JP2007252721A - 生分解性靴中敷 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生分解性であるため廃棄に問題がなくかつ製造方法が簡単で廉価な生分解性の靴中敷を提供する。また、抗菌・消臭性能を付与する。
【解決手段】 パルプを主体とした原紙に生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンを一定含有率以上になるように含浸し湿潤抗張力を一定以上とする。また、少量の銀を結合させた繊維状CMCを原紙に含有させる。
【選択図】 なし
【解決手段】 パルプを主体とした原紙に生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンを一定含有率以上になるように含浸し湿潤抗張力を一定以上とする。また、少量の銀を結合させた繊維状CMCを原紙に含有させる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、セルロースパルプを主体とする紙に生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンを含浸するという簡便な製造方法でかつ廉価な含浸紙の用途である靴中敷に関する。
従来、靴中敷は、合成樹脂製のラバー、織布、編物、あるいは不織布を主材料として、通常これらを多層に積層して作製されている。靴中敷を使用する目的は靴の履き心地を改善することにあり、具体的目標としては疲れ難いこと、通気性があること、汗を吸収し易いこと、汗の放出に伴う菌や黴の繁殖に基づく悪臭発生を防止すること等がある。従って、これらの目的を達成するための性能が付与されている。
また、靴中敷は一定期間使用後には廃棄される。しかしながら、廃棄後に埋め立て処分されても主原料が非生分解性樹脂であるため、分解されず長期間そのままの形態で残存することになる。焼却処分されることもあるが、焼却の際に有害ガスが発生するものもある。
近年、微生物により生分解する生分解性樹脂の開発が進み、フィルム、繊維あるいは成型品として各種用途に用いられてきている。そして、生分解性樹脂を主原料として作製される靴中敷も知られている(特許文献1〜4)。しかしながら、これらは生分解性繊維を主材料とする織物、編物、若しくは不織布並びにこれらの積層体である。
また、生分解性樹脂シートからなる靴中敷も知られている(特許文献5)。しかしながら、樹脂シート単独では履き心地が不十分であるため、表面を不織布で覆って使用される。
特開2000−313082号公報
特開2004−41384号公報
特開2004−41385号公報
特開2004−49725号公報
特開平9−234101号公報
また、生分解性樹脂シートからなる靴中敷も知られている(特許文献5)。しかしながら、樹脂シート単独では履き心地が不十分であるため、表面を不織布で覆って使用される。
ところで、紙に樹脂エマルジョンを含浸して得られる含浸紙は紙の各種物性を向上させる手段として広く用いられている。具体的な強度物性としては乾湿抗張力、破裂度、層間剥離強度、耐折度、耐磨耗性等がある。そして、樹脂エマルジョンを含浸してこの物性を向上させた各種用途の含浸紙が生産されている。
これらに用いられる樹脂の素材としては、(メタ)アクリル酸エステル系重合体及びそれとスチレン、アクリロニトリル、あるいは酢酸ビニルとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、SBR,MBR,NBR等及び含浸剤の一部として天然ゴムが用いられてきた。しかしながら、これらの樹脂エマルジョンを用いた製品の主原料は非生分解性であるため、使用後廃棄されても分解しない。
近年、生分解性樹脂からなるエマルジョンが開発されてきた。そしてこれを用いた含浸紙も検討されている。
具体的例として、農業用マルチシート(特許文献6〜7)及びクリーンペーパー(特許文献8)がある。また、強度向上方法のひとつとして生分解性樹脂エマルジョンに脂肪族ポリイソシアネート化合物を配合する方法が提案されている(特許文献9)。しかしながら、これらではいずれも靴中敷については言及されていない。
特開平7−123876号公報
特開2000−191930号公報
特開2005−281921号公報
特開2002−371259号公報
本発明の目的は紙に生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンを含浸するという簡便な製造方法でかつ廉価な生分解性の含浸紙からなる靴中敷を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、パルプを主体とした原紙に生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンを一定含有率以上になるように含浸し湿潤抗張力を一定以上とすることにより課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第一は、パルプを主体とした原紙に生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンを含浸紙に対し固形分が20重量%以上になるように含浸し湿潤抗張力を8KN/m以上とした生分解性の靴中敷、である。
本発明の第二は、銀を結合させた繊維状CMCをパルプに内添して抄紙した原紙である、前記の靴中敷である。
本発明は、パルプを主体とした原紙に生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンを固形分が20重量%以上となるように含浸し湿潤抗張力を8KN/m以上とすることにより、靴中敷としての実用強度を有し、更に使用後には微生物による生分解可能という効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、含浸される原紙の繊維素材はセルロースパルプを主体としてこれに生分解性の化学繊維(レーヨン)や合成繊維(ポリ乳酸繊維等)を含んでもよい。これらは含浸紙の引裂度や柔軟性等を改善する目的で用いられるが、多量に用いると抗張力が低下する。またコスト的にも不利となる。原紙中の全繊維素材に対し30重量%以下が好ましい。セルロースパルプとしては具体的にはLBKP、NBKP、LBSP、あるいはNBSPが強度等の物性及び地合のバランスをとり混合して用いられる。そして強度確保の目的から、全パルプに対しNBKPを2割以上含むことが好ましい。更にセルロースパルプを叩解して用いることが好ましい。
本発明において、含浸される原紙の繊維素材はセルロースパルプを主体としてこれに生分解性の化学繊維(レーヨン)や合成繊維(ポリ乳酸繊維等)を含んでもよい。これらは含浸紙の引裂度や柔軟性等を改善する目的で用いられるが、多量に用いると抗張力が低下する。またコスト的にも不利となる。原紙中の全繊維素材に対し30重量%以下が好ましい。セルロースパルプとしては具体的にはLBKP、NBKP、LBSP、あるいはNBSPが強度等の物性及び地合のバランスをとり混合して用いられる。そして強度確保の目的から、全パルプに対しNBKPを2割以上含むことが好ましい。更にセルロースパルプを叩解して用いることが好ましい。
本発明において、原紙抄造時に湿潤紙力剤を内添することが好ましい。これは含浸時に原紙の紙切れを起こさないことを目的としており、通常、固形分で対パルプ当たり0.3重量%以上とするが、含浸後の湿潤抗張力を確保するために、好ましくは対パルプ当たり0.5重量%以上、更に好ましくは1.0重量%以上添加する。
本発明において、用いられる湿潤紙力剤としてはポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン、キトサン、ポリビニルアミン等がある。
本発明において、湿潤紙力剤以外にアニオン性の乾燥紙力剤を添加してもよい。具体的にはCMCやアニオン性のアクリルアミド系樹脂がある。通常、固形分で対パルプ当たり1重量%以下で用いられる。
本発明において、抄紙する原紙の坪量は含浸後の中敷にクッション性と一定以上の湿潤抗張力を持たせるために300g/m2以上とするのが好ましい。
本発明において、靴中敷に着色しても良い。原紙の段階で着色する場合は顔料あるいは染料を原料調成の段階で添加する。含浸の段階で添加することも出来る。
本発明において、消臭・抗菌性を付与する場合は銀を担持させた繊維状CMCを用いる。
銀は少量で消臭・抗菌性を発揮するので、含浸紙の強度物性に悪影響を及ぼさない。繊維状CMCの添加量は用いられる銀の量及びCMCのエーテル化度にもよるが通常、原紙の全繊維素材に対し5重量%以下でよい。
銀は少量で消臭・抗菌性を発揮するので、含浸紙の強度物性に悪影響を及ぼさない。繊維状CMCの添加量は用いられる銀の量及びCMCのエーテル化度にもよるが通常、原紙の全繊維素材に対し5重量%以下でよい。
銀を繊維状CMCに担持させる方法を以下に示す。先ず、水溶性の銀化合物を水に溶解する。次に繊維状CMCを水に分散させる。この分散液に銀溶液を加えて室温で10分程度攪拌する。銀の含有率は含浸紙固形分に対し0.1%以下で十分である。
本発明に用いられる生分解性樹脂エマルジョンとは、生分解性脂肪族ポリエステルのエマルジョンであり、具体的にはポリブチレンサクシネート系、ポリカプロラクトン系、ポリ乳酸系等のエマルジョンがある。ポリ乳酸系樹脂は単独では比較的硬い樹脂であるので、柔軟性をもたせるためにこれと生分解性の可塑剤あるいは低Tgの生分解性樹脂との混合物エマルジョンが市販されている。含浸時にはこれらの生分解性樹脂エマルジョンを単独または混合して用いる。また、生分解性の可塑剤エマルジョンを含浸時に混合して用いてもよい。
靴中敷としての実用強度を確保するためには、含浸に用いる生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンの量を含浸紙中の固形分が20重量%以上となるようにし、湿潤抗張力を8KN/m以上とする必要がある。含浸率が高くなれば強度物性は向上するが含浸性が悪くなり生産性が低下し、またコストアップになるので40重量%以下が好ましい。
靴中敷としての実用強度を確保するためには、含浸に用いる生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンの量を含浸紙中の固形分が20重量%以上となるようにし、湿潤抗張力を8KN/m以上とする必要がある。含浸率が高くなれば強度物性は向上するが含浸性が悪くなり生産性が低下し、またコストアップになるので40重量%以下が好ましい。
本発明において、含浸剤にはサイズ剤を添加することが好ましい。市販の生分解性樹脂エマルジョンは含浸後に含浸紙にサイズ度が付与されないものが多い。このため、サイズ剤を加えてサイズ度を付与する。サイズ剤としては、ワックス系のサイズ剤が用いられる。具体的にはパラフィン系、マイクロクリスタリン系、カルナウバワックス系、あるいはAKD系のサイズ剤が好ましい。しかしながら、他のサイズ剤を用いてもよい。
本発明における含浸方法には、ディッピング法、サイズプレス法あるいは塗布含浸法等がある。そして含浸工程は抄紙機とインラインであっても良いし、抄紙後のオフラインであっても良い。
本発明において、靴中敷にエンボスを付与しても良い。エンボスは抄紙工程中、含浸工程中あるいは含浸工程後に行うことが出来る。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中の測定値は以下の方法によった。
1)湿潤抗張力:JISP-8135 浸漬時間1時間
2)抗菌性:JISL-1902 菌液吸収法
3)消臭性:5cm角の試料を容器に入れ、これに悪臭成分を一定濃度になるように投入含有させ、初期及び二時間後の容器内の濃度を検知管を用いて測定した。
なお、実施例中の測定値は以下の方法によった。
1)湿潤抗張力:JISP-8135 浸漬時間1時間
2)抗菌性:JISL-1902 菌液吸収法
3)消臭性:5cm角の試料を容器に入れ、これに悪臭成分を一定濃度になるように投入含有させ、初期及び二時間後の容器内の濃度を検知管を用いて測定した。
実施例1
パルプ配合をNBKP/LBKP=2/8として600mlCSFに叩解したパルプに湿潤紙力剤(荒川化学工業製AF-255)を対パルプ当たり0.5重量%添加して坪量400g/m2の手漉紙を得た。この手漉紙にポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬製プラセマL110)/可塑剤エマルジョン(第一工業製薬製サプラセマPCZ)/ワックスサイズ(荒川化学工業製SPW-116H)=(固形分比)100/30/3の配合のエマルジョンを含浸率25重量%になるように含浸し熱風乾燥機で100℃にて20分乾燥した。その後120℃×3分熱処理した。
この含浸紙の湿潤抗張力は12.7KN/mであった。この含浸紙を靴中敷形状に裁断しスニーカーシューズに挿入し毎日8時間1ヶ月間履いたが、表面・裏面の繊維の剥がれ及び割れ、並びに裁断した靴中敷の周辺の切れ等の欠点の発生はなかった。
パルプ配合をNBKP/LBKP=2/8として600mlCSFに叩解したパルプに湿潤紙力剤(荒川化学工業製AF-255)を対パルプ当たり0.5重量%添加して坪量400g/m2の手漉紙を得た。この手漉紙にポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬製プラセマL110)/可塑剤エマルジョン(第一工業製薬製サプラセマPCZ)/ワックスサイズ(荒川化学工業製SPW-116H)=(固形分比)100/30/3の配合のエマルジョンを含浸率25重量%になるように含浸し熱風乾燥機で100℃にて20分乾燥した。その後120℃×3分熱処理した。
この含浸紙の湿潤抗張力は12.7KN/mであった。この含浸紙を靴中敷形状に裁断しスニーカーシューズに挿入し毎日8時間1ヶ月間履いたが、表面・裏面の繊維の剥がれ及び割れ、並びに裁断した靴中敷の周辺の切れ等の欠点の発生はなかった。
比較例1
実施例1において、エマルジョンの含浸率を15重量%にした以外は同じ方法で手漉及び含浸を行い含浸紙を得た。この含浸紙の湿潤抗張力は7.2KN/mであった。これを靴中敷形状に裁断しスニーカーシューズに挿入し毎日8時間1ヶ月間履いた後、観察したところ、裁断した靴中敷の周辺の一箇所に切れが発生していた。
実施例1において、エマルジョンの含浸率を15重量%にした以外は同じ方法で手漉及び含浸を行い含浸紙を得た。この含浸紙の湿潤抗張力は7.2KN/mであった。これを靴中敷形状に裁断しスニーカーシューズに挿入し毎日8時間1ヶ月間履いた後、観察したところ、裁断した靴中敷の周辺の一箇所に切れが発生していた。
実施例2
水に分散した繊維状CMCの固形分100重量部に対し10%硝酸銀水溶液を固形分で1重量部となるように添加して室温で10分間攪拌して銀を定着させた。パルプ配合をNBKP/LBKP=2/8として630mlCSFに叩解したパルプ100重量部に銀担持繊維状CMCを固形分で5重量部添加した。更に湿潤紙力剤(荒川化学工業製AF-255)を対パルプ当たり1.0重量%添加して坪量300g/m2の手漉紙を得た。この手漉紙にポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬製プラセマL110)/可塑剤エマルジョン(第一工業製薬製サプラセマPCZ)/ワックスサイズ(荒川化学工業製SPW-116H)=(固形分比)100/50/3の配合のエマルジョンを含浸率30重量%になるように含浸し熱風乾燥機で100℃にて20分乾燥した。その後120℃×3分熱処理した。この含浸紙の湿潤抗張力は9.2KN/m
であった。又、含浸紙中の銀の含有量は0.06重量%であった。この含浸紙を靴中敷形状に裁断しスニーカーシューズに挿入し毎日8時間1ヶ月間履いたが、表面・裏面の繊維の剥がれ及び割れ、並びに裁断した靴中敷の周辺の切れ等の欠点の発生はなかった。また、この含浸紙の悪臭除去性能及び静菌活性値はそれぞれ表1及び表2の通りであった。
水に分散した繊維状CMCの固形分100重量部に対し10%硝酸銀水溶液を固形分で1重量部となるように添加して室温で10分間攪拌して銀を定着させた。パルプ配合をNBKP/LBKP=2/8として630mlCSFに叩解したパルプ100重量部に銀担持繊維状CMCを固形分で5重量部添加した。更に湿潤紙力剤(荒川化学工業製AF-255)を対パルプ当たり1.0重量%添加して坪量300g/m2の手漉紙を得た。この手漉紙にポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬製プラセマL110)/可塑剤エマルジョン(第一工業製薬製サプラセマPCZ)/ワックスサイズ(荒川化学工業製SPW-116H)=(固形分比)100/50/3の配合のエマルジョンを含浸率30重量%になるように含浸し熱風乾燥機で100℃にて20分乾燥した。その後120℃×3分熱処理した。この含浸紙の湿潤抗張力は9.2KN/m
であった。又、含浸紙中の銀の含有量は0.06重量%であった。この含浸紙を靴中敷形状に裁断しスニーカーシューズに挿入し毎日8時間1ヶ月間履いたが、表面・裏面の繊維の剥がれ及び割れ、並びに裁断した靴中敷の周辺の切れ等の欠点の発生はなかった。また、この含浸紙の悪臭除去性能及び静菌活性値はそれぞれ表1及び表2の通りであった。
比較例2
パルプ配合をNBKP/LBKP=2/8として630mlCSFに叩解したパルプ90重量部に繊維状CMC10重量部を混合し、この混合物100重量部に対し10%硫酸銅水溶液を固形分で1重量部となるように添加して室温で10分間攪拌して銅を定着させた。更に湿潤紙力剤(荒川化学工業製AF-255)を対パルプ当たり1.0重量%添加して坪量340g/m2の手漉紙を得た。この手漉紙にポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬製プラセマL110)/可塑剤エマルジョン(第一工業製薬製サプラセマPCZ)/ワックスサイズ(荒川化学工業製SPW-116H)=(固形分比)100/50/3の配合のエマルジョンを含浸率35重量%になるように含浸し熱風乾燥機で100℃にて20分乾燥した。その後120℃×3分熱処理した。この含浸紙の湿潤抗張力は6.1KN/mであった。この含浸紙を靴中敷形状に裁断しスニーカーシューズに挿入し毎日8時間1ヶ月間履いたところ、表面及び裏面にそれぞれ1箇所ずつの割れが発生し、更に裁断した靴中敷の周辺に2箇所の切れが発生していた。
パルプ配合をNBKP/LBKP=2/8として630mlCSFに叩解したパルプ90重量部に繊維状CMC10重量部を混合し、この混合物100重量部に対し10%硫酸銅水溶液を固形分で1重量部となるように添加して室温で10分間攪拌して銅を定着させた。更に湿潤紙力剤(荒川化学工業製AF-255)を対パルプ当たり1.0重量%添加して坪量340g/m2の手漉紙を得た。この手漉紙にポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬製プラセマL110)/可塑剤エマルジョン(第一工業製薬製サプラセマPCZ)/ワックスサイズ(荒川化学工業製SPW-116H)=(固形分比)100/50/3の配合のエマルジョンを含浸率35重量%になるように含浸し熱風乾燥機で100℃にて20分乾燥した。その後120℃×3分熱処理した。この含浸紙の湿潤抗張力は6.1KN/mであった。この含浸紙を靴中敷形状に裁断しスニーカーシューズに挿入し毎日8時間1ヶ月間履いたところ、表面及び裏面にそれぞれ1箇所ずつの割れが発生し、更に裁断した靴中敷の周辺に2箇所の切れが発生していた。
実施例3
パルプ配合をNBKP/LBKP=4/6として580mlCSFに叩解したパルプに湿潤紙力剤(荒川化学工業製AF-255)を対パルプ当たり1.0重量%添加して坪量500g/m2の手漉紙を得た。この手漉紙にポリブチレンサクシネート系ポリエステルエマルジョン(昭和高分子製ビオノーレエマルジョンEM-301)/AKD系ワックスサイズ(荒川化学工業製SPK-920)=(固形分比)100/3の配合のエマルジョンを含浸率25重量%になるように含浸し熱風乾燥機で100℃にて20分乾燥した。その後130℃×3分熱処理した。
この含浸紙の湿潤抗張力は12.7KN/mであった。この含浸紙を靴中敷形状に裁断しゴルフシューズに挿入し5ラウンド履いたが、表面・裏面の繊維の剥がれ及び割れ、並びに裁断した靴中敷の周辺の切れ等の欠点の発生はなかった。
パルプ配合をNBKP/LBKP=4/6として580mlCSFに叩解したパルプに湿潤紙力剤(荒川化学工業製AF-255)を対パルプ当たり1.0重量%添加して坪量500g/m2の手漉紙を得た。この手漉紙にポリブチレンサクシネート系ポリエステルエマルジョン(昭和高分子製ビオノーレエマルジョンEM-301)/AKD系ワックスサイズ(荒川化学工業製SPK-920)=(固形分比)100/3の配合のエマルジョンを含浸率25重量%になるように含浸し熱風乾燥機で100℃にて20分乾燥した。その後130℃×3分熱処理した。
この含浸紙の湿潤抗張力は12.7KN/mであった。この含浸紙を靴中敷形状に裁断しゴルフシューズに挿入し5ラウンド履いたが、表面・裏面の繊維の剥がれ及び割れ、並びに裁断した靴中敷の周辺の切れ等の欠点の発生はなかった。
比較例3
実施例3において、ポリブチレンサクシネート系ポリエステルエマルジョン/AKD系サイズ剤=100/5の配合のエマルジョンを含浸率5.0%とした以外は同じ方法で手漉き及び含浸を行ない含浸紙を得た。これらの含浸紙の湿潤抗張力は7.4KN/mであった。
この含浸紙を靴中敷形状に裁断しゴルフシューズに挿入し1ラウンド履いたところ、靴中敷の表面及び裏面の繊維の剥がれが発生していた。
実施例3において、ポリブチレンサクシネート系ポリエステルエマルジョン/AKD系サイズ剤=100/5の配合のエマルジョンを含浸率5.0%とした以外は同じ方法で手漉き及び含浸を行ない含浸紙を得た。これらの含浸紙の湿潤抗張力は7.4KN/mであった。
この含浸紙を靴中敷形状に裁断しゴルフシューズに挿入し1ラウンド履いたところ、靴中敷の表面及び裏面の繊維の剥がれが発生していた。
Claims (2)
- パルプを主体とした原紙に生分解性樹脂エマルジョンあるいはこれと生分解性可塑剤エマルジョンを含浸紙に対し固形分が20重量%以上になるように含浸し、湿潤抗張力を8KN/m以上とした生分解性靴中敷。
- 銀を結合させた繊維状CMCをパルプに添加して抄紙した原紙である、請求項1に記載された生分解性靴中敷。
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JP2006082490A JP2007252721A (ja) | 2006-03-24 | 2006-03-24 | 生分解性靴中敷 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013253330A (ja) * | 2012-06-05 | 2013-12-19 | Oji Holdings Corp | 加工用原紙 |
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2006
- 2006-03-24 JP JP2006082490A patent/JP2007252721A/ja active Pending
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