JP2007240237A - クロノグラフ時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】分CG車の負荷を低減し、持続時間が長く、しかも耐久品質が優れるクロノグラフ時計を提供する。
【解決手段】クロノグラフ時計1は、少なくとも秒CG車40と、この秒CG車40に連動して駆動される分CG車60と、秒CG車40に設けられる分CG送り爪42と、分CG送り爪42を所定位置に付勢する分CG送り爪ばね43と、分CG送り爪42の爪部42a,42bに係合して秒CG車40の回転を減速して分CG車60に間欠的に伝達する間欠歯部を有する分CG中間車50と、分CG歯車62の歯部51a,51bに係合し回転停止位置を規制する分CGジャンパー210と、を備えている。分CG送り爪42は、帰零の方向によって、第一案内部42cを支点として回転し、あるいは、第二案内部42dを支点として回転し、分CG送り爪42と分CG車50との係合が解除される。
【選択図】図5
【解決手段】クロノグラフ時計1は、少なくとも秒CG車40と、この秒CG車40に連動して駆動される分CG車60と、秒CG車40に設けられる分CG送り爪42と、分CG送り爪42を所定位置に付勢する分CG送り爪ばね43と、分CG送り爪42の爪部42a,42bに係合して秒CG車40の回転を減速して分CG車60に間欠的に伝達する間欠歯部を有する分CG中間車50と、分CG歯車62の歯部51a,51bに係合し回転停止位置を規制する分CGジャンパー210と、を備えている。分CG送り爪42は、帰零の方向によって、第一案内部42cを支点として回転し、あるいは、第二案内部42dを支点として回転し、分CG送り爪42と分CG車50との係合が解除される。
【選択図】図5
Description
本発明は、クロノグラフ時計に関する。詳しくは、経過時間表示部の駆動機構及び帰零機構の構造に関する。
従来、秒クロノグラフ車と、この秒クロノグラフ車に一体化されたばね状の開放リングと、開放リングに設けられる指部によって、1分間に1歯分送られる第一ホイールと、第一ホイールに噛合する中間ホイールと、中間ホイールに噛合する分クロノグラフ車(分カウンタホイール)と、中間ホイールに係合し分クロノグラフ車を分単位に位置規制するためのジャンパーと、が備えられ、分クロノグラフ車には帰零(0リセット)のためのハートカムが軸止されているクロノグラフ時計というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような特許文献1によれば、分クロノグラフ車は、秒クロノグラフ車に設けられている開放リングの指部によって、1分間に1歯分だけ駆動される。そして、分クロノグラフ車に設けられるハートカムを作動して帰零させる。この際、開放リングが撓み、第一ホイールと指部との係合が解除される。このことにより、分クロノグラフ車と秒クロノグラフ車とが分離され、分クロノグラフ車を独立して帰零することができる。
しかしながら、特許文献1に示されるクロノグラフ時計は、動力源を香箱(ぜんまい)とする機械式時計であって、このような機械式時計は、香箱から秒クロノグラフ車に至る輪列は増速輪列であるために、秒クロノグラフ車の保有トルクが小さい。
従って、中間ホイールに係合するジャンパーを設けることにより、さらに負荷が増加する。このように負荷が増加した場合、動力源としてのぜんまいの最低駆動トルクを高めなければならず、結果として持続時間が短くなるという課題を有している。
また、帰零動作の際、開放リングが撓むことにより、第一ホイールと指部との係合を解除しているが、開放リングが環状に連結された部材であるため、帰零時の第一ホイールと指部との係合状態によっては、開放リングがつぶれるように変形することが考えられ、耐久性に課題を有している。
本発明の目的は、前述した課題を解決することを要旨とし、経過時間表示部の負荷を低減し、持続時間が長く、しかも耐久品質が優れるクロノグラフ時計を提供することである。
本発明のクロノグラフ時計は、少なくとも第一経過時間表示部と、前記第一経過時間表示部に連動して駆動される第二経過時間表示部と、前記第一経過時間表示部と前記第二経過時間表示部とを初期位置に帰零する帰零部材と、を備えるクロノグラフ時計において、前記第一経過時間表示部に設けられる爪部材と、前記爪部材を所定位置に付勢する弾性部材と、前記爪部材の爪部に係合して前記第一経過時間表示部の回転を減速して前記第二経過時間表示部に伝達する間欠歯部を有する中間車と、前記第二経過時間表示部の歯部に係合し回転停止位置を規制するジャンパーと、を備えていることを特徴とする。
ここで、第一経過時間表示部、第二経過時間表示部は、例えば、クロノグラフ時計において秒単位、分単位、時間単位等の時間計測結果を表示するクロノグラフ表示部を意味している。
この発明によれば、爪部材の爪部が中間車の間欠歯部と係合して、第一経過時間表示部の駆動を第二経過時間表示部に間欠的に減速して伝達するため、第二経過時間表示部の負荷トルクを低減することができる。このことにより持続時間が長いクロノグラフ時計を実現できる。
また、本発明のクロノグラフ時計は、第二経過時間表示部の歯部に係合し回転停止位置を規制するジャンパーを備え、このジャンパーは、第二経過時間表示部の隣合う歯部の間で第二経過時間表示部の回転位置を規制する。従って、第二経過時間表示部が略半ピッチ回転したとき、ジャンパーの押し力により、第二経過時間表示部の回転を補助するため、その分、第一経過時間表示部の駆動トルクを小さくしても第二経過時間表示部を駆動することができる。このことは、第二経過時間表示部の負荷トルクを減じたことと同じ効果を奏する。
また、爪部材と、この爪部材を付勢する弾性部材とを別に設けていることから、弾性部材を単純板ばね状にすることができる。帰零時に爪部材を中間車との係合を分離する際、爪部材の移動ストロークが長くなっても、弾性部材によって吸収できるため、弾性部材の永久変形を防止し、耐久性が優れるクロノグラフ時計を実現できる。
また、前記爪部材が、第一案内部と第二案内部と、前記第一案内部と前記第二案内部との間に、前記弾性部材による弾性力が付勢される押圧部を有し、前記爪部材は、前記第二経過時間表示部が一方の回転方向に帰零される際には前記第一案内部を支点として回転し、他方の回転方向に帰零される際には前記第二案内部を支点として回転し、前記爪部材と前記中間車との係合が外れることが好ましい。
詳しくは、実施の形態において後述するが、経過時間表示部の帰零は、ハートカムと帰零部材によって行われるため、経過時間表示部は時計回り方向または反時計回り方向の両方に回転される。従って、その回転方向によって爪部材の回転の支点を変えることで、負荷を減らし、帰零をしやすくすることができる。
さらに、弾性力が付勢される押圧部が、前記第一案内部と前記第二案内部との間に配設されているために、どちらの方向に回転されても、ほぼ同じ弾性力が爪部材に付勢され、帰零負荷のバランスがとれ、安定した帰零力が得られる。
また、前記爪部材が、前記中間車の歯部と係合する2枚以上の爪部を有し、前記中間車が、前記爪部と係合しない領域と係合する複数の前記歯部とが設けられる間欠歯部を有し、前記中間車が間欠駆動されることが好ましい。
爪部材が中間車を間欠駆動する場合、1枚の爪部だけでは、中間車を所定の回転角まで駆動することは困難である。従って、2枚以上の複数の爪部を備えることによって、確実に中間車を駆動することができる。
また、前記中間車の複数の歯部のうち、少なくとも両端にある歯部の歯高さが異なることが好ましい。
前述したように、帰零は、時計回り方向及び反時計回り方向の両方に行われる。従って、時計回り方向、反時計回り方向それぞれによって、または、クロノグラフ計測の際の中間車と爪部との係合関係が異なる。このような場合、円滑な駆動が妨げられることが考えられる。特に間欠駆動の場合、係合開始のときにその影響がでやすいため、両端の歯部の歯高さを適宜変えることにより、円滑な駆動を実現できる。
さらに、前記爪部材が、第一案内部と第二案内部と、前記第一案内部と前記第二案内部とを結ぶ略直線の延長上の近傍に前記弾性部材による弾性力が付勢される押圧部と、が設けられ、前記爪部材は、前記第二経過時間表示部を一方の回転方向に帰零する際には前記第一案内部を支点として回転し、他方の回転方向に帰零される際には前記第一案内部と前記第二案内部に沿ってほぼ平行に移動し、前記爪部材と前記中間車との係合が外れることが望ましい。
このようにすれば、前述した帰零方向によって、爪部材の回転の支点を変える構造と同様な効果が得られる。また、爪部材の回転の支点は1箇所でよいため、構造上、構成部品の形状を単純化することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7は本発明の実施形態1に係るクロノグラフ時計、図8〜図10は、実施形態2に係るクロノグラフ時計を示している。
(実施形態1)
図1〜図7は本発明の実施形態1に係るクロノグラフ時計、図8〜図10は、実施形態2に係るクロノグラフ時計を示している。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るクロノグラフ時計のムーブメントの一部を示す平面図である。本発明は、クロノグラフ時計の経過時間表示部としてのクロノグラフ表示部の駆動機構と、クロノグラフ表示部を機械的に帰零動作する構造に特徴を有しているため、特徴を有するクロノグラフ機構を中心に説明する。
また、本発明の帰零構造は、機械式時計、電子制御式機械時計、アナログ式クォーツ時計等のいずれにも採用可能であるが、本実施形態では、ぜんまいを動力源とする自動巻機械式時計を例示して説明する。
また、クロノグラフ表示部としては、時クロノグラフ表示部(以降、時CG表示部と表す)、第二経過時間表示部としての分クロノグラフ表示部(以降、分CG表示部と表す)、第一経過時間表示部としての秒クロノグラフ表示部(以降、秒CG表示部と表す)の3つを備える構造を例示して説明する。
図1は、本実施形態に係るクロノグラフ時計1におけるムーブメント10のクロノグラフ機構を示す平面図、図2は、時CG表示部の構造を示す部分断面図、図3は、秒CG表示部及び分CG表示部の構造を示す部分断面図である。図1は、クロノグラフ計測のスタート状態を示している。
本実施形態のクロノグラフ機構は、基本構成としてクロノグラフのスタート、ストップ、帰零の状態を制御する作動カム機構と、スタート、ストップ動作を制御する作動機構と、帰零動作を制御する帰零機構と、クロノグラフ表示機構の4つの機構から構成されている。
作動カム機構は、作動カム70と、作動カム70の回転位置を規制する作動カムジャンパー120と、作動レバー80と、作動レバーばね90とから構成されている。作動カム70は、外周に歯部71と歯部71の内側に設けられる複数の柱部72とから構成されており、隣接する柱部72の間には空隙部73が形成されている。
作動カム70は、輪列受12(図2,3、参照)に植立された回転案内軸74に、作動カム固定ねじ75によって回転可能に固定されている。この作動カム70は、作動カムジャンパー120によって、回転方向の位置が規制されている。
作動カムジャンパー120は、本体部から延在されたばね部122と、ばね部122の先端に形成される作動カム規制部121とから形成され、固定ねじ123によって輪列受12に固定されている。
また、作動カムジャンパー120は、作動カム規制部121を歯部71に押し圧することで、作動カム70の回転位置を規制している。作動カム70の柱部72の数は、歯部71の数の1/2に設定されており、作動レバー80を一度作動する度に歯部71を1ピッチずつ時計回り方向に回転し、柱部72を半ピッチ移動して柱部72の位置を帰零状態とスタート、ストップの状態に交互に移動させる。
作動レバー80は、端部にボタン2によって押動される押し部84と、押し部84の反対側端部に作動カム70を作動させる爪部83と、中央部に作動案内孔85と、が形成され、表面方向に作動レバーばね掛け軸82が植立されている。作動案内孔85は、輪列受12に植立された作動レバー軸81に挿着され、作動レバー80は作動案内孔85の範囲で移動する。作動レバー80は、作動レバー軸81において、固定ねじ86によって移動可能に固定されている。
なお、作動レバー80は、ボタン2の操作を止めたとき、作動レバーばね90によって、初期位置(何も操作しない状態、図中二点鎖線にて表す)に復帰させる。
なお、作動レバー80は、ボタン2の操作を止めたとき、作動レバーばね90によって、初期位置(何も操作しない状態、図中二点鎖線にて表す)に復帰させる。
作動レバーばね90は、固定部91と、固定部91から延在されたばね部92と、ばね部92の先端部に設けられる作動レバー係合部93とから構成され、固定ねじ94によって輪列受12に固定されている。
作動レバー係合部93は、作動レバー80に植立された作動レバーばね掛け軸82に係合し、作動レバー80を外側方向(初期位置方向)に押し圧している。従って、作動レバー80は、ボタン操作によって作動レバーばね90が撓んで作動カム70を作動し、ボタン2を離すと作動レバーばね90の弾性力によって初期位置に戻される。
続いて、本実施形態の帰零機構について説明する。帰零機構は、ボタン3の押し操作によって作動する復針伝達レバー130と、復針伝達レバー130上面に揺動可能に取り付けられる復針伝えレバ−140と、復針伝達レバー130を初期状態に戻すための復針伝達レバーばね200と、クロノグラフ表示部を帰零する帰零部材としての復針レバー160と、復針レバー160を作動制御する復針制御レバー150と、復針制御レバー150の位置を規制する復針ジャンパー180とを備えて構成されている。
復針伝達レバー130は、端部にボタン3によって押動される押し部134と、この押し部134の反対側端部に形成される復針伝達レバーばね係合部132を備えて形成されている。復針伝達レバー130の上面には、復針伝えレバ−140が揺動可能に復針伝えレバー軸133によって軸止されている。
また、復針伝達レバー130は、復針伝えレバ−140が取り付けられた状態で、輪列受12に復針伝達レバー軸131によって揺動可能に軸止されている。なお、復針伝達レバー130は、復針伝達レバーばね係合部132を復針伝達レバーばね200によって押し圧することで、時計回り方向に回転力が与えられ、ボタン操作がないときには図1に示している初期位置にある。
復針伝えレバ−140は、両端部に作動カム係合部141と復針制御レバー係合部142とを備え、略中央部を復針伝えレバ−軸133によって揺動可能に軸止されている。図1に示すスタートの状態では、復針伝えレバー140の作動カム係合部141は、作動カム70の空隙部73bの位置にある。従って、復針伝えレバ−140は位置が規制されていない状態のため、復針伝達レバー130を作動しても後段の復針制御レバー150を押し圧しない。
復針制御レバー150は、3方向に半島状の突出部を有し、一つが、作動カム70の柱部72と係合する作動カム係合部152、他の一つが復針ジャンパー180と係合する復針ジャンパー係合部153、もう一つの突出部には、復針レバー160を作動するための復針レバー作動軸154が植立されている。
このように構成される復針制御レバー150は、輪列受12に植立される復針制御レバー軸151に挿着され、固定ねじ155によって揺動可能に軸止されている。そして、復針ジャンパー180の規制部182bに復針制御レバー150の復針ジャンパー係合部153が係合することによって復針制御レバー150の位置が規制される。作動カム係合部152と作動カム70の柱部72との間には、わずかな隙間が存在する。
復針ジャンパー180は、本体部183と、本体部183から延在されるばね部181と、ばね部181の先端部に設けられる復針制御レバー規制部182とを備え、輪列受12に固定ねじ184によって固定されている。復針制御レバー規制部182には、二つの窪みからなる規制部182a,182bが設けられ、この規制部182bから規制部182aに復針制御レバー150の復針ジャンパー係合部153が移動する際に、規制部182a,182bの間の凸部を乗り越えることで、帰零操作に節度ある動きと感触を与える。
復針制御レバー150の端部に植立された復針レバー作動軸154は、復針レバー160に設けられた復針レバー作動孔166に挿入され、復針伝達レバー130の作動によって、復針レバー160を作動する。しかし、図1の状態では、復針伝達レバー130の動きは、復針伝えレバー140の作動力としては伝達されず、復針レバー160は作動しない。また、復針制御レバー150の作動カム係合部152が、作動カム70の柱部72に当接し、復針制御レバー150がそれ以上に作動することはない。
帰零部材としての復針レバー160は、帰零部材体としての復針レバー体161と、可動レバーとしての分復針レバー170とが固定されて構成されている。復針レバー体161は、復針レバー160の作動方向に沿って両側に略Y字状に延在された時CG車作動部164と秒CG車作動部165とを備えている。さらに、作動案内孔163,161aと復針レバー作動孔166とが設けられている。
復針レバー体161には、調整軸としての偏心軸167と分復針レバー案内軸168と分復針レバー固定軸174とが植立されている。これら偏心軸167と分復針レバー案内軸168と分復針レバー固定軸174それぞれに、分復針レバー170に設けられている調整孔171、分復針レバー固定軸孔175、分復針レバー案内孔173を挿着して、分復針レバー固定ねじ176にて復針レバー体161と分復針レバー170とを一体化する。
上述したように復針レバー体161と分復針レバー170とが一体化された復針レバー160は、輪列受12に植立された復針レバー案内軸162,158それぞれに作動案内孔163,161aを挿着し、復針レバー案内軸162において復針レバー160が作動案内孔163,161aに沿って作動可能に復針レバー固定ねじ177によって固定される。
クロノグラフ表示部がスタート状態のときには、復針レバー160の時CG車作動部164、分CG車作動部172、秒CG車作動部165は、それぞれ時ハートカム28、分ハートカム63、秒ハートカム41とは離間している。すなわち、時CG車25、分CG車60、秒CG車40は駆動している。
次に、前述した作動カム機構と、この作動機構に連動して、クロノグラフ表示部の作動,停止を司る機構について図1を参照して説明する。スタートの状態において、作動カム70は図1に示す状態であって、第一発停レバー100の作動カム係合部103は、作動カム70の空隙部73aに入り込んでいる。
第一発停レバー100は、3方向に半島状に突出した作動カム係合部103とクラッチ作動部101と第二発停レバー係合部104とが形成されている。そして、第一発停レバー軸102に軸支され、固定ねじ105によって揺動可能に輪列受12に固定されている。この第一発停レバー100は、第二発停レバー110によって、作動カム70の方向に押し圧されている。
第二発停レバー110は、第一発停レバー100の第二発停レバー係合部104と係合する第一発停レバー係合部113と、クラッチ作動部111とばね部114とを有している。また、第二発停レバー110は、第二発停レバー軸112に軸支され、第二発停レバー固定ねじ118によって揺動可能に輪列受12に固定され、クラッチ作動部111の根元部を第二発停レバー押え軸116の鍔により浮き上がることを防止している。
第二発停レバー110は、第一発停レバー100の第二発停レバー係合部104と係合する第一発停レバー係合部113と、クラッチ作動部111とばね部114とを有している。また、第二発停レバー110は、第二発停レバー軸112に軸支され、第二発停レバー固定ねじ118によって揺動可能に輪列受12に固定され、クラッチ作動部111の根元部を第二発停レバー押え軸116の鍔により浮き上がることを防止している。
第二発停レバー110は、ばね部114が、輪列受12に植立されたばね掛け軸115に係合され、半時計回り方向に回転力が付与され、第一発停レバー係合部113によって第一発停レバー100を時計回り方向に回転力を付勢している。スタート状態では、前述したように第一発停レバー100の作動カム係合部103が作動カム70の空隙部73aに入りこんでいるため、第一発停レバー100のクラッチ作動部101と、第二発停レバー110のクラッチ作動部111とは、秒CG車40に挿着されているクラッチ44(図3も参照する)とは離間し、秒CG車40の駆動を妨げない。そして、第二発停レバー110に連動して時CG規正レバー190が作動される。
時CG規正レバー190は、ばね部192と時CG車規正部193とを有し、時CG規正レバー軸191に揺動可能に軸支され、規正レバー固定ねじ195によって輪列受12に固定されている。
また、時CG規正レバー190は、ばね部192の先端部が第二発停レバー110に設けられる時CG規正レバーばね掛け部117に係合し、第二発停レバー110の作動に連動する。スタート状態において、時CG規正レバー190は、第二発停レバー110によって時CG規正レバー軸191を中心に時計回り方向に回転されている。従って、時CG車規正部193が時CG車25と離間し、時CG車25の駆動を妨げない。
続いて、クロノグラフ表示機構としての時CG車25、分CG車60、秒CG車40の構造について説明する。
まず、駆動源としての香箱20から後段の時CG車25までの時CG輪列について、図1、図2を参照して説明する。
図2は、時CG輪列の構造を示す断面図である。図1、図2において、時CG輪列は、香箱20の回転を伝達する第一時CG中間車21、第二時CG中間車22、時CG車25とから構成されている。
まず、駆動源としての香箱20から後段の時CG車25までの時CG輪列について、図1、図2を参照して説明する。
図2は、時CG輪列の構造を示す断面図である。図1、図2において、時CG輪列は、香箱20の回転を伝達する第一時CG中間車21、第二時CG中間車22、時CG車25とから構成されている。
第一時CG中間車21は、地板11と輪列受12によって軸支されており、第一時CG中間車真21aに設けられる歯車が香箱20の歯車と噛合している。第一時CG中間車真21aは、輪列受12の上方に突出され、先端部に小歯車21bが軸止されている。この小歯車21bに第二時CG中間車22が噛合している。
第二時CG中間車22は、第二時CG中間かな22aと第二時CG中間歯車22bとから構成され、輪列受12と回転錘受14によって軸支されている。この第二時CG中間歯車22bに時CG車25が噛合している。
時CG車25は、時CG車真26と、時CG歯車27と、スリップばね29と、時ハートカム28とから構成され、地板11と回転錘受14との間で軸支されている。詳しくは、時CG車真26に設けられる鍔部26aを挟んで下方側に時ハートカム28、上方側に時CG歯車27が軸支されている。そして、時CG歯車27の上方にスリップばね29が挿着され、その上方からスリップばね固定座29aを時CG車真26に軸止している。
スリップばね29は板ばねであって、時CG歯車27とスリップばね固定座29aとの間で挟持され、時CG歯車27を所定の弾性力で付勢している。この弾性力は、クロノグラフの作動時(スタートの状態)では香箱20の回転に連動して時CG歯車27と時CG車真26が一体で回転し、帰零動作の際には、時ハートカム28と時CG車真26とが、時CG規正レバー190により規正された時CG歯車27とはスリップして回転するように設定される。時CG車真26の先端部には時CG針220が取り付けられている。時CG車25は、12時間で1回転する。
なお、クロノグラフスタート時においては、時CG規正レバー190の時CG車規正部193は時CG歯車27とは離間し、復針レバー160の時CG車作動部164は時ハートカム28とは離間している。
続いて、第一経過時間表示部としての秒CG車40を含む秒CG輪列と、第2経過時間表示部としての分CG車60を含む分CG輪列について図1、図3を参照して説明する。
図3は、秒CG輪列と分CG輪列の構造を示す断面図である。秒CG輪列30は、秒CG車40と秒CG伝達車31とが厚み方向に連結されて構成されている。
図3は、秒CG輪列と分CG輪列の構造を示す断面図である。秒CG輪列30は、秒CG車40と秒CG伝達車31とが厚み方向に連結されて構成されている。
秒CG伝達車31は、中心に貫通孔を有する秒CG伝達かな33に、秒CG歯車34とクラッチ板35を積層固定して構成し、秒CG真32に秒CG伝達かな33を挿通し、秒CG車40を軸方向に連結している。秒CG真32の先端部には秒CG針221が取り付けられ、1分間に1回転する。
秒CG車40は、秒ハートカム41と、クラッチ44と、分CG送り爪座46とからなり一体に構成されている。秒ハートカム41は、中央下方に突出した秒ハートカム筒部41aが設けられ、この筒部に分CG送り爪座46と、筒部のさらに先端部にクラッチ44とが軸止されている。
分CG送り爪座46は、上面に爪部材としての分CG送り爪42と弾性部材としての分CG送り爪ばね43とが備えられ、分CG送り爪42は揺動可能である。そして、分CG送り爪ばね43が、分CG送り爪42の爪先を分CG送り爪座46の外周部から突出するように押し圧している。
なお、分CG送り爪42の詳しい構造については、後述する図5〜図7を参照して説明を加える。
なお、分CG送り爪42の詳しい構造については、後述する図5〜図7を参照して説明を加える。
クラッチ44は、クラッチリング45とクラッチばね48とが固着されて一体化され、秒ハートカム41の筒部先端にクラッチ固定座49により固定されている。そして、秒CG車40が、秒ハートカム41と分CG送り爪42とクラッチ44が一体化された状態で秒CG車真32に挿着され形成されている。
なお、秒CG車40と秒CG伝達車31とが連結された状態で、秒CG輪列は一方(下方)が通常時刻表示の二番受(図示せず)に、そして他方(上方)が四番受13によって軸支されている。
クロノグラフを駆動しているときには、クラッチ44が、秒CG歯車座35をクラッチばね48の弾性力で付勢し、摩擦結合されているため、秒CG車40と秒CG伝達車31とは一体で回転する。そして、秒CG車40の回転は、分CG輪列に伝達される。
分CG輪列は、中間車としての分CG中間車50と、分CG車60とから構成される。分CG中間車50は、分CG中間歯車51と分CG中間かな52とから構成され、輪列受12と四番受13とによって軸支されている。
ここで、秒CG車40から分CG中間車50への駆動伝達について説明を加える。なお、詳しい説明は、図5〜図7を参照して後述するのでここでは簡単に説明する。秒CG車40には、分CG送り爪座46が取り付けられており、秒CG車40と共に回転する。分CG送り爪座46には、分CG送り爪42が設けられており、1分間に1回転する。分CG送り爪42は、分CG中間歯車51と係合して回転を伝達する。
分CG中間歯車51は、図1に示すように、2枚の歯部からなる歯列が7組設けられ、これらの歯列の間には歯部が形成されていない領域が設けられている。分CG送り爪42は2枚の爪部を有しており、分CG送り爪42が1回転する間(つまり1分間)に、1組の歯列分だけ分CG中間車50を回転する。このようにして、分CG車60は、1分で1ピッチ分間欠駆動される。
分CG車60は、分CG車真61に分CG歯車62と分ハートカム63とが軸止されて構成され、地板11と回転錘受14とによって軸支されている。分CG歯車62が、分CG中間車50と噛合して回転力が伝達される。分CG歯車62には分CGジャンパー210が係合している。
図1を参照して分CGジャンパー210を説明する。分CGジャンパー210は、一方の端部に分CG躍制部212、他方の端部に分CGジャンパーばね213が設けられ、略中央部において、分CGジャンパー支持軸211に揺動可能に軸支されている。
分CGジャンパーばね213は、一方の端部が、分CGジャンパー210に植立された分CGジャンパーばね固定軸214に固定され、他方の端部が、輪列受12に植立された分CGジャンパーばね掛け軸215に係合し、分CG歯車62の歯部に分CG躍制部212を押し圧している。
分CG歯車62は、分CG送り爪42が1回転する間に1ピッチ回転する。ここで、分CG歯車62は、分CG躍制部212によって押し圧されているため、1分間に1ピッチ分だけ節度をもって間欠駆動される。分CG歯車62の歯数は30枚であり、1回転で30分、2回転で60分を表示する構造としている。分CG車真61の先端には、分CG針222が取り付けられている。
クロノグラフを駆動しているときには、復針レバー160(分復針レバー170)の分CG車作動部172が、分ハートカム63と離間しているので分CG車60は駆動を継続する。
このように、クロノグラフのスタート、ストップ、帰零の3状態を制御する作動カム機構と、スタート、ストップ動作を制御する作動機構と、帰零動作を制御する帰零機構と、クロノグラフ表示機構とを備えるクロノグラフ機構の上部には、回転錘15が備えられている。
続いて、クロノグラフのスタート、ストップの動作について図1〜図3を参照して説明する。
まず、クロノグラフのスタート動作について説明する。スタート動作は、ボタン2を押し操作して行う。ボタン2によって押動された作動レバー80は、作動カム70の歯部71に係合して1動作で歯部71の1ピッチ分作動カム70を回転する。この状態を図1に示す。
まず、クロノグラフのスタート動作について説明する。スタート動作は、ボタン2を押し操作して行う。ボタン2によって押動された作動レバー80は、作動カム70の歯部71に係合して1動作で歯部71の1ピッチ分作動カム70を回転する。この状態を図1に示す。
この状態において、第一発停レバー100と第二発停レバー110は、秒CG車40のクラッチ44から離間される。また、時CG規正レバー190の時CG車規正部193も時CG歯車27から離間される。
さらに、復針レバー160の時CG車作動部164、秒CG車作動部165、分CG車作動部172それぞれが、時ハートカム28、秒ハートカム41、分ハートカム63から離間される。従って、時CG車25、秒CG車40、分CG車60は駆動を開始する。
続いて、クロノグラフストップの動作について説明する。前述したクロノグラフスタートの状態から、ボタン2を操作して作動レバー80を押動し、作動カム70をさらに歯部71の1ピッチ分回転する。柱部72の数は、歯部71の歯数の半分としているため、歯部71を1ピッチ送ることにより、柱部72は半ピッチ送られる。
従って、第一発停レバー100の作動カム係合部103が柱部72a側面にのりあげ、半時計回り方向に回転する。第一発停レバー100に連動して第二発停レバー110は時計回り方向に回転し、クラッチ作動部101,111それぞれが、クラッチ44と係合して、秒CG車40と秒CG伝達車31とを切り離す(図3において破線で示す)。
さらに、時CG規正レバー190が、第二発停レバー110に連動して半時計回り方向に回転し、時CG車規正部193が時CG歯車27を押し圧する(図2において破線で示す)。第二時CG中間車22は、スリップばね23を備えているので、第二時CG中間歯車22bのみがスリップして回転するが、時CG車25は停止する。
なお、クロノグラフストップの状態から再度作動レバー80を操作すると、クロノグラフスタートの状態となり、積算計測を行うことができる。
また、クロノグラフストップの状態からボタン3を操作して復針伝達レバーを押動し、クロノグラフ表示部の帰零を行うことができる。
なお、クロノグラフストップの状態から再度作動レバー80を操作すると、クロノグラフスタートの状態となり、積算計測を行うことができる。
また、クロノグラフストップの状態からボタン3を操作して復針伝達レバーを押動し、クロノグラフ表示部の帰零を行うことができる。
続いて、帰零動作について図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係るクロノグラフ機構の帰零状態を示す平面図である。前述したクロノグラフストップの状態からボタン3を押し操作して復針伝達レバー130を押動し、クロノグラフ表示部の帰零を行う。クロノグラフストップの状態では、秒CG車40と秒CG伝達車31とは、第一発停レバー100及び第二発停レバー110とによって伝達が切り離されている(図3、参照)。また、時CG車25の時CG歯車27は、時CG規正レバー190によって規正されている(図2、参照)。
図4は、本実施形態に係るクロノグラフ機構の帰零状態を示す平面図である。前述したクロノグラフストップの状態からボタン3を押し操作して復針伝達レバー130を押動し、クロノグラフ表示部の帰零を行う。クロノグラフストップの状態では、秒CG車40と秒CG伝達車31とは、第一発停レバー100及び第二発停レバー110とによって伝達が切り離されている(図3、参照)。また、時CG車25の時CG歯車27は、時CG規正レバー190によって規正されている(図2、参照)。
このような状態において、ボタン3を押し操作することにより復針伝達レバー130を復針伝達レバー軸131を中心に反時計回りに回動する。すると、復針伝えレバ−140も復針伝達レバー130と共に回動する。復針伝えレバ−140は、作動カム係合部141が作動カム70の柱部72aに当接するため、作動カム係合部141を支点として回動し、復針制御レバー係合部142が復針制御レバー150を復針制御レバー軸151を中心に反時計回り方向に回動する。
そして、復針制御レバー150は、復針レバー作動軸154によって復針レバー160を作動する。ここで、復針制御レバー150の作動カム係合部152は、作動カム70の空隙部73bに入り込むため、復針レバー160を時ハートカム28、秒ハートカム41、分ハートカム63を帰零可能な位置まで移動する。
この際、復針制御レバー150の復針ジャンパー係合部153は、復針ジャンパー180の規制部182bから規制部182aまで移動し、位置が規制される。なお、ボタン3の押し操作を解除すると、復針制御レバー150は、復針ジャンパー180の弾性力によって時計回り方向に回動され、規制部182bの位置に復帰する。つまり、帰零操作前の状態に復帰する。また、復針伝達レバー130は、復針伝達レバーばね200によって、初期状態(図中、二点鎖線で示す位置)に戻される。
復針レバー160は、復針レバー案内軸162,158に沿って、ほぼ直線的に作動され、時CG車作動部164、秒CG車作動部165、分CG車作動部172が、それぞれ時ハートカム28、秒ハートカム41、分ハートカム63を押し圧して帰零位置まで回転させる。
時CG車25においては、時CG歯車27が時CG規正レバー190によって規正されており、時CG歯車27は回転しない。しかし、スリップばね29を設けているので、時ハートカム28が軸止されている時CG車真26が回転し時CG針220を帰零する(図2、参照)。
また、秒CG車40においては、クラッチ44が、秒CG歯車34と切り離されているため、秒ハートカム41が軸止されている秒CG真32が回転し、秒CG針221を帰零する(図3、参照)。
また、分CG車60においては、帰零操作により分CG車60が回転し、分ハートカム63に軸止されている分CG車真61が回転し分CG針222を帰零する。この際、分CG車60の回転に連動して分CG中間車50も回転する。分CG中間車50と秒CG車40との回転力の伝達は、分CG送り爪42を介して行われ、分CG送り爪42は、分送り爪ばね43によって規制されている。従って、分CG中間車50側からの回転力に対しては、分送り爪ばね43が撓み、分CG送り爪42と分CG中間車50との係合が外れ、分CG車60を独立して帰零することができる。
帰零操作後、ボタン3の操作を解除すると、前述したクロノグラフのスタート、ストップ、帰零の状態を制御する作動カム機構と、スタート、ストップ動作を制御する作動機構と、帰零動作を制御する帰零機構作動カム機構とは、クロノグラフストップの状態にあるため、再度、ボタン2を押し操作することにより、クロノグラフをスタートし、クロノグラフ計測を開始することができる。
続いて、秒CG車40から分CG車60に至る駆動構造について図面を参照して、さらに詳しく説明する。
図5は、本実施形態に係る分CG車駆動機構について示す部分平面図である。なお、図5は、これらの構造を説明するために必要な部分のみを記載している。
図5は、本実施形態に係る分CG車駆動機構について示す部分平面図である。なお、図5は、これらの構造を説明するために必要な部分のみを記載している。
分CG車駆動機構は、秒CG車40に挿着される分CG送り爪座46と、分CG送り爪座46に設けられる分CG送り爪42と、分CG送り爪42を所定位置に付勢する弾性部材としての分CG送り爪ばね43と、分CG送り爪42と係合して間欠的に分CG車60を駆動する中間車としての分CG中間車50とから構成されている。
分CG送り爪座46は、中心部に分CG送り爪固定孔46bと、外周部に半島状に突出した分CG送り爪案内部46aと、が形成されている。さらに、分CG送り爪固定孔46bを挟んで相対する位置に分CG送り爪ばね案内軸230と、分CG送り爪案内軸231とが植立されている。
分CG送り爪42は、分CG送り爪座46の上部に挿着されている。
分CG送り爪42は、分CG送り爪座46の上部に挿着されている。
分CG送り爪42は、半島状に突出した第一案内部42cと、くびれ状の第二案内部42dと、これらの第一案内部42cと第二案内部42dの間に設けられる爪部材の爪部としての2枚の爪部42a、42bと、が形成されている。分CG送り爪案内軸231に第二案内部42dを係着し、分CG送り爪案内部46aに概ね当接された状態において、それらの上部に分CG送り爪ばね43が載置されている。
分CG送り爪ばね43は、本体部に分CG送り爪ばね固定孔43bと、分CG送り爪ばね案内孔43cとが開設され、本体部から外側に単純板ばね状のばね部43aが延在されている。分CG送り爪ばね案内孔43cを分CG送り爪ばね案内軸230に挿着する。そして、分送り爪座46及び分CG送り爪ばね43それぞれの分CG送り爪ばね固定孔43b、分CG送り爪固定孔46bを秒ハートカム筒部41aに挿着する。この際、分CG送り爪ばね43のばね部43aが、分CG送り爪42を外側方向に付勢している。
従って、分CG送り爪42は、第二案内部42dが分CG送り爪案内軸231に係合した状態で回転し、第一案内部42cが分CG送り爪案内部46aに付勢されるので、爪部42a、42bの先端は分CG中間車50を駆動可能な位置に移動している。この爪部42a、42bによって、分CG中間車50が駆動される。
分CG中間車50は、分CG中間歯車51が、分CG中間かな52に軸止されて構成されている。分CG中間歯車51は、分CG送り爪42の2枚の爪部42a,42bとあたかも噛合するように係合する2枚1組の歯部が等間隔に7組と、これら2枚1組の歯部それぞれの間に爪部42a,42bが係合しない領域と、が設けられる間欠歯部を有する。分CG中間かな52も7枚の歯部が形成されている。この分CG中間かな52が分CG車60の分CG歯車62と噛合している。
分CG歯車62は、ジャンパーとしての分CGジャンパー210によって側面を押し圧されている。分CGジャンパー210には、分CG車60の回転停止位置を規制する分CG躍制部212が設けられ、また分CGジャンパーばね213が、分CGジャンパーばね固定軸214によって取り付けられている。分CGジャンパーばね213の先端部は、分CGジャンパーばね掛け軸215に掛着され、分CGジャンパー支持軸211を中心として反時計回り方向に回動され、分CG歯車62を付勢する。
なお、本実施形態においては、分CG歯車62の歯数は30枚であり、分CG中間かな52の歯数が7枚、分CG中間歯車51は2枚1組の7組の歯部を有していることから、秒CG車40の回転は、ギヤ比が7/30となる。また、分CG送り爪42と分CG中間歯車51との係合は、レバー係合と考えられる。分CG送り爪42と分CG中間歯車51との係合部からのそれぞれの回転半径の比(一般にレバー比と表される)は、平均して概ね0.95に設定されている。従って、分CG送り爪42と分CG中間歯車51との係合は、レバー係合と考えられる。分CG車60のトルクは、レバー比とギヤ比とから、秒CG車40の回転トルクの約4.5倍となっている。つまり、このトルクが秒CG車40に対する分CG車60の負荷トルクと置き換えることができる。
ここで、分CG躍制部212の躍制部頂部216が、歯部64a、64bのほぼ中央にあって、斜面によってほぼ均等の押し圧力で分CG車60の回転停止位置を規制している。
次に、分CG車60の駆動について説明をする。図5に図示される状態は、秒CG車40及び分CG車60が帰零されたときの状態を表している。この状態からクロノグラフをスタートすると、秒CG車40が反時計方向(図中、矢印R1方向)に回転を開始する。そしてほぼ1周したところで、爪部42aが分CG中間歯車51の歯部51aに係合する。
さらに、回転を続けると、爪部42aと歯部51aとの係合が解除されるが、次の爪部42bが歯部51bと係合して、分CG中間車50を時計回り方向(図中、矢印R2方向)に回転する。分CG中間車50の分CG中間かな52は分CG歯車62と噛合しているので、分CG車60が反時計回り方向(図中、矢印R3方向)に回転される。分CGジャンパー210は、分CG歯車62の歯部64aによって徐々に押し上げられていく。
分CG中間歯車51の歯部51bが、二点鎖線で示される位置51b’まで回転されたとき、分CG歯車62の歯部64aは、分CG躍制部212の躍制部頂部216の位置64a’に達する。さらに、秒CG車40が回転を継続すると爪部42bと歯部51bとの係合が外れる。このとき、分CG中間車50は、分CG車60の1分相当まで回転させていない。しかし、歯部64aが躍制部頂部216を乗り越えたところで、分CG歯車62は分CG躍制部212の斜面によって反時計回り方向に回転され、図5に示す回転停止位置に規制された状態となる。
従って、分CG中間車50は、分CGジャンパー210の付勢力により、分CG車60から時計回り方向に回転され、やはり、図5に示す帰零された時と同じ状態となる。すなわち、歯部51cが歯部51aの位置に移動し、歯部51dが歯部51bの位置に移動する。
このような駆動を繰り返すことによって、分CG車60は、秒CG車40の1回転に1ピッチ、つまり1分づつ間欠駆動される。分CG車60には分CG針222(図示は省略)が取り付けられているので、分CG針222は1分目盛を指し示すことができる。
なお、分CG中間歯車51の歯部51bの歯高さは、歯部51aの歯高さよりも低く設定されている。これは、分CG送り爪42にて分CG中間車50を駆動する際、または、帰零時において、分CG中間車50にて分CG送り爪42を押し圧する際、爪部42a,42bと分CG中間車50の歯部との係合時における突っ張り現象を防止するために配慮されている。
次に、分CG車60の帰零動作について図面を参照して詳しく説明する。
図6は、分CG車60を反時計回り方向(図中、矢印R3方向)に帰零する場合を示す平面図である。図6は、分CG送り爪42が、分CG中間歯車51の回転軌跡L1内にあった状態(図5に示す状態)から帰零した場合を表している。分CG車60を反時計回り方向に帰零すると、分CG中間車50は、時計回り方向(図中、矢印R1方向)に回転し、歯部51aが爪部42bを反時計回り方向に押し圧する。すると、分CG送り爪42は、分CG送り爪案内軸231を回転軸とし第二案内部42dを支点として反時計回り方向に回転される。
図6は、分CG車60を反時計回り方向(図中、矢印R3方向)に帰零する場合を示す平面図である。図6は、分CG送り爪42が、分CG中間歯車51の回転軌跡L1内にあった状態(図5に示す状態)から帰零した場合を表している。分CG車60を反時計回り方向に帰零すると、分CG中間車50は、時計回り方向(図中、矢印R1方向)に回転し、歯部51aが爪部42bを反時計回り方向に押し圧する。すると、分CG送り爪42は、分CG送り爪案内軸231を回転軸とし第二案内部42dを支点として反時計回り方向に回転される。
この際、分CG送り爪ばね43のばね部43aが撓められる。分CG送り爪42が、爪部の位置42a’,42b’(図5、参照)にある場合には、歯部51bによって爪部42aが押される。さらに分CG中間車50が回転すると、歯部51cによって爪部42bが押される。このようにして、爪部42a,42bは、分CG中間歯車51の回転軌跡L1外に回転され、秒CG車40と、分CG中間車50との係合が解除される。
従って、秒CG車40と分CG車60とは分離され、それぞれが独立して帰零を行うことができる。秒CG車40も秒ハートカム41を有しており、分CG送り爪42と分CG中間歯車51との係合状態、帰零のタイミングによっては、あたかも分CG送り爪42によって、分CG中間歯車51を押し圧する状態も考えられる。秒CG車40が時計回り方向に回転するこの場合、分CG送り爪42が、分CG送り爪案内軸231を回転軸とし第二案内部42dを支点として反時計回り方向に回転され、爪部と歯部との係合は解除される。
また、帰零時においては、分CGジャンパー210は、図6に示すように躍制部頂部216が、分CG歯車62の歯先に乗り上げた状態で、分CG車60が回転する。そして、帰零が終了した時点で、分CG躍制部212により、分CG歯車62を所定の位置に規制する。従って、帰零位置が分CG歯車62の半ピッチ以内の誤差があっても、分CGジャンパー210により、正確な位置に規制することができる。
次に、分CG車60を時計回り方向に帰零する場合を図面を参照して説明する。
図7は、分CG車60を時計回り方向(図中、矢印R4方向)に帰零する場合を示す平面図である。図7は、分CG送り爪42が、分CG中間歯車51の回転軌跡L1内にある状態(図5、参照)から帰零した場合を表している。分CG車60を時計回り方向に帰零すると、分CG中間車50は、反時計回り方向(図中、矢印R5方向)に回転し、歯部51eが爪部42bを時計回り方向に押し圧する。すると、分CG送り爪42は、分CG送り爪座46の分CG送り爪案内部46aに第一案内部42cが当接した状態で、第一案内部42cを支点として時計回り方向に回転される。
図7は、分CG車60を時計回り方向(図中、矢印R4方向)に帰零する場合を示す平面図である。図7は、分CG送り爪42が、分CG中間歯車51の回転軌跡L1内にある状態(図5、参照)から帰零した場合を表している。分CG車60を時計回り方向に帰零すると、分CG中間車50は、反時計回り方向(図中、矢印R5方向)に回転し、歯部51eが爪部42bを時計回り方向に押し圧する。すると、分CG送り爪42は、分CG送り爪座46の分CG送り爪案内部46aに第一案内部42cが当接した状態で、第一案内部42cを支点として時計回り方向に回転される。
このようにして、爪部42a,42bは、分CG中間歯車51の回転軌跡L1外に回転され、秒CG車40と、分CG中間車50との係合が解除される。
分CG送り爪42が、爪部の位置42a’,42b’(図5、参照)にある場合には、歯部51aによって爪部42aが押される。分CG中間車50が回転すると、歯部51eによって爪部42aがさらに押される。このようにして、爪部42a,42bは、分CG中間歯車51の回転軌跡L1外に回転され、秒CG車40と、分CG中間車50との係合が解除される。
従って、秒CG車40と分CG車60とは分離され、それぞれが独立して帰零を行うことができる。このような場合においても、分CG送り爪42と分CG中間歯車51との係合状態、帰零のタイミングによっては、あたかも分CG送り爪42によって、分CG中間歯車51を押し圧する状態も考えられる。秒CG車40が反時計回り方向に回転する場合、分CG送り爪42が、分CG送り爪座46の分CG送り爪案内部46aに第一案内部42cが当接した状態で、第一案内部42cを支点として時計回り方向に回転され、爪部42a,42bは、分CG中間歯車51の回転軌跡L1外に移動される。
なお、分CG送り爪42は、第一案内部42cと第二案内部42dとのほぼ中間に、分送り爪ばね43の押圧部としての分送り爪ばね押圧部42eが設けられているため、時計回り方向、反時計回り方向のどちらに帰零しても、分CG送り爪42に加えられる負荷はほぼ同じである。
従って、前述した実施形態1によれば、分CG送り爪42の爪部42a、42bが分CG中間歯車51と係合して、秒CG車40の駆動を分CG車60に間欠的に減速して伝達するため、分CG車60の負荷トルクを前述した従来技術に比べ低減することができる。このことにより持続時間が長いクロノグラフ時計1を実現できる。
また、分CG歯車62の歯部に係合し回転停止位置を規制する分CGジャンパー210を備えており、分CG車60が略半ピッチ回転したとき、分CGジャンパー210の押し力により、分CG車60の回転を補助するため、その分、秒CG車の駆動トルクを小さくしても分CG車60を駆動することができる。このことは、分CG車60の負荷トルクを減じたことと同じ効果を奏する。
また、分CG送り爪42と、この分CG送り爪42を付勢する分CG送り爪ばね43とを別に設けていることから、分CG送り爪ばね43のばね部43aを単純板ばね状にすることができる。帰零時に分CG送り爪42を分CG中間車50との係合を分離する際、分CG送り爪42の移動ストロークが長くなっても、ばね部43aによって吸収できるため、ばね部43aの永久変形を防止し、耐久性が優れるクロノグラフ時計を実現できる。
また、帰零方向は、時計回り方向または反時計回り方向の両方があるが、その回転方向によって分CG送り爪42の回転の支点を第一案内部42c、第二案内部42dに変えることで、どちらの方向にも対応できるともに、負荷を減らし、帰零をしやすくすることができる。
さらに、分送り爪ばね43の弾性力が付勢される分送り爪ばね押圧部42eが、第一案内部42cと第二案内部42dとのほぼ中間に配設されているために、どちらの方向に帰零されても、ほぼ同じ弾性力が分CG送り爪42に付勢され、帰零負荷のバランスがとれ、安定した帰零力が得られる。
また、分CG送り爪42が、分CG中間車50の歯部と係合する爪部42a,42bを有し、分CG中間歯車51が、爪部42a,42bと係合しない領域と係合する7組の歯部とが設けられる間欠歯部を有していることから、分CG送り爪42が分CG中間車50を間欠駆動する場合、1枚の爪部だけでは、中間車を所定の回転角まで駆動することが困難であっても、2枚の爪部42a,42bを備えることによって、確実に中間車を駆動することができる。
さらに、分CG中間歯車51の歯部の歯高さを変えることにより、分CG中間車50の駆動、または、時計回り方向、反時計回り方向それぞれの帰零に対して、歯部の歯高さを適宜変えることにより、円滑な駆動を実現できる。
(実施形態2)
(実施形態2)
続いて、本発明の実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、帰零作動の際、分CG送り爪が、帰零方向によって回転または平行移動することにより、秒CG車と分CG車との係合の分離を行うところに特徴を有している。従って、前述した実施形態1と異なる部分を中心にして説明し、同じ機能部位については同じ符号を付して説明する。
図8は、実施形態2に係る分CG車駆動機構について示す部分平面図である。なお、図8は、これらの構造を説明するために必要な部分のみを記載している。
分CG車駆動機構は、秒CG車40に挿着される分CG送り爪座46と、分CG送り爪座46に設けられる分CG送り爪42と、分CG送り爪42を所定位置に付勢する弾性部材としての分CG送り爪ばね43と、分CG送り爪42と係合して間欠的に分CG車60を駆動する中間車としての分CG中間車50とから構成されている。
分CG送り爪座46は、中心部に分CG送り爪固定孔46bが形成されている。さらに、分CG送り爪固定孔46bを挟んで相対する位置に分CG送り爪ばね案内軸230と、分CG送り爪案内軸231,232とが植立されている。
分CG送り爪42は、第一案内部42gと、第二案内部42fと、これらの第一案内部42gと第二案内部42fを結ぶ略直線の延長上の近傍に設けられる2枚の爪部42a、42bと、が形成されている。また、分CG送り爪42は、分CG送り爪案内軸231に第一案内部42gを、分CG送り爪案内軸232に第二案内部42fを係着し、分CG送り爪ばね43によって、分CG送り爪ばね押圧部42eが押し圧され、分CG送り爪案内軸231を中心に時計回り方向に回転される。
分CG送り爪42は、分CG送り爪案内軸232に第二案内部42fが当接することで位置が規制される。この際、図8に示すように、分CG送り爪42は、分CG中間歯車51と係合可能な位置にある。
分CG送り爪ばね43は、本体部に分CG送り爪ばね固定孔43bと、分CG送り爪ばね案内孔43cとが開設され、本体部から外側にばね部43aが延在されている。分CG送り爪ばね固定孔43bを分CG送り爪ばね案内軸230に挿着する。そして、分送り爪座46及び分CG送り爪ばね43それぞれの分CG送り爪ばね固定孔43b、分CG送り爪固定孔46bを秒ハートカム筒部41aに挿着する。この際、分CG送り爪ばね43のばね部43aが、分CG送り爪42を外側方向に付勢している。この爪部42a、42bによって、分CG中間車50が駆動される。
分CG中間車50、分CG車60及び分CGジャンパー210の構造と、分CG送り爪42による分CG中間車50及び分CG車60の駆動形態は、前述した実施形態1(図5、参照)と同じであるため、説明を省略する。
また、分CG送り爪42の爪部42a,42bの先端位置と、分CG中間歯車51の歯部51a,51bとの相関関係も実施形態1と同じであるが、爪部42a,42bに連続する斜面の傾きは、特に、帰零時において、分CG中間車50が駆動側になる際に分CG送り爪42を略平行に移動するのに適した角度にしている。
また、分CG送り爪42の爪部42a,42bの先端位置と、分CG中間歯車51の歯部51a,51bとの相関関係も実施形態1と同じであるが、爪部42a,42bに連続する斜面の傾きは、特に、帰零時において、分CG中間車50が駆動側になる際に分CG送り爪42を略平行に移動するのに適した角度にしている。
次に、本実施形態による分CG車60の帰零動作について図面を参照して詳しく説明する。
図9は、分CG車60を反時計回り方向(図中、矢印R3方向)に帰零する場合を示す平面図である。図9は、分CG送り爪42の爪部42a、42bが、分CG中間歯車51の回転軌跡L1内にあった状態(図8に示す状態)から帰零した状態を表している。分CG車60を反時計回り方向に帰零すると、分CG中間車50は、時計回り方向(図中、矢印R2方向)に回転し、歯部51aが爪部42bを反時計回り方向に押し圧する。すると、分CG送り爪42は、分CG送り爪案内軸231を回転軸とし第一案内部42gを支点として反時計回り方向に回転される。この際、分CG送り爪ばね43のばね部43aが撓められる。
図9は、分CG車60を反時計回り方向(図中、矢印R3方向)に帰零する場合を示す平面図である。図9は、分CG送り爪42の爪部42a、42bが、分CG中間歯車51の回転軌跡L1内にあった状態(図8に示す状態)から帰零した状態を表している。分CG車60を反時計回り方向に帰零すると、分CG中間車50は、時計回り方向(図中、矢印R2方向)に回転し、歯部51aが爪部42bを反時計回り方向に押し圧する。すると、分CG送り爪42は、分CG送り爪案内軸231を回転軸とし第一案内部42gを支点として反時計回り方向に回転される。この際、分CG送り爪ばね43のばね部43aが撓められる。
分CG送り爪42が、爪部の位置42a’,42b’(図5、参照)にある場合には、歯部51bによって爪部42aが押される。さらに分CG中間車50が回転すると、歯部51cによって爪部42bが押される。
このようにして、爪部42a,42bは、分CG中間歯車51の回転軌跡L1外に押し圧され、秒CG車40と、分CG中間車50との係合が解除される。
このようにして、爪部42a,42bは、分CG中間歯車51の回転軌跡L1外に押し圧され、秒CG車40と、分CG中間車50との係合が解除される。
また、帰零のタイミングによっては、分CG送り爪42と分CG中間歯車51との係合状態から、あたかも分CG送り爪42によって、分CG中間歯車51を押し圧する状態も考えられる。秒CG車40が時計回り方向に回転するこの場合、分CG送り爪42が、分CG送り爪案内軸231を回転軸として第一案内部42gを支点として反時計回り方向に回転され、爪部と歯部との係合は解除される。
次に、分CG車60を時計回り方向に帰零する場合を図面を参照して説明する。
図10は、分CG車60を時計回り方向(図中、矢印R4方向)に帰零する場合を示す平面図である。また、図10は、分CG送り爪42が、分CG中間歯車51の回転軌跡L1内にある状態(図8、参照)から帰零した状態を表している。分CG車60を時計回り方向に帰零すると、分CG中間車50は、反時計回り方向(図中、矢印R5方向)に回転し、歯部51eが爪部42bを押し圧する。すると、分CG送り爪42は、分CG送り爪案内軸231,232のそれぞれに第一案内部42g及び第二案内部42fの側面が沿って移動する。
図10は、分CG車60を時計回り方向(図中、矢印R4方向)に帰零する場合を示す平面図である。また、図10は、分CG送り爪42が、分CG中間歯車51の回転軌跡L1内にある状態(図8、参照)から帰零した状態を表している。分CG車60を時計回り方向に帰零すると、分CG中間車50は、反時計回り方向(図中、矢印R5方向)に回転し、歯部51eが爪部42bを押し圧する。すると、分CG送り爪42は、分CG送り爪案内軸231,232のそれぞれに第一案内部42g及び第二案内部42fの側面が沿って移動する。
分CG送り爪42は、分CG送り爪案内軸231,232を結ぶ直線の延長上近傍に爪部42a,42bが設けられ(つまり、第一案内部42g及び第二案内部42fを結ぶ略直線の延長上近傍に爪部42a,42bが設けられていると言い換えることができる)、爪部42a,42bの近傍に分CG送り爪ばね押圧部42eが設けられ、分CG中間車50の方向に付勢されている。
従って、分CG送り爪42は、第一案内部42g及び第二案内部42fの内側側面に沿って略平行に移動し、分CG中間歯車51との係合が解除される。
また、帰零のタイミングによっては、分CG送り爪42と分CG中間歯車51との係合状態から、あたかも分CG送り爪42によって、分CG中間歯車51を押し圧する状態も考えられる。秒CG車40が反時計回り方向に回転するこの場合においても、分CG送り爪42は、第一案内部42g及び第二案内部42fの内側側面に沿って略平行に移動し、分CG中間歯車51との係合が解除される。
従って、上述した実施形態2によれば、分CG車60を反時計回り方向に帰零する際には第一案内部42gを支点として回転し、時計回り方向に帰零される際には第一案内部42g及び第二案内部42fの内側側面に沿ってほぼ平行に移動し、前記爪部材と前記中間車との係合が外れるので、前述した実施形態1と同様な効果が得られる。
また、分CG送り爪42の回転の支点は1箇所でよいため、構造上、分CG送り爪42や分CG送り爪座46等の形状を単純化することができる。
また、分CG送り爪42の回転の支点は1箇所でよいため、構造上、分CG送り爪42や分CG送り爪座46等の形状を単純化することができる。
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態1,2では、分CG送り爪42の爪部を2枚とし、分CG中間歯車51の連続した歯部2枚1組としているが、爪部の数は2枚に限らず、分CG中間歯車51を間欠駆動できる範囲で増やすことができる。その場合、分CG中間歯車51には、爪部の構成数に対応した歯部間の空隙を設定することで実現できる。
例えば、前述の実施形態1,2では、分CG送り爪42の爪部を2枚とし、分CG中間歯車51の連続した歯部2枚1組としているが、爪部の数は2枚に限らず、分CG中間歯車51を間欠駆動できる範囲で増やすことができる。その場合、分CG中間歯車51には、爪部の構成数に対応した歯部間の空隙を設定することで実現できる。
また、実施形態1,2では、秒CG車40から分CG車60の間に分CG送り爪42を備える構造を例示しているが、例えば、分CG車から時CG車に駆動を伝達するような時計構造において、分CG車に時CG送り爪を設ける構造とすることもできる。
従って、前述した実施形態1、実施形態2によれば、分CG車の負荷を低減し、持続時間が長く、しかも耐久品質が優れるクロノグラフ時計を提供することができる。
1…クロノグラフ時計、40…秒CG車、42…分CG送り爪、42a,42b…分CG送り爪の爪部、42c…第一案内部、42d…第二案内部、50…分CG中間車、60…分CG車、62…分CG歯車。
Claims (5)
- 少なくとも第一経過時間表示部と、前記第一経過時間表示部に連動して駆動される第二経過時間表示部と、前記第一経過時間表示部と前記第二経過時間表示部とを初期位置に帰零する帰零部材と、を備えるクロノグラフ時計において、
前記第一経過時間表示部に設けられる爪部材と、前記爪部材を所定位置に付勢する弾性部材と、
前記爪部材の爪部に係合して前記第一経過時間表示部の回転を減速して前記第二経過時間表示部に伝達する間欠歯部を有する中間車と、
前記第二経過時間表示部の歯部に係合し回転停止位置を規制するジャンパーと、を備えていることを特徴とするクロノグラフ時計。 - 請求項1に記載のクロノグラフ時計において、
前記爪部材が、第一案内部と第二案内部と、前記第一案内部と前記第二案内部との間に、前記弾性部材による弾性力が付勢される押圧部を有し、
前記爪部材は、前記第二経過時間表示部が一方の回転方向に帰零される際には前記第一案内部を支点として回転し、他方の回転方向に帰零される際には前記第二案内部を支点として回転し、前記爪部材と前記中間車との係合が外れることを特徴とするクロノグラフ時計。 - 請求項1または請求項2に記載のクロノグラフ時計において、
前記爪部材が、前記中間車の歯部と係合する2枚以上の爪部を有し、
前記中間車が、前記爪部と係合しない領域と係合する複数の前記歯部とが設けられる間欠歯部を有し、
前記中間車が間欠駆動されることを特徴とするクロノグラフ時計。 - 請求項3に記載のクロノグラフ時計において、
前記中間車の複数の歯部のうち、少なくとも両端にある歯部の歯高さが異なることを特徴とするクロノグラフ時計。 - 請求項1に記載のクロノグラフ時計において、
前記爪部材が、第一案内部と第二案内部と、前記第一案内部と前記第二案内部とを結ぶ略直線の延長上の近傍に前記弾性部材による弾性力が付勢される押圧部と、が設けられ、
前記爪部材は、前記第二経過時間表示部を一方の回転方向に帰零する際には前記第一案内部を支点として回転し、他方の回転方向に帰零される際には前記第一案内部と前記第二案内部に沿ってほぼ平行に移動し、前記爪部材と前記中間車との係合が外れることを特徴とするクロノグラフ時計。
Priority Applications (1)
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JP2006060569A JP2007240237A (ja) | 2006-03-07 | 2006-03-07 | クロノグラフ時計 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2007240237A true JP2007240237A (ja) | 2007-09-20 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2006060569A Withdrawn JP2007240237A (ja) | 2006-03-07 | 2006-03-07 | クロノグラフ時計 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007240237A (ja) |
-
2006
- 2006-03-07 JP JP2006060569A patent/JP2007240237A/ja not_active Withdrawn
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