JP3683146B2 - ゴミ焼却炉及びその運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴミ焼却炉及びその運転方法に関し、詳しくは、投入された被処理物を搬送しながら焼却処理する搬送火床と、一次空気吸入路から一次空気を吸入し、前記搬送火床の下方から供給して前記搬送火床上の被処理物を燃焼させる一次空気押込送風機と、前記搬送火床の両側部に設けられ、冷却空気供給路からの冷却空気により冷却される空気冷却壁と、その空気冷却壁を冷却した後の排出空気を外部に導く排気路とを備えるゴミ焼却炉及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のゴミ焼却炉は、例えば図5に示すように、被処理物受入供給機構1から投入された被処理物を搬送しながら乾燥する乾燥帯Aと、乾燥した被処理物を搬送しながら燃焼させる燃焼帯Bと、燃焼後の被処理物を搬送しながら後燃焼させる後燃焼帯Cとに領域分けされて、投入された被処理物を焼却処理する搬送火床2と、一次空気を一次空気吸入路11から吸入し、前記搬送火床2の下方に夫々備える風箱14から供給して、前記搬送火床2上の被処理物を燃焼させる一次空気押込送風機12を備える一次空気供給機構10と、前記搬送火床2における前記乾燥帯Aと前記燃焼帯Bの両側部に設けられ、冷却空気供給路21からの冷却空気により冷却される空気冷却壁5と、その空気冷却壁5を冷却した後の排出空気を外部に導く排気路6とを備えるものであった。前記空気冷却壁5は、前記搬送火床2の両側部の側壁へのクリンカの付着を防止するためのものである。前記一次空気供給機構10における前記一次空気押込送風機12からの一次空気を前記風箱14に導く一次空気供給路13には、一次空気を約100〜250℃に予熱する空気予熱器15を設けてあり、この空気予熱器15に対するバイパスを設けて、夫々に流量配分調節ダンパ16を設け、前記空気予熱器15による一次空気への入熱量を調節して前記風箱14に供給する一次空気の温度を制御できるようにしてある。前記空気予熱器15には、炉の煙道に設けられた廃熱ボイラで生成する蒸気が熱源として用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のゴミ焼却炉においては、空気冷却壁5を冷却した後の排出空気が、前記空気冷却壁5を冷却した熱を保有したまま排気路から排出されるので、前記空気冷却壁5から回収した熱は無駄に大気中に放出されていた。従って、近年のように、炉の発生熱を回収して発電する等、炉内で生成する燃焼熱の有効利用が十分にできないという問題を有している。この回収熱を炉内に還元するために、空気冷却壁5を冷却した後の排出空気を、前記空気冷却壁5の内側に流出させるものもあるが、排出空気が前記空気冷却壁5の表面に沿って流れるために、クリンカ付着の防止にはさらなる効果を有するものの、この排出空気が燃焼用空気ともなるので、搬送火床2の下方に設けられた風箱14から供給する一次空気の供給量が制限され、燃焼帯Bや後燃焼帯Cを構成する搬送火床2の一次空気による冷却能力をそぐ結果、火格子の過熱を招きやすく、その火格子の寿命を短くするという問題を有している。また、熱回収と側壁の冷却とを可能にするために、前記側壁に水管を配して炉内表面を耐火物で覆ってあるものもあるが、前記搬送火床2上で搬送されるゴミが前記耐火物の表面を摩耗させる結果、前記耐火物が摩耗して前記水管が露出する場合があり、このように水管が露出すると、前記ゴミによる摩耗によって、前記水管に穴があく結果を招くおそれがある。この水管に穴があけば、炉内に水又は蒸気が噴出するという事故を招くおそれがあるという問題を有している。
そこで、本発明のゴミ焼却炉及びその運転方法は、上記の問題点を解決し、炉の運転に支障を来すことなく、側壁へのクリンカの付着を効果的に防止しながら、空気冷却壁の冷却損失を低減する手段を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔本発明の特徴構成〕
本発明に係るゴミ焼却炉は、投入された被処理物を搬送しながら焼却処理する搬送火床と、一次空気吸入路から一次空気を吸入し、前記搬送火床の下方から供給して前記搬送火床上の被処理物を燃焼させる一次空気押込送風機と、前記搬送火床の両側部に設けられ、冷却空気供給路からの冷却空気により冷却される空気冷却壁と、その空気冷却壁を冷却した後の排出空気を外部に導く排気路とを備えるゴミ焼却炉において、前記排出空気を、一次空気として前記搬送火床の下方から供給することを可能にした点に特徴を有するものであり、夫々に以下のような特徴を備えるものである。
【0006】
上記の目的のための本発明に係るゴミ焼却炉の第1特徴構成は、請求項1に記載の如く、空気冷却壁への冷却空気を冷却空気供給路を経て供給する冷却空気押込送風機と、排気路から分岐して一次空気吸入路に接続した接続路と、前記排気路における前記接続路への分岐部より下流側に配置した第一ダンパと、前記接続路に配置した第二ダンパとを設け、炉の立ち上げ時において、前記第一ダンパを全開にするとともに前記第二ダンパを全閉にし、前記搬送火床上の被処理物の燃焼が定常状態に達すると、前記第一ダンパ及び前記第二ダンパ夫々の開度を調節して、前記排気路からの排出空気を前記一次空気として供給可能にする供給空気調節手段を設けてある点にある。
上記の目的のための本発明に係るゴミ焼却炉の第2特徴構成は、請求項2に記載の如く、前記第1特徴構成における供給空気調節手段が、炉の立ち下げ時において、前記第一ダンパを全開にするとともに前記第二ダンパを全閉にする点にある。
【0007】
上記の目的のための本発明に係るゴミ焼却炉の第3特徴構成は、請求項3に記載の如く、前記第1特徴構成又は第2特徴構成における排気路を経て排出する排出空気を二次空気として供給可能な二次空気供給路を設けてある点にある。
【0008】
〔本発明の特徴手段〕
本発明に係るゴミ焼却炉の運転方法は、上記第1特徴構成から第3特徴構成の何れかの構成によるゴミ焼却炉において、炉の立ち上げ時と立ち下げ時に、夫々排出空気の排出先を変更する点に特徴を有するものであり、夫々に以下のような特徴を備えるものである。
【0009】
上記の目的のための本発明に係るゴミ焼却炉の運転方法の第1特徴手段は、請求項4に記載の如く、空気冷却壁への冷却空気を冷却空気供給路を経て供給する冷却空気押込送風機を設けて、炉の運転立ち上げに際する炉内の昇温時に、一次空気押込送風機の運転に先立ち、第一ダンパを全開すると共に第二ダンパを全閉した状態で前記冷却空気押込送風機を駆動し、次いで被処理物が燃焼を開始するに伴い前記一次空気押込送風機を起動し、搬送火床上の被処理物の燃焼が定常状態に達したことを検出して、前記第二ダンパを全開し、前記第一ダンパを全閉する点にある。
【0010】
上記の目的のための本発明に係るゴミ焼却炉の運転方法の第2特徴手段は、請求項5に記載の如く、炉の運転立ち下げに際して、予め第一ダンパを全開すると共に第二ダンパを全閉する点にある。
【0011】
〔特徴構成の作用及び効果〕
上記本発明に係るゴミ焼却炉によれば、何れにおいても空気冷却壁を冷却した後の排出空気の保有熱を被処理物にもたらして、冷却熱を大気中に無駄に放出することを回避可能にしたものであり、夫々に、以下のような独特の作用効果を奏する。
【0012】
上記本発明に係るゴミ焼却炉の第1特徴構成又は第2特徴構成によれば、排気路を一次空気吸入路に分岐接続してあり、第一ダンパと第二ダンパとを設けてあるから、空気冷却壁の冷却に必要な空気は確実に供給しながら、炉が定常状態にある場合には予熱された排出空気を炉内に一次空気として供給できるようになり、前記空気冷却壁の冷却熱を確実に回収できるようになる。従って、空気冷却壁を十分に冷却できるから、側壁へのクリンカの付着は確実に防止でき、同時に、空気冷却壁の冷却損失を大きく低減できるようになる。
【0013】
上記本発明に係るゴミ焼却炉の第3特徴構成によれば、上記第1特徴構成又は第2特徴構成の作用効果をさらに高めることができるようになる。つまり、排出空気を一次空気として供給しない時に、二次空気供給路から排出空気を炉の二次空気として供給すれば、空気冷却壁の冷却熱は確実に回収できるのである。
【0014】
〔特徴手段の作用及び効果〕
上記本発明に係るゴミ焼却炉の運転方法によれば、何れにおいても炉の運転立ち上げ時又は運転立ち下げ時に空気冷却壁の冷却に必要な空気を確実に供給しながら、夫々に、以下のような独特の作用効果を奏する。
【0015】
上記本発明に係るゴミ焼却炉の運転方法の第1特徴手段においては、空気冷却壁への冷却空気の供給源を炉内への一次空気の供給源とは別にして、炉の運転立ち上げ時において、空気冷却壁からの排出空気を搬送火床の下方に供給することなく、前記空気冷却壁を冷却しつつ被処理物に点火して、側壁の温度上昇を抑制し、被処理物の燃焼が開始するのを待って前記搬送火床の下方から一次空気を供給して、定常燃焼状態になるのを待つのである。その後前記被処理物の燃焼状態が定常状態になれば、前記空気冷却壁を冷却して予熱された後の冷却熱を保有する排出空気を前記一次空気に混入して炉内に供給するのである。従って、炉の運転立ち上げ時に被処理物に点火する際の側壁の温度上昇も防止でき、定常燃焼状態での冷却壁損失を低減できる。
【0016】
上記本発明に係るゴミ焼却炉の運転方法の第2特徴手段においては、炉の運転立ち下げに際して、排気路を解放した後に一次空気吸入路への排出空気の供給を停止するのである。このようにして空気冷却壁の冷却は停止することなく、搬送火床の下方への予熱された排出空気の供給を停止するのである。従って、炉内を安定的に冷却できるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
上記本発明のゴミ焼却炉の実施の形態及びその運転方法の一例について、以下に、図面を参照しながら説明する。尚、前記従来の技術において説明した要素と同じ要素並びに同等の機能を有する要素に関しては、先の図5に付したと同一の符号を付し、詳細の説明の一部は省略する。
【0018】
ゴミ焼却炉は、図1に示すように、投入された被処理物を搬送しながら焼却処理する搬送火床2を備えている。そして、前記搬送火床2の下方には、風箱14が夫々前記搬送火床2の領域毎に配置してある。前記風箱14には、一次空気供給機構10により一次空気が夫々供給される。前記一次空気供給機構10は、前記風箱14に夫々接続された一次空気供給路13と、その一次空気供給路13に一次空気を送り込む一次空気押込送風機12と、その一次空気押込送風機12が一次空気を吸入する一次空気吸入路11とで構成してある。前記一次空気吸入路11は、ゴミピットPに開口させて、ゴミピットPの空気中に含まれる臭気成分を炉内で加熱して除臭するように構成する。また、前記搬送火床2の上方の炉天井部3には、炉の運転立ち上げ時に炉内温度を昇温するためのバーナ4を設けてある。さらに、前記搬送火床2で生成した燃焼ガスに向けて二次燃焼用空気を供給可能な二次燃焼用空気供給機構30を設けてあり、その二次燃焼用空気供給機構30は、二次燃焼用空気押込送風機32を備える二次燃焼用空気供給路33を備えさせて構成してある。
【0019】
一方、前記搬送火床2の乾燥帯Aと燃焼帯Bとの両側部には、冷却空気供給機構20からの冷却空気により冷却される空気冷却壁5を設けてあり、その空気冷却壁5を冷却した後の排出空気を外部に導く排気路6を設けてある。この排気路6は排気端を大気中に解放するが、本発明の特徴として、この排気路6を分岐した接続路7を形成すると共に、この接続路7の排出側端部を一次空気吸入路11に流路を合流させて接続する。また、前記冷却空気供給機構20には、前記空気冷却壁5に冷却空気を供給する冷却空気供給路21と、前記一次空気押込送風機12とは別にこの冷却空気供給路21を介して前記空気冷却壁5に冷却空気を供給する冷却空気押込送風機22を設ける。さらに、前記排気路6における前記接続路7への分岐部より下流側に配置した第一ダンパD1と、前記接続路7に配置した第二ダンパD2とを設ける。そして、前記第一ダンパD1及び前記第二ダンパD2夫々を開閉し、前記接続路7からの排出空気を、前記風箱14を介して炉内に前記一次空気として供給することを可能にする供給空気調節手段9を設ける。尚、前記冷却空気押込送風機22の送風容量は、前記空気冷却壁5の冷却に十分なものにする。
【0020】
上記のように構成してあるゴミ焼却炉の操業について一例につき説明すると、定常運転時には、一次空気供給機構10により搬送火床2の下方から一次空気を供給し、前記搬送火床2の火格子を冷却しながら、前記火格子上の被処理物を一次燃焼させる。そして、煙道に上昇した燃焼ガスに二次燃焼用空気供給機構30からの二次燃焼用空気により前記燃焼ガスを攪拌し、また、酸素を補給して、前記燃焼ガスを二次燃焼させ、完全燃焼した後の排ガスを排ガス処理設備により無害化して大気中に放出するのである。前記一次空気供給機構10の一次空気吸入路11には、前記搬送火床2の両側壁に備える空気冷却壁5を冷却して温度上昇した排出空気が接続路7から供給される。この排出空気は、高温の空気冷却壁5からの熱を保有しているから、この排出空気を混入することで前記一次空気を予熱できる。従って、前記空気予熱器15における予熱負荷を軽減できるようになる。例えば、前記排出空気を混合した後の前記一次空気押込送風機12出口の一次空気の温度が所定温度に達しておれば、空気予熱器15の前後を接続したバイパス路に設けた流量配分調節ダンパ16を全開し、前記空気予熱器15の入口に設けた流量配分調節ダンパ16を全閉する。前記一次空気の温度が前記所定温度に達しない場合には、前記両流量配分調節ダンパ16の開度を適宜調節する。
【0021】
前記炉の立ち上げに際しては、例えば図2に示すように、炉内の昇温時に、前記一次空気押込送風機12の運転に先立ち、前記供給空気調節手段9により、前記第一ダンパD1を全開すると共に前記第二ダンパD2を全閉した状態で、前記冷却空気押込送風機22を駆動して前記空気冷却壁5を冷却しつつ、炉内の被処理物に着火させるバーナ4を点火して炉内を昇温する。そして、前記被処理物が燃焼を開始するに伴い前記一次空気押込送風機12を起動する。つまり、前記被処理物の着火に際しては前記空気冷却壁5を冷却した後の排出空気は、前記風箱14には供給しないのである。その後、前記バーナ4は消火し、炉内の燃焼状態を確認して、前記炉内で安定燃焼するに至ったとき、即ち前記搬送火床2上の被処理物の燃焼が定常状態に達したことを検出して、前記供給空気調節手段9により、前記第二ダンパD2を全開し、前記第一ダンパD1を全閉するのである。上記構成のゴミ焼却炉においてこのように操作することで、前記搬送火床2上の被処理物が安定燃焼を開始するまでの間にその燃焼熱で前記空気冷却壁5がクリンカの付着しやすい温度にまで加熱されるのを防止しながら、その空気冷却壁5からの熱で加熱された排出空気により前記搬送火床2の火格子が加熱されることや、その排出空気の熱により、前記乾燥帯A等の上の被処理物が不必要に加熱されることを防止できる。
【0022】
また、前記炉の立ち下げに際しては、例えば図3に示すように、前記供給空気調節手段9は、予め前記第一ダンパD1を全開し、前記第二ダンパD2を全閉するのである。そして、前記一次空気押込送風機12を停止し、炉内の被処理物の消火を確認して、炉天井部3に設けられた炉内温度検出手段Tで検出する炉内温度が低下した後に、前記冷却空気押込送風機22を停止するのである。上記構成のゴミ焼却炉においてこのように操作することで、前記搬送火床2上の被処理物の消火段階においても、前記空気冷却壁5がクリンカの付着しやすい温度に加熱されることを防止しながら、炉内への前記排出空気による再入熱を防止して、前記被処理物が余計に加熱され、炉内の温度低下が遅くなることを防止でき、安定して炉の立ち下げ操作ができるようになる。
【0023】
〔別実施形態〕
上記実施の形態において示さなかった本発明に係るゴミ焼却炉及びその運転方法の実施の形態について以下に説明する。
【0024】
〈1〉上記実施の形態に於いては、一次空気吸入路11をゴミピットPに開口させてある例について説明したが、前記一次空気吸入路11は屋外に開口させてあってもよく、一次空気を吸入する場所は任意である。
【0025】
〈2〉上記実施の形態に於いては、搬送火床2の乾燥帯Aと燃焼帯Bとの両側部に空気冷却壁5を設けてある例について説明したが、前記空気冷却壁5は、前記燃焼帯Bの両側にのみ設けてあってもよく、また、後燃焼帯Cの両側にも設けてあってもよい。
【0026】
〈3〉上記実施の形態に於いては、空気冷却壁5からの排気路6の排気端を大気中に解放してある例について説明したが、例えば図4に示すように、二次燃焼用空気供給機構30における二次燃焼用空気押込送風機32の上流側を二次燃焼用空気を吸入する二次燃焼用空気吸入路31に形成して、その二次燃焼用空気吸入路31に、前記排気路6を、二次空気供給路8を介して流路を合流させて接続してあってもよい。このように構成することで、前記空気冷却壁5における冷却熱を二次燃焼用空気としても利用でき、さらに炉の熱効率を改善できる。さらに、前記空気冷却壁5の冷却空気を全量、炉の燃焼用空気として使用するので、炉の燃焼制御における空気量制御が容易になる。
【0027】
〈4〉上記実施の形態に於いては、一次空気押込送風機12出口の一次空気の温度に応じて前記両流量配分調節ダンパ16の開度を調節する点と、供給空気調節手段9により、第一ダンパD1と第二ダンパD2とを背反的に全開若しくは全閉する点について説明したが、前記一次空気押込送風機12出口の一次空気の温度が所定温度を超える場合には、前記供給空気調節手段9により前記第一ダンパD1と前記第二ダンパD2との開度比を適宜調節して前記一次空気の温度を所定温度に維持するようにしてもよい。このようにすれば、前記空気予熱器15への入熱量に関わらず、前記一次空気の温度を調節することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、炉の運転に支障を来すことなく、側壁へのクリンカの付着を効果的に防止しながら、空気冷却壁の冷却損失を低減できて、炉の熱効率を改善できた。
【0029】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴミ焼却炉の一例を示す構成説明図
【図2】本発明に係るゴミ焼却炉における制御手順の一例を示す流れ図
【図3】本発明に係るゴミ焼却炉における制御手順の他の例を示す流れ図
【図4】従来のゴミ焼却炉の一例を示す構成説明図
【図5】本発明に係るゴミ焼却炉の他の例を示す構成説明図
【符号の説明】
2 搬送火床
5 空気冷却壁
6 排気路
7 接続路
8 二次空気供給路
9 供給空気調節手段
11 一次空気吸入路
12 一次空気押込送風機
21 冷却空気供給路
22 冷却空気押込送風機
D1 第一ダンパ
D2 第二ダンパ
Claims (5)
- 投入された被処理物を搬送しながら焼却処理する搬送火床(2)と、一次空気吸入路(11)から一次空気を吸入し、前記搬送火床(2)の下方から供給して前記搬送火床(2)上の被処理物を燃焼させる一次空気押込送風機(12)と、前記搬送火床(2)の両側部に設けられ、冷却空気供給路(21)からの冷却空気により冷却される空気冷却壁(5)と、その空気冷却壁(5)を冷却した後の排出空気を外部に導く排気路(6)とを備えるゴミ焼却炉であって、
前記空気冷却壁(5)への冷却空気を前記冷却空気供給路(21)を経て供給する冷却空気押込送風機(22)と、前記排気路(6)から分岐して前記一次空気吸入路(11)に接続した接続路(7)と、前記排気路(6)における前記接続路(7)への分岐部より下流側に配置した第一ダンパ(D1)と、前記接続路(7)に配置した第二ダンパ(D2)とを設け、
炉の立ち上げ時において、前記第一ダンパ(D1)を全開にするとともに前記第二ダンパ(D2)を全閉にし、前記搬送火床(2)上の被処理物の燃焼が定常状態に達すると、前記第一ダンパ(D1)及び前記第二ダンパ(D2)夫々の開度を調節して、前記排気路(6)からの排出空気を前記一次空気として供給可能にする供給空気調節手段(9)を設けてあるゴミ焼却炉。 - 前記供給空気調節手段(9)は、炉の立ち下げ時において、前記第一ダンパ(D1)を全開にするとともに前記第二ダンパ(D2)を全閉にする請求項1に記載のゴミ焼却炉。
- 前記排気路(6)を経て排出する排出空気を二次空気として供給可能な二次空気供給路(8)を設けてある請求項1又は2に記載のゴミ焼却炉。
- 請求項1から3の何れか一項に記載のゴミ焼却炉の運転方法であって、
前記空気冷却壁(5)への冷却空気を前記冷却空気供給路(21)を経て供給する冷却空気押込送風機(22)を設けて、
炉の運転立ち上げに際する炉内の昇温時に、前記一次空気押込送風機(12)の運転に先立ち、前記第一ダンパ(D1)を全開すると共に前記第二ダンパ(D2)を全閉した状態で前記冷却空気押込送風機(22)を駆動し、
次いで前記被処理物が燃焼を開始するに伴い前記一次空気押込送風機(12)を起動し、
前記搬送火床(2)上の被処理物の燃焼が定常状態に達したことを検出して、前記第二ダンパ(D2)を全開し、前記第一ダンパ(D1)を全閉するゴミ焼却炉の運転方法。 - 請求項1から3の何れか一項に記載のゴミ焼却炉の運転方法であって、
炉の運転立ち下げに際して、予め前記第一ダンパ(D1)を全開すると共に前記第二ダンパ(D2)を全閉するゴミ焼却炉の運転方法。
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