以下、本発明の車両用灯具の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の車両用灯具を概略的に示した部分断面右側面図である。図1において、1は車両用灯具のハウジングを示しており、2は車両用灯具の前面に配置されたレンズを示しており、2aはレンズ2に形成されたレンズカットを示している。3は環状のリフレクタを示しており、3aはリフレクタ3の外周部を示しており、3bはリフレクタ3の反射面を示している。
また、図1において、4はレンズ2とリフレクタ3とを結合するためのネジを示しており、5は環状のリフレクタ3の外周部3aに配置された例えばLEDのような光源を示している。6はリフレクタ3の中心軸線L1を中心に光源5を回動可能に支持するためのフレームを示しており、7はベアリングを示している。8はリフレクタ3の中心軸線L1を中心にフレーム6を回動させるためのモータを示しており、L2は光源5の主光軸線を示している。
図2は図1に示したリフレクタ3、光源5などを車両用灯具の正面から見た図である。詳細には、図2は図1に示したリフレクタ3、光源5などを図1の左側から見た図である。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1に示すように、光源5から照射された光が、リフレクタ3の反射面3bによって照射方向(図1の左側)に反射される。詳細には、リフレクタ3の反射面3bからの反射光が、レンズ2のレンズカット2aによって拡散せしめられ、照射方向(図1の左側)に照射される。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1および図2に示すように、残像効果が生ずる程度に高速で光源5がリフレクタ3の中心軸線L1を中心にリフレクタ3の周方向に回動せしめられる。詳細には、図2に示すように、残像効果が生ずる程度に高速で、光源5が、円軌道5a上の点P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8,P1を順に通過せしめられる。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、図1に示すように、リフレクタ3の中心軸線L1を中心に放物線を回転させることによって得られた回転放物面によってリフレクタ3の反射面3bが形成されている。更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1および図2に示すように、その回転放物面の焦線3cと、光源5の円軌道5aとが一致せしめられている。
換言すれば、第1の実施形態の車両用灯具では、図1および図2に示すように、環状のリフレクタ3の中心軸線L1に対して垂直な断面形状が円形になるように、環状のリフレクタ3の反射面3bが形成されている。更に、残像効果が生ずる程度に高速で、光源5が、環状のリフレクタ3の反射面3bの円形の焦線3cに沿って移動せしめられる。
図3は光源5が点P5(図2参照)を通過している時における光源5からの光の光路などを示した図である。
第1の実施形態の車両用灯具では、図3に示すように、光源5が点P5(図2参照)を通過している時に、光源5から照射された光が、リフレクタ3の反射面3bによって照射方向(図3の左側)に反射される。詳細には、リフレクタ3の反射面3bからの反射光が、レンズ2のレンズカット2aによって拡散せしめられ、照射方向(図3の左側)に照射される。
つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、図1〜図3に示すように、環状のリフレクタ3の外周部3aに配置された光源5が、残像効果が生ずる程度に高速で、リフレクタ3の反射面3bの焦線3cに沿ってリフレクタ3の周方向に回動せしめられる。
その結果、第1の実施形態の車両用灯具では、残像効果により、リフレクタ3の反射面3bからの反射光が環状のリフレクタ3の周方向にほぼ均一に見える。詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、環状のリフレクタ3の外周部3aに多数の光源が配置されていないにもかかわらず、環状のリフレクタ3の外周部3aに多数の光源が配置されている場合とほぼ同様に、リフレクタ3の反射面3bからの反射光が環状のリフレクタ3の周方向にほぼ均一に見える。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、環状のリフレクタ3の外周部3aに多数の光源を配置してそれらの光源を同時に点灯する必要なく、リフレクタ3の反射面3bからの反射光が環状のリフレクタ3の周方向にほぼ均一に見えるようにすることができる。
すなわち、第1の実施形態の車両用灯具によれば、環状のリフレクタ3の外周部3aに配置された多数の光源のすべてが同時に点灯される場合よりも、光源5の電力消費量および発熱量を抑制しつつ、環状のリフレクタ3の外周部3aに配置された多数の光源のすべてが同時に点灯される場合と同様に、リフレクタ3の反射面3bからの反射光が環状のリフレクタ3の周方向にほぼ均一に見えるようにすることができる。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、環状のリフレクタ3の外周部3aに配置された光源5が、残像効果が生ずる程度に高速で移動せしめられるため、光源5が移動せしめられない場合よりも、リフレクタ3の反射面3bからの反射光が明るく見えるようにすることができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1〜図3に示すように、光源5が円軌道5a上を移動せしめられる。詳細には、固定されたリフレクタ3に対して、光源5およびフレーム6が円運動せしめられる。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、光源5が非円軌道上を移動せしめられる場合よりも光源5を移動させるための構成を簡略化することができる。
図4は環状のリフレクタ3の反射面3bからの反射光と環状のリフレクタ3の中心軸線L1との関係を示した図である。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1および図4に示すように、リフレクタ3の反射面3bからの反射光と環状のリフレクタ3の中心軸線L1とが例えば約0.5°〜3°のような角度θをなして交差するようにリフレクタ3の反射面3bが形成されている。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、リフレクタ3の反射面3bからの反射光と環状のリフレクタ3の中心軸線L1とが平行になるようにではなく、図4に示すように、リフレクタ3の反射面3bからの反射光と環状のリフレクタ3の中心軸線L1とが例えば約0.5°〜3°のような角度θをなして交差するように、リフレクタ3の反射面3bが形成されている。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、リフレクタ3の反射面3bからの反射光と環状のリフレクタ3の中心軸線L1とが平行になるようにリフレクタ3の反射面3bが形成されるのに伴って、リフレクタ3の中心部が暗く見えてしまうのを回避することができる。
換言すれば、第1の実施形態の車両用灯具によれば、リフレクタ3の外周部3aの明るさとリフレクタ3の中心部の明るさとをほぼ均一にすることができる。
図5および図6は第1の実施形態の車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。詳細には、図5(A)は光源5が点P1(図2参照)を通過している時に車両用灯具の前方(図1の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図5(B)は光源5が点P2(図2参照)を通過している時に車両用灯具の前方(図1の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図5(C)は光源5が点P3(図2参照)を通過している時に車両用灯具の前方(図1の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図5(D)は光源5が点P4(図2参照)を通過している時に車両用灯具の前方(図1の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。
また、図6(A)は光源5が点P5(図2参照)を通過している時に車両用灯具の前方(図1の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図6(B)は光源5が点P6(図2参照)を通過している時に車両用灯具の前方(図1の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図6(C)は光源5が点P7(図2参照)を通過している時に車両用灯具の前方(図1の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図6(D)は光源5が点P8(図2参照)を通過している時に車両用灯具の前方(図1の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図6(E)は実際に車両の搭乗者の目に映る第1の実施形態の車両用灯具の配光パターンを示している。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1および図2に示すように、環状のリフレクタ3の外周部3aに配置された光源5が、残像効果が生ずる程度に高速で、リフレクタ3の反射面3bの焦線3cに沿ってリフレクタ3の周方向に回動せしめられる。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具では、図5(A)〜図5(D)に示した配光パターンおよび図6(A)〜図6(D)に示した配光パターンは車両の搭乗者の目には映らず、残像効果によって、図5(A)〜図5(D)に示した配光パターンおよび図6(A)〜図6(D)に示した配光パターンを合成した図6(E)に示したほぼ円形の配光パターンが車両の搭乗者の目に映る。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1および図3に示すように、光源5から照射された光のうち、光源5の主光軸線L2に沿った光が、車両用灯具の後側(図1および図3の右側)に向かって進むように、光源5が配置されている。つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、光源5から照射された光のうち、光源5の主光軸線L2に沿った光を車両用灯具の前方(図1および図3の左側)から直視できないように、光源5が配置されている。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、対向車の搭乗者や歩行者が光源5からの光を眩しく感じてしまうおそれを低減することができる。
図7は第2から第4の実施形態の車両用灯具の一部を示した図である。詳細には、図7(A)は第2の実施形態の車両用灯具のリフレクタ3、光源5−1,5−2などを車両用灯具の正面から見た図である。図7(B)は第3の実施形態の車両用灯具のリフレクタ3、光源5−11,5−12,5−13,5−14などを車両用灯具の正面から見た図である。図7(C)は第4の実施形態の車両用灯具のリフレクタ3、光源5−21,5−22,5−23,5−24,5−25,5−26,5−27,5−28などを車両用灯具の正面から見た図である。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1〜図3に示すように、環状のリフレクタ3の外周部3aに1個の光源5が配置されているが、第2の実施形態の車両用灯具では、図7(A)に示すように、代わりに、2個の光源5−1,5−2を環状のリフレクタ3の外周部3aに配置することも可能である。
また、第3の実施形態の車両用灯具では、図7(B)に示すように、代わりに、4個の光源5−11,5−12,5−13,5−14を環状のリフレクタ3の外周部3aに配置することも可能である。あるいは、第4の実施形態の車両用灯具では、図7(C)に示すように、代わりに、8個の光源5−21,5−22,5−23,5−24,5−25,5−26,5−27,5−28を環状のリフレクタ3の外周部3aに配置することも可能である。
以下、本発明の車両用灯具の第5の実施形態について説明する。図8は第5の実施形態の車両用灯具を概略的に示した部分断面右側面図である。図9は第5の実施形態の車両用灯具の一部を図8の左側から見た図である。図8および図9において、11は車両用灯具のハウジングを示しており、12は車両用灯具の前面に配置されたレンズを示しており、12aはレンズ12に形成されたレンズカットを示している。13は環状のリフレクタを示しており、13aはリフレクタ13の外周部を示しており、13bはリフレクタ13の反射面を示している。
また、図8および図9において、15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30は環状のリフレクタ13の外周部13aに配置された例えばLEDのような光源を示している。L11はリフレクタ13の中心軸線を示しており、L12−1は光源15−1の主光軸線を示しており、L12−16は光源15−16の主光軸線を示している。
第5の実施形態の車両用灯具では、図8に示すように、リフレクタ13の中心軸線L11を中心に放物線を回転させることによって得られた回転放物面によってリフレクタ13の反射面13bが形成されている。更に、第5の実施形態の車両用灯具では、図8および図9に示すように、その回転放物面の円形の焦線3c上に光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30が配置されている。
詳細には、第5の実施形態の車両用灯具では、図8および図9に示すように、光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30が、円形の焦線3c上に等間隔で配列され、互いにリフレクタ13の中心軸線L11を中心とする回転対称に構成されている。
第5の実施形態の車両用灯具では、図8に示すように、光源15−1から照射された光が、リフレクタ13の反射面13bによって照射方向(図8の左側)に反射される。詳細には、リフレクタ13の反射面13bからの反射光が、レンズ12のレンズカット12aによって拡散せしめられ、照射方向(図8の左側)に照射される。
また、第5の実施形態の車両用灯具では、図8に示すように、光源15−16から照射された光が、リフレクタ13の反射面13bによって照射方向(図8の左側)に反射される。詳細には、リフレクタ13の反射面13bからの反射光が、レンズ12のレンズカット12aによって拡散せしめられ、照射方向(図8の左側)に照射される。
更に、第5の実施形態の車両用灯具では、図8および図9に示すように、環状のリフレクタ13の中心軸線L11に対して垂直な断面形状が円形になるように、環状のリフレクタ13の反射面13bが形成されている。更に、残像効果が生ずる程度に高速で、光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30が、リフレクタ13の周方向に順次点滅せしめられる。
その結果、第5の実施形態の車両用灯具では、残像効果により、リフレクタ13の反射面13bからの反射光が環状のリフレクタ13の周方向にほぼ均一に見える。
そのため、第5の実施形態の車両用灯具によれば、環状のリフレクタ13の外周部13aに配置された光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30を同時に点灯する必要なく、リフレクタ13の反射面13bからの反射光が環状のリフレクタ13の周方向にほぼ均一に見えるようにすることができる。
すなわち、第5の実施形態の車両用灯具によれば、環状のリフレクタ13の外周部13aに配置された光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30のすべてが同時に点灯される場合よりも、光源全体の電力消費量および発熱量を抑制しつつ、環状のリフレクタ13の外周部13aに配置されたすべての光源が同時に点灯される場合と同様に、リフレクタ13の反射面13bからの反射光が環状のリフレクタ13の周方向にほぼ均一に見えるようにすることができる。
図10は環状のリフレクタ13の反射面13bからの反射光と環状のリフレクタ13の中心軸線L11との関係を示した図である。
第5の実施形態の車両用灯具では、図8および図10に示すように、リフレクタ13の反射面13bからの反射光と環状のリフレクタ13の中心軸線L11とが例えば約0.5°〜3°のような角度θ’をなして交差するようにリフレクタ13の反射面13bが形成されている。
詳細には、第5の実施形態の車両用灯具では、リフレクタ13の反射面13bからの反射光と環状のリフレクタ13の中心軸線L11とが平行になるようにではなく、図10に示すように、リフレクタ13の反射面13bからの反射光と環状のリフレクタ13の中心軸線L11とが例えば約0.5°〜3°のような角度θ’をなして交差するように、リフレクタ13の反射面13bが形成されている。
そのため、第5の実施形態の車両用灯具によれば、リフレクタ13の反射面13bからの反射光と環状のリフレクタ13の中心軸線L11とが平行になるようにリフレクタ13の反射面13bが形成されるのに伴って、リフレクタ13の中心部が暗く見えてしまうのを回避することができる。
換言すれば、第5の実施形態の車両用灯具によれば、リフレクタ13の外周部13aの明るさとリフレクタ13の中心部の明るさとをほぼ均一にすることができる。
図11および図12は第5の実施形態の車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。詳細には、図11(A)は光源15−1からの光によって車両用灯具の前方(図8の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図11(B)は光源15−6からの光によって車両用灯具の前方(図8の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図11(C)は光源15−11からの光によって車両用灯具の前方(図8の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。
また、図12(A)は光源15−16からの光によって車両用灯具の前方(図8の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図12(B)は光源15−21からの光によって車両用灯具の前方(図8の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図12(C)は光源15−26からの光によって車両用灯具の前方(図8の左側)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンを示している。図12(D)は実際に車両の搭乗者の目に映る第5の実施形態の車両用灯具の配光パターンを示している。
第5の実施形態の車両用灯具では、図8および図9に示すように、残像効果が生ずる程度に高速で、光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30が、リフレクタ13の周方向に順次点滅せしめられる。
そのため、第5の実施形態の車両用灯具では、図11(A)〜図11(C)に示した配光パターンおよび図12(A)〜図12(C)に示した配光パターンは車両の搭乗者の目には映らず、光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30からの光によって形成されるそれぞれの配光パターンを合成した図12(D)に示したほぼ円形の配光パターンが、残像効果によって車両の搭乗者の目に映る。
詳細には、第5の実施形態の車両用灯具では、すべての光源が、例えば1秒のような残像効果を生ずる所定の周期で点滅される。
第5の実施形態の車両用灯具では、光源15−1が消灯された後に光源15−2が点灯される。つまり、30個の光源のうち、1個の光源のみが点灯されるように、1個の光源の点灯時間が設定されている。第6の実施形態の車両用灯具では、代わりに、複数個の光源が同時に点灯されるように各光源の点灯時間を設定することも可能である。
更に、第5の実施形態の車両用灯具では、図8に示すように、光源15−1から照射された光のうち、光源15−1の主光軸線L12−1に沿った光が、車両用灯具の後側(図8の右側)に向かって進むように、光源15−1が配置されている。つまり、第5の実施形態の車両用灯具では、光源15−1から照射された光のうち、光源15−1の主光軸線L12−1に沿った光を車両用灯具の前方(図8の左側)から直視できないように、光源15−1が配置されている。同様に、光源15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30から照射された光のうち、それらの主光軸線に沿った光を車両用灯具の前方(図8の左側)から直視できないように、それらの光源が配置されている。
そのため、第5の実施形態の車両用灯具によれば、対向車の搭乗者や歩行者がそれらの光源からの光を眩しく感じてしまうおそれを低減することができる。
図13は第7および第8の実施形態の車両用灯具の一部を示した図である。詳細には、図13(A)は第7の実施形態の車両用灯具のリフレクタ13’およびその反射面の焦線13c’を車両用灯具の正面から見た図である。図13(B)は第8の実施形態の車両用灯具のリフレクタ13”およびその反射面の焦線13c”を車両用灯具の正面から見た図である。
第5の実施形態の車両用灯具では、図9に示すように、環状のリフレクタ13の反射面13b(図8参照)の焦線13cが円形に形成されているが、第7の実施形態の車両用灯具では、図13(A)に示すように、代わりに、環状のリフレクタ13’の反射面の焦線13c’を楕円形に形成することも可能である。あるいは、第8の実施形態の車両用灯具では、図13(B)に示すように、環状のリフレクタ13”の反射面の焦線13c”を例えば卵形のような非楕円形に形成することも可能である。
また、第5の実施形態の車両用灯具では、図8に示すように、ハウジング11とリフレクタ13とが別個に設けられているが、第9の実施形態の車両用灯具では、代わりに、ハウジングを省略し、リフレクタにハウジングの機能を備えることも可能である。
更に、第5の実施形態の車両用灯具では、図9に示すように、30個の光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30が設けられているが、第10の実施形態の車両用灯具では、代わりに、30個±10個の任意の個数の光源を設けることも可能である。
以下、本発明の車両用灯具の第11の実施形態について説明する。第11の実施形態の車両用灯具は、後述する点を除き、上述した第5の実施形態の車両用灯具とほぼ同様に構成されている。従って、第11の実施形態の車両用灯具によれば、後述する点を除き、上述した第5の実施形態の車両用灯具とほぼ同様の効果を奏することができる。
図14は第11の実施形態の車両用灯具を概略的に示した部分断面右側面図である。図14において、20は光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30(図9参照)から照射された光の一部を車両用灯具の照射方向(図14の左側)に反射するための環状のリフレクタを示している。22は車両用灯具の前面に配置されたレンズを示しており、22aはレンズ12に形成されたレンズカットを示しており、22bはレンズ22の外周部に形成された環状の拡散部を示している。
図15は環状のリフレクタ20を図14の左側から見た部品図である。図16は図14に示したレンズ22の正面図である。詳細には、図16はレンズ22を図14の左側から見た図である。
第5の実施形態の車両用灯具では、図8に示すように、環状のリフレクタ20(図14参照)が設けられていないのに対し、第11の実施形態の車両用灯具では、図14および図15に示すように、環状のリフレクタ20が設けられている。
また、第5の実施形態の車両用灯具では、図8に示すように、レンズ12の外周部に環状の拡散部22b(図14参照)が形成されていないのに対し、第11の実施形態の車両用灯具では、図14および図16に示すように、レンズ22の外周部に環状の拡散部22bが形成されている。詳細には、レンズ22の外周部の内側表面(図14の右側の表面)あるいは外側表面(図14の左側の表面)を粗面化することにより、レンズ22の外周部に環状の拡散部22bが形成されている。
つまり、第11の実施形態の車両用灯具では、図14に示すように、光源15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8,15−9,15−10,15−11,15−12,15−13,15−14,15−15,15−16,15−17,15−18,15−19,15−20,15−21,15−22,15−23,15−24,15−25,15−26,15−27,15−28,15−29,15−30(図9参照)から照射された光の一部が、環状のリフレクタ20によって反射され、次いで、レンズ22の外周部の環状の拡散部22bによって拡散され、照射される。
そのため、第11の実施形態の車両用灯具によれば、車両用灯具の前方(図14の左側)からレンズ22の外周部が環状に光って見えるようにすることができる。
以下、本発明の車両用灯具に関連する発明について説明する。図17は本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯の斜視図である。図18および図19は図17に示した懐中電灯の一部の断面図である。
図17〜図19において、31は懐中電灯のハウジングを示しており、32は懐中電灯の前面に配置されたレンズを示しており、32aはレンズ32に形成されたレンズカットを示しており、32bはレンズ32の外周部に形成された環状の拡散部を示している。33は環状のリフレクタを示しいる。
また、図17〜図19において、35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6,35−7,35−8,35−9,35−10,35−11,35−12,35−13,35−14,35−15,35−16,35−17,35−18,35−19,35−20,35−21,35−22,35−23,35−24,35−25,35−26,35−27,35−28,35−29,35−30は環状のリフレクタ33の外周部に配置された例えばLEDのような光源を示している。
更に、図17〜図19において、40−1は光源35−1などから照射された光をリフレクタ33の側(図18および図19の上側)に反射するための回動式リフレクタを示しており、40−4は光源35−16などから照射された光をリフレクタ33の側(図18および図19の上側)に反射するための回動式リフレクタを示している。
図20はリフレクタ40−1,40−4などを図18および図19の下側から見た図である。図21はレンズ32を図18および図19の下側から見た図である。本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、図20に示すように、例えば6個の回動式リフレクタ40−1,40−2,40−3,40−4,40−5,40−6が設けられている。
本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、図18および図19に示すように、リフレクタ33の中心軸線を中心に放物線を回転させることによって得られた回転放物面によってリフレクタ33の反射面(図18および図19の下側の面)が形成されている。更に、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、図17〜図19に示すように、その回転放物面の円形の焦線上に光源35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6,35−7,35−8,35−9,35−10,35−11,35−12,35−13,35−14,35−15,35−16,35−17,35−18,35−19,35−20,35−21,35−22,35−23,35−24,35−25,35−26,35−27,35−28,35−29,35−30が配置されている。
詳細には、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、図17に示すように、光源35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6,35−7,35−8,35−9,35−10,35−11,35−12,35−13,35−14,35−15,35−16,35−17,35−18,35−19,35−20,35−21,35−22,35−23,35−24,35−25,35−26,35−27,35−28,35−29,35−30が、リフレクタ33の反射面の円形の焦線上に等間隔で配列され、互いにリフレクタ33の中心軸線を中心とする回転対称に構成されている。
本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、図18および図19に示すように、リフレクタ40−1,40−2,40−3,40−4,40−5,40−6が、例えばソレノイド、モータ、機械式リンクなどによって回動可能に構成されている。
本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、リフレクタ40−1,40−2,40−3,40−4,40−5,40−6が回動せしめられていない時に、図18に示すように、光源35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6,35−7,35−8,35−9,35−10,35−11,35−12,35−13,35−14,35−15,35−16,35−17,35−18,35−19,35−20,35−21,35−22,35−23,35−24,35−25,35−26,35−27,35−28,35−29,35−30(図17参照)から照射された光が、リフレクタ40−1,40−2,40−3,40−4,40−5,40−6(図20参照)によって反射され、次いで、リフレクタ33によって反射され、照射方向(図18の下側)に照射される。詳細には、リフレクタ33のからの反射光が、レンズ32のレンズカット32aによって拡散せしめられ、照射方向(図18の下側)に照射される。
また、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、リフレクタ40−1,40−2,40−3,40−4,40−5,40−6が回動せしめられている時に、図19に示すように、光源35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6,35−7,35−8,35−9,35−10,35−11,35−12,35−13,35−14,35−15,35−16,35−17,35−18,35−19,35−20,35−21,35−22,35−23,35−24,35−25,35−26,35−27,35−28,35−29,35−30(図17参照)から照射された光が、リフレクタ40−1,40−2,40−3,40−4,40−5,40−6(図20参照)によって反射され、次いで、リフレクタ33によって反射され、照射方向(図19の下側)に照射される。詳細には、リフレクタ33のからの反射光が、レンズ32のレンズカット32aによって拡散せしめられ、照射方向(図19の下側)に照射される。
更に、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、図18および図19に示すように、光源35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6,35−7,35−8,35−9,35−10,35−11,35−12,35−13,35−14,35−15,35−16,35−17,35−18,35−19,35−20,35−21,35−22,35−23,35−24,35−25,35−26,35−27,35−28,35−29,35−30(図17参照)から照射された光の一部が、リフレクタ40−1,40−2,40−3,40−4,40−5,40−6(図20参照)の隙間を通過せしめられ、レンズ32の環状の拡散部32b(図21参照)によって拡散せしめられ、照射方向(図18および図19の下側)に照射される。
更に、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、図17に示すように、環状のリフレクタ33の中心軸線に対して垂直な断面形状が円形になるように、環状のリフレクタ33の反射面が形成されている。更に、残像効果が生ずる程度に高速で、光源35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6,35−7,35−8,35−9,35−10,35−11,35−12,35−13,35−14,35−15,35−16,35−17,35−18,35−19,35−20,35−21,35−22,35−23,35−24,35−25,35−26,35−27,35−28,35−29,35−30が、リフレクタ33の周方向に順次点滅せしめられる。
その結果、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、残像効果により、リフレクタ33の反射面からの反射光が環状のリフレクタ33の周方向にほぼ均一に見える。
そのため、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯によれば、環状のリフレクタ33の外周部に配置された光源35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6,35−7,35−8,35−9,35−10,35−11,35−12,35−13,35−14,35−15,35−16,35−17,35−18,35−19,35−20,35−21,35−22,35−23,35−24,35−25,35−26,35−27,35−28,35−29,35−30を同時に点灯する必要なく、リフレクタ33の反射面からの反射光が環状のリフレクタ33の周方向にほぼ均一に見えるようにすることができる。
すなわち、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯によれば、環状のリフレクタ33の外周部に配置された光源35−1,35−2,35−3,35−4,35−5,35−6,35−7,35−8,35−9,35−10,35−11,35−12,35−13,35−14,35−15,35−16,35−17,35−18,35−19,35−20,35−21,35−22,35−23,35−24,35−25,35−26,35−27,35−28,35−29,35−30のすべてが同時に点灯される場合よりも、光源全体の電力消費量および発熱量を抑制しつつ、環状のリフレクタ33の外周部に配置されたすべての光源が同時に点灯される場合と同様に、リフレクタ33の反射面からの反射光が環状のリフレクタ33の周方向にほぼ均一に見えるようにすることができる。
詳細には、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、すべての光源が、例えば1秒のような残像効果を生ずる所定の周期で点滅される。
本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、光源35−1が消灯された後に光源35−2が点灯される。つまり、30個の光源のうち、1個の光源のみが点灯されるように、1個の光源の点灯時間が設定されている。
図22は本発明の車両用灯具に関連するランプの斜視図である。図23は図22に示したランプの一部の断面図である。
図23において、51はランプのハウジングを示しており、52はランプの前面に配置されたレンズを示している。本発明の車両用灯具に関連するランプでは、レンズ52の内側表面(図23の上側の表面)あるいは外側表面(図23の下側の表面)にレンズカットが形成されている。また、図23において、53は環状のリフレクタを示している。55は環状のリフレクタ53の外周部に配置された例えばLEDのような光源を示している。
本発明の車両用灯具に関連するランプでは、図23に示すように、リフレクタ53の中心軸線L51を中心に放物線を回転させることによって得られた回転放物面によってリフレクタ53の反射面(図23の下側の面)が形成されている。更に、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯では、図23に示すように、その回転放物面の円形の焦線上に30個±10個の光源55が等間隔で配列されている。
更に、本発明の車両用灯具に関連するランプでは、環状のリフレクタ53の中心軸線L51に対して垂直な断面形状が円形になるように、環状のリフレクタ53の反射面(図23の下側の面)が形成されている。更に、残像効果が生ずる程度に高速で、30個±10個の光源55がリフレクタ53の周方向に順次点滅せしめられる。
その結果、本発明の車両用灯具に関連するランプでは、残像効果により、リフレクタ53の反射面からの反射光が環状のリフレクタ53の周方向にほぼ均一に見える。
そのため、本発明の車両用灯具に関連するランプによれば、環状のリフレクタ53の外周部に配置された30個±10個の光源55を同時に点灯する必要なく、リフレクタ53の反射面からの反射光が環状のリフレクタ53の周方向にほぼ均一に見えるようにすることができる。
すなわち、本発明の車両用灯具に関連するランプによれば、環状のリフレクタ53の外周部に配置された30個±10個の光源55のすべてが同時に点灯される場合よりも、光源全体の電力消費量および発熱量を抑制しつつ、環状のリフレクタ53の外周部に配置されたすべての光源55が同時に点灯される場合と同様に、リフレクタ53の反射面からの反射光が環状のリフレクタ53の周方向にほぼ均一に見えるようにすることができる。
詳細には、本発明の車両用灯具に関連するランプでは、すべての光源55が、例えば1秒のような残像効果を生ずる所定の周期で点滅される。
本発明の車両用灯具に関連するランプでは、一の光源55が消灯された後にその光源55の隣の光源55が点灯される。つまり、30個±10個の光源55のうち、1個の光源55のみが点灯されるように、1個の光源55の点灯時間が設定されている。
図24は図23に示した本発明の車両用灯具に関連するランプの変形例のリフレクタ53’を示した図である。本発明の車両用灯具に関連するランプでは、図23に示すように、リフレクタ53の中心軸線L51を中心に放物線を回転させることによって得られた回転放物面によってリフレクタ53の反射面(図23の下側の面)が形成されているが、本発明の車両用灯具に関連するランプの変形例では、図24に示すように、放物線をスイープすることによって得られた複数の放物柱面53−1’によって、リフレクタ53’の反射面が形成されている。
そのため、本発明の車両用灯具に関連するランプの変形例によれば、レンズ52(図23参照)にレンズカットを設ける必要なく、リフレクタ53’からの反射光を適度に拡散させることができる。つまり、レンズカットを設けることに伴う光量ロスを回避することができる。
本発明の車両用灯具の第12の実施形態では、上述した本発明の車両用灯具の第1から第11の実施形態、本発明の車両用灯具に関連する懐中電灯、本発明の車両用灯具に関連するランプおよびその変形例を適宜組合わせることも可能である。