以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る施錠装置を備えた開閉装置となっている手動式の開口部用シャッター装置の全体正面図であり、この全体正面図は、上下方向を開閉移動方向とする開閉体になっているシャッターカーテン1が全閉となっているときを示している。
建物の出入口である開口部2を上下に移動して開閉するシャッターカーテン1は、開口部2の左右両側で建物の壁等の躯体3に取り付けられているガイド部材であるガイドレール4に、左右両端部である幅方向両端部がスライド自在に挿入されている。開口部2の上部にはシャッターケース5が設けられ、このシャッターケース5の内部に巻取軸6が左右一対のブラケット7で支持されて回転自在に収納配置され、この巻取軸6にシャッターカーテン1の上端が結合されている。シャッターカーテン1の閉じ側の端部、言い換えると、シャッターカーテン1の下端部は座板8となっており、この座板8の上端には、シャッターカーテン1の大部分を形成する多数のスラット9が上下に連結され、このため、シャッターカーテン1は、その主要部が多数のスラット9の連設で形成されたスラット式となっている。
シャッターカーテン1が一対のガイドレール4に案内されて上昇し、座板8が、シャッターケース5の下面を形成していてシャッターカーテン1を上下に挿通させているスリットが設けられているまぐさに達するまで、シャッターカーテン1が巻取軸6に巻き取られることにより、シャッターカーテン1は開口部2を全開とする。また、座板8に係止棒等の操作棒の先端を係止等して手作業で引き下げ操作を行うと、シャッターカーテン1は巻取軸6を回転させながら巻取軸6から繰り出されて閉じ移動し、座板8が開口部2の床2Aに着床することにより、シャッターカーテン1は、図1で示されているように、開口部2を全閉とする。
このようにシャッターカーテン1を巻取軸6から繰り出して閉じ移動させるときには、回転する巻取軸6に組み込まれている図示しないリターンスプリングが蓄圧されるため、全閉位置又は全閉となる途中位置で停止しているシャッターカーテン1を手操作で開き移動させるために上昇させるときには、リターンスプリングの蓄圧力によって巻取軸6の回転が補助されることにより、シャッターカーテン1を軽く上昇させることができる。
シャッターカーテン1を形成している多数のスラット9のうち、所定のスラット9Aには、すなわち、シャッターカーテン1が全閉となっているときにほぼ腰の高さ位置にあるスラット9Aには、シャッターカーテン1を手操作で開き移動及び閉じ移動させることができるようにするために、手を掛けることができる手操作部材となっている合成樹脂製の手掛け部材10が、上下方向と直交又は略直交するシャッターカーテン1の幅方向に2個設けられている。また、このスラット9Aには、2個の手掛け部材10の間のシャッターカーテン1の幅方向中央部において、ロック手段11も設けられている。
図2は、手操作される手操作部材となっている手掛け部材10が設けられている上記スラット9Aと、このスラット9Aの上下のスラット9の部分を示すシャッターカーテン1の裏面図である。シャッターカーテン1の幅方向の中央部であるスラット9Aの長さ方向の中央部には、スラット9Aに一部が貫通して配置されたロック手段11がリベット等の止着具12で止着されているとともに、スラット9Aには、ロック手段11から左右の等距離の位置において、2個の手掛け部材10がスラット9Aに一部が貫通して配置されている。これらの手掛け部材10は、後述の説明で分かるように、シャッターカーテン1の幅方向である左右方向に往復移動自在にスラット9Aに配置されている。また、スラット9Aの長さ方向の両端部には係止部材13が配置され、それぞれの手掛け部材10ごとの部材となっていて、ラッチ部材となっているこれらの係止部材13は、図21で示されているガイドレール4の内部に取り付けられたラッチ受け部材となっている被係止部材14と共に、全閉位置に達しているシャッターカーテン1の上移動である開き移動を施錠するための施錠手段15を構成するものとなっている。この施錠手段15は、手掛け部材10ごとに設けられている。
また、図2で示されているとおり、スラット9Aの裏面には、ロック手段11と係止部材13との間において、カバー部材16が配置され、ロック手段11の左右において係止部材13ごとに設けられているこれらのカバー部材16により、スラット9Aの裏面に配置されていてロック手段11と手掛け部材10とを繋いでいる部材及び手掛け部材10と係止部材13との間に配置された部材が覆われている。カバー部材16はロック手段11にビス等の止着具17で止着されているとともに、係止部材13が配置されている図17でも示されたベース部材18の一部を折り曲げて形成されているブラケット部18Aにも、ビス等の止着具19(図2参照)で止着されている。また、このベース部材18は、スラット9Aにリベット等の止着具20(図17参照)で止着されているとともに、ベース部材18の先端部の折り曲げ部18B(図17及び図18参照)の挟着によってもスラット9Aに結合されている。
このため、カバー部材16は、スラット9Aにロック手段11とベース部材18を介して取り付けられており、ロック手段11とベース部材18は、カバー部材16をスラット7Aに取り付けるための部材を兼ねている。
なお、図2で示すとおり、それぞれのカバー部材16のロック手段11側の端部には、カバー部材16の端面に当たる部分21Aを有するエンド部材21が配置され、本体部分がカバー部材16とロック手段11との間に挿入されているこれらのエンド部材21は、この本体部分が止着具17でカバー部材16と共にロック手段11に止着されており、そして、上記部分21Aにより、切断加工された切断面となっている金属製のカバー部材16の上記端面が外部に露出しないようになっている。
また、それぞれのカバー部材16には、手掛け部材10の一部10Aを外部へ露出させるための窓孔16Aが形成され、これらの窓孔16Aは左右方向に長く、このため、それぞれの手掛け部材10は、上記一部10Aが窓孔16Aによって常に外部へ臨みながら、スラット9Aとカバー部材16とに対して左右方向に往復移動できるようになっている。
図2で示されているように、スラット9Aを除くそれぞれのスラット9の長さ方向の両端部には合成樹脂製のエンド構造物22が取り付けられ、これらのエンド構造物22は、スラット9の側面形状を示している図3のとおり、スラット9が挿入されたスリット23Aが形成されている第1エンド部材23と、この第1エンド部材23の係合突起23Bに係合溝24Aが係合し、第1エンド部材23にリベット等の結合具25で結合された第2エンド部材24とからなる。それぞれのスラット9からなるシャッターカーテン1が図1で示した巻取軸6で巻き取られるときに、それぞれのスラット9同士が接触することは、シャッターカーテン1の厚さ方向両側へ突出する寸法を有しているこれらのエンド構造物体22同士の当接によって防止され、手掛け部材10及びロック手段11が配置されているスラット9Aと他のスラット9とが接触することも、スラット9Aのカバー部材16とエンド構造物22との当接によって防止される。
図4は、図2で示したスラット9Aの裏面図であって、図2で説明したカバー部材16を取り外した図である。ロック手段11は、上下が逆となっている左右一対のロック部材31を有するものとなっており、このロック手段11には、これらのロック部材31と同じく、上下が逆となっている左右一対のラック部材30も配置されている。それぞれのラック部材30は手掛け部材10ごとに設けられ、これらのラック部材30は、手掛け部材10に、連結部材である短寸のバー部材32を介して連結されている。
そして、それぞれの手掛け部材10におけるバー部材32とは反対側の端部には、延設部材34の端部が連結され、長寸の部材であるこれらの延設部材34は、手掛け部材10から前記施錠手段15の構成部材である前記係止部材13側へ延設されており、その先端にスライド部材33に連結されている。前記カバー部材16は、ラック部材30と、ロック部材31と、前記一部10Aを除く手掛け部材10と、バー部材32と、延設部材34と、スライド部材33とを覆うものとなっている。
図5は、ロック手段11を図1と同じく正面から見た図であり、図6は、ロック手段11の内部構造を示す平断面図である。次にこのロック手段11の構造と作用を説明する。
図5で示す板キーが挿入される鍵穴40Aを有している図6の回転プラグ40の外周部には、ローター41が嵌合され、鍵穴40Aに板キーを挿入すると、回転プラグ40の回転を止めていた図示しない第1タンブラは引っ込み、回転プラグ40とローター41を連結する図示しない第2タンブラが突出する。このため、鍵穴40Aに挿入した板キーの回転手操作により、回転プラグ40とローター41を回転させることができる。ローター41にはピニオン部材42が結合されており、このピニオン部材42には、図7で示すように、前述した一対のロック部材31のラック部31Aが噛合し、これらのラック部31Aは、これらのラック部31Aの間に配置されているピニオン部材42に互いに反対側の上下で噛合している。上記板キーの回転操作でローター41を一方向へ180度回転させると、ピニオン部材42を介して一対のロック部材31は、図7及び図11(図7は、ロック手段11の内部構造を正面から見た図であり、図11は、ロック手段11の裏面図である。)の状態から図8及び図12の状態となり、さらに上記板キーの回転操作でローター41を他方向へ180度回転させると、一対のロック部材31は、図8及び図12の状態から図7及び図11の状態に戻る。
上記板キーはシャッターカーテン1の正面側から操作されるものであるが、図6で示されているように、シャッターカーテン1の裏面側に突出しているロック手段11の背面には、手で回転操作されるサムターン部材となっている合成樹脂製の回転操作部材44(図11及び図12も参照)が設けられている。この回転操作部材44は、ロック手段11の図6で示すケース部材45を貫通して前記ローター41と結合されているとともに、図11及び図12で示すように、ケース部材45の外部に露出している回転操作部材44の部分には、指を掛けて回転操作できる2個の指掛け部44Aが180度の離間角度で設けられている。これらの指掛け部44Aのケース部材45と対面する面には、図6で示すとおり、ケース部材45に形成された小突起46が嵌合する窪み部47が形成されている。
一対のロック部材31が図7及び図11の状態となっているときに、これらの小突起46を指掛け部44Aの弾性変形で乗り越えさせながら回転操作部材44を180度回転させた後、窪み部47に反対側の小突起46を再度嵌合させると、ローター41も回転プラグ40に対して180度回転するため、ローター41と結合されているピニオン部材42の回転により、一対のロック部材31は図8及び図12の状態となる。また、回転操作部材44を反対側へ180度回転させると、一対のロック部材31は図7及び図11の状態に戻る。
すなわち、一対のロック部材31を左右に進退させるためのロック手段11の操作は、板キーによってシャッターカーテン1の正面側からも、手操作される回転操作部材44によってシャッターカーテン1の裏面側からも行える。
なお、一対のロック部材31が図7及び図11で示す後退位置と図8及び図12で示す前進位置に達しているときには、小突起46が窪み部47に嵌合されているため、ロック手段11に予期しない外力等が作用しても、回転操作部材44が回転してしまうことを防止できるようになっている。
また、図7及び図8で示されているように、一対のロック部材31のラック部31Aの歯は台形等の形状となっているとともに、このラック部31Aと噛合するピニオン部材42の歯は矩形や三角形となっており、このため、ピニオン部材42からの回転駆動力は一対のロック部材31へ伝達されるが、これらのロック部材31が図7の後退位置と図8の前進位置に達しているときには、これらのロック部材31からのスライド駆動力はピニオン部材42へ伝達されないようになっている。
図6で示されているように、ロック手段11の内部にはもう1個のピニオン部材48が収納され、このピニオン部材48は前記ピニオン部材42と同軸的に配置されているため、このピニオン部材48は、前述したローター41の外周に嵌合されているとともに、ピニオン部材48はこのローター41に対して回転自在となっている。また、このピニオン部材48には、図9で示すとおり、図4で説明した一対のラック部材30のラック部30Aが噛合している。これらのラック部30Aは、ロック手段11のケース部材45の内部に挿入されており、また、これらのラック部30Aは、これらのラック部30Aの間に配置されているピニオン部材48に互いに反対側の上下で噛合している。ラック部30Aの歯とピニオン部材48の歯は通常形状の歯であるため、一対のラック部材30が任意な左右方向の位置に達しているときにおいて、これらのラック部材30のうちの一方のラック部材30に左右方向へのスライド駆動力が作用した場合には、ピニオン部材48はローター41を中心として回転し、これにより、他方のラック部材30は、図10で示されているように、上記一方のラック部材30とは逆方向へスライド移動するようになっている。
図4で説明したように、一対のラック部材30のうち、一方のラック部材30は2個の手掛け部材10のうちの一方の手掛け部材10にバー部材32で連結され、他方のラック部材30は他方の手掛け部材10にバー部材32で連結されているため、一対の手掛け部材10のうちのどちらかがシャッターカーテン1に対して移動操作されると、この移動は、一対のラック部材30とピニオン部材48を介してもう1個の手掛け部材10に伝達される。このため、1個の手掛け部材10の操作によって2個の手掛け部材10を移動させることができる。
このため、バー部材32と、一対のラック部材30と、ピニオン部材48とにより、2個の手掛け部材10同士を連結し、これらの手掛け部材10を連動させて移動させることができるラックアンドピニオン形式の手掛け部材連動手段50(図9及び図10参照)が構成されている。また、この連動手段50は、一方の手掛け部材10の移動を他方の手掛け部材10に移動方向を逆転させて伝達させる逆転式手掛け部材連動手段となっている。
そして、一対のラック部材30のラック部30Aとピニオン部材48とがロック手段11の内部に配置されているため、手掛け部材連動手段50はロック手段11の内部に貫通配置された手段となっており、このため、互いに連動する2個の手掛け部材10の間にロック手段11が配置されていても、ロック手段11は手掛け部材連動手段50を配置するに際して障害とならず、ロック手段11と手掛け部材連動手段50は、シャッターカーテン1に合理的に配置されていることになる。
図7及び図8と図11及び図12で説明した一対のロック部材31の先端部には、直角又は略直角に屈曲したストッパ部31Bが設けられ、前述した板キーの操作又は回転操作部材44の操作によってロック部材31が図8及び図12で示した前進位置に達しているときには、これらのストッパ部31Bは、ラック部材30における前記バー部材32が連結されている屈曲部30B(図12参照)の近くに達しているため、それぞれの手掛け部材10を、後述するように、図2及び図21で説明した施錠手段15を開錠するために、シャッターカーテン1の幅方向内側へ移動させようとしたとき、前記バー部材32を介して手掛け部材10と一体に移動しようとするラック部材30の屈曲部30Bは、ロック部材31のストッパ部31Bに当接することになり、そして、前述したように、ロック部材31からのスライド駆動力によって前記ピニオン部材42は回転せず、ロック部材31は上記前進位置に停止したままとなるため、それぞれの手掛け部材10によるラック部材30の移動はロック部材31で阻止され、それぞれの手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向内側へ移動させることができない。
このため、それぞれの手掛け部材10の移動はロック手段11で阻止され、施錠手段15によるシャッターカーテン1のガイドレール4に対する施錠は、ロック手段11でロックされることになる。
以上の構造において、手掛け部材連動手段50の構成部材となっているピニオン部材48は、前述したようにロック手段11に内部に収納されており、このピニオン部材48を第1ピニオン部材とした場合、ロック手段11の内部には、ロック手段11の構成部材となっているピニオン部材42が第2ピニオン部材42として収納されていることになる。そして、第1ピニオン部材48は、第2ピニオン部材42の回転中心部材となっている前記ローター41に回転自在に配置されているため、第1ピニオン部材48の回転中心部材は第2ピニオン部材の回転中心部材と兼用化されており、その分だけ手掛け部材連動手段50の構造は簡単化され、また、必要となる部品点数は削減されている。
図13は、手掛け部材10の裏面図であり、図14は、手掛け部材10の平面図である。手掛け部材10は、シャッターカーテン1の幅方向に並設されていて連結部53で連結されている第1部分51と第2部分52からなり、第1部分51は、前記施錠手段15の構成部材である前記係止部材13の配置側であるシャッターカーテン1の幅方向外側の部分であり、第2部分52は、シャッターカーテン1の幅方向内側の部分である。
第1部分51は、シャッターカーテン1の裏面側、すなわち、前記スラット9Aの裏面側に配置され、第2部分52は、厚さの途中部までがシャッターカーテン1の厚さ方向に貫通してスラット9Aに配置されている。したがって、第2部分52には、シャッターカーテン1の正面側に配設されている表面部52Aと、シャッターカーテン1の裏面側に配設されている背面部52Bとがあり、そして、第1部分51は、シャッターカーテン1の裏面側に配設されている手掛け部材10の背面部ともなっている。第2部分52の表面部52Aにはフランジ部54が形成されているとともに、第2部分52の背面部52Bの上下左右には、フランジ部54とシャッターカーテン1を挟んで対向する複数の弾性部55が設けられている。
これらの弾性部55は、図13で示されているように、シャッターカーテン1の幅方向と直交又は略直交するシャッターカーテン1の開閉移動方向の寸法が、シャッターカーテン1の幅方向外側から幅方向内側に向かって次第に大きくなるテーパー形状となっている。そして、図14で示されているとおり、これらの弾性部55とフランジ部54との間には、スラット9Aの厚さ分に相当する隙間Sが設けられている。
シャッターカーテン1の構成部材であるスラット9Aには、手掛け部材10の厚さの途中部までをシャッターカーテン1に貫通配置して、第1部分51全体と第2部分52の背面部52Bをシャッターカーテン1の裏面側に配設するための開口部56が形成されている。シャッターカーテン1の幅方向におけるこの開口部56の長さは、シャッターカーテン1の幅方向における手掛け部材10全体の長さよりも短く、かつシャッターカーテン1の幅方向における第2部分52の背面部52Bの長さよりも、手掛け部材10の移動操作量分に相当する距離Lだけ長い。また、開口部56の上下寸法(シャッターカーテン1の開閉移動方向の寸法)は、第2部分52の背面部52Bの上下寸法よりも大きく、かつ、上記フランジ部54の上下寸法及び弾性部55を含む背面部52Bの上下寸法よりも小さい。
このため、開口部56からの手掛け部材10の抜け出しがフランジ部54と弾性部55とで阻止されているとともに、手掛け部材10は、距離L分だけスラット9Aにシャッターカーテン1の幅方向に往復移動自在に配置されている。
手掛け部材10の第2部分52の表面部52Aには、フランジ部54の内側において、シャッターカーテン1の裏面側へ窪んだ第1手掛け用凹部57が形成され、また、第1部分51には、シャッターカーテン1の正面側へ窪んだ第2手掛け用凹部58が形成されている。
このため、このように手掛け部材10におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の両側部分に設けられている手掛け用凹部57,58により、前記施錠手段15を開錠させるために手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向に上記距離L分だけ移動させる操作と、後述するように施錠手段15を開錠させた後にシャッターカーテン1をガイドレール4に沿って開き移動させる操作とを、シャッターカーテン1の両方の面から行えるようになっている。図2で示したカバー部材16の窓孔16Aによって外部に臨んでいる手掛け部材10の前記一部10Aは、第1部分51に形成されている第2手掛け用凹部58である。
手掛け部材10に前記バー部材32及び前記延設部材34を連結する前に、上述のような形状、大きさとなっている手掛け部材10の厚さの途中部までを開口部56によってシャッターカーテン1のスラット9Aに貫通配置する作業は、次のように行う。
手掛け部材10を水平姿勢又は水平に対して少し傾斜させた姿勢にした後、手掛け部材10の第1部分51をシャッターカーテン1の正面側から開口部56に挿入してシャッターカーテン1の裏面側へ突出させ、この後、第1部分51の姿勢を図13で示されているように鉛直姿勢に変更しながら、第1部分51をシャッターカーテン1の幅方向外側へ向け、そして、手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向内側から幅方向外側へずらし移動させ、このずらし移動により、手掛け部材10の第2部分52の背面部52Bを、図13で示されているように、開口部56の位置に到達させる。
このようにして第2部分52の背面部52Bが開口部56の位置に達したとき、この背面部52Bの上下左右に形成されている弾性部55が開口部56の縁部に当接することになり、弾性部55は手掛け部材10の材料である合成樹脂で形成されていて、この合成樹脂は弾性変形可能であり、また、これらの弾性部55のシャッターカーテン1の幅方向と直交又は略直交する開閉移動方向の寸法が上記ずらし移動方向とは反対側に次第に大きくなるテーパー形状となっているため、このテーパー形状により、弾性部55は開口部56の縁部で弾性圧縮変形することになり、そして、手掛け部材10をシャッターカーテン10の厚さ方向に押すことによって弾性部55の厚さが開口部56に挿入された後は、言い換えると、弾性部55が開口部56を通過して前述した隙間Sにスラット9Aが挿入された後は、弾性部55は弾性復元変形することになる。
これにより、第1部分51を含む手掛け部材10の厚さの途中部までがスラット9Aに形成されている開口部56に貫通配置されたことになり、この貫通配置の作業後、手掛け部材10に形成されている連結部59,60に前記バー部材32及び延設部材34を連結する作業を行う。この連結作業は、本実施形態では、ビス等による止着具で、あるいは金属製のバー部材32及び延設部材34の折り曲げられた一部を連結部59,60に形成された孔に挿入係合することによって行われるようになっている。また、連結部59,60にバー部材32及び延設部材34を連結する作業を行った後、これらのバー部材32及び延設部材34等を覆う図2で示したカバー部材16をロック手段11と前記ベース部材18のブラケット18Aに結合するための作業を行う。
図15は、このようにしてカバー部材16を、ロック手段11とベース部材18を介してシャッターカーテン1のスラット9Aに取り付けたときにおける図4のS15−S15線断面図である。手掛け部材10の上下面には、シャッターカーテン1の開閉移動方向である上下方向へ延出するストッパ部65が形成され、これらのストッパ部65は、図13で示されているとおり、本実施形態では、手掛け部材10の第1部分51に形成されている。また、図15で示されているように、カバー部材16は、前述した窓孔16Aが形成されているウェブ部16Bの上下端部からシャッターカーテン1の厚さ方向に延出した一対のフランジ部16Cを有する断面チャンネル状となっており、これらのフランジ部16Cの内面と手掛け部材10のストッパ部65とが上下方向に対面している。
このため、手掛け部材10がシャッターカーテン1の幅方向に移動操作されたとき等において、ストッパ部65がフランジ部16Cの内面に当接することにより、手掛け部材10が、上下方向に振れるのを防止でき、手操作で行う手掛け部材10の上記移動操作を良好な感覚を感じながら行うことができる。
すなわち、手操作される手掛け部材10の本来の移動方向となっているシャッターカーテン1の幅方向とは異なる方向であるシャッターカーテン1の開閉移動方向へ手掛け部材10が遊動しようとすることは、カバー部材16の上下のフランジ部16Cで抑制されることになり、これにより、手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向へ移動させることができる。このため、カバー部材16の上下のフランジ部16Cは、手掛け部材16がシャッターカーテン1の開閉移動方向へ遊動することを抑制するための抑制部となっており、また、このような抑制部16Cを有しているカバー部材16は、手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向へ案内するための案内部材を兼ねている。
図16は、カバー部材16の取り付け前における図4のS16−S16線断面図である。手掛け部材10とスライド部材33とを連結する連結部材となっている前記延設部材34は、リップ部34A付きのチャンネル材で形成されており、シャッターカーテン1の幅方向であるこの延設部材34の長さ方向の1箇所又は複数個所には、弾性を有する合成樹脂製の緩衝部材66が取り付けられ、この緩衝部材66は、延設部材34と、シャッターカーテン1を形成している前記スラット9Aとの間に配置された中間部材となっている。延設部材34への緩衝部材66への取り付けは、リップ部34Aを緩衝部材66に食い込ませ、かつ緩衝部材66を延設部材34に接着剤で接着することにより行われている。
この緩衝部材66により、シャッターカーテン1が図1で示した巻取軸6の巻き取り、繰り出しで開閉移動したときに、長寸部材となっている延設部材34がシャッターカーテン1の厚さ方向に振れること等によってスラット9Aに延設部材34が接触することを防止することができ、延設部材34がスラット9Aに接触した場合に生ずる異音の発生も防止できる。
また、緩衝部材66は延設部材34に取り付けられているため、手掛け部材10の移動操作によって延設部材34がスラット9Aに対してシャッターカーテン1の幅方向へ移動しても、緩衝部材66は延設部材34と一体に移動することになり、緩衝部材66がスラット9Aに取り付けられた場合と異なり、緩衝部材66が延設部材34の移動範囲から外れることはない。
さらに、本実施形態では、緩衝部材66は延設部材34のリップ部34Aに食い込んでいるため、上記接着剤による接着と併せ、緩衝部材66は延設部材34に強固に取り付けられており、手掛け部材10の移動操作によって延設部材34が移動しても、この延設部材34から外れることはない。
なお、緩衝部材66と同様の中間部材は、前述したバー部材32にも取り付けてもよい。
図17、及び図17のS18−S18線断面図である図18で示しめされている前述の係止部材13は、例えば合金による鋳造品であって、図21で示した被係止部材14に係止する三角舌片状の係止部13Aと、この係止部13Aよりもシャッターカーテン1の幅方向内側に設けられた当接部13Bとを有する。また、図17で示されているとおり、この係止部材13は、図2でも説明したベース部材18に2個形成されているブラケット部18Cの間に架設されたピン70を中心に上下方向へ回動自在となっており、このピン70にはコイルばね71が巻回され、コイルばね71の一端71Aはベース部材18に形成された立上り部18Dに係止され、他端71Bは、係止部材13に形成された穴13Cに挿入されている。このため、係止部材13は、コイルばね71により、図20で示されているように、三角舌片状の係止部13Aの延出方向が水平方向又は略水平方向となる回動位置まで、ピン70を中心に常に弾性付勢されている。
図4で説明したスライド部材33はベース部材18に移動自在に配置されており、また、スライド部材33は、図17で示されているように、係止部材13よりもシャッターカーテン1の幅方向内側において、ベース部材18にこのベース部材18の一部の折り曲げによって上下に2個ずつ形成されたガイド部18Eの間に配置され、これらのガイド部18Eに案内されてスライド部材33はシャッターカーテン1の幅方向に移動自在となっている。また、スライド部材33は、図18で分かるように、板材の折り曲げ品であり、シャッターカーテン1の幅方向外側の第1部分81と幅方向内側の第2部分82とを有する。
第2部分82にはばね引っ掛け部82Aが形成され、このばね引っ掛け部82Aは、ベース部材18に形成されていて第2部分82の長孔82Bからスライド部材33側へ突出しているばね引っ掛け部18Fとシャッターカーテン1の幅方向に対向しており、これらのばね引っ掛け部82Aと18Fとに、引っ張りばねとなっているコイルばね83の両端部が引っ掛けられている。このため、スライド部材33はベース部材18に対してシャッターカーテン1の幅方向外側へ常時弾性的に引っ張られており、これにより、スライド部材33の第1部分81は、図18で示されているように、通常時には係止部材13の上記当接部13Bの下側位置まで達している。
図17で示されているように、スライド部材33の連結部84には、図4で説明した延設部材34におけるシャッターカーテン1の幅方向外側の端部が連結され、この延設部材34におけるシャッターカーテン1の幅方向内側の端部は手掛け部材10に連結されているため、手掛け部材10についてのシャッターカーテン1の幅方向への移動は、延設部材34を介してスライド部材33に伝達されるとともに、コイルばね83のばね力により、手掛け部材10はシャッターカーテン1の幅方向外側の移動限位置の方向へ常時弾性付勢されている。
そして、コイルばね83に抗して手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向内側へ手操作で移動させると、図19で示されているように、スライド部材33も同じ方向へ移動し、手掛け部材10から手を離すと、コイルばね83のばね力により、手掛け部材10はシャッターカーテン1の幅方向外側の移動限位置に戻るとともに、スライド部材33は、図18で示されているように、シャッターカーテン1の幅方向外側の初期位置に戻り、スライド部材33の第1部分81は、係止部材13の当接部13Bの下側位置に達する。このときには、図20で示されているように、三角舌片状の係止部13Aの延出方向が水平方向又は略水平方向となっている係止部材13が上記ピン70を中心に下側へ回動することは、当接部13Bがスライド部材33の第1部分81に当接することによって阻止される。
なお、図18で示されているとおり、スライド部材33の第1部分81における係止部材13の当接部13Bと対面する面81Aは、シャッターカーテン1の幅方向外側へ向かうにしたがってシャッターカーテン1に次第に近づく傾斜面となっており、この面81Aと対面する当接部13Bの面13Dも面81Aと同様の面となっている。このため、スライド部材33の第1部分81が係止部材13の当接部13Bの下側位置に達するスライド部材33のスライド移動、及びスライド部材33の第1部分81が係止部材13の当接部13Bの下側位置から抜け出して係止部材13から離脱するスライド部材33のスライド移動は、円滑に行われるようになっている。
図21には、前記施錠手段15を係止部材13と共に構成している被係止部材14が示されている。この被係止部材14は、シャッターカーテン1の開閉移動を案内するためのガイド部材となっている前記ガイドレール4の内部に取り付けられ、上面14Aは、ガイドレール4の外側から内側へ向かって下り傾斜した傾斜面となっており、下面14Bは、水平面又は略水平面となっている。また、係止部材13の係止部13Aの上面13Eは、水平又は略水平となっており、下面13Fは、被係止部材14の上面14Aと同様に、ガイドレール4の外側から内側へ向かって下り傾斜した傾斜面となっている。
全開位置に達してしていたシャッターカーテン1が下降し、このシャッターカーテン1に配置されている係止部材13の係止部13Aが被係止部材14に上側から当接すると、係止部13Aの傾斜した下面13Fと被係止部材14の傾斜した上面14Aとの作用により、係止部材13は、係止部13Aが図21の2点鎖線13A’の状態となるように、前記コイルばね71に抗してピン70を中心に上向きに回動し、これにより、係止部材13は被係止部材14を通過し、シャッターカーテン1は図1で示されている全閉位置に達する。そして、係止部材13がコイルばね71のばね力によって下向きに戻り回動することにより、係止部13Aは図21の実線で示されている水平状態又は略水平状態に戻り、係止部13Aの上面13Eは被係止部材14の下面14Bと対面する。
この後、シャッターカーテン1を開き移動させるために、シャッターカーテン1に配置されている手掛け部材10に手を掛け、この手によってシャッターカーテン1をそのまま持ち上げても、被係止部材14の下面14Bに係止部13Aの上面13Eが当接する係止部材13は、この係止部材13の当接部13Bがスライド部材33のストッパ部となっている第1部分81に当接するため、下向きに回動できない。このため、このときには、施錠手段15によってシャッターカーテン1はガイドレール4に対する移動が規制されて施錠されていることになり、言い換えると、下側へ閉じ移動したシャッターカーテン1の係止部材13がガイドレール4の被係止部材14を通過すると同時に、シャッターカーテン1は、施錠手段15によって全閉位置に自動的に施錠されることになる。
シャッターカーテン1を全閉位置から開き移動させるためには、シャッターカーテン1に2個配置されている手掛け部材10のうち、少なくとも1個の手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向内側へ移動操作する。これにより、前述したラックアンドピニオン形式の手掛け部材連結手段50によってそれぞれの手掛け部材10はシャッターカーテン1の幅方向内側へ移動するとともに、係止部材13ごとにシャッターカーテン1に配置されているそれぞれのスライド部材33も、延設部材34を介してシャッターカーテン1の幅方向内側へ移動し、スライド部材33の第1部分81は係止部材13の当接部13Bから離脱することになる。この状態を維持したまま、手掛け部材10に掛けた手によってシャッターカーテン1を持ち上げると、被係止部材14の下面14Bに係止部13Aの上面13Eが当接する係止部材13は、係止部13Aが図21で示す2点鎖線13A’’の状態になるまでピン70を中心に下向きに回動し、シャッターカーテン1の上側への開き移動で係止部材13は被係止部材14を通過することになる。
すなわち、このときには、施錠手段15は開錠されており、このため、手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向内側へ移動操作することによってスライド部材33の第1部分81を係止部材13の当接部13Bから離脱させることができる延設部材34と、このスライド部材33とは、施錠手段15を開錠させるための開錠手段90(図4及び図17〜図19参照))を構成している部材になっている。
言い換えると、手操作によって手掛け部材10がシャッターカーテン1の幅方向内側へ移動し、手掛け部材10に連結されている延設部材34もシャッターカーテン1の幅方向内側へ移動すると、施錠手段15は施錠から開錠に切り替えられたことになり、これにより、手掛け部材10に掛けた手によってシャッターカーテン1をそのまま持ち上げることにより、シャッターカーテン1を開き移動させることができる。
この後、被係止部材14を通過した係止部材13は、コイルばね71で図21の実線で示されている水平状態又は略水平状態に戻り、また、手掛け部材10から手を離すと、前述したコイルばね83でそれぞれの手掛け部材10はシャッターカーテン1の幅方向外側の初期位置に戻るとともに、それぞれの延設部材34及びスライド部材33も、図18で示されている初期位置に戻る。
また、シャッターカーテン1が全閉位置に達しているときにおいて、前述したロック手段11の一対のロック部材31を、シャッターカーテン1の表面側からの前記板キーの操作、又はシャッターカーテン1の裏面側からの回転操作部材44の操作により、図8及び図12で示されている前進位置まで突出させておくと、手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向内側へ移動操作させることは、図12で説明したように、ラック部材30の屈曲部30Bがロック部材31のストッパ部31Bに当接することによって行うことができない。このため、シャッターカーテン1をガイドレール4に対して全閉位置に施錠するための施錠手段15をロック手段11でロックすることができる。このロックは、前記板キーの操作又は回転操作部材44の操作により、ロック部材31を図7及び図12で示されている後退位置まで後退させることにより、解除される。
以上説明した本実施形態によると、手操作される手操作部材となっている手掛け部材10から施錠手段15の係止部材13側へ延設されている延設部材34は、前述したカバー16で覆われているため、このカバー部材16によって延設部材34を外力等から保護することができ、また、シャッターカーテン1が前述した巻取軸6で巻き取られたときには、延設部材34にシャッターカーテン1を構成しているスラット9等の部材が当たることをカバー部材16によって防止でき、これにより、延設部材34に損傷、変形等が生ずることを防止できる。また、カバー部材16により、延設部材34とシャッターカーテン1との間に塵埃等の異物が侵入することも防止できるため、シャッターカーテン1に対する延設部材34の円滑な移動も確保することができる。
また、カバー部材16は、シャッターカーテン1の裏面側に突出した手掛け部材10の部分を覆うものとなっているため、手掛け部材10のこの部分を外力等から保護することもでき、また、手掛け部材10の円滑な移動操作を損なう塵埃等の異物がシャッターカーテン1と手掛け部材10との間に侵入することもカバー部材16によって防止できる。
そして、カバー部材16には、手掛け部材10の前述した手掛け用凹部58を外部に臨ませる窓孔16Aが形成されているため、シャッターカーテン1の裏面側において、カバー部材16の外側から窓孔16Aに挿入して手掛け用凹部58に掛けた手により、手掛け部材10を、施錠手段15を開錠させるために、シャッターカーテン1の幅方向内側へ移動させることができ、また、この窓孔16Aにおけるシャッターカーテン1の幅方向の長さは、手掛け用凹部58におけるシャッターカーテン1の幅方向長さよりも長いため、手掛け用凹部58による手掛け部材10の移動操作を所定範囲に渡って行うことができる。
さらに、カバー部材16は、ロック手段11のロック部材31と、延設部材34に連結されたスライド部材33の一部を覆うものとなっているため、これらのロック部材31とスライド部材33を外力等から保護することができ、また、ロック部材31とシャッターカーテン1との間、スライド部材33とシャッターカーテン1との間に塵埃等の異物が侵入することも防止できるため、シャッターカーテン1に対するロック部材31とスライド部材33の円滑な移動を確保することができる。
また、前述したように、手掛け部材10が、本来の移動方向となっているシャッターカーテン1の幅方向とは異なる方向であるシャッターカーテン1の開閉移動方向へ遊動しようとしたときには、カバー部材16は、この遊動を抑制する抑制部となっている上下2個のフランジ部16Cを有しているため、カバー部材16はこの遊動を抑制し、カバー部材16によって手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向へ所定どおり移動させることができ、このため、カバー部材16は、手掛け部材10をシャッターカーテン1の幅方向へ案内するための案内部材ともなっているため、その分だけ装置全体の構造を簡単化することができる。
また、手掛け部材10の上下寸法が、カバー部材16の上下2個のフランジ部16Cの間隔寸法よりも小さくても、手掛け部材10には、これらのフランジ部16Cへの方向である図15で示した上下方向に延びるストッパ部65が設けられているため、これらのストッパ部65により、上記寸法の差を吸収することができる。
なお、このようなストッパ部は、手掛け部材10に向けてフランジ部16Cに設けてもよい。
さらに、前述したように、カバー部材16は、シャッターカーテン1のスラット9Aにロック手段11とベース部材18を介して取り付けられており、ロック手段11とベース部材18は、カバー部材16をスラット7Aに取り付けるための部材を兼ねているため、シャッターカーテン1にカバー部材16を取付配置するための部材点数を削減でき、その分だけ、この取付配置構造の簡単化を達成できる。
図22は、図1で示されていたロック手段11がシャッターカーテン1の幅方向中央位置に配置されず、この幅方向中央位置から一方のガイドレール4側に寄った位置に配置され、左右2個の手掛け部材10の配置位置も、ロック手段10の配置位置に合わせて上記一方のガイドレール4側へ寄った位置に変更されている場合の実施形態を示す。このようにロック手段11と手掛け部材10の配置位置を設定することは、例えば、シャッターカーテン1の裏側に配置される出入口用開口部のための左右に開閉される2個の引き違い式サッシ戸の閉じたときの左右中央位置がシャッターカーテン1の幅方向中央位置と一致又は略一致する位置となっていて、ロック手段11をシャッターカーテン1の幅方向中央位置に配置したのでは、これらのサッシ戸を左右のいずれかに開き移動させても、これらのサッシ戸の左右端部等が邪魔になるため、ロック手段11の前述した回転操作部材44を手で回転操作することが困難になる場合等において行われる。
このようにロック手段11と手掛け部材10の配置位置が一方のガイドレール4側に寄った位置になっている場合には、図4で示されているロック手段11の左右両側に配置され、手掛け部材10に連結されていて開錠手段90を構成する部材となっている2本の延設部材34のうち、上記一方のガイドレール4とは反対側に配置されている延設部材34がシャッターカーテン1の幅方向に長くなった長寸法の部材となり、このため、この長寸法の延設部材34が自重で下方へ撓んでしまい、これにより、手掛け部材10を操作しても、この延設部材34を所定どおりシャッターカーテン1の幅方向へ移動させることが難しくなることが考えられる。
このため、このような不具合を解決するために、この実施形態では、図23で示されているとおり、シャッターカーテン1のスラット9Aには、上記長寸法の延設部材34が施錠手段15を開錠させるために移動する方向とシャッターカーテン1の厚さ方向とに直交又は略直交する方向である上下方向に延設部材34が移動すること、すなわち下側に延設部材34が撓み変形することを規制するための規制部材100が設けられている。シャッターカーテン1の幅方向の寸法が短いこの規制部材100は、板金をハット形状に折り曲げて形成されたバンド部材であり、スラット9Aにリベット等の止着具101で止着されることにより、延設部材34の外側に配置され、この延設部材34が下側に撓み変形することを防止している。
このようにスラット9Aに、このスラット9Aに固定された規制部材100を設ける場合には、図24で示すように、延設部材34等を覆う前述したカバー16を規制部材100に、接着剤、粘着テープ等の結合部材102によって結合してもよい。
これによると、カバー部材16を、規制部材100によってもスラット9Aに固定することができ、延設部材34と同様に長寸法の部材となるカバー部材16が、シャッターカーテン1の開閉移動時等において、振れ運動等することを防止できるようになる。
なお、規制部材100を用いない場合には、カバー部材16と延設部材34との間に、これらのうちの一方に固定され、カバー部材16に対する延設部材34に移動を許容するスポンジやゴム等の緩衝部材を介設し、この緩衝部材により、延設部材34が下側に撓み変形することを防止するようにしてもよい。
また、図3で説明したエンド構造物22の第1エンド部材23における第2エンド部材24とは反対側の面と、図21で示されているカバー部材16のウェブ部16Bの外面とを、シャッターカーテン1の厚さ方向において面一(つらいち)状態又は略面一状態としてもよい。これによると、シャッターカーテン1がガイドレール4に対して上下の開閉移動を行った際、ガイドレール4の内部において、これらの面のうちの一方だけがガイドレール4の内面に接触して摩滅してしまうことを防止でき、また、これらの面によってガイドレール4の内部の密閉性を向上させることができ、さらに、シャッターカーテン1が図1に示されている巻取軸6で巻き取られるときの巻きの安定性を確保することができる。