JP2007248053A - クロノグラフ時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な規正解除と帰零とのタイミングがとりやすく、耐久品質が優れたクロノグラフ時計を、部品数が少なく簡単な構造で実現する。
【解決手段】クロノグラフ時計1は、動力源としてぜんまいを収容する香箱車20と、香箱車20によって駆動される通常時刻表示部と、前記通常時刻表示部とは独立して香箱車20によって駆動される時CG車25とを備えるクロノグラフ時計であって、香箱車20と時CG車25との間に配設される第二時CG中間車22と、時CG車25を規正または規正解除する時CG規正レバー190と、時CG車25を機械的に帰零する復針レバー160と、が備えられ、時CG車25と、第二時CG中間車22とに、所定のスリップトルクを超えるとスリップするスリップばね23,29を含む滑り機構が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、クロノグラフ時計に関し、詳しくは、動力源から経過時間表示部に至る輪列に滑り機構を有するクロノグラフ時計の構造に関する。
従来、香箱車から時クロノグラフ伝え車A、時クロノグラフ伝え車C、時クロノグラフ伝え車B等の複数の中間車を介して経過時間表示部の一つである時クロノグラフ針と時ハートカムとを有する時クロノグラフ車に駆動力を伝達し、クロノグラフ停止時には時発停レバーにて時クロノグラフ車を規正し、規正を解除した後、時クロノグラフ車を回転させて帰零させるクロノグラフ時計というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、香箱車から通常時刻表示部の四番車(秒針車)を経て、分クロノグラフ中間車から複数の中間車を経て時クロノグラフ車に駆動力を伝達する構造のクロノグラフ時計も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−183652号公報 特開平9−178868号公報
このような特許文献1によれば、時クロノグラフ車を帰零する際には、リセットボタンを操作し、時復針伝達レバーにより時発停レバーを作動し、時発停レバーによる時クロノグラフ車の規正を解除し、同じボタン操作により時復針伝達レバーを回転させ、時復針伝達レバーにて時復針レバーを作動して時ハートカムに当接させて帰零する。
従って、帰零操作において時発停レバーと時クロノグラフ車との係合を解除し、その後に帰零動作に移行することが求められるが、このような構造では、規正解除と帰零のタイミングを適正に行うことが難しいと考えられる。また、上述した作動及びタイミング制御のための部品数を増加するという課題を有している。
また、クロノグラフ停止時、帰零時において、香箱車の駆動を安定して継続させるために、時クロノグラフ伝え車C、時クロノグラフ伝え車Bとの間に滑り機構を備えている。この滑り機構は、時クロノグラフ伝え車Cにばね部と当接部とを設け、当接部を時クロノグラフ伝え車Bの嵌め合い部に付勢して所定のスリップトルクをつくりだしているため、時クロノグラフ伝え車Cが時クロノグラフ伝え車Bに対して偏心しやすく駆動伝達に影響を与えることが考えられる。
また、時クロノグラフ伝え車Bの嵌め合い部と時クロノグラフ伝え車Cのばね部との当接部の接触部が部分的であり、摩擦力が不安定であること、磨耗等、耐久品質に課題を有している。
また、前述した特許文献2によれば、香箱車から時クロノグラフ車に至る駆動力伝達の過程において、秒クロノグラフ車及び複数の輪列を介して増速しているため、輪列の負荷トルクが大きくなり、動力源としての香箱車(ぜんまい)の最低駆動トルクを高めなければならず、結果として持続時間が短くなるという課題を有している。
本発明の目的は、前述した課題を解決することを要旨とし、適切な規正解除と帰零とのタイミングがとりやすく、耐久品質が優れたクロノグラフ時計を、部品数が少なく簡単な構造で実現することである。
本発明のクロノグラフ時計は、動力源と、該動力源によって駆動される通常時刻表示部と、前記通常時刻表示部とは独立して前記動力源によって駆動される経過時間表示部とを備えるクロノグラフ時計であって、前記動力源と前記経過時間表示部との間に配設される複数の中間車と、第一の外部操作部材によって作動され前記経過時間表示部を規正または規正解除する規正部材と、第二の外部操作部材によって作動され前記経過時間表示部を機械的に帰零する帰零部材と、が備えられ、前記経過時間表示部と、前記複数の中間車のうちの少なくとも一つに、所定のスリップトルクを超えるとスリップする滑り機構が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、規正部材と帰零部材とを、それぞれ第一の外部操作部材と第二の外部操作部材とによって独立して作動するため、前述した特許文献1による、外部操作部材の1動作で規正解除と帰零を行う構造に比べ、所望の規正と帰零のタイミングを容易にとることができる。
また、このような構造にすれば、規正部材及び帰零部材それぞれを作動するための構造を簡単にでき、部品数を低減することができる。
クロノグラフ時計においては、経過時間計測(以降、クロノグラフ計測と表すことがある)の際、経過時間表示部をスタート、ストップ、帰零(0リセット)状態に操作する。ストップ時には動力源から経過時間表示部への駆動力伝達を滑り機構によって遮断し、帰零時には経過時間表示部から動力源への駆動力伝達を滑り機構によって遮断するが、経過時間表示部と、複数の中間車のうちの一つとの両方に滑り機構を備えているために、規正、帰零に伴う動力源から経過時間表示部に至る輪列の破壊を防止することができる。
さらに、動力源を共通にしながら通常時刻表示部と経過時間表示部とが、それぞれ独立して駆動されるため、前述した特許文献2による香箱車から時クロノグラフ車までの駆動力伝達の過程において秒クロノグラフ車及び複数の輪列を介して駆動伝達をする構造に比べ、負荷トルクを低減することができる。
また、本発明の構造では、前記通常時刻表示部が駆動し、且つ、前記経過時間表示部が前記規正部材によって規正されている状態において、前記滑り機構が設けられている中間車がスリップし、前記動力源が駆動を継続することが好ましい。
このようにすれば、動力源から経過時間表示部に至る増速率が低い段階の中間車の滑り機構がスリップするため、動力源に対する負荷トルクが小さく、動力源の駆動、つまり通常時刻表示部の駆動に影響を与えない。
また、前記通常時刻表示部が駆動し、且つ、前記経過時間表示部が前記帰零部材によって帰零される際には、前記経過時間表示部と前記中間車に設けられている前記滑り機構がスリップし、前記経過時間表示部から前記動力源への駆動力伝達が遮断されることが好ましい。
機械的な経過時間表示部の帰零は、一般に高スピードで行われる。従って、経過時間表示部と中間車の両方に滑り機構が備えられているため、高スピードで帰零しても滑り機構によるスリップの安全率が高くなり、動力源に影響を与えずに帰零することができる。
さらに、前記滑り機構が、軸部材と前記軸部材に軸支される可動歯車と、前記軸部材と前記可動歯車とを回転可能に付勢する弾性部材とを備え、前記軸部材と前記可動歯車とが、前記弾性部材の厚さ方向の付勢力によって摩擦結合されていることが望ましい。
ここで、弾性部材としては、例えば、円盤状の板ばねを採用することができる。
このようにすれば、軸部材と可動歯車とは、ばね部を介さず直接嵌合し軸支するため軸部材と可動歯車の間の偏心を押えることができる。
また、軸部材と可動歯車とは、独立した弾性部材によって厚さ方向の付勢力によって摩擦結合するため、摩擦力の変動が少なく、また、弾性部材の初期撓み量を調整することが可能で、所望の摩擦力を得ることができる。
さらに、弾性部材は、軸部材と可動歯車とを厚さ方向の付勢力によって摩擦結合する構造であるため、弾性部材との接触状態が安定し、スリップによる接触部の磨耗を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の実施形態に係るクロノグラフ時計のクロノグラフ機構を示す平面図及び断面図、図5、図6は、時CG車の駆動及び帰零状態を示す平面図である。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るクロノグラフ時計のムーブメントの一部を示す平面図である。本発明は、経過時間表示部としてのクロノグラフ表示部を機械的に規正、帰零動作する構造に特徴を有しているため、クロノグラフ機構を中心に説明する。また、時間、分、秒などの通常時刻表示部は、香箱車を動力源とする周知の構造を採用しているため図示及び説明を省略する。
また、本発明のクロノグラフ機構は、機械式時計、電子制御式機械時計、アナログ式クォーツ時計等のいずれにも採用可能であるが、本実施形態では、ぜんまいを有する香箱車を動力源とする自動巻機械式時計を例示して説明する。
また、クロノグラフ表示部としては、時クロノグラフ表示部(以降、時CG表示部と表す)、分クロノグラフ表示部(以降、分CG表示部と表す)、秒クロノグラフ表示部(以降、秒CG表示部と表す)の3つを備える構造を例示して説明する。
図1は、本実施形態に係るクロノグラフ時計1におけるムーブメント10のクロノグラフ機構を示す平面図、図2は、時CG表示部の構造を示す部分断面図、図3は、秒CG表示部及び分CG表示部の構造を示す部分断面図である。また、図1は、クロノグラフ計測のスタート状態を示している。
本実施形態のクロノグラフ機構は、基本構成としてクロノグラフのスタート、ストップ、帰零の状態を制御する作動カム機構と、スタート、ストップ動作を制御する作動機構と、帰零動作を制御する帰零機構と、クロノグラフ表示機構の4つの機構から構成されている。
作動カム機構は、作動カム70と、作動カム70の回転位置を規制する作動カムジャンパー120と、作動レバー80と、作動レバーばね90とから構成されている。作動カム70は、外周に歯部71と歯部71の内側に設けられる複数の柱部72とから構成されており、隣接する柱部72の間には空隙部73が形成されている。
作動カム70は、輪列受12(図2,3、参照)に植立された回転案内軸74に、作動カム固定ねじ75によって回転可能に固定されている。この作動カム70は、作動カムジャンパー120によって、回転方向の位置が規制されている。
作動カムジャンパー120は、本体部から延在されたばね部122と、ばね部122の先端に形成される作動カム規制部121とから形成され、固定ねじ123によって輪列受12に固定されている。
また、作動カムジャンパー120は、作動カム規制部121を歯部71に押し圧することで、作動カム70の回転位置を規制している。作動カム70の柱部72の数は、歯部71の数の1/2に設定されており、作動レバー80を一度作動する毎に歯部71を1ピッチずつ時計回り方向に回転し、柱部72を半ピッチ移動して柱部72の位置を帰零状態とスタート、ストップの状態に交互に移動させる。
作動レバー80は、端部に第一の外部操作部材としてのボタン2(スタート/ストップボタン)によって押動される押し部84と、押し部84の反対側端部に作動カム70を作動させる爪部83と、中央部に作動案内孔85と、が形成され、表面に作動レバーばね掛け軸82が植立されている。作動案内孔85は、輪列受12に植立された作動レバー軸81に挿着され、作動レバー80は作動案内孔85の範囲で移動する。作動レバー80は、作動レバー軸81において、固定ねじ86によって移動可能に固定されている。
なお、作動レバー80は、ボタン2の操作を止めたとき、作動レバーばね90によって、初期位置(何も操作しない状態、図中二点鎖線にて表す)に復帰させる。
作動レバーばね90は、固定部91と、固定部91から延在されたばね部92と、ばね部92の先端部に設けられる作動レバー係合部93とから構成され、固定ねじ94によって輪列受12に固定されている。
作動レバー係合部93は、作動レバー80に植立された作動レバーばね掛け軸82に係合し、作動レバー80を外側方向(初期位置方向)に押し圧している。従って、作動レバー80は、ボタン2の操作によって作動レバーばね90が撓んで作動カム70を作動し、ボタン2を離すと作動レバーばね90の弾性力によって初期位置に戻される。
続いて、本実施形態の帰零機構について説明する。帰零機構は、第二の外部操作部材としてのボタン3(帰零ボタン)の押し操作によって作動する復針伝達レバー130と、復針伝達レバー130上面に揺動可能に取り付けられる復針伝えレバ−140と、復針伝達レバー130を初期状態に戻すための復針伝達レバーばね200と、クロノグラフ表示部を帰零する帰零部材としての復針レバー160と、復針レバー160を作動制御する復針制御レバー150と、復針制御レバー150の位置を規制する復針ジャンパー180とを備えて構成されている。
復針伝達レバー130は、端部にボタン3によって押動される押し部134と、この押し部134の反対側端部に形成される復針伝達レバーばね係合部132を備えて形成されている。復針伝達レバー130の上面には、復針伝えレバ−140が揺動可能に復針伝えレバー軸133によって軸止されている。
また、復針伝達レバー130は、復針伝えレバ−140が取り付けられた状態で、輪列受12に復針伝達レバー軸131によって揺動可能に軸止されている。なお、復針伝達レバー130は、復針伝達レバーばね係合部132を復針伝達レバーばね200によって押し圧することで、時計回り方向に回転力が与えられ、ボタン操作がないときには図1に示す初期位置にある。
復針伝えレバ−140は、両端部に作動カム係合部141と復針制御レバー係合部142とを備え、略中央部を復針伝えレバ−軸133によって揺動可能に軸止されている。図1に示すスタートの状態では、復針伝えレバー140の作動カム係合部141は、作動カム70の空隙部73bの位置にある。従って、復針伝えレバ−140は位置が規制されていない状態のため、復針伝達レバー130を作動しても後段の復針制御レバー150を押し圧しない。
復針制御レバー150は、3方向に半島状の突出部を有し、一つが、作動カム70の柱部72と係合する作動カム係合部152、他の一つが復針ジャンパー180と係合する復針ジャンパー係合部153、もう一つの突出部には、復針レバー160を作動するための復針レバー作動軸154が植立されている。
このように構成される復針制御レバー150は、輪列受12に植立される復針制御レバー軸151に挿着され、固定ねじ155によって揺動可能に軸止されている。そして、復針ジャンパー180の規制部182bに復針制御レバー150の復針ジャンパー係合部153が係合することによって復針制御レバー150の位置が規制される。作動カム係合部152と作動カム70の柱部72との間には、わずかな隙間が存在する。
復針ジャンパー180は、本体部183と、本体部183から延在されるばね部181と、ばね部181の先端部に設けられる復針制御レバー規制部182とを備え、輪列受12に固定ねじ184によって固定されている。復針制御レバー規制部182には、二つの窪みからなる規制部182a,182bが設けられ、この規制部182bから規制部182aに復針制御レバー150の復針ジャンパー係合部153が移動する際に、規制部182a,182bの間の凸部を乗り越えることで、帰零操作に節度ある動きと感触を与える。
復針制御レバー150の端部に植立された復針レバー作動軸154は、復針レバー160に設けられた復針レバー作動孔166に挿入され、復針伝達レバー130の作動によって、復針レバー160を作動する。しかし、図1の状態では、復針伝達レバー130の動きは、復針伝えレバー140の作動力としては伝達されず、復針レバー160は作動しない。また、復針制御レバー150の作動カム係合部152が、作動カム70の柱部72に当接し、復針制御レバー150がそれ以上に作動することはない。
帰零部材としての復針レバー160は、帰零部材体としての復針レバー体161と、可動レバーとしての分復針レバー170とが固定されて構成されている。復針レバー体161は、復針レバー160の作動方向に沿って両側に略Y字状に延在された時CG車作動部164と秒CG車作動部165とを備えている。さらに、作動案内孔163,161aと復針レバー作動孔166とが設けられている。
復針レバー体161には、調整軸としての偏心軸167と分復針レバー案内軸168と分復針レバー固定軸174とが植立されている。これら偏心軸167と分復針レバー案内軸168と分復針レバー固定軸174それぞれに、分復針レバー170に設けられている調整孔171、分復針レバー固定軸孔175、分復針レバー案内孔173を挿着して、分復針レバー固定ねじ176にて復針レバー体161と分復針レバー170とを一体化する。
上述したように復針レバー体161と分復針レバー170とが一体化された復針レバー160は、輪列受12に植立された復針レバー案内軸162,158それぞれに作動案内孔163,161aを挿着し、復針レバー案内軸162において復針レバー160が作動案内孔163,161aに沿って作動可能に復針レバー固定ねじ177によって固定される。
クロノグラフ表示部がスタート状態のときには、復針レバー160の時CG車作動部164、分CG車作動部172、秒CG車作動部165は、それぞれ時ハートカム28、分ハートカム63、秒ハートカム41とは離間している。すなわち、時CG車25、分CG車60、秒CG車40は駆動している。
次に、前述した作動カム機構と、この作動機構に連動して、クロノグラフ表示部の作動,停止を司る作動機構について図1を参照して説明する。スタートの状態において、作動カム70は図1に示す状態であって、第一発停レバー100の作動カム係合部103は、作動カム70の空隙部73aに入り込んでいる。
第一発停レバー100は、3方向に半島状に突出した作動カム係合部103とクラッチ作動部101と第二発停レバー係合部104とが形成されている。そして、第一発停レバー軸102に軸支され、固定ねじ105によって揺動可能に輪列受12に固定されている。クラッチ作動部101の近傍は、輪列受12に植立された第一発停レバー押え軸106(図5、参照)によって浮き上がりが防止されている。この第一発停レバー100は、第二発停レバー110によって、作動カム70の方向に押し圧されている。
第二発停レバー110は、第一発停レバー100の第二発停レバー係合部104と係合する第一発停レバー係合部113と、クラッチ作動部111とばね部114とを有している。また、第二発停レバー110は、第二発停レバー軸112に軸支され、第二発停レバー固定ねじ118によって揺動可能に輪列受12に固定され、クラッチ作動部111の根元部を第二発停レバー押え軸116の鍔により浮き上がることを防止されている。
第二発停レバー110は、ばね部114が、輪列受12に植立されたばね掛け軸115に係合され、半時計回り方向に回転力が付与され、第一発停レバー係合部113によって第一発停レバー100を時計回り方向に回転力を付勢している。スタート状態では、前述したように第一発停レバー100の作動カム係合部103が作動カム70の空隙部73aに入りこんでいるため、第一発停レバー100のクラッチ作動部101と、第二発停レバー110のクラッチ作動部111とは、秒CG車40に挿着されているクラッチ44(図3も参照する)とは離間し、秒CG車40の駆動を妨げない。そして、第二発停レバー110に連動して時CG規正レバー190が作動される。
規正部材としての時CG規正レバー190は、ばね部192と時CG車規正部193とを有し、時CG規正レバー軸191に揺動可能に軸支され、規正レバー固定ねじ195によって輪列受12に固定されている。
また、時CG規正レバー190のばね部192の先端部が第二発停レバー110に設けられる時CG規正レバーばね掛け部117に係合し、第二発停レバー110の作動に連動する。スタート状態において、時CG規正レバー190は、第二発停レバー110によって時CG規正レバー軸191を中心に時計回り方向に回転されている。従って、時CG車規正部193が時CG車25と離間し、時CG車25の駆動を妨げない。
なお、時CG規正レバー190の詳しい作動については、図5,6を参照して後述する。
続いて、クロノグラフ表示機構としての時CG車25、分CG車60、秒CG車40の構造について説明する。
まず、動力源としての香箱車20から後段の時CG車25までの時CG輪列について、図1、図2を参照して説明する。
図2は、時CG輪列の構造を示す断面図である。図1、図2において、時CG輪列は、香箱車20の回転を伝達する複数の中間車として第一時CG中間車21、第二時CG中間車22と、時CG車25とを備えている。
第一時CG中間車21は、地板11と輪列受12によって軸支されており、第一時CG中間車真21aに設けられる歯車が香箱車20の歯車と噛合している。第一時CG中間車真21aは、輪列受12の上方に突出され、先端部に小歯車21bが軸止されている。この小歯車21bに第二時CG中間車22が噛合している。
第二時CG中間車22は、軸部材としての第二時CG中間かな22aと可動歯車としての第二時CG中間歯車22bと、弾性部材としてのスリップばね23とから構成されている。第二時CG中間歯車22bは、第二時CG中間かな22aに回転可能に軸支され、スリップばね23によって、押し圧されている。
スリップばね23は、金属からなる円盤状の板ばねであって、一方の面に突起部23aが複数個同心円上に形成されている。このスリップばね23は、突起部23aを第二時CG中間歯車22bと接触するように第二時CG中間かな22aの軸部にスリップばね座240を圧入することで固定されている。
スリップばね23は組立てられた状態で、第二時CG中間かな22aと第二時CG中間歯車22bとを所定のスリップトルクで回転可能な摩擦力を有するように、初期撓み量が設定されている。
この摩擦力は、クロノグラフ作動時では香箱車20の回転に連動して第二時CG中間歯車22bと第二時CG中間かな22aとが一体で回転し、帰零動作の際には、時CG規正レバー190により規正された時CG歯車27と噛合している第二時CG中間かな22aに対し、第二時CG中間歯車22bが、スリップして回転するように設定される。
このような構成の第二時CG中間車22は、輪列受12と回転錘受14によって軸支されている。この第二時CG中間歯車22bに時CG車25が噛合している。
時CG車25は、軸部材としての時CG車真26と、可動歯車としての時CG歯車27と、弾性部材としてのスリップばね29と、時ハートカム28とから構成され、地板11と回転錘受14との間で軸支されている。詳しくは、時CG車真26に設けられる鍔部26aを挟んで下方側に時ハートカム28が軸止され、上方側に時CG歯車27が回転可能に軸支されている。そして、時CG歯車27の上方にスリップばね29が挿着され、その上方からスリップばね固定座29aを時CG車真26に圧入してスリップばね29を固定している。
スリップばね29は金属からなる円盤状の板ばねであって、一方の表面に突起部29bが複数個同心円上に形成されている。スリップばね29は、突起部29bを時CG歯車27に接触するように時CG車真26に挿着した後、スリップばね固定座29aを時CG車真26に圧入し固定されている。
スリップばね29は組立てられた状態で、時CG歯車27と時CG車真26とを所定のスリップトルクで回転可能な摩擦力を有するように、初期撓み量が設定されている。
この摩擦力は、クロノグラフ作動時(スタートの状態)では香箱車20の回転に連動して時CG歯車27と時CG車真26が一体で回転し、帰零動作の際には、時CG車真26と時CG歯車27とがスリップするように設定されている。
時CG車真26の先端部には時CG針220が取り付けられている。
なお、クロノグラフスタート時においては、時CG規正レバー190の時CG車規正部193は時CG歯車27とは離間し、復針レバー160の時CG車作動部164は時ハートカム28とは離間している。
続いて、秒CG車40を含む秒CG輪列と、分CG車60を含む分CG輪列について図1、図3を参照して説明する。
図3は、秒CG輪列と分CG輪列の構造を示す断面図である。秒CG輪列30は、秒CG車40と秒CG伝達車31とが厚み方向に連結され構成されている。
秒CG伝達車31は、中心に貫通孔を有する秒CG伝達かな33に、秒CG歯車34と秒CG歯車座35を積層固定して構成し、秒CG真32に秒CG伝達かな33を挿通し、秒CG車40を軸方向に連結している。秒CG真32の先端部には秒CG針221が取り付けられ、1分間に1回転する。
秒CG車40は、秒ハートカム41と、クラッチ44と、分CG送り爪座46とからなり一体に構成されている。秒ハートカム41は、中央下方に突出した秒ハートカム筒部41aが設けられ、この秒ハートカム筒部41aに分CG送り爪座46と、筒部のさらに先端部にクラッチ44が軸止されている。
分CG送り爪座46は、上面に分CG送り爪42と分CG送り爪ばね43とが備えられ、分CG送り爪42は揺動可能である。そして、分CG送り爪ばね43が、分CG送り爪42の爪先を分CG送り爪座46の外周部から突出するように押し圧している。
クラッチ44は、クラッチリング45とクラッチばね48とが固着されて一体化され、秒ハートカム41の筒部先端にクラッチ固定座49により固定されている。そして、秒CG車40が、秒ハートカム41と分CG送り爪42とクラッチ44が一体化された状態で秒CG真32に挿着され形成されている。
なお、秒CG車40と秒CG伝達車31とが連結された状態で、秒CG輪列は一方(下方)が通常時刻表示の二番受(図示せず)に、そして他方(上方)が四番受13によって軸支されている。
クロノグラフを駆動しているときには、クラッチ44が、秒CG歯車座35をクラッチばね48の弾性力で付勢し摩擦結合されているため、秒CG車40と秒CG伝達車31とは一体で回転する。そして、秒CG車40の回転は、分CG輪列に伝達される。
分CG輪列は、分CG中間車50と分CG車60とから構成される。分CG中間車50は、分CG中間歯車51と分CG中間かな52とから構成され、輪列受12と一番受13とによって軸支されている。
ここで、秒CG車40から分CG中間車50への駆動伝達について説明を加える。秒CG車40には、分CG送り爪座46が取り付けられており、秒CG車40と共に回転する。分CG送り爪座46には、分CG送り爪42が設けられている。分CG送り爪42は、分CG中間歯車51と係合して回転を伝達する。
分CG中間歯車51は、図1に示すように、2枚の歯部からなる歯列が7組設けられ、これらの歯列の間には歯部が形成されていない領域が設けられている。分CG送り爪42は2枚の爪部を有しており、分CG送り爪42が1回転する間(つまり1分間)に、1組の歯列分だけ分CG中間車50を回転する。このようにして、分CG車60は、1分で1ピッチ分間欠駆動される。
分CG車60は、分CG車真61に分CG歯車62と分ハートカム63とが軸止されて構成され、地板11と回転錘受14とによって軸支されている。分CG歯車62が、分CG中間車50と噛合して回転力が伝達される。分CG歯車62には分CGジャンパー210が係合している。
図1を参照して分CGジャンパー210を説明する。分CGジャンパー210は、一方の端部に分CG躍制部212、他方の端部に分CGジャンパーばね213が設けられ、略中央部において、分CGジャンパー支持軸211に揺動可能に軸支されている。
分CGジャンパーばね213は、一方の端部が、分CGジャンパー210に植立された分CGジャンパーばね軸214に固定され、他方の端部が、輪列受12に植立された分CGジャンパーばね掛け軸215に係合し、分CG歯車62の歯部に分CG躍制部212を押し圧している。
分CG歯車62は、分CG送り爪42が1回転する間に1ピッチ回転する。ここで、分CG歯車62は、分CG躍制部212によって押し圧されているため、1分間に1ピッチ分だけ節度をもって間欠駆動される。分CG歯車62の歯数は30枚であり、1回転で30分、2回転で60分を表示する構造としている。分CG車真61の先端には、分CG針222が取り付けられている。
クロノグラフを駆動しているときには、復針レバー160(分復針レバー170)の分CG車作動部172が、分ハートカム63と離間しているので分CG車60は駆動を継続する。
このように、クロノグラフのスタート、ストップ、帰零の3状態を制御する作動カム機構と、スタート、ストップ動作を制御する作動機構と、帰零動作を制御する帰零機構と、クロノグラフ表示機構とを備えるクロノグラフ機構の上部には、回転錘15が備えられている。
続いて、クロノグラフのスタート、ストップの動作について図1〜図3を参照して説明する。
まず、クロノグラフのスタート動作について説明する。スタート動作は、ボタン2を押し操作して行う。ボタン2によって押動された作動レバー80は、作動カム70の歯部71に係合して1動作で歯部71の1ピッチ分作動カム70を回転する。この状態を図1に示す。
この状態において、第一発停レバー100と第二発停レバー110は、秒CG車40のクラッチ44から離間される。また、時CG規正レバー190の時CG車規正部193も時CG歯車27から離間される。
さらに、復針レバー160の時CG車作動部164、秒CG車作動部165、分CG車作動部172それぞれが、時ハートカム28、秒ハートカム41、分ハートカム63から離間される。従って、時CG車25、秒CG車40、分CG車60は駆動を開始する。
続いて、クロノグラフストップの動作について説明する。前述したクロノグラフスタートの状態から、ボタン2を操作して作動レバー80を押動し、作動カム70をさらに歯部71の1ピッチ分回転する。柱部72の数は、歯部71の歯数の半分としているため、歯部71を1ピッチ送ることにより、柱部72は半ピッチ送られる。
従って、第一発停レバー100の作動カム係合部103が柱部72a側面にのりあげ、半時計回り方向に回転する。第一発停レバー100に連動して第二発停レバー110は時計回り方向に回転し、クラッチ作動部101,111それぞれが、クラッチ44と係合して、秒CG車40と秒CG伝達車31とを切り離す(図3において破線で示す)。
さらに、時CG規正レバー190が、第二発停レバー110に連動して反時計回り方向に回転し、時CG車規正部193が時CG歯車27を押し圧し規正する(図2において破線で示す)。第二時CG中間車22は、スリップばね23を備えているので、第二時CG中間歯車22bのみがスリップして回転するが、時CG車25は停止する。
なお、クロノグラフストップの状態から再度作動レバー80を操作すると、クロノグラフスタートの状態となり、積算計測を行うことができる。
また、クロノグラフストップの状態からボタン3を操作して復針伝達レバーを押動し、クロノグラフ表示部の帰零を行うことができる。
続いて、帰零動作について図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係るクロノグラフ機構の帰零状態を示す平面図である。前述したクロノグラフストップの状態からボタン3を押し操作して復針伝達レバー130を押動し、クロノグラフ表示部の帰零を行う。クロノグラフストップの状態では、秒CG車40と秒CG伝達車31とは、第一発停レバー100及び第二発停レバー110とによって伝達が切り離されている(図3、参照)。また、時CG車25の時CG歯車27は、時CG規正レバー190によって規正されている(図2、参照)。
このような状態において、ボタン3を押し操作することにより復針伝達レバー130を復針伝達レバー軸131を中心に反時計回りに回動する。すると、復針伝えレバ−140も復針伝達レバー130と共に回動する。復針伝えレバ−140は、作動カム係合部141が作動カム70の柱部72aに当接するため、作動カム係合部141を支点として回動し、復針制御レバー係合部142が復針制御レバー150を復針制御レバー軸151を中心に反時計回り方向に回動する。
そして、復針制御レバー150は、復針レバー作動軸154によって復針レバー160を作動する。ここで、復針制御レバー150の作動カム係合部152は、作動カム70の空隙部73bに入り込むため、復針レバー160を時ハートカム28、秒ハートカム41、分ハートカム63を帰零位置(0位置)まで回転する。
この際、復針制御レバー150の復針ジャンパー係合部153は、復針ジャンパー180の規制部182bから規制部182aまで移動し、位置が規制される。なお、ボタン3の押し操作を解除すると、復針制御レバー150は、復針ジャンパー180の弾性力によって時計回り方向に回動され、規制部182bの位置に復帰する。つまり、帰零操作前の状態に復帰する。また、復針伝達レバー130は、復針伝達レバーばね200によって、初期状態(図中、二点鎖線で示す位置)に戻される。
復針レバー160は、復針レバー案内軸162,158に沿って、ほぼ直線的に作動され、時CG車作動部164、秒CG車作動部165、分CG車作動部172が、それぞれ時ハートカム28、秒ハートカム41、分ハートカム63を押し圧して帰零位置まで回転させる。
時CG車25は、時CG歯車27が時CG規正レバー190によって規正されており、時CG歯車27は回転しない。しかし、スリップばね29を設けているので、時ハートカム28が軸止されている時CG車真26が回転し時CG針220を帰零する(図2、参照)。
また、秒CG車40は、クラッチ44が、秒CG伝達歯車34と切り離されているため、秒ハートカム41が軸止されている秒CG真32が回転し、秒CG針221を帰零する(図3、参照)。
また、分CG車60は、帰零操作により分CG車60が回転し、分ハートカム63に軸止されている分CG車真61が回転し分CG針222を帰零する。この際、分CG車60の回転に連動して分CG中間車50も回転する。分CG中間車50と秒CG車40との回転力の伝達は、分CG送り爪42を介して行われ、分CG送り爪42は、分CG送り爪ばね43によって規制されている。従って、分CG中間車50側からの回転力に対しては、分CG送り爪ばね43が撓み、分CG送り爪42と分CG中間車50との係合が外れ、分CG車60を独立して帰零することができる。
帰零操作後、ボタン3の操作を解除すると、前述したクロノグラフのスタート、ストップ、帰零の状態を制御する作動カム機構と、スタート、ストップ動作を制御する作動機構と、帰零動作を制御する帰零機構と、作動カム機構とは、クロノグラフストップの状態にあるため、再度、ボタン2を押し操作することにより、クロノグラフをスタートし、クロノグラフ計測を開始することができる。
続いて、時CG車25の規正作動及び帰零作動について図面を参照して説明する。
図5は、クロノグラフ計測中の時CG車25及び時CG規正レバー190の作動状態について示す平面図である。図5は、説明を分かりやすくするために必要な構成部品のみを図示している。時CG規正レバー190は、第二発停レバー110に設けられる時CG規正レバーばね掛け部117に係合し、時CG規正レバー軸191を回転中心として時計回り方向に回転されている。
第二発停レバー110は第一発停レバー100によって作動されるが、第一発停レバー100は、作動カム係合部103が作動カム70の空隙部73aに入り込むため、第一発停レバー軸102を中心に時計回りに回転されている。この際、第一発停レバー位置決め部107が作動カム70の柱部72bの側面に当接し、第一発停レバー100の位置が規制されている。第一発停レバー100は、作動レバー80(図1、参照)を作動して、作動カム70を作動することで図5に示す位置に作動している。
この状態では、第一発停レバー100のクラッチ作動部101及び第二発停レバー110のクラッチ作動部111が、クラッチ44と離間している。また、時CG規正レバー190の時CG車規正部193も時CG車25と離間している。
従って、秒CG車40と時CG車25は駆動している。また、秒CG車40に連動する分CG車60も駆動し(図1、参照)、クロノグラフ計測を継続する。
次に、クロノグラフ計測のストップ、帰零作動について図面を参照して説明する。
図6は、クロノグラフ計測のストップ、帰零作動の状態について示す平面図である。作動レバー80を操作して、作動カム70を図6に示す状態に作動する。すると、第一発停レバー100の作動カム係合部103が作動カム70の柱部72aの側面に乗り上げる。
第一発停レバー100は、第一発停レバー軸102を中心に反時計回り方向に回転し、第二発停レバー110を時計回り方向に回転する。この状態では、クラッチ作動部101,111がクラッチ44と係合し、秒CG車40と秒CG伝達車31との結合を解除する(図3、参照)。
時CG規正レバー190は、第二発停レバー110によって時CG規正レバー軸191を中心に反時計回り方向に回転し、時CG車規正部193が時CG歯車27を押し圧し、時CG車25を規正する。
時CG車25が規正された状態においても第二時CG中間車22にはスリップ機構が設けられているため、規正された時CG歯車27と噛合している第二時CG中間かな22aに対して第二時CG中間歯車27がスリップする。このようにして、第二時CG中間車22において、香箱車20から時CG車25への駆動力伝達を遮断し、香箱車20は駆動を継続し通常時刻表示部を駆動する。
通常時刻表示部は、時刻表示を行うための輪列(図示せず)であり、香箱車20に連動する2番車(分車)、3番車、4番車(秒車)、5番車、そして調速機構へと動力が伝達されていく機構であり、2番車からは日ノ裏車、筒車へと動力が伝達されていく。経過時間表示部と通常時刻表示部とは、動力源は同じであるが、互いに独立した機構となっている。
時CG規正レバー190によって時CG車25を規正した状態において帰零操作を行うと、時ハートカム28が復針レバー160(図4、参照)によって回転され帰零(0リセット)する。この際、時CG車25の滑り機構及び第二時CG中間車22の滑り機構がスリップする。従って、香箱車20に帰零動作による駆動力は伝達されず、定常駆動を継続できる。
従って、前述した実施形態によれば、時CG規正レバー190と復針レバー160とを、それぞれスタート/ストップ用のボタン2と帰零用のボタン3によって独立して作動するため、前述した特許文献1による、外部操作部材の1動作で規正解除と帰零を行う構造に比べ、所望の規正と帰零のタイミングを容易にとることができる。
また、このような構造にすれば、時CG規正レバー190及び復針レバー160のそれぞれを作動するための構造を簡単にでき、部品数を低減することができる。
クロノグラフ時計においては、クロノグラフ計測の際、時CG車25をスタート、ストップ、帰零(0リセット)状態に操作する。ストップ時には香箱車20から時CG車25への駆動力伝達を滑り機構によって遮断し、帰零時には時CG車25から香箱車20への駆動力伝達を滑り機構によって遮断するが、時CG車25と、第二時CG中間車22とに滑り機構を備えているために、規正、帰零に伴う香箱車20から時CG車25に至る輪列の破壊を防止することができる。
さらに、動力源として香箱車20を共通にしながら通常時刻表示部と時CG車25が、それぞれ独立して駆動されるため、前述した特許文献2による駆動力伝達の過程において、秒クロノグラフ車及び複数の輪列を介して駆動伝達をする構造に比べ、負荷トルクを低減することができる。
また、通常時刻表示部が駆動し、且つ、時CG車25が時CG規正レバー190によって規正されている状態において、滑り機構が設けられている第二時CG中間車22がスリップする構造であるため、香箱車20からの増速率が低い第二時CG中間車22の滑り機構がスリップするため、香箱車20に対する負荷トルクが小さく、香箱車20の駆動、つまり通常時刻表示部の駆動に影響を与えない。
また、クロノグラフ表示部の機械的な帰零は、一般に高スピードで行われる。従って、時CG車25と第二時CG中間車22の両方に滑り機構を備えているため、高スピードで帰零しても香箱車20や第一時CG中間車21、第二時CG中間車22を損傷することなく帰零することができる。
また、上述した二つの滑り機構が、円盤状のスリップばね23,29を有し、第二時CG中間歯車22bを第二時CG中間かな22aに、または時CG車真26に時CG歯車27を付勢し、摩擦結合されていることから、前述した従来技術のようにばね部を介さず軸支するため第二時CG中間歯車22b及び時CG歯車27の偏心を押えることができる。
また、第二時CG中間歯車22bと第二時CG中間かな22a、または時CG車真26と時CG歯車27とを、それぞれ独立したスリップばね23,29を備え厚さ方向の付勢力によって摩擦結合するため摩擦力の変動が少なく、また、スリップばね23,29の初期撓み量を調整することが可能で、所望の摩擦力を得ることができる。
さらに、スリップばね23,29それぞれは、第二時CG中間歯車22bと第二時CG中間かな22a、または、時CG車真26と時CG歯車27とを厚さ方向の付勢力によって摩擦結合する構造であるため、スリップばね23,29との接触状態が安定し、スリップによる接触部の磨耗を低減することができる。
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、スリップ機構は、第二時CG中間車22と時CG車25とに設けているが、本発明では、第一時CG中間車21と時CG車25とにスリップ機構を設けてもよく、第一時CG中間車21、第二時CG中間車22、時CG車25とに設ける構造としてもよい。
従って、前述の実施形態によれば、適切な規正解除と帰零とのタイミングがとりやすく、耐久品質が優れたクロノグラフ時計を、部品数が少なく簡単な構造で実現することができる。
本発明の実施形態に係るクロノグラフ時計のムーブメントの一部を示す平面図。 本発明の実施形態に係る時CG輪列の構造を示す断面図。 本発明の実施形態に係る秒CG輪列と分CG輪列の構造を示す断面図。 本発明の実施形態に係るクロノグラフ機構の帰零状態を示す平面図。 本発明の実施形態に係るクロノグラフ計測中の時CG車及び時CG規正レバーの作動状態について示す平面図。 本発明の実施形態に係るクロノグラフ計測のストップ、帰零作動の状態について示す平面図。
符号の説明
1…クロノグラフ時計、20…香箱車、22…第二時CG中間車、23,29…スリップばね、25…時CG車、160…復針レバー、190…時CG規正レバー。

Claims (4)

  1. 動力源と、該動力源によって駆動される通常時刻表示部と、前記通常時刻表示部とは独立して前記動力源によって駆動される経過時間表示部とを備えるクロノグラフ時計であって、
    前記動力源と前記経過時間表示部との間に配設される複数の中間車と、
    第一の外部操作部材によって作動され前記経過時間表示部を規正または規正解除する規正部材と、
    第二の外部操作部材によって作動され前記経過時間表示部を機械的に帰零する帰零部材と、が備えられ、
    前記経過時間表示部と、前記複数の中間車のうちの少なくとも一つに、所定のスリップトルクを超えるとスリップする滑り機構が設けられていることを特徴とするクロノグラフ時計。
  2. 請求項1に記載のクロノグラフ時計において、
    前記通常時刻表示部が駆動し、且つ、前記経過時間表示部が前記規正部材によって規正されている状態において、
    前記滑り機構が設けられている中間車がスリップし、前記動力源が駆動を継続することを特徴とするクロノグラフ時計。
  3. 請求項1に記載のクロノグラフ時計において、
    前記通常時刻表示部が駆動し、且つ、前記経過時間表示部が前記帰零部材によって帰零される際には、前記経過時間表示部と前記中間車に設けられている前記滑り機構がスリップし、前記経過時間表示部から前記動力源への駆動力伝達が遮断されることを特徴とするクロノグラフ時計。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のクロノグラフ時計において、
    前記滑り機構が、軸部材と、前記軸部材に軸支される可動歯車と、前記軸部材と前記可動歯車とを回転可能に付勢する弾性部材とを備え、
    前記軸部材と前記可動歯車とが、前記弾性部材の厚さ方向の付勢力によって摩擦結合されていることを特徴とするクロノグラフ時計。
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