JP2007244971A - 防汚膜、基体構造体及び基体構造体の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に汚れを付着せしめない酸化チタン薄膜、この薄膜を備えた基体構造体及びこの基体構造体作製方法の提供。
【解決手段】アナターゼ型結晶構造を有し、UV光を照射すると親水性が付与される焼成酸化チタン薄膜、この薄膜が表面に形成されている。焼成酸化チタン薄膜は、TiOを蒸発源として酸化性雰囲気中でEB蒸着により基体表面に形成された後、大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成された膜であり、1〜5nmの厚みを有する。基体構造体が、所定のパターンを有するナノインプリント用金型構造体又は所定のパターンを基板表面に露光するために用いるフォトマスクを有するフォトマスク構造体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、防汚膜、基体構造体及び基体構造体の作製方法に関し、特に焼成された酸化チタン薄膜(以下、「焼成酸化チタン薄膜」と称す)からなる防汚膜、この焼成酸化チタン薄膜を備えたナノインプリント用金型構造体及びフォトマスク構造体のような基体構造体、並びにこの基体構造体の作製方法に関する。
従来から、ナノインプリント法、すなわち金型に設けた凹凸パターンを、基板上に塗布した樹脂材料に押し付けてその凹凸パターン形状を樹脂材料に転写するナノインプリント法として、熱硬化樹脂や光硬化樹脂を用いるパターン転写法が知られている。光硬化樹脂を用いるパターン転写法によるパターニングでは、ナノインプリント用金型を成型基板へ圧着し、例えばUV光を照射することで成型基板上にパターンを形成する。このUV光照射式は、透明な金型を使用するので、熱硬化式に比べて、成型基板と金型との位置合わせ精度に優れており、近年種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、このUV光照射式では、金型を押し付ける圧力が比較的小さく、室温でパターンを形成できるため応力の影響が小さい。しかし、金型を成型基板に押し付けることで成型基板上の光硬化樹脂と金型表面との付着が生じる場合があり、金型が汚れ、その後のパターン転写が困難になってしまうという問題がある。
また、例えばX線露光の際に用いられるX線マスクにおいては、支持体上にX線を透過する材料からなるメンブレン膜が設けられ、このメンブレン膜上にマスクパターンが設けられる。このX線マスクに対向して配置される被露光基板のX線マスク側の表面にはX線感光性有機レジスト膜が形成されており、X線を照射するとX線マスクのパターンが有機レジスト膜上に転写される。この場合、有機レジスト膜の一部が分解して発生するガスはメンブレン膜やマスクパターンの表面に接触して固化し、これが露光時に被露光基板上に転写されてしまうという問題がある。このようなX線マスク上の欠陥発生を抑制するために、例えば基板表面の少なくとも露出している面に光触媒膜を形成したり、マスクパターンを覆うように光触媒膜を形成したりしている(例えば、特許文献2参照)。しかし、UV光露光に用いられるフォトマスクの場合には、必ずしも満足のいく触媒膜ではない。
特開2005−203797号公報(特許請求の範囲等) 特開平10−125583号公報(特許請求の範囲等)
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、紫外光領域(380nm以下)の光の波長でも透明性に優れた酸化チタン薄膜であって、露光光自身でパターン面の十分なセルフクリーニング効果を奏することができる焼成酸化チタン薄膜を表面に備えたナノインプリント用金型構造体やフォトマスク構造体等の基体構造体及びその作製方法を提供することにある。
本発明の防汚膜は、アナターゼ型結晶構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜からなり、UV光照射によるセルフクリーニングが可能なものであることを特徴とする。親水性となれば、表面についたダストの下に水が入り込みダストを落としやすくするという効果がある。また、酸化チタンは、紫外線を吸収することで有機物を分解する作用があるので、防汚効果がある。
本発明の基体構造体は、アナターゼ型結晶構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜が基体表面に形成されていることを特徴とする。
本発明の基体構造体の作製方法は、基体表面上に、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で酸化チタン薄膜を形成し、次いでこの酸化チタン薄膜を大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成して、アナターゼ型構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜を形成することを特徴とする。
本発明の防汚膜によれば、UV光照射により膜自体のセルフクリーニングが可能であるという効果を奏する。
本発明の基体構造体によれば、その表面に設ける焼成酸化チタン薄膜は、紫外光領域の光の波長において高い透過率を有する結晶構造を有し、露光光自身で基体表面に対してセルフクリーニング効果があるので、基体に汚れが付着しないという効果を奏する。
本発明の基体構造体の作製方法によれば、低温で焼成しても光触媒効果を失わず、十分な結晶性を持つ酸化チタン薄膜を基体表面に設けることができるので、ガラス基体より耐熱温度の低い、例えば融点の低い金属などの基体表面にも成膜が可能であるという効果を奏する。
本発明の基体構造体であるナノインプリント用金型構造体によれば、その表面に設ける焼成酸化チタン薄膜は、上記したような結晶構造を有し、露光光自身で金型表面のパターン面に対してセルフクリーニング効果があるので、金型に汚れが付着しないという効果を奏する。すなわち、上記焼成酸化チタン薄膜を表面に形成して光触媒機能を付加したナノインプリント用金型構造体を使用すると、成型基板への圧着・硬化の工程で問題となっている金型表面での付着物形成を抑制することができ、欠陥の少ないパターン転写が可能であるという効果を奏する。
また、本発明の基体構造体であるナノインプリント用金型構造体の作製方法によれば、低温で焼成して上記したような酸化チタン薄膜を金型表面に設けることができるので、例えば融点の低い金属などの表面にも成膜が可能であるという効果を奏する。
さらに、本発明の基体構造体であるフォトマスク構造体によれば、その表面に設ける焼成酸化チタン薄膜は、上記したような紫外光領域の光の波長において高い透過率を有する結晶構造を有し、露光光自身でフォトマスク表面のパターン面に対してセルフクリーニング効果があるので、フォトマスクに汚れが付着しないという効果を奏する。
本発明の基体構造体であるフォトマスク構造体の作製方法によれば、低温で焼成して上記したような酸化チタン薄膜をフォトマスク表面に設けることができるので、例えば融点の低い金属などの表面にも成膜が可能であるという効果を奏する。
本発明によれば、アナターゼ型結晶構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜からなり、UV光照射によるセルフクリーニングが可能である防汚膜を提供することができる。
上記焼成酸化チタン薄膜は、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で形成された後、大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成されて得られた薄膜であり、1〜5nm、好ましくは1〜3nmの厚みを有するものである。膜厚がこの範囲を外れると、UV光照射によるセルフクリーニング効果が発揮できず、付着物等の汚れの形成を防止できない。
本発明によればまた、アナターゼ型結晶構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜が基体表面に形成されている基体構造体を提供することができる。
上記基体としては、石英ガラス、合成石英等で構成されたものが挙げられる。
上記基体表面に設ける焼成酸化チタン薄膜は、上記と同様に、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で基体表面に形成された後、酸化性雰囲気中で焼成された薄膜であり、1〜5nm、好ましくは1〜3nmの厚みを有する。膜厚が、1nm未満であると基体構造体表面に汚れが付着するという問題があり、5nmを超えるとUV光透過率が低い。
このEB蒸着のプロセスの温度条件は、室温〜500℃である。また、酸化性雰囲気としては、酸素ガス雰囲気、大気雰囲気、酸素原子を含んだ乾燥空気のようなガス雰囲気を挙げることができる。
本発明によればさらに、基体表面上に、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で酸化チタン薄膜を形成し、次いでこの酸化チタン薄膜を大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成して、アナターゼ型構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜を形成する基体構造体の作製方法を提供することができる。この焼成された酸化チタン薄膜は、上記と同様に、1〜5nm、好ましくは1〜3nmの厚みを有するように形成される。また、その焼成は、350〜600℃で行われることが好ましい。焼成温度が350℃未満であると、アナターゼ構造にならず、600℃を超えると、基体構造体に成膜されている酸化チタン膜が変質してしまう。
本発明の別の実施の形態によれば、所定のパターンを有するナノインプリント用金型の表面に、アナターゼ型結晶構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜が形成されているナノインプリント用金型構造体を提供することができる。この焼成酸化チタン薄膜は、上記と同様に、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中でナノインプリント用金型表面に形成された後、大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成された薄膜であり、また、1〜5nmm、好ましくは1〜3nmの厚みを有するように形成される。膜厚が、1nm未満であるとナノインプリント用金型表面と光硬化樹脂との付着が生じ、金型表面に汚れが付着するという問題があり、5nmを超えると低波長領域における透過率が低く、UV光照射式のナノインプリント用金型としては実用的ではない。
ナノインプリント用金型としては、石英ガラス、合成石英等で構成されたものが挙げられる。また、EB蒸着のプロセス条件及び酸化性雰囲気は上記と同様である。
本発明による上記ナノインプリント用金型構造体を用いてナノインプリント法を効率的に実施することができる。この場合、金型に設けた所定の凹凸パターンを、基板上に塗布した光硬化樹脂材料に圧着し、UV光を照射すると、この凹凸パターン形状が樹脂材料に転写され、成型基板上にパターンを形成することができる。透明な金型を使用するので、成型基板と金型との位置合わせ精度に優れており、金型を押し付ける圧力が比較的小さく、室温でパターンを形成できるため応力の影響が小さいという利点がある。また、金型を成型基板に押し付けても成型基板上の光硬化樹脂と金型表面との付着は生じず、そしてパターン転写を所望の回数繰り返しても、金型の汚れもない。
上記ナノインプリント用金型構造体は、所定のパターンを有するナノインプリント用金型の表面上に、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で酸化チタン薄膜を形成し、次いでこの酸化チタン薄膜を大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成して、アナターゼ型構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜を形成することにより作製される。この焼成酸化チタン薄膜は、上記と同様に、1〜5nm、好ましくは1〜3nmの厚みを有するように形成され、また、この焼成を上記と同様に350〜600℃で行うことが好ましい。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、所定のパターンを基板表面に露光するために用いるフォトマスクを有するフォトマスク構造体のフォトマスク表面に、アナターゼ型結晶構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜が形成されているフォトマスク構造体を提供することができる。この焼成酸化チタン薄膜は、上記と同様に、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で基体表面に形成された後、大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成された薄膜であり、また、上記と同様に、1〜5nm、好ましくは1〜3nmの厚みを有する。
フォトマスクとしては、石英ガラス、合成石英等で構成されたものが挙げられる。またEB蒸着のプロセス条件及び酸化性雰囲気は上記と同様である。
本発明による上記フォトマスク構造体を用いてUV光露光を効率的に実施することができる。この場合、UV光露光領域が設けられている支持体上にUV光を透過する材料からなるメンブレン膜が設けられ、このメンブレン膜上に上記焼成酸化チタンを形成してあるマスクパターンが設けられているものを用いてUV露光を行った。このUV光マスクに対向して配置される被露光基板のマスク側の表面にはUV光感光性有機レジスト膜が形成されている。UV光を照射するとUV光マスクのパターンが有機レジスト膜上に転写される。この際、有機レジスト膜の一部が分解して発生するガスがマスクパターンの表面に接触して固化することはなく、露光時に被露光基板上に転写される際に、UV光マスク上の欠陥が発生することはない。
上記フォトマスク構造体は、所定のパターンを基板表面に露光するために用いるマスクを有するマスク構造体のフォトマスク表面上に、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で酸化チタン薄膜を形成し、次いでこの酸化チタン薄膜を大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成して、アナターゼ型構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜を形成することにより作製される。この焼成酸化チタン薄膜は、上記と同様に、1〜5nm、好ましくは1〜3nmの厚みを有するように形成され、また、この焼成を上記と同様に350〜600℃で行うことが好ましい。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
石英ガラス基板を350℃に加熱し、TiOを蒸発源としてEB蒸着により成膜を行い、基板上に酸化チタン薄膜を形成した。この場合、1×10E−3Paまで真空排気を行い、その後、酸素ガスを5×10E−2Paまで導入して成膜し、膜厚10nm、3nm、2nm及び1nmの4種の酸化チタン薄膜試料を作製した。作製した各試料を大気中350℃で60分間焼成した。膜厚10nmの酸化チタン薄膜について、焼成前及び焼成後のそれぞれの膜についてのX線回折グラフを図1(a)及び(b)に示す。図1から明らかなように、焼成前の膜は、アモルファス構造(図1(a))であったのに対し、焼成後の膜は、アナターゼ型構造(101)、(004)、(200)、(105)、(211)、(204)面(図1(b))となっており、透明性に優れた膜となっていることが分かる。膜厚1nm、2nm及び3nmの酸化チタン薄膜の場合も上記と同様な結晶構造を示した。
また、上記したようにして作製された焼成酸化チタン薄膜の親水性を評価するため、水滴接触角測定を行った。この場合、酸化チタン薄膜にUV光(波長254nm)を所定の時間照射し、その直後に水滴接触角を測定した。UV光照射時間と水滴接触角との関係を表1に示す。
(表1)
Figure 2007244971
表1から明らかなように、UV光照射によって、親水性に優れている(表1のデータでは超親水性になっている)焼成酸化チタン薄膜が得られていることが分かる。また、膜厚が1〜10nmの範囲にあれば、UV光照射により、十分濡れ性に優れた酸化チタン膜が得られることが分かる。
上記実施例1記載の手順に従って、膜厚10nm、3nm、2nm、及び1nmの焼成酸化チタン薄膜を作製した。作製した焼成酸化チタン薄膜に油状液体であるオレイン酸を塗布し、UV光(波長254nm)を所定の時間照射し、その直後に水滴接触角を測定した。UV光照射時間と水滴接触角との関係を表2に示す。
(表2)
Figure 2007244971
表2から明らかなように、UV光照射によって、水滴接触角が下がっている。このことから、UV光照射時間が長くなるにつれて、オレイン酸の分解が進んでいることが分かる。すなわち、UV光照射により光触媒効果が現れていることが分かる。
上記実施例1記載の手順に従って、膜厚20nm、10nm、5nm及び3nmの焼成酸化チタン薄膜を作製した。作製した各酸化チタン薄膜に対して、193〜800nmの波長における透過率を測定し、その結果を図2に示す。図2から明らかなように、短波長領域(380nm以下)において、膜厚3nmの酸化チタン薄膜の場合にほぼ70%以上、膜厚5nmの酸化チタン薄膜の場合に50%以上、膜厚10nmの酸化チタン薄膜の場合に40%以上の透過率を有していることが分かる。このことから、5nm以下の膜厚を有する酸化チタン薄膜であれば、紫外光領域において50%以上の高い透過率を示すことが分かる。下限は、光触媒機能を維持するために、1nm程度であることが好ましい。
図3に示すようなパターン(凸部1の幅:50μm、凸部1の高さ:500nm、凹部2の幅:25μm)を有するナノインプリント用金型の表面に、上記実施例1に記載の手順に従って、膜厚3nmの焼成酸化チタン薄膜を作製した。かくして得られた焼成酸化チタン薄膜付き金型の酸化チタン薄膜側を、光硬化性樹脂(エポキシ樹脂)を塗布した基板の樹脂表面に押圧し、酸化チタン薄膜と反対側の金型表面側から金型に対してUV光を照射することにより、基板上の樹脂層に金型のパターンを転写した。この転写作業を50回繰り返し行っても、酸化チタン薄膜への光硬化樹脂の付着や転写基板でのパターニング欠陥は観察されなかった。
実施例4記載の手順に従って、ナノインプリント用金型の表面に、膜厚3nmの焼成酸化チタン薄膜を作製した。この場合、焼成温度を600℃に設定して60分間行った。かくして得られた金型を用い、実施例4と同様に、基板上の樹脂層に金型のパターンを転写した。この転写作業の結果は、実施例4の場合と同様に良好であった。
(比較例1)
上記実施例4記載の手順に準じて、表面に焼成酸化チタン薄膜を作製していないナノインプリント用金型を用いて基板上の樹脂層に金型パターンの転写を行った。この転写作業を50回繰り返し行ったところ、金型への光硬化樹脂の付着や転写基板での欠陥が観察された。
(比較例2)
上記実施例1記載の手順に従って、膜厚200nmの焼成酸化チタン薄膜を作製した。300〜800nmの波長における透過率を測定し、その結果を図4に示す。この膜の透過率を実施例3で得られた焼成酸化チタン薄膜の透過率と比較すると、紫外光領域の波長の光をかなり吸収していることが分かる。また、可視光領域においても、500nm付近の波長では、40%程度の光が吸収されていたことが分かる。
(比較例3)
スパッタ法により、TiOからなるターゲットを使用し、成膜チャンバー内へ酸素ガスを導入しながら石英ガラス製基板上に酸化チタン薄膜を作製した。作製された試料を大気中600℃で60分間焼成した。焼成後の酸化チタン薄膜についてのX線回折グラフを図5に示す。図5から明らかなように、2θ=25°付近にアナターゼ構造(101)面の回折ピークが僅かに現れているが、27°付近にルチル構造(110)面の回折ピークが現れていることから、高温で焼成したとしても、結晶性が十分にあがっていないことが分かる。従って、スパッタ法により作製した焼成酸化チタン薄膜の場合、EB蒸着法で作製した焼成酸化チタン薄膜よりも光触媒性能は落ちるものと考えられる。
本発明によれば、紫外光領域において高い透過率を有し、優れた光触媒効果を有する焼成酸化チタン薄膜や、この酸化チタン薄膜を表面に備えたナノインプリント用金型構造体及びフォトマスク構造体等の基体構造体を提供することができ、かくして、このような薄膜表面や構造体表面への付着物形成が抑制され、そして金型用構造体の場合は欠陥の少ないパターン転写が可能となり、また、フォトマスク構造体の場合はマスク表面の汚染防止が可能となる。従って、本発明は、ナノインプリント法や、フォトマスクを用いる露光工程等の技術分野で工業的に利用することができる。
実施例1で得られた酸化チタン薄膜のX線回折グラフであり、(a)は膜焼成前のX線回折グラフ、(b)は膜焼成後のX線回折グラフ。 実施例3で得られた焼成酸化チタン薄膜に対する、193〜800nmの波長領域での透過率を示すグラフ。 ナノインプリント用金型の一つのパターン図を示す金型の上面図。 比較例2で得られた焼成酸化チタン薄膜に対する、300〜800nmの波長領域での透過率を示すグラフ。 比較例3で得られた焼成酸化チタン薄膜のX線回折グラフ。

Claims (11)

  1. アナターゼ型結晶構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜からなり、UV光照射によるセルフクリーニングが可能のものであることを特徴とする防汚膜。
  2. 前記焼成酸化チタン薄膜が、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で形成された後、大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成されて得られた薄膜であることを特徴とする請求項1記載の防汚膜。
  3. 前記焼成酸化チタン薄膜が、1〜5nmの厚みを有することを特徴とする請求項1又は2記載の防汚膜。
  4. アナターゼ型結晶構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜が基体表面に形成されていることを特徴とする基体構造体。
  5. 前記焼成酸化チタン薄膜が、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で基体表面に形成された後、大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成されて得られた薄膜であることを特徴とする請求項4記載の基体構造体。
  6. 前記焼成酸化チタン薄膜が、1〜5nmの厚みを有することを特徴とする請求項4又は5記載の基体構造体。
  7. 前記基体構造体が、所定のパターンを有するナノインプリント用金型構造体又は所定のパターンを基板表面に露光するために用いるフォトマスクを有するフォトマスク構造体であり、前記焼成酸化チタン薄膜がこの金型表面又はフォトマスク表面に形成されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の基体構造体。
  8. 基体表面上に、TiOを蒸発源として、EB蒸着により酸化性雰囲気中で酸化チタン薄膜を形成し、次いでこの酸化チタン薄膜を大気雰囲気中又は酸素雰囲気中で焼成して、アナターゼ型構造を有し、かつ、UV光を照射すると親水性が付与され得る焼成酸化チタン薄膜を形成することを特徴とする基体構造体の作製方法。
  9. 前記焼成酸化チタン薄膜が、1〜5nmの厚みを有するように形成されることを特徴とする請求項8記載の基体構造体の作製方法。
  10. 前記焼成が、350〜600℃で行われることを特徴とする請求項9記載の基体構造体の作製方法。
  11. 前記基体構造体が、所定のパターンを有するナノインプリント用金型構造体又は所定のパターンを基板表面に露光するために用いるフォトマスクを有するフォトマスク構造体であり、前記酸化チタンをこの金型表面又はフォトマスク表面に形成することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の基体構造体の作製方法。
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