JP2007250709A - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機半導体層を具備する有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層が下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
(式中YおよびArは置換または無置換の芳香族炭化水素あるいは芳香族複素環の2価基を、Y1は置換または無置換の芳香族炭化水素もしくは置換または無置換の芳香族複素環の二価基を、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基あるいは芳香族炭化水素基を表わす)
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は以下の(1)〜(4)からなる。
(1) 有機半導体層を具備する有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層が下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
(2) 有機半導体層と、この有機半導体層を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなる有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層が次の一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
(3) 少なくとも三つの電極と、絶縁層及び有機半導体層とから構成される有機薄膜トランジスタであって、有機半導体層が上記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の有機薄膜トランジスタ。
(4) 有機半導体層が下記一般式(II)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする前記(1)乃至(3)の何れかに記載の有機薄膜トランジスタ。
<トランジスタ構造>
図1の(A)〜(H)は本発明に係わる有機薄膜トランジスタの概略構造を示した図である。本発明に係わる有機薄膜トランジスタの有機半導体層(1)は、一般式で示した繰り返し単位を有する重合体を主成分とする。本発明の有機薄膜トランジスタには、基板(2)より上に空間的に分離されたゲート電極(3)、ソース電極(4)、ドレイン電極(5)が設けられており、ゲート電極(3)と有機半導体層(1)の間には絶縁膜(6)が設けられていてもよい。有機薄膜トランジスタはゲート電極(3)への電圧の印加により、ソース電極(4)とドレイン電極(5)の間の有機半導体層(1)内を流れる電流がコントロールされる。
上記反応に使用する塩基はホスホネートカルボアニオンが形成されるものであれば特に限定されず、金属アルコシド、金属ヒドリド、有機リチウム化合物等が挙げられ、例えばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムナフチリド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等を挙げることができる。
反応に用いる塩基の量は、通常ホスホン酸エステル化合物の重合活性点に対して同量使用するだけでよいが、さらに過剰量用いても支障ない。
上記重合反応における重合時間は、用いられるモノマーの反応性、または望まれる重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよいが、0.2時間〜30時間が好適である。
上記重合反応における反応温度は特に制御する必要なく室温において良好に重合反応が進行するが、反応効率をより上げるために加熱したり、またはより温和な条件に冷却することも可能である。
一般式(I)におけるRが置換または無置換のアルキル基表す場合および一般式(II)におけるR1がハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基あるいはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基を表わす場合も同様に例示できる。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、アルコキシ基。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これは、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p −メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基。(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
4−ホルミルフェニルアセチレン(W.B.Austin et al. J.Org.Chem.46 2280(1981)に準ずる)1.56g、表1中V−12で表わされる2,5−ジブロモチオフェン1.21g、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム84mgおよびヨウ化銅46mgをTHF60mlとともにアルゴン気流下攪拌し、これに0.5Mアンモニア水溶液40mlを加えた。60℃で5時間攪拌した後、室温まで冷却し、内容物を水に注いだ。酢酸エチルを加え、不溶物をろ過除去したのち有機層を分離し溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン/酢酸エチル=4/1体積比)したのち、トルエン/酢酸エチルの混合溶媒から再結晶して黄色葉状晶の下記構造式で示されるジアルデヒド1.12gを得た。
元素分析値(%)実測値(計算値)
C 78.16(77.63)
H 3.33(3.55)
S 9.10(9.42)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)測定の結果は、炭素−炭素三重結合伸縮2197cm−1 CO(アルデヒド)伸縮1702cm−1を示した。
4−ホルミルフェニルアセチレン1.25g、表1中V−13で表わされる2,5−ジブロモ−3,4−ジフェニルチオフェン1.58g、塩化パラジウム166mg、トリフェニルホスフィン0.33gおよび酢酸銅26mgをTHF11mlおよびトリエチルアミン22mlとともに窒素気流下8時間加熱還流した。室温まで冷却した後、不溶物をろ過除去したのち溶媒を留去した。これをトルエンに溶解し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン/酢酸エチル=4/1体積比)したのち、トルエン/エタノールの混合溶媒から再結晶して黄色針状晶の下記構造式で示されるジアルデヒド1.17gを得た。
元素分析値(%)実測値(計算値)
C 83.11(82.90)
H 3.95(4.09)
S 6.35(6.51)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)測定の結果は、
炭素−炭素三重結合伸縮2202cm−1 CO(アルデヒド)伸縮1701cm−1。
4−ホルミルフェニルアセチレン1.72g、表1中V−22で表わされる4,4’−ジブロモ−4”−メチルトリフェニルアミン2.50g、塩化パラジウム250mg、トリフェニルホスフィン0.50gおよび酢酸銅40mgをTHF18mlおよびトリエチルアミン34mlとともに窒素気流下11時間加熱還流した。室温まで冷却した後、不溶物をろ過除去したのち溶媒を留去した。これをトルエンに溶解し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン)したのち、トルエン/エタノールの混合溶媒から再結晶して橙色針状晶の下記構造式で示されるジアルデヒド0.70gを得た。
元素分析値(%)実測値(計算値)
C 86.01(86.19)
H 4.69(4.89)
N 2.77(2.72)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)測定の結果は、炭素−炭素三重結合伸縮2204cm−1 CO(アルデヒド)伸縮1698cm−1。
4−ホルミルフェニルアセチレン2.29g、表1中V−27で表わされる4,4’−ジヨード−4”−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン5.0g、塩化パラジウム332mg、トリフェニルホスフィン0.66gおよび酢酸銅52mgをTHF22mlおよびトリエチルアミン44mlとともに窒素気流下9時間加熱還流した。室温まで冷却した後、不溶物をろ過除去したのち溶媒を留去した。これを酢酸エチルに溶解し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;酢酸エチル/ヘキサン=1/4体積比)し、黄色ガラス質の下記構造式で示されるジアルデヒド3.53gを得た。
C 84.18(83.91)
H 6.01(6.24)
N 2.11(2.22)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)測定の結果は、炭素−炭素三重結合伸縮2210cm-1 CO(アルデヒド)伸縮1699cm-1。
本発明に係わる有機半導体材料は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、トルエン、ジクロロベンゼン及びキシレン等の溶剤に溶解して、支持体上に塗布することによって薄膜を形成することができる。
これら有機半導体薄膜の作製方法としては、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法等が挙げられ、材料に応じて、適した上記製膜方法と、上記溶媒から適切な溶媒が選択される。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層の膜厚としては、特に制限はないが、均一な薄膜(即ち、有機半導体層のキャリア輸送特性に悪影響を及ぼすギャップやホールがない)が形成されるような厚みに選択される。
有機半導体薄膜の厚みは、一般に1μm以下、特に5〜200nmが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、上記重合体を主成分として形成される有機半導体層は、ソース電極、ドレイン電極及び絶縁膜に接して形成される。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて用いられる絶縁膜には、種々の絶縁膜材料を用いることができる。例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコウム酸化チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等の無機系絶縁材料が挙げられる。
また、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、無置換またはハロゲン原子置換ポリポラキシレン、ポリアクリロニトリル、シアノエチルプルラン等の高分子化合物を用いることができる。
さらに、上記絶縁材料を2種以上合わせて用いても良い。特に材料は限定されないが、中でも誘電率が高く、導電率が低いものが好ましい。
上記材料を用いた絶縁膜層の作製方法としては、例えば、CVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法、蒸着法のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコーコート法、ディップコート法、インクジェット法、キャスト法、ブレードコート法、バーコート法等の塗布によるウェットプロセスが挙げられる。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、絶縁膜と有機半導体層の接着性を向上、ゲート電圧の低減、リーク電流低減等の目的で、これら層間に有機薄膜を設けても良い。有機薄膜は有機半導体層に対し、化学的影響を与えなければ、特に限定されないが、例えば、有機分子膜や高分子薄膜が利用できる。
有機分子膜としては、オクタデシルトリクロロシランやヘキサメチレンジシラザン等を具体的な例としたカップリング剤が挙げられる。また、高分子薄膜としては、上述の高分子絶縁膜材料を利用することができ、これらが絶縁膜の一種として機能していても良い。また、この有機薄膜をラビング等により、異方性処理を施していても良い。
本発明の有機薄膜トランジスタに用いられるゲート電極、ソース電極、ゲート電極としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等、及びこれらの合金やインジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、あるいはドーピング等で導電率を向上させた無機及び有機半導体、例えば、シリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等が挙げられる。
ソース電極及びドレイン電極は、上記導電性の中でも半導体層との接触面において、電気抵抗が少ないものが好ましい。
電極の形成方法としては、上記材料を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしても良いし、塗工膜からリソグラフィーやレーザーアブレーション等により形成しても良い。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、例えば、ガラス、シリコン、プラスチック等の一般に用いられる基板を利用できるが、本発明の有機薄膜トランジスタが応用されるデバイスのフレキシビリティー、軽量化、安価、耐衝撃性等の特性が所望される場合、プラスチックシートが好ましい。
プラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等からなるフィルム等が挙げられる。
また、本発明の有機薄膜トランジスタは、必要に応じて各電極からの引出し電極を設けることができる。
本発明の有機トランジスタは、大気中でも安定に駆動するものであるが、機械的破壊からの保護、水分やガスからの保護、またはデバイスの集積の都合上の保護等のため必要に応じて保護層を設けることもできる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、ディスプレイ装置の液晶、有機EL、電気泳動等の表示画像素子を駆動するための素子として利用でき、これらの集積化により、電子ペーパーを製造することが可能である。また、情報タグ等のデバイスにも駆動素子として利用することが可能である。
(合成例1)
元素分析値(計算値);C:82.10%(82.50%)、H:6.60%(6.77%)、S:5.10%(5.37%)。
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)
νCC三重結合 2193 cm-1 δ t-CH=CH 963cm-1
νCOC 1201,1030 cm-1
(合成例2)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)
νCC 三重結合 2193 cm-1 δ t-CH=CH 963cm-1
νCOC 1203,1030 cm-1
(合成例3)
赤外吸収スペクトル(NaCl キャスト膜)
νCC 三重結合 2210 cm-1 δ t-CH=CH 965cm-1
νCOC 1206,1037 cm-1
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 9535、重量平均分子量 37949
(合成例4)
赤外吸収スペクトル(NaCl キャスト膜)
νCC 三重結合 2209 cm-1 δ t-CH=CH 965cm-1
νCOC 1240,1034 cm-1
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 19362、重量平均分子量 55814
(合成例5)
上記化学式(XII)のジアルデヒド1.26g(2.0mmol)、前記化学式(P−5)のジホスホネート1.09g(2.0mmol)およびp−tert−ブチルベンズアルデヒド9.7mgをテトラヒドロフラン60mlに溶解し、これに窒素気流下、カリウムt−ブトキシドの1.0mol dm −3 テトラヒドロフラン溶液6.0ml(6.0mmol)を30分を要して滴下し、滴下後室温で3時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチルを10mg加え、さらに30分撹拌した。酢酸を加えて中和したのち、反応内容物を水に滴下し黄色のポリマーを得た。これをテトラヒドロフラン/水で再沈精製し、ついでテトラヒドロフラン/メタノールで2回再沈精製した。得られたポリマーを塩化メチレンに溶解し、これをイオン交換水で、洗浄液がイオン交換水の伝導度とほぼ同じになるまで洗浄した。塩化メチレン溶液をメタノール中に滴下して、下記化学式(XIII)示される黄色のポリマー1.50gを得た。
元素分析値(計算値);C:88.32%(88.52%)、H:8.01%(8.03%)、N:1.61%(1.58%)。
赤外吸収スペクトル(NaCl キャスト膜)
νCC 三重結合 2209cm-1 δ t-CH=CH 961cm-1
νCOC 1240、1030cm-1
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 10612、重量平均分子量 25754
合成例3で得られた化学式(IX)を用いて、図1(C)に示される構造の薄膜デバイスを作成した。
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に該SiO2の絶縁層上に、上記重合体の約1.0wt%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液をスピンコートして乾燥することにより有機半導体層を作製した。引き続きチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにソース・ドレイン電極のAu膜を蒸着した。
このようにして作製したデバイスのトランジスタ特性を図2に示す。図に示すように、作製したデバイスは良好なトランジスタ特性を示した。
また、以下の式(XIV)を用いて有機半導体の電界効果移動度を算出した。
作製したTFTの移動度は8.2×10−4(cm2/Vsec)であった。
実施例1における化学式(IX)のかわりに化学式(XI)を用いる他は実施例1と同様の操作でデバイスを作成し、実施例1と同様の方法でTFT特性を測定した結果、TFT移動度は5.3×10−4(cm2/Vsec)であった。
また、オンオフ比(Vds=−20V、Vg=−20VにおけるIdsと、Vds=−20V、Vg=+10〜−20Vの範囲内で観測された最小のIdsの比)は8.6×103で、閾値電圧は−5.3Vであった。
実施例1における化学式(IX)のかわりに化学式(XIII)を用いる他は実施例1と同様の操作でデバイスを作成し、実施例1と同様の方法でTFT特性を測定した結果、TFT移動度は1.3×10−4(cm2/Vsec)であった。
またオンオフ比(Vds=−20V、Vg=−20VにおけるIdsと、Vds=−20V、Vg=+10〜−20Vの範囲内で観測された最小のIdsの比)は9.2×104で、閾値電圧は−7.1Vであった。
有機半導体材料として代表的なポリ−3−ヘキシルチオフェンを用いた以外は実施例1と同様の方法によりデバイスを作製した。作製した有機TFTにおける移動度は7.8×10−5(cm2/Vsec)であり、オンオフ比は10程度しかなかった。
2 基板
3 ゲート電極
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 ゲート絶縁膜
Claims (4)
- 少なくとも三つの電極と、絶縁層及び有機半導体層とから構成される有機薄膜トランジスタであって、有機半導体層が上記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタ。
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