JP2007253158A - レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置 - Google Patents

レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007253158A
JP2007253158A JP2006076726A JP2006076726A JP2007253158A JP 2007253158 A JP2007253158 A JP 2007253158A JP 2006076726 A JP2006076726 A JP 2006076726A JP 2006076726 A JP2006076726 A JP 2006076726A JP 2007253158 A JP2007253158 A JP 2007253158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
gas supply
supply nozzle
inclination angle
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006076726A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Kawada
直樹 河田
Shigehiro Nagashima
茂廣 長島
Tadashi Sobagaki
正 側垣
Shunichi Iwaki
俊一 岩木
Kazuo Genji
一夫 玄地
Yosuke Otsuka
陽介 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyu Car Corp
Original Assignee
Tokyu Car Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyu Car Corp filed Critical Tokyu Car Corp
Priority to JP2006076726A priority Critical patent/JP2007253158A/ja
Publication of JP2007253158A publication Critical patent/JP2007253158A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】レーザ光の照射部における溶接深さの制御を容易にする。
【解決手段】被溶接体Wに照射したレーザ光Lと、ガス供給ノズル3によってレーザ光Lの照射部Sに向けて斜めから噴射される活性ガス含有のアシストガスGとの協働により、被溶接体Wの溶接を行うレーザ溶接方法であって、レーザ光Lの光軸LSに対するガス供給ノズル3の傾き角度を小さくすることにより、照射部Sにおける溶接深さを深くし、光軸LSに対するガス供給ノズル3の傾き角度を大きくすることにより、照射部Sにおける溶接深さを浅くすることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光とアシストガスとの協働により被溶接体の溶接を行うレーザ溶接方法及びレーザ溶接装置に関する。
従来から、レーザ光の照射部に向けてアシストガスを噴射するレーザ溶接方法やレーザ溶接装置が知られている。そして、この種のレーザ溶接方法やレーザ溶接装置として、被溶接体の材質、板厚、溶接面形状、レーザ強度、レーザ走査速度等の溶接条件に応じて、レーザ光の照射部に噴射するアシストガスの噴射角を最適値になるように変化させる方法や装置がある(特許文献1参照)。この従来のレーザ溶接方法やレーザ溶接装置では、レーザ溶接部の均質性や溶接ビードの均一化を目的にしている。
特開平5−208291号公報
レーザ光は単一波長で位相差が無いため、集光レンズによって極めて小さな点に集光して高密度のエネルギーとなる。レーザ溶接では、集光された高エネルギー密度の熱源を利用するため、溶接を高速で行うことが可能であるが、レーザ強度やレーザ走査速度を変化させなければレーザ光による溶接深さを変化させることは難しく、溶接深さの制御が容易ではなかった。
本発明は、レーザ光の照射部における溶接深さを容易に制御できるレーザ溶接方法及びレーザ溶接装置を提供することを目的とする。
本発明は、被溶接体に照射したレーザ光と、ガス供給ノズルによってレーザ光の照射部に向けて斜めから噴射される活性ガス含有のアシストガスとの協働により、被溶接体の溶接を行うレーザ溶接方法であって、レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度を小さくすることにより、照射部における溶接深さを深くし、光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度を大きくすることにより、照射部における溶接深さを浅くすることを特徴とする。
発明者は、ガス供給ノズルによって、活性ガス含有のアシストガスをレーザ光の照射部に向けて斜めから噴射する場合に、レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が小さいほど溶接深さが深くなり、レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が大きいほど溶接深さが浅くなることを知見し、その知見をもとに本発明に係るレーザ溶接方法を創作した。そして、このレーザ溶接方法によれば、レーザ強度やレーザ走査速度を変更することなく、レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度を変化させることで、レーザ光の照射部の溶接深さを容易に制御することができる。
また、本発明に係るレーザ溶接装置は、被溶接体にレーザ光を照射するレーザヘッドと、レーザヘッドに取り付けられ、レーザ光の光軸を含む平面上で傾動し、且つレーザ光の照射部に向けて斜めから、不活性ガスと活性ガスとを混合させたアシストガスを噴射するガス供給ノズルと、ガス供給ノズルを所定の傾き角度となる位置まで可動させるノズルアクチュエータと、照射部の溶接深さを深くする場合、光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が小さくなるようにガス供給ノズルを可動させ、溶接深さを浅くする場合、光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が大きくなるようにガス供給ノズルを可動させる傾き角信号をノズルアクチュエータに出力するノズル制御部とを有することを特徴とする。
このレーザ溶接装置において、ノズル制御部は、光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が小さくなるようにガス供給ノズルを可動させる傾き角信号をノズルアクチュエータに出力し、ノズルアクチュエータは、入力された傾き角信号に基づいてガス供給ノズルの傾き角度が小さくなるようにガス供給ノズルを可動させる。所定の傾き角度になったガス供給ノズルは、レーザ光の照射部に向けて斜めからアシストガスを噴射し、その結果として照射部における溶接深さが深くなる。一方で、ノズル制御部は、光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が大きくなるようにガス供給ノズルを可動させる傾き角信号をノズルアクチュエータに出力し、ノズルアクチュエータは、入力された傾き角信号に基づいてガス供給ノズルの傾き角度が大きくなるようにガス供給ノズルを可動させる。所定の傾き角度になったガス供給ノズルは、レーザ光の照射部に向けて斜めからアシストガスを噴射し、その結果として照射部における溶接深さが浅くなる。このように、本発明に係るレーザ溶接装置によれば、溶接深さを深くする場合には、レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が小さくなるようにガス供給ノズルを傾動させ、溶接深さを浅くする場合には、レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が大きくなるようにガス供給ノズルを傾動させることができるため、レーザ強度やレーザ走査速度を変更することなく、照射部の溶接深さを容易に制御することができる。
また、本発明に係るレーザ溶接装置は、被溶接体を支持するワーク支持台と、レーザ光が被溶接体に沿って走査するように、レーザヘッドとワーク支持台とを相対的に移動させるレーザ走査部と、ノズル制御部にガス供給ノズルの目標傾き角度を入力させる操作部と、ガス供給ノズルの傾き角度を検出する傾き角検出部とを更に備え、ノズル制御部は、操作部から出力された目標傾き角度と傾き角検出部によって検出された傾き角度との偏差を演算し、偏差を有する場合には、偏差が小さくなるようにガス供給ノズルを可動させる補正信号をノズルアクチュエータに出力すると好適である。このレーザ溶接装置では、レーザ溶接時において、レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が目標傾き角度からずれても自動的に補正されるため、レーザ光の照射部の溶接深さが、目標となる深さからズレ難くなり、溶接精度が向上する。
また、ノズルアクチュエータは、光軸を含む平面に対し直交する回転軸線回りにガス供給ノズルを傾動させる傾動サーボモータを有し、サーボモータは、ノズル制御部から出力された補正信号に基づいて、ガス供給ノズルを傾動させると好適である。レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度が目標傾き角度からズレた場合の自動補正を、光軸に直交する一つの回転軸線回りにガス供給ノズルを傾動させることで実行できるため、自動補正のための演算を行うノズル制御部の負荷が軽減される。
本発明によれば、レーザ光の照射部における溶接深さを容易に制御できる。
以下、図面を参照して本発明に係るレーザ溶接装置の好適な実施の形態について詳細に説明をする。
[第1の実施の形態]
(レーザ溶接装置)
図1〜図3に示すように、レーザ溶接装置1Aは、溶接用熱源としてYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザを用いる溶接装置である。レーザ溶接装置1Aは、被溶接体としてのステンレス製の板材Wに向けてレーザ光Lを照射するレーザヘッド2と、レーザ光Lの焦点近傍の照射部Sに向けて斜めからアシストガス(通称「シールドガス」、「加工ガス」ともいう)Gを噴射するガス供給ノズル3とを備える。レーザヘッド2及びガス供給ノズル3は、二枚の板材Wが重なる箇所における直線状の接合予定線SSに沿って移動する。
レーザヘッド2は、ケース2a内にレーザ発振部2bを備える。YAGレーザは、光励起形の個体レーザであり、レーザ発振部2bは、発振波長が1.06μmのレーザ光Lを出射する。レーザ光Lの光軸LS上には、光学ガラス製の集光レンズ2cが配置され、集光レンズ2cを透過したレーザ光Lは、極めて小さな点に集光される。
なお、以下の説明において、レーザ光Lの光軸LSに直交し、且つレーザヘッド2の移動方向に沿った方向をX軸方向、X軸及びレーザ光Lの光軸LSに直交する方向をY軸方向、レーザ光Lの光軸LSに沿った方向をZ軸方向として説明する
レーザヘッド2のケース2aには、レーザヘッド2の進行方向に対して後方側に突き出したブラケット2dが設けられており、ブラケット2dには、第1リニアアクチュエータ4が取り付けられている。第1リニアアクチュエータ4は、サーボモータとサーボモータの出力軸に形成されたボールねじとを有し、ボールねじの回転により、ブラケット2dに対してY軸方向に直線移動する。第1リニアアクチュエータ4には、第2リニアアクチュエータ5が取り付けられている。第2リニアアクチュエータ5も第1リニアアクチュエータ4と同様のサーボモータ及びボールねじを有し、ボールねじの回転により、第1リニアアクチュエータ4に対してX軸方向に直線移動する。第2リニアアクチュエータ5には、第3リニアアクチュエータ6が取り付けられている。第3リニアアクチュエータ6は、サーボモータ及びボールねじと、サーボモータ及びボールねじを収容する筐体6aと、ボールねじの回転によって、筐体6aからZ軸方向に直線移動するロッド6bとを有する。
ロッド6bの先端には、U字状のノズルブラケット6cが設けられている。図2に示すように、ノズルブラケット6cには、ガス供給ノズル3を挟むようにして左右一対の側壁6f,6gが設けられ、各側壁6f,6gには軸受け6d,6eが組込まれており、一対の軸受け6d,6eには、ガス供給ノズル3から突出している一対の軸部3a,3bが支持される。軸部3a,3bは、ガス供給ノズル3の基端3cの近傍に設けられると共に、レーザ光Lの光軸LSを含む平面PLに対して直交して延在する。ガス供給ノズル3の管軸線NSは、光軸LSを含む平面PL上に位置し、ガス供給ノズル3は、光軸LSを含む平面PL上で、回転軸線Cを中心に傾動する。
ノズルブラケット6cの一方の側壁6fには、傾動サーボモータ8が固定されている。傾動サーボモータ8のシャフトは、減速ギヤを介して一方の軸部3bに連結されている。傾動サーボモータ8の駆動によって軸部3a,3bが回転し、ガス供給ノズル3が傾動する。なお、前述した傾動サーボモータ8及び第1〜第3リニアアクチュエータ4〜6によってノズルアクチュエータ9が構成される。
傾動サーボモータ8には、アブソリュート型のロータリーエンコーダ(傾き角検出部)11が取り付けられている。ロータリーエンコーダ11は、軸部3bの回転角度に応じて絶対的な2進コード情報を出力することで、軸部3bの回転角度(傾き角度)を検出する。アブソリュート型のロータリーエンコーダ11を採用することで、電源を切って、再度通電しても直ちに軸部3bの回転角度を取得できる。
図1及び図2に示すように、ガス供給ノズル3は、閉塞された基端3cと、開放された先端3dとを有する。さらに、ガス供給ノズル3の周壁には、ガス供給ノズル3内に連通する管継ぎ手部3eが設けられ、管継ぎ手部3eには、アシストガスを供給するためのホース3fが固定されている。アシストガスは、不活性ガスとしてのアルゴンと活性ガスとしての酸素との混合ガスであり、酸素は10%程度の容量パーセント濃度になっている。圧縮されたアシストガスは、ホース3fを介してガス供給ノズル3内に供給され、ガス供給ノズル3の先端3dから噴射される。ガス供給ノズル3は、軸部3a,3bを支点にして回転軸線C回りに傾動し、レーザ光Lの光軸LSに対するガス供給ノズル3の傾き角度α(図5参照)が小さいと、ガス供給ノズル3の管軸線NSは鉛直に近づき、傾き角度α(図5参照)が大きいと、ガス供給ノズル3の管軸線NSは水平に近づく。
図1及び図3に示すように、レーザヘッド2の上端部には、支柱部2eを介してマニピュレータ(レーザ走査部)12の可動アーム部12aが固定されている。マニピュレータ12は、可動アーム部12aを移動させることで、レーザヘッド2をX軸方向に移動させる。板材Wを載せる溶接台(ワーク支持部)13上には、二枚の板材Wを重ね合わせた状態で載せられる。レーザヘッド2は、二枚の板材Wが重なる箇所における直線状の接合予定線SSに向けてレーザ光Lを照射し、マニピュレータ12の作動によって溶接台13上で直線的に移動する。このレーザヘッド2の移動に伴い、レーザ光Lの照射部Sは、接合予定線SSに沿って走査される。そして、レーザ光Lの照射部Sが通過した後には、レーザ溶接部LJが形成される。
図3に示すように、レーザ溶接装置1Aは、バスを介して接続されたCPU14、ROM16及びRAM17等によって構成される主制御処理部18を有する。CPU14は、マニピュレータ12、レーザ発振部2b、第1〜第3リニアアクチュエータ4〜6の各サーボモータ、傾動サーボモータ8及びロータリーエンコーダ11に有線もしくは無線によって信号送受信可能に接続されている。CPU14は、レーザ溶接装置1A全体の動作制御を行い、特に、レーザ光Lの照射強度及びレーザ走査速度を制御するレーザ走査制御部14aと、ガス供給ノズル3の可動を制御するノズル制御部14bとを有する。レーザ走査制御部14aは、レーザ発振部2bに対してレーザ光Lの照射強度を設定する照射強度設定信号及びレーザ光Lの照射開始と停止に関するON/OFF信号を出力し、さらに、マニピュレータ12に対してレーザ走査速度を設定する速度設定信号、レーザ走査開始信号及びレーザ走査停止信号を出力する。また、ノズル制御部14bは、第1〜第3リニアアクチュエータ4〜6の各サーボモータ及び傾動サーボモータ8にガス供給ノズル3を可動させる傾き角信号及び補正信号を出力する。なお、CPU14は、ガス供給ノズル3に供給されるアシストガスの流路を開閉する制御弁(図示省略)にも信号送受信可能に接続されており、制御弁に対する開閉信号をも出力する。
CPU14には、操作部としてのタッチパネル19が信号送受信可能に接続されている。タッチパネル19の液晶画面上には、レーザ溶接の初期条件やレーザ溶接の開始を指示するためタッチ部が表示されている。タッチパネル19は、液晶画面上における作業者の指が触れた位置を検出し、その位置情報に基づく初期設定信号を出力する。CPU14には、タッチパネル19から出力された初期設定信号が入力され、CPU14は、初期設定信号に応じた制御を実行するために、レーザヘッド2、マニピュレータ12、ノズルアクチュエータ9に対して各種信号を出力する。
(レーザ溶接方法)
レーザ溶接装置1Aを用いたレーザ溶接方法について説明する。レーザ溶接を行う場合には、図1に示すように、レーザヘッド2から照射されるレーザ光Lの照射部Sを板材Wの接合予定線SSに合わせ、その照射部Sを、接合予定線SSに沿って所定の速度で移動させることでレーザ走査を行う。また、レーザ走査と共に、レーザ光Lの照射部Sに向けてガス供給ノズル3からアシストガスGを噴射させ、照射部Sの周囲に一定の雰囲気を作り出す。一定の雰囲気が形成されることにより、照射部Sでの溶接状態は一定に保たれ、溶接精度が向上する。特に、アシストガスGが酸素を含有している場合、照射部Sにおける板材Wの溶融部分には、酸化物膜が形成される。酸化物膜の形成によってレーザ光Lが吸収され易くなり、照射部Sにおける溶接深さを深くし易くなる。このように、レーザ光LとアシストガスGとの協働により、板材Wに対するレーザ溶接が行われる。
また、本発明に係る発明者は、レーザ光Lの光軸LSに対するガス供給ノズル3の傾き角度が小さければ溶接深さが深くなり、大きければ浅くなるという相関関係を知見した。例えば、図5及び図6に示すように、傾き角度αが“30°”の場合の溶接深さ“d1”に対して、傾き角度αが“60°”の場合の溶接深さ“d2”は、約1/2であり、傾き角度αが“60°”の場合の方が浅くなる。そして、本実施形態に係るレーザ溶接方法では、この相関関係に基づき、照射部Sにおいて溶接深さを“d1”にする場合には、レーザ光Lの光軸LSに対するガス供給ノズル3の傾き角度αを“30°”にし、照射部Sにおける溶接深さを“d1”よりも浅い“d2”にする場合には、ガス供給ノズル3の傾き角度αを“60°”にすることで溶接深さの制御を行う。
このレーザ溶接方法によれば、レーザ光Lの照射強度やレーザ走査速度を一定に保ったまま、照射部Sにおける溶接深さを変更することができる。その結果として、CPU14は、照射部Sの溶接深さを変更する場合に、ノズルアクチュエータ9のみに対する設定変更のための演算処理で足り、レーザヘッド2やマニピュレータ12に対するレーザ光Lの照射強度やレーザ走査速度の設定変更のための演算処理が不要となり、演算処理のプログラムが簡略化されてCPU14の負荷が軽減され、照射部Sにおける溶接深さの制御が容易になる。
続いて、図1〜図3、図5及び図7を参照してレーザ溶接の開始から終了までの手順を説明する。作業者は、タッチパネル19を用いて、例えば、溶接深さ“d1”のレーザ溶接を開始する操作を行う。すると、タッチパネル19から目標傾き角度として“30°”に対応する目標傾き角信号及び溶接条件を設定する初期設定信号が出力され、目標傾き角信号及び初期設定信号がCPU14に入力される(S1)。CPU14のノズル制御部14bは、タッチパネル19から出力された目標傾き角信号に基づいて、ノズルアクチュエータ9に傾き角信号を出力する(S2)。すると、ノズルアクチュエータ9が作動し、ガス供給ノズル3の先端3dを照射部Sに指向させ、且つ、レーザ光Lの光軸LSに対して“30°”の傾き角度αとなる初期設定位置までガス供給ノズル3を可動させる(S3)。ノズルアクチュエータ9は、初期設定位置でガス供給ノズル3の傾動を停止させ、その位置でガス供給ノズル3を保持する。
その後、CPU14のレーザ走査制御部14aは、タッチパネル19から出力された初期設定信号に基づいて、レーザ発振部2bに対して、レーザ光Lの照射強度を設定する照射強度設定信号及びレーザ光Lの照射を開始させるON信号を出力し、マニピュレータ12に対してレーザ走査速度を設定する速度設定信号及びレーザ走査開始信号を出力する。さらに、CPU14は、ガス供給ノズル3からアシストガスを噴射させるために、制御弁(図示省略)に開信号を出力する(S4)。レーザヘッド2のレーザ発振部2bは、照射強度設定信号及びON信号が入力されると、照射強度設定信号に応じた照射強度でレーザ光Lの照射を行う。さらに、マニピュレータ12は、速度設定信号及びレーザ走査開始信号が入力されると、速度設定信号に基づく定速度で、レーザ走査を開始する。さらに、制御弁は、開信号が入力されるとアシストガスの流路を開放し、ガス供給ノズル3からアシストガスを噴射させる。
レーザ走査の開始後、CPU14のノズル制御部14bは、ロータリーエンコーダ11から出力されるガス供給ノズル3の傾き角度に関する情報を取得し(S5)、取得した傾き角度と目標傾き角度“30°”との差の絶対値である偏差を演算する(S6)。その後、CPU14は、板材Wの接合予定線SSの終点に達したか否かによって、溶接終了条件の成否を判定する(S7)。溶接終了条件が不成立の場合、CPU14は、ステップ6で演算した偏差が所定の範囲に含まれるか否かを判定し、所定の範囲外であれば偏差有りと判定し、所定の範囲内であれば偏差無しと判定する。
偏差無しと判定する場合には、ステップ5に戻り、再度、ロータリーエンコーダ11から出力されるガス供給ノズル3の傾き角度αに関する情報を取得する。一方、偏差有りと判定する場合、CPU14のノズル制御部14bは、偏差が“0”に近づくように、ガス供給ノズル3を傾動させるための補正信号を傾動サーボモータ8に対して出力する(S9)。傾動サーボモータ8は、補正信号に基づいて駆動し、ガス供給ノズル3を傾動させる。その後、ステップ5に戻り、再度、ロータリーエンコーダ11から出力されるガス供給ノズル3の傾き角度αに関する情報を取得する。
レーザ溶接装置1Aは、レーザ走査中において、ステップ5〜ステップ10までの各処理を繰り返し実行し、ガス供給ノズル3の傾き角度αが目標傾き角度からズレている場合には、CPU14が傾動サーボモータ8に対して補正信号を出力し、ガス供給ノズル3を傾動させて自動的に補正する(図4参照)。そして、レーザ光Lの照射部Sが板材Wの接合予定線SSの終端まで達すると、CPU14のレーザ走査制御部14aは、溶接終了条件が成立すると判定し(S7)、レーザ発振部2bに対して、レーザ光Lの照射を停止させるOFF信号を出力し、マニピュレータ12に対してレーザ走査停止信号を出力する。さらに、アシストガスGの噴射を停止するために、制御弁(図示省略)に閉信号を出力する。レーザ発振部2bは、OFF信号が入力されると、レーザ光Lの照射を停止し、マニピュレータ12は、レーザ走査停止信号が入力されるとレーザヘッド2の移動を停止させてレーザ走査を停止する。さらに、制御弁は、閉信号が入力されると、アシストガスGの流路を閉鎖してアシストガスGの噴射を停止させる(S11)。レーザ光Lの照射停止、レーザ走査停止及びアシストガスの噴射停止によってレーザ溶接は終了する。
レーザ溶接装置1Aによれば、レーザ光Lの照射部Sにおける溶接深さを深くする場合には、レーザ光Lの光軸LSに対するガス供給ノズル3の傾き角度αが小さくなるようにガス供給ノズル3を傾動させ、溶接深さを浅くする場合には、レーザ光Lの光軸LSに対するガス供給ノズル3の傾き角度αが大きくなるようにガス供給ノズル3を傾動させることができるため、レーザ強度や溶接速度を変更することなく、照射部Sの溶接深さを容易に制御することができる。
また、レーザ溶接時において、レーザ光Lの光軸LSに対するガス供給ノズル3の傾き角度αが目標傾き角度からずれても自動的に補正されるため、レーザ光Lの照射部Sの溶接深さが目標となる深さからズレ難くなり、溶接精度が向上する。特に、レーザ光Lの光軸LSに対するガス供給ノズル3の傾き角度αが目標傾き角度からズレた場合の自動補正を、傾動サーボモータ8のみを駆動して、光軸LSを含む平面PLに対し直交する一つの回転軸線C回りにガス供給ノズル3を傾動させることで実行できるため、自動補正のための演算を行うCPU14の負荷が軽減される。
[第2の実施の形態]
第2の実施形態に係るレーザ溶接装置1Bは、図1〜図4に示す第1の実施形態に対して、レーザヘッド2が固定アーム部22に取り付けられている点及びマニピュレータ12の代わりに送り装置21を有する点で異なる。そこで、送り装置21を中心に説明し、その他の構成は、第1の実施形態と同一の符号を記して説明を省略する。
図8に示すように、送り装置21は、板材Wを載せる溶接用送り台(ワーク支持台)21aと、溶接用送り台21aを一定速度で直線移動させる送り台駆動部(レーザ走査部)21bとを有する。送り台駆動部21bは、CPU14に信号送受信可能に接続されている。CPU14から出力されたレーザ走査開始信号が送り台駆動部21bに入力されると、送り台駆動部21bは、レーザヘッド2に対して溶接用送り台21aを相対的に移動させる。レーザ溶接装置1Bでは、レーザヘッド2の代わりに、溶接用送り台21aを移動させることで、レーザ走査を行う。
本発明は、上記の各実施形態に限定されない。例えば、溶接用熱源としてCOレーザを用いても良い。また、傾き角検出部は、アブソリュート型のロータリーエンコーダに限定されず、インクリメンタル型のロータリーエンコーダやポテンショメータであってもよく、操作部はタッチパネルに限定されず、押しボタンスイッチやロータリースイッチ等を備えた操作パネルであってもよい。
本発明に係るレーザ溶接装置の第1実施形態を示す斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 レーザ溶接装置のブロック図である。 ガス供給ノズルの傾き角度のズレを自動補正する主構成要素を示すブロック図である。 レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度を示し、(a)は傾き角度“30°”の場合を示す図であり、(b)は傾き角度“60°”の場合を示す図である。 レーザ光の光軸に対するガス供給ノズルの傾き角度に対するレーザ光の照射部における溶接深さを示し、(a)は傾き角度“30°”の場合を示す図であり、(b)は傾き角度“60°”の場合を示す図である。 レーザ溶接の手順を示すフローチャートである。 本発明に係るレーザ溶接装置の第2実施形態を示すブロック図である。
符号の説明
1A,1B…レーザ溶接装置、2…レーザヘッド、3…ガス供給ノズル、8…傾動サーボモータ、9…ノズルアクチュエータ、11…ロータリーエンコーダ(傾き角検出部)、12…マニピュレータ(レーザ走査部)、13…溶接台(ワーク支持台)、14…CPU、14b…ノズル制御部、19…タッチパネル(操作部)、21…送り装置、21a…溶接用送り台(ワーク支持部)、21b…送り台駆動部(レーザ走査部)、W…板材(被溶接体)、L…レーザ光、LS…光軸、S…照射部、G…アシストガス、PL…平面、C…回転軸。

Claims (4)

  1. 被溶接体に照射したレーザ光と、ガス供給ノズルによって前記レーザ光の照射部に向けて斜めから噴射される活性ガス含有のアシストガスとの協働により、前記被溶接体の溶接を行うレーザ溶接方法であって、
    前記レーザ光の光軸に対する前記ガス供給ノズルの傾き角度を小さくすることにより、前記照射部における溶接深さを深くし、前記光軸に対する前記ガス供給ノズルの傾き角度を大きくすることにより、前記照射部における溶接深さを浅くすることを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 被溶接体にレーザ光を照射するレーザヘッドと、
    前記レーザヘッドに取り付けられ、前記レーザ光の光軸を含む平面上で傾動し、且つ前記レーザ光の照射部に向けて斜めから、不活性ガスと活性ガスとを混合させたアシストガスを噴射するガス供給ノズルと、
    前記ガス供給ノズルを所定の傾き角度になるまで可動させるノズルアクチュエータと、
    前記照射部の溶接深さを深くする場合、前記光軸に対する前記ガス供給ノズルの傾き角度が小さくなるように前記ガス供給ノズルを可動させ、前記溶接深さを浅くする場合、前記光軸に対する前記ガス供給ノズルの傾き角度が大きくなるように前記ガス供給ノズルを可動させる傾き角信号を前記ノズルアクチュエータに出力するノズル制御部とを有することを特徴とするレーザ溶接装置。
  3. 前記被溶接体を支持するワーク支持台と、
    前記レーザ光が前記被溶接体に沿って走査するように、前記レーザヘッドと前記ワーク支持台とを相対的に移動させるレーザ走査部と、
    前記ノズル制御部に前記ガス供給ノズルの目標傾き角度を入力させる操作部と、
    前記ガス供給ノズルの前記傾き角度を検出する傾き角検出部と、を更に備え、
    前記ノズル制御部は、前記操作部から出力された前記目標傾き角度と前記傾き角検出部によって検出された前記傾き角度との偏差を演算し、前記偏差を有する場合には、前記偏差が小さくなるように前記ガス供給ノズルを可動させる補正信号を前記ノズルアクチュエータに出力することを特徴とする請求項2記載のレーザ溶接装置。
  4. 前記ノズルアクチュエータは、前記光軸を含む平面に対し直交する回転軸線回りに前記ノズルアクチュエータを傾動させる傾動サーボモータを有し、前記傾動サーボモータは、前記ノズル制御部から出力された前記補正信号に基づいて、前記ガス供給ノズルを傾動させることを特徴とする請求項3記載のレーザ溶接装置。
JP2006076726A 2006-03-20 2006-03-20 レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置 Pending JP2007253158A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006076726A JP2007253158A (ja) 2006-03-20 2006-03-20 レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006076726A JP2007253158A (ja) 2006-03-20 2006-03-20 レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007253158A true JP2007253158A (ja) 2007-10-04

Family

ID=38627914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006076726A Pending JP2007253158A (ja) 2006-03-20 2006-03-20 レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007253158A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101491861B (zh) * 2008-11-28 2012-11-21 深圳市大族激光科技股份有限公司 焊接保护气装置
JP2017039141A (ja) * 2015-08-18 2017-02-23 鹿島建設株式会社 溶接装置
CN108500452A (zh) * 2017-02-24 2018-09-07 宝山钢铁股份有限公司 一种激光焊接自跟随保护气体喷吹系统
WO2023171251A1 (ja) * 2022-03-09 2023-09-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーザ加工装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05208291A (ja) * 1992-01-31 1993-08-20 Amada Co Ltd レーザ溶接装置のアシストガス噴射制御方法および装置
JPH07136791A (ja) * 1993-11-16 1995-05-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アシストガス利用のレーザ溶接装置
JPH09323188A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Nkk Corp レーザ溶接方法
JPH1085974A (ja) * 1996-09-19 1998-04-07 Denso Corp レーザ溶接方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05208291A (ja) * 1992-01-31 1993-08-20 Amada Co Ltd レーザ溶接装置のアシストガス噴射制御方法および装置
JPH07136791A (ja) * 1993-11-16 1995-05-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd アシストガス利用のレーザ溶接装置
JPH09323188A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Nkk Corp レーザ溶接方法
JPH1085974A (ja) * 1996-09-19 1998-04-07 Denso Corp レーザ溶接方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101491861B (zh) * 2008-11-28 2012-11-21 深圳市大族激光科技股份有限公司 焊接保护气装置
JP2017039141A (ja) * 2015-08-18 2017-02-23 鹿島建設株式会社 溶接装置
CN108500452A (zh) * 2017-02-24 2018-09-07 宝山钢铁股份有限公司 一种激光焊接自跟随保护气体喷吹系统
WO2023171251A1 (ja) * 2022-03-09 2023-09-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーザ加工装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5114874B2 (ja) レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置
US11192204B2 (en) Laser machining system including laser machining head and imaging device
CN111971144B (zh) 激光焊接方法
JP4020099B2 (ja) レーザ加工方法
JP2006007237A (ja) レーザ溶接用ワーククランプ装置
KR20140141332A (ko) 원주 및 플랜지 자동용접장치
JP2008087028A (ja) レーザ溶接装置
JP5353181B2 (ja) 溶接ワイヤ送給装置及びレーザ・アークハイブリッド溶接装置
JP2008238209A (ja) レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置
JP2007253158A (ja) レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置
JP5645687B2 (ja) レーザ加工装置、及びレーザ加工方法
JP4861738B2 (ja) レーザ溶接装置
JP5249638B2 (ja) レーザ・アーク溶接方法及びレーザ・アーク複合溶接装置
JP2009255461A (ja) プラスチックフィルムの溶着装置および溶着方法
JP2000317666A (ja) レーザ溶接装置
JP2004306057A (ja) レーザ溶接装置
JP5061640B2 (ja) レーザ溶接装置、レーザ溶接方法
JP2011125877A (ja) レーザ加工方法及び装置
JPH03180294A (ja) レーザ切断加工機
JP3726774B2 (ja) レーザ溶接装置
JP2005138126A (ja) 溶接システム
JP3526175B2 (ja) レーザ加工装置
JP2004243403A (ja) レーザービーム溶接装置及びレーザービーム溶接方法
JP2005262311A (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
JP2007253216A (ja) レーザ溶接用ガス供給ノズル及びレーザ溶接装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101020

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101116