JP2007246636A - エポキシ樹脂、その製造方法及びこれを含むエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂、その製造方法及びこれを含むエポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 基本的な要求事項である機械的強度及び耐熱性を維持しつつ、良好な成形性を示すとともに、銅との密着性に優れた硬化成形物を得ることができるエポキシ樹脂、その製造方法及びこれを含むエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 特定の硫黄化合物を樹脂骨格に含むことを特徴とするエポキシ樹脂であり、フェノール性水酸基を有する化合物(a)と、特定の含硫黄化合物(b)と、アルデヒド基を有する化合物、キシリレン基を有する化合物、及び、ジメチレンビフェニル基を有する化合物の中から選ばれる化合物(c)とを反応させてエポキシ樹脂前駆体を得る工程(A)、及び前記工程(A)で得られたエポキシ樹脂前駆体と、エピハロヒドリンとを反応させてエポキシ樹脂を得る工程(B)を、有することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法であり、前記エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、及び充填材を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂、その製造方法及びこれを含むエポキシ組成物に関するものである。
エポキシ樹脂はその硬化成形物の優れた電気的特性、耐熱性、接着性等により、半導体パッケージ材料等の電気、電子部品の分野で広く用いられている。しかし近年電気、電子部品分野の発展に伴い、半導体パッケージ材料にはよりいっそうの耐熱性が求められている。特に近年、環境対応のため材料の鉛フリー化が要求されているが、鉛フリーの半田はその溶融温度が高いために、半田処理に必要な温度が従来の鉛含有半田よりも高くなり、半導体パッケージを回路基板に搭載する際のソルダーリフロー工程において、エポキシ樹脂成形品が吸湿した水分の急激な気化膨張に伴うポップコーン現象と呼ばれるクラックがパッケージに発生しやすくなってきている。このためエポキシ樹脂には吸湿性が低く、耐熱性に優れる材料が求められてきた。
このような背景から、耐熱性を向上するために、各種ビスフェノール型エポキシ樹脂の使用(例えば、特許文献1参照)、含ハロゲンエポキシ樹脂の使用(例えば、特許文献2参照)、ビフェニル構造を含むエポキシ樹脂(例えば、特許文献3参照)等が検討されている。しかしながら、これらはいずれも成形性、耐熱性が依然として不十分であり、その用途によっては充分満足できるものではなかった。
また近年、半導体装置の熱放散を効率良く行うため、リードフレーム材料として銅が用いられる傾向にあり、銅との密着性のよい硬化成形物を得ることができる樹脂材料が要求されている。
特開平05−140138号公報 特開平02−233672号公報 特開2002−187933号公報
本発明は、基本的な要求事項である機械的強度及び耐熱性を維持しつつ、良好な成形性を示すとともに、銅との密着性に優れた硬化成形物を得ることができるエポキシ樹脂、その製造方法及びこれを含むエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
このような目的は、以下の本発明(1)〜(5)により達成される。
(1)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を分子内に有することを特徴とするエポキシ樹脂。
Figure 2007246636
(一般式(I)中、Xは一般式(II)または(III)で表される構造を有する化合物、Yは少なくとも1つのメチレン基または少なくとも1つのメチン基を有する基を示す。)
Figure 2007246636
(式中、R1は水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基のいずれかで、aは1〜2、bは1〜3、かつ(a+b)は2〜4の整数である。bが2〜3であるとき、R1は同じであっても異なっていてもよい。)
Figure 2007246636
(式中、R2は水素または炭素数1〜4のアルキル基で、cは1〜2、dは1〜3の整数である。dが2〜3であるとき、R2は同じであっても異なっていてもよい。)
(2)前記一般式(I)において、Yが、下記一般式(IV)、(V)、及び、(VI)から選ばれるものである(1)に記載のエポキシ樹脂。
Figure 2007246636
(3)前記エポキシ樹脂の分子量は500〜5000である、(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂。
(4)1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法であって、
フェノール性水酸基を有する化合物(a)と、下記一般式(VII)で表される含硫黄化合物(b)と、アルデヒド基を有する化合物、キシリレン基を有する化合物、及び、ジメチレンビフェニル基を有する化合物の中から選ばれる化合物(c)とを反応させてエポキシ樹脂前駆体を得る工程(A)、及び
前記工程(A)で得られたエポキシ樹脂前駆体と、エピハロヒドリンとを反応させてエポキシ樹脂を得る工程(B)、
を有することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
Figure 2007246636
(5)(1)ないし(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、及び充填材を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
本発明によれば、基本的な要求事項である機械的強度及び耐熱性を維持しつつ、良好な成形性を示すとともに、銅との密着性に優れた硬化成形物を得ることができるエポキシ樹脂、その製造方法及びこれを含むエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明のエポキシ樹脂、その製造方法及びこれを含むエポキシ樹脂組成物について説明する。
まず、本発明のエポキシ樹脂について説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を分子内に有することを特徴とする。
Figure 2007246636
(一般式(I)中、Xは下記一般式(II)または(III)で表される構造を有する化合物、Yは少なくとも1つのメチレン基または少なくとも1つのメチン基を有する基を示す。)
Figure 2007246636
(式中、R1は水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基のいずれかで、aは1〜2、bは1〜3、かつ(a+b)は2〜4の整数である。bが2〜3であるとき、R1は同じであっても異なっていてもよい。)
Figure 2007246636
(式中、R2は水素または炭素数1〜4のアルキル基で、cは1〜2、dは1〜3の整数である。dが2〜3であるとき、R2は同じであっても異なっていてもよい。)
一般式(I)で表されるエポキシ樹脂は、具体的には、下記一般式(VII)で表される含硫黄化合物とフェノール性水酸基を有する化合物とが、少なくとも1つのメチレン基または少なくとも1つのメチン基を有する基を介して結合し、このフェノール性水酸基がエポキシ化された構造を有するものである。
Figure 2007246636
上記一般式(I)中、Xで表される化合物は上記一般式(II)、または(III)で表される構造を有する。
上記一般式(II)はベンゼン環を1つ有するフェノール類のエポキシ化物であり、そのフェノール類としては、例えば、フェノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等の無置換フェノール類、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、2、3−キシレノール、2、4−キシレノール、2、5−キシレノール、2、6−キシレノール、3、4−キシレノール、3、5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2、3、6−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、イソブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール類、メトキシフェノール、エトキシフェノール等のアルコキシフェノール類、あるいは、シクロヘキシルフェノール等のシクロアルキルフェノール類、あるいは、フェニルフェノール、ベンジルフェノール等の芳香族置換フェノール類が挙げられる。
これらのフェノール類の中でも、フェノールが好ましい。フェノールは、メチレン基またはメチン基を反応後に結合基として発現する化合物との反応性に優れ、また低コストであり経済的にも有利である。
上記一般式(III)はナフタレン環を1つ有するナフトール類のエポキシ化物であり、そのナフトール類としては、例えば、1−ナフトール、2−ナフトールのようなナフトール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンのようなジヒドロキシナフタレン、メチルナフトール、ジメチルナフトール等のアルキルナフトール類が挙げられる。
これらのナフトール類の中でもナフトールが好ましい。ナフトールは、メチレン基またはメチン基を反応後に結合基として発現する化合物との反応性に優れ、また低コストであり経済的にも有利である。
上記一般式(I)においてYで表される、少なくとも1つのメチレン基、または、少なくとも1つのメチン基を有する基とは、アルデヒド基を有する化合物、またはキシリレン基を有する化合物、及び/または、ジメチレンビフェニル基を有する化合物から選ばれる化合物が、Xで表される少なくとも一つのグリシジル基を有する化合物、及び一般式(VII)で表される含硫黄化合物と結合して生成した構造を示すものである。
アルデヒド基を有する化合物としては例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、1−ナフチルアルデヒド、2−ナフチルアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの化合物の中でも、フェノール類との反応性が優れ、工業的に大量生産され安価であるホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましい。
キシリレン基を有する化合物としては例えば、パラキシリレングリコールジメチルエーテル、パラキシリレングリコール、メタキシリレングリコールジメチルエーテル、メタキシリレングリコール、オルソキシリレングリコールジメチルエーテル、オルソキシリレングリコール、2,6−ジメチルパラキシリレングリコールジメチルエーテル、2,6−ジメチルパラキシリレングリコール、テトラメチルパラキシリレングリコールジメチルエーテル、テトラメチルパラキシリレングリコール、テトラメチルオルソキシリレングリコールジメチルエーテル、テトラメチルオルソキシリレングリコール、テトラメチルメタキシリレングリコールジメチルエーテル、テトラメチルメタキシリレングリコール等のグリコール類、
また、1,4−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、1,4−ジ(フルオロメチル)ベンゼン、1,2−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,2−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、1,2−ジ(フルオロメチル)ベンゼン、1,3−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、1,3−ジ(フルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジ(クロロメチル)−2,6−ジメチルンゼン、1,4−ジ(ブロモメチル)−2,6−ジメチルベンゼン、1,4−ジ(フルオロメチル)−2,6−ジメチルベンゼン、1,4−ジ(クロロメチル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、1,4−ジ(ブロモメチル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、1,4−ジ(フルオロメチル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、1,2−ジ(クロロメチル)−3,4,5,6−テトラメチルベンゼン、1,2−ジ(ブロモメチル)−3,4,5,6−テトラメチルベンゼン、1,2−ジ(フルオロメチル)−3,4,5,6−テトラメチルベンゼン、1,3−ジ(クロロメチル)−2,4,5,6−テトラメチルベンゼン、1,3−ジ(ブロモメチル)−2,4,5,6−テトラメチルベンゼン、1,3−ジ(フルオロメチル)−2,4,5,6−テトラメチルベンゼン等のハロゲノメチル化合物類、等が挙げられる。これらの中でも、フェノール類との反応性、エポキシ樹脂組成物とした場合の低吸湿性に優れ,経済的にも有利なパラキシリレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジ(クロロメチル)ベンゼンを用いることが好ましい。
ジメチレンビフェニル基を有する化合物としては例えば、4,4’−ジ(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ジ(クロロメチル)ビフェニル、4,4’−ジ(ブロモメチル)ビフェニル、4,4’−ジ(フルオロメチル)ビフェニル、3,4’−ジ(メトキシメチル)ビフェニル、3,4’−ジ(クロロメチル)ビフェニル、3,4’−ジ(ブロモメチル)ビフェニル、3,4’−ジ(フルオロメチル)ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ(メトキシメチル)ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ(クロロメチル)ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ(ブロモメチル)ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ(フルオロメチル)ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジ(メトキシメチル)ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジ(クロロメチル)ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジ(ブロモメチル)ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジ(フルオロメチル)ビフェニル等が挙げられる。
これらの中でも、フェノール類との反応性、エポキシ樹脂組成物とした場合の低吸湿性に優れる、4,4’−ジ(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ジ(クロロメチル)ビフェニルを用いることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂の分子量は、500〜5000であることが好ましい。さらに好ましくは1000〜3000である。分子量が上記範囲のエポキシ樹脂を配合することにより、エポキシ樹脂組成物の硬化性、成形性を向上させることができる。
なお、上記分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により測定した重量平均分子量であり、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算した。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒とし、流量1.0ml/min、カラム温度40℃の条件で示差屈折計を検出器として用いて実施した。装置は、
1)本体:TOSOH社製・「HLC−8020」
2)検出器:波長280nmにセットしたTOSOH社製・「UV−8011」
3)分析用カラム:昭和電工社製・「SHODEX KF−802、KF−803、KF−805」
をそれぞれ使用した。
次に、本発明のエポキシ樹脂の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)について説明する。
本発明の製造方法は、フェノール性水酸基を有する化合物(a)と、一般式(VII)で表される含硫黄化合物(b)と、アルデヒド基を有する化合物、キシリレン基を有する化合物、及び、ジメチレンビフェニル基を有する化合物の中から選ばれる化合物(c)とを反応させてエポキシ樹脂前駆体を得る工程(A)、及び
前記工程(A)で得られたエポキシ樹脂前駆体と、エピハロヒドリンとを反応させてエポキシ樹脂を得る工程(B)、
を有することを特徴とする。
まず、本発明の製造方法における(A)工程について具体的に説明する。
上記フェノール性水酸基を有する化合物(a)と、一般式(VII)で表される含硫黄化合物(b)とのモル比は、(b)/(a)=0.1〜1.0となるようにすることが好ましい。更に好ましくは0.3〜0.5である。こうすることで、機械的強度及び耐熱性を維持しつつ、銅との密着性に優れたエポキシ樹脂を得ることができる。
また、アルデヒド基を有する化合物、キシリレン基を有する化合物、及び、ジメチレンビフェニル基を有する化合物の中から選ばれる化合物(c)と、フェノール性水酸基を有する化合物(a)及び一般式(VII)で表される含硫黄化合物(b)を合計したものとのモル比は、(c)/(a)+(b)=0.1〜0.8となるようにすることが好ましい。更に好ましくは0.2〜0.5である。こうすることで、機械的強度及び耐熱性を維持しつつ、成形性に優れたエポキシ樹脂を得ることができる。
これらの各成分を反応させる順序は特に限定されず、逐次行ってもよいし一括して行うこともできる。本発明のエポキシ樹脂の前駆体となる樹脂を効率よく得るためには、一括反応で行うことが好ましい。
反応時に使用される酸触媒としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸、蓚酸等の有機酸や、硫酸、ジエチル硫酸、塩酸等の無機酸が挙げられる。
これらの酸触媒は単独または2種以上を組み合わせて使用しても良い。これらの酸触媒の中で、アルデヒド基を有する化合物を反応させる場合は例えば、蓚酸、キシリレン基を有する化合物等が好ましく、また、ジメチレンビフェニル基を有する化合物を反応させる場合は、例えば、パラトルエンスルホン酸、ジエチル硫酸等を用いることが好ましい。
上記反応は、溶媒を使用せずに行うこともできるが、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、反応に不活性な種々の有機溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。反応温度、時間は反応成分の種類に応じて選択できるが、各々100〜200℃、1〜10時間程度である。反応終了後、未反応モノマーを減圧蒸留等により適宜除去することが好ましい。また必要により不純物を水洗等により除去してもよい。
次に、本発明の製造方法における工程(B)について具体的に説明する。
上記工程(B)においては、前記工程(A)で得られたエポキシ樹脂前駆体と、エピハロヒドリンとを反応させてエポキシ樹脂を得ることを特徴とする。ここで使用されるエピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン等があるが、この中でも工業的に大量生産され、入手しやすく安価なエピクロルヒドリンが好ましい。
上記エピハロヒドリンの含有量は、前駆体となる樹脂中のフェノール性水酸基1モルに対して1〜20モルが好ましく、更に好ましくは2〜10モルである。エピハロヒドリンの含有量を上記範囲とすることで、エポキシ化されない水酸基が残存することなく、未反応のエピハロヒドリンの量を少なくすることができる。
上記反応に使用される触媒は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の固体、またはこれらアルカリ金属水酸化物の水溶液等が挙げられる。これらの中でもエポキシ化反応を効果的に促進させ、かつ反応後に発生する塩がNaClとなり処理が容易な水酸化ナトリウム、またはその水溶液を使用することが好ましい。触媒の使用量は前駆体となる樹脂のフェノール性水酸基1モルに対して0.5〜1.5モルが好ましく、更に好ましくは0.8〜1.2モルである。触媒の使用量を上記範囲とすることで、十分なエポキシ化反応が得られると共に、用いる触媒量を経済的なレベルに抑えることができる。
上記反応は溶媒中で行うことが好ましく、溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの中でも反応の進みやすさ、生成エポキシ樹脂中の加水分解性塩素量の低減に効果のある非プロトン性極性溶媒のジメチルスルホキシドが好ましい。
溶媒の使用量は前駆体となる樹脂全体に対して、20〜150重量%が好ましく、更に好ましくは40〜100重量%の範囲である。溶媒の使用量を上記範囲とすることで、樹脂の溶解時間を短時間とすることができると共に、用いる溶媒量を経済的なレベルに抑えることができる。
上記反応条件としては特に限定されないが、例えば次のような条件が挙げられる。前駆体となる樹脂を溶媒に溶解させ、エピハロヒドリンを添加し、20〜50℃で水酸化ナトリウムを添加し、50〜80℃で1〜10時間反応させた後、大過剰の水で水洗し、副生塩、過剰の水酸化ナトリウムを除去し、減圧下で溶媒、過剰のエピハロヒドリンを蒸留除去する。
以上のようにして本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
次に、本発明のエポキシ樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)について説明する。
本発明の組成物は、本発明のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、及び充填材を含有することを特徴とする。
本発明の組成物に用いられるエポキシ樹脂としては、本発明のエポキシ樹脂単独でも良いし、他のエポキシ樹脂を併用しても良い。
上記併用されるエポキシ樹脂は、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物に用いられるエポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノール・ジシクロペンタジエンノボラック、フェノールアラルキル型ノボラック、フェノールビフェニルアラルキル型ノボラック、ビスフェノール型ノボラック、等が挙げられる。これらは単独でも混合して使用しても良い。
これらの中でも、経済的に有利なフェノールノボラックや、低吸湿性に優れるフェノールアラルキル型ノボラック、フェノールビフェニルアラルキル型ノボラックを用いることが好ましい。
本発明の組成物において、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との配合比率は特に限定されないが、[全エポキシ樹脂中のエポキシ基数]/[全エポキシ樹脂硬化剤中のフェノール性水酸基数]が、0.8〜1.3であることが好ましい。更に好ましくは0.9〜1.1である。
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との配合比率を上記範囲とすることで、特に余剰のフェノール性水産基数を低減することで吸湿性を低くできると共に、硬化性、成形性等を向上させることができる。
本発明の組成物に用いられる充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、タルク、アルミナ、窒化珪素等の無機充填材が挙げられ、これらは単独でも混合して使用しても良い。
上記充填材の含有量としては特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物全体に対して60〜95重量%であることが好ましい。更に好ましくは70〜90重量%である。充填材の含有量を上記範囲とすることで、特に吸水率を低くすることができると共に、成形時の流動性を向上させることができる。
本発明の組成物においては、このほか、硬化促進剤を使用してもよい。
上記硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであれば良く、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、2−メチルイミダゾール、テトラフェニルホスホニウム、テトラフェニルボレート等が挙げられ、これらは単独でも混合して使用しても良い。
本発明の組成物にはこの他に、必要に応じて、例えば、シランカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤、臭素化エポキシ樹脂や三酸化アンチモンのような難燃剤、及びシリコーンオイル、ゴム等の低応力添加剤等の、種々の添加剤を適宜配合しても差し支えない。
以下、本発明を実施例により説明する。本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、実施例及び比較例に記載されている「部」は、すべて「重量部」を示す。
1.エポキシ樹脂の前駆体となる樹脂の製造
製造例1
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に、4,4’−チオジベンゼンチオール(住友精化株式会社製、MPS)100部、フェノール240部、蓚酸1.5部を仕込み、100℃に昇温した後、37%ホルマリン35部を30分かけて添加した。100℃で3時間反応を行った後、140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行い、フェノール樹脂240部を得た。得られた樹脂の軟化点は78℃、重量平均分子量は1420であった。
製造例2
製造例1と同様の反応装置を用いて、4,4’−チオジベンゼンチオール(住友精化株式会社製、MPS)100部、フェノール240部、パラキシリレングリコールジメチルエーテル70部、ジエチル硫酸1部を仕込み、160℃に昇温した後、反応で生成するメタノールを系外に留去しながら4時間反応させた。その後180℃まで昇温させ、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱モノマーを行い、フェノール樹脂265部を得た。得られた樹脂の軟化点は83℃、重量平均分子量は1670であった。
製造例3
パラキシリレングリコールジメチルエーテル70部の代わりに、4,4’−ビスメトキシメチレンビフェニル100部を使用した以外は製造例2と同様の反応を行い、軟化点80℃、重量平均分子量1560のフェノール樹脂257部を得た。
製造例4
フェノール240部の代わりに、1−ナフトール360部を使用した以外は製造例1と同様の反応を行い、軟化点88℃、重量平均分子量1920のフェノール樹脂288部を得た。
製造例5
フェノール240部の代わりに、1−ナフトール360部を使用した以外は製造例2と同様の反応を行い、軟化点95℃、重量平均分子量2110のフェノール樹脂290部を得た。
製造例6
フェノールを120部に減量、1−ナフトール184部を追加配合以外は製造例1と同様の反応を行い、軟化点82℃、重量平均分子量1840のフェノール樹脂258部を得た。
製造例7
製造例1と同様の反応装置に、フェノール300部、蓚酸1.5部を仕込み、100℃に昇温した後、37%ホルマリン150部を1時間かけて添加した。100℃で2時間反応を行った後、140℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱水・脱モノマーを行い、フェノール樹脂245部を得た。得られた樹脂の軟化点は83℃、重量平均分子量は1540であった。
製造例8
製造例1と同様の反応装置に、フェノール300部、パラキシリレングリコールジメチルエーテル240部、ジエチル硫酸1部を仕込み、160℃に昇温した後、反応で生成するメタノールを系外に留去しながら4時間反応させた。その後180℃まで昇温させ、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱モノマーを行い、フェノール樹脂279部を得た。得られた樹脂の軟化点は85℃、重量平均分子量は1710であった。
製造例9
製造例1と同様の反応装置に、フェノール300部、4,4’−ビスメトキシメチレンビフェニル300部、ジエチル硫酸1部を仕込み、160℃に昇温した後、反応で生成するメタノールを系外に留去しながら4時間反応させた。その後180℃まで昇温させ、さらに80torrの減圧下で200℃まで脱モノマーを行い、フェノール樹脂270部を得た。得られた樹脂の軟化点は79℃、重量平均分子量は1800であった。
製造例1〜9における配合量及び、得られた樹脂の重量平均分子量及び軟化点を表1に示す。
Figure 2007246636
2.エポキシ樹脂の製造
実施例1
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に製造例1で得られた樹脂100部、エピクロルヒドリン420部、及びジメチルスルホキシド80部を仕込み、攪拌し溶解させた後、系内の温度を35℃に保ち、50%水酸化ナトリウム水溶液73部を1時間かけて添加した。その間系内の温度は徐々に上昇し添加終了時は65℃となるようにした。系内の温度を65℃に保ったまま5時間反応させた後、水400部を加え水洗し、副生塩、過剰の水酸化ナトリウムを除去した。次に減圧下で過剰のエピクロルヒドリン、及びジメチルスルホキシドを蒸留除去して、重量平均分子量が1640、軟化点が73℃のエポキシ樹脂118部を得た。
実施例2
製造例2で得られた樹脂を用い、エピクロルヒドリンを257部に減量し、50%水酸化ナトリウム水溶液を44重量部に減量した以外は実施例1と同様にして重量平均分子量が1980、軟化点が77℃のエポキシ樹脂107部を得た。
製造例3で得られた樹脂を用い、エピクロルヒドリンを185部に減量し、50%水酸化ナトリウム水溶液を32重量部に減量した以外は実施例1と同様にして重量平均分子量が1810、軟化点が76℃のエポキシ樹脂102部を得た。
製造例4で得られた樹脂を用い、エピクロルヒドリンを308部に減量し、50%水酸化ナトリウム水溶液を53重量部に減量した以外は実施例1と同様にして重量平均分子量が2140、軟化点が84℃のエポキシ樹脂111部を得た。
製造例5で得られた樹脂を用い、エピクロルヒドリンを210部に減量し、50%水酸化ナトリウム水溶液を36重量部に減量した以外は実施例1と同様にして重量平均分子量が2430、軟化点が89℃のエポキシ樹脂106部を得た。
製造例6で得られた樹脂を用い、エピクロルヒドリンを356部に減量し、50%水酸化ナトリウム水溶液を62重量部に減量した以外は実施例1と同様にして重量平均分子量が2110、軟化点が76℃のエポキシ樹脂113部を得た。
比較例1
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に製造例7で得られた樹脂100部、エピクロルヒドリン440部、及びジメチルスルホキシド80部を仕込み、攪拌し溶解させた後、系内の温度を35℃に保ち、50%水酸化ナトリウム水溶液76部を1時間かけて添加した。その間系内の温度は徐々に上昇し添加終了時は65℃となるようにした。系内の温度を65℃に保ったまま5時間反応させた後、水400部を加え水洗し、副生塩、過剰の水酸化ナトリウムを除去した。次に減圧下で過剰のエピクロルヒドリン、及びジメチルスルホキシドを蒸留除去して、重量平均分子量が1740、軟化点が78℃のエポキシ樹脂112部を得た。
比較例2
製造例8で得られた樹脂を用い、エピクロルヒドリンを264部に減量し、50%水酸化ナトリウム水溶液を46重量部に減量した以外は比較例1と同様にして重量平均分子量が1960、軟化点が80℃のエポキシ樹脂104部を得た。
比較例3
製造例9で得られた樹脂を用い、エピクロルヒドリンを231部に減量し、50%水酸化ナトリウム水溶液を40重量部に減量した以外は比較例1と同様にして重量平均分子量が2110、軟化点が75℃のエポキシ樹脂101部を得た。
上記、実施例1〜6及び比較例1〜3における配合量及び、得られた樹脂の重量平均分子量及び軟化点を表2に示す。
Figure 2007246636
3.フェノール樹脂、エポキシ樹脂の評価
(1)軟化点はJIS K7234に記載の環球法に準拠して求めた。
(2)重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算した。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒とし、流量1.0ml/min、カラム温度40℃の条件で示差屈折計を検出器として用いて実施した。装置は、
1)本体:TOSOH社製・「HLC−8020」
2)検出器:波長280nmにセットしたTOSOH社製・「UV−8011」
3)分析用カラム:昭和電工社製・「SHODEX KF−802、KF−803、KF−805」
をそれぞれ使用した。
4.エポキシ樹脂組成物の製造
実施例7
実施例1で得られたエポキシ樹脂100重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−53195)63重量部、トリフェニルホスフィン(TPP)2重量部、及び溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)1094部を、スーパーミキサーを用いて常温で混合したものを、90℃の加熱ロールで15分間混練し、冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
実施例8
実施例2で得られたエポキシ樹脂100重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−53195)に代えてフェノールアラルキル型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−54869)75重量部、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1177部に増量した以外は、実施例7と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
実施例9
実施例3で得られたエポキシ樹脂100重量部、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−54869)を58重量部に減量、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1064部に減量した以外は、実施例8と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
実施例10
実施例4で得られたエポキシ樹脂100重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−53195)を50重量部に減量、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1100重量部に増量した以外は実施例7と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
実施例11
実施例5で得られたエポキシ樹脂100重量部、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−54869)を63重量部に減量、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1100部に減量した以外は、実施例8と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
実施例12
実施例6で得られたエポキシ樹脂100重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−53195)を56重量部に減量、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1049重量部に減量した以外は実施例7と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
実施例13
実施例1で得られたエポキシ樹脂100重量部に、比較例1で得られたエポキシ樹脂50重量部を追加配合、フェノールノボラック型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−53195)を94重量部に増量、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1645重量部に増量した以外は実施例7と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
実施例14
実施例2で得られたエポキシ樹脂100重量部に、比較例2で得られたエポキシ樹脂50重量部を追加配合、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−54869)を113重量部に増量、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1763部に増量した以外は、実施例8と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
実施例15
実施例3で得られたエポキシ樹脂100重量部に、比較例3で得られたエポキシ樹脂50重量部を追加配合、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−54869)を104重量部に増量、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1843部に増量した以外は、実施例8と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
比較例4
比較例1で得られたエポキシ樹脂100重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−53195)64重量部、トリフェニルホスフィン(TPP)2重量部、及び溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)1102部を、スーパーミキサーを用いて常温で混合したものを、90℃の加熱ロールで15分間混練し、冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物を得た。
比較例5
比較例2で得られたエポキシ樹脂100重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−53195)に代えてフェノールアラルキル型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−54869)75重量部、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1181部に増量した以外は、比較例4と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
比較例6
比較例3で得られたエポキシ樹脂100重量部、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂硬化剤(住友ベークライト社製・PR−54869)を70重量部に減量、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)を1143部に減量した以外は、比較例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
5.エポキシ樹脂組成物の評価
(1)スパイラルフロー:上記で得られたエポキシ樹脂組成物について、EMMI−1−66に準拠したスパイラルフロー測定用金型を用いて、金型温度175℃、圧力70kg/cm2、硬化時間120秒間で測定した。スパイラルフローは流動性のパラメータであり、値が大きいほど流動性が良好である。
(2)密着性:上記で得られたエポキシ樹脂組成物を、10×50×0.2mmの銅板の先端部(10×10mm)にのせ、同じ大きさの銅板の先端部(10×10mm)と重ねた後、175℃、圧力80kg/cm2、硬化時間5分間の条件で試験片を作製した。この試験片についてJIS K6850に準拠して、引張剪断接着強さを測定し、密着性を評価した。
6.エポキシ樹脂組成物の硬化成形物の評価
上記で得られたエポキシ樹脂組成物を、175℃、100kg/cm2 で10分間プレス成形し、大きさ80×10×4mmの成形品を成形した後、180℃、6時間の条件で後硬化して、硬化成形物を得た。
(1)ガラス転移温度:上記で得られた硬化成形物について、熱機械分析装置(TMA)を用いて測定した。
(2)曲げ強度及び曲げ弾性率:上記で得られた硬化成形物について、JIS K6911に準拠して測定した。
実施例7〜15、及び、比較例4〜6で得られた組成物の配合量、組成物の評価結果、及び、硬化成形物の評価結果を表3に示す。
Figure 2007246636
実施例7〜15は、実施例1〜6の本発明のエポキシ樹脂を用いた組成物であり、これらの組成物は、比較例1〜3のエポキシ樹脂を用いた組成物である比較例4〜6と比べ、同等もしくはそれ以上の流動性を有し、銅との密着性に優れたものであった。
また、これらの硬化成形物においても、本発明のエポキシ組成物を用いた実施例7〜15は、比較例4〜6と比べて、ガラス転移点、曲げ強度、曲げ弾性率のバランスにおいて同等もしくはそれ以上であった。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表される繰り返し単位を分子内に有することを特徴とするエポキシ樹脂。
    Figure 2007246636
    (一般式(I)中、Xは下記一般式(II)または(III)で表される構造を有する化合物、Yは少なくとも1つのメチレン基または少なくとも1つのメチン基を有する基を示す。)
    Figure 2007246636
    (式中、R1は水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基のいずれかで、aは1〜2、bは1〜3、かつ(a+b)は2〜4の整数である。bが2〜3であるとき、R1は同じであっても異なっていてもよい。)
    Figure 2007246636
    (式中、R2は水素または炭素数1〜4のアルキル基で、cは1〜2、dは1〜3の整数である。dが2〜3であるとき、R2は同じであっても異なっていてもよい。)
  2. 前記一般式(I)において、Yが、下記一般式(IV)、(V)、及び、(VI)から選ばれるものである請求項1に記載のエポキシ樹脂。
    Figure 2007246636
  3. 前記エポキシ樹脂の分子量は500〜5000である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法であって、
    フェノール性水酸基を有する化合物(a)と、下記一般式(VII)で表される含硫黄化合物(b)と、アルデヒド基を有する化合物、キシリレン基を有する化合物、及び、ジメチレンビフェニル基を有する化合物の中から選ばれる化合物(c)とを反応させてエポキシ樹脂前駆体を得る工程(A)、及び
    前記工程(A)で得られたエポキシ樹脂前駆体と、エピハロヒドリンとを反応させてエポキシ樹脂を得る工程(B)、
    を有することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
    Figure 2007246636
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、及び充填材を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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