JP2007149552A - 照明装置 - Google Patents

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慶暁 松葉
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英夫 井上
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Abstract

【課題】 簡単な構成で、光の利用効率を低下させることなく、所望の配光パターンを形成することができる照明装置を提供する。
【解決手段】 LED12からの光が入射された際に照射領域A1〜A4をそれぞれ均一照度で照明する第1〜第4のフライアイレンズ26〜29を組み合わせてロービーム形成用フライアイレンズ群を構成するとともに、LED12からの光が入射された際に照射領域A1,A5〜A7をそれぞれ均一照度で照明する第1,第5〜第7のフライアイレンズ26,30〜32を組み合わせてハイビーム形成用フライアイレンズ群を構成し、各フライアイレンズ群に対する光源ユニット10からの光の供給を選択的に切り替える。これにより、簡単な構成で、光の利用効率を低下させることなく、ロービーム及びハイビームの配光パターンを形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、予め設定した照射領域を所定の配光で照明する照明装置に関する。
一般に、発光ダイオード(LED)は、消費電力が小さく長寿命であるという利点を有する。そこで、近年では、LEDの高出力化に伴い、例えば、車載のヘッドランプ等のように大光量が要求される照明装置においても、光源にLEDを適用することが期待されている。
ところで、ヘッドランプ等は出射光の配光パターンが規格で定められており、規格通りの配光パターンを実現するためには、リフレクタを用いることが一般的である。例えば、特許文献1には、プロジェクタ型灯具ユニットと、直射型灯具ユニットと、反射型灯具ユニットとを用い、これら各灯具ユニットからの光照射により形成される配光パターンの合成により所望するパターン形状及び光度分布を有するロービーム用配光パターンを形成する技術が開示されている。
特開2004−95481公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示された技術では、LEDは点光源として扱うことが可能であるという利点を有するにも拘わらず、プロジェクタ型灯具ユニットと反射型灯具ユニットにおいて、光源からの光をリフレクタで反射させる構成を採用しているため、光の利用効率の観点上好ましくない。また、リフレクタを用いた場合、構造が複雑化し、照明装置の小型化等を実現するには限界があるばかりか、光線のアライメントの精度に問題を生じやすい。
また、上述の特許文献1に開示された技術では、ロービーム用の配光パターンを形成するためにシェードを用いているため、光の利用効率の更なる低下を招く。しかも、上述の特許文献1に開示された技術では、ロービーム用の配光パターンしか形成することができず、ハイビーム用の配光パターンを得るためには、別途の照明装置を必要とする。
本発明は、簡単な構成で、光の利用効率を低下させることなく、所望の配光パターンを形成することができる照明装置を提供することを目的とする。
本発明は、光源と、前記光源から入射する光を特定の照射領域に互いに重畳させて出射する複数のレンズ部を配列したフライアイレンズが複数組み合わせて構成され、それぞれ異なる照射パターンの照明光を形成する複数組のフライアイレンズ群と、前記各フライアイレンズ群に対して前記光源からの光の供給を選択的に切り替える光源切替手段とを具備したことを特徴とする。
本発明の照明装置によれば、簡単な構成で、光の利用効率を低下させることなく、所望の配光パターンを形成することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係わり、図1は照明装置の分解斜視図、図2は照明装置を出射側から見た平面図、図3は図2のI−I断面図、図4は現行のヘッドランプの照射光の測定点を示す説明図、図5は各フライアイレンズの照射領域を示す説明図である。
図1〜3において、符号1は照明装置を示し、本実施形態においては、車載のヘッドライトを示す。この照明装置1は、例えば、出射面12aに片凸レンズが固設した複数(例えば、5個)の表面実装型の発光ダイオード(LED)12を光源とする光源ユニット10と、この光源ユニット10に冠設するレンズ光学系ユニット20とを有する。
光源ユニット10は、LED基板11を有する。LED基板11は、例えば、略円盤状の基板で構成され、前面に各LED12を半田付け等によって保持し、さらに、保持した各LED12を図示しない電源回路に電気的に接続する。ここで、本実施形態において、各LED12は、LED基板11上に等間隔毎に配置されている。具体的には、例えば、5個のLED12のうち、1個のLED12がLED基板11の中央部に配置され、このLED12を中心として、他のLED12が90度毎の等間隔で環状に配置されている。
また、LED基板11の基部側の周面にはフランジ部13が設けられており、このフランジ部13の要所には、LED基板11の中心と同心の部分円弧形状をなすガイド孔14が設けられている。ここで、本実施形態において、各ガイド孔14の中心角は、それぞれ45度に設定されている。さらに、フランジ部13の周面の一部からは、ラックギヤ15が突設されている。
なお、各LED12の発光効率を向上するため、図3に示すように、LED基板11の背面には、放熱フィン13が固着している。
レンズ光学系ユニット20は、レンズ筐体21と、複数(例えば、9個)のコリメーションレンズ23をレンズ筐体21に保持するコリメーションレンズ保持板22と、複数種類(例えば、6種類)からなる複数(例えば、9個)のフライアイレンズ(後述する第1〜第7のフライアイレンズ26〜32)をレンズ筐体21に保持するフライアイレンズ保持板25とを有する。
本実施形態において、レンズ筐体21は、両端が開口する略円筒形状の部材で構成されている。レンズ筐体21の内周には段部21aが形成されており、この段部21aによって、レンズ筐体21の基部側の内径が先端部側の内径よりも大径に設定されている(図3参照)。
ここで、レンズ筐体21の基部側の内径は、LED基板11の前面側の外径と略一致するよう設定されている。また、レンズ筐体21の外径は、LED基板11のフランジ部13の外径と略一致するよう設定され、レンズ筐体21の基端面には、フランジ部13上の各ガイド孔14に対応するネジ穴21bがそれぞれ穿設されている。そして、各ガイド孔14に挿通された各ネジ35が対応する各ネジ穴21bに螺合されることにより、光源ユニット10が、レンズ筐体21に対して45度の角度範囲で相対回転可能に連結される。
また、レンズ筐体21の外周部にはモータ36が固設されている。モータ36の回転軸36aにはピニオンギヤ37が固設されており、このピニオンギヤ37は、光源ユニット10のラックギヤ15に噛合されている。これにより、モータ36は、レンズ筐体21に対する光源ユニット10の相対位置を、各ネジ35が各ガイド孔14の一方の端部に当接する第1の回動位置と、各ネジ35が各ガイド孔14の他方の端部に当接する第2の回動位置(第1の回動位置から45度回動した位置)との間で、選択的に切り替えることが可能となっている。すなわち、本実施形態において、LED基板11上に環状に配設された4個のLED12は、レンズ筐体21内に設定された異なる2種類の位置にそれぞれ移動可能となっており、これに伴い、その光路も選択的に切り替えられる。このように、本実施形態において、LED基板11側に配設したガイド孔14及びラックギヤ15、レンズ筐体21側に配設したモータ36及びピニオンギヤ37等によって光源切替手段が実現される。
コリメーションレンズ保持板22は、その外径がレンズ筐体21の基部側の内径と略一致する略円盤状の部材で構成されている。このコリメーションレンズ保持板22には、LED基板11上の中心部に配設されたLED12が対向する位置に、光軸方向に貫通するレンズ保持孔22aが開口されている。また、コリメーションレンズ保持板22には、光源ユニット10が第1の回動位置にあるとき、LED基板11上に環状に配置された4個のLED12がそれぞれ対向する位置に、光軸方向に貫通するレンズ保持孔22bが開口されている。さらに、コリメーションレンズ保持板22には、光源ユニット10が第2の回動位置にあるとき、LED基板11上に環状に配置された4個のLED12がそれぞれ対向する位置に、光軸方向に貫通するレンズ保持孔22cが開口されている。そして、コリメーションレンズ保持板22は、各レンズ保持孔22a〜22cに、各コリメーションレンズ23をそれぞれ嵌合保持してコリメーションレンズユニットを構成する。
このコリメーションレンズユニットは、レンズ筐体21に光源ユニット10が連結される前工程において、レンズ筐体21内に挿入され、スペーサ24を介して位置決めがされる。すなわち、図3に示すように、各コリメーションレンズ23を保持したコリメーションレンズ保持板22は、レンズ筐体21内に基部側から挿入される。さらに、レンズ筐体21内にはリング状のスペーサ24が配設され、レンズ筐体21に光源ユニット10が連結されることにより、コリメーションレンズ保持板22及びスペーサ24が、段部21aとLED基板11との間に挟持される。そして、各LED12と各コリメーションレンズ23との光軸距離がスペーサ24によって適値に規定されることにより、各コリメーションレンズ23は、LED12が対向された際に、対応するLED12からの入射光を、それぞれ略平行光に変換して出射する。
フライアイレンズ保持板25は、レンズ筐体21の先端部に冠設する略円盤状の部材で構成されている。このフライアイレンズ保持板25には、コリメーションレンズ保持板22の各レンズ保持孔22a〜22cにそれぞれ対応する位置に、光軸方向に貫通するレンズ保持孔25a〜25cがそれぞれ開口されている。そして、フライアイレンズ保持板25は、各レンズ保持孔25aに、各第1〜第7のフライアイレンズ26〜32をそれぞれ嵌合保持してフライアイレンズユニットを構成する。
本実施形態において、図1,2に示すように、レンズ保持孔25aには、第1のフライアイレンズ26が保持されている。また、4個のレンズ保持孔25bのうち、2個のレンズ保持孔25bには第2のフライアイレンズ27がそれぞれ保持され、残る各1個のレンズ保持孔25bには第3のフライアイレンズ28と第4のフライアイレンズ29がそれぞれ保持されている。また、4個のレンズ保持孔25cのうち、2個のレンズ保持孔25cには第5のフライアイレンズ30がそれぞれ保持され、残る各1個のレンズ保持孔25cには第6のフライアイレンズ31と第7のフライアイレンズ32がそれぞれ保持されている。
これら第1〜第7のフライアイレンズ26〜32のうち、第1のフライアイレンズ26、第2のフライアイレンズ27、第3のフライアイレンズ28、及び第4のフライアイレンズ29は、ロービーム形成用フライアイレンズ群を構成する。そして、このロービーム形成用フライアイレンズ群は、光源ユニット10が第1の回動位置にあるとき、各フライアイレンズ26〜29でそれぞれ形成される矩形の光を合成することで、ヘッドランプのロービームに要求される配光パターン(すなわち、図4に×印及び△印で示される各測定点に設定された各輝度を満足する配光パターン)を実現する。なお、図中において、×印は左右で非対称の測定点であり、△印は左右で対称の測定点である。
また、第1〜第7のフライアイレンズ26〜32のうち、第1のフライアイレンズ26、第5のフライアイレンズ30、第6のフライアイレンズ31、及び第7のフライアイレンズ32は、ハイビーム形成用フライアイレンズ群を構成する。そして、このハイビーム形成用フライアイレンズ群は、光源ユニット10が第2の回動位置にあるとき、各フライアイレンズ26,30〜32でそれぞれ形成される矩形の光を合成することで、ヘッドランプのハイビームに要求される配光パターン(図4に○印で示される各測定点に設定された各輝度を満足する配光パターン)を実現する。
具体的に説明すると、第1のフライアイレンズ26は、レンズ保持孔25aに嵌合保持される略円盤状のレンズ基板上に、例えば、下方に突出する入射面と上方に突出する出射面とを備えた同一形状をなす複数のレンズ部26aがマトリクス状に一体形成されたレンズ部材である。この第1のフライアイレンズ26には、光源ユニット10が第1の回動位置及び第2の回動位置の何れに位置する場合にも、対向するコリメーションレンズ23から略平行光が入射される。そして、第1のフライアイレンズ26は、対向するコリメーションレンズ23から各レンズ部26aにそれぞれ入射する光を互いに重畳させることにより、特定の照射領域A1(図5(a),(b)参照)を均一照度で照射する。
ここで、照射領域A1は、左右方向に幅広な矩形形状をなす領域に設定されている。この照射領域A1への均一照度の光の照射は、各レンズ部26aの平面視形状を照射領域A1と相似形状をなす略矩形形状に形成し、各レンズ部26aの曲率等の諸元を実験やシミュレーション等を用いて適値に設定することにより実現される。
第2のフライアイレンズ27は、レンズ保持孔25bに嵌合保持される略円盤状のレンズ基板上に、例えば、下方に突出する入射面と上方に突出する出射面とを備えた同一形状をなす複数のレンズ部27aがマトリクス状に一体形成されたレンズ部材である。この第1のフライアイレンズ27には、光源ユニット10が第1の回動位置に位置するとき、対向するコリメーションレンズ23から略平行光が入射される。そして、第2のフライアイレンズ27は、対向するコリメーションレンズ23から各レンズ部27aにそれぞれ入射する光を互いに重畳させることにより、特定の照射領域A2(図5(a)参照)を均一照度で照射する。
ここで、照射領域A2は、照射領域A1よりも左右方向及び上下方向に広域な矩形領域に設定されている。この照射領域A2への均一照度の光の照射は、各レンズ部27aの平面視形状を照射領域A2と相似形状をなす略矩形形状に形成し、各レンズ部27aの曲率等の諸元を実験やシミュレーション等を用いて適値に設定することにより実現される。さらに、照射領域A2は、照射領域A1と重畳し、且つ、所定角度傾いた配置に設定される。このため、本実施形態において、第2のフライアイレンズ27は、その光軸が第1のフライアイレンズ26の光軸と略平行であって、且つ、各レンズ部27aを光軸周りに所定角度回転させた状態でレンズ保持孔25bに保持される。
第3のフライアイレンズ28は、レンズ保持孔25bに嵌合保持される略円盤状のレンズ基板上に、例えば、下方に突出する入射面と上方に突出する出射面とを備えた同一形状をなす複数のレンズ部28aがマトリクス状に一体形成されたレンズ部材である。この第3のフライアイレンズ28には、光源ユニット10が第1の回動位置に位置するとき、対向するコリメーションレンズ23から略平行光が入射される。そして、第3のフライアイレンズ28は、対向するコリメーションレンズ23から各レンズ部28aにそれぞれ入射する光を互いに重畳させることにより、特定の照射領域A3(図5(a)参照)を均一照度で照射する。
ここで、照射領域A3は、照射領域A1,A2よりも左右方向及び上下方向に広域な矩形領域に設定されている。この照射領域A3への均一照度の光の照射は、各レンズ部28aの平面視形状を照射領域A3と相似形状をなす略矩形形状に形成し、各レンズ部28aの曲率等の諸元を実験やシミュレーション等を用いて適値に設定することにより実現される。さらに、照射領域A3は、照射領域A1の左側に偏倚する位置に設定される。このため、本実施形態において、第3のフライアイレンズ28は、その光軸が第1のフライアイレンズ26の光軸に対して左方向に所定角度傾けられた状態でレンズ保持孔25bに保持される。
第4のフライアイレンズ29は、レンズ保持孔25bに嵌合保持される略円盤状のレンズ基板上に、例えば、下方に突出する入射面と上方に突出する出射面とを備えた同一形状をなす複数のレンズ部29aがマトリクス状に一体形成されたレンズ部材である。この第4のフライアイレンズ29には、光源ユニット10が第1の回動位置に位置するとき、対向するコリメーションレンズ23から略平行光が入射される。そして、第4のフライアイレンズ29は、対向するコリメーションレンズ23から各レンズ部29aにそれぞれ入射する光を互いに重畳させることにより、特定の照射領域A4(図5(a)参照)を均一照度で照射する。
ここで、照射領域A4は、照射領域A1〜A3よりも左右方向に広域で、且つ、照射領域A1,A2よりも上下方向に広域な矩形領域に設定されている。この照射領域A4への均一照度の光の照射は、各レンズ部29aの平面視形状を照射領域A4と相似形状をなす略矩形形状に形成し、各レンズ部29aの曲率等の諸元を実験やシミュレーション等を用いて適値に設定することにより実現される。さらに、照射領域A4は、照射領域A1の斜め右下方に偏倚する位置に設定される。このため、本実施形態において、第4のフライアイレンズ29は、その光軸が第1のフライアイレンズ26の光軸に対して右方向及び下方に所定角度傾けられた状態でレンズ保持孔25bに保持される。
なお、本実施形態において、フライアイレンズ保持板25上における第1のフライアイレンズ26と第3,第4のフライアイレンズ28,29との距離は、何れも数cm程度である。その一方で、照明装置1をヘッドランプとして使用した場合の実用的な照射距離は自車前方数m以上であり、オーダーが異なる。従って、第1のフライアイレンズ26の光軸に対して第3,第4のフライアイレンズ28,29の光軸を傾斜させる場合にも、例えば、自車前方10m程度の照射距離で照射領域A1とA3との相対関係を満足させるよう、各傾斜角度を設定すれば、実用域において、照射領域A1と照射領域A3及びA4との相対関係は十分に維持可能である。
そして、光源ユニット10が第1の回動位置にあるとき、第1〜第4のフライアイレンズ26〜29によって、照明装置1は、全体として照射領域ALOを照明する(図5(a)参照)。その際、各LED12の出力調整等によって各照射領域A1〜A4の輝度が適値に設定され、照射領域ALO内の適所に各照射領域A1〜A4が分布することにより、右側ロービームに要求される配光パターンが実現される。
第5のフライアイレンズ30は、レンズ保持孔25cに嵌合保持される略円盤状のレンズ基板上に、例えば、下方に突出する入射面と上方に突出する出射面とを備えた同一形状をなす複数のレンズ部30aがマトリクス状に一体形成されたレンズ部材である。この第5のフライアイレンズ30には、光源ユニット10が第2の回動位置に位置するとき、対向するコリメーションレンズ23から略平行光が入射される。そして、第5のフライアイレンズ30は、対向するコリメーションレンズ23から各レンズ部30aにそれぞれ入射する光を互いに重畳させることにより、特定の照射領域A5(図5(b)参照)を均一照度で照射する。
ここで、照射領域A5は、照射領域A1よりも左右方向及び上下方向に広域な矩形領域に設定されている。この照射領域A5への均一照度の光の照射は、各レンズ部30aの平面視形状を照射領域A5と相似形状をなす略矩形形状に形成し、各レンズ部30aの曲率等の諸元を実験やシミュレーション等を用いて適値に設定することにより実現される。さらに、照射領域A5は、照射領域A1と重畳する位置に設定される。このため、本実施形態において、第5のフライアイレンズ30は、その光軸が第1のフライアイレンズ26の光軸と略平行に設定された状態でレンズ保持孔25cに保持される。
第6のフライアイレンズ31は、レンズ保持孔25cに嵌合保持される略円盤状のレンズ基板上に、例えば、下方に突出する入射面と上方に突出する出射面とを備えた同一形状をなす複数のレンズ部31aがマトリクス状に一体形成されたレンズ部材である。この第6のフライアイレンズ31には、光源ユニット10が第2の回動位置に位置するとき、対向するコリメーションレンズ23から略傾向光が入射される。そして、第6のフライアイレンズ31は、対向するコリメーションレンズ23から各レンズ部31aにそれぞれ入射する光を互いに重畳させることにより、特定の照射領域A6(図5(b)参照)を均一照度で照射する。
ここで、照射領域A6は、照射領域A1,A5よりも左右方向及び上下方向に広域な矩形領域に設定されている。この照射領域A6への均一照度の光の照射は、各レンズ部31aの平面視形状を照射領域A6と相似形状をなす略矩形形状に形成し、各レンズ部31aの曲率等の諸元を実験やシミュレーション等を用いて適値に設定することにより実現される。さらに、照射領域A6は、照射領域A1,A5と重畳する位置に設定される。このため、本実施形態において、第6のフライアイレンズ31は、その光軸が第1のフライアイレンズ26の光軸と略平行に設定された状態でレンズ保持孔25cに保持される。
第7のフライアイレンズ32は、レンズ保持孔25cに嵌合保持される略円盤状のレンズ基板上に、例えば、下方に突出する入射面と上方に突出する出射面とを備えた同一形状をなす複数のレンズ部32aがマトリクス状に一体形成されたレンズ部材である。この第7のフライアイレンズ32には、光源ユニット10が第2に回動位置に位置するとき、対向するコリメーションレンズ23から略平行光が入射される。そして、第7のフライアイレンズ32は、対向するコリメーションレンズ23から各レンズ部32aにそれぞれ入射する光を互いに重畳させることにより、特定の照射領域A7(図5(b)参照)を均一照度で照射する。
ここで、照射領域A7は、照射領域A1,A5,A6よりも左右方向及び上下方向に広域な矩形領域に設定されている。この照射領域A7への均一照度の光の照射は、各レンズ部32aの平面視形状を照射領域A7と相似形状をなす略矩形形状に形成し、各レンズ部32aの曲率等の諸元を実験やシミュレーション等を用いて適値に設定することにより実現される。さらに、照射領域A7は、照射領域A1,A5,A6と重畳する位置に設定される。このため、本実施形態において、第7のフライアイレンズ32は、その光軸が第1のフライアイレンズ26の光軸と略平行に設定された状態でレンズ保持孔25cに保持される。
そして、光源ユニット10が第2の回動位置にあるとき、第1,第5〜第7のフライアイレンズ26,30〜32によって、照明装置1は、全体として照射領域AHIを照明する(図5(b)参照)。その際、各LED12の出力調整等によって各照射領域A1,A5〜A7の輝度が適値に設定され、照射領域AHI内の適所に各照射領域A1,A5〜A7が分布することにより、ハイビームに要求される配光パターンが実現される。
このような実施形態によれば、LED12からの光が入射された際に照射領域A1〜A4をそれぞれ均一照度で照明する第1〜第4のフライアイレンズ26〜29を組み合わせてロービーム形成用フライアイレンズ群を構成するとともに、LED12からの光が入射された際に照射領域A1,A5〜A7をそれぞれ均一照度で照明する第1,第5〜第7のフライアイレンズ26,30〜32を組み合わせてハイビーム形成用フライアイレンズ群を構成し、各フライアイレンズ群に対する光源ユニット10からの光の供給を選択的に切り替えることにより、簡単な構成で、光の利用効率を低下させることなく、ロービームの配光パターン及びハイビームの配光パターンを形成することができる。
すなわち、各種フライアイレンズ26〜32で形成される照射領域A1〜A7を適宜組み合わせて、リフレクタ等を用いることなく所望の配光パターンを形成することにより、構造を簡素化することができ、特に、照明装置1の光軸方向の寸法を飛躍的に短縮することができる。さらに、リフレクタ反射等を用いない構成であるため、光量のロスを少なくでき、さらに、光線のアライメント調整等を容易に行うことができる。
また、各フライアイレンズの照射領域は各レンズ部の諸元に応じて可変であるため設計の自由度が大きく、その組み合わせについても自由度が大きいため、所望の配光パターンを得るためにシェード等を用いる必要がなく、この点においても、各LED12から供給される光を有効的に利用することが可能となる。ここで、図4から明らかなように、車載のヘッドランプにおいては、ハイビームでの照射幅をロービームのものよりも狭くしてもよい。その一方で、ハイビームは遠方まで照明する必要があるため、ロービームよりも高い輝度が要求される。本実施形態では、これらの配光パターンを、シェード等を用いることなく各フライアイレンズ26〜32の組み合わせによって実現できるので、各LED12から供給される光を有効的に利用することができる。この場合、ハイビームの配光パターンを形成する際に、各フライアイレンズ30〜32の設定によって、照射領域AHIをロービームの照射領域ALOよりも絞り込めば、その分、全体としての輝度が向上し、各LED12からの出光量を大幅に増加させることなく、ハイビームの配光パターンを実現することができる。
また、フライアイレンズの一部(第1のフライアイレンズ26)を各フライアイレンズ群で共用することにより、照明装置1の更なる構造の簡素化を実現することができる。
また、各フライアイレンズ群への光の供給を光路の切り替えによって実現する構成であるため、使用するLED12の数を低減でき、照明装置1の更なる構造の簡素化を実現することができる。
ここで、本実施形態において、各コリメーションレンズ23及び各フライアイレンズ26〜32の各表面に、例えば、タンタル(Ta)膜とシリカ(Si)膜とを交互に積層することにより反射防止膜を形成することも可能である。このように構成すれば、各レンズの表面反射による光量のロスを的確に抑制することができる。
なお、上述の実施形態では、各フライアイレンズ群によって車載のヘッドランプのロービームとハイビームを形成する場合の一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他、各種の照明にも適用が可能であることは勿論である。この場合、フライアイレンズ群の数は2組に限定されるものではなく、各フライアイレンズ群に用いられるフライアイレンズの数等も適宜設定可能であることは勿論である。
また、上述の実施形態においては、各コリメーションレンズ23に対する各LED12の対向状態を選択的に切り替えることにより(すなわち、筐体21内での各LED12の光路を選択的に切り替えることにより)、各フライアイレンズ群に対する光の供給を切り替える構成の一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、全てのコリメーションレンズ23に対してLED12をそれぞれ対向配置し、点灯するLED12を選択的に切り替えることにより、各フライアイレンズ群に対する光の供給を切り替えてもよい。
照明装置の分解斜視図 照明装置を出射側から見た平面図 図2のI−I断面図 現行のヘッドランプの照射光の測定点を示す説明図 各フライアイレンズの照射領域を示す説明図
符号の説明
1…照明装置、10…光源ユニット、12…発光ダイオード(光源)、14…ガイド孔(光源切替手段)、15…ラックギヤ(光源切替手段)、20…レンズ光学系ユニット、26〜32…第1〜第7のフライアイレンズ、26a〜32a…レンズ部、36…モータ(光源切替手段)、37…ピニオンギヤ(光源切替手段)、A1〜A7…照射領域

Claims (3)

  1. 光源と、
    前記光源から入射する光を特定の照射領域に互いに重畳させて出射する複数のレンズ部を配列したフライアイレンズが複数組み合わせて構成され、それぞれ異なる配光パターンの照明光を形成する複数組のフライアイレンズ群と、
    前記各フライアイレンズ群に対して前記光源からの光の供給を選択的に切り替える光源切替手段とを具備したことを特徴とする照明装置。
  2. 前記各種フライアイレンズ群を構成する前記各フライアイレンズのうち、少なくとも一部の前記フライアイレンズを前記フライアイレンズ群間で兼用したことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記光源切替手段は、前記光源の光路を移動させることにより、前記各種フライアイレンズ群に対する光の供給を切り替えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明装置。
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