JP2007247021A - 熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート - Google Patents
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Abstract
【課題】薄肉であっても、ろう付後強度が高く、かつ、耐食性に優れる熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートを提供する。
【解決手段】芯材2と、この芯材2の一面側に配置された外面ろう材3と、この芯材2の他面側に配置された内面ろう材4とを備えた熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート1であって、芯材2は、Mn、SiおよびMgを所定範囲内で含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、外面ろう材3は、SiおよびZnを所定範囲内で含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、内面ろう材4は、SiおよびCuを所定範囲内で含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、外面ろう材3のZn含有量および内面ろう材4のCu含有量がZn≧(7−3Cu)の式を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】芯材2と、この芯材2の一面側に配置された外面ろう材3と、この芯材2の他面側に配置された内面ろう材4とを備えた熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート1であって、芯材2は、Mn、SiおよびMgを所定範囲内で含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、外面ろう材3は、SiおよびZnを所定範囲内で含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、内面ろう材4は、SiおよびCuを所定範囲内で含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、外面ろう材3のZn含有量および内面ろう材4のCu含有量がZn≧(7−3Cu)の式を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車の熱交換器等に使用されるブレージングシートに係り、特に、ろう付後強度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートに関する。
一般に、自動車用のエバポレータやコンデンサ等の熱交換器におけるチューブ材等の材料としては、アルミニウム合金製ブレージングシートが使用されている。
従来より、熱交換器においては、軽量化、小型化の取り組みが継続的になされており、熱交換器に使用されるブレージングシートにおいても、板厚をより薄くすることが目標とされている。
そのため、従来の材料に比べ、より、ろう付後強度が高く、高耐食性を有する材料が必要とされ、芯材の両面にろう材を貼り合わせた3層材での高耐食性およびろう付後強度の高さが強く求められている。
このような背景の中、これまでにも多くの検討がなされており、例えば、特許文献1、2に示すように、ブレージングシートとして、芯材中にCu、MnまたはTi等を添加し、これらの含有量をそれぞれ限定することにより、ろう付後強度や耐食性の向上を図ったアルミニウム合金製クラッド材が開示されている。
従来より、熱交換器においては、軽量化、小型化の取り組みが継続的になされており、熱交換器に使用されるブレージングシートにおいても、板厚をより薄くすることが目標とされている。
そのため、従来の材料に比べ、より、ろう付後強度が高く、高耐食性を有する材料が必要とされ、芯材の両面にろう材を貼り合わせた3層材での高耐食性およびろう付後強度の高さが強く求められている。
このような背景の中、これまでにも多くの検討がなされており、例えば、特許文献1、2に示すように、ブレージングシートとして、芯材中にCu、MnまたはTi等を添加し、これらの含有量をそれぞれ限定することにより、ろう付後強度や耐食性の向上を図ったアルミニウム合金製クラッド材が開示されている。
しかしながら、従来のアルミニウム合金製クラッド材においては、以下に示すような問題があった。
自動車用熱交換器においては、材料の薄肉化が図られているが、軽量化、小型化およびコストダウンのために、さらなる薄肉化の要請が強まっており、この薄肉化を進めるためには、さらなるろう付後強度の高さと高耐食性が必要とされる。
しかしながら、従来の技術においては、ろう付後強度および耐食性のレベルは向上しているものの、未だ薄肉化に対応したろう付後強度の高さおよび高耐食性を得るには至っていない。
自動車用熱交換器においては、材料の薄肉化が図られているが、軽量化、小型化およびコストダウンのために、さらなる薄肉化の要請が強まっており、この薄肉化を進めるためには、さらなるろう付後強度の高さと高耐食性が必要とされる。
しかしながら、従来の技術においては、ろう付後強度および耐食性のレベルは向上しているものの、未だ薄肉化に対応したろう付後強度の高さおよび高耐食性を得るには至っていない。
つまり、従来のクラッド材においては、芯材中にCuおよびMnを添加することで、芯材の電位を貴にし、芯材の両面にクラッドされるろう材や、ろう材にろう付されるフィン材との電位差を大きくすることにより、フィン材の犠牲陽極作用による防食効果を向上させている。
また、芯材中にCuやMnを添加することで、ろう付後強度を向上させている。
しかし、ろう付後強度の向上のため、CuやMnを多く添加することは、耐食性の低下や、成形性の低下をもたらすおそれがあった。
また、Tiの添加は、腐食形態を層状化させるため、板厚方向への腐食の進行を妨げて耐食性を向上させるが、Tiの層状分布による腐食の層状化だけでは、耐食性の向上には不十分であるという問題があった。
また、芯材中にCuやMnを添加することで、ろう付後強度を向上させている。
しかし、ろう付後強度の向上のため、CuやMnを多く添加することは、耐食性の低下や、成形性の低下をもたらすおそれがあった。
また、Tiの添加は、腐食形態を層状化させるため、板厚方向への腐食の進行を妨げて耐食性を向上させるが、Tiの層状分布による腐食の層状化だけでは、耐食性の向上には不十分であるという問題があった。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、薄肉であっても、ろう付後強度が高く、かつ、耐食性に優れる熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートを提供するものである。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートは、芯材と、この芯材の一面側に配置された外面ろう材と、この芯材の他面側に配置された内面ろう材とを備えた熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートであって、前記芯材は、Mn:1.5質量%を超え2.0質量%以下、Si:0.6質量%以上1.5質量%以下、Mg:0.05質量%以上0.30質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、前記外面ろう材は、Si:7.0質量%以上13.0質量%以下、Zn:3.0質量%を超え7.5質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、前記内面ろう材は、Si:7.0質量%以上13.0質量%以下、Cu:0.5質量%以上2.5質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、前記外面ろう材のZn含有量および前記内面ろう材のCu含有量がZn≧(7−3Cu)の式を満たすことを特徴とする。
このような構成によれば、芯材にMn、SiおよびMgを添加することにより、ろう付後の高強度化を図ることができる。また、耐食性の求められる外面側のろう材にZnを添加し、内面側のろう材にCuを添加し、Zn、Cuを特定の添加比率にすることで、ZnとCuの濃度勾配により、電位がブレージングシートの外面から内面方向に貴となる。
請求項2に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートは、前記芯材は、さらに、Cu:0.05質量%以上0.40質量%以下を含有することを特徴とする。
このような構成によれば、芯材にCuを添加することで、さらに、ろう付後の高強度化を図ることができる。
このような構成によれば、芯材にCuを添加することで、さらに、ろう付後の高強度化を図ることができる。
請求項3に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートは、前記芯材は、さらに、Ti:0.10質量%以上0.35質量%以下を含有することを特徴とする。
このような構成によれば、芯材にTiを添加することで、電位が貴であるTiAl系の化合物が層状に分布する。
このような構成によれば、芯材にTiを添加することで、電位が貴であるTiAl系の化合物が層状に分布する。
請求項1に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートによれば、芯材にMn、SiおよびMgを添加して、薄肉化した状態であっても、ブレージングシートのろう付後強度を高くすることができる。また、耐食性の求められる外面側のろう材にZnを添加し、内面側のろう材にCuを添加し、Zn、Cuを特定の添加比率にすることで、外面から内面への電位勾配を制御し、高耐食性を得ることができる。
請求項2に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートによれば、芯材にCuを添加することで、薄肉化した状態であっても、ろう付後強度をさらに向上させることができる。
請求項3に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートによれば、芯材にTiを添加することで、薄肉化した状態であっても、TiAl系の化合物が層状に分布し、このTiAl系の化合物の電位が貴であることにより、腐食形態が層状化するため、耐食性をさらに向上させることができる。
請求項2に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートによれば、芯材にCuを添加することで、薄肉化した状態であっても、ろう付後強度をさらに向上させることができる。
請求項3に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートによれば、芯材にTiを添加することで、薄肉化した状態であっても、TiAl系の化合物が層状に分布し、このTiAl系の化合物の電位が貴であることにより、腐食形態が層状化するため、耐食性をさらに向上させることができる。
次に、図面を参照して本発明に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートについて詳細に説明する。なお、参照する図面において、図1は、本発明に係るアルミニウム合金製ブレージングシートの構成を示す断面図、図2は、アルミニウム合金製ブレージングシートの製造方法のフローを示す図である。
図1に示すように、アルミニウム合金製ブレージングシート1は、芯材2の一面側に外面ろう材3、他面側に内面ろう材4をクラッドした3層材である。
ここで、この3層材であるアルミニウム合金製ブレージングシート1の板厚は、0.1mm以上であることが好ましい。
板厚が0.1mm未満であると、板厚が薄いため、さらに耐食性が必要となり、また、エロージョン等の影響も大きくなり、耐食性の確保が困難となりやすい。
ここで、この3層材であるアルミニウム合金製ブレージングシート1の板厚は、0.1mm以上であることが好ましい。
板厚が0.1mm未満であると、板厚が薄いため、さらに耐食性が必要となり、また、エロージョン等の影響も大きくなり、耐食性の確保が困難となりやすい。
芯材2の厚さは、3層材の板厚の70〜92%の範囲であることが好ましい。
芯材2の厚さが3層材の板厚の70%未満では、ろう付後強度が小さくなりやすく、92%を超えると、芯材2にクラッドするろう材が薄くなり、ろう材に含まれるCu、Znの量も少なくなるため、耐食性が低下しやすい。また、ろう材が薄くなると、熱間圧延における圧着性も低くなり、生産性を阻害しやすい。
芯材2の厚さが3層材の板厚の70%未満では、ろう付後強度が小さくなりやすく、92%を超えると、芯材2にクラッドするろう材が薄くなり、ろう材に含まれるCu、Znの量も少なくなるため、耐食性が低下しやすい。また、ろう材が薄くなると、熱間圧延における圧着性も低くなり、生産性を阻害しやすい。
外面ろう材3および内面ろう材4のそれぞれの厚さは、3層材の板厚の4〜15%の範囲であることが好ましい。
これらのろう材の厚さが3層材の板厚の4%未満では、ろう材に含まれるCu、Zn量が低くなり、十分な耐食性が得られにくく、また、熱間圧延の圧着性も低下し、生産性が悪くなりやすい。また、15%を超えると、十分な強度が得られにくい。
なお、ブレージングシート1を熱交換器に使用した際、外面ろう材3は大気側、内面ろう材4は流体(冷媒等)通路側となる。
これらのろう材の厚さが3層材の板厚の4%未満では、ろう材に含まれるCu、Zn量が低くなり、十分な耐食性が得られにくく、また、熱間圧延の圧着性も低下し、生産性が悪くなりやすい。また、15%を超えると、十分な強度が得られにくい。
なお、ブレージングシート1を熱交換器に使用した際、外面ろう材3は大気側、内面ろう材4は流体(冷媒等)通路側となる。
次に、熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート1を構成する芯材2、外面ろう材3、内面ろう材4における合金成分の含有量の数値限定理由およびろう材のCu、Znの含有量の関係について説明する。
≪芯材≫
芯材2は、Mn:1.5質量%を超え2.0質量%以下、Si:0.6質量%以上1.5質量%以下、Mg:0.05質量%以上0.30質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金である。
また、必要に応じて、Cu:0.05質量%以上0.40質量%以下、Ti:0.10質量%以上0.35質量%以下を含有してもよい。
芯材2は、Mn:1.5質量%を超え2.0質量%以下、Si:0.6質量%以上1.5質量%以下、Mg:0.05質量%以上0.30質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金である。
また、必要に応じて、Cu:0.05質量%以上0.40質量%以下、Ti:0.10質量%以上0.35質量%以下を含有してもよい。
<Mn>
Mnは、ろう付後強度を向上させる効果があり、含有量を多くすることで、ろう付後強度を高めることができる。
Mnの含有量が1.5質量%以下ではろう付後強度を向上させる効果が小さく、2.0質量%を超えると粗大な金属間化合物が形成され、成形性の低下および耐食性の低下を起こしやすい。
したがって、Mnの含有量は、1.5質量%を超え2.0質量%以下とする。
Mnは、ろう付後強度を向上させる効果があり、含有量を多くすることで、ろう付後強度を高めることができる。
Mnの含有量が1.5質量%以下ではろう付後強度を向上させる効果が小さく、2.0質量%を超えると粗大な金属間化合物が形成され、成形性の低下および耐食性の低下を起こしやすい。
したがって、Mnの含有量は、1.5質量%を超え2.0質量%以下とする。
<Si>
Siは、ろう付後強度を向上させる効果があり、特に、MgおよびMnと共存させると、Mg−Si系金属間化合物、Al−Mn−Si系金属間化合物を形成して、ろう付後強度をさらに向上させる。
Siの含有量が0.6質量%未満ではろう付後強化を向上させる効果が小さく、1.5質量%を超えると芯材2の融点低下と低融点相の増加により、芯材2の溶融が生じる。
したがって、Siの含有量は、0.6質量%以上1.5質量%以下とする。
Siは、ろう付後強度を向上させる効果があり、特に、MgおよびMnと共存させると、Mg−Si系金属間化合物、Al−Mn−Si系金属間化合物を形成して、ろう付後強度をさらに向上させる。
Siの含有量が0.6質量%未満ではろう付後強化を向上させる効果が小さく、1.5質量%を超えると芯材2の融点低下と低融点相の増加により、芯材2の溶融が生じる。
したがって、Siの含有量は、0.6質量%以上1.5質量%以下とする。
<Mg>
Mgは、ろう付後強度を向上させる効果があり、他の元素(Mn、Si)に比べ、ろう付後強度の向上効果が大きい。
Mgの含有量が0.05質量%未満では、ろう付後強度を向上させる効果が小さく、0.30質量%を超えると、ろう付性が低下する。ろう付性は、フラックス量の増加等により確保し、ろう付後強度を優先させてMgを添加する。
したがって、Mgの含有量は、0.05質量%以上0.30質量%以下とする。
Mgは、ろう付後強度を向上させる効果があり、他の元素(Mn、Si)に比べ、ろう付後強度の向上効果が大きい。
Mgの含有量が0.05質量%未満では、ろう付後強度を向上させる効果が小さく、0.30質量%を超えると、ろう付性が低下する。ろう付性は、フラックス量の増加等により確保し、ろう付後強度を優先させてMgを添加する。
したがって、Mgの含有量は、0.05質量%以上0.30質量%以下とする。
<Cu>
Cuは、ろう付後強度を向上させる効果があり、また、Cuの添加により電位が貴になり、耐食性向上にも有効である。
Cuの含有量が0.05質量%未満ではろう付後強度を向上させる効果が小さく、0.40質量%を超えると外面における表面でのCu濃度が高くなり、耐食性を低下させる。
したがって、Cuの含有量は、0.05質量%以上0.40質量%以下とするのが好ましい。
Cuは、ろう付後強度を向上させる効果があり、また、Cuの添加により電位が貴になり、耐食性向上にも有効である。
Cuの含有量が0.05質量%未満ではろう付後強度を向上させる効果が小さく、0.40質量%を超えると外面における表面でのCu濃度が高くなり、耐食性を低下させる。
したがって、Cuの含有量は、0.05質量%以上0.40質量%以下とするのが好ましい。
<Ti>
Tiの添加により、TiAl系の化合物が層状に分布し、このTiAl系化合物の電位が貴であるため、腐食形態が層状化する効果がある。
Tiの含有量が0.10質量%未満では、層状化の効果が小さく、0.35質量%を超えると粗大な金属間化合物が形成され、加工性と耐食性が劣化する。
したがって、Tiの含有量は、0.10質量%以上0.35質量%以下とするのが好ましい。
Tiの添加により、TiAl系の化合物が層状に分布し、このTiAl系化合物の電位が貴であるため、腐食形態が層状化する効果がある。
Tiの含有量が0.10質量%未満では、層状化の効果が小さく、0.35質量%を超えると粗大な金属間化合物が形成され、加工性と耐食性が劣化する。
したがって、Tiの含有量は、0.10質量%以上0.35質量%以下とするのが好ましい。
なお、不可避的不純物として、例えば、Fe、Sn、P、Be、B等を0.25質量%以下含有することが考えられるが、本発明の効果を妨げない範囲においてこれらを含有することは許容される。
≪ろう材(外面ろう材および内面ろう材)≫
外面ろう材3は、Si:7.0質量%以上13.0質量%以下、Zn:3.0質量%を超え7.5質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金である。
内面ろう材4は、Si:7.0質量%以上13.0質量%以下、Cu:0.5質量%以上2.5質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金である。
また、芯材2の一面側に配置される外面ろう材3のZn含有量と、他面側に配置される内面ろう材4のCu含有量がZn≧(7−3Cu)の式を満たすことを必要とする。
外面ろう材3は、Si:7.0質量%以上13.0質量%以下、Zn:3.0質量%を超え7.5質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金である。
内面ろう材4は、Si:7.0質量%以上13.0質量%以下、Cu:0.5質量%以上2.5質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金である。
また、芯材2の一面側に配置される外面ろう材3のZn含有量と、他面側に配置される内面ろう材4のCu含有量がZn≧(7−3Cu)の式を満たすことを必要とする。
<Si>
Siは、ろう材としての基本成分である、低融点で、良好な流動性を得るための元素であり、Si含有量は、7.0質量%以上13.0質量%以下である。
Siの含有量が7.0質量%未満では、ろう付温度580〜620℃でのAl−Si液相量が少なく、ろう付性が劣りやすくなり、13.0質量%を超えると、ろう材鋳造時に粗大初晶Siが増大する。そのため、アルミニウム合金製ブレージングシート1にした場合のろう材(外面ろう材3および内面ろう材4)/芯材2界面での過剰溶融を生じ、ろう付後強度、耐食性を劣化させやすい。
したがって、Siの含有量は、7.0質量%以上13.0質量%以下とする。
Siは、ろう材としての基本成分である、低融点で、良好な流動性を得るための元素であり、Si含有量は、7.0質量%以上13.0質量%以下である。
Siの含有量が7.0質量%未満では、ろう付温度580〜620℃でのAl−Si液相量が少なく、ろう付性が劣りやすくなり、13.0質量%を超えると、ろう材鋳造時に粗大初晶Siが増大する。そのため、アルミニウム合金製ブレージングシート1にした場合のろう材(外面ろう材3および内面ろう材4)/芯材2界面での過剰溶融を生じ、ろう付後強度、耐食性を劣化させやすい。
したがって、Siの含有量は、7.0質量%以上13.0質量%以下とする。
<ZnおよびCu>
耐食性をさらに向上させるためには、外面側のろう材へはZnを添加し、内面側のろう材にはCuを添加する。そして、外面ろう材3のZnによる電位卑化、内面ろう材4のCuによる電位貴化により内外面の電位差を生じさせ、外面側の耐食性を高める必要がある。なお、内面側のろう材のCuが芯材に拡散すると、芯材にCuを添加したときと同様にろう付後強度の向上効果もある。
ここで、Zn、Cuの含有量が少なすぎると、十分な効果が得られない。
また、Zn含有量が多すぎる場合は、単板の耐食性は良好であるが、外面にろう付接合されるフィレット部にZnの濃化が発生して、フィレットの耐食性が不十分となる。Cu含有量が多すぎる場合は、単板の耐食性の低下と、ろう付部にCuの濃化が顕著になりフィレット周辺部の耐食性が低下する。また、ろう材の圧延割れにより生産性が低下する。
したがって、Znの含有量は、3.0を超え7.5質量%以下、Cuの含有量は、0.5質量%以上2.5質量%以下とする。
耐食性をさらに向上させるためには、外面側のろう材へはZnを添加し、内面側のろう材にはCuを添加する。そして、外面ろう材3のZnによる電位卑化、内面ろう材4のCuによる電位貴化により内外面の電位差を生じさせ、外面側の耐食性を高める必要がある。なお、内面側のろう材のCuが芯材に拡散すると、芯材にCuを添加したときと同様にろう付後強度の向上効果もある。
ここで、Zn、Cuの含有量が少なすぎると、十分な効果が得られない。
また、Zn含有量が多すぎる場合は、単板の耐食性は良好であるが、外面にろう付接合されるフィレット部にZnの濃化が発生して、フィレットの耐食性が不十分となる。Cu含有量が多すぎる場合は、単板の耐食性の低下と、ろう付部にCuの濃化が顕著になりフィレット周辺部の耐食性が低下する。また、ろう材の圧延割れにより生産性が低下する。
したがって、Znの含有量は、3.0を超え7.5質量%以下、Cuの含有量は、0.5質量%以上2.5質量%以下とする。
それぞれ添加されたZnとCuは、板製造工程での熱間圧延、焼鈍工程およびろう付加熱により、板内部方向に拡散して濃度勾配を形成し、適正な元素添加によりZnとCuの濃度勾配で電位を外面から内面方向に貴とすることができる。
芯材2へは、ろう付後強度の向上のため、Mn、Si、MgやCuが添加されているが、これらを多く添加することは耐食性の低下をもたらす。このため、外面ろう材3へのZnおよび内面ろう材4へのCuの添加に加え、内外面の濃度分布をコントロールし、電位差を十分確保する必要がある。このため、外面ろう材3のZnおよび内面ろう材4のCu含有量は、Zn≧(7−3Cu)の関係式を満たす必要がある。
芯材2へは、ろう付後強度の向上のため、Mn、Si、MgやCuが添加されているが、これらを多く添加することは耐食性の低下をもたらす。このため、外面ろう材3へのZnおよび内面ろう材4へのCuの添加に加え、内外面の濃度分布をコントロールし、電位差を十分確保する必要がある。このため、外面ろう材3のZnおよび内面ろう材4のCu含有量は、Zn≧(7−3Cu)の関係式を満たす必要がある。
この条件を満たすことにより、板厚方向での外面側から内面側へ適切な電位差が設定され、高耐食性を得ることができる。
内面ろう材4のCu含有量が少ない場合には、外面ろう材3のZn含有量を多くする必要がある。内面ろう材4のCu含有量が多い場合には、外面ろう材3のZn含有量が少なくても、十分に外面の耐食性が確保できる。
内面ろう材4のCu含有量が少ない場合には、外面ろう材3のZn含有量を多くする必要がある。内面ろう材4のCu含有量が多い場合には、外面ろう材3のZn含有量が少なくても、十分に外面の耐食性が確保できる。
なお、不可避的不純物として、例えば、Fe、Sn、P、Be、B等を0.25質量%以下含有することが考えられるが、本発明の効果を妨げない範囲においてこれらを含有することは許容される。
次に、図1および図2を参照して、熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートの製造工程の一例について説明する。
まず、芯材用アルミニウム合金、外面ろう材用アルミニウム合金および内面ろう材用アルミニウム合金を連続鋳造により溶解、鋳造し、必要に応じて面削、均質化熱処理して、芯材用鋳塊(芯材2)、外面ろう材用鋳塊、内面ろう材用鋳塊を得る。また、外面ろう材用鋳塊および内面ろう材用鋳塊については、それぞれ所定厚さに熱間圧延または切断して、外面ろう材3、内面ろう材4を得る(S1a、S1b、均質化熱処理は均熱と記載する)。
ついで、芯材2、外面ろう材3および内面ろう材4を所定のクラッド率になるように重ね合わせ(S2)、400℃以上の温度で加熱後、熱間圧延(S3)により圧着し板材とする。その後、粗鈍(S4)、冷間圧延(S5)、中間焼鈍(S6)、冷間圧延(S7)を行うことにより所定の板厚とする。
なお、粗鈍工程は、元素の拡散を促進させる場合には実施してもよい。また、中間焼鈍は、350〜450℃、3時間以上が好ましく、最終の冷間加工率は30〜60%となるようにすることが好ましい。また、最終の板厚とした後、成形性等を考慮して仕上げ焼鈍をほどこしてもよい(S8)。仕上げ焼鈍を行うと、材料が軟化し、伸びが向上するため、加工性を確保できる。
まず、芯材用アルミニウム合金、外面ろう材用アルミニウム合金および内面ろう材用アルミニウム合金を連続鋳造により溶解、鋳造し、必要に応じて面削、均質化熱処理して、芯材用鋳塊(芯材2)、外面ろう材用鋳塊、内面ろう材用鋳塊を得る。また、外面ろう材用鋳塊および内面ろう材用鋳塊については、それぞれ所定厚さに熱間圧延または切断して、外面ろう材3、内面ろう材4を得る(S1a、S1b、均質化熱処理は均熱と記載する)。
ついで、芯材2、外面ろう材3および内面ろう材4を所定のクラッド率になるように重ね合わせ(S2)、400℃以上の温度で加熱後、熱間圧延(S3)により圧着し板材とする。その後、粗鈍(S4)、冷間圧延(S5)、中間焼鈍(S6)、冷間圧延(S7)を行うことにより所定の板厚とする。
なお、粗鈍工程は、元素の拡散を促進させる場合には実施してもよい。また、中間焼鈍は、350〜450℃、3時間以上が好ましく、最終の冷間加工率は30〜60%となるようにすることが好ましい。また、最終の板厚とした後、成形性等を考慮して仕上げ焼鈍をほどこしてもよい(S8)。仕上げ焼鈍を行うと、材料が軟化し、伸びが向上するため、加工性を確保できる。
次に、本発明に係る熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートについて、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを比較して具体的に説明する。
<供試材作製法>
表1〜3の組成を有する芯材、外面ろう材および内面ろう材を作製し、熱間圧延にて外面ろう材および内面ろう材の厚さをそれぞれ板厚全体の8%(計16%)でクラッドし、冷間圧延にて板厚0.4mmとした。その後、400℃×5時間の中間焼鈍を行い、さらに冷間圧延を行うことで、板厚0.25mmとし、最後に仕上げ焼鈍を300℃×3時間実施した。
次に、得られた板の表面に市販の非腐食性フラックスを塗布量が5g/m2となるように塗布し、治具につり下げて、酸素濃度が200ppm以下の雰囲気において595℃の温度に2分間保持することにより、ろう付加熱を行い、ろう付熱処理材を作製した。その後、ろう付熱処理材を切り出してサンプルを作製し、腐食試験およびろう付後強度の測定に供した。
なお、表1〜表3において、添加量の単位は質量%である。また、表1の各欄における(−)は、該当する成分を含有していないことを示している。
<供試材作製法>
表1〜3の組成を有する芯材、外面ろう材および内面ろう材を作製し、熱間圧延にて外面ろう材および内面ろう材の厚さをそれぞれ板厚全体の8%(計16%)でクラッドし、冷間圧延にて板厚0.4mmとした。その後、400℃×5時間の中間焼鈍を行い、さらに冷間圧延を行うことで、板厚0.25mmとし、最後に仕上げ焼鈍を300℃×3時間実施した。
次に、得られた板の表面に市販の非腐食性フラックスを塗布量が5g/m2となるように塗布し、治具につり下げて、酸素濃度が200ppm以下の雰囲気において595℃の温度に2分間保持することにより、ろう付加熱を行い、ろう付熱処理材を作製した。その後、ろう付熱処理材を切り出してサンプルを作製し、腐食試験およびろう付後強度の測定に供した。
なお、表1〜表3において、添加量の単位は質量%である。また、表1の各欄における(−)は、該当する成分を含有していないことを示している。
<試験方法>
(腐食試験)
腐食試験は、ろう付熱処理材から幅50mm×長さ60mmのサンプルを切り出し、外面側が試験面となるように裏面および端面をシールテープによりシールして、CASS試験(塩水噴霧試験:JIS Z 2371)を1000時間実施した。試験後の腐食深さを測定し、表4に示す。
材料の耐食性評価の判断基準は、腐食深さが130μm以下のものを合格値とした。
(腐食試験)
腐食試験は、ろう付熱処理材から幅50mm×長さ60mmのサンプルを切り出し、外面側が試験面となるように裏面および端面をシールテープによりシールして、CASS試験(塩水噴霧試験:JIS Z 2371)を1000時間実施した。試験後の腐食深さを測定し、表4に示す。
材料の耐食性評価の判断基準は、腐食深さが130μm以下のものを合格値とした。
(ろう付後強度の測定)
ろう付後強度の測定に関しては、ろう付熱処理材から、JIS5号試験片を切り出した後に引張試験を行い、引張強さの測定を行った。試験結果を表4に示す。
材料の引張強さの判断基準は、190MPa以上のものを合格値とした。
なお、表4において、加工性が悪く、良好な板が得られなかったものは(−)で示し、請求項の発明の構成を満たさないものについては、数値に下線を引いて示す。
ろう付後強度の測定に関しては、ろう付熱処理材から、JIS5号試験片を切り出した後に引張試験を行い、引張強さの測定を行った。試験結果を表4に示す。
材料の引張強さの判断基準は、190MPa以上のものを合格値とした。
なお、表4において、加工性が悪く、良好な板が得られなかったものは(−)で示し、請求項の発明の構成を満たさないものについては、数値に下線を引いて示す。
表4に示すように、供試材No.1〜15は、本発明の要件を満たしているので、高いろう付後強度と高耐食性を得ることができた。
一方、供試材No.16〜29は、本発明の要件のうちのいずれかを満たしていないので、No.16〜22、24〜28については、ろう付後強度、耐食性のいずれかまたは両方について好ましくない結果が得られた。No.23については、ろう付後強度、耐食性は良好であったが、ろう付性に劣っていた。No.29については、ろう付後強度、単板の耐食性は良好であったが、フィレットの耐食性に劣っていた。
一方、供試材No.16〜29は、本発明の要件のうちのいずれかを満たしていないので、No.16〜22、24〜28については、ろう付後強度、耐食性のいずれかまたは両方について好ましくない結果が得られた。No.23については、ろう付後強度、耐食性は良好であったが、ろう付性に劣っていた。No.29については、ろう付後強度、単板の耐食性は良好であったが、フィレットの耐食性に劣っていた。
以下に、比較例の試験結果について説明する。
No.16は芯材(C10)のSiの濃度が下限未満のもの、No.17は芯材(C11)のSiの濃度が上限を超えるもの、No.18は芯材(C12)のCuの濃度が上限を超えるもの、No.19は芯材(C13)のTiの濃度が上限を超えるもの、No.20は芯材(C14)のMnの濃度が下限未満のもの、No.21は芯材(C15)のMnの濃度が上限を超えるもの、No.22は芯材(C16)のMgの濃度が下限未満のもの、No.23は芯材(C17)のMgの濃度が上限を超えるものである。
No.24は、Zn≧(7−3Cu)の条件を満たさないもの、No.25は、内面ろう材(I6)のCuの濃度が下限未満かつZn≧(7−3Cu)の条件を満たさないもの、No.26は、内面ろう材(I7)のCuの濃度が上限を超えるもの、No.27は、Zn≧(7−3Cu)の条件を満たさないもの、No.28は、外面ろう材(F5)のZnの濃度が下限未満かつZn≧(7−3Cu)の条件を満たさないもの、No.29は、外面ろう材(F6)のZnの濃度が上限を超えるものである。
No.16は芯材(C10)のSiの濃度が下限未満のもの、No.17は芯材(C11)のSiの濃度が上限を超えるもの、No.18は芯材(C12)のCuの濃度が上限を超えるもの、No.19は芯材(C13)のTiの濃度が上限を超えるもの、No.20は芯材(C14)のMnの濃度が下限未満のもの、No.21は芯材(C15)のMnの濃度が上限を超えるもの、No.22は芯材(C16)のMgの濃度が下限未満のもの、No.23は芯材(C17)のMgの濃度が上限を超えるものである。
No.24は、Zn≧(7−3Cu)の条件を満たさないもの、No.25は、内面ろう材(I6)のCuの濃度が下限未満かつZn≧(7−3Cu)の条件を満たさないもの、No.26は、内面ろう材(I7)のCuの濃度が上限を超えるもの、No.27は、Zn≧(7−3Cu)の条件を満たさないもの、No.28は、外面ろう材(F5)のZnの濃度が下限未満かつZn≧(7−3Cu)の条件を満たさないもの、No.29は、外面ろう材(F6)のZnの濃度が上限を超えるものである。
No.16は、芯材のSiの濃度が低いため、ろう付後強度が低かった。
No.17は、芯材のSiの濃度が高いため、ろう付時に芯材が溶融し、良好な板が得られなかった。
No.18は、芯材のCuの濃度が高いため、外面における表面でのCu濃度が高くなり、耐食性が低下した。
No.19は、芯材のTiの濃度が高いため、粗大なTi系化合物の形成により加工性が悪く、良好な板が得られなかった。
No.20は、芯材のMnの濃度が低いため、ろう付後強度が低かった。
No.21は、芯材のMnの濃度が高いため、粗大なMn系化合物の形成により加工性が悪く、良好な板が得られなかった。
No.22は、芯材のMgの濃度が低いため、ろう付後強度が低かった。
No.23は、Mgの濃度が多く十分な強度が得られるが、ろう付性に劣っていた。
No.24は、外面ろう材のZnおよび内面ろう材のCuの濃度の関係が本発明を満たさないため、耐食性が低かった。
No.25は、内面ろう材のCuの濃度が低く、また、外面ろう材のZnおよび内面ろう材のCuの濃度の関係が本発明を満たさないため、ろう付後強度および耐食性が低かった。
No.26は、内面ろう材のCuの濃度が高いため、耐食性が低かった。
No.27は、外面ろう材のZnおよび内面ろう材のCuの濃度の関係が本発明を満たさないため、耐食性が低かった。
No.28は、外面ろう材のZnの濃度が低く、また、外面ろう材のZnおよび内面ろう材のCuの濃度の関係が本発明を満たさないため、耐食性が低かった。
No.29は、外面ろう材のZnの濃度が高いため、単板の耐食性は良好であるがフィレットの耐食性が不十分であった。
No.17は、芯材のSiの濃度が高いため、ろう付時に芯材が溶融し、良好な板が得られなかった。
No.18は、芯材のCuの濃度が高いため、外面における表面でのCu濃度が高くなり、耐食性が低下した。
No.19は、芯材のTiの濃度が高いため、粗大なTi系化合物の形成により加工性が悪く、良好な板が得られなかった。
No.20は、芯材のMnの濃度が低いため、ろう付後強度が低かった。
No.21は、芯材のMnの濃度が高いため、粗大なMn系化合物の形成により加工性が悪く、良好な板が得られなかった。
No.22は、芯材のMgの濃度が低いため、ろう付後強度が低かった。
No.23は、Mgの濃度が多く十分な強度が得られるが、ろう付性に劣っていた。
No.24は、外面ろう材のZnおよび内面ろう材のCuの濃度の関係が本発明を満たさないため、耐食性が低かった。
No.25は、内面ろう材のCuの濃度が低く、また、外面ろう材のZnおよび内面ろう材のCuの濃度の関係が本発明を満たさないため、ろう付後強度および耐食性が低かった。
No.26は、内面ろう材のCuの濃度が高いため、耐食性が低かった。
No.27は、外面ろう材のZnおよび内面ろう材のCuの濃度の関係が本発明を満たさないため、耐食性が低かった。
No.28は、外面ろう材のZnの濃度が低く、また、外面ろう材のZnおよび内面ろう材のCuの濃度の関係が本発明を満たさないため、耐食性が低かった。
No.29は、外面ろう材のZnの濃度が高いため、単板の耐食性は良好であるがフィレットの耐食性が不十分であった。
1 アルミニウム合金製ブレージングシート
2 芯材
3 外面ろう材
4 内面ろう材
S1a 芯材鋳造工程
S1b ろう材(外面ろう材、内面ろう材)鋳造工程
S2 重ね合わせ工程
S3 熱間圧延工程
S4 粗鈍工程
S5、S7 冷間圧延工程
S6 中間焼鈍工程
S8 仕上げ焼鈍工程
2 芯材
3 外面ろう材
4 内面ろう材
S1a 芯材鋳造工程
S1b ろう材(外面ろう材、内面ろう材)鋳造工程
S2 重ね合わせ工程
S3 熱間圧延工程
S4 粗鈍工程
S5、S7 冷間圧延工程
S6 中間焼鈍工程
S8 仕上げ焼鈍工程
Claims (3)
- 芯材と、この芯材の一面側に配置された外面ろう材と、この芯材の他面側に配置された内面ろう材とを備えた熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシートであって、
前記芯材は、Mn:1.5質量%を超え2.0質量%以下、Si:0.6質量%以上1.5質量%以下、Mg:0.05質量%以上0.30質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、
前記外面ろう材は、Si:7.0質量%以上13.0質量%以下、Zn:3.0質量%を超え7.5質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、
前記内面ろう材は、Si:7.0質量%以上13.0質量%以下、Cu:0.5質量%以上2.5質量%以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなり、
前記外面ろう材のZn含有量および前記内面ろう材のCu含有量がZn≧(7−3Cu)の式を満たすことを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート。 - 前記芯材は、さらに、Cu:0.05質量%以上0.40質量%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート。
- 前記芯材は、さらに、Ti:0.10質量%以上0.35質量%以下を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート。
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JP2006074908A JP2007247021A (ja) | 2006-03-17 | 2006-03-17 | 熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009127121A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Kobe Steel Ltd | 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート |
WO2014077237A1 (ja) | 2012-11-13 | 2014-05-22 | 株式会社デンソー | アルミニウム合金クラッド材および該クラッド材を成形したチューブを組み付けた熱交換器 |
WO2014115651A1 (ja) | 2013-01-23 | 2014-07-31 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金クラッド材および該クラッド材を成形したチューブを組み付けた熱交換器 |
-
2006
- 2006-03-17 JP JP2006074908A patent/JP2007247021A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009127121A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Kobe Steel Ltd | 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート |
WO2014077237A1 (ja) | 2012-11-13 | 2014-05-22 | 株式会社デンソー | アルミニウム合金クラッド材および該クラッド材を成形したチューブを組み付けた熱交換器 |
US10094629B2 (en) | 2012-11-13 | 2018-10-09 | Denso Corporation | Aluminum alloy clad material and heat exchanger that includes tube obtained by forming the clad material |
WO2014115651A1 (ja) | 2013-01-23 | 2014-07-31 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金クラッド材および該クラッド材を成形したチューブを組み付けた熱交換器 |
EP3330392A1 (en) | 2013-01-23 | 2018-06-06 | UACJ Corporation | Aluminum alloy clad material |
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