JP2007250758A - 多数個取り配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上層側のセラミック層c1と下層側のセラミック層c2とを積層してなり、表面2および裏面3を有し、平面視で複数の製品pが縦横に配置される製品領域Pおよびこの製品領域Pを囲む耳部mを有するベース基板1と、該ベース基板1における耳部mの側面4に切欠部6を有する上層側のセラミック層c1と、切欠部6内の上層側のセラミック層c1側に形成された切欠部導体7と、上層側のセラミック層c1と下層側のセラミック層c2との間に形成され、且つ切欠部導体7に電気的に接続された内部導体11,12と、下層側のセラミック層c2内に設けられ、且つ内部導体11およびベース基板1の裏面3に形成された外部導体10と電気的に接続されたビア導体14と、を含む、多数個取り配線基板K1。
【選択図】 図2
Description
上記多数個取り配線基板においては、断面ほぼ半円形の端子導体に接触したメッキ用電極からの通電により、かかる端子導体に接続された共通導体を経て、各配線基板ごとの配線導体の表面に金属メッキ層が被覆される。
しかしながら、複数のグリーンシートごとの切欠き部の表面に印刷した各メタライズ層、あるいは、複数のグリーンシートごとの貫通孔の内面に印刷した各メタライズ層は、積層する際に複数のグリーンシートで対向する表面に同時に形成された水平片同士が重なり合う。このため、複数の絶縁層を積層した際に、母基板の周辺が盛り上がり、焼成後において、表面側がほぼ凹面状になるように沿った母基板となるおそれがある、という問題があった。
即ち、本発明による第1の多数個取り配線基板(請求項1)は、上層側のセラミック層と下層側のセラミック層とを含む複数のセラミック層を積層してなり、表面および裏面を有し、平面視で複数の製品が縦横に配置される製品領域およびかかる製品領域を囲む耳部を有するベース基板と、かかるベース基板の耳部におけるセラミック層の側面に切欠部を有する上層側のセラミック層と、前記切欠部内の上層側のセラミック層側に形成された切欠部導体と、上記上層側のセラミック層とその直下の下層側のセラミック層との間に形成され、且つ上記切欠部導体に電気的に接続された内部導体と、上記下層側のセラミック層内に設けられ、且つ上記内部導体およびベース基板の裏面に形成された外部導体と電気的に接続されたビア導体と、を含む、ことを特徴とする。
また、製品領域内に縦横に配置される複数の製品は、平坦な表面および裏面を有するほぼ板形状の形態のほか、表面に開口するキャビティを有する形態も含まれる。複数の配線基板のうち、前記耳部に隣接する配線基板は、前記内部導体、ビア導体、および外部導体を共有している。
更に、前記切欠部導体および外部導体の表面には、NiメッキおよびAuメッキの少なくとも一方からなる金属メッキ層が被覆される。
これにより、前記製品領域の周辺部に位置する個々の配線基板の平坦度も高くなるので、かかる配線基板の表面に形成されるパッドを介して、各種の電子部品を確実に搭載することが可能となる。しかも、従来の多数個取り配線基板のように、ベース基板の裏面にスルーホール導体の下端部が突出せず、かかる裏面には製品領域内における多数の外部導体のみが薄く突出するため、個々の配線基板に切断する際などに、ベース基板の耳部における裏面側に割れが生じる事態を防止することも可能となる。
これによれば、平坦な前記グリーンシート積層体のスルーホール導体の軸心付近と交差する切断予定面に沿って、かかるグリーンシート積層体の厚み方向に沿って切断するにより、前記第1の多数個取り配線基板を確実に製造することが可能となる。
図1は、本発明における第1の多数個取り配線基板K1を示す平面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿って拡大した垂直断面図、図3は、かかる第1の多数個取り配線基板K1の一部を示す斜視図である。
尚、以下において、多数個取り配線基板K1は、単に配線基板K1と記載する。
第1の配線基板K1は、図1,図2に示すように、全体がほぼ直方体を呈するベース基板1と、かかるベース基板1における一対の長辺の側面4に形成された切欠部6と、を備えている。
上記ベース基板1は、アルミナを主成分とし、厚みがそれぞれ約65μmの上層側のセラミック層c1と下層側のセラミック層c2とからなり、平面視が長方形(矩形)を呈する表面2および裏面3と、一対の長辺の側面4および一対の短辺の側面5と、を有している。
図1,図2に示すように、複数の製品pは、ベース基板1の表面2側に、縦×横合計6個で厚みが約5μmのパッド9を有すると共に、ベース基板1の裏面3側には、厚みが約5μmである複数のパッド(外部導体)10を有している。尚、表面2側のパッド9は、かかる表面2に搭載すべき電子部品との導通用として、裏面3側のパッド10は、マザーボードとの導通用として、追って活用される。
尚、前記パッド9,10は、焼成されたWまたはMoなどからなり、それらの表面には、上記切欠部導体7をメッキ電極とする電解メッキにより、Niメッキ層およびAuメッキ層などからなる金属メッキ層(図示せず)が被覆されている。
このうち、耳部mと製品領域Pとにまたがる内部導体11は、前記切欠部導体7と、上記ビア導体13,14とに、それぞれ電気的に導通するように接続されている。この内部導体11で切欠部導体7との接続部は、その水平片8aの下側に偏寄している。また、製品領域P内の隣接する製品p,p間にまたがる内部導体12は、上下のビア導体13,14と電気的に導通するように接続されている。
尚、上記内部導体11,12およびビア導体13,14は、焼成されたWまたはMoなどからなる。
尚、以下において、多数個取り配線基板K2は、単に配線基板K2と記載する。
第2の配線基板K2は、図4,図5に示すように、全体がほぼ直方体を呈するベース基板1aと、かかるベース基板1aの周辺に位置する耳部mにおいて、対向する一対の側面4付近に沿って形成された複数のスルーホール16およびスルーホール導体17と、を備えている。
尚、ベース基板1aは、前記ベース基板1を内側に含むものであり、その分だけ平面視の外形がベース基板1よりも大きくなっている。また、表面2および裏面3は、ベース基板1a、製品領域P、製品p、および耳部mに共通して用いられる。
かかるスルーホール導体17の上端からは、耳部mの表面2側に位置するリング形状の水平片18が延びている。また、スルーホール導体17の下端からは、上層・下層側のセラミック層c1,c2間に進入し、内部導体11の一部と重複するリング形状の水平片18aが延びている。かかる水平片18aの下側に重複する内部導体11の一部分は、ベース基板1aの裏面3側に偏寄している。
このうち、耳部mと製品領域Pとにまたがる内部導体11は、前記スルーホール導体17と、上記ビア導体13,14とに、それぞれ電気的に導通するように接続されている。また、製品領域P内の隣接する製品p,p間にまたがる内部導体12は、上下のビア導体13,14と電気的に導通するように接続されている。
尚、前記パッド9,10も、焼成されたWまたはMoからなり、その表面には、前記スルーホール導体17をメッキ電極とする電解メッキにより、Niメッキ層およびAuメッキ層などからなる金属メッキ層(図示せず)が被覆されている。
予め、アルミナ粉末粒子、樹脂バインダ、可塑剤、および溶剤などからなる原料を混合して、セラミックスラリを製作した。かかるセラミックスラリにドクターブレード法を施して、2層のグリーンシートs1,s2を形成した。尚、かかるグリーンシートs1,s2は、多数個取り用である大版タイプである。
先ず、図7に示すように、上層・下層側のグリーンシートs1,s2には、周辺の耳部m、これに囲まれた縦横に複数の製品pを配置した製品領域P、各製品pを区画するように、図中の破線(仮想線)で示す切断予定面fを設定した。
次に、図8に示すように、上層・下層側のグリーンシートs1,s2における耳部mの表面2,3aと裏面2a,3との間に、それぞれスルーホール16を同心となるように、打ち抜き加工で形成した。また、グリーンシートs1,s2の製品領域P内に位置する製品pごとの表面2,3aと裏面2a,3との間に、それぞれ複数のビアホールhを、打ち抜き加工で形成した。尚、スルーホール16は、後述する内部導体11を形成した後で、形成するようにしても良い。
更に、上層・下層側のグリーンシートs1,s2の製品領域P内における各製品pのビアホールhごとにも、前記同様にして導電性ペーストを吸引・印刷することで、図9に示すように、複数のビア導体13,14を形成した。
また、図10の下側に示すように、下層側のグリーンシートs2の製品領域P内に位置する製品pごとの表面3aと裏面3とに、上記と同様にして、各ビア導体14の上・下端と接続するように、厚みが約5μmである複数の内部導体11,12とパッド(外部導体)10とを個別に印刷・形成した。尚、下層側のグリーンシートs2の場合、製品領域Pと耳部mとにまたがる内部導体11を先に表面3aに形成した後、前記打ち抜き加工により、スルーホール16を形成しても良い。
その結果、図11に示すように、上層・下層側のグリーンシートs1,s2からなるグリーンシート積層体S1が形成された。かかるグリーンシート積層体S1において、各スルーホール導体17の下端側の前記水平片18は、上記圧着に伴う圧力により薄い水平片19になると共に、隣接する内部導体11の端部をリング形状で下向きに偏寄させ、かかる形態で互いに接続された。この結果、スルーホール導体17は、内部導体11およびビア導体14を介して、グリーンシート積層体Sの1裏面3のパッド10と電気的に接続された。
そして、上記グリーンシート積層体S1を、所定の温度帯で焼成することにより、前記図4〜図6で示した平坦な配線基板K2を製造することができた。
その結果、図12に示すように、対向する側面4に開口する複数の切欠部6と、各切欠部6のほぼ上半分を覆う切欠部導体7とを備えたグリーンシート積層体S2が形成された。
そして、上記グリーンシート積層体S2を、所定の温度帯で焼成することにより、前記図1〜図3で示した平坦な配線基板K1を製造することができた。
配線基板K3は、図13に示すように、前記同様の上層側のセラミック層c1と、それぞれ厚みが約60μmである下層側のセラミック層c2,c3とが一体に積層された前記同様のベース基板1bと、その耳部mの側面4に開口する前記同様の切欠部6と、かかる切欠部6のうち、上層側のセラミック層c1側に形成された前記同様の切欠部導体7と、を備えている。
図13に示すように、下層側のセラミック層c2,c3間には、前記同様のビア導体14と接続する内部導体20が形成され、最下層のセラミック層c3には、かかる内部導体20と接続し且つベース基板1bの裏面3に形成されたパッド(外部導体)10とも接続するビア導体21が形成されている。
以上のような配線基板K3も、前述した製造方法と同様にして製造できた。
また、かかる配線基板K3は、前記配線基板K1と同様な効果を奏した。
配線基板K4は、図14に示すように、前記同様の上層側のセラミック層c1と、それぞれ厚みが約60μmである下層側のセラミック層c2,c3とが一体に積層された前記同様のベース基板1cと、その周辺の耳部mを貫通する前記同様のスルーホール16と、かかるスルーホール16のうち、上層側のセラミック層c1側に形成された前記同様のスルーホール導体17と、を備えている。
図14に示すように、下層側のセラミック層c2,c3間には、前記同様のビア導体14と接続する内部導体20が形成され、最下層のセラミック層c3には、かかる内部導体20と接続し且つベース基板1cの裏面3に形成されたパッド(外部導体)10とも接続するビア導体21が形成されている。
以上のような配線基板K4も、前述した製造方法と同様にして製造できた。
また、かかる配線基板K4は、前記配線基板K2と同様な効果を奏した。
前記セラミック層やグリーンシートには、前記アルミナに限らず、ムライト、窒化アルミニウム、あるいは低温焼成セラミックの一種であるガラス−セラミックを適用しても良い。
また、上層側のセラミック層や上層側のグリーンシートも、2層以上としても良い。
更に、ベース基板の製品領域内に縦横に配置される複数の製品(配線基板)は、その表面に開口するキャビティを有し、かかるキャビティの底面に前記同様のパッドが形成された形態としても良い。
2…………………表面
3…………………裏面
6…………………切欠部
7…………………切欠部導体
10………………パッド(外部導体)
11………………内部導体
14………………ビア導体
16………………スルーホール
17………………スルーホール導体
K1〜K4………多数個取り配線基板
P…………………製品領域
p…………………配線基板(製品)
m…………………耳部
c1〜c3………セラミック層
s1〜s3………グリーンシート
S1,S2………グリーンシート積層体
f…………………切断予定面
Claims (4)
- 上層側のセラミック層と下層側のセラミック層とを含む複数のセラミック層を積層してなり、表面および裏面を有し、平面視で複数の製品が縦横に配置される製品領域およびかかる製品領域を囲む耳部を有するベース基板と、
上記ベース基板の耳部におけるセラミック層の側面に切欠部を有する上層側のセラミック層と、
上記切欠部内の上層側のセラミック層側に形成された切欠部導体と、
上記上層側のセラミック層とその直下の下層側のセラミック層との間に形成され、且つ上記切欠部導体に電気的に接続された内部導体と、
上記下層側のセラミック層内に設けられ、且つ上記内部導体およびベース基板の裏面に形成された外部導体と電気的に接続されたビア導体と、を含む、
ことを特徴とする多数個取り配線基板。 - 上層側のセラミック層と下層側のセラミック層とを含む複数のセラミック層を積層してなり、表面および裏面を有し、平面視で複数の製品が縦横に配置される製品領域およびかかる製品領域を囲む耳部を有するベース基板と、
上記ベース基板の耳部におけるセラミック層を貫通するスルーホールを有する上層側のセラミック層と、
上記スルーホール内の上層側のセラミック層側に形成されたスルーホール導体と、
上記上層側のセラミック層とその直下の下層側のセラミック層との間に形成され、且つ上記スルーホール導体に電気的に接続された内部導体と、
上記下層側のセラミック層内に設けられ、且つ上記内部導体およびベース基板の裏面に形成された外部導体と電気的に接続されたビア導体と、を含む、
ことを特徴とする多数個取り配線基板。 - 下層側のグリーンシートとその直上に積層される上層側のグリーンシートとに対し、複数の製品が縦横に配置される製品領域を囲む耳部にスルーホールを同心で形成する工程と、
上記上層側のグリーンシートのスルーホールの内壁に、スルーホール導体を形成する工程と、
上記上層側のグリーンシートの裏面または下層側のグリーンシートの表面に内部導体を形成する工程と、
上記下層側のグリーンシートにおける表面と裏面との間を貫通し、上記内部導体に接続するビア導体を形成する工程と、
上記上層側のセラミック層および下層側のグリーンシートを、上記スルーホール導体と内部導体が電気的に接続されるように積層して、グリーンシート積層体を形成する工程と、を含む、
ことを特徴とする多数個取り配線基板の製造方法。 - 前記グリーンシート積層体を形成する工程の後に、得られたグリーンシート積層体における前記スルーホール導体の軸心付近と交差する切断予定面に沿って、当該グリーンシート積層体の厚み方向に沿って切断する工程を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の多数個取り配線基板の製造方法。
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