JP2007251538A - スプリアス抑圧回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】スプリアス抑圧回路において、簡単な回路構成でもって、ローカルリークなどのスプリアスを十分に抑圧可能にする。
【解決手段】入力信号に対して周波数変換を行い出力する直交ミキサ10と、直交ミキサ10からの出力信号の内、希望波を通過させ、スプリアス信号を反射させるフィルタ130とを有する主信号系に、フィードバックループを設け、このフィードバックループは、直交ミキサ10で発生するスプリアス信号を抑圧するよう直交ミキサ10に対し、フィルタ130から反射したスプリアス信号に基づいてバイアス制御するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】入力信号に対して周波数変換を行い出力する直交ミキサ10と、直交ミキサ10からの出力信号の内、希望波を通過させ、スプリアス信号を反射させるフィルタ130とを有する主信号系に、フィードバックループを設け、このフィードバックループは、直交ミキサ10で発生するスプリアス信号を抑圧するよう直交ミキサ10に対し、フィルタ130から反射したスプリアス信号に基づいてバイアス制御するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、直交ミキサのスプリアス(例えば、ローカルリークなど)を抑圧するスプリアス抑圧回路に関する。
主に無線通信の分野で用いられている、従来の直交ミキサによるスプリアス抑圧回路の一例を、図9を用いて説明する。なお、図9は、ローカルリークを抑圧するスプリアス抑圧回路(ローカルリーク抑圧回路)の構成図である。
図9において、入力信号(本例ではIF信号)が第一の直交ミキサ10に入力されると、まず、分配器11によって分配される。そして、分配された信号の一方はπ/2移相器12に入力され、このπ/2移相器12が、π/2だけ位相をずらした信号を出力する。これにより、I信号とQ信号が生成される。
次に、これらの信号に対して周波数変換を行う。具体的には、I信号及びQ信号がコンデンサ13a,13bを介してそれぞれ乗算器14a,14bに入力されると、各乗算器14a,14bは、入力信号(I信号及びQ信号)と、ローカル発振器15からのローカル信号Loとを乗算する。このとき、ローカル信号Loは分配器16によって分配され、その一方はπ/2移相器17を介して乗算器14bに入力される。したがって、乗算器14bは、ローカル信号Loの位相がπ/2だけずれた信号とQ信号とを乗算することとなる。
その後、合成器18が、乗算された各信号を合成して出力する。こうして、合成された信号は、合成器18すなわち第一の直交ミキサ10よりパワーアンプ20に出力され、パワーアンプ20はこの信号の増幅を行う。
図10(a)は、パワーアンプ20の出力信号のスペクトラムを示す図である。図10(a)によれば、パワーアンプ20からは、希望波に相当する周波数成分(Lo−IF)の信号の他に、ローカルリークに相当する周波数成分Loの信号と、イメージリークに相当する周波数成分(Lo+IF)の信号が出力される。これらの周波数成分の信号は、直交ミキサ回路の特性により発生する。
ところで、これらの周波数成分の信号は送信スプリアス規格を満たすため、希望波以外の不要波成分を十分に抑圧する必要がある。そこで、パワーアンプ20の後段にはバンドパスフィルタ(以下、第一のバンドパスフィルタという)30が実装されている。第一のバンドパスフィルタ30は、周波数成分(Lo+IF)および周波数成分Loの信号を抑圧し、希望波である周波数成分(Lo−IF)の信号(本例ではRF信号)を出力する。図10(b)は、第一のバンドパスフィルタ30を通過した出力信号のスペクトラムを示す図である。
また、パワーアンプ段においては、不要波成分である周波数成分(Lo+IF)の信号と周波数成分Loの信号が除去されていないため、パワーアンプ20の出力信号が非線形歪みにより劣化してしまう。そこで、第一の直交ミキサ10で発生する周波数成分(Lo+IF)および周波数成分Loの信号を抑圧すべく、パワーアンプ20の出力信号の一部を用いて第一の直交ミキサ10に対しバイアス制御を行うフィードバックループが設けられている。
以下、フィードバックループの構成および行われる処理について説明する。まず、方向性結合器40が、パワーアンプ20の出力信号の一部を取り出し、続いてバンドパスフィルタ(以下、第二のバンドパスフィルタという)50が、方向性結合器40によって取り出された信号(パワーアンプ20の出力信号の一部)から、信号レベルの大きい周波数成分(Lo−IF)の信号をカットして、周波数成分Loの信号を取り出す。このように第二のバンドパスフィルタ50によって信号レベルの大きい周波数成分(Lo−IF)の信号がカットされることで、後述のように、デジタル信号処理部80において、ダイナミックレンジを拡げることなく、精度良く周波数成分Loの信号レベルを検出できるようになる。
次に、第二のバンドパスフィルタ50で取り出された周波数成分Loの信号に対し、第二の直交ミキサ60が直交検波を行う。具体的には、第二のバンドパスフィルタ50からの入力信号は、分配器61によって分配される。そして、分配された信号の一方はπ/2移相器62に入力され、このπ/2移相器62が、π/2だけ位相をずらした信号を出力する。これにより、I信号とQ信号が生成される。そして、このI信号及びQ信号がそれぞれ乗算器63a,63bに入力されると、各乗算器63a,63bは、これらI信号及びQ信号と、ローカル発振器15からのローカル信号Loとを乗算する。このとき、ローカル信号Loの一方はπ/2移相器17を介して乗算器63bに入力される。したがって、乗算器63bは、ローカル信号Loの位相がπ/2だけずれた信号とQ信号とを乗算することとなる。以上のようにして直交検波が行われる。そして第二の直交ミキサ60は、直交検波された検波信号を、ローパスフィルタ70a,70bおよびA/D変換器82a,82bを介して、デジタル信号処理部80に出力する。
デジタル信号処理部80は、第二の直交ミキサ60で直交検波された検波信号に基づいて、第一の直交ミキサ10の乗算器14a,14bに起因した周波数成分Loの信号のレベル(ローカルリーク量)を検出し、そのレベル(ローカルリーク量)を抑圧するようにDCオフセット電圧を調整する、といったデジタル信号処理を行う。そしてデジタル信号処理部80は、上記のデジタル信号処理によりDCオフセット電圧を調整された信号成分を、D/A変換器84a,84b及びコイル90a,90bを介して、第一の直交ミキサ10のI信号とQ信号に対して出力する。
こうして、DCオフセット電圧を調整された信号成分が第一の直交ミキサ10のI信号とQ信号に対して出力されることで、第一の直交ミキサ10のI信号とQ信号に対するバイアス制御が行われる。そして、この結果、周波数成分Loの信号(ローカルリーク)の抑圧が図られる。
ところで、図9に示すようなフィードバックループには、パワーアンプ20の出力信号の一部が入力されることから、第二のバンドパスフィルタ50に入力される信号のスペクトラムは、図10(a)と同様のものである。
このとき、このような状態で周波数成分Loの信号を精度良く検出するためには、第二のバンドパスフィルタ50に急峻なフィルタを用いなければならないが、急峻なフィルタを用いる場合には、コストがかかる、実装面積が大きくなる、といった問題が生じてしまう。
本発明の目的は、簡単な回路構成でもって、ローカルリークなどのスプリアスを十分に抑圧可能なスプリアス抑圧回路を提供することにある。
本発明に係るスプリアス抑圧回路は、入力信号に対して周波数変換を行い出力する直交ミキサと、前記直交ミキサからの出力信号の内、希望波を通過させ、スプリアス信号を反射させるフィルタと、前記直交ミキサで発生するスプリアス信号を抑圧するように、前記直交ミキサに対し、前記フィルタから反射したスプリアス信号に基づいてバイアス制御するフィードバックループと、を有することを特徴とする。
また本発明は、上記構成のスプリアス抑圧回路において、前記フィードバックループを、前記直交ミキサと前記フィルタとの間に設け、前記フィルタから反射したスプリアス信号を取り出すサーキュレータと、前記サーキュレータにより取り出された信号に基づいて、抑圧する対象のスプリアス信号について直交検波を行うミキサと、前記ミキサからの検波出力信号に基づいて、前記直交ミキサに起因した抑圧対象のスプリアス信号のレベルを検出し、そのレベルを抑圧するようにバイアス制御量を調整する信号処理部と、を有することを特徴とする。
また本発明は、上記構成のスプリアス抑圧回路において、前記フィードバックループは、前記直交ミキサと前記フィルタとの間に設けられ、前記フィルタから反射したスプリアス信号を取り出すサーキュレータと、前記サーキュレータにより取り出された信号に基づいて、抑圧する対象のスプリアス信号について振幅のみを検波する検波回路と、前記検波回路からの検波出力信号に基づいて、前記直交ミキサに起因した抑圧対象のスプリアス信号のレベルを検出し、そのレベルを抑圧するようにバイアス制御量を調整する信号処理部と、を有することを特徴とする。
ここで、上記構成のスプリアス抑圧回路において、前記サーキュレータに替えて方向性結合器を用いた構成としても良い。
本発明のスプリアス抑圧回路によれば、フィードバックループにおけるフィルタに高価で且つ広い実装面積を要するフィルタを用いることなく、あるいはA/D変換器のダイナミックレンジを拡げることなく、ローカルリークなどの抑圧対象のスプリアス信号を精度良く検出でき、これにより、直交ミキサのスプリアスを十分に抑圧できるようになる。
以下、本発明の実施の形態におけるスプリアス抑圧回路について、図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態におけるスプリアス抑圧回路の構成を示す図である。なお、図1には、一例としてローカルリークを抑圧するスプリアス抑圧回路(ローカルリーク抑圧回路)の構成を示す。図1のスプリアス抑圧回路には、上記の従来技術と同様に、第一の直交ミキサに対してバイアス制御するフィードバックループが設けられている。以下、各構成要素について説明する。なお、図1において、図9と共通の構成には同一の符号を付している。
図1は、本発明の第一実施形態におけるスプリアス抑圧回路の構成を示す図である。なお、図1には、一例としてローカルリークを抑圧するスプリアス抑圧回路(ローカルリーク抑圧回路)の構成を示す。図1のスプリアス抑圧回路には、上記の従来技術と同様に、第一の直交ミキサに対してバイアス制御するフィードバックループが設けられている。以下、各構成要素について説明する。なお、図1において、図9と共通の構成には同一の符号を付している。
図1において、入力信号(本実施形態ではIF信号)が第一の直交ミキサ10に入力されると、第一の直交ミキサ10は従来と同様の周波数変換を行い、周波数変換された信号をパワーアンプ20に出力する。パワーアンプ20はこの信号を増幅して出力する。
ここで、パワーアンプ20の出力信号のスペクトラムは図2(a)のようになる。すなわち、パワーアンプ20からは、希望波に相当する周波数成分(Lo−IF)の信号の他に、ローカルリークに相当する周波数成分Loの信号と、イメージリークに相当する周波数成分(Lo+IF)の信号が出力される。
そこで、パワーアンプ20の後段に実装された第一のバンドパスフィルタ130が、周波数成分(Lo+IF)および周波数成分Loの信号を抑圧し、希望波である周波数成分(Lo−IF)の信号(本例ではRF信号)を出力する。出力された信号のスペクトラムは、図2(b)のようになる。
また、パワーアンプ段においては、不要波成分である周波数成分(Lo+IF)の信号と周波数成分Loの信号が除去されておらず、パワーアンプ20の出力信号が非線形歪みにより劣化してしまう。そこで、図1に示すように、第一の直交ミキサ10において発生する周波数成分(Lo+IF)および周波数成分Loの信号を抑圧するように、第一の直交ミキサ10に対してバイアス制御するフィードバックループが設けられている。
ところで、本実施形態では、第一のバンドパスフィルタ130に、例えば図3に示すような通過特性(S21:実線)および反射特性(S11:一点鎖線)を有するフィルタを用いている。このような特性のフィルタは、図中の矢印に示すように、希望波である周波数成分(Lo−IF)の信号を通過させる一方、ローカルリークに相当する周波数成分Loの信号とイメージリークに相当する周波数成分(Lo+IF)の信号とを、いずれもパワーアンプ20側に反射する。
さらに、パワーアンプ20と第一のバンドパスフィルタ130との間には、第一のバンドパスフィルタ130から反射した信号をフィードバックループ側に取り出すサーキュレータ140が設けられている。
このサーキュレータ140が、第一のバンドパスフィルタ130から反射してきた信号を取り出すと、続いて、フィードバックループにおける第二のバンドパスフィルタ50が、その信号から周波数成分(Lo−IF)の信号をカットして、周波数成分Loの信号を取り出す。
ここで、第一のバンドパスフィルタ130において希望波に相当する周波数成分(Lo−IF)の信号のほとんどが通過して出力されているため、サーキュレータ140から第二のバンドパスフィルタ50に入力される信号のスペクトラムは、図2(c)のようになる。このように、第二のバンドパスフィルタ50には、周波数成分(Lo−IF)の信号がほとんど入力されず、周波数成分Loおよび周波数成分(Lo+IF)の信号が入力される。つまり、周波数成分(Lo−IF)の信号レベルと、ローカルリークに相当する周波数成分Loの信号レベルとの差が大きい状態となる。したがって、第二のバンドパスフィルタ50において周波数成分Loの信号を容易に精度良く検出することが可能となる。
したがって、本実施形態のように、第一のバンドパスフィルタ130で、ローカルリークに相当する周波数成分Loの信号と、イメージリークに相当する周波数成分(Lo+IF)の信号とを反射させ、この反射した信号をフィードバックループに入力させる構成とすることで、第二のバンドパスフィルタ50に急峻なフィルタを用いなくとも(フィルタの仕様を緩和しても)、周波数成分(Lo−IF)の信号を抑圧して周波数成分Loの信号を精度良く検出することが可能となる。また、周波数成分(Lo−IF)の信号レベルによっては、第二のバンドパスフィルタ50を不要とすることも可能となる。
そして、以上のように第二のバンドパスフィルタ50で取り出された周波数成分Loの信号は第二の直交ミキサ60に入力され、この信号に対して第二の直交ミキサ60が直交検波を行い、直交検波された検波信号を、ローパスフィルタ70a,70bおよびA/D変換器82a,82bを介して、デジタル信号処理部80に出力する。
デジタル信号処理部80は、従来と同様、第二の直交ミキサ60で直交検波された検波信号に基づいて、第一の直交ミキサ10の乗算器14a,14bに起因した周波数成分Loの信号のレベル(ローカルリーク量)を検出し、そのレベル(ローカルリーク量)を抑圧するようにDCオフセット電圧を調整する、といったデジタル信号処理を行う。そしてデジタル信号処理部80は、上記のデジタル信号処理によりDCオフセット電圧を調整された信号成分を、D/A変換器84a,84b及びコイル90a,90bを介して、第一の直交ミキサ10のI信号とQ信号に対して出力する。
こうして、DCオフセット電圧を調整された信号成分が第一の直交ミキサ10のI信号とQ信号に対して出力されることで、第一の直交ミキサ10のI信号とQ信号に対するバイアス制御が行われ、周波数成分Loの信号(ローカルリーク)の抑圧が図られることとなる。
以上述べたように、本実施形態におけるスプリアス抑圧回路によれば、フィードバックループにおける第二のバンドパスフィルタ50に高価で且つ広い実装面積を要するフィルタを用いることなく、周波数成分Loの信号を精度良く検出でき、これにより、第一の直交ミキサ10のスプリアスを抑圧できるようになる。
(第二実施形態)
ところで、上記の第一実施形態におけるスプリアス抑圧回路では、フィードバックループにおいて、第二の直交ミキサ60で直交検波を行っているが、これに替えて、図4に示すように、第二のバンドパスフィルタ50からの出力信号(周波数成分Loの信号)の振幅のみを検波する検波回路160を用いるようにしても良い。
ところで、上記の第一実施形態におけるスプリアス抑圧回路では、フィードバックループにおいて、第二の直交ミキサ60で直交検波を行っているが、これに替えて、図4に示すように、第二のバンドパスフィルタ50からの出力信号(周波数成分Loの信号)の振幅のみを検波する検波回路160を用いるようにしても良い。
なお、この場合、デジタル信号処理部180では、検波回路160からの一つの情報(振幅情報)のみから、第一の直交ミキサ10のI信号とQ信号に対する2つのバイアス制御量を決定する必要があるため、デジタル信号処理部180は以下のような処理を行う。
図5は、直交ミキサのI信号とQ信号に対して与える各バイアス制御量と、そのとき発生するローカルリーク量との関係を示す図である。もし回路が理想的でばらつきが無ければ、I信号バイアス制御量およびQ信号バイアス制御量が共に0(すなわち、図中の原点O)のときにローカルリーク量は最小となるが、実際の回路のようにばらつきがある場合には、図5に示すようにローカルリーク量の最小点は原点Oからずれた位置に存在する。よって、ローカルリーク量の最小点(図中の点Pmin)に対応するI信号バイアス制御量(図中のI0)およびQ信号バイアス制御量(図中のQ0)を検出し、これらの制御量を第一の直交ミキサ10に与えることにより、回路のばらつきを抑え、ローカルリーク量を最小にすることが可能となる。
このローカルリーク量の最小点に対応するI信号バイアス制御量およびQ信号バイアス制御量の検出方法としては、例えば、I信号バイアス制御量およびQ信号バイアス制御量に片方ずつゆらぎを与えることで(例えば、sin特性)、ゆらぎによるローカルリーク量の変化を調べ、さらにその時間微分により制御の極性を調べて、ローカルリーク量の最小点に収束させるような処理を行う。
具体的には、まずステップ1では、検波回路160からローパスフィルタ70及びA/D変換器82を介して入力されたローカルリークの振幅情報を検出する。そして、I信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変化の割合を調べ、この変化の割合が0となる点を検出する。すなわち、Q信号バイアス制御量一定の条件下でI信号バイアス制御量のみを微少量変動させ、それに伴うローカルリーク量の変動値(微分値)を検出していき、得られた微分値を用いてI信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変動値が0となる点を検出する。
ところで、ステップ1で検出されたローカルリーク量の変動値が0となる点は、Q信号バイアス制御量についても最適点(図5におけるローカルリーク量の最小点、すなわち、I信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変化の割合が0であり且つQ信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変化の割合が0である点)とは限らない。
そこで、ステップ2では、上記のI信号バイアス制御量に対する処理と同様に、Q信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変化の割合を調べる。すなわち、ステップ1で検出されたローカルリーク量の変動値が0となる点におけるI信号バイアス制御量を一定として、Q信号バイアス制御量のみを微少量変動させ、それに伴うローカルリーク量の変動値(微分値)を検出していき、得られた微分値を用いてQ信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変化の割合が0となる点を探す。
しかし、上記ステップ1,2を一回行っただけでは、第一の直交ミキサ10の直交度が悪い場合、I信号バイアス制御量について最適点(図5におけるローカルリーク量の最小点)からずれることがある。すなわち、ステップ2で検出された、Q信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変化の割合が0となる点は、I信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変化の割合が0であるとは限らない。
そこで、上記のステップ1,2の処理を、最適点(図5におけるローカルリーク量の最小点、すなわちI信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変化の割合が0であり且つQ信号バイアス制御量に対するローカルリーク量の変化の割合が0である点)を検出するまで(各ステップにより検出される点が最適点に収束するまで)繰り返し行う。こうして、本実施形態におけるデジタル信号処理部180では、第一の直交ミキサ10の乗算器14a,14bに起因した周波数成分Loの信号のレベル(ローカルリーク量)を最小に抑圧するように、第一の直交ミキサ10のI信号とQ信号に対して出力する2つのバイアス制御量(DCオフセット電圧)を調整する。そして、調整された2つのバイアス制御量に基づいて、周波数成分Loの信号のレベル(ローカルリーク量)を最小に抑圧することが可能となる。
(第3実施形態)
また、上記の実施形態では、スプリアスの内、ローカルリークを抑圧する回路として説明されているが、例えばパワーアンプ20からの出力信号のスペクトラムが図8(a)に示すような場合にイメージリーク(周波数成分(Lo+IF)の信号)を抑圧する回路に対して、例えば図6や図7に示すように、本発明を適用することも可能である。なお、図6や図7において、図1や図4と共通の構成には同一の符号を付している。また、図8(b)は、図6や図7に示す構成のスプリアス抑圧回路において第一のバンドパスフィルタ130を通過した出力信号のスペクトラムを、図8(c)は、第二のバンドパスフィルタへの入力信号のスペクトラムをそれぞれ示す。
また、上記の実施形態では、スプリアスの内、ローカルリークを抑圧する回路として説明されているが、例えばパワーアンプ20からの出力信号のスペクトラムが図8(a)に示すような場合にイメージリーク(周波数成分(Lo+IF)の信号)を抑圧する回路に対して、例えば図6や図7に示すように、本発明を適用することも可能である。なお、図6や図7において、図1や図4と共通の構成には同一の符号を付している。また、図8(b)は、図6や図7に示す構成のスプリアス抑圧回路において第一のバンドパスフィルタ130を通過した出力信号のスペクトラムを、図8(c)は、第二のバンドパスフィルタへの入力信号のスペクトラムをそれぞれ示す。
ここで、本発明をイメージリーク抑圧回路に適用する場合、デジタル信号処理部80,180は、第一の直交ミキサ10のI信号とQ信号に対して、一方については振幅の制御を、他方については位相の制御を行う。したがって、第一の直交ミキサ10においては、例えば図6や図7に示すように、乗算器14aの前段に可変抵抗92を配置し、乗算器14bの前段に位相調整器94を配置している。
そして、デジタル信号処理部80,180は、第二の直交ミキサ60もしくは検波回路160からの出力に基づいて、周波数成分(Lo+IF)の信号のレベル(イメージリーク量)を検出し、そのレベル(イメージリーク量)を抑圧するように、I信号とQ信号に対して振幅と位相を調整する、といったデジタル信号処理を行う。図6や図7に示す構成のイメージリーク抑圧回路では、デジタル信号処理部80,180からの出力により、第一の直交ミキサ10の可変抵抗92を調整してI信号の振幅調整が行われると共に、位相調整器94の調整を行うことでQ信号の位相調整が行われる。こうして、周波数成分(Lo+IF)の信号(イメージリーク)の抑圧が図られることとなる。
なお、上記の各実施形態において用いられているサーキュレータ140に替わり、第一のバンドパスフィルタ130から第二のバンドパスフィルタ50への方向性を有する方向性結合器を用いても良い。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10 第一の直交ミキサ、11 分配器、12 π/2移相器、13a,13b コンデンサ、14a,14b 乗算器、15 ローカル発振器、16 分配器、17 π/2移相器、18 合成器、20 パワーアンプ、30,130 第一のバンドパスフィルタ、140 サーキュレータ、50 第二のバンドパスフィルタ、60 第二の直交ミキサ、61 分配器、62 π/2移相器、63a,63b 乗算器、70a,70b ローパスフィルタ、80 デジタル信号処理部、82a,82b A/D変換器、84a,84b D/A変換器、90a,90b コイル。
Claims (4)
- 入力信号に対して周波数変換を行い出力する直交ミキサと、
前記直交ミキサからの出力信号の内、希望波を通過させ、スプリアス信号を反射させるフィルタと、
前記直交ミキサで発生するスプリアス信号を抑圧するように、前記直交ミキサに対し、前記フィルタから反射したスプリアス信号に基づいてバイアス制御するフィードバックループと、
を有することを特徴とするスプリアス抑圧回路。 - 請求項1に記載のスプリアス抑圧回路において、
前記フィードバックループは、
前記直交ミキサと前記フィルタとの間に設けられ、前記フィルタから反射したスプリアス信号を取り出すサーキュレータと、
前記サーキュレータにより取り出された信号に基づいて、抑圧する対象のスプリアス信号について直交検波を行うミキサと、
前記ミキサからの検波出力信号に基づいて、前記直交ミキサに起因した抑圧対象のスプリアス信号のレベルを検出し、そのレベルを抑圧するようにバイアス制御量を調整する信号処理部と、
を有することを特徴とするスプリアス抑圧回路。 - 請求項1に記載のスプリアス抑圧回路において、
前記フィードバックループは、
前記直交ミキサと前記フィルタとの間に設けられ、前記フィルタから反射したスプリアス信号を取り出すサーキュレータと、
前記サーキュレータにより取り出された信号に基づいて、抑圧する対象のスプリアス信号について振幅のみを検波する検波回路と、
前記検波回路からの検波出力信号に基づいて、前記直交ミキサに起因した抑圧対象のスプリアス信号のレベルを検出し、そのレベルを抑圧するようにバイアス制御量を調整する信号処理部と、
を有することを特徴とするスプリアス抑圧回路。 - 請求項2または3に記載のスプリアス抑圧回路において、
前記サーキュレータに替えて方向性結合器を用いたことを特徴とするスプリアス抑圧回路。
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