JP2007250909A - 半導体発光素子 - Google Patents

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敬一朗 田辺
Shigeru Semura
滋 瀬村
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Abstract

【課題】電流の閉じ込めのためにp型半導体の加工を必要としない構造を有する半導体発光素子を提供する。
【解決手段】第1の窒化ガリウム系半導体層17は、活性層15の主面15aの全体を覆う。第2の窒化ガリウム系半導体層19は、第1の窒化ガリウム系半導体層17の主面17aの全体を覆う。第1の電極21は第2の窒化ガリウム系半導体層19上に設けられる。第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の領域17aおよび第2の領域17bは活性層15に沿って配置される。第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の領域17aの活性化されていないp型ドーパント17cの濃度Na17cは第2の領域17bの活性化されていないp型ドーパント25bの濃度Na17bより小さい。第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の領域17aの第1の比抵抗は第2の領域17bの第2の比抵抗より小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
特許文献1には、GaN系半導体層内のp型ドーパントを活性化する方法が記載されている。p型ドーパントMgがドープされたGaNなどの窒化物系III−V族化合物半導体にレーザ光を照射することによりp型ドーパントの活性化を行う場合に、ドーパントの活性化を行うべき厚さdの半導体の吸収係数が1/dとなる光子エネルギを半導体の実測のバンドギャップEg−realとし、光子エネルギーがEg−realに対してプラス0.5eVおよびマイナス0.5eVの範囲(±0.5eV)の光を用いる。
特許文献2では、II族元素の不純物が相当量含まれている場合にも該不純物が活性化していないp型窒化物系半導体層に10W/cm以上500W/cm以下のレーザ光を照射して活性化を行う。この文献によれば、p型窒化物系半導体層にn型ドーパントを導入しておくことによりさらに活性化が促進される。
特許文献3には、窒化ガリウム系化合物半導体装置内のp型層を活性化する方法が記載されている。この方法は、紫外線から可視光までの範囲内に含まれる波長を含む光を摂氏200度〜500度の範囲内の温度の下でp型層に照射している。この照射によって、p型層に含まれるp型ドーパントに結合した水素を除去してp型ドーパントをアクセプタとして活性化する。
特許文献4では、結晶成長後アニーリングを行わずに低抵抗なp型II−VI族化合物半導体または窒化ガリウム系化合物半導体を形成する方法が記載されている。MOCVD法によりエピタキシャル成長されたp型II−VI族化合物半導体または窒化ガリウム系化合物半導体に、これらの化合物半導体の禁制帯幅のエネルギ以上である光子エネルギをもつパルスレーザ光を照射して電子−正孔対を生成する。つまり、パルスレーザ光は、照射される半導体の禁制帯幅以上のエネルギに対応する波長を有するので、単一のフォトンによって一対の電子正孔対が生成される。該電子正孔対から生成したキャリアの電気的効果によりp型ドーパントと水素との結合を切り、p型化合物半導体内から水素を除去している。
特許文献5には、固体試料のアニール方法および半導体不純物ドーピング層形成方法が記載されている。この方法は、従来のアニール技術は、不純物ドープ層の活性化には有効であるが、基板全体が摂氏1000度程度の高温に加熱され、10秒程度の短時間の加熱であっても、注入された不純物が基板深部へも拡散してしまうという問題があった。この問題を解決するために、固体試料に、電磁波を照射して格子振動(フォノン)を直接励起することにより、熱的に非平衡な状態で原子、分子及び格子欠陥の振動、再配列及び拡散を行っている。
特許文献6には、半導体装置の製造方法が記載されている。この方法では、フォノン吸収を利用し、格子欠陥の発生や形状の変化を伴わずに不純物の活性化を行う。シリコンに対して波長16〜17マイクロメートルを有するレーザビームを照射すると、多重フォノン格子吸収が生じる。レーザビームにより供給されたエネルギーが周辺に拡散する前に、その照射部での固相エピタキシーが完了するため、レーザビームが照射されている局部のみで結晶化が生じ、照射されていない部分では生じない。余分な吸熱が生じない。また局部的な溶融および凝固といった相変態が生じない。
特開2001−127002号公報 特開平11−224957号公報 特開2000−306854号公報 特開平9−266218号公報 特開2001−338894号公報 特開2004−158627号公報
窒化物半導体レーザおよび窒化物発光ダイオードといった半導体素子を実現する為には、低抵抗なp型GaN膜およびAlGaN膜といったp型半導体膜が必要になる。このためには、窒化物半導体領域内のp型ドーパントを活性化しなければならない。なぜなら、結晶成長中に結晶に添加されたp型ドーパントは、成長中または成長直後の高温状態において雰囲気中に含まれる水素原子と結合することがあり、結合したドーパントは、これら半導体素子が動作する温度範囲、通常室温付近ではイオン化しない。
ドーパントを活性化するために、上記の文献に記載されているように、光照射を利用してドーパントと水素との結合を切り離す方法がある。特許文献1に記載された方法では、半導体の吸収係数aが不純物の活性化を行うべき半導体厚さdと所定の関係(a=1/d)を満たすエネルギ付近の光子エネルギを有する光を用いる。これ故に、使用される光の光子エネルギが、活性化される半導体層の厚さに応じて変更される。
特許文献2に記載された方法では、10W/cm以上500W/cm以下のエネルギを有するレーザ光を用いて活性化している。このレーザ光は、チタンサファイアレーザの第3次高調波(340ナノメートル)、またはアルゴンガスレーザの第2次高調波(257ナノメートル)である。この方法では、バンドギャップエネルギに対応する波長より短い波長の光を用いているので、単一光子の励起を利用している。
特許文献3に記載された方法では、紫外線から可視光に含まれる波長を含む光を照射して、直接的にドーパントと水素との結合物からプロトンを分離させている。プロトンは、窒化ガリウム系半導体のバンドギャップエネルギより大きなエネルギを有する光を窒化ガリウム系半導体層に照射して生成された電子によって中性化される。この方法では、光だけでなく多量の電子を供給することが必須である。
特許文献4に記載された方法では、レーザ照射によって生成された電子−正孔といったキャリアの電気的効果により、p型化合物半導体内から水素を除去している。この方法では、電子−正孔対の生成が必須である。
また、特許文献5および6では、フォノンを利用している。
このように、p型ドーパントを活性化するために、上記の文献に記載された技術では、電磁波或いは光の照射を利用している。
上記の文献で記載されているp型ドーパントの活性化とは別に、p型窒化物を用いる半導体発光素子では、素子自体の特性を向上するために電極からのキャリアを活性層に効率的に導くことが求められる。III−V化合物半導体を用いる発光素子では、p型半導体膜をエッチング等により加工して、電極からのキャリアを活性層に導く構造を作製している。しかしながら、p型半導体膜のエッチングでは、エッチングによるダメージが避けられない。特に窒化物からなる発光素子では、エッチングによるp型半導体領域へのダメージは今後の発光素子の開発において重要であると考えられる。
そこで、本発明は、上記の事情を鑑みて為されたものであり、電流の閉じ込めのためにp型半導体の加工を必要としない構造を有する半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、半導体発光素子は、(a)基板上に設けられたn型窒化ガリウム系半導体層と、(b)前記n型窒化ガリウム系半導体層の主面上に設けられており窒化ガリウム系半導体からなる活性層と、(c)前記活性層の主面の全体を覆うように設けられておりp型ドーパントを含む第1の窒化ガリウム系半導体層と、(d)前記第1の窒化ガリウム系半導体層の主面の全体を覆うように設けられておりp型ドーパントを含む第2の窒化ガリウム系半導体層と、(e)前記第2の窒化ガリウム系半導体層上に設けられた電極とを備える。前記第1の窒化ガリウム系半導体層は、活性化されたp型ドーパントおよび活性化されていないp型ドーパントを含み第1の比抵抗を有する第1の領域と、活性化されていないp型ドーパントを含み第2の比抵抗を有する第2の領域とを含み、前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域および第2の領域は前記活性層に沿って配置されており、前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度は前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度より小さく、前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記第1の比抵抗は前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記第2の比抵抗より小さい。前記第2の窒化ガリウム系半導体層は、活性化されたp型ドーパントおよび活性化されていないp型ドーパントを含み第1の比抵抗を有する第1の領域と、活性化されていないp型ドーパントを含み第2の比抵抗を有する第2の領域とを含み、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域および第2の領域は前記活性層に沿って配置されており、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度は前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度より小さく、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記第1の比抵抗は前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記第2の比抵抗より小さい。前記第1および第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域は前記基板の主面に交差する軸に沿って配置されており、前記電極は、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域を覆うと共に、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の少なくとも一部を覆う。
この半導体発光素子によれば、第1の窒化ガリウム系半導体層が活性層の主面の全体を覆うように設けられると共に、第2の窒化ガリウム系半導体層が第1の窒化ガリウム系半導体層の主面の全体を覆うように設けられているので、第1および第2の窒化ガリウム系半導体層の導電性を有する部分は加工されることがない。また、電極が第2の窒化ガリウム系半導体層の第1の領域を覆うので、該第1の領域は電極により保護される。第2の窒化ガリウム系半導体層の第2の領域の第2の比抵抗は高抵抗なので、電極から第1および第2の窒化ガリウム系半導体層の第2の領域を通して活性層に流れる電流は非常に小さい。さらに、電極から供給されるキャリアは、第2の領域の比抵抗より小さい第1の領域を通して活性層に至る。基板の主面に交差する軸に沿って第1および第2の窒化ガリウム系半導体層の第1の領域が配置されていると共に、電極が第2の窒化ガリウム系半導体層の第1の領域を覆うので、電極が第1および第2の窒化ガリウム系半導体層の第1の領域に位置合わせされている。
本発明に係る半導体発光素子では、前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域はストライプ形状を成し、前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の両側には前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域が位置しており、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域はストライプ形状を成し、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の両側には前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域が位置していることができる。
この半導体発光素子によれば、選択的な活性化によりエッチング等の加工を伴うことなくストライプ形状の電流閉じ込め構造が提供されるので、結晶欠陥といったダメージが第1および第2の窒化ガリウム系半導体層に残りにくい。
本発明の別の側面によれば、半導体発光素子は、(a)基板上に設けられたn型窒化ガリウム系半導体層と、(b)前記n型窒化ガリウム系半導体層の主面上に設けられており窒化ガリウム系半導体からなる活性層と、(c)活性化されたp型ドーパントを含み前記活性層の主面の全体を覆うように設けられた第1の窒化ガリウム系半導体層と、(d)前記第1の窒化ガリウム系半導体層の主面の全体を覆うように設けられておりp型ドーパントを含む第2の窒化ガリウム系半導体層と、(e)前記第2の窒化ガリウム系半導体層上に設けられた電極とを備える。前記第2の窒化ガリウム系半導体層は、活性化されたp型ドーパントおよび活性化されていないp型ドーパントを含み第1の比抵抗を有する第1の領域と、活性化されていないp型ドーパントを含み第2の比抵抗を有する第2の領域とを含み、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域および第2の領域は前記第1の窒化ガリウム系半導体層に沿って配置されており、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度は前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度より小さく、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記第1の比抵抗は前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記第2の比抵抗より小さい。前記電極は、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域を覆うと共に、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の少なくとも一部を覆う。
この半導体発光素子によれば、第1の窒化ガリウム系半導体層が活性層の主面の全体を覆うように設けられると共に、第2の窒化ガリウム系半導体層が第1の窒化ガリウム系半導体層の主面の全体を覆うように設けられているので、第1および第2の窒化ガリウム系半導体層の導電性を有する部分は加工されることがない。また、電極が第2の窒化ガリウム系半導体層の第1の領域を覆うので、該第1の領域は電極により保護される。第2の窒化ガリウム系半導体層の第2の領域の第2の比抵抗は高抵抗なので、電極から第2の窒化ガリウム系半導体層の第2の領域を通して活性層に流れる電流は非常に小さい。さらに、電極から供給されるキャリアは、第2の領域の比抵抗より小さい第1の領域を通して活性層に至る。
本発明に係る半導体発光素子では、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域はストライプ形状を成し、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の両側には前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域が位置していることができる。
この半導体発光素子によれば、エッチング等の加工を伴うことなく選択的な活性化によりストライプ形状の電流閉じ込め構造が提供されるので、結晶欠陥といったダメージが第2の窒化ガリウム系半導体層に残りにくい。
本発明の更なる別の側面によれば、半導体発光素子は、(a)基板上に設けられたn型窒化ガリウム系半導体層と、(b)前記n型窒化ガリウム系半導体層の主面上に設けられており窒化ガリウム系半導体からなる活性層と、(c)活性化されたp型ドーパントを含み前記活性層の主面の全体を覆うように設けられた第1の窒化ガリウム系半導体層と、(d)活性化されたp型ドーパントを含み前記第1の窒化ガリウム系半導体層の主面の全体を覆うように設けられた第2の窒化ガリウム系半導体層と、(e)前記第3の窒化ガリウム系半導体層の主面上に設けられており開口を有する絶縁膜と、(f)前記絶縁膜上に設けられており前記開口を通して前記第2の窒化ガリウム系半導体層に接続された電極とを備える。
この半導体発光素子によれば、第1の窒化ガリウム系半導体層が活性層の主面の全体を覆うように設けられると共に、第2の窒化ガリウム系半導体層が第1の窒化ガリウム系半導体層の主面の全体を覆うように設けられているので、第1および第2の窒化ガリウム系半導体層の導電性を有する部分は加工されることがない。また、電極が絶縁膜の開口を通して第2の窒化ガリウム系半導体層に接続されるので、利得導波型の発光素子が提供される。
本発明に係る半導体発光素子では、前記活性化されたp型ドーパントは、フェムト秒レーザを用いて活性化されている。特定の領域内のp型ドーパントを選択的に活性化できる。また、本発明に係る半導体発光素子では、前記p型ドーパントはマグネシウムおよび亜鉛の少なくともいずれかであることが好ましい。これらのドーパントはフェェムト秒レーザを用いて活性化されることが可能である。
本発明に係る半導体発光素子では、前記基板はIII族窒化物基板であることが好ましい。また、本発明に係る半導体発光素子では、前記III族窒化物基板は窒化ガリウム支持基体を含むことが好ましい。低転位の窒化ガリウム上に結晶成長することが可能になる。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、電流の閉じ込めのためにp型半導体の加工を必要としない構造を有する半導体発光素子が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体発光素子に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る半導体レーザといった半導体発光素子を概略的に示す図面である。半導体発光素子11は、n型窒化ガリウム系半導体層13と、活性層15と、第1の窒化ガリウム系半導体層17と、第2の窒化ガリウム系半導体層19と、第1の電極21とを備える。n型窒化ガリウム系半導体層13は、基板23の主面23a上に設けられている。活性層15は、n型窒化ガリウム系半導体層13の主面13a上に設けられている。活性層15は、窒化ガリウム系半導体からなっており、またバルク構造、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造等を有することができる。第1の窒化ガリウム系半導体層17は、活性層15の主面15aの全体を覆うように設けられており、またp型ドーパント25a、25b、25cを含む。第2の窒化ガリウム系半導体層19は、第1の窒化ガリウム系半導体層17の主面17aの全体を覆うように設けられており、またp型ドーパント27a、27b、27cを含む。第1の電極21は、第2の窒化ガリウム系半導体層19上に設けられている。
第1の窒化ガリウム系半導体層17は、第1の領域17aと、第2の領域17bとを含む。第1の領域17aおよび第2の領域17bは活性層15に沿って配置されている。第1の領域17aは、活性化されたp型ドーパント25aおよび活性化されていないp型ドーパント25cを含むと共に、第2の領域17bは、活性化されていないp型ドーパント25bを含む。第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の領域17aの活性化されていないp型ドーパント25cの濃度Na17cは第2の領域17bの活性化されていないp型ドーパント25bの濃度Na17bより小さい。第1の領域17aは第1の比抵抗R17aを有する。第2の領域17bは第2の比抵抗R17bを有する。第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の領域17aの第1の比抵抗R17aは、第2の領域17bの第2の比抵抗R17bより小さい。
第2の窒化ガリウム系半導体層19は、第1の領域19aと第2の領域19bとを含む。第1の領域19aおよび第2の領域19bは第1の窒化ガリウム系半導体層17に沿って配置されている。第1の領域19aは、活性化されたp型ドーパント27aおよび活性化されていないp型ドーパント27cを含むと共に、第2の領域19bは、活性化されていないp型ドーパント27bを含む。第1の窒化ガリウム系半導体層19の第1の領域19aの活性化されていないp型ドーパント19cの濃度Na19cは第2の領域19bの活性化されていないp型ドーパント27bの濃度Na19bより小さい。第1の領域19aは第1の比抵抗R19aを有する。第2の領域19bは第2の比抵抗R19bを有する。第1の窒化ガリウム系半導体層19の第1の領域19aの第1の比抵抗R19aは第2の領域19bの第2の比抵抗R19bより小さい。
第1および第2の窒化ガリウム系半導体層17、19の第1の領域17a、19a並びに電極21は、基板23の主面23aに交差する軸に沿って配置されている。第1の電極21は、第2の窒化ガリウム系半導体層19の第1の領域19aを覆うと共に、第2の窒化ガリウム系半導体層19の第2の領域19aを部分的に或いは全体的に覆う。
この半導体発光素子11によれば、第1の窒化ガリウム系半導体層17が活性層15の主面15aの全体を覆うように設けられると共に、第2の窒化ガリウム系半導体層19が第1の窒化ガリウム系半導体層17の主面17cの全体を覆うように設けられているので、第1および第2の窒化ガリウム系半導体層17、19の導電性を有する部分は加工されていない。また、第1の電極21が第2の窒化ガリウム系半導体層19の第1の領域19aを覆うので、該第1の領域19aは第1の電極21により保護される。第2の窒化ガリウム系半導体層19の第2の領域19bの第2の比抵抗R19bは高抵抗なので、第1の電極21から第1および第2の窒化ガリウム系半導体層17、19の第2の領域17b、19bを通して活性層15に流れる電流は非常に小さい。さらに、第1の電極21から供給されるキャリアは、第2の領域19b、17bの比抵抗より小さい比抵抗を有する第1の領域19a、17aを通して活性層15に至る。基板23の主面23aに交差する軸に沿って第1および第2の窒化ガリウム系半導体層17、19の第1の領域17a、19aが配置されていると共に、第1の電極21が第2の窒化ガリウム系半導体層19の第1の領域19aを覆うので、第1の電極21が第1および第2の窒化ガリウム系半導体層17、19の第1の領域17a、19aに位置合わせされている。
第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の部分17aの比抵抗R17aは、例えば3×10−4Ω・cm以上であり、また1×10−1Ω・cm以下である。また、第2の部分17bの比抵抗R17bは、例えば5×10Ω・cm以上であり、また5×10Ω・cm以下である。第2の窒化ガリウム系半導体層19の第1の部分19aの比抵抗R19aは、例えば1×10−5Ω・cm以上であり、また1×10−1Ω・cm以下である。また、第2の部分19bの比抵抗R19bは、例えば7×10Ω・cm以上であり、また9×10Ω・cm以下である。第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の部分17aのキャリア濃度は、例えば1×1017cm−3以上であり、また2×1018cm−3以下である。また、第2の部分17bのキャリア濃度は、例えば1×1015cm−3以上であり、また8×1016cm−3以下である。第2の窒化ガリウム系半導体層19の第1の部分19aのキャリア濃度は、例えば1×1017cm−3以上であり、また2×1018cm−3以下である。また、第2の部分19bのキャリア濃度は、例えば1×1015cm−3以上であり、また8×1016cm−3以下である。
半導体発光素子11では基板23は導電性を有する。半導体発光素子11は、基板23の裏面23b上に設けられた第2の電極29を更に含む。好ましくは、基板23はIII族窒化物基板であることができる。また、III族窒化物基板は、例えば窒化ガリウム支持基体を含むことが好ましい。必要な場合には、窒化ガリウム支持基体上には、窒化ガリウム系半導体からなるバッファ層等が形成される。さらに、第2の窒化ガリウム系半導体層19の第1の部分19aのキャリア濃度は、第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の部分17aのキャリア濃度より大きいことが好ましい。加えて、第2の窒化ガリウム系半導体層19のバンドギャップは、第1の窒化ガリウム系半導体層17のバンドギャップより小さいことが好ましい。
半導体発光素子11を以下に示す。
支持基体23:厚さ300マイクロメートルのC面を有するn型窒化ガリウム
n型窒化ガリウム系半導体層13:
n型AlGaNクラッド層、Al0.09Ga0.91N、厚さ10000ナノメートル、キャリア濃度4×1018cm−3
活性層15:InGaN井戸層および障壁層を含む多重量子井戸構造
第1の窒化ガリウム系半導体層17:
MgドープAlGaNクラッド層、Al0.18Ga0.82N、厚さ100ナノマイクロメートル、キャリア濃度7×1017cm−3
第2の窒化ガリウム系半導体層19:
MgドープGaNコンタクト層、GaN、厚さ50ナノメートル、キャリア濃度1×1015cm−3
第1の電極21:アノード、Ni/Au
第2の電極29:カソード、Ti/Al
である。半導体膜17、19には、p型ドーパントだけでなく、原料ガスに含まれる水素が含まれている。窒化ガリウム系半導体層としては、例えばGaN、InGaN、AlGaN、InAlGaNがある。
第1および第2の窒化ガリウム系半導体層17、19の第1の領域17a、19aにおける活性化されたp型ドーパントに関しては、多光子吸収過程を利用するレーザ活性化が利用される。
図2は、p型ドーパントを含む窒化ガリウム系半導体内で生じる多光子吸収過程を示す図面である。マルチフォトン吸収では、シングルフォトン吸収と異なり、基底状態Glevelから複数の光子Ph1、Ph2、Ph3(実質的に同じ光子エネルギを有する複数の光子)を吸収して、真空準位Vlevelより高い準位に遷移する。このマルチフォトン吸収によって、活性化されていないp型ドーパントが、活性化されたp型ドーパントに窒化ガリウム系半導体31内において変わる。このマルチフォトン吸収を生じさせるためには10W/cm以上の強度を有するレーザ光を使用することが好ましい。
第1および第2の窒化ガリウム系半導体層17、19内のp型ドーパントとしては、例えばマグネシウムおよび亜鉛の少なくともいずれかを用いることができる。これらのドーパントはフェムト秒レーザを用いて活性化されることが可能である。窒化ガリウム系半導体のp型ドーパントは水素Hと結合しており、フェムト秒レーザ光の照射によってp型ドーパントは、結合している水素Hから切り離されて、この結果、p型ドーパントの活性化が達成される。
図3は、本実施の形態に係るフェムト秒レーザの構成の一例を概略的に示す図面である。短パルスレーザ光照射装置50は、マルチフォトン吸収を発生させるためのレーザ光のパルス列を生成可能なレーザ発振器52と、対象物を搭載するステージ58とを含む。短パルスレーザ光照射装置50では、レーザ発振器52からアパーチャ54へ至る光学経路上に、第1のミラー60aが配置されている。アパーチャ54からレンズ56に至る光学経路上に、第2および第3のミラー60b、60cが配置されている。ステージ58は、対象物を搭載するための支持台を複数の方向(例えばX、YおよびZ方向)に移動可能な駆動機構を含むことができる。レーザ発振器53からのパルス列PTRAIN0は、アパーチャ54によって絞られた後に、レンズ56によって所望のビーム径に変換される。変換されたビーム径のパルス列PTRAIN1は、窒化ガリウム系半導体領域62の表面または内部に照射されて、照射された領域においてマルチフォトン吸収を引き起こす。短パルスレーザ光照射装置50を用いて、レーザパルス光列PTRAIN1で窒化ガリウム系半導体領域を走査することによって、窒化ガリウム系半導体領域の所望の領域においてp型ドーパントを活性化することができる。
この短パルスレーザ光照射装置50では、レーザ光のパルス列PTRAIN1のパルス幅は100ナノ秒以下であることが好ましく、これによってレーザ照射による半導体の発熱を低減することができるという利点がある。また、レーザ光のパルス列PTRAIN1のパルス幅は100000フェムト秒以下であることが好ましく、これによってレーザ照射に伴う格子振動の増大を抑制し半導体の発熱をより減らす事ができるという利点がある。
レーザ光の照射のためのレーザ光源として、例えばチタンサファイヤフェムト秒レーザを用いる。
レーザ光の波長λ:700〜900ナノメートル
レーザ光のパルス幅:100フェムト秒以下
レーザの出力:1ナノジュール〜10ミリジュール
である。
サンプルの移動速度として、例えば
X方向移動速度:毎秒2.3ミリメートル
Y方向移動ステップ幅:3マイクロメートル
を用いることができる。この結果、p型窒化ガリウム系半導体膜が形成される。本実施の示されるように、マルチフォトン吸収を利用するp型ドーパント活性化は、GaN膜およびAlGaN膜のp型ドーパントだけでなく、他の窒化ガリウム系物質InGaN、AlInGaNでも使用できる。
半導体発光素子11では、第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の領域17aはストライプ形状を成すことが好ましい。第1の窒化ガリウム系半導体層17の第1の領域17aの両側には第2の領域17bが位置している。また、第2の窒化ガリウム系半導体層19の第1の領域19aはストライプ形状を成している。第2の窒化ガリウム系半導体層19の第1の領域19aの両側には第2の領域19bが位置している。この半導体発光素子11によれば、選択的な活性化によりエッチング等の加工を伴うことなくストライプ形状の電流閉じ込め構造が提供されるので、結晶欠陥といったダメージが第1および第2の窒化ガリウム系半導体層17、19に残りにくい。第1の領域17a、19aの幅は、例えば0.1マイクロメートル程度以上であり、また15マイクロメートル程度以下である。
なお、これまでに説明された実施の形態において、基板が絶縁性を有する場合、低温GaNバッファ層等が絶縁性基板上に形成される。第1の領域17a、19aをエッチングすること無く第2の領域17b、19bおよび活性層をエッチングすると、n型窒化ガリウム系半導体層が露出される。この領域上に、カソードといった電極が形成される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電流の閉じ込めのためにp型半導体の加工を必要としない構造を有する半導体発光素子11が提供される。また、第1の領域17a、19aの厚さの和が大きい場合には、屈折率導波型の半導体発光素子11が提供される。
(第2の実施の形態)
図4は、本実施の形態に係る半導体レーザといった半導体発光素子を概略的に示す図面である。半導体発光素子51は、n型窒化ガリウム系半導体層13と、活性層15と、第1の窒化ガリウム系半導体層53と、第2の窒化ガリウム系半導体層55と、電極57とを備える。半導体発光素子51では、基板23は導電性を有する。半導体発光素子11は、基板23の裏面23b上に設けられた第2の電極29を更に含む。n型窒化ガリウム系半導体層13は基板23上に設けられており、また活性層15は、n型窒化ガリウム系半導体層13の主面13a上に設けられている。
第1の窒化ガリウム系半導体層53は活性層15の主面15aの全体を覆うように設けられている。活性化されたp型ドーパント59aは第1の窒化ガリウム系半導体層53の全体に含まれている。第2の窒化ガリウム系半導体層55は第1の窒化ガリウム系半導体層53の主面53aの全体を覆うように設けられている。第2の窒化ガリウム系半導体層55はp型ドーパント61a、61b、61cを含む。電極57は第2の窒化ガリウム系半導体層55上に設けられている。
第2の窒化ガリウム系半導体層55は、第1の領域55aおよび第2の領域55bを含む。第1の領域55aおよび第2の領域55bは第1の窒化ガリウム系半導体層53の主面53aに沿って配置されている。第1の領域55aは、活性化されたp型ドーパント61aおよび活性化されていないp型ドーパント61cを含むと共に、第2の領域55bは、活性化されていないp型ドーパント61bを含む。第2の窒化ガリウム系半導体層55の第1の領域55aの活性化されていないp型ドーパントの濃度Na55aは第2の領域55bの活性化されていないp型ドーパントの濃度Na55bより小さい。
第1の領域55aは第1の比抵抗R55aを有すると共に、第2の領域55bは第2の比抵抗R55bを有する。第2の窒化ガリウム系半導体層55の第1の領域55aの第1の比抵抗R55aは第2の領域55bの第2の比抵抗R55bより小さい。電極57は、第2の窒化ガリウム系半導体層55の第1の領域55aを覆うと共に、第2の領域55bの少なくとも一部を覆う。
この半導体発光素子51によれば、第1の窒化ガリウム系半導体層53が活性層15の主面15aの全体を覆うように設けられると共に、第2の窒化ガリウム系半導体層55が第1の窒化ガリウム系半導体層53の主面53aの全体を覆うように設けられているので、第1および第2の窒化ガリウム系半導体層53、55の導電性を有する部分は加工されることがない。また、電極57が第2の窒化ガリウム系半導体層55の第2の領域55bの少なくとも一部を覆うので、該第2の領域55bは電極57により保護される。第2の窒化ガリウム系半導体層55の第2の領域55bの第2の比抵抗R55bは高抵抗なので、電極57からび第2の窒化ガリウム系半導体層55の第2の領域55bを通して活性層15に流れる電流は非常に小さい。さらに、電極57から供給されるキャリアは、第2の領域55bの比抵抗R55bより小さい比抵抗R55aを有する第1の領域55aを通して活性層15に至る。
半導体発光素子51では、第2の窒化ガリウム系半導体層55の第1の領域55aはストライプ形状を成している。第2の窒化ガリウム系半導体層55の第1の領域55aの両側には第2の領域55bが位置している。この半導体発光素51子によれば、エッチング等の加工を伴うことなく選択的な活性化によりストライプ形状の電流閉じ込め構造が提供されるので、結晶欠陥といったダメージが第2の窒化ガリウム系半導体層55に残りにくい。第1の領域55aの幅は、例えば0.1マイクロメートル程度以上であり、また20マイクロメートル程度以下である。
第1の窒化ガリウム系半導体層53の第1の部分53aおよび第2の部分53bの比抵抗は、例えば6×10Ω・cm以上であり、また5×10Ω・cm以下である。第2の窒化ガリウム系半導体層55の第1の部分55aの比抵抗は、例えば1×10−5Ω・cm程度以上であり、また1×10−1Ω・cm程度以下である。第2の部分55bの比抵抗は、例えば7×10Ω・cm程度以上であり、また9×10Ω・cm程度以下である。第2の窒化ガリウム系半導体層55の第1の部分55aのキャリア濃度は、例えば1×1017cm−3以上であり、また5×1018cm−3以下である。また、第2の部分55bのキャリア濃度は、例えば1×1015cm−3以上であり、また8×1016cm−3以下である。
半導体発光素子51では基板23は導電性を有する。半導体発光素子51は、基板23の裏面23b上に設けられた第2の電極29を更に含む。好ましくは、基板23はIII族窒化物基板であることができる。また、III族窒化物基板は、例えば窒化ガリウム支持基体を含むことが好ましい。必要な場合には、窒化ガリウム支持基体上には、窒化ガリウム系半導体からなるバッファ層等が形成される。さらに、第2の窒化ガリウム系半導体層55の第1の部分55aのキャリア濃度は、第1の窒化ガリウム系半導体層53のキャリア濃度より大きいことが好ましい。加えて、第2の窒化ガリウム系半導体層55のバンドギャップは、第1の窒化ガリウム系半導体層53のバンドギャップより小さいことが好ましい。
半導体発光素子51を以下に示す。支持基体23、n型窒化ガリウム系半導体層13、活性層15および第2の電極29については第1の実施の形態と同じものを使用できる。
第1の窒化ガリウム系半導体層53:
MgドープAlGaNクラッド層、Al0.18Ga0.82N、厚さ500ナノメートル、キャリア濃度7×1017cm−3
第2の窒化ガリウム系半導体層55:
MgドープGaNコンタクト層、GaN、厚さ100ナノメートル、キャリア濃度4×1018cm−3
第1の電極57:アノード、Ni/Au
である。半導体膜55には、p型ドーパントだけでなく、原料ガスに含まれる水素が含まれている。
第1の窒化ガリウム系半導体層53および第2の窒化ガリウム系半導体層55の第1の領域55aにおける活性化されたp型ドーパントに関しては、多光子吸収過程を利用するレーザ活性化が利用される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電流の閉じ込めのためにp型半導体の加工を必要としない構造を有する半導体発光素子51が提供される。また、第1の領域55aの厚さが大きい場合、屈折率導波型の半導体発光素子51が提供される。その他の場合、利得導波型の半導体発光素子51が提供される。
(第3の実施の形態)
図5は、本実施の形態に係る半導体レーザといった半導体発光素子を概略的に示す図面である。半導体発光素子61は、n型窒化ガリウム系半導体層13と、活性層15と、第1の窒化ガリウム系半導体層53と、第2の窒化ガリウム系半導体層63と、電極65と、絶縁膜67とを備える。半導体発光素子51では、第1の窒化ガリウム系半導体層53は、活性層15の主面15aの全体を覆うように設けられている。第2の窒化ガリウム系半導体層63は、第1の窒化ガリウム系半導体層53の主面53aの全体を覆うように設けられている。絶縁膜67は、第2の窒化ガリウム系半導体層63の主面63a上に設けられており、開口67aを有する。電極65は、絶縁膜67上に設けられており、また開口67aを通して第2の窒化ガリウム系半導体層63に接続される。第1の窒化ガリウム系半導体層53は、活性化されたp型ドーパント69aを含んでいる。第2の窒化ガリウム系半導体層63は、活性化されたp型ドーパント69bを含んでいる。
この半導体発光素子61によれば、第1の窒化ガリウム系半導体層53が活性層15の主面15aの全体を覆うように設けられると共に、第2の窒化ガリウム系半導体層63が第1の窒化ガリウム系半導体層53の主面53aの全体を覆うように設けられているので、第1および第2の窒化ガリウム系半導体層53、63の導電性を有する部分は加工されることがない。また、電極65が絶縁膜67の開口67aを通して第2の窒化ガリウム系半導体層63に接続されるので、利得導波型の発光素子が提供される。
半導体発光素子61では基板23は導電性を有する。半導体発光素子61は、基板23の裏面23b上に設けられた第2の電極29を更に含む。好ましくは、基板23はIII族窒化物基板であることができる。また、III族窒化物基板は、例えば窒化ガリウム支持基体を含むことが好ましい。必要な場合には、窒化ガリウム支持基体上には、窒化ガリウム系半導体からなるバッファ層等が形成される。さらに、第2の窒化ガリウム系半導体層63のキャリア濃度は、第1の窒化ガリウム系半導体層53のキャリア濃度より大きいことが好ましい。加えて、第2の窒化ガリウム系半導体層63のバンドギャップは、第1の窒化ガリウム系半導体層53のバンドギャップより小さいことが好ましい。
半導体発光素子61を以下に示す。支持基体23、n型窒化ガリウム系半導体層13、活性層15および第2の電極29については第1の実施の形態と同じものを使用できる。第1の窒化ガリウム系半導体層53については第2の実施の形態と同じものを使用できる。
第2の窒化ガリウム系半導体層63:
MgドープGaNコンタクト層、GaN、厚さ500ナノメートル、キャリア濃度3×1018cm−3
第1の電極65:アノード、Ni/Au
絶縁膜67:シリコン酸化物、シリコン窒化物
である。
第1の窒化ガリウム系半導体層53および第2の窒化ガリウム系半導体層63における活性化されたp型ドーパントに関しては、多光子吸収過程を利用するレーザ活性化が利用される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電流の閉じ込めのためにp型半導体の加工を必要としない構造を有する半導体発光素子61が提供される。利得導波型の半導体発光素子61が提供される。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1は、第1の実施の形態に係る半導体レーザといった半導体発光素子を概略的に示す図面である。 図2は、p型ドーパントを含む窒化ガリウム系半導体内で生じる多光子吸収過程を示す図面である。 図3は、本実施の形態に係るフェムト秒レーザの構成の一例を概略的に示す図面である。 図4は、第2の実施の形態に係る半導体レーザといった半導体発光素子を概略的に示す図面である。 図5は、第3の実施の形態に係る半導体レーザといった半導体発光素子を概略的に示す図面である。
符号の説明
11…半導体発光素子、13…n型窒化ガリウム系半導体層、15…活性層、17…第1の窒化ガリウム系半導体層、17a…第1の窒化ガリウム系半導体層の第1の部分、17b…第1の窒化ガリウム系半導体層の第2の部分、19…第2の窒化ガリウム系半導体層、19a…第2の窒化ガリウム系半導体層の第1の部分、19b…第2の窒化ガリウム系半導体層の第2の部分、21…第1の電極、23…支持基体、25a、25b、25c…p型ドーパント、27a、27b、27c…p型ドーパント、29…第2の電極、51…半導体発光素子、53…第1の窒化ガリウム系半導体層、55…第2の窒化ガリウム系半導体層、55a…第2の窒化ガリウム系半導体層の第1の部分、55b…第2の窒化ガリウム系半導体層の第2の部分、57…第1の電極、59a、61a、61b、61c…p型ドーパント、61…半導体発光素子、63…第2の窒化ガリウム系半導体層、65…第1の電極、67…絶縁膜

Claims (9)

  1. 基板の主面上に設けられたn型窒化ガリウム系半導体層と、
    前記n型窒化ガリウム系半導体層の主面上に設けられており窒化ガリウム系半導体からなる活性層と、
    前記活性層の主面の全体を覆うように設けられておりp型ドーパントを含む第1の窒化ガリウム系半導体層と、
    前記第1の窒化ガリウム系半導体層の主面の全体を覆うように設けられておりp型ドーパントを含む第2の窒化ガリウム系半導体層と、
    前記第2の窒化ガリウム系半導体層上に設けられた電極と
    を備え、
    前記第1の窒化ガリウム系半導体層は、活性化されたp型ドーパントおよび活性化されていないp型ドーパントを含み第1の比抵抗を有する第1の領域と、活性化されていないp型ドーパントを含み第2の比抵抗を有する第2の領域とを含み、前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1および第2の領域は前記活性層に沿って配置されており、前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度は前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度より小さく、前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記第1の比抵抗は前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記第2の比抵抗より小さく、
    前記第2の窒化ガリウム系半導体層は、活性化されたp型ドーパントおよび活性化されていないp型ドーパントを含み第1の比抵抗を有する第1の領域と、活性化されていないp型ドーパントを含み第2の比抵抗を有する第2の領域とを含み、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域および第2の領域は前記活性層に沿って配置されており、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度は前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度より小さく、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記第1の比抵抗は前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記第2の比抵抗より小さく、
    前記第1および第2の窒化ガリウム系半導体層の第1の領域は前記基板の主面に交差する軸に沿って配置されており、
    前記電極は、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域を覆うと共に、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の少なくとも一部を覆う、ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域はストライプ形状を成し、前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の両側には前記第1の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域が位置しており、
    前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域はストライプ形状を成し、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の両側には前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域が位置している、ことを特徴とする請求項1に記載された半導体発光素子。
  3. 基板上に設けられたn型窒化ガリウム系半導体層と、
    前記n型窒化ガリウム系半導体層の主面上に設けられており窒化ガリウム系半導体からなる活性層と、
    活性化されたp型ドーパントを含み前記活性層の主面の全体を覆うように設けられた第1の窒化ガリウム系半導体層と、
    前記第1の窒化ガリウム系半導体層の主面の全体を覆うように設けられておりp型ドーパントを含む第2の窒化ガリウム系半導体層と、
    前記第2の窒化ガリウム系半導体層上に設けられた電極と
    を備え、
    前記第2の窒化ガリウム系半導体層は、活性化されたp型ドーパントおよび活性化されていないp型ドーパントを含み第1の比抵抗を有する第1の領域と、活性化されていないp型ドーパントを含み第2の比抵抗を有する第2の領域とを含み、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域および第2の領域は前記第1の窒化ガリウム系半導体層に沿って配置されており、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度は前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記活性化されていないp型ドーパントの濃度より小さく、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の前記第1の比抵抗は前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の前記第2の比抵抗より小さく、
    前記電極は、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域を覆うと共に、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域の少なくとも一部を覆う、ことを特徴とする半導体発光素子。
  4. 前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域はストライプ形状を成し、前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第1の領域の両側には前記第2の窒化ガリウム系半導体層の前記第2の領域が位置している、ことを特徴とする請求項3に記載された半導体発光素子。
  5. 基板上に設けられたn型窒化ガリウム系半導体層と、
    前記n型窒化ガリウム系半導体層の主面上に設けられており窒化ガリウム系半導体からなる活性層と、
    活性化されたp型ドーパントを含み前記活性層の主面の全体を覆うように設けられた第1の窒化ガリウム系半導体層と、
    活性化されたp型ドーパントを含み前記第1の窒化ガリウム系半導体層の主面の全体を覆うように設けられた第2の窒化ガリウム系半導体層と、
    前記第2の窒化ガリウム系半導体層の主面上に設けられており開口を有する絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に設けられており前記開口を通して前記第3の窒化ガリウム系半導体層に接続された電極と
    を備える、ことを特徴とする半導体発光素子。
  6. 前記活性化されたp型ドーパントは、フェムト秒レーザを用いて活性化されている、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  7. 前記p型ドーパントは、マグネシウムおよび亜鉛の少なくともいずれかである、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  8. 前記基板はIII族窒化物基板である、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載された半導体発光素子。
  9. 前記III族窒化物基板は窒化ガリウム支持基体を含む、ことを特徴とする請求項8に記載された半導体発光素子。
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