JP2007250709A - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便なプロセスで製造でき、キャリア移動度が高く、オンオフ比の大きい良好なトランジスタ特性を示し、かつ経時変化しにくい安定な有機薄膜トランジスタを提供すること。
【解決手段】有機半導体層を具備する有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層が下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
Figure 2007250709

(式中YおよびArは置換または無置換の芳香族炭化水素あるいは芳香族複素環の2価基を、Yは置換または無置換の芳香族炭化水素もしくは置換または無置換の芳香族複素環の二価基を、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基あるいは芳香族炭化水素基を表わす)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタに関する。
近年、有機半導体材料を利用した有機薄膜トランジスタの研究開発が盛んである。有機半導体材料は、印刷法、スピンコート法等のウェットプロセスによる簡便な方法で容易に薄膜形成が可能であり、従来の無機半導体材料を利用した薄膜トランジスタと比し、製造プロセス温度を低温化できるという利点がある。これにより、一般に耐熱性の低いプラスチック基板上への形成が可能となり、ディスプレイ等のエレクトロニクスデバイスの軽量化や低コスト化できるとともに、プラスチック基板のフレキシビリティーを活かした用途等、多様な展開が期待できる。
これまでに、有機半導体材料としてペンタセン等のアセン系材料が報告されている(例えば、特許文献1記載)。このペンタセンを有機半導体層として利用した有機薄膜トランジスタは、比較的高移動度であることが報告されているが、この材料を有機半導体層として薄膜化する際には、蒸着等による真空プロセスを必要とするため、前述したような塗布や印刷などの簡便なプロセスで薄膜を形成できるという有機半導体材料への期待に応えるものではない。また、高分子有機半導体材料として、ポリ(3−アルキルチオフェン)(非特許文献1記載)、ジアルキルフルオレンとビチオフェンとの共重合体(非特許文献2記載)等が高移動度な高分子材料として提案されている。これらの高分子有機半導体材料は、分子構造中に溶解性を高めるための置換基を導入しており、有機溶剤等への溶解性が比較的高く、ウェットプロセスにより、容易に有機半導体薄膜を形成可能である。しかしながら、ポリ(3−アルキルチオフェン)は大気中での薄膜形成等で酸素による影響を受けやすく、有機薄膜トランジスタとしての耐久性に乏しい。また、ジアルキルフルオレンとビチオフェンとの共重合体は、酸素の影響は比較的受けにくいが、薄膜形成時に高温で熱処理を施さないと十分なキャリア移動度が得られない等の欠点があった。
また、先に、本出願人らは、アリールアミンユニットを繰り返し単位とした高分子有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタを提案した(特許文献2記載)。このアリールアミンユニットを有する高分子有機半導体材料は、有機溶剤等への溶解度が高く、容易にウェットプロセスにより薄膜形成が可能であり、酸素による影響が少なく、これを用いた有機薄膜トランジスタの耐久性は高い。しかしながら、広範囲なエレクトロニクスデバイスへの応用展開を視野に入れると、さらなるキャリア移動度の向上が求められている。
特開平5−55568号公報 特願2004−027234号明細書 Appl.Phys.Lett.,69(26),4108(1996) Science,290,2123(2000)
本発明は上述の問題を解決するため、簡便なプロセスで製造でき、キャリア移動度が高く、オンオフ比の大きい良好なトランジスタ特性を示し、かつ経時変化しにくい安定な有機薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する重合体を有機薄膜トランジスタの半導体層として用いることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(4)からなる。
(1) 有機半導体層を具備する有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層が下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
Figure 2007250709
(式中YおよびArは置換または無置換の芳香族炭化水素あるいは芳香族複素環の2価基を、Yは置換または無置換の芳香族炭化水素もしくは置換または無置換の芳香族複素環の二価基を、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基あるいは芳香族炭化水素基を表わす)
(2) 有機半導体層と、この有機半導体層を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなる有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層が次の一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
Figure 2007250709
(式中YおよびArは置換または無置換の芳香族炭化水素あるいは芳香族複素環の2価基を、Yは置換または無置換の芳香族炭化水素もしくは置換または無置換の芳香族複素環の二価基を、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基あるいは芳香族炭化水素基を表わす)
(3) 少なくとも三つの電極と、絶縁層及び有機半導体層とから構成される有機薄膜トランジスタであって、有機半導体層が上記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の有機薄膜トランジスタ。
(4) 有機半導体層が下記一般式(II)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする前記(1)乃至(3)の何れかに記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2007250709
(式中Yは置換または無置換の芳香族炭化水素あるいは芳香族複素環の2価基を、Yは置換または無置換の芳香族炭化水素もしくは置換または無置換の芳香族複素環の二価基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基あるいはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基を表わす)
ここで、本発明における主成分とは、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上を意味する。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により簡便なプロセスで製造でき、キャリア移動度が高く、オンオフ比の大きい良好なトランジスタ特性を示し、かつ経時変化しにくい安定な有機薄膜トランジスタを提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
次に、本発明を詳細に説明する。
<トランジスタ構造>
図1の(A)〜(H)は本発明に係わる有機薄膜トランジスタの概略構造を示した図である。本発明に係わる有機薄膜トランジスタの有機半導体層(1)は、一般式で示した繰り返し単位を有する重合体を主成分とする。本発明の有機薄膜トランジスタには、基板(2)より上に空間的に分離されたゲート電極(3)、ソース電極(4)、ドレイン電極(5)が設けられており、ゲート電極(3)と有機半導体層(1)の間には絶縁膜(6)が設けられていてもよい。有機薄膜トランジスタはゲート電極(3)への電圧の印加により、ソース電極(4)とドレイン電極(5)の間の有機半導体層(1)内を流れる電流がコントロールされる。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいては、有機半導体層は上記一般式(I)あるいは(II)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とするが、この重合体について詳細に説明する。
本発明で用いられる上記一般式(I)あるいは(II)で示される繰り返し単位を有する重合体の製造は、例えばアルデヒドとホスホネートを用いたWittig−Horner反応、アルデヒドとホスホニウム塩を用いたWittig反応、ビニル置換体とハロゲン化物を用いたHeck反応、アミンとハロゲン化物を用いたUllmann反応などを用いることができ、公知の方法により製造可能である。特にWittig−Horner反応およびWittig反応は反応操作の簡便さから有効である。
一例としてWittig−Horner反応を用いた本発明における重合体の製造方法について説明する。本発明における重合体は、一般的には下記式(III)で示されるようにホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物が化学量論的に等しく存在する溶液と、その2倍モル量以上の塩基を混合させることにより重合反応が進行し得ることができる。また、複数種のホスホン酸エステル化合物あるいはアルデヒド化合物を反応系内に添加することにより、ランダム共重合体を得ることもでき、諸特性を調整することも可能である。
Figure 2007250709
(式中、Aは上記一般式(I)中の[Y1」の構造部分を表し、Bは上記一般式(I)中の[−Ar−C≡C−Y−C≡C−Ar−]の構造部分を表わす)。
上記反応に使用する塩基はホスホネートカルボアニオンが形成されるものであれば特に限定されず、金属アルコシド、金属ヒドリド、有機リチウム化合物等が挙げられ、例えばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムナフチリド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等を挙げることができる。
反応に用いる塩基の量は、通常ホスホン酸エステル化合物の重合活性点に対して同量使用するだけでよいが、さらに過剰量用いても支障ない。
上記の塩基は固形状態や懸濁溶液の状態で反応系内に添加してもよいが、得られる重合体の均質性が良好になるために、特に均一溶液として添加することが好ましい。塩基を溶解する溶媒としては、使用する塩基と安定な溶液を形成する溶媒を選択しなければならないが、その他の要因として塩基の溶解度が高いものがよく、また反応系で生成する高分子量体の反応溶媒に対する溶解性を損ねないものがよく、さらに生成する高分子量体が良好に溶解する溶媒がよく、用いる塩基と製造する高分子量体の特性に応じて、一般に知られているアルコール系、エーテル系、アミン系、炭化水素系溶媒等から任意に選択することができる。
塩基とそれを均一に溶解する溶媒の組み合わせとしては、例えばナトリウムメトキシドのメタノール溶液、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−メチル−2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、カリウムt−ブトキシドのジオキサン溶液、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液、メチルリチウムのエーテル溶液、リチウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、リチウムジイソプロピルアミドのシクロヘキサン溶液、カリウムビストリメチルシリルアミドのトルエン溶液等をはじめとして、種々の組み合わせの溶液が挙げられ、幾つかの溶液は市販品として容易に入手することができる。温和な反応条件、取り扱いの容易さの観点から好ましくは金属アルコキシド系の溶液が用いられ、生成する重合体の溶解性、取り扱いの容易さ、反応の効率性、生成する重合体の溶解性等の観点からより好ましくは金属t−ブトキシドのエーテル系が用いられ、さらに好ましくはカリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液が用いられる。
上記重合反応はホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物の溶液に塩基溶液を添加してもよく、塩基溶液にホスホン酸エステル化合物およびアルデヒド化合物の溶液を加えてもよく、同時に反応系に加えてもよく、添加の順序に制約はない。
上記重合反応における重合時間は、用いられるモノマーの反応性、または望まれる重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよいが、0.2時間〜30時間が好適である。
上記重合反応における反応温度は特に制御する必要なく室温において良好に重合反応が進行するが、反応効率をより上げるために加熱したり、またはより温和な条件に冷却することも可能である。
また、以上の重合操作において分子量を調節するために分子量調節剤または、末端修飾基として重合体の末端を封止するための封止剤を反応途中または反応後に添加することも可能であり、反応開始時に添加しておくことも可能である。従って、本発明における重合体の末端には停止剤に基づく置換基が結合してもよい。
本発明の重合体の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合にはクラックの発生等成膜性が悪化し実用性に乏しくなる。また分子量が大きすぎる場合には、一般の有機溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、やはり実用性上問題になる。
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、重合反応活性基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
以上のようにして得られた重合体は、重合に使用した塩基、未反応モノマー、末端停止剤、又、重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操作は再沈澱、カラムクロマト法、吸着法、抽出、ソックスレー抽出、限外濾過、透析等をはじめとする従来公知の方法を使用できる。
前記一般式(I)あるいは(II)における置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としては単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。また芳香族複素環基としてはチオフェン、ベンゾチオフェン、ジチエニルベンゼン、フラン、ベンゾフラン、カルバゾール、等が挙げられ、不飽和炭化水素としては−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−が挙げられる。
また、上記の芳香族炭化水素基および芳香族複素環基は以下に示す置換基を有していてもよい。
一般式(I)におけるRが置換または無置換のアルキル基表す場合および一般式(II)におけるRがハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基あるいはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基を表わす場合も同様に例示できる。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、アルコキシ基。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これは、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p −メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基。(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
本発明の重合体は上述のように芳香環上に置換基を有することができるが、有機溶媒への溶解性向上の観点からアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基などがより好ましい。これら置換基の炭素数が増加すれば溶解性はより向上するが、その反面、電荷輸送性等の特性は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。その場合の好適な置換基の例としては炭素数が1〜25のアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。更に好適には、炭素数が2〜18のアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。これら置換基は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。また、これらのアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができ、アルコキシ基、アルキルチオ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入してアルコキシ基、アルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
本発明で用いられる重合体を製造するための前記化学式(III)におけるホスホン酸エステル化合物の一例を下記化学式(P−2)〜(P−14)に示す。
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
Figure 2007250709
一方、ジアルデヒドの詳細な製造法は特願2005−67918号明細書に記載されているが、参考までに、以下、いくつかのジアルデヒドの製造法を示す。
[ジアルデヒド製造例1]
4−ホルミルフェニルアセチレン(W.B.Austin et al. J.Org.Chem.46 2280(1981)に準ずる)1.56g、表1中V−12で表わされる2,5−ジブロモチオフェン1.21g、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム84mgおよびヨウ化銅46mgをTHF60mlとともにアルゴン気流下攪拌し、これに0.5Mアンモニア水溶液40mlを加えた。60℃で5時間攪拌した後、室温まで冷却し、内容物を水に注いだ。酢酸エチルを加え、不溶物をろ過除去したのち有機層を分離し溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン/酢酸エチル=4/1体積比)したのち、トルエン/酢酸エチルの混合溶媒から再結晶して黄色葉状晶の下記構造式で示されるジアルデヒド1.12gを得た。
Figure 2007250709
融点179.5〜180.5℃
元素分析値(%)実測値(計算値)
C 78.16(77.63)
H 3.33(3.55)
S 9.10(9.42)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)測定の結果は、炭素−炭素三重結合伸縮2197cm−1 CO(アルデヒド)伸縮1702cm−1を示した。
[ジアルデヒド製造例2]
4−ホルミルフェニルアセチレン1.25g、表1中V−13で表わされる2,5−ジブロモ−3,4−ジフェニルチオフェン1.58g、塩化パラジウム166mg、トリフェニルホスフィン0.33gおよび酢酸銅26mgをTHF11mlおよびトリエチルアミン22mlとともに窒素気流下8時間加熱還流した。室温まで冷却した後、不溶物をろ過除去したのち溶媒を留去した。これをトルエンに溶解し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン/酢酸エチル=4/1体積比)したのち、トルエン/エタノールの混合溶媒から再結晶して黄色針状晶の下記構造式で示されるジアルデヒド1.17gを得た。
Figure 2007250709
融点218.0〜220.0℃
元素分析値(%)実測値(計算値)
C 83.11(82.90)
H 3.95(4.09)
S 6.35(6.51)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)測定の結果は、
炭素−炭素三重結合伸縮2202cm−1 CO(アルデヒド)伸縮1701cm−1
[ジアルデヒド製造例3]
4−ホルミルフェニルアセチレン1.72g、表1中V−22で表わされる4,4’−ジブロモ−4”−メチルトリフェニルアミン2.50g、塩化パラジウム250mg、トリフェニルホスフィン0.50gおよび酢酸銅40mgをTHF18mlおよびトリエチルアミン34mlとともに窒素気流下11時間加熱還流した。室温まで冷却した後、不溶物をろ過除去したのち溶媒を留去した。これをトルエンに溶解し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン)したのち、トルエン/エタノールの混合溶媒から再結晶して橙色針状晶の下記構造式で示されるジアルデヒド0.70gを得た。
Figure 2007250709
融点186.0〜187.0℃
元素分析値(%)実測値(計算値)
C 86.01(86.19)
H 4.69(4.89)
N 2.77(2.72)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)測定の結果は、炭素−炭素三重結合伸縮2204cm−1 CO(アルデヒド)伸縮1698cm−1
[ジアルデヒド製造例4]
4−ホルミルフェニルアセチレン2.29g、表1中V−27で表わされる4,4’−ジヨード−4”−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン5.0g、塩化パラジウム332mg、トリフェニルホスフィン0.66gおよび酢酸銅52mgをTHF22mlおよびトリエチルアミン44mlとともに窒素気流下9時間加熱還流した。室温まで冷却した後、不溶物をろ過除去したのち溶媒を留去した。これを酢酸エチルに溶解し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;酢酸エチル/ヘキサン=1/4体積比)し、黄色ガラス質の下記構造式で示されるジアルデヒド3.53gを得た。
Figure 2007250709
元素分析値(%)実測値(計算値)
C 84.18(83.91)
H 6.01(6.24)
N 2.11(2.22)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)測定の結果は、炭素−炭素三重結合伸縮2210cm-1 CO(アルデヒド)伸縮1699cm-1
<塗布方法:有機半導体層>
本発明に係わる有機半導体材料は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、トルエン、ジクロロベンゼン及びキシレン等の溶剤に溶解して、支持体上に塗布することによって薄膜を形成することができる。
これら有機半導体薄膜の作製方法としては、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法等が挙げられ、材料に応じて、適した上記製膜方法と、上記溶媒から適切な溶媒が選択される。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層の膜厚としては、特に制限はないが、均一な薄膜(即ち、有機半導体層のキャリア輸送特性に悪影響を及ぼすギャップやホールがない)が形成されるような厚みに選択される。
有機半導体薄膜の厚みは、一般に1μm以下、特に5〜200nmが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、上記重合体を主成分として形成される有機半導体層は、ソース電極、ドレイン電極及び絶縁膜に接して形成される。
<絶縁膜>
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて用いられる絶縁膜には、種々の絶縁膜材料を用いることができる。例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコウム酸化チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等の無機系絶縁材料が挙げられる。
また、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、無置換またはハロゲン原子置換ポリポラキシレン、ポリアクリロニトリル、シアノエチルプルラン等の高分子化合物を用いることができる。
さらに、上記絶縁材料を2種以上合わせて用いても良い。特に材料は限定されないが、中でも誘電率が高く、導電率が低いものが好ましい。
上記材料を用いた絶縁膜層の作製方法としては、例えば、CVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法、蒸着法のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコーコート法、ディップコート法、インクジェット法、キャスト法、ブレードコート法、バーコート法等の塗布によるウェットプロセスが挙げられる。
<HMDS等 有機半導体/絶縁膜界面修飾>
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、絶縁膜と有機半導体層の接着性を向上、ゲート電圧の低減、リーク電流低減等の目的で、これら層間に有機薄膜を設けても良い。有機薄膜は有機半導体層に対し、化学的影響を与えなければ、特に限定されないが、例えば、有機分子膜や高分子薄膜が利用できる。
有機分子膜としては、オクタデシルトリクロロシランやヘキサメチレンジシラザン等を具体的な例としたカップリング剤が挙げられる。また、高分子薄膜としては、上述の高分子絶縁膜材料を利用することができ、これらが絶縁膜の一種として機能していても良い。また、この有機薄膜をラビング等により、異方性処理を施していても良い。
<電極>
本発明の有機薄膜トランジスタに用いられるゲート電極、ソース電極、ゲート電極としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等、及びこれらの合金やインジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、あるいはドーピング等で導電率を向上させた無機及び有機半導体、例えば、シリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等が挙げられる。
ソース電極及びドレイン電極は、上記導電性の中でも半導体層との接触面において、電気抵抗が少ないものが好ましい。
電極の形成方法としては、上記材料を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしても良いし、塗工膜からリソグラフィーやレーザーアブレーション等により形成しても良い。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
<支持体>
本発明の有機薄膜トランジスタは、例えば、ガラス、シリコン、プラスチック等の一般に用いられる基板を利用できるが、本発明の有機薄膜トランジスタが応用されるデバイスのフレキシビリティー、軽量化、安価、耐衝撃性等の特性が所望される場合、プラスチックシートが好ましい。
プラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等からなるフィルム等が挙げられる。
<引き出し電極、保護層>
また、本発明の有機薄膜トランジスタは、必要に応じて各電極からの引出し電極を設けることができる。
本発明の有機トランジスタは、大気中でも安定に駆動するものであるが、機械的破壊からの保護、水分やガスからの保護、またはデバイスの集積の都合上の保護等のため必要に応じて保護層を設けることもできる。
<応用デバイス>
本発明の有機薄膜トランジスタは、ディスプレイ装置の液晶、有機EL、電気泳動等の表示画像素子を駆動するための素子として利用でき、これらの集積化により、電子ペーパーを製造することが可能である。また、情報タグ等のデバイスにも駆動素子として利用することが可能である。
以下に本発明で用いられる重合体の合成例を示す。なお、重合体の製造方法の詳細は特願2005−67842号明細書にて出願済である。
(合成例1)
Figure 2007250709
上記化学式(IV)のジアルデヒド0.68g(2.0mmol)、前記化学式(P−6)のジホスホネート1.13g(2.0mmol)およびベンズアルデヒド8.0mgをN,N,−ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、これに窒素気流下、カリウムt−ブトキシドの1.0mol dm−3テトラヒドロフラン溶液6.0ml(6.0mmol)を30分を要して滴下し、滴下後室温で2時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチルを10mg加え、さらに30分撹拌した。酢酸を加えて中和したのち、反応内容物を水に滴下し橙色のポリマーを得た。得られたポリマーをメタノール/水の混合溶媒、メタノールついでアセトン中で加熱還流することにより精製をおこない、下記化学式(V)で示される橙色のポリマー0.89gを得た。
Figure 2007250709

元素分析値(計算値);C:82.10%(82.50%)、H:6.60%(6.77%)、S:5.10%(5.37%)。
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)
νCC三重結合 2193 cm-1 δ t-CH=CH 963cm-1
νCOC 1201,1030 cm-1
(合成例2)
Figure 2007250709
上記化学式(VI)のジアルデヒド0.985g(2.0mmol)、前記化学式(P−6)のジホスホネート1.130g(2.0mmol)およびベンズアルデヒド8.0mgをテトラヒドロフラン70mlに溶解し、これに窒素気流下、カリウムt−ブトキシドの1.0mol dm −3テトラヒドロフラン溶液6.0ml(6.0mmol)を30分を要して滴下し、滴下後室温で2時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチルを10mg加え、さらに30分撹拌した。酢酸を加えて中和したのち、反応内容物を水に滴下し橙色のポリマーを得た。得られたポリマーをメタノール中で加熱還流することにより精製をおこない、下記化学式(VII)で示される橙色のポリマー0.90gを得た。
Figure 2007250709
元素分析値(計算値);C:84.60%(84.98%)、H:6.34%(6.47%)、S:4.10%(4.28%)。
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)
νCC 三重結合 2193 cm-1 δ t-CH=CH 963cm-1
νCOC 1203,1030 cm-1
(合成例3)
Figure 2007250709
上記化学式(VIII)のジアルデヒド0.773g(1.5mmol)、前記化学式(P−6)のジホスホネート0.847g(1.5mmol)およびベンズアルデヒド6.0mgをテトラヒドロフラン40mlに溶解し、これに窒素気流下、カリウムt−ブトキシドの1.0mol dm −3テトラヒドロフラン溶液4.5ml(4.5mmol)を30分を要して滴下し、滴下後室温で3 時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチルを10mg加え、さらに30分撹拌した。酢酸を加えて中和したのち、反応内容物を水に滴下し黄色のポリマーを得た。これをテトラヒドロフラン/水で再沈精製し、ついでテトラヒドロフラン/メタノールで2回再沈精製した。得られたポリマーをメタノール中で加熱還流することにより精製をおこない、下記化学式(IX)で示される黄色のポリマー0.87gを得た。
Figure 2007250709
元素分析値(計算値);C:86.81%(87.1%)、H:6.94%(6.93%)、N:1.81%(1.81%)。
赤外吸収スペクトル(NaCl キャスト膜)
νCC 三重結合 2210 cm-1 δ t-CH=CH 965cm-1
νCOC 1206,1037 cm-1
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 9535、重量平均分子量 37949
(合成例4)
Figure 2007250709
上記化学式(X)のジアルデヒド0.945g(1.5mmol)、前記化学式(P−6)のジホスホネート0.847g(1.5mmol)およびベンズアルデヒド4.3mgをテトラヒドロフラン50mlに溶解し、これに窒素気流下、カリウムt−ブトキシドの1.0mol dm −3テトラヒドロフラン溶液4.5ml(4.5mmol)を30分を要して滴下し、滴下後室温で3時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチルを10mg加え、さらに30分撹拌した。酢酸を加えて中和したのち、反応内容物を水に滴下し黄色のポリマーを得た。これをテトラヒドロフラン/水で再沈精製し、ついでテトラヒドロフラン/メタノールで2回再沈精製した。得られたポリマーを塩化メチレンに溶解し、これをイオン交換水で、洗浄液がイオン交換水の伝導度とほぼ同じになるまで洗浄した。塩化メチレン溶液をメタノール中に滴下して、下記化学式(XI)で示される黄色のポリマー0.95gを得た。
Figure 2007250709
元素分析値(計算値);C:85.32%(85.37%)、H:7.62%(7.64%)、N:1.52%(1.58%)。
赤外吸収スペクトル(NaCl キャスト膜)
νCC 三重結合 2209 cm-1 δ t-CH=CH 965cm-1
νCOC 1240,1034 cm-1
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 19362、重量平均分子量 55814
(合成例5)
Figure 2007250709

上記化学式(XII)のジアルデヒド1.26g(2.0mmol)、前記化学式(P−5)のジホスホネート1.09g(2.0mmol)およびp−tert−ブチルベンズアルデヒド9.7mgをテトラヒドロフラン60mlに溶解し、これに窒素気流下、カリウムt−ブトキシドの1.0mol dm −3 テトラヒドロフラン溶液6.0ml(6.0mmol)を30分を要して滴下し、滴下後室温で3時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチルを10mg加え、さらに30分撹拌した。酢酸を加えて中和したのち、反応内容物を水に滴下し黄色のポリマーを得た。これをテトラヒドロフラン/水で再沈精製し、ついでテトラヒドロフラン/メタノールで2回再沈精製した。得られたポリマーを塩化メチレンに溶解し、これをイオン交換水で、洗浄液がイオン交換水の伝導度とほぼ同じになるまで洗浄した。塩化メチレン溶液をメタノール中に滴下して、下記化学式(XIII)示される黄色のポリマー1.50gを得た。
Figure 2007250709

元素分析値(計算値);C:88.32%(88.52%)、H:8.01%(8.03%)、N:1.61%(1.58%)。
赤外吸収スペクトル(NaCl キャスト膜)
νCC 三重結合 2209cm-1 δ t-CH=CH 961cm-1
νCOC 1240、1030cm-1
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 10612、重量平均分子量 25754
(実施例1)
合成例3で得られた化学式(IX)を用いて、図1(C)に示される構造の薄膜デバイスを作成した。
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiOの絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に該SiOの絶縁層上に、上記重合体の約1.0wt%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液をスピンコートして乾燥することにより有機半導体層を作製した。引き続きチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにソース・ドレイン電極のAu膜を蒸着した。
このようにして作製したデバイスのトランジスタ特性を図2に示す。図に示すように、作製したデバイスは良好なトランジスタ特性を示した。
また、以下の式(XIV)を用いて有機半導体の電界効果移動度を算出した。
Figure 2007250709
(ただし、Cinはゲート絶縁膜の単位面積あたりのキャパシタンス、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Vはゲート電圧、Idsはソースドレイン電流、μは移動度、Vthはチャネルが形成し始めるゲートの閾値電圧である。)
作製したTFTの移動度は8.2×10−4(cm/Vsec)であった。
またオンオフ比(Vds=−20V、V=−20VにおけるIdsと、Vds=−20V、Vg=+10〜−20Vの範囲内で観測された最小のIdsの比)は1.2×10で、閾値電圧は−4.7Vであった。以上のように、作成した有機TFTは非常に優れた特性を示した。
(実施例2)
実施例1における化学式(IX)のかわりに化学式(XI)を用いる他は実施例1と同様の操作でデバイスを作成し、実施例1と同様の方法でTFT特性を測定した結果、TFT移動度は5.3×10−4(cm/Vsec)であった。
また、オンオフ比(Vds=−20V、V=−20VにおけるIdsと、Vds=−20V、Vg=+10〜−20Vの範囲内で観測された最小のIdsの比)は8.6×10で、閾値電圧は−5.3Vであった。
(実施例3)
実施例1における化学式(IX)のかわりに化学式(XIII)を用いる他は実施例1と同様の操作でデバイスを作成し、実施例1と同様の方法でTFT特性を測定した結果、TFT移動度は1.3×10−4(cm/Vsec)であった。
またオンオフ比(Vds=−20V、V=−20VにおけるIdsと、Vds=−20V、Vg=+10〜−20Vの範囲内で観測された最小のIdsの比)は9.2×10で、閾値電圧は−7.1Vであった。
(比較例1)
有機半導体材料として代表的なポリ−3−ヘキシルチオフェンを用いた以外は実施例1と同様の方法によりデバイスを作製した。作製した有機TFTにおける移動度は7.8×10−5(cm/Vsec)であり、オンオフ比は10程度しかなかった。
本発明に係わる有機薄膜トランジスタの概略構造を示した図である。 本発明の実施例1で用いた薄膜デバイスのトランジスタ特性を示した図である。
符号の説明
1 有機半導体層
2 基板
3 ゲート電極
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 ゲート絶縁膜

Claims (4)

  1. 有機半導体層を具備する有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層が下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2007250709
    (式中YおよびArは置換または無置換の芳香族炭化水素あるいは芳香族複素環の2価基を、Yは置換または無置換の芳香族炭化水素もしくは置換または無置換の芳香族複素環の二価基を、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基あるいは芳香族炭化水素基を表わす)
  2. 有機半導体層と、この有機半導体層を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなる有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層が次の一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2007250709
    (式中YおよびArは置換または無置換の芳香族炭化水素あるいは芳香族複素環の2価基を、Yは置換または無置換の芳香族炭化水素もしくは置換または無置換の芳香族複素環の二価基を、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基あるいは芳香族炭化水素基を表わす)
  3. 少なくとも三つの電極と、絶縁層及び有機半導体層とから構成される有機薄膜トランジスタであって、有機半導体層が上記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 有機半導体層が下記一般式(II)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2007250709
    (式中Yは置換または無置換の芳香族炭化水素あるいは芳香族複素環の2価基を、Yは置換または無置換の芳香族炭化水素もしくは置換または無置換の芳香族複素環の二価基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基あるいはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基を表わす)
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