JP2007253849A - 車両の下部車体構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】トンネルメンバをフロアパネルに連結するためのブラケット内壁の防錆を図ることを課題とする。
【解決手段】フロアパネル20に上方に凸形状のトンネル部21を車幅方向中央部で車両前後方向に延設する。トンネル部21を車幅方向に跨ぐトンネルメンバ22をフロアパネル20の下部に配設する。トンネルメンバ22をフロアパネル20に連結するためのブラケット30をフロアパネル20の下面に組み付ける。ブラケット30はフロアパネル20の下面から離間する方向に膨出する膨出部32と、膨出部32の周囲に設けられてフロアパネル20の下面と対接するフランジ部31とを有し、フロアパネル20との間に閉空間が形成される形状とされている。その場合に、ブラケット30の膨出部32の下部に閉空間内の水分を閉空間外へ排出するための排出孔34を設ける。
【選択図】図2
【解決手段】フロアパネル20に上方に凸形状のトンネル部21を車幅方向中央部で車両前後方向に延設する。トンネル部21を車幅方向に跨ぐトンネルメンバ22をフロアパネル20の下部に配設する。トンネルメンバ22をフロアパネル20に連結するためのブラケット30をフロアパネル20の下面に組み付ける。ブラケット30はフロアパネル20の下面から離間する方向に膨出する膨出部32と、膨出部32の周囲に設けられてフロアパネル20の下面と対接するフランジ部31とを有し、フロアパネル20との間に閉空間が形成される形状とされている。その場合に、ブラケット30の膨出部32の下部に閉空間内の水分を閉空間外へ排出するための排出孔34を設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は車両の下部車体構造に関し、特にフロアパネルのトンネル部に架設されるトンネルメンバ及びそれを取り付けるためのブラケットに関する。
一般に、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)車にあっては、車体前部に搭載されたエンジンの駆動力を左右の後輪間に配設されたデファレンシャルギヤに伝達するためのプロペラシャフトが車幅方向中央部で車両前後方向に延びて備えられる。そして、このプロペラシャフトと排気管とを収容するために、車両の床面を形成するフロアパネルには、上方に凸形状をなし、下方が開放された断面コ字状のトンネル部が車幅方向中央部で車両前後方向に延設される。一方、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車においても、これに類似して、車体前部に搭載されたエンジンから後方へ延びる排気管を収容するためのトンネル部が、フロアパネルの車幅方向中央部で車両前後方向に延設される。そして、いずれの場合においても、前記トンネル部の下端の開き方向(車幅方向外方)の変形を規制し、前記トンネル部を所定の断面形状に維持するためのトンネルメンバが前記トンネル部を車幅方向に跨いで前記フロアパネルの下部に架設されることがある。
ここで、前記トンネルメンバは次のようにしてフロアパネルの下部に配設されるのが通例である。すなわち、トンネルメンバをフロアパネルに連結するためのブラケットが前記フロアパネルの下面に組み付けられる。このブラケットにはトンネルメンバを取り付けるための取付孔が形成されている。そして、この取付孔を介してトンネルメンバが前記ブラケットにボルトで固定されるのである。例えば特許文献1には、図9に示すように、フロアパネルaのトンネル部bにプロペラシャフトcと排気管dとを収容し、前記トンネル部bを車幅方向に跨ぐトンネルメンバeを前記フロアパネルaの下部に配設して、このトンネルメンバeをフロアパネルaの下面に組み付けたブラケットfにボルトgで締付固定した車両の下部車体構造が開示されている。また、特許文献2には、トンネルメンバに曲げ剛性を高めるためのビードを車幅方向に延設した車体床下構造が開示されている。
ところで、前記ブラケットは、トンネルメンバの取付剛性確保のために、例えば、フロアパネルの下面から離間する方向に膨出する膨出部と、この膨出部の周囲に設けられてフロアパネルの下面と対接するフランジ部とを備えて、前記フロアパネルとの間に閉空間が形成される形状とされる場合がある。すると、例えば外気温の低下により前記閉空間内で結露が発生し、前記ブラケット内部に水分が生成して、ブラケットの内壁が錆びて脆くなる問題が起きる可能性がある。あるいはトンネルメンバ取付孔の周縁部が錆びて取付強度が弱くなる問題が起きる可能性もある。しかしながら、これらの問題に対して対策が講じられた従来技術はいまのところ見当たらない。
本発明は車両の下部車体構造における前記不具合に対処するもので、トンネルメンバをフロアパネルに連結するためのブラケット内壁の防錆やトンネルメンバ取付孔の防錆を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、車両の床面を形成するフロアパネルに上方に凸形状をなすトンネル部が車幅方向中央部で車両前後方向に延設され、このトンネル部を車幅方向に跨ぐトンネルメンバが前記フロアパネルの下部に配設されていると共に、このトンネルメンバを前記フロアパネルに連結するためのブラケットが前記フロアパネルの下面に組み付けられている車両の下部車体構造であって、前記ブラケットは、前記フロアパネルの下面から離間する方向に膨出する膨出部と、この膨出部の周囲に設けられ、前記フロアパネルの下面と対接するフランジ部とを有して、前記フロアパネルとの間に閉空間が形成される形状とされており、前記ブラケットの膨出部の下部に前記閉空間内の水分を閉空間外へ排出するための排出孔が設けられていることを特徴とする。
次に、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両の下部車体構造であって、前記ブラケットの膨出部の下部に前記トンネルメンバを取り付けるための取付孔が形成されており、前記排出孔はこの取付孔から離間して設けられていることを特徴とする。
次に、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の車両の下部車体構造であって、前記排出孔は前記ブラケットに取り付けられたトンネルメンバと重合する位置に設けられていると共に、前記トンネルメンバにおける前記排出孔と重合する部位に前記排出孔から下方に離間する離間部が形成されていることを特徴とする。
次に、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の車両の下部車体構造であって、前記離間部は車幅方向に延設された下方に凸形状をなすビードで構成されていることを特徴とする。
次に、本願の請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の車両の下部車体構造であって、前記ビードは車幅方向内方部位において下方へ傾斜していることを特徴とする。
一方、本願の請求項6に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の車両の下部車体構造であって、前記トンネルメンバに前記排出孔に係合し得る係合部が設けられていると共に、前記ブラケットに取り付けられたトンネルメンバは前記係合部が前記排出孔に突入した状態で前記排出孔を開放していることを特徴とする。
そして、本願の請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の車両の下部車体構造であって、前記ブラケットに取り付けられたトンネルメンバは前記係合部の周囲において前記ブラケットに面接触していることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、トンネルメンバをフロアパネルに連結するためのブラケットが膨出部とフランジ部とを有して前記フロアパネルとの間に閉空間を形成する場合において、前記ブラケットの膨出部の下部に前記閉空間内の水分を閉空間外へ排出するための排出孔を設けたから、たとえ外気温の低下等により前記閉空間内で結露が発生し、前記ブラケット内部に水分が生成しても、その水分が前記排出孔から閉空間外へ排出されることとなり、その結果、ブラケット内壁の防錆が図られて、ブラケット内壁が脆くなる問題が回避される。
次に、請求項2に記載の発明によれば、前記ブラケットの膨出部の下部にはトンネルメンバを取り付けるための取付孔も形成されている場合において、前記排出孔をこの取付孔から離間して設けたから、たとえ外気温の低下等により前記閉空間内で結露が発生し、前記ブラケット内部に水分が生成しても、その水分が前記排出孔から閉空間外へ排出されることとなり、その結果、トンネルメンバ取付孔の周縁部の防錆が図られて、トンネルメンバの取付強度が弱くなる問題が回避される。
次に、請求項3に記載の発明によれば、トンネルメンバがブラケットに取り付けられたときに前記トンネルメンバと重合する位置に前記排出孔を設けたから、前記排出孔がトンネルメンバで防護されて下方に向けて直接開放されることがなくなり、下方の路面等から砂や泥が前記排出孔を通ってブラケット内に進入することが防止される。また、前記トンネルメンバにおいて前記排出孔と重合する部位に前記排出孔から下方に離間する離間部を設けたから、前記排出孔がトンネルメンバで全面的に塞がれることがなくなり、ブラケット内部の水分が前記排出孔を通ってブラケットの外へ確実に排出される(すなわち、離間部に落下することとなる)。つまり、前記トンネルメンバの排出孔との重合部位が排出孔の本来の機能を邪魔することがない。
次に、請求項4に記載の発明によれば、前記離間部を下方に凸形状をなして車幅方向に延びるビードで構成したから、トンネルメンバの剛性向上と、前記排出孔を通ってブラケットの外へ排出された(離間部に落下した)水分の車幅方向への誘導とが両方達成される。
次に、請求項5に記載の発明によれば、前記ビードを車幅方向内方部位において下方へ傾斜させたから、前記排出孔を通ってブラケットの外へ排出された(離間部に落下した)水分を前記排出孔から距離をおいたビードの車幅方向内方部位に集水することができる。そして、この集水部位は周囲の種々の車体側部材との間に空間のあるトンネル部内に位置するから、例えば車両の加速重力や減速重力あるいは旋回重力が作用して前記集水部位に集った水分が散水した場合でも、周囲の種々の車体側部材に付着せず、悪影響を与えることなく、安全確実に車両外へ排水することが可能となる。
一方、請求項6に記載の発明によれば、前記トンネルメンバに前記排出孔に係合し得る係合部を設けたから、前記トンネルメンバを前記ブラケットに取り付ける作業時に、前記排出孔を利用して前記トンネルメンバを前記ブラケットに仮預けすることができ、その結果、トンネルメンバがブラケットから脱落することなくトンネルメンバの位置決めが行え、取付作業性が向上する。また、前記トンネルメンバが前記ブラケットに取り付けられたときは、前記トンネルメンバは、前記係合部が前記排出孔に突入した状態で前記排出孔を開放するようにしたから、前記排出孔が前記係合部で全面的に塞がれることがなくなり、ブラケット内部の水分が前記排出孔を通ってブラケットの外へ確実に排出される。つまり、前記トンネルメンバの係合部が排出孔の本来の機能を邪魔することがない。
そして、請求項7に記載の発明によれば、前記トンネルメンバが前記ブラケットに取り付けられたときは、前記トンネルメンバは、前記係合部の周囲において前記ブラケットに面接触するようにしたから、前記係合部の周囲においては前記トンネルメンバと前記ブラケットとは面でシールされることとなり、前記排出孔を通ってブラケットの外へ排出された水分が前記係合部を伝ってトンネルメンバとブラケットとの隙間にしみこんで残留することが回避され、トンネルメンバとブラケットとの合せ面部分の防錆が図られる。以下、発明の最良の実施形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、この本発明の第1の実施の形態に係る車両1は、フロントエンジン・リヤドライブのFR車であって、車体前部にエンジン2が縦置きに搭載され、このエンジン2の後方に配置されたトランスミッション3からプロペラシャフト4が車幅方向中央部で車両後方に延び、左右の後輪6,6間に配設されたディファレンシャル5に連結されている。
図1に示すように、この本発明の第1の実施の形態に係る車両1は、フロントエンジン・リヤドライブのFR車であって、車体前部にエンジン2が縦置きに搭載され、このエンジン2の後方に配置されたトランスミッション3からプロペラシャフト4が車幅方向中央部で車両後方に延び、左右の後輪6,6間に配設されたディファレンシャル5に連結されている。
車両1の床面を形成するフロアパネル20には、上方に凸形状をなし、下方が開放された断面コ字状のトンネル部21が車幅方向中央部で車両前後方向に延設されており、このトンネル部21に前記トランスミッション3及びプロペラシャフト4が収容されている。なお、エンジン2のエキゾーストマニホルド12から車体後端部に配置された左右一対のマフラー13,13に至る排気管も前記トンネル部21に収容されているが、その図示は省略する。
フロアパネル20の上面には、前輪7,7を操舵するステアリングホイール8が備えられた運転席9、助手席10及び後部座席11が備えられ、また、フロアパネル20の下面には、前記トンネル部21の後方に燃料タンク23及びスペアタイヤ収容部24が設けられている。そして、フロアパネル20の下面には、前記トンネル部21の下端の開き方向(車幅方向外方)の変形を規制し、前記トンネル部21を所定の断面形状に維持するためのトンネルメンバ22が前記トンネル部21を車幅方向に跨いで架設されている。このトンネルメンバ22は、例えばアルミニウムの鋳造成形又はプレス成形によって製造された、車幅方向に長い部材である。
図2に拡大して示すように、トンネルメンバ22は、およそ次のようにしてフロアパネル20の下面に配設されている。すなわち、まず、トンネルメンバ22をフロアパネル20に連結するための左右一対のブラケット30,30が、前記フロアパネル20の下面において、トンネル部21の起立基部近傍に組み付けられている(図4参照)。このブラケット30にはトンネルメンバ22を取り付けるための取付孔36,36が形成されており、この取付孔36,36を介して、トンネルメンバ22は、その左右両端部がそれぞれ前記ブラケット30に取付ボルト33,33で締付固定されているのである。
その場合に、図3(a)〜図3(c)に示すように、ブラケット30は、トンネルメンバ22の取付剛性確保のために、フロアパネル20の下面から離間する方向(図例では下方)に膨出する膨出部32と、この膨出部32のほぼ全周に亘って設けられて、フロアパネル20の下面と対接するフランジ部31とを備えている。その結果、このブラケット30とフロアパネル20との間には膨出部32で取り囲まれた閉空間Xが形成されている。なお、より詳しくは、ブラケット30は、前記フランジ部31が複数箇所においてスポット溶接されることにより、フロアパネル20の下面に接合されている。
ここで、図3(a)に明示したように、トンネルメンバ22を取り付けるための取付孔36,36は、前記膨出部32の下部に形成されていると共に、前記取付孔36,36を挿通する取付ボルト33,33と螺合するウエルドナット35,35が前記膨出部32の下部の内面に固着されている。
そして、図3(b)から明らかなように、同じくブラケット30の膨出部32の下部に、前記閉空間X内の水分を閉空間X外へ排出するための排出孔34が穿設されている[請求項1の構成]。その場合に、前記排出孔34は、2つのトンネルメンバ取付孔36,36のほぼ中間部に位置していると共に、図2から明らかなように、2つのトンネルメンバ取付孔36,36からある程度の距離をおいて離間して位置している[請求項2の構成]。
また、図2から明らかなように、前記排出孔34は、ブラケット30に取り付けられたトンネルメンバ22の左右両端部と重合(オーバーラップ)する位置に設けられている。一方、トンネルメンバ22においては、図3(b)から明らかなように、前記排出孔34と重合する部位に、前記排出孔34から下方に離間する離間部22bが形成されている[請求項3の構成]。その場合に、この離間部22bは、トンネルメンバ22に車幅方向に延設された下方に凸形状をなすビードで構成されている[請求項4の構成]。すなわち、図3(a)〜図3(c)に示したように、トンネルメンバ22には、例えば曲げ剛性を高めるために、車両前方側から、第1、第2、第3ビード22a,22b,22cが車幅方向に延びて設けられているが、そのうちの真中の第2ビード22bが排出孔34の真下に位置して離間部を構成しているのである。なお、図2からも明らかなように、トンネルメンバ22は、その前縁部が車幅方向中央部において後方に湾曲した形状とされており、これに伴い、車両前方側の2つのビード22a,22bもまた車幅方向中央部において後方に湾曲した形状とされている。
しかも、前記第2ビード22bは、図4に示すように、車幅方向内方部位において下方へ傾斜しているのである[請求項5の構成]。なお、図4に併せて示したように、ブラケット30,30の上部で、トンネル部21の起立面には、ウエルドナット9c,10cが固着されている。このウエルドナット9c,10cは、車室側に具備されたフロントシートスライドレール9a,10aを固定するためのものである。つまり、運転席9及び助手席10のフロントシートのスライドレール9a,10aがトンネル部21の起立面の車室側に配設されており、このスライドレール9a,10aの後端部が取付ボルト9b,10bで締付固定されているのである。ここで、前記ウエルドナット9c,10cは、ブラケット30,30の上部のフランジ部31,31に固着されている。
次に、この本発明の第1の実施の形態の作用を説明する。まず、トンネルメンバ22をフロアパネル20に連結するためのブラケット30が膨出部32とフランジ部31とを有して前記フロアパネル20との間に閉空間Xを形成する場合において、前記ブラケット30の膨出部32の下部に前記閉空間X内の水分を閉空間X外へ排出するための排出孔34を設けた(例えば図3(b)参照)。したがって、たとえ外気温の低下等により前記閉空間X内で結露が発生し、前記ブラケット30の内部に水分が生成しても、その水分は前記排出孔34から閉空間X外へ排出される。その結果、ブラケット30の内壁の防錆が図られて、ブラケット30の内壁が脆くなる問題が回避される。
次に、前記ブラケット30の膨出部32の下部にはトンネルメンバ22を取り付けるための取付孔36,36も形成されている場合において、前記排出孔34をこの取付孔36,36から離間して設けた(例えば図2参照)。したがって、たとえ外気温の低下等により前記閉空間X内で結露が発生し、前記ブラケット30の内部に水分が生成しても、その水分はトンネルメンバ取付孔36,36から離間した位置において前記排出孔34から閉空間X外へ排出される。その結果、トンネルメンバ取付孔36,36の周縁部の防錆も図られて、トンネルメンバ22の取付強度が弱くなる問題も回避される。
次に、トンネルメンバ22がブラケット30に取り付けられたときに前記トンネルメンバ22と重合する位置に前記排出孔34を設けた(例えば図2、図4参照)。したがって、前記排出孔34がトンネルメンバ22で防護されて下方に向けて直接開放されることがなくなり、下方の路面等から砂や泥が前記排出孔34を通ってブラケット30の内部に進入することが防止される。また、前記トンネルメンバ22において前記排出孔34と重合する部位に前記排出孔34から下方に離間する離間部22bを設けた(例えば図3(b)、図4参照)。したがって、前記排出孔34がトンネルメンバ22で全面的に塞がれることがなくなり、ブラケット30の内部の水分が前記排出孔34を通ってブラケット30の外へ確実に排出される(すなわち、離間部22bに落下することとなる)。つまり、前記トンネルメンバ22の排出孔34との重合部位(トンネルメンバ22の左右両端部)が排出孔34の本来の機能を邪魔することがない。
次に、前記離間部22bを下方に凸形状をなして車幅方向に延びるビードで構成した(例えば図3(b)、図4参照)。したがって、トンネルメンバ22の剛性向上と、前記排出孔34を通ってブラケット30の外へ排出された(離間部22bに落下した)水分の車幅方向への誘導とが両方達成される。
そして、前記ビード22bを車幅方向内方部位において下方へ傾斜させた(図4参照)。したがって、前記排出孔34を通ってブラケット30の外へ排出された(離間部22bに落下した)水分を前記排出孔34から距離をおいた車幅方向内方部位に集水することができる。そして、この集水部位は周囲の種々の車体側部材との間に空間のあるトンネル部21内に位置するから、例えば車両1の加速重力や減速重力あるいは旋回重力が作用して前記集水部位に集った水分が散水した場合でも、周囲の種々の車体側部材に付着せず、悪影響を与えることなく、安全確実に車両1外へ排水することが可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図5に示すように、この第2実施形態においても、第1実施形態と同じく、ブラケット30の膨出部32の下部には、閉空間X内の水分を閉空間X外へ排出するための排出孔34が設けられている。また、同じくブラケット30の膨出部32の下部には、トンネルメンバ22を取り付けるための取付孔36,36も形成されている。そして、前記排出孔34は、この取付孔36,36から離間して設けられている。ただし、第1実施形態と異なり、例えば図2と比較して、前記排出孔34はトンネルメンバ取付孔36,36よりも車幅方向外側に位置している。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図5に示すように、この第2実施形態においても、第1実施形態と同じく、ブラケット30の膨出部32の下部には、閉空間X内の水分を閉空間X外へ排出するための排出孔34が設けられている。また、同じくブラケット30の膨出部32の下部には、トンネルメンバ22を取り付けるための取付孔36,36も形成されている。そして、前記排出孔34は、この取付孔36,36から離間して設けられている。ただし、第1実施形態と異なり、例えば図2と比較して、前記排出孔34はトンネルメンバ取付孔36,36よりも車幅方向外側に位置している。
一方、図6及び図7に示すように、トンネルメンバ22の左右両端部には、前記排出孔34に係合し得るL字形状の係合部22dが設けられている。そして、ブラケット30に取り付けられたトンネルメンバ22は、前記係合部22dが前記排出孔34に突入した状態で、前記排出孔34を開放している[請求項6の構成]。
その場合に、ブラケット30に取り付けられたトンネルメンバ22は、図6に斜線を施して例示したように、前記係合部22dの周囲において、ブラケット30に、より詳しくはブラケット30の膨出部32の下部に、面で接触している[請求項7の構成]。
次に、この第2の実施の形態の作用を説明する。まず、トンネルメンバ22に排出孔34に係合し得る係合部22dを設けた(図6、図7参照)。したがって、図8に例示するように、トンネルメンバ22をブラケット30に取り付ける作業時に、前記排出孔34を利用してトンネルメンバ22をブラケット30に引っ掛けて仮預けすることができ、その結果、トンネルメンバ22がブラケット30から脱落することなくトンネルメンバ22の位置決めが行え、取付作業性が向上する。また、トンネルメンバ22がブラケット30に取り付けられたときは、トンネルメンバ22は、前記係合部22dが排出孔34に突入した状態で前記排出孔34を開放するようにした(図6、図7参照)。したがって、排出孔34が前記係合部22dで全面的に塞がれることがなくなり、ブラケット30の内部の水分が前記排出孔34を通ってブラケット30の外へ確実に排出される。つまり、前記トンネルメンバ22の係合部22dが排出孔34の本来の機能を邪魔することがない。
そして、トンネルメンバ22がブラケット30に取り付けられたときは、トンネルメンバ22は、前記係合部22dの周囲においてブラケット30に面接触するようにした(図6参照)。したがって、前記係合部22dの周囲においてはトンネルメンバ22とブラケット30とは面でシールされることとなり、例えば、前記排出孔34を通ってブラケット30の外へ排出された水分が前記係合部22dを伝ってトンネルメンバ22とブラケット30との隙間にしみこんで残留する、というような不具合が回避され、トンネルメンバ22とブラケット30との合せ面部分の防錆が図られる。
なお、前記実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の修正や変更を施してよいことはいうまでもない。例えば、第2実施形態において、トンネルメンバ22の係合部22dは、トンネルメンバ22の車両前後方向の重心近傍に位置させると、このトンネルメンバ22を排出孔34に引っ掛けてブラケット30に仮預けしたときの姿勢(図8参照)がより一層安定し、取付作業性がさらに向上することとなる。
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明は、トンネルメンバをフロアパネルに連結するためのブラケット内壁の防錆やトンネルメンバ取付孔の防錆を図ることが可能な技術であるから、車両の下部車体構造の技術分野において広範な産業上の利用可能性を有する。
1 車両
20 フロアパネル
21 トンネル部
22 トンネルメンバ
22b ビード(離間部)
22d 係合部
30 ブラケット
31 フランジ部
32 膨出部
33 取付ボルト
34 排出孔
36 取付孔
X 閉空間
20 フロアパネル
21 トンネル部
22 トンネルメンバ
22b ビード(離間部)
22d 係合部
30 ブラケット
31 フランジ部
32 膨出部
33 取付ボルト
34 排出孔
36 取付孔
X 閉空間
Claims (7)
- 車両の床面を形成するフロアパネルに上方に凸形状をなすトンネル部が車幅方向中央部で車両前後方向に延設され、このトンネル部を車幅方向に跨ぐトンネルメンバが前記フロアパネルの下部に配設されていると共に、このトンネルメンバを前記フロアパネルに連結するためのブラケットが前記フロアパネルの下面に組み付けられている車両の下部車体構造であって、
前記ブラケットは、前記フロアパネルの下面から離間する方向に膨出する膨出部と、この膨出部の周囲に設けられ、前記フロアパネルの下面と対接するフランジ部とを有して、前記フロアパネルとの間に閉空間が形成される形状とされており、
前記ブラケットの膨出部の下部に前記閉空間内の水分を閉空間外へ排出するための排出孔が設けられていることを特徴とする車両の下部車体構造。 - 前記請求項1に記載の車両の下部車体構造であって、
前記ブラケットの膨出部の下部に前記トンネルメンバを取り付けるための取付孔が形成されており、
前記排出孔はこの取付孔から離間して設けられていることを特徴とする車両の下部車体構造。 - 前記請求項1又は2に記載の車両の下部車体構造であって、
前記排出孔は前記ブラケットに取り付けられたトンネルメンバと重合する位置に設けられていると共に、
前記トンネルメンバにおける前記排出孔と重合する部位に前記排出孔から下方に離間する離間部が形成されていることを特徴とする車両の下部車体構造。 - 前記請求項3に記載の車両の下部車体構造であって、
前記離間部は車幅方向に延設された下方に凸形状をなすビードで構成されていることを特徴とする車両の下部車体構造。 - 前記請求項4に記載の車両の下部車体構造であって、
前記ビードは車幅方向内方部位において下方へ傾斜していることを特徴とする車両の下部車体構造。 - 前記請求項1又は2に記載の車両の下部車体構造であって、
前記トンネルメンバに前記排出孔に係合し得る係合部が設けられていると共に、
前記ブラケットに取り付けられたトンネルメンバは前記係合部が前記排出孔に突入した状態で前記排出孔を開放していることを特徴とする車両の下部車体構造。 - 前記請求項6に記載の車両の下部車体構造であって、
前記ブラケットに取り付けられたトンネルメンバは前記係合部の周囲において前記ブラケットに面接触していることを特徴とする車両の下部車体構造。
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---|---|---|---|
JP2006082443A JP2007253849A (ja) | 2006-03-24 | 2006-03-24 | 車両の下部車体構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012131353A (ja) * | 2010-12-21 | 2012-07-12 | Suzuki Motor Corp | 車両の荷室構造 |
JP2013199235A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Tadano Ltd | 作業車外装体の組付構造 |
WO2015037128A1 (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-19 | 本田技研工業株式会社 | 車体後部構造 |
JP5896439B1 (ja) * | 2015-08-31 | 2016-03-30 | 株式会社Cpm | クロスメンバ用補強部材およびクロスメンバ |
JP2018058408A (ja) * | 2016-10-03 | 2018-04-12 | マツダ株式会社 | 車両の下部車体構造 |
-
2006
- 2006-03-24 JP JP2006082443A patent/JP2007253849A/ja active Pending
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