼温度が低下する。
燃焼温度が低下して815℃未満になると、制御部7が送風機5を通常の稼動に変更して供給される空気A2が減少し、空気A2は専らガスG1の燃焼に使用されるようになるため、燃焼管4内の冷却が抑制されることにより燃焼温度が再び上昇することにより、燃焼温度のアンダーシュートを防止することができる。
一方、ガスG1の発生量が多いときは、供給される空気A2の増加により、煙や臭気またはダイオキシン等の発生を抑制しながらガスG1を燃焼させることができるとともに、増加した空気A2によって燃焼管4内を冷却できるために、燃焼温度のオーバーシュートを防止することができる。
制御部7は、燃焼温度が815℃以上でかつ820℃未満までは、燃焼ヒータ3および加熱ヒータ2の稼動と、送風機5の高速での稼動とを継続する。
ここで、燃焼温度が820℃に上昇した場合、制御部7は送風機5の高速での稼動を維持した状態で、燃焼ヒータ3および加熱ヒータ2を停止させるために、燃焼温度を速やかに低下させることができることから、燃焼温度のオーバーシュートをより確実に防止することができる。燃焼温度が820℃以上でかつ830℃未満の温度範囲においては、制御部7は、送風機5の高速での稼動と、燃焼ヒータ3および加熱ヒータ2の停止とを継続する。
さらに、万が一ガスG1の燃焼による発熱が著しく増加したことにより、燃焼温度が830℃以上になった場合は、制御部7が送風機5を最高速において稼動させ、ガスG1に対して空気A2を過剰にすることで空気A2による燃焼管4内の冷却を促進させて、燃焼温度を速やかに低下することで、燃焼温度のオーバーシュートをさらに確実に防止することができる。
このように、制御部7が、ガスの発生量の変化を燃焼温度の変化より確実に検知することができ、その燃焼温度の変化に応じて燃焼ヒータ3と加熱ヒータ2、および送風機5をそれぞれ適切に制御している。
また、図2さらには図3に示すように、燃焼温度のオーバーシュートやアンダーシュートを防止して燃焼温度を安定させるとともに、燃焼温度の過剰な低下も見られずに、煙や臭気またはダイオキシン等の発生を抑制することができる。
そして、排気管17より排気された燃焼後の二酸化炭素等のガスG2は、希釈室22内で分岐管21から供給された空気A3によって希釈および冷却され、その後送風機5によって、接続管23からサイレンサ24を経由して、排気筒25より本体8外に排気される。
以上のように本願発明の実施形態によれば、ガスの発生量の変化を確実に検知するとともに、燃焼温度のオーバーシュートやアンダーシュートを防止して、安定した燃焼温度において煙や臭気またはダイオキシン等の発生を抑制できる、生ごみ炭化装置を提供することができる。
なお、上記本願発明の実施形態においては、貯留部1および燃焼管4の加熱にヒータを用いているが、例えばガスや石油等を燃料とするバーナー等を用いてもよい。
また、生ごみ1aの代わりに、例えば古紙や廃木材等の可燃ごみを炭化処理する場合においても、本願発明の生ごみ炭化装置を用いてもよい。
さらに、上記本願発明の実施形態においては、送風機5によって発生された負圧により、ガスG1を燃焼させるための空気A2を燃焼管4へ導入しているが、例えば、燃焼管4の入口側に送風機5を取りつけて、正圧により直接空気A2を燃焼管4に導入してもよい。
本願発明の実施形態である生ごみ炭化装置の全体構成を示す側面図。 同生ごみ炭化装置の燃焼温度の変化を示す特性図。 同特性図の要部拡大図
符号の説明
1 貯留部
2 加熱ヒータ(加熱部)
3 燃焼ヒータ(燃焼部)
4 燃焼管(燃焼部)
5 送風機(空気供給部)
6 温度センサ(温度検知部)
7 制御部

Claims (2)

  1. 投入された生ごみを貯留する貯留部と、貯留部を加熱して貯留部内の生ごみを炭化処理する加熱部と、炭化処理の際に発生するガスを燃焼させる燃焼部と、を有し、ガスの燃焼に必要な空気を燃焼部に供給する空気供給部と、燃焼部の燃焼温度を検知する温度検知部と、加熱部と燃焼部および空気供給部を制御する制御部と、を備えた生ごみ炭化装置において、制御部は、燃焼温度が第1の閾値温度以上で、かつ第1の閾値温度より高い第2の閾値温度未満の場合は、加熱部および燃焼部を稼動するとともに、空気供給部から供給される空気の供給量を増加させ、燃焼温度が第2の閾値温度以上で、かつ第2の閾値温度より高い第3の閾値温度未満の場合は、加熱部および燃焼部を停止するとともに、空気供給部から供給される空気の供給量の増加を継続するように制御するものであることを特徴とする生ごみ炭化装置。
  2. 制御部は、燃焼温度が第3の閾値温度以上の場合に、加熱部および燃焼部の停止を継続するとともに、空気供給部から供給される空気の供給量が最大となるように制御するものであることを特徴とする請求項1記載の生ごみ炭化装置。
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