JP2007252525A - ミシン用テンプレート及びミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のミシン用テンプレートは、表示内容を変更できず、また編集処理後の模様を表示できないので利便性に欠ける。
【解決手段】 縫製作業前に、1枚のテンプレートで複数の縫目模様又は刺繍模様からなる模様の縫い位置や縫い上がり状態を視覚的に確認できる利便性に優れたミシン用テンプレート16が採用され、このミシン用テンプレート16は、種々の縫目模様又は刺繍模様からなる模様を表示可能な電子ペーパー18を備え、この電子ペーパー18を電気的に接続して制御する制御手段19を備え、電子ペーパー18には、模様以外に縫製基準線、縫製操作手順なども表示可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミシン用テンプレート及びミシンに関し、種々の縫目模様又は刺繍模様からなる模様を表示可能で表示内容を変更可能な表示手段を備えたミシン用テンプレートと、前記テンプレートとしての表示手段とこれを制御する制御手段を備えたミシンに関するものである。
従来、縫製作業前に、縫目模様又は刺繍模様からなる模様の加工布に対する縫い位置や縫い上がりイメージを事前に確認する場合、シートに予め模様や目盛り等が印刷されたテンプレートが用意され、このテンプレートを加工布上に乗せて加工布に対する縫目模様や刺繍模様の縫い位置や縫い上がりイメージの確認を行っている。また、パッチワークキルトなどを行う場合、所望の形状(四角や矩形)の布片を作成する為、シートに予め各種基線が表示されたテンプレートが使用され、このテンプレートを介して生地が所望の形状の布片に切断される。
例えば、特許文献1に記載の刺しゆう模様輪郭シートにおいては、半透明の厚手のシート(トレーシングペーパー)に、自動刺繍ミシンで実際に刺繍縫製される原寸大の刺繍模様(実物のカラー写真)と、その模様の縫い始点の位置指標を示す白丸と、模様の向きを示す基準線と、インデックスとが予め印刷されている。刺繍作業を開始する前に、先ず、布の上にチャコペーパー(転写紙)を乗せ、そのチャコペーパー上に前記シートを乗せて、シートに印刷された刺繍模様の基準線と、縫い始点と、刺繍模様の概要をなぞって布に基準線、縫い始点および模様を描く。その布を枠に装着する際、布に描かれた模様が枠の中央の位置なるように布を装着し、刺繍作業を開始する(1〜2頁,図1,図3)。
特許文献2に記載の刺繍布セット定規装置は、刺繍内枠と刺繍外枠とからなる刺繍枠と、透明な薄板で形成された布セット定規とで構成されている。内枠の上部に布セット定規を装着し、内枠の下側に刺繍すべき布を当接し、布セット定規の底部に設けられたゲージ部のゲージに刺繍すべき布の刺繍すべき箇所を正しく位置する如く案内して、外枠の内側に刺繍すべき布と内枠を保持させ固着する。刺繍すべき布が布セット定規を介して内枠と外枠との間に装着された内枠の開口部分の刺繍範囲にセットされる。(2頁,図1)
実公昭61−13589号公報 実公平4−7198号公報
特許文献1の刺繍模様輪郭シートでは、複数の模様の縫い位置や縫い上がりイメージを確認する場合、複数の模様に対して複数の刺繍模様輪郭シートを用意する必要があるので、1枚のシートで対応できず利便性に欠ける。また、ミシン本体の記憶装置等に予め記憶された複数の刺繍模様の中から所望する刺繍模様を選択し、更に、選択した刺繍模様の模様データを編集処理(拡大/縮小、配置変更、反転、色の変更、等々)して刺繍縫製を行う場合、この編集処理後の刺繍模様に対して当初の刺繍模様が表示されている刺繍模様輪郭シートは使用できないので、加工布に対する編集処理後の刺繍模様の実際の大きさ、色、縫い位置や縫い上がりイメージなどを視覚的に確認できない。そのため、実際に、加工布に対して刺繍縫製された刺繍模様が、作業者の意図しない刺繍模様になる虞がある。また、編集処理後の刺繍模様が刺繍枠の縫製可能領域内に縫製できなかったり、所望の位置に縫製できないという虞もある。
また、パッチワークキルトなどを行う場合に、所望の形状の布片を作成する為には、複数の縫製基準線(例えば、縦基線、横基線、傾斜角度の異なる斜め基線など)が表示されたテンプレートが使用される。しかし、このテンプレートには、種類の異なる基準線が数多く表示されているので、作業者にとっては、非常に使いにくいものになっている。また、このようなテンプレートでは予め決まった形状の布片を作成する場合にしか対応できないという問題がある。
特許文献2の刺繍布セット定規装置では、刺繍枠の種類毎に、布セット定規を複数用意する必要があるので、1つの刺繍布セット定規では対応できず、利便性に欠けるという問題がある。
本発明の目的は、縫製作業前に、1枚のテンプレートで複数の縫目模様や刺繍模様の縫い位置や縫い上がりイメージを視覚的に確認できる利便性に優れたミシン用テンプレートを提供すること、ミシン用テンプレートの表示手段に種々の縫目模様又は刺繍模様、あるいは縫製基準線等を表示させるように制御する制御手段を備えたミシンを提供することである。
請求項1のミシン用テンプレートは、少なくとも種々の縫目模様又は刺繍模様からなる模様を表示可能な表示手段を有し、前記表示手段に表示される表示内容を変更可能に構成したものである。縫製作業前に、ミシン用テンプレートの表示手段に種々の縫目模様又は刺繍模様からなる模様を表示可能で、この表示手段に表示される表示内容を変更可能であるので、1枚のミシン用テンプレートで加工布に対する所望の1つの模様や所望の複数の模様の縫い位置や縫い上がりイメージを視覚的に確認することができる。
請求項2のミシン用テンプレートは、請求項1の発明において、前記表示手段は、その裏側が視認可能な光透過性を有するものである。
請求項3のミシン用テンプレートは、請求項1又は2の発明において、前記表示手段は、この表示手段に供給される電源が切断されている状態においても電源切断前の表示内容を表示する電子ペーパーからなるものである。
請求項4のミシン用テンプレートは、請求項1〜3の何れかの発明において、前記表示手段は、カラー表示可能である。
請求項5のミシンは、前記テンプレートとしての表示手段を電気的に接続して前記表示手段を制御する制御手段を備えたミシンに関し、特に、縫目模様又は刺繍模様の模様データを記憶する記憶手段と、ミシン外部より縫目模様又は刺繍模様の模様データを入力可能な入力手段とを有し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記模様データか又は前記入力手段から入力される前記模様データに基づいて、前記表示手段に前記模様を表示させるように制御するものである。
このミシンにおいては、制御手段により、ミシン本体に電気的に接続されている表示手段が制御され、記憶手段に記憶されている模様データ又は入力手段により入力されたミシン外部からの模様データに基づいて、表示手段に種々の縫目模様又は刺繍模様を表示可能であるので、ミシン用テンプレートに複数の縫目模様又は刺繍模様のうちの所望の模様あるいは複数の所望の模様を表示することができる。
請求項6のミシンは、請求項5の発明において、前記模様データに対して編集処理を施す模様データ編集処理手段を有し、前記制御手段は、前記模様データ編集処理手段により編集処理を施した編集模様データに基づいて、前記表示手段に編集処理後の模様を表示させるように制御するものである。
請求項7のミシンは、請求項5又は6の発明において、前記制御手段は、縫製基準線、縫製基準マーク、又は文字、数字、記号の少なくとも何れかを前記表示手段に表示させるように制御するものである。
請求項8のミシンは、請求項5〜7の何れかの発明において、前記制御手段は、縫製手順を示す縫製手順説明情報を前記表示手段に表示させるように制御するものである。
請求項1のミシン用テンプレートによれば、少なくとも種々の縫目模様又は刺繍模様からなる模様を表示可能な表示手段を有し、表示手段に表示される表示内容を変更可能に構成したので、縫目模様又は刺繍模様の種類毎にテンプレートを用意する必要がなくなり、1枚のテンプレートで複数の模様のうちの所望の模様あるいは複数の模様を表示できるので、テンプレートとしての利便性を高めることができる。また、表示手段に表示された模様を加工布に合わせることで、模様の実際の大きさ、色、縫い位置や縫い上がりイメージなどを縫製前に視覚的に確認することができ、作業能率を高めることができる。
請求項2の発明によれば、その裏側が視認可能な光透過性を有するので、予め加工布上にチャコペン等で描かれた基準線や基準点をテンプレートを通して確実に視認できるので、模様の縫い位置を正確に確認することができる。
請求項3の発明によれば、表示手段に供給される電源が切断されている状態においても電源切断前の表示内容を表示する電子ペーパーからなるので、所望の模様を常時表示させておくことができる。また、電子ペーパーは、紙のように薄く且つ柔軟性に優れているので、テンプレートの操作性を高めることができる。
請求項4の発明によれば、表示手段は、カラー表示可能であるので、模様の色をリアルにテンプレートに表示することができる。
請求項5の発明によれば、縫目模様又は刺繍模様の模様データを記憶する記憶手段と、ミシン外部より縫目模様又は刺繍模様の模様データを入力可能な入力手段とを有し、制御手段は記憶手段に記憶される模様データか又は入力手段から入力される模様データに基づいて、表示手段に模様を表示させるように制御するので、ミシン用テンプレートの表示手段に種々の模様を表示することができる。また、模様の書換え時のみミシン本体に表示手段を接続すればよいので、テンプレートとしての利便性を高めることができる。
請求項6の発明によれば、模様データに対して編集処理を施す模様データ編集処理手段を有し、制御手段は、模様データ編集処理手段により編集処理を施した編集模様データに基づいて、表示手段に編集処理後の模様を表示させるように制御するので、編集処理後の模様の加工布に対する実際の大きさ、色、縫い位置や縫い上がりイメージなどを視覚的に確認することができる。
請求項7の発明によれば、制御手段は、縫製基準線、縫製基準マーク、又は文字、数字、記号の少なくとも何れかを表示手段に表示させるように制御するので、1枚のテンプレートで、作業者の必要に応じて、縫製基準線、縫製基準マーク、又は文字、数字、記号の何れかを表示させることができ、作業能率を高めることができる。
請求項8の発明によれば、制御手段は、縫製手順を示す縫製手順説明情報を表示手段に表示させるように制御するので、作業途中で取扱説明書等の縫製手順を見る必要もなく、縫製の作業能率を高めることができる。
本発明に係るミシン用テンプレートは、少なくとも種々の縫目模様又は刺繍模様からなる模様を表示可能な表示手段を有し、表示手段に表示される表示内容を変更可能に構成したものである。
本発明に係るミシンは、テンプレートとしての表示手段を電気的に接続して表示手段を制御する制御手段を備え、縫目模様又は刺繍模様の模様データを記憶する記憶手段と、ミシン外部より縫目模様又は刺繍模様の模様データを入力可能な入力手段とを有し、制御手段は、記憶手段に記憶されている模様データか又は入力手段から入力される模様データに基づいて、表示手段に模様を表示させるように制御するものである。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1に示すように、刺繍縫製可能な電子ミシンMは、家庭用の電子制御ミシンであり、ベッド部1と、ベッド部1の右端部から立設された脚柱部2と、脚柱部2の上端からベッド部1に対向するように左方へ延びるアーム部3を有する。ベッド部1の針板1aの下側には、送り歯(図示略)を上下動させる送り歯上下動機構(図示略)及び前後動させる送り歯前後動機構(図示略)と、下糸ボビンを収容し縫針4と協働して縫目を形成する全回転釜(図示略)と、糸切り機構(図示略)等が設けられている。
アーム部3には、ミシンモータ5(図2参照)で回転駆動されるミシン主軸(図示略)と、このミシン主軸を作業者により手動操作で回転させるハンドプーリ6と、縫針4が下端部に装着された針棒(図示略)を上下動させる針棒駆動機構(図示略)と、針棒を布送り方向と直交する方向に揺動させる針棒揺動機構(図示略)と、天秤(図示略)を針棒の上下動に調時して上下動させる天秤駆動機構(図示略)と、ミシン機枠に昇降可能に支持された押え棒7をミシン機枠に装備されたステッピングモータ(図示略)により上昇位置と下降位置とに亙って昇降駆動する昇降機構(図示略)などが設けられている。押え棒7の下端部には、針棒の上下運動に同期して加工布を間欠的に押える刺繍押え足8がビスで固定されている。
アーム部3の前面側には、縫製作業の起動と停止を指令する起動停止スイッチ9等が設けられている。脚柱部2の前面には、大型でカラーの液晶ディスプレイ10が設けられ、この液晶ディスプレイ10には、複数の縫目模様や刺繍模様等の種々の模様、縫製作業に必要な各種の機能を実行させる機能名、各種縫製関連情報が表示される。その液晶ディスプレイ10の前面には、複数の縫目模様や刺繍模様の模様名や各種の機能の機能名、各種の縫製パラメータ(送り量や針振り量等)の数値設定等の表示の各々に対応する位置に複数のタッチキーを備えたタッチパネル11が設けられ、これらのタッチキーを介して、縫製に供する模様の選択や機能の指示や数値設定が可能となっている。
脚柱部2の側面には、複数の縫目模様や刺繍模様の模様データを記録したROMカード12を、内部のカード用コネクタ13(図2参照)に接続する為のカード用スロット(図示略)が形成され、そのカード用スロットの下側内部に、フレキシブルディスクドライブ(FDD)14(図2参照)が設けられ、そのFDD14に複数の縫目模様や刺繍模様の模様データを記録したフレキシブルディスク(FD)15を装着する為のディスク用スロット(図示略)が形成され、そのディスク用スロット下側にミシン用テンプレート16と接続コード17を介して接続する為のテンプレート用コネクタ20(図2参照)が形成されている。
次に、ミシン用テンプレート16について説明する。
ミシン用テンプレート16は、種々の縫目模様又は刺繍模様からなる模様を表示可能な表示手段としての白黒の2色に表示可能な電子ペーパー18からなる。電子ペーパー18は薄いシート状に形成されて柔軟性に優れ、電源が切断されている状態においても電源切断前の表示内容を表示保持する。
電子ペーパー18は周知の技術であるので、その構造について簡単に説明する。
電子ペーパー18は、多数のマイクロカプセルが縦方向と横方向に例えば400dpiの密度でマトリックス状に配列された表示層と、その表示層の裏側に配置され複数のマイクロカプセルを制御する透明ドライバ層(透明電極層)とが2枚の透明プラスチックシートで挟まれた構造からなるマイクロカプセル型電気泳動方式のもので、LCDとほぼ同様にアクティブマトリックス方式で駆動制御されて模様、図形、文字等を表示可能に構成されている。
透明なマイクロカプセルの内部には、黒色の絶縁性液体と白色の「+」に帯電した帯電微粒子(酸化チタン微粒子)とが封入されている。アクティブマトリックス方式で駆動制御されるドライバ層には、マイクロカプセルの多数の行(X方向)に対応する微細な多数の導電性の走査線と、マイクロカプセルの多数の列(Y方向)に対応する微細な多数の導電性のデータ線と、走査線とデータ線の交差点に配置されたスイッチング用トランジスタからなる多数のアクティブ素子と、多数のマイクロカプセルに対応する多数の微小電極とを有する。
多数の走査線へ、微小時間おきに走査線を切り換えつつ「H」レベル信号を供給し、多数のデータ線には、微小時間おきに、パルス信号を切り換えつつ多数の走査線の各々に対応するタイミングで「H」又は「L」レベル信号を供給することにより、各交差点のアクティブ素子を選択的にONにすると、各交差点(各マイクロカプセル)に対応する微小電極が瞬間的に「H」レベルになり、マイクロカプセルの「+」帯電側が表面側に反転し、白色のドットに表示される。また、アクティブ素子がOFFのところの微小電極は「L」レベルを維持し、「+」帯電側を引き付けるため、黒色ドットに表示される。こうして、電子ペーパー18には、例えば400dpiの解像度で模様、図形、文字等を表示可能である。
つまり、電子ペーパー18に縫目模様又は刺繍模様からなる模様の表示を行う場合、ミシン本体の制御装置19(図2参照)により、電子ペーパー18の多数の走査線と多数のデータ線に駆動制御信号を供給することで制御する。電子ペーパー18には、1つの模様、複数の模様、などを種々のサイズで表示可能である。電子ペーパー18は、通電が切断された状態でも、その表示内容を保持する。ところで、上記の表示層において、黒色の絶縁性液体と白色の帯電微粒子とが封入されているマイクロカプセルと、何も封入しない透明なマイクロカプセルとを所定間隔置きにマトリックス状に配列すれば、光透過性を有する電子ペーパーが構成できる。
次に、刺繍縫製に際しては、刺繍対象の加工布を保持した刺繍枠(図示略)を着脱可能に装着するキャリッジ(図示略)を、水平面内で図1に示す直交する2方向(X方向とY方向)へ移動させる枠移動装置21がミシン本体のフリーアーム形のベッド部1に左端側から着脱可能に装着される。その枠移動装置21がベッド部1に装着されると、ミシンMの制御装置19が通常縫いモードから刺繍縫製モードに切り換えられ、枠移動装置21に設けられたX方向移動機構(図示略)を駆動するX方向駆動モータ22(ステッピングモータ)とY方向移動機構(図示略)を駆動するY方向駆動モータ23(ステッピングモータ)とがコネクタ(図示略)を介して制御装置19に電気的に接続される。制御装置19により縫製対象の刺繍模様の模様データに基づいて駆動モータ22,23が夫々独立に駆動制御され、刺繍枠がX方向とY方向に夫々独立に移動駆動される。
次に、電子ミシンMの制御系について説明する。
図2に示すように、制御装置19は、入力インターフェース24と、CPU25とROM26とRAM27と書換え可能な不揮発性のフラッシュメモリ28とを含むコンピュータと、出力インターフェース29と、FD15が装着されるFDドライブ(FDD)14を駆動制御するFDコントローラ(FDC)30と、これらを相互に接続するデータバス等のバス31と、駆動回路32,33等を有する。
入力インターフェース24には、起動停止スイッチ9と、複数のタッチキーを備えたタッチパネル11と、ミシン主軸の回転位置を検出する回転位置検出センサ34と、枠移動装置21のキャリッジ(図示略)のX,Y方向原点位置を検出するキャリッジ原点検出センサ35などが接続されている。出力インターフェース29には、ミシンモータ5の為の駆動回路32と、液晶ディスプレイ(LCD)10の為の液晶ディスプレイコントロール(LCDC)36と、枠移動装置21のX方向駆動モータ22とY方向駆動モータ23の為の駆動回路33などが接続され、ROMカード12がコネクタ13を介してバス31に接続され、ミシン用テンプレート16としての電子ペーパー18がコネクタ20を介して電気的に接続されている。尚、FD15及びROMカード12が、ミシン外部から模様データを入力可能な入力手段に相当する。
ROM26には、複数の縫目模様や複数の刺繍模様(一部の使用頻度の高い刺繍模様)の模様データ、上記の複数の縫目模様や複数の刺繍模様をLCD10や電子ペーパー18に表示させる為の模様表示データ、縫目模様縫製制御プログラム、刺繍模様縫製制御プログラム、縫目模様選択制御プログラム、刺繍模様選択制御プログラム、刺繍模様編集処理制御プログラム、後述するミシン用テンプレート16としての電子ペーパー18に縫目模様や刺繍模様等を表示する電子ペーパー表示制御プログラム等が予め格納されている。
他に、FD15には複数の刺繍模様の模様データと模様表示データが格納されており、ROMカード12には複数の刺繍模様の模様データと模様表示データが格納されている。尚、刺繍模様は、模様の種類別に分類した複数の模様群に分類され、刺繍模様の模様データも同様に分類されている。
次に、制御装置19で実行されるミシン用テンプレート16としての電子ペーパー18に模様を表示させる表示制御について、図4に基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=1,2,・・・)は各ステップである。
図4のフローチャートに示すように、ミシンMの制御装置19への電源投入により刺繍縫製モードにおけるこの表示制御が開始されると、必要な初期設定の実行後に、S1においてLCD10に模様選択画面が表示され、作業者により所望の模様が選択される。
次に、S2において、ROM26から選択した刺繍模様の模様データと模様表示データが読み出され、RAM27のメモリに格納される。ところで、S1において、ミシン本体に内蔵するROM26からではなく、ミシンに接続されるFD15又はROMカード12に記憶されている複数の刺繍模様の中から所望の模様を選択してもよい。次に、S3において、LCD10に前記の選択された刺繍模様が表示される。
S4において模様編集モードが設定されたか否か判断され、模様編集モードが設定された場合(S4:Yes)、模様編集画面に切換わり、刺繍模様編集処理が実行される(S5)。この刺繍模様編集処理では、選択された刺繍模様を編集処理(拡大/縮小、配置変更、反転、色の変更、等々)が画面に表示しながら実行され、その編集処理の都度の模様データと、その表示データがRAM27に格納される。尚、S4において模様編集モードが選択されなかった場合はS6へ移行する。
S6において、模様編集画面の模様確定キーが押下されるまで編集処理が継続され、模様確定キーが押下されると(S6:Yes)、S7へ移行し、ミシン本体の脚柱部2にミシン用テンプレート16が接続コード17を介して電気的に接続されているか否か判定され(S7)、接続されていない場合は縫製操作を待つ(S7:No)。
接続されている場合(S7:Yes)には、S8において、編集処理された刺繍模様の表示データがRAM27から読み出され、次にS9において、前記表示データに基づいて電子ペーパー18を駆動制御することにより、図3に示すように、編集処理後の刺繍模様が実寸法にてミシン用テンプレート16としての電子ペーパー18に表示される(S9)。その後縫製操作を待つ。
作業者は、刺繍縫製される実寸法の刺繍模様が表示された電子ペーパー18を加工布上に乗せ、刺繍模様の大きさ、色、縫製位置を視覚的に確認することができる。
なお、S1において、縫目模様が選択された場合には、同様の編集処理が必要に応じて施され、電子ペーパー18に編集処理後の縫目模様が実寸法にて表示される。
尚、図4のフローチャートはミシン用テンプレート16としての電子ペーパー18に刺繍模様を表示する一例を示すもので、1つ又は複数の縫目模様又は刺繍模様や、種類の異なる複数の縫目模様又は刺繍模様を組み合わせた模様などを適宜表示することができ、ミシンの制御装置19の電源がオフされた状態においても、電子ペーパー18はその表示内容を保持する。
次に、前記のテンプレート16及びミシンMの作用、効果について説明する。
ミシンMで縫製作業を行う前に、ミシン用テンプレート16としての電子ペーパー18に種々の縫目模様又は刺繍模様からなる模様を表示可能であり、この電子ペーパー16の表示内容を変更可能であるので、1枚のミシン用テンプレート16に所望の模様を表示できるので、テンプレートとしての利便性を高めることができる。また、ミシン用テンプレート16に表示された模様を加工布上に乗せることで、模様の実際の大きさ、色、縫い位置や縫い上がりイメージなどを縫製前に視覚的に確認することができ、作業能率を高めることができる。
次に、上記実施例を部分的に変更した例について説明する。
1]パッチワークキルトなどを行う場合、ミシン用テンプレート16を介して生地を所望の形状(三角形、四角形、五角形、六角形など)の布片を作成する為、図5に示すように、電子ペーパー18に、生地を所望の形状の布片に切断する為の縫製基準線38と、縫製基準線38にあわせて、縫製手順を説明する為の縫製手順説明情報39と、切断長の長さ40などを表示するように構成してもよい。
この場合、制御装置19のROM26には、複数種類の縫製基準線と、縫製手順説明情報と、切断長などの表示データが予め格納されており、LCD10の縫製基準線選択画面を介して、所望の縫製基準線を選択すると、制御装置19により選択された縫製基準線が電子ペーパー18に表示さるように制御され、縫製基準線38と縫製手順説明情報39と切断長40とが表示される。そのため、1枚のテンプレートで、作業者の必要に応じて、縫製基準線、縫製基準マーク、又は文字、数字、記号の何れかを表示させることができ、作業能率を高めることができる。また、縫製手順を示す縫製手順説明情報を表示されるので、作業途中で取扱説明書等の縫製手順を見る必要もなく、縫製の作業能率を高めることができる。なお、縫製基準線以外に、縫製基準マークやその他の記号等を表示するように構成してもよい。
2]前記電子ペーパー18は、マイクロカプセル型電気泳動方式のものであったが、この種の電子ペーパーに限定される訳ではなく、水平型電気泳動方式や液晶表示方式の電子ペーパー、その他種々の構造の電子ペーパーを適用することができ、フルカラーで表示可能な電子ペーパーを適用してもよい。
3]前記ミシン用テンプレート16として電子ペーパー18を採用したが、その裏側が視認可能な光透過性を有する液晶ディスプレイ(LCD)又は有機ELディスプレイを採用してもよい。
4]前記ミシン用テンプレート16としての電子ペーパー18をミシン本体に接続コード17を介して電気的に接続したが、ミシン用テンプレート16側に、薄型バッテリ、制御部材、駆動回路などを装備し、ミシン本体側の制御装置19と赤外線等の無線信号にて送受信可能な構成のミシン用テンプレートとしてもよい。
5]実施例のミシン用テンプレート16の電子ペーパー18において、電子ペーパー18上に加工布を乗せたとき、加工布の色や柄に対して表示を見やすくする為、あるいは加工布の色や柄を見やすくする為、電子ペーパー18の表示色や表示のコントラストを適宜変更するように構成してもよい。
6]本発明は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して変更することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
本発明の実施例に係る電子ミシンに、ミシン用テンプレートとしての電子ペーパーを接続コネクタを介して接続した状態を示す斜視図である。 電子ミシンの制御系のブロック図である。 ミシン用テンプレートとしての電子ペーパーに実寸法の縫目模様を表示した状態を示す平面図である。 ミシン用テンプレートの表示制御のフローチャートである。 変更形態に係るミシン用テンプレートとしての電子ペーパーに縫製基準線と、縫製手順説明情報を表示した状態を示す平面図である。
符号の説明
M 電子ミシン
16 ミシン用テンプレート
18 電子ペーパー
19 制御手段
26 記憶手段
24 入力手段
38 縫製基準線
39 縫製手順説明情報

Claims (8)

  1. 少なくとも種々の縫目模様又は刺繍模様からなる模様を表示可能な表示手段を有し、
    前記表示手段に表示される表示内容を変更可能に構成したことを特徴とするミシン用テンプレート。
  2. 前記表示手段は、その裏側が視認可能な光透過性を有することを特徴とする請求項1に記載のミシン用テンプレート。
  3. 前記表示手段は、この表示手段に供給される電源が切断されている状態においても電源切断前の表示内容を表示する電子ペーパーからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン用テンプレート。
  4. 前記表示手段は、カラー表示可能であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシン用テンプレート。
  5. 前記テンプレートとしての表示手段を電気的に接続して前記表示手段を制御する制御手段を備えたミシンにおいて、
    縫目模様又は刺繍模様の模様データを記憶する記憶手段と、
    ミシン外部より縫目模様又は刺繍模様の模様データを入力可能な入力手段とを有し、
    前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記模様データか又は前記入力手段から入力される前記模様データに基づいて、前記表示手段に模様を表示させるように制御することを特徴とするミシン。
  6. 前記模様データに対して編集処理を施す模様データ編集処理手段を有し、
    前記制御手段は、前記模様データ編集処理手段により編集処理を施した編集模様データに基づいて、前記表示手段に編集処理後の模様を表示させるように制御することを特徴とする請求項5に記載のミシン。
  7. 前記制御手段は、縫製基準線、縫製基準マーク、又は文字、数字、記号の少なくとも何れかを前記表示手段に表示させるように制御することを特徴とする請求項5又は6に記載のミシン。
  8. 前記制御手段は、縫製手順を示す縫製手順説明情報を前記表示手段に表示させるように制御することを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載のミシン。
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