JP2007246427A - 4,4’−ジアミノビフェニル誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、高分子材料、染料、顔料などの原料として有用な4,4'−ジアミノビフェニル誘導体の製造方法に関する。
従来、この種の製造方法としては、転位反応の触媒となる酸を含む水溶液とヒドラゾベンゼン誘導体とを攪拌することにより4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を得る製法が知られている。かかる製法は例えば下記の非特許文献1に記載されている。この製法では、発熱を抑えて目的生成物の選択性を高めるために比較的低温で反応が行なわれている。
Henry J. Shine; Harold Kwart; Clair Collins; J. Am. Chem. Soc. 1981, 103, 955−956.
ところで、非特許文献1記載の製法において用いる、原料のヒドラゾベンゼン誘導体、生成物である4,4'−ジアミノビフェニル誘導体の塩、或いはその両者の多くは、常温で固体であるため、低温では高粘度となって撹拌効率が極端に低下し反応完結までに非常に長い時間がかかる。
そこで、反応系内の流動性を高めて反応を進行させるために、溶剤の添加、酸溶液の追加、もしくは加熱が必要となる。また、反応の最終段階において反応を完結させるために、加熱を必要とすることもある。ところが、前記の溶剤を使用すれば厄介な溶剤処理を行なわなければならない。酸溶液の追加は容積効率の低下を招き廃液の処理量が増加する。加熱は副生成物の生成増加による目的生成物の収率低下を招き製造コストの増加が問題となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ヒドラゾベンゼン誘導体から4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を効率良く合成することのできる4,4'−ジアミノビフェニル誘導体の製造方法の提供を目的する。
本発明の4,4'−ジアミノビフェニル誘導体の製造方法によれば、ヒドラゾベンゼン誘導体から4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を、従来製法と比べて効率良く、すなわち短時間で、または高生成率で製造することができる。特に、固体のヒドラゾベンゼン誘導体を取り扱う固相反応により4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を得る場合は、ヒドラゾベンゼン誘導体の固体表面に生じた4,4'−ジアミノビフェニル誘導体塩を逐次粉砕除去して反応を促進させるという格別の効果を奏する。
また、4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を得る反応に先立って、ヒドラゾベンゼン誘導体に超音波を照射する構成の場合、原料のヒドラゾベンゼン誘導体が細粉化される。また、分散媒、溶媒、界面活性剤などが共存するときは超音波によってヒドラゾベンゼン誘導体、分散媒、溶媒、界面活性剤が極めて均一に分散されるという効果がある。
そして、転位反応に先立ち或いは転位反応中に、ヒドラゾベンゼン誘導体に超音波を照射する態様が、照射動作と照射停止とを繰り返す非連続式である場合は、原料や反応系の昇温を抑制でき、副生成物の生成を抑えて目的生成物の生成率向上化を図ることができる。
そして、転位反応に先立ち或いは転位反応中に、ヒドラゾベンゼン誘導体に超音波を照射する態様が、照射動作と照射停止とを繰り返す非連続式である場合は、原料や反応系の昇温を抑制でき、副生成物の生成を抑えて目的生成物の生成率向上化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の4,4'−ジアミノビフェニル誘導体の製造方法において、以下の反応式(1)のように、一般式(I)のヒドラゾベンゼン誘導体から一般式(II)の4,4'−ジアミノビフェニル誘導体が生成される。
本発明の4,4'−ジアミノビフェニル誘導体の製造方法において、以下の反応式(1)のように、一般式(I)のヒドラゾベンゼン誘導体から一般式(II)の4,4'−ジアミノビフェニル誘導体が生成される。
本発明に係る製造方法の原料となる、上記一般式(I)で示されるヒドラゾベンゼン誘導体は、その置換基Rの位置として、2,2'−位、3,3'−位、2,2',3,3'−位、2,2',5,5'−位、2,2',6,6'−位、3,3',5,5'−位の構造のものが用いられる。アルキル基は炭素数1〜6のものが好ましい。アルコキシ基は炭素数1〜6のものが好ましい。
かかるヒドラゾベンゼン誘導体として、具体的には2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン(R=Cl)、2,2'−ジメチルヒドラゾベンゼン(R=CH3)、2,2'−ジエチルヒドラゾベンゼン(R=C2H5)、2,2'−ジメトキシヒドラゾベンゼン(R=OCH3)、2,2'−ジエトキシヒドラゾベンゼン(R=OC2H5)、3,3'−ジメチルヒドラゾベンゼン(R=CH3)、3,3'−ジ(トリフルオロメチル)ヒドラゾベンゼン(R=CF3)、2,2',3,3'−テトラクロロヒドラゾベンゼン(R=Cl)、2,2',5,5'−テトラクロロヒドラゾベンゼン(R=Cl)、2,2',6,6'−テトラクロロヒドラゾベンゼン(R=Cl)、3,3',5,5'−テトラクロロヒドラゾベンゼン(R=Cl)などが挙げられる。これらのヒドラゾベンゼン誘導体から、それぞれに対応して、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジエチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジエトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジ(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2',3,3'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2',5,5'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3',5,5'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2',6,6'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルなどの4,4'−ジアミノビフェニル誘導体が得られる。
本発明の反応に用いる酸は、ヒドラゾベンゼン誘導体から4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を得る転位反応の酸触媒として使用されるものであれば特に限定されない。かかる酸としては、例えば硫酸、塩酸などの鉱酸や、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸を挙げることができる。或いは、固体酸触媒を用いてよい。それらのうち、鉱酸は比較的酸強度が高いうえ入手容易で安価であり有用である。本発明の反応に用いる酸の量は、生成した4,4'−ジアミノビフェニルが塩となる際に消費されるため、原料のヒドラゾベンゼン誘導体1当量に対し2当量以上が必要である。
原料のヒドラゾベンゼン誘導体、生成する4,4'−ジアミノビフェニル誘導体、或いはその両者の多くは常温で固体であるので、本発明の反応を迅速に進行させるためには撹拌を行なうことが望ましい。但し、照射される超音波による粉粒体破砕作用および撹拌作用が受けられることから、撹拌手段は撹拌能力が小さく安価なもので済むという利点がある。
本発明における反応温度は、原料により適用温度が異なるが、ヒドラゾベンゼン誘導体の不均化反応によるアゾベンゼン誘導体およびモノアミンの副生や、転位副生成物であるジフェニリン誘導体、セミジン誘導体の生成を抑えるために、低温にすることが好ましい。具体的には、−40〜100℃が好ましく、更に好ましくは−20〜10℃である。
本発明においては、酸の存在下でヒドラゾベンゼン誘導体から4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を得る転位反応を行うに当たり、ヒドラゾベンゼン誘導体に超音波を照射することを特徴としている。
更には、上記の反応に先立って、原料であるヒドラゾベンゼン誘導体に超音波を照射することも本発明に含まれる。このように、反応に先立ち原料のヒドラゾベンゼン誘導体に超音波を照射すると、図1に示すように、例えば平均粒径300μmであった粒体のヒドラゾベンゼン誘導体の原料粒体2(同図(a)参照)が、超音波振動棒1からの超音波Sの照射を受けて粉砕され、同図(b)のように例えば平均粒径6μmの細粒子2aとなるのである。
そして、図2に示すように、例えば硫酸3の存在下でヒドラゾベンゼン誘導体2から4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を得る転位反応では、ヒドラゾベンゼン誘導体の原料粒体2または細粒子2aの表面で転位反応が進み、生成した4,4'−ジアミノビフェニル誘導体塩4によりヒドラゾベンゼン誘導体の表面が覆われるので(同図(a)参照)、硫酸3がヒドラゾベンゼン誘導体と接触しにくくなって反応の進行が阻害される。そこで、超音波振動棒1から超音波Sを照射すると、同図(b)のように4,4'−ジアミノビフェニル誘導体塩4の一部が外側から破砕されて砕片5となり、ひいては同図(c)のようにヒドラゾベンゼン誘導体の表面が露出する程度まで4,4'−ジアミノビフェニル誘導体塩4が破砕されて反応進行に大きく寄与しているものと想定される。
更には、上記の反応に先立って、原料であるヒドラゾベンゼン誘導体に超音波を照射することも本発明に含まれる。このように、反応に先立ち原料のヒドラゾベンゼン誘導体に超音波を照射すると、図1に示すように、例えば平均粒径300μmであった粒体のヒドラゾベンゼン誘導体の原料粒体2(同図(a)参照)が、超音波振動棒1からの超音波Sの照射を受けて粉砕され、同図(b)のように例えば平均粒径6μmの細粒子2aとなるのである。
そして、図2に示すように、例えば硫酸3の存在下でヒドラゾベンゼン誘導体2から4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を得る転位反応では、ヒドラゾベンゼン誘導体の原料粒体2または細粒子2aの表面で転位反応が進み、生成した4,4'−ジアミノビフェニル誘導体塩4によりヒドラゾベンゼン誘導体の表面が覆われるので(同図(a)参照)、硫酸3がヒドラゾベンゼン誘導体と接触しにくくなって反応の進行が阻害される。そこで、超音波振動棒1から超音波Sを照射すると、同図(b)のように4,4'−ジアミノビフェニル誘導体塩4の一部が外側から破砕されて砕片5となり、ひいては同図(c)のようにヒドラゾベンゼン誘導体の表面が露出する程度まで4,4'−ジアミノビフェニル誘導体塩4が破砕されて反応進行に大きく寄与しているものと想定される。
本発明の反応における超音波の照射時間は、同じ反応条件であっても原料により生成のしやすさ(到達可能な生成率)に差があるため上限を決め難いが、概ね40分〜6時間である。照射時間が40分未満では超音波による効果が得られない。他方で、6時間を経過するまでに原料や中間生成塩の粉砕が行き渡るため、6時間を超えても反応効率は向上しない。
本発明においては、連続式の超音波照射で反応を完結させることができる。但し、照射動作と照射停止を所定周期で繰り返す非連続式で超音波を照射することも可能である。かかる非連続式の超音波照射によれば、反応温度の上昇が抑えられるので有用である。非連続式の超音波照射における繰り返し周期は、照射動作が0.1〜1.0秒で照射停止が0.1〜1.0秒である。照射動作時間と照射停止時間は必ずしも同じにする必要はない。超音波の出力は、照射の方法、反応装置の構造、反応容量などに応じて、適宜最適な出力を選択することが望ましい。
本発明では、原料表面の濡れを良くして反応性を高めるために界面活性剤を使用することができる。かかる界面活性剤は、いずれも非反応性の、カチオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤を使用することができる。カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルアミン塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、親水性部位としてポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、多価アルコールなどを有し、疎水性部位として直鎖あるいは分岐アルキル、芳香族、芳香族アルキルなどを有するものが挙げられる。上記した親水性部位と疎水性部位はいずれの組み合わせでもよく、その結合はエーテル、エステル、アミドであり、具体的にはアルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキルポリオキシプロピレンエーテルなどである。また、これらのノニオン性界面活性剤は1種単独でまたは2種以上組合せて使用できる。
上記した界面活性剤の添加量は原料の固体表面を濡らして反応を促進し得る量であれば足り、界面活性剤の種類によるが、通常は原料に対し0.05〜1.0wt%である。
上記した界面活性剤の添加量は原料の固体表面を濡らして反応を促進し得る量であれば足り、界面活性剤の種類によるが、通常は原料に対し0.05〜1.0wt%である。
超音波の具体的な照射態様としては、例えば図3に示すものが挙げられる。撹拌機7付きの反応容器6に収容した反応系8内に超音波振動棒1を直接浸漬して照射する態様(同図(a)参照)、反応容器6を収容した恒温槽9内に超音波振動棒1を配備して間接的に照射する態様(同図(b)参照)、配管途中にポンプ12および照射室11を有する循環用配管10により反応容器6の下部と上部を連通するとともに照射室11に超音波振動棒1を取り付けた構成により、反応容器6内の反応液8をポンプ12で照射室11へ送って超音波照射を行なったのち反応容器6の上部に戻す態様である。
図3(a)の照射方法によれば、直接反応系に最も強く超音波を照射することができる。但し、溶液の増粘により反応系全体に均一に照射できず、局所的に熱が蓄積される可能性があるが、撹拌と冷却により局所的な昇温を回避することができる。図3(b)の照射方法では、恒温槽9中の液体を媒体とし、また反応容器6を介しているために超音波の照射効率が低下するが、少なくとも反応の促進効果は得ることができる。図3(c)の照射方法は、反応液の循環により効率よく除熱ができ、均一で直接的な照射ができる。従って、本発明の超音波照射では、3(c)のような循環系での照射が最も好ましい。
図3(a)の照射方法によれば、直接反応系に最も強く超音波を照射することができる。但し、溶液の増粘により反応系全体に均一に照射できず、局所的に熱が蓄積される可能性があるが、撹拌と冷却により局所的な昇温を回避することができる。図3(b)の照射方法では、恒温槽9中の液体を媒体とし、また反応容器6を介しているために超音波の照射効率が低下するが、少なくとも反応の促進効果は得ることができる。図3(c)の照射方法は、反応液の循環により効率よく除熱ができ、均一で直接的な照射ができる。従って、本発明の超音波照射では、3(c)のような循環系での照射が最も好ましい。
そうして、本発明では、反応系の流動性を高めるために分散媒や溶媒を用いることができる。前記の分散媒としては、例えば水、希硫酸、希塩酸などが挙げられる。溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどが挙げられる。これらの溶媒は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
本発明においては、反応に先立ち、原料のヒドラゾベンゼン誘導体に前記の分散媒を加えてスラリー状物を調製したり、ヒドラゾベンゼン誘導体に前記の溶媒を加えて溶液を調製しておき、これらに酸を加えて転位反応をさせることができる。ヒドラゾベンゼン誘導体に分散媒や溶媒を加えるにあたっては適当な界面活性剤を添加してよい。或いは、界面活性剤を添加した酸をヒドラゾベンゼン誘導体に加えて転位反応をさせてもよい。
(実施例1−1)
攪拌機、超音波照射装置(Branson社製SonifierIImodel250、以下の実施例でも使用)に駆動連結された超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびノイゲン(ノニオン性界面活性剤、第一工業製のEA−120) 3.97mgを仕込み、スラリー状に攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、非連続式であり照射動作が0.1秒、照射停止が0.9秒の繰り返し)を照射し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後4時間攪拌および超音波照射を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は56.3%であった。
攪拌機、超音波照射装置(Branson社製SonifierIImodel250、以下の実施例でも使用)に駆動連結された超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびノイゲン(ノニオン性界面活性剤、第一工業製のEA−120) 3.97mgを仕込み、スラリー状に攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、非連続式であり照射動作が0.1秒、照射停止が0.9秒の繰り返し)を照射し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後4時間攪拌および超音波照射を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は56.3%であった。
(実施例1−2);「溶剤を用いた転位反応」
界面活性剤を使用せず溶剤を用いたこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびトルエン 8.0gを仕込み、攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、非連続式であり照射動作が0.1秒、照射停止が0.9秒の繰り返し)を照射し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後4時間攪拌および超音波照射を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は49.9%であった。
界面活性剤を使用せず溶剤を用いたこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびトルエン 8.0gを仕込み、攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、非連続式であり照射動作が0.1秒、照射停止が0.9秒の繰り返し)を照射し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後4時間攪拌および超音波照射を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は49.9%であった。
(実施例1−3);「界面活性剤無添加」
界面活性剤を用いないこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0gおよび22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ)6.78gを仕込み、スラリー状に攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、非連続式であり照射動作が0.1秒、照射停止が0.9秒の繰り返し)を照射し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後4時間攪拌および超音波照射を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は51.8%であった。
界面活性剤を用いないこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0gおよび22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ)6.78gを仕込み、スラリー状に攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、非連続式であり照射動作が0.1秒、照射停止が0.9秒の繰り返し)を照射し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後4時間攪拌および超音波照射を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は51.8%であった。
(比較例1−1);「超音波照射なし」
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびノイゲン 3.97mgを仕込み、スラリー状に攪拌し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。これに1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後超音波を照射することなく4時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は21.5%であった。
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびノイゲン 3.97mgを仕込み、スラリー状に攪拌し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。これに1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後超音波を照射することなく4時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は21.5%であった。
攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、28.7%硫酸 13.64gおよびノイゲン4.82mgを仕込んで攪拌しながら超音波照射(実施例1−1と同条件)し、フラスコ内温度を−20℃まで下げた。これに、1時間で2,2'−ジメトキシヒドラゾベンゼン 4.82gおよびイオン交換水 9.55gを、昇温を避けるために4分割して添加し、その後フラスコ内温度を−10℃まで上げ、2時間攪拌および超音波照射(実施例1−1と同条件)を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は96.0%であった。
(比較例2)
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例2と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、28.7%硫酸 13.64gおよびノイゲン4.82mgを仕込んで攪拌し、フラスコ内温度を−20℃まで下げた。これに、1時間で2,2'−ジメトキシヒドラゾベンゼン 4.82g、イオン交換水 9.55gを、昇温を避けるために4分割して添加し、その後フラスコ内温度を−10℃まで上げ、2時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は36.8%であった。
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例2と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、28.7%硫酸 13.64gおよびノイゲン4.82mgを仕込んで攪拌し、フラスコ内温度を−20℃まで下げた。これに、1時間で2,2'−ジメトキシヒドラゾベンゼン 4.82g、イオン交換水 9.55gを、昇温を避けるために4分割して添加し、その後フラスコ内温度を−10℃まで上げ、2時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は36.8%であった。
攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジメチルヒドラゾベンゼン 3.79g、イオン交換水 13.63gおよびノイゲン3.79mgを仕込み、スラリー状に攪拌しながら超音波振動棒から超音波照射(実施例1−1と同条件)し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて36%塩酸(水溶液、以下同じ) 21.57gを滴下し、その後2時間攪拌および超音波照射(実施例1−1と同条件)を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は92.0%であった。
(比較例3)
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例3と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、2,2'−ジメチルヒドラゾベンゼン 3.79g、イオン交換水 13.63gおよびノイゲン3.79mgを仕込んでスラリー状に攪拌し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。これに、1時間で36%塩酸 21.57gを滴下し、その後2時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は84.9%であった。
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例3と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、2,2'−ジメチルヒドラゾベンゼン 3.79g、イオン交換水 13.63gおよびノイゲン3.79mgを仕込んでスラリー状に攪拌し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。これに、1時間で36%塩酸 21.57gを滴下し、その後2時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は84.9%であった。
攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、12.3%塩酸 26.07gおよびノイゲン3.89mgを仕込み、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。これに3,3'−ジメチルヒドラゾベンゼン 3.89gを添加し、3時間攪拌および超音波照射(実施例1−1と同条件)を行った。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は88.3%であった。
(比較例4)
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例4と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、12.3%塩酸 26.07gおよびノイゲン3.89mgを仕込み、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。これに3,3'−ジメチルヒドラゾベンゼン 3.89gを添加し、3時間攪拌を行った。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は82.3%であった。
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例4と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、12.3%塩酸 26.07gおよびノイゲン3.89mgを仕込み、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。これに3,3'−ジメチルヒドラゾベンゼン 3.89gを添加し、3時間攪拌を行った。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は82.3%であった。
攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、3,3'−ジ(トリフルオロメチル)ヒドラゾベンゼン 2.38g、トルエン 13.52gを仕込み、攪拌しながら超音波(実施例1−1と同条件)を照射し、フラスコ内温度を−20℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて56%硫酸 14.1gを滴下し、その後2時間攪拌および超音波照射(実施例1−1と同条件)を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた2,2'−ジ(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は58.3%であった。
(比較例5)
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例5と同様に実験操作を行なった。すなわち、撹拌機、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、3,3'−ジ(トリフルオロメチル)ヒドラゾベンゼン 2.38g、トルエン 13.52gを仕込んで攪拌し、フラスコ内温度を−20℃まで下げた。これに、1時間で56%硫酸 14.1gを滴下し、その後2時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた2,2'−ジ(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は46.0%であった。
超音波照射処理を行なわないこと以外は、実施例5と同様に実験操作を行なった。すなわち、撹拌機、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの三口フラスコに、3,3'−ジ(トリフルオロメチル)ヒドラゾベンゼン 2.38g、トルエン 13.52gを仕込んで攪拌し、フラスコ内温度を−20℃まで下げた。これに、1時間で56%硫酸 14.1gを滴下し、その後2時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた2,2'−ジ(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は46.0%であった。
実施例1−1,2,3,4,5は反応時間を3時間または4時間として生成率を評価したものである。元来、ヒドラゾベンゼン誘導体の種類により反応のしやすさが異なっているため、各実施例間で生成率に大きな差が生じていることは止むを得ない。しかしながら、いずれの実施例も、個々に対応する比較例と比べて反応のしやすさが格段に向上している。因みに、実施例1−1(反応式(2))と実施例5(反応式(6))は元々反応が進行しにくい反応系であるためにサンプリング時点での生成率が低く、実施例2(反応式(3))、実施例3(反応式(4))、および実施例4(反応式(5))は反応が進行しやすい反応系であってサンプリング時点での生成率は高い。一方で、実施例3と実施例4に対応した超音波照射なしの比較例3,4も生成率がそれぞれ85%,82%と高くなっているが、これらの反応系は生成率85%程度までは簡単に到達するが、それ以上は例え1%でも引き上げることは容易でない。しかしながら、実施例3,4によれば、生成率が比較例3,4から約6%も高くなっているのである。
引続き、本発明の更なる実施例を説明する。
(実施例1-4);「ヒドラゾベンゼンを予め超音波で粉砕し転位反応中は超音波照射無し」
後段の超音波照射を行なわないこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびノイゲン 3.97mgを仕込み、スラリー状に攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、非連続式であり照射動作が0.1秒、照射停止が0.9秒の繰り返し)を15分間照射し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。超音波の照射を止めた後に1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後超音波なしで4時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は31.0%であった。
(実施例1-4);「ヒドラゾベンゼンを予め超音波で粉砕し転位反応中は超音波照射無し」
後段の超音波照射を行なわないこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびノイゲン 3.97mgを仕込み、スラリー状に攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、非連続式であり照射動作が0.1秒、照射停止が0.9秒の繰り返し)を15分間照射し、氷浴でフラスコ内温度を10℃まで下げた。超音波の照射を止めた後に1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後超音波なしで4時間攪拌を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は31.0%であった。
(実施例1-5);「超音波連続照射」
超音波照射を連続して行ない反応時間を短くしたこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびノイゲン3.97mgを仕込み、スラリー状に攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、連続照射)を照射し、フラスコ内温度を10℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後30分攪拌および前記と同じ連続の超音波照射を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は63.2%であった。
超音波照射を連続して行ない反応時間を短くしたこと以外は、実施例1−1と同様に実験操作を行なった。すなわち、攪拌機、超音波照射装置の超音波振動棒、滴下ロ−ト、および温度計を備えた容量30mLの四口フラスコに、2,2'−ジクロロヒドラゾベンゼン 8.0g、22.4wt%硫酸(水溶液、以下同じ) 6.78g、およびノイゲン3.97mgを仕込み、スラリー状に攪拌しながら超音波振動棒から超音波(周波数=20Hz、駆動出力=150W、連続照射)を照射し、フラスコ内温度を10℃まで下げた。この条件を保ちながら1時間かけて61.3%硫酸 14.48gを滴下し、その後30分攪拌および前記と同じ連続の超音波照射を続けた。この時点で反応系に残存している未反応の原料をガスクロマトグラフィ−で組成分析した結果、得られた3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニルの生成率は63.2%であった。
転位反応に先立ってヒドラゾベンゼン誘導体に超音波照射した実施例1−4(生成率31.0%)は、照射を行なわずに転位反応させた比較例1−1(生成率21.5%)と比べ生成率が約9%も高くなった。連続照射を行なった実施例1−5(生成率63.2%)では、超音波による昇温を抑えて実施例1−1と同じフラスコ内温度に制御するため更にフラスコ外温度を下げる必要があったが、超音波を連続で照射することにより生成率が実施例1−1(生成率56.3%)と比べて約7%も高くなった。これらは、超音波によるヒドラゾベンゼン誘導体の微細化および反応生成物の塩の剥離効果により反応が促進されたことによる。
尚、上述した各実施例においては周波数が20kHzの超音波を使用したが、本発明における超音波の周波数はそれに限定されるものでない。
1 超音波振動棒
2 ヒドラゾベンゼン誘導体
3 硫酸
4 4,4'−ジアミノビフェニル誘導体塩
S 超音波
2 ヒドラゾベンゼン誘導体
3 硫酸
4 4,4'−ジアミノビフェニル誘導体塩
S 超音波
Claims (2)
- 4,4'−ジアミノビフェニル誘導体を得る反応に先立って、ヒドラゾベンゼン誘導体に超音波を照射することを特徴とする請求項1に記載の4,4'−ジアミノビフェニル誘導体の製造方法。
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- 2006-03-15 JP JP2006070858A patent/JP2007246427A/ja active Pending
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