JP5063053B2 - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents
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Description
これまでに、有機半導体材料としてペンタセン等のアセン系材料が報告されている(例えば、特許文献1)。このペンタセンを有機半導体層として利用した有機薄膜トランジスタは、比較的高移動度であることが報告されているが、これらアセン系材料は汎用溶媒に対し極めて溶解性が低く、それを有機薄膜トランジスタにおける有機半導体層として薄膜化する際には、真空蒸着工程を経る必要がある。ゆえに、前述したような塗布や印刷などの簡便なプロセスで薄膜を形成できるという有機半導体材料への期待に応えるものではない。
また、高分子有機半導体材料として、ポリ(3−アルキルチオフェン)(非特許文献1)やジアルキルフルオレンとビチオフェンとの共重合体(非特許文献2)等が提案されている。これらの高分子有機半導体材料は、アルキル基の導入により、低いながらも溶解性を有するため、真空蒸着工程を経ず、塗布や印刷で薄膜化が可能である。しかしながら、これらの高分子有機半導体材料は、分子間が整列した状態において、高移動度が実現されるため、その薄膜形成に際し、溶媒種、塗工方法等により配列状態が異なり、結果としてトランジスタ特性にバラツキが生じたり、特性の再現性に欠けるということが問題になっている。
すなわち本発明は以下の(1)〜(3)からなる。
(1)有機半導体層を具備する有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体層が下記化学式(1)、化学式(2)、化学式(3)、化学式(4)、化学式(5)または化学式(6)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とすることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
「トランジスタ構造」
図1の(A)〜(D)は本発明に係わる有機薄膜トランジスタの概略構造を示す図である。本発明に係わる有機薄膜トランジスタの有機半導体層1は、上記各一般式で示した繰り返し単位を有する重合体を主成分とする。本発明の有機薄膜トランジスタには、空間的に分離されたソース電極2、ドレイン電極3およびゲート電極4が設けられており、(C)および(D)に示すようにゲート電極4と有機半導体層1の間には絶縁膜5が設けられていてもよい。有機薄膜トランジスタはゲート電極4への電圧の印加により、ソース電極2とドレイン電極3の間の有機半導体層1内を流れる電流がコントロールされる。
プラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等からなるフィルム等が挙げられる。
本発明で用いられる上記一般式(I)、(II)あるいは(III)で示される繰り返し単位を有する重合体の製造は、例えば、アリールハロゲン化物とアリールホウ素化合物を用いたクロスカップリング反応(Suzuki Coupling)、アリールハロゲンとアリールスズ化合物を用いたクロスカップリング反応(Stille Coupling)などを用いることができ、公知の方法により製造可能である。
アリールハロゲン化物のハロゲン原子としては、反応性の観点からヨウ素化物または臭素化物が好ましい。
アリールホウ素化合物としては、アリールボロン酸またはアリールボロン酸エステルが用いられる。アリールボロン酸エステルは、アリールボロン酸を用いた場合に生ずる三量体からなる環状無水物(ボロキシン)を生成せず、また、合成物の結晶性が高く、精製が容易であることからより好ましい。
(i)アリールボロン酸とアルカンジオールを無水有機溶媒中にて加熱反応する。
(ii)アリールハロゲン化物のハロゲン部位をメタル化した後に、アルコキシボロンエステルを加える反応。
(iii)アリールハロゲンのグリニャール試薬を調製した後に、アルコキシボロンエステルを加える反応。
(iv)アリールハロゲン化物とビス(ピナコラト)ジボロンやビス(ネオペンチル グリコラト)ジボロンをパラジウム触媒下にて加熱反応する。
上記重合反応における反応時間は、用いるモノマーの反応性、または、望まれる重合体の分子量などにおいて適宜設定することができ、2〜50時間が好適であり、さらには、5〜24時間がより好ましい。
また、以上の重合操作において分子量を調節するために分子量調節剤、または末端修飾基として重合体の末端を封止するための封止剤を反応系に添加することも可能であり、反応開始時に添加しておくことも可能である。従って、本発明における重合体の末端には停止剤に基づく基が結合してもよい。
分子量調節剤、末端封止剤としては、フェニルボロン酸、ブロモベンゼン、ヨウ化ベンゼン等、反応活性基を1個有する化合物が挙げられる。
前記一般式(I)における置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基Ar2 としては単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。前記一般式(I)における置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の2価基Ar1、Ar3、Ar4 としては、一例として上記の置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の二価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の直鎖または分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基。これらはさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルチオ基で置換されていてもよい。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これらは、ハロゲン原子を置換基として含有しても良く、炭素数1 〜25の直鎖または分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基、又はアルキルチオ基を含有していても良い。具体的には、フェノキシ基、1 −ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p −トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基。(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができ、アルコキシ基、アルキルチオ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入して、それぞれアルコキシ基またはアルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
本発明に係わる前記重合体は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、トルエン、ジクロロベンゼン及びキシレン等の溶剤に溶解して、支持体上に塗布することによって薄膜を形成することができる。
これら有機半導体薄膜の作製方法としては、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、ディスペンス法等が挙げられ、材料に応じて、適した上記製膜方法と、上記溶媒から適切な溶媒が選択される。
有機半導体薄膜の厚みは、一般に1μm以下、特に5〜200nmが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて用いられる絶縁膜には、種々の絶縁膜材料を用いることができる。例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコウム酸化チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等の無機系絶縁材料が挙げられる。
また、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、無置換またはハロゲン原子置換ポリパラキシリレン、ポリアクリロニトリル、シアノエチルプルラン等の高分子化合物を用いることができる。
さらに、上記絶縁材料を2種以上合わせて用いても良い。特に材料は限定されないが、中でも誘電率が高く、導電率が低いものが好ましい。
上記材料を用いた絶縁膜の作製方法としては、例えば、CVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法、蒸着法のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法、キャスト法、ブレードコート法、バーコート法等の塗布によるウェットプロセスが挙げられる。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、絶縁膜と有機半導体層の接着性を向上、ゲート電圧の低減、リーク電流低減等の目的で、これら層間に有機薄膜を設けても良い。有機薄膜は有機半導体層に対し、化学的影響を与えなければ、特に限定されないが、例えば、有機分子膜や高分子薄膜が利用できる。
有機分子膜としては、オクタデシルトリクロロシランやヘキサメチレンジシラザン等を具体的な例としたカップリング剤が挙げられる。また、高分子薄膜としては、上述の高分子絶縁膜材料を利用することができ、これらが絶縁膜の一種として機能していても良い。また、この有機薄膜をラビング等により、異方性処理を施していても良い。
本発明の有機薄膜トランジスタに用いられるゲート電極、ソース電極、ドレイン電極としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等、及びこれらの合金やインジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、あるいはドーピング等で導電率を向上させた無機及び有機半導体、例えば、シリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等が挙げられる。
ソース電極及びドレイン電極は、上記導電性の中でも半導体層との接触面において、電気抵抗が少ないものが好ましい。
電極の形成方法としては、上記材料を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしても良いし、塗工膜からリソグラフィーやレーザーアブレーション等により形成しても良い。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
また、本発明の有機薄膜トランジスタは、必要に応じて各電極からの引出し電極を設けることができる。
本発明の有機トランジスタは、大気中でも安定に駆動するものであるが、機械的破壊からの保護、水分やガスからの保護、またはデバイスの集積の都合上の保護等のため必要に応じて保護層を設けることもできる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、液晶、有機EL、電気泳動等の表示画像素子を駆動するための素子として利用でき、これらの集積化により、いわゆる「電子ペーパー」と呼ばれるディスプレイを製造することが可能である。また、ICタグ等のデバイスとして、本発明の有機薄膜トランジスタを集積化したICを利用することが可能である。
本発明で用いられる重合体の合成例を示す。
なお、下記合成例1〜3、実施例1〜6、比較例1,2及び図1〜4は基礎出願に係るものであり、下記合成例4〜7、実施例7〜14及び図5〜8は新たな出願に係るものである。
(合成例1) 重合体1の合成
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量は48200、質量平均分子量は134600であった。
示差操作熱量測定から求めたガラス転移温度は、122.1℃であった。
元素分析値(計算値);C:83.04%(83.23%)、H:8.05%(7.90%)、N:1.53%(1.59%)、S:7.49%(7.28%)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量は5900、質量平均分子量は11800であった。
示差操作熱量測定から求めたガラス転移温度は、108.3℃であった。
元素分析値(計算値);C:77.46%(77.75%)、H:7.12%(7.08%)、N:1.79%(1.93%)、S:8.69%(8.83%)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量は8500、質量平均分子量は19400であった。
示差操作熱量測定から求めたガラス転移温度は、84.1℃であった。
元素分析値(計算値);C:81.30%(81.58%)、H:7.94%(7.80%)、N:1.84%(1.90%)、S:8.48%(8.71%)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量は42600、重量平均分子量は164600であった。
元素分析値(計算値); C:81.42%(81.58%)、H:8.01%(7.80%)、N:1.92%(1.90%)、S:8.64%(8.71%)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量は40900、重量平均分子量は176400であった。
元素分析値(計算値); C:78.98%(79.26%)、H:7.22%(7.18%)、N:2.57%(2.43%)、S:11.04%(11.13%)
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させることによりポリマーを得た。
次いで、得られたポリマーをクロロホルム溶液とし、イオン交換水で十分に洗浄した後に、テトラヒドロフラン溶液としメタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量1.23g、収率80%。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量は35700、重量平均分子量は184300であった。
元素分析値(計算値); C:82.35%(82.60%)、H:8.61%(8.76%)、N:1.45%(1.37%)、S:6.10%(6.26%)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量は29700、重量平均分子量は154700であった。
元素分析値(計算値); C:79.87%(80.05%)、H:7.99%(7.88%)、N:1.74%(1.80%)、S:8.35%(8.22%)
30mm□のp−ドープされたシリコン基板表面を熱酸化してSiO2 の絶縁膜を200nm形成した後、片面だけレジスト膜(東京応化製:TSMR8800)で覆い、もう片面をフッ酸により酸化膜を除去した。次いで、この熱酸化膜を除去した面にアルミニウムを300nm蒸着した。その後、レジスト膜をアセトンで除去し、有機薄膜トランジスタ評価用基板を作製した。
上記方法にて作製した有機薄膜トランジスタ評価用基板上に、合成例1で合成した重合体を用いて、下記の有機薄膜トランジスタを作製した。
上記重合体1の約1.0質量%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液を基板上にスピンコートして乾燥することにより、膜厚30nmの有機半導体層を作製した。
次いで、チャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるように、金を蒸着することにより膜厚100nmのソース電極およびドレイン電極を形成し、有機薄膜トランジスタを作製した。
さらに、この有機薄膜トランジスタの特性の再現性を確認するため、同様の操作を繰り返し、有機薄膜トランジスタを作製した。
これら作製した有機薄膜トランジスタは、図1(D)の構造を有し、支持体として用いたp−ドープされたシリコン基板は下部に設けたアルミニウム薄膜とともにゲート電極として作用する。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定した。
このデバイスのトランジスタ特性の測定結果を図2に示す。図2中、VDS はソース・ドレイン間の電圧であり、ID はドレイン電流であるが、ID と下記式中のIDS は同意である。
なお、有機薄膜トランジスタの電界効果移動度の算出には、以下の式を用いた。
IDS =μCin W(VG−VTH )2/2L
(ただし、Cin はゲート絶縁膜の単位面積あたりのキャパシタンス、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、VG はゲート電圧、IDS はソースドレイン電流、μは移動度、VTH はチャネルが形成し始めるゲートの閾値電圧である。)
作製した有機薄膜トランジスタの電界効果移動度は、それぞれ、2.4×10-3cm2/VS および1.9×10-3cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
実施例1において、上記重合体1の1.0質量%トルエン溶液を用いてスピンコートした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、1.9×10-3cm2/VS および2.0×10-3cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
また、実施例1と実施例2から、再現性に優れ、かつ、溶媒種による特性のバラツキも少ない有機薄膜トランジスタが提供できることが明らかとなった。
実施例1において、上記重合体2の1.0質量%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液を用いてスピンコートした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このデバイスのトランジスタ特性の測定結果を図3に示す。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、4.2×10-4cm2/VS および4.3×10-4cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
実施例1において、上記重合体2の1.0質量%トルエン溶液を用いてスピンコートした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、4.3×10-4cm2/VS および4.1×10-4cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
また、実施例3と実施例4から、再現性に優れ、かつ、溶媒種による特性のバラツキも少ない有機薄膜トランジスタが提供できることが明らかとなった。
実施例1において、上記重合体3の1.0質量%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液を用いてスピンコートした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このデバイスのトランジスタ特性の測定結果を図4に示す。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、1.8×10-4cm2/VS および1.3×10-4cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
実施例1において、上記重合体3の1.0質量%トルエン溶液を用いてスピンコートした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、1.4×10-4cm2/VS および1.7×10-4cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
また、実施例5と実施例6から、再現性に優れ、かつ、溶媒種による特性のバラツキも少ない有機薄膜トランジスタが提供できることが明らかとなった。
実施例1において、SiO2 絶縁膜上に、9,9−ジオクチルフルオレンとビチオフェンとの共重合体の0.5質量%キシレン溶液をスピンコートして成膜した以外は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。
この有機薄膜トランジスタの電界効果移動度は、5.1×10-4cm2/VS 、1.6×10-3cm2/VS であった。
実施例1において、SiO2 絶縁膜上に、9,9−ジオクチルフルオレンとビチオフェンとの共重合体の0.5質量%テトラヒドロフラン溶液をスピンコートして成膜した以外は実施例1と同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。
この有機薄膜トランジスタの電界効果移動度は、1.3×10-4cm2/VS 、5.2×10-4cm2/VS であった。
実施例1において、上記重合体3−2の1.0wt%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液を用いてスピンコートし、ソース電極およびドレイン電極のチャネル長を50μm、チャネル幅を9mmとした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このデバイスのトランジスタ特性の測定結果を図5に示す。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、2.0×10-4cm2/VS および1.8×10-4cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
実施例1において、上記重合体3−2の1.0wt%トルエン溶液を用いてスピンコートし、ソース電極およびドレイン電極のチャネル長を50μm、チャネル幅を9mmとした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、1.8×10-4cm2/VS および1.9×10-4cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
また、実施例7と実施例8から、再現性に優れ、かつ、溶媒種による特性のバラツキも少ない有機薄膜トランジスタが提供できることが明らかとなった。
実施例1において、上記重合体4の1.0wt%のTHF/ラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液を用いてスピンコートし、ソース電極およびドレイン電極のチャネル長を50μm、チャネル幅を9mmとした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このデバイスのトランジスタ特性の測定結果を図6に示す。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、6.1×10-4cm2/VS および6.7×10-4cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
実施例1において、上記重合体4の1.0wt%トルエン溶液を用いてスピンコートし、ソース電極およびドレイン電極のチャネル長を50μm、チャネル幅を9mmとした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、6.2×10-4cm2/VS および6.4×10-4cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
また、実施例9と実施例10から、再現性に優れ、かつ、溶媒種による特性のバラツキも少ない有機薄膜トランジスタが提供できることが明らかとなった。
実施例1において、上記重合体5の1.0wt%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液を用いてスピンコートした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このデバイスのトランジスタ特性の測定結果を図7に示す。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、3.9×10-5cm2/VS および4.2×10-5cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
実施例1において、上記重合体5の1.0wt%トルエン溶液を用いてスピンコートした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、4.0×10-5cm2/VS および3.8×10-5cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
また、実施例11と実施例12から、再現性に優れ、かつ、溶媒種による特性のバラツキも少ない有機薄膜トランジスタが提供できることが明らかとなった。
実施例1において、上記重合体6の1.0wt%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液を用いてスピンコートした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このデバイスのトランジスタ特性の測定結果を図8に示す。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、9.3×10-5cm2/VS および8.7×10-5cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
実施例1において、上記重合体6の1.0wt%トルエン溶液を用いてスピンコートした以外は、実施例1と同様にして、2つの有機薄膜トランジスタを作製した。
このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定したところ、8.5×10-5cm2/VS および8.8×10-5cm2/VS であった。
このように、作製したトランジスタは、素子間のバラツキが少なく、かつ、再現性良くトランジスタ特性が得られていることがわかる。
また、実施例13と実施例14から、再現性に優れ、かつ、溶媒種による特性のバラツキも少ない有機薄膜トランジスタが提供できることが明らかとなった。
すなわち、簡便な製造プロセスでバラツキが少なく、特性の再現性の高い有機薄膜トランジスタを提供できることが明らかになった。
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 ゲート絶縁膜
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