JP2007244192A - モータ用制御装置 - Google Patents

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武史 上田
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Abstract

【課題】PWM制御信号のデューティ比を制限する必要がなく、電圧利用率を向上してモータ性能を向上できるモータ用制御装置を提供する。
【解決手段】モータ1への電力供給ラインにおけるスイッチング素子を開閉するPWM制御信号のデューティ比が、電流検出許容域にあるか否かを判定する。デューティ比が電流検出許容域にある時は、電機子捲線を構成するコイルにおける電流、端子電圧、速度起電力、及びインピーダンスの間の予め定めた関係に基づき、インピーダンスを演算により時系列に求め、電流目標値と検出電流に対応する値との偏差を低減するようにモータ1の出力を制御する。デューティ比が電流検出許容域にない時は、電流目標値と最新の求めたインピーダンスに基づき演算により求められた電流に対応する値との偏差を低減するようにモータ1の出力を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば電動パワーステアリング装置において操舵補助力を発生するために用いられるモータの出力を制御するため、モータへの電力供給ラインに配置されるスイッチング素子をPWM制御信号により開閉するモータ用制御装置に関する。
モータの出力を、そのモータの電機子捲線を構成するコイルを流れる電機子電流に応じてフィードバック制御するモータ用制御装置においては、モータ駆動用インバータ回路に設ける電流検出用抵抗に流れる電流を電機子電流として検出している。そのインバータ回路を構成するスイッチング素子が、目標電流と検出電流との偏差に応じたデューティ比のPWM制御信号により開閉されることで、電機子を構成するコイルへの印加電圧が変更されてモータ出力が制御される。
PWM制御信号によりスイッチング素子を開閉する場合、電流検出用抵抗に電流が流れ込まない期間が存在するため、適正に電流検出ができなくなる場合がある。そのため、PWM制御信号のデューティ比すなわちコイルへの印加電圧を制限する必要があり、電源電圧の利用率が低下してモータ性能の向上が阻害されていた。
そこで、電流検出用抵抗を用いることなく、モータにおける速度起電力、駆動電圧、捲線抵抗およびインダクタンスに基づき電機子電流を演算により求めることが提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−268980号公報
上記従来技術においては、モータにおける捲線抵抗やインダクタンスや速度起電力を定数として扱っていた。しかし、モータにおける捲線抵抗やインダクタンスや速度起電力は、現実にはコイル温度、回転速度、電機子電流等のモータ状態に応じて時間の経過により変化する。そのため、電機子電流を正確に求めることができず、モータ性能を十分に向上できなかった。本発明は、上記問題を解決することができ、さらにモータをフィードバック制御する場合だけでなくオープンループ制御する場合にも利用できるモータ用制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、モータへの電力供給ラインに配置されるスイッチング素子をPWM制御信号により開閉することで、前記モータの出力を制御するモータ用制御装置に適用される。
本発明のモータ用制御装置は、前記モータの電機子捲線を構成するコイルにおける電流、端子電圧、速度起電力、およびインピーダンスの間の予め定めた関係を記憶する関係記憶部と、前記コイルにおける端子電圧を求める電圧決定部と、前記コイルにおける電流を検出する電流検出部と、前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にあるか否かを設定された基準値と比較することで判定する判定部とを備える。
本発明の第1の特徴とするところは、モータ用制御装置が前記コイルにおける速度起電力を求める速度起電力決定部と、前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、前記コイルにおけるインピーダンスを、記憶された関係、求められた端子電圧、求められた速度起電力、及び検出電流に基づき、演算により時系列に求めるインピーダンス演算部と、前記インピーダンス演算部によって求められた最新のインピーダンスを記憶する最新インピーダンス記憶部と、前記コイルにおける電流を、記憶された関係、求められた端子電圧、求められた速度起電力、及び記憶された最新のインピーダンスに基づき演算により求める電流演算部と、電流目標値を演算により求める電流目標値演算部とを備え、前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は、前記電流目標値演算部により求められる電流目標値と検出電流に対応する値との偏差を低減するように、前記モータの出力が制御され、前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にない時は、前記電流目標値演算部により求められる電流目標値と前記電流演算部により求められた電流に対応する値との偏差を低減するように、前記モータの出力が制御される点にある。
これにより、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は電流目標値と検出電流に対応する値との偏差を低減するように、モータの出力をフィードバック制御し、電流検出許容域にない時は電流目標値と電流演算部により求められた電流に対応する値との偏差を低減するように、モータ出力をフィードバック制御できる。よって、PWM制御信号のデューティ比の如何に係わらずモータ出力をフィードバック制御できるので、そのデューティ比すなわちコイルへの印加電圧を制限する必要がなく、電圧利用率を向上できる。
さらに、電流演算部は電流を、演算により求められる最新のインピーダンスに基づき求める。よって、インピーダンスがモータ状態に応じて時間の経過により変化しても、電流を正確に求めてモータ性能を向上することができる。
本発明の第2の特徴とするところは、モータ用制御装置が前記コイルにおける設定されたインピーダンスを記憶する設定インピーダンス記憶部と、前記モータの回転速度を求める回転速度決定部と、前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、前記モータにおける単位回転速度当たりの速度起電力である単位速度起電力を、記憶された関係、求められた端子電圧、記憶されたインピーダンス、求められた回転速度、及び検出電流に基づき、演算により時系列に求める単位速度起電力演算部と、前記単位速度起電力演算部によって求められた最新の単位速度起電力を記憶する最新単位速度起電力記憶部と、前記コイルにおける電流を、記憶された関係、求められた端子電圧、記憶されたインピーダンス、求められた回転速度、及び記憶された最新の単位速度起電力に基づき演算により求める電流演算部と、電流目標値を演算により求める電流目標値演算部とを備え、前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は、前記電流目標値演算部により求められる電流目標値と検出電流に対応する値との偏差を低減するように、前記モータの出力が制御され、前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にない時は、前記電流目標値演算部により求められる電流目標値と前記電流演算部により求められた電流に対応する値との偏差を低減するように、前記モータの出力が制御される点にある。
これにより、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は電流目標値と検出電流に対応する値との偏差を低減するようにモータ出力をフィードバック制御し、電流検出許容域にない時は電流目標値と電流演算部により求められた電流に対応する値との偏差を低減するようにモータ出力をフィードバック制御できる。よって、PWM制御信号のデューティ比の如何に係わらずモータ出力をフィードバック制御できるので、そのデューティ比すなわちコイルへの印加電圧を制限する必要がなく、電圧利用率を向上できる。
さらに、電流演算部は電流を、求められた回転速度と演算により求められる最新の単位速度起電力との積である速度起電力に基づき求める。よって、単位速度起電力がモータ状態に応じて時間の経過により変化しても、電流を正確に求めてモータ性能を向上することができる。
本発明の第3の特徴とするところは、モータ用制御装置が前記コイルにおける速度起電力を求める速度起電力決定部と、前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、前記コイルにおけるインピーダンスを、記憶された関係、求められた端子電圧、求められた速度起電力、及び検出電流に基づき、演算により時系列に求めるインピーダンス演算部と、前記インピーダンス演算部によって求められた最新のインピーダンスを記憶する最新インピーダンス記憶部と、電流目標値を演算により求める電流目標値演算部と、電流目標値が前記コイルにおける電流に、目標印加電圧が前記コイルにおける端子電圧にそれぞれ対応するものとして、目標印加電圧を、記憶された関係、求められた電流目標値、求められた速度起電力、及び求められた最新のインピーダンスに基づき演算により求める電圧演算部とを備え、前記電圧演算部により求められる目標印加電圧が前記コイルに印加されるように、前記モータの出力が制御される点にある。
これにより、モータ出力をオープンループ制御するための目標印加電圧を、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時もない時も、そのデューティ比が電流検出許容域にある時に求めた最新のインピーダンスに基づき求めることができる。よって、PWM制御信号のデューティ比の如何に係わらずモータ出力をオープンループ制御するための目標印加電圧を求めることができるので、そのデューティ比すなわちコイルへの印加電圧を制限する必要がなく、電圧利用率を向上できる。
さらに、目標印加電圧は演算により求められる最新のインピーダンスに基づき求められる。よって、インピーダンスがモータ状態に応じて時間の経過により変化しても、目標印加電圧を正確に求めてモータ性能を向上することができる。
本発明の第4の特徴とするところは、モータ用制御装置が前記コイルにおける設定されたインピーダンスを記憶する設定インピーダンス記憶部と、前記モータの回転速度を求める回転速度決定部と、前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、前記モータにおける単位回転速度当たりの速度起電力である単位速度起電力を、記憶された関係、求められた端子電圧、記憶されたインピーダンス、求められた回転速度、及び検出電流に基づき、演算により時系列に求める単位速度起電力演算部と、前記単位速度起電力演算部によって求められた最新の単位速度起電力を記憶する最新単位速度起電力記憶部と、電流目標値を演算により求める電流目標値演算部と、電流目標値が前記コイルにおける電流に、目標印加電圧が前記コイルにおける端子電圧にそれぞれ対応するものとして、前記コイルにおける目標印加電圧を、記憶された関係、求められた電流目標値、記憶されたインピーダンス、求められた回転速度、及び求められた最新の単位速度起電力に基づき演算により求める電圧演算部とを備え、前記電圧演算部により求められる目標印加電圧が前記コイルに印加されるように、前記モータの出力が制御される点にある。
これにより、モータ出力をオープンループ制御するための目標印加電圧を、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時もない時も、求められた回転速度とそのデューティ比が電流検出許容域にある時に求めた最新の単位速度起電力との積である速度起電力に基づき求めることができる。よって、PWM制御信号のデューティ比の如何に係わらずモータ出力をオープンループ制御するための目標印加電圧を求めることができるので、そのデューティ比すなわちコイルへの印加電圧を制限する必要がなく、電圧利用率を向上できる。
さらに、目標印加電圧は求められた回転速度と演算により求められる最新の単位速度起電力との積である速度起電力に基づき求められる。よって、単位速度起電力がモータ状態に応じて時間の経過により変化しても、目標印加電圧を正確に求めてモータ性能を向上することができる。
前記モータは、そのモータの電機子捲線を構成する三相のコイルそれぞれにおける相電流に応じてフィードバック制御される三相ブラシレスモータとされ、前記コイルにおける電流、端子電圧、速度起電力、およびインピーダンスの間の予め定めた関係として、以下の式(1)〜(3)で表される関係が記憶され、
Iu=(Vu−Eu)/Zu…(1)
Iv=(Vv−Ev)/Zv…(2)
Iw=(Vw−Ew)/Zw…(3)
ここで、Iu、Iv、Iwは三相の前記コイルそれぞれにおける相電流、Vu、Vv、Vwは三相の前記コイルそれぞれにおける端子電圧、Eu、Ev、Ewは三相の前記コイルそれぞれにおける速度起電力、Zu、Zv、Zwは三相の前記コイルそれぞれにおけるインピーダンスであり、速度起電力は前記モータの回転速度に単位速度起電力を乗じることにより求められるのが好ましい。
これにより、モータ出力をフィードバック制御する場合、U相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時はU相コイルを流れる検出相電流Iuに基づき(1)式によりU相コイルのインピーダンスZuあるいは単位速度起電力を演算し、U相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にない時は演算されたインピーダンスZuあるいは単位速度起電力に基づき(1)式により相電流Iuを演算により求めることができる。同様に、V相コイルを流れる検出相電流Ivに基づき(2)式によりV相コイルのインピーダンスZvあるいは単位速度起電力を演算し、V相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にない時は演算されたインピーダンスZvあるいは単位速度起電力に基づき(2)式により相電流Ivを演算により求めることができる。また、W相コイルを流れる検出相電流Iwに基づき(3)式によりW相コイルのインピーダンスZwあるいは単位速度起電力を演算し、W相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にない時は演算されたインピーダンスZwあるいは単位速度起電力に基づき(3)式により相電流Iwを演算により求めることができる。
また、モータ出力をオープンループ制御する場合、各式における相電流Iu、Iv、Iwは電流目標値に対応し、端子電圧Vu、Vv、Vwは目標印加電圧に対応する。この場合、U相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は、U相コイルを流れる検出相電流Iuに基づき(1)式によりU相コイルのインピーダンスZuあるいは単位速度起電力を演算し、また、U相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時もない時も、最新の演算されたインピーダンスZuあるいは単位速度起電力に基づき(1)式によりU相コイルにおける電流目標値を演算により求めることができる。同様に、V相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は、V相コイルを流れる検出相電流Ivに基づき(2)式によりV相コイルのインピーダンスZvあるいは単位速度起電力を演算し、また、V相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時もない時も、最新の演算されたインピーダンスZvあるいは単位速度起電力に基づき(2)式によりV相コイルにおける電流目標値を演算により求めることができる。また、W相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は、W相コイルを流れる検出相電流Iwに基づき(3)式によりW相コイルのインピーダンスZwあるいは単位速度起電力を演算し、また、W相におけるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時もない時も、最新の演算されたインピーダンスZwあるいは単位速度起電力に基づき(3)式によりW相コイルにおける電流目標値を演算により求めることができる。
よって、インピーダンスや単位速度起電力がモータ状態に応じて時間の経過により変化しても、フィードバック電流あるいは目標印加電圧を正確に求めてモータ性能を向上することができる。
本発明のモータ用制御装置によれば、電流検出のためにPWM制御信号のデューティ比を制限する必要がないので、電圧利用率を向上してモータ性能を向上できる。
図1に示す第1実施形態の車両用ラックピニオン式電動パワーステアリング装置101は、操舵により回転するステアリングシャフト103と、ステアリングシャフト103に設けられるピニオン103aと、ピニオン103aに噛み合うラック104と、操舵補助力発生用の三相ブラシレスモータ1と、モータ1の出力をラック104に伝達するネジ機構110とを備える。ラック104の両端は操舵用車輪(図示省略)に連結される。操舵によるピニオン103aの回転により、ラック104が車両幅方向に沿い移動し、このラック104の移動により舵角が変化する。
モータ1は、ラック104を覆うハウジング108に固定されるステータ1aと、ハウジング108にベアリング108a、108bを介して回転可能に支持される筒状ロータ1bと、ロータ1bに取り付けられるマグネット1cとを有する。ステータ1aは、モータ1の電機子捲線を構成する三相のコイルを含む。本実施形態においては、三相のコイルとしてU相コイル、V相コイル、およびW相コイルを有する。ロータ1bはラック104を囲む。ロータ1bの回転位置を検出する回転位置検出部がレゾルバ2により構成されている。
ネジ機構110は、ラック104の外周に一体的に形成されたボールスクリューシャフト110aと、ボールスクリューシャフト110aにボールを介してねじ合わされるボールナット110bとを有する。ボールナット110bはロータ1bに連結されている。これにより、モータ1がボールナット110bを回転させることによりラック104の長手方向に沿う操舵補助力が付与される。モータ1はモータ用制御装置10に接続される。
図2は、制御装置10の機能ブロック図を示す。制御装置10は、電流検出部11、信号処理部12、および駆動部13を有する。制御装置10に、レゾルバ2、ステアリングシャフト103により伝達される操舵トルクを検出するトルクセンサ7、車速を検出する車速センサ8が接続される。
電流検出部11は、3相のコイルにおける相電流それぞれを時系列に検出するもので、電流検出器11u、11v、11wと、電流検出器11u、11v、11wによる電流検出信号をAD変換するAD変換器11u′、11v′、11w′を有する。
信号処理部12は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、基本目標電流演算部15、三相目標電流演算部16、三相のコイルに対応するPI(比例積分)演算部17u、17v、17w、三相のコイルに対応するPWM(パルス幅変調)制御部18u、18v、18w、三相のコイルに対応する偏差演算部19u、19v、19w、判定部21、記憶部22、インピーダンス演算部23、および電流演算部24を有する。本実施形態では、基本目標電流演算部15と三相目標電流演算部16は電流目標値演算部を構成し、記憶部22は関係記憶部と最新インピーダンス記憶部を構成する。
駆動部13は、モータ1への電力供給ラインに配置されるスイッチング素子として、インバータ回路を構成する一対のU相用FET13u1、FET13u2、一対のV相用FET13v1、FET13v2、および一対のW相用FET13w1、FET13w2を有する。各電流検出器11u、11v、11wは電流検出用抵抗ρと検出回路δを有する。各電流検出用抵抗ρは各下アームFET13u2、FET13v2、FET13w2と接地端との間に配置される。各検出回路δは電流検出信号を出力するために電流検出用抵抗ρを流れる電流を増幅する。
基本目標電流演算部15は、トルクセンサ7により検知される操舵トルクと、車速センサ8により検出される車速に基づいて、モータ1の基本目標電流I* を演算する。基本目標電流I* の演算は公知の方法で行うことができ、例えば、操舵トルクの大きさが大きく、車速が小さい程に基本目標電流I* は大きくされる。
三相目標電流演算部16は、基本目標電流I* とレゾルバ2により検出されたロータ1bの回転位置とに基づき、三相のコイルにおける目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* を演算する。三相目標電流演算部16における演算は公知の方法で行うことができる。本実施形態では、目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* が電流目標値とされる。
偏差演算部19u、19v、19wはそれぞれ、U相コイルにおける目標相電流Iu* と判定部21から出力される相電流Iuとの偏差δIu、V相コイルにおける目標相電流Iv* と判定部21から出力される相電流Ivとの偏差δIv、およびW相コイルにおける目標相電流Iw* と判定部21から出力される相電流Iwとの偏差δIwを演算する。本実施形態では、相電流Iu、Iv、Iwが検出電流に対応する値あるいは電流演算部24により求められた電流に対応する値とされる。
PI演算部17u、17v、17wはそれぞれ、偏差演算部19u、19v、19wにおいて演算された偏差δIu、δIv、δIwのPI演算を行うことで、U相コイルへの目標印加電圧Vu* 、V相コイルへの目標印加電圧Vv* 、及びW相コイルへの目標印加電圧Vw* を演算する。
PWM制御部18u、18v、18wはそれぞれ、PI演算部17u、17v、17wにおいて演算された目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* に対応するデューティ比を有するパルス信号であるPWM制御信号を形成する。
バッテリーEにより各相のコイルに印加される電圧が目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* になるように、駆動部13の、各FET13u1、13u2、13v1、13v2、13w1、13w2がPWM制御信号により開閉される。
すなわち、インバータ回路におけるU相の上アームFET13u1のゲートに入力されるPWM制御信号と下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号は、一方がハイパルスである時は他方がローパルスとされ、一方の立ち下がり時と他方の立ち上がり時との間にデッドタイムが設定される。V相、W相においても同様である。
各相における上アームFET13u1、13v1、13w1のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比は、デッドタイムを無視すれば、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* が0である時は0.5、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* がモータ1を回転させるための最大値である時は1、最小値である時は0とされる。
これにより、モータ1への電力供給ラインに配置される電力供給用スイッチング素子をPWM制御信号により開閉することで、モータ1の出力が三相のコイルそれぞれにおける相電流Iu、Iv、Iwに応じてフィードバック制御される。
判定部21は、各相における下アームFET13u2、13v2、13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が、電流検出許容域にあるか否かを判定する。その判定は、PI演算部17u、17v、17wにおいて演算された目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* に対応するデューティ比を、予め設定された基準値と比較することで行う。すなわち、各相において、そのデューティ比が0になると電流検出用抵抗ρに電流が流れ込まなくなり、また、0近傍である場合も確実な電流検出ができない。よって本実施形態では、そのデューティ比が基準値を超える場合は電流検出許容域にあり、基準値以下であれば電流検出許容域にないと判定する。その基準値の具体的な値は、正確な検出電流値を確保できる下限値以上の値とされ、予め実験により定めておけばよい。判定部21は、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある場合に検出された相電流Iu、Iv、Iwをインピーダンス演算部23に送る。
なお、各相における上アームFET13u1、13v1、13w1のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が1になると電流検出用抵抗ρに電流が流れ込まなくなり、また、1近傍である場合も確実な電流検出ができない。よって変形例として、そのデューティ比が基準値未満である場合は電流検出許容域にあり、基準値以上であれば電流検出許容域にないと判定してもよく、この場合の基準値の具体的な値は、正確な検出電流値を確保できる上限値以下の値とされ、予め実験により定めておけばよい。
また、電流検出部を構成する電流検出用抵抗の配置は、モータ1の電機子捲線を構成するコイルに流れる電流を検出できれば特に限定されない。例えば、U、V、W各相において電流検出用抵抗を上アームFET13u1、13v1、13w1の上流位置に配置してもよく、上流位置に配置する場合、上アームFET13u1、13v1、13w1のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が基準値を超える場合は電流検出許容域にあり、基準値以下であれば電流検出許容域にないと判定すればよい。さらに、上記実施形態のように三相のコイルそれぞれに対応して3つの電流検出器11u、11v、11wを設けるのに代えて、図2におけるα位置またはβ位置に単一の電流検出用抵抗を配置し、そこでの検出電流とFET13u1、13u2、13v1、13v2、13w1、13w2の開閉タイミングとから3相のコイルそれぞれにおける電流を求めるようにしてもよい。
記憶部22は、三相のコイルそれぞれにおける相電流、端子電圧、速度起電力、およびインピーダンスの間の予め定めた関係として、上記の式(1)〜(3)で表される関係を記憶する。記憶された関係はインピーダンス演算部23および電流演算部24により読み出される。
なお、式(1)〜(3)の関係は、以下の式(4)と、以下の式(5)で示す三相ブラシレスモータについての公知の回路方程式とから求められる。
Iu+Iv+Iw=0…(4)
Figure 2007244192
式(5)において、VuはU相コイルにおける端子電圧、VvはV相コイルにおける端子電圧、VwはW相コイルにおける端子電圧、EuはU相コイルに誘起される速度起電力、EvはV相コイルに誘起される速度起電力、EwはW相コイルに誘起される速度起電力、ZuはU相コイルのインピーダンス、ZvはV相コイルのインピーダンス、ZwはW相コイルのインピーダンス、Rは三相の前記コイルそれぞれの捲線抵抗、Lは三相の前記コイルそれぞれの自己インダクタンス、MはU相コイルとV相コイルとの間、U相コイルとW相コイルとの間、およびV相コイルとW相コイルとの間それぞれの相互インダクタンス、Pは時間微分演算子であり、R+P(L+M/2)が三相のコイルそれぞれのインピーダンスZu、Zv、Zwに対応する。
インピーダンス演算部23は、U相における下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、記憶された式(1)で表される関係、U相コイルにおける端子電圧Vu、速度起電力Eu、および検出相電流Iuに基づき、U相コイルにおけるインピーダンスZuを演算により時系列に求め、V相における下アームFET13v2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、記憶された式(2)で表される関係、V相コイルにおける端子電圧Vv、速度起電力Ev、および検出相電流Ivに基づき、V相コイルにおけるインピーダンスZvを演算により時系列に求め、W相における下アームFET13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、記憶された式(3)で表される関係、W相コイルにおける端子電圧Vw、速度起電力Ew、および検出相電流Iwに基づき、W相コイルにおけるインピーダンスZwを演算により時系列に求める。
記憶部22は、インピーダンス演算部23により求められた最新のインピーダンスZu、Zv、Zwを記憶する。記憶されたインピーダンスZu、Zv、Zwは電流演算部24により読み出される。
電流演算部24は、記憶された式(1)で表される関係、U相コイルにおける端子電圧Vu、速度起電力Eu、および記憶された最新のインピーダンスZuに基づき、U相コイルにおける相電流Iuを演算により時系列に求め、記憶された式(2)で表される関係、V相コイルにおける端子電圧Vv、速度起電力Ev、および記憶された最新のインピーダンスZvに基づき、V相コイルにおける相電流Ivを演算により時系列に求め、記憶された式(3)で表される関係、W相コイルにおける端子電圧Vw、速度起電力Ew、および記憶された最新のインピーダンスZwに基づき、W相コイルにおける相電流Iwを演算により時系列に求める。求められた相電流Iu、Iv、Iwは判定部21に送られる。
インピーダンスZu、Zv、Zwおよび相電流Iu、Iv、Iwの演算に用いられる端子電圧Vu、Vv、Vwとして、インピーダンス演算部23および電流演算部24において、PI演算部17u、17v、17wにおいて演算された目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* が用いられる。これにより本実施形態においては、PI演算部17u、17v、17wが三相のコイルそれぞれにおける端子電圧を求める電圧決定部として機能する。なお、三相のコイルそれぞれにおける端子電圧を求める電圧決定部として、各端子電圧を直接に検出する電圧センサを設けてもよい。
インピーダンスZu、Zv、Zwおよび相電流Iu、Iv、Iwの演算に用いられる各速度起電力Eu、Ev、Ewは、インピーダンス演算部23および電流演算部24において、レゾルバ2から時系列に入力されるロータ1bの回転位置の変化からロータ1bの回転速度ωを求め、求めた回転速度ωに単位速度起電力Keを乗じた値Ke・ωとして求められる。これにより本実施形態においては、インピーダンス演算部23および電流演算部24は、モータ1の回転速度ωを求める回転速度決定部として機能し、また、三相のコイルそれぞれにおける速度起電力を求める速度起電力決定部として機能する。本実施形態の単位速度起電力Keは一定値とされ、予め定められて記憶部22に記憶され、速度起電力決定部に読み出される。
判定部21は、U相における下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は検出相電流Iuを、電流検出許容域にない時は電流演算部24により求められた相電流Iuを、偏差演算部19uに出力し、また、V相における下アームFET13v2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は検出相電流Ivを、電流検出許容域にない時は電流演算部24により求められた相電流Ivを、偏差演算部19vに出力し、さらに、W相における下アームFET13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は検出相電流Iwを、電流検出許容域にない時は電流演算部24により求められた相電流Iwを、偏差演算部19wに出力する。
これにより、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は電流検出部11による検出相電流Iu、Iv、Iwが目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* の演算のためにフィードバックされるため、目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* と検出相電流Iu、Iv、Iwとの偏差を低減するようにモータ1の出力が制御される。また、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にない時は電流演算部24により求められた相電流Iu、Iv、Iwが目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* の演算のためにフィードバックされるため、目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* と演算により求められた相電流Iu、Iv、Iwとの偏差を低減するようにモータ1の出力が制御される。
図3、図4に示すフローチャートは第1実施形態の制御装置10による制御手順を示す。
車両のイグニッションスイッチのオン等により制御が開始されると、初期設定が行われ(ステップS1)、各センサによる検出値が読み込まれ(ステップS2)、操舵トルクと車速に応じて基本目標電流I* が演算される(ステップS3)。その演算された目標電流I* とロータ1bの回転位置とに基づき目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* が演算され(ステップS4)、三相のコイルそれぞれにおける速度起電力Eu、Ev、Ewが演算される(ステップS5)。
次に、三相のコイルそれぞれにおける目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* と相電流Iu、Iv、Iwとの偏差δIu、δIv、δIwが演算される(ステップS6)。
すなわち図4に示すように、U相における下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Duが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS101)、デューティ比Duが電流検出許容域にある場合、検出相電流Iuと求められた端子電圧Vuと速度起電力Euから式(1)を用いてU相コイルにおけるインピーダンスZuが演算され(ステップS102)、最新の演算されたインピーダンスZuが記憶され(ステップS103)、検出相電流Iuが偏差演算用相電流とされ、U相コイルにおける目標相電流Iu* と相電流Iuとの偏差δIuが演算される(ステップS104)。ステップS101においてデューティ比Duが電流検出許容域にない場合、最新の記憶されたインピーダンスZuと求められた端子電圧Vuと速度起電力Euから式(1)を用いてU相コイルにおける相電流Iuが演算され(ステップS105)、演算された相電流Iuが偏差演算用相電流とされ、U相コイルにおける目標相電流Iu* と演算された相電流Iuとの偏差δIuが演算される(ステップS104)。
また、V相における下アームFET13v2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Dvが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS106)、デューティ比Dvが電流検出許容域にある場合、検出相電流Ivと求められた端子電圧Vvと速度起電力Evから式(2)を用いてV相コイルにおけるインピーダンスZvが演算され(ステップS107)、最新の演算されたインピーダンスZvが記憶され(ステップS108)、検出相電流Ivが偏差演算用相電流とされ、V相コイルにおける目標相電流Iv* と相電流Ivとの偏差δIvが演算される(ステップS109)。ステップS106においてデューティ比Dvが電流検出許容域にない場合、最新の記憶されたインピーダンスZvと求められた端子電圧Vvと速度起電力Evから式(2)を用いてV相コイルにおける相電流Ivが演算され(ステップS110)、演算された相電流Ivが偏差演算用相電流とされ、V相コイルにおける目標相電流Iv* と演算された相電流Ivとの偏差δIvが演算される(ステップS109)。
さらに、W相における下アームFET13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Dwが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS111)、デューティ比Dwが電流検出許容域にある場合、検出相電流Iwと求められた端子電圧Vwと速度起電力Ewから式(3)を用いてW相コイルにおけるインピーダンスZwが演算され(ステップS112)、最新の演算されたインピーダンスZwが記憶され(ステップS113)、検出相電流Iwが偏差演算用相電流とされ、W相コイルにおける目標相電流Iw* と相電流Iwとの偏差δIwが演算される(ステップS114)。ステップS111においてデューティ比Dwが電流検出許容域にない場合、最新の記憶されたインピーダンスZwと求められた端子電圧Vwと速度起電力Ewから式(3)を用いてW相コイルにおける相電流Iwが演算され(ステップS115)、演算された相電流Iwが偏差演算用相電流とされ、W相コイルにおける目標相電流Iw* と演算された相電流Iwとの偏差δIwが演算される(ステップS114)。なお、制御開始当初において演算に必要な端子電圧Vu、Vv、Vwとしては初期設定値を用いればよい。
次に、演算された偏差δIu、δIv、δIwに応じた目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* が演算される(ステップS7)。バッテリーEから各相のコイルに印加される電圧が目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* になるように、各FET13u1〜13w2がPWM制御信号により開閉されることでモータ1が駆動される(ステップS8)。次に、例えばイグニッションスイッチの開閉状態により制御が終了されるか否かが判断され(ステップS9)、終了しない場合はステップS2に戻る。
上記実施形態によれば、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は各目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* と検出相電流Iu、Iv、Iwとの偏差δIu、δIv、δIwを低減するようにモータ1の出力を制御し、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にない時は目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* と演算により求められた相電流Iu、Iv、Iwとの偏差δIu、δIv、δIwを低減するようにモータ1の出力を制御できる。よって、PWM制御信号のデューティ比すなわちモータ1の電機子捲線を構成するコイルへの印加電圧を制限する必要がなく、例えばPWM制御信号のデューティ比を0〜1の範囲に設定できるので、バッテリーEにより印加されるインバータ電圧を略100%利用でき、電圧利用率を向上してモータ性能を向上できる。さらに、電流演算部24により求められる相電流Iu、Iv、Iwは、演算により時系列に求められる各インピーダンスZu、Zv、Zwの中の最新のインピーダンスに基づき求められる。これにより、インピーダンスZu、Zv、Zwがモータ状態に応じて時間の経過により変化しても、電流演算部24により相電流Iu、Iv、Iwを正確に求めることができ、モータ性能を十分に向上することができる。
図5は本発明の第2実施形態を示す。第2実施形においては、ロータ1bの有する界磁(マグネット1c)の磁束方向に沿う軸をd軸、d軸とロータ1bの回転軸とに直交する軸をq軸として、dq座標において基本目標電流I* から目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を求める演算を行う。第2実施形態においては、第1実施形態における三相目標電流演算部16、各PI演算部17u、17v、17w、各偏差演算部19u、19v、19wに代えて、dq軸目標電流演算部50、相電流座標変換部51、d軸偏差演算部52d、q軸偏差演算部52q、d軸PI演算部53d、q軸PI演算部53q、および目標電圧座標変換部54を有する。本実施形態では、基本目標電流演算部15とdq軸目標電流演算部50が電流目標値演算部を構成する。
基本目標電流演算部15により演算された基本目標電流I* はdq軸目標電流演算部50に入力される。dq軸目標電流演算部50は、d軸方向の磁界を生成するd軸目標電流Id* と、q軸方向の磁界を生成するq軸目標電流Iq* を演算する。本実施形態では、d軸目標電流Id* とq軸目標電流Iq* が電流目標値とされる。dq軸目標電流演算部50における演算は公知の演算式を用いて行うことができる。
判定部21から出力される相電流Iu、Iv、Iwは相電流座標変換部51に入力される。相電流座標変換部51は、d軸方向の磁界を生成するd軸電流Idとq軸方向の磁界を生成するq軸電流Iqを、判定部21から出力された相電流Iu、Iv、Iwとレゾルバ2により検出されたロータ1bの回転位置から演算する。相電流座標変換部51における演算は公知の演算式を用いて行うことができる。
d軸偏差演算部52dは、d軸目標電流Id* とd軸電流Idの偏差δIdを求め、その偏差δIdのPI演算がd軸PI演算部53dにおいて行われることでd軸目標電圧Vd* が求められる。q軸偏差演算部52qは、q軸目標電流Iq* とq軸電流Iqの偏差δIqを求め、その偏差δIqのPI演算がq軸PI演算部53qにおいて行われることでq軸目標電圧Vq* が求められる。本実施形態では、d軸電流Idとq軸電流Iqが検出電流に対応する値あるいは電流演算部24により求められた電流に対応する値とされる。
目標電圧座標変換部54は、d軸目標電圧Vd* 、q軸目標電圧Vq* 、およびレゾルバ2により検出されたロータ1bの回転位置から、U相コイル、V相コイル、W相コイルへの目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を演算する。目標電圧座標変換部54における演算は公知の演算式を用いて行えばよい。他は第1実施形態と同様とされる。
図6〜図8は本発明の第3実施形態を示す。以下、第1実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。第3実施形態における制御装置10は、第1実施形態におけるインピーダンス演算部23、最新インピーダンス記憶部、および速度起電力決定部に代えて、単位速度起電力演算部123、最新単位速度起電力記憶部、および設定インピーダンス記憶部を備える。
第3実施形態における記憶部22aは関係記憶部と最新単位速度起電力記憶部と設定インピーダンス記憶部を構成する。設定インピーダンス記憶部は、三相のコイルにおける予め設定されたインピーダンスZu、Zv、Zwを記憶する。本実施形態の設定インピーダンスZu、Zv、Zwは一定値とされる。記憶部22aに記憶された式(1)〜(3)で表される関係と設定インピーダンスZu、Zv、Zwは、単位速度起電力演算部123により読み出され、その関係は電流演算部24によっても読み出される。
単位速度起電力演算部123は、U相における下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、記憶された式(1)で表される関係、電圧決定部において求められたU相コイルにおける端子電圧Vu、記憶された設定インピーダンスZu、回転速度決定部において求められた回転速度ω、および検出相電流Iuに基づき、U相コイルにおける単位速度起電力Keuを演算により時系列に求め、また、V相における下アームFET13v2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、記憶された式(2)で表される関係、電圧決定部において求められたV相コイルにおける端子電圧Vv、記憶された設定インピーダンスZv、求められた回転速度ω、および検出相電流Ivに基づき、V相コイルにおける単位速度起電力Kevを演算により時系列に求め、さらに、W相における下アームFET13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、記憶された式(3)で表される関係、電圧決定部において求められたW相コイルにおける端子電圧Vw、記憶された設定インピーダンスZw、求められた回転速度ω、および検出相電流Iwに基づき、W相コイルにおける単位速度起電力Kewを演算により時系列に求める。本実施形態では、第1実施形態と同様にPI演算部17u、17v、17wが電圧決定部として機能してもよいし、電圧決定部として電圧センサを設けても良い。また、単位速度起電力演算部123および電流演算部24が回転速度決定部として機能する。
単位速度起電力演算部123により求められた最新の単位速度起電力Keu、Kev、Kewは記憶部22aに記憶され、記憶された単位速度起電力Keu、Kev、Kewは電流演算部24により読み出される。
電流演算部24は、記憶された式(1)で表される関係、電圧決定部において求められたU相コイルにおける端子電圧Vu、記憶された設定インピーダンスZu、求められた回転速度ω、および記憶された最新の単位速度起電力Keuに基づき、U相コイルにおける相電流Iuを演算により時系列に求め、記憶された式(2)で表される関係、電圧決定部において求められたV相コイルにおける端子電圧Vv、記憶された設定インピーダンスZv、求められた回転速度ω、および記憶された最新の単位速度起電力Kevに基づき、V相コイルにおける相電流Ivを演算により時系列に求め、記憶された式(3)で表される関係、電圧決定部において求められたW相コイルにおける端子電圧Vw、記憶された設定インピーダンスZw、求められた回転速度ω、および記憶された最新の単位速度起電力Kewに基づき、W相コイルにおける相電流Iwを演算により時系列に求める。
図7、図8に示すフローチャートは第3実施形態の制御装置10による制御手順を示す。
車両のイグニッションスイッチのオン等により制御が開始されると、初期設定が行われ(ステップS201)、各センサによる検出値が読み込まれ(ステップS202)、操舵トルクと車速に応じて基本目標電流I* が演算される(ステップS203)。その演算された目標電流I* とロータ1bの回転位置とに基づき目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* が演算され(ステップS204)、三相のコイルそれぞれにおける設定インピーダンスZu、Zv、Zwが読み出される(ステップS205)。
次に、三相のコイルそれぞれにおいて目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* と相電流Iu、Iv、Iwとの偏差δIu、δIv、δIwが演算される(ステップS206)。
すなわち図8に示すように、U相における下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Duが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS301)、デューティ比Duが電流検出許容域にある場合、検出相電流Iuと求められた端子電圧Vuと記憶された設定インピーダンスZuと求められた回転速度ωから式(1)を用いてU相コイルにおける単位速度起電力Keuが演算され(ステップS302)、最新の演算された単位速度起電力Keuが記憶され(ステップS303)、検出相電流Iuが偏差演算用相電流とされ、U相コイルにおける目標相電流Iu* と相電流Iuとの偏差δIuが演算される(ステップS304)。ステップS301においてデューティ比Duが電流検出許容域にない場合、求められた端子電圧Vuと記憶された設定インピーダンスZuと求められた回転速度ωと最新の記憶された単位速度起電力Keuから式(1)を用いてU相コイルにおける相電流Iuが演算され(ステップS305)、演算された相電流Iuが偏差演算用相電流とされ、U相コイルにおける目標相電流Iu* と演算された相電流Iuとの偏差δIuが演算される(ステップS304)。
また、V相における下アームFET13v2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Dvが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS306)、デューティ比Dvが電流検出許容域にある場合、検出相電流Ivと求められた端子電圧Vvと記憶された設定インピーダンスZvと求められた回転速度ωから式(2)を用いてV相コイルにおける単位速度起電力Kevが演算され(ステップS307)、最新の演算された単位速度起電力Kevが記憶され(ステップS308)、検出相電流Ivが偏差演算用相電流とされ、V相コイルにおける目標相電流Iv* と相電流Ivとの偏差δIvが演算される(ステップS309)。ステップS306においてデューティ比Dvが電流検出許容域にない場合、求められた端子電圧Vvと記憶された設定インピーダンスZvと求められた回転速度ωと最新の記憶された単位速度起電力Kevから式(2)を用いてV相コイルにおける相電流Ivが演算され(ステップS310)、演算された相電流Ivが偏差演算用相電流とされ、V相コイルにおける目標相電流Iv* と演算された相電流Ivとの偏差δIvが演算される(ステップS309)。
さらに、W相における下アームFET13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Dwが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS311)、デューティ比Dwが電流検出許容域にある場合、検出相電流Iwと求められた端子電圧Vwと記憶された設定インピーダンスZwと求められた回転速度ωから式(3)を用いてW相コイルにおける単位速度起電力Kewが演算され(ステップS312)、最新の演算された単位速度起電力Kewが記憶され(ステップS313)、検出相電流Iwが偏差演算用相電流とされ、W相コイルにおける目標相電流Iw* と相電流Iwとの偏差δIwが演算される(ステップS314)。ステップS311においてデューティ比Dwが電流検出許容域にない場合、求められた端子電圧Vwと記憶された設定インピーダンスZwと求められた回転速度ωと最新の記憶された単位速度起電力Kewから式(3)を用いてW相コイルにおける相電流Iwが演算され(ステップS315)、演算された相電流Iwが偏差演算用相電流とされ、W相コイルにおける目標相電流Iw* と演算された相電流Iwとの偏差δIwが演算される(ステップS314)。なお、制御開始当初において演算に必要な端子電圧Vu、Vv、Vwとして初期設定値を用いればよい。
次に、演算された偏差δIu、δIv、δIwに応じた目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* が演算される(ステップS207)。バッテリーEから各相のコイルに印加される電圧が目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* になるように、各FET13u1〜13w2がPWM制御信号により開閉されることでモータ1が駆動される(ステップS208)。次に、例えばイグニッションスイッチの開閉状態により制御が終了されるか否かが判断され(ステップS209)、終了しない場合はステップS202に戻る。
第3実施形態によれば、電流演算部24により求められる相電流Iu、Iv、Iwは、求められた回転速度ωと演算により時系列に求められる単位速度起電力Keu、Kev、Kewの中の最新の単位速度起電力との積である速度起電力Eu、Ev、Ewに基づき求められる。これにより、速度起電力Eu、Ev、Ewが温度等のモータ1の状態に応じて時間の経過により変化しても、電流演算部24により相電流Iu、Iv、Iwを正確に求めることができる。他は第1実施形態と同様とされる。さらに、第3実施形態を第1実施形態と組み合わせることで、例えばモータ1の停止時は速度起電力は0であるので、デューティ比が電流検出許容域にある時に各インピーダンスZu、Zv、Zwを求めておくことができ、これによりインピーダンスZu、Zv、Zwが実際はモータ1の状態に応じて時間の経過により変化した場合でも、電流演算部24により相電流Iu、Iv、Iwを正確に求めることができる。
なお、第3実施形態における三相目標電流演算部16、各PI演算部17u、17v、17w、各偏差演算部19u、19v、19wに代えて、第2実施形態におけるようにdq座標において基本目標電流I* から目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を求めるため、dq軸目標電流演算部50、相電流座標変換部51、d軸偏差演算部52d、q軸偏差演算部52q、d軸PI演算部53d、q軸PI演算部53q、および目標電圧座標変換部54を設けてもよい。
図9〜図11は本発明の第4実施形態を示す。以下、第1実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
第4実施形態における制御装置10は、第1実施形態におけるPI演算部17u、17v、17w、偏差演算部19u、19v、19wおよび電流演算部24を備えておらず、それらに代わってU、V、W相それぞれにおける電圧演算部217u、217v、217wを有する。また、第4実施形態においては速度起電力決定部225が回転速度決定部として機能し、レゾルバ2から時系列に入力されるロータ1bの回転位置の変化からロータ1bの回転速度ωを求め、求めた回転速度ωに単位速度起電力Keを乗じた値Ke・ωとして三相のコイルそれぞれにおける速度起電力を求める。本実施形態の単位速度起電力Keは一定値とされ、予め定められて記憶部22に記憶され、速度起電力決定部225に読み出される。
各電圧演算部217u、217v、217wは、記憶部22に記憶される式(1)〜(3)で表される関係と最新のインピーダンスZu、Zv、Zwを読み出し、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を演算する。すなわち、U相電圧演算部217uは、目標相電流Iu* がU相コイルにおける相電流Iuに、目標印加電圧Vu* がU相コイルにおける端子電圧Vuにそれぞれ対応するものとして、式(1)で表される記憶された関係、求められた電流目標値Iu* 、求められた速度起電力Eu、及び求められた最新のインピーダンスZuに基づき、目標印加電圧Vu* を演算により求める。V相電圧演算部217vは、目標相電流Iv* がV相コイルにおける相電流Ivに、目標印加電圧Vv* がV相コイルにおける端子電圧Vvにそれぞれ対応するものとして、式(2)で表される記憶された関係、求められた電流目標値Iv* 、求められた速度起電力Ev、及び求められた最新のインピーダンスZvに基づき、目標印加電圧Vv* を演算により求める。W相電圧演算部217wは、目標相電流Iw* がW相コイルにおける相電流Iwに、目標印加電圧Vw* がW相コイルにおける端子電圧Vwにそれぞれ対応するものとして、式(3)で表される記憶された関係、求められた電流目標値Iw* 、求められた速度起電力Ew、及び求められた最新のインピーダンスZwに基づき、目標印加電圧Vw* を演算により求める。
PWM制御部18u、18v、18wは、電圧演算部217u、217v、217wにおいて演算された目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* それぞれに対応するデューティ比を有するPWM制御信号を形成する。駆動部13の各FET13u1〜13w2がPWM制御信号により開閉されることで、電圧演算部217u、217v、217wにより求められる目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* がモータ1の各コイルに印加されるようにモータ1の出力が制御される。
判定部21は、各相における下アームFET13u2、13v2、13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が、電流検出許容域にあるか否かを判定する。その判定は、例えば電圧演算部217u、217v、217wにおいて演算された目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* から演算されるデューティ比を予め設定された基準値と比較することで行う。判定部21は、判定結果に応じた信号をインピーダンス演算部23に出力する。
インピーダンス演算部23は、U相における下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、判定部21からの信号により、記憶された式(1)で表される関係、U相コイルにおける端子電圧Vu、求められた速度起電力Eu、および検出相電流Iuに基づき、U相コイルにおけるインピーダンスZuを演算により時系列に求め、V相における下アームFET13v2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、判定部21からの信号により、記憶された式(2)で表される関係、V相コイルにおける端子電圧Vv、求められた速度起電力Ev、および検出相電流Ivに基づき、V相コイルにおけるインピーダンスZvを演算により時系列に求め、W相における下アームFET13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、判定部21からの信号により、記憶された式(3)で表される関係、W相コイルにおける端子電圧Vw、求められた速度起電力Ew、および検出相電流Iwに基づき、W相コイルにおけるインピーダンスZwを演算により時系列に求める。
インピーダンスZu、Zv、Zwの演算に用いられる端子電圧Vu、Vv、Vwとしては、例えば電圧演算部217u、217v、217wにおいて演算された目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を用いる。これにより、電圧演算部217u、217v、217wが三相のコイルそれぞれにおける端子電圧を求める電圧決定部として機能する。なお、三相のコイルそれぞれにおける端子電圧を求める電圧決定部として、各端子電圧を直接に検出する電圧センサを設けてもよい。
図10、図11に示すフローチャートは第4実施形態の制御装置10による制御手順を示す。
車両のイグニッションスイッチのオン等により制御が開始されると、初期設定が行われ(ステップS401)、各センサによる検出値が読み込まれ(ステップS402)、操舵トルクと車速に応じて基本目標電流I* が演算される(ステップS403)。その演算された基本目標電流I* とロータ1bの回転位置とに基づき目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* が演算され(ステップS404)、三相のコイルそれぞれにおける速度起電力Eu、Ev、Ewが演算される(ステップS405)。
次に、三相のコイルそれぞれにおける目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* が演算される(ステップS406)。
すなわち図11に示すように、U相における下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Duが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS501)、デューティ比Duが電流検出許容域にある場合、検出相電流Iuと求められた端子電圧Vuと速度起電力Euから式(1)を用いてU相コイルにおけるインピーダンスZuが演算され(ステップS502)、最新の演算されたインピーダンスZuが記憶される(ステップS503)。次にU相コイルにおける目標印加電圧Vu* が演算される(ステップS504)。ステップS501においてデューティ比Duが電流検出許容域にない場合、ステップS504においてU相コイルにおける目標印加電圧Vu* が演算される。また、V相における下アームFET13v2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Dvが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS505)、デューティ比Dvが電流検出許容域にある場合、検出相電流Ivと求められた端子電圧Vvと速度起電力Evから式(2)を用いてV相コイルにおけるインピーダンスZvが演算され(ステップS506)、最新の演算されたインピーダンスZvが記憶される(ステップS507)。次にV相コイルにおける目標印加電圧Vv* が演算される(ステップS508)。ステップS505においてデューティ比Dvが電流検出許容域にない場合、ステップS508においてV相コイルにおける目標印加電圧Vv* が演算される。さらに、W相における下アームFET13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Dwが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS509)、デューティ比Dwが電流検出許容域にある場合、検出相電流Iwと求められた端子電圧Vwと速度起電力Ewから式(3)を用いてW相コイルにおけるインピーダンスZwが演算され(ステップS510)、最新の演算されたインピーダンスZwが記憶される(ステップS511)。次にW相コイルにおける目標印加電圧Vw* が演算される(ステップS512)。ステップS509においてデューティ比Dwが電流検出許容域にない場合、ステップS512においてW相コイルにおける目標印加電圧Vw* が演算される。なお、制御開始当初において演算に必要な端子電圧Vu、Vv、Vwとしては初期設定値を用いればよい。
次に、バッテリーEから各相のコイルに印加される電圧が目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* になるように、各FET13u1〜13w2がPWM制御信号により開閉されることでモータ1が駆動される(ステップS407)。次に、例えばイグニッションスイッチの開閉状態により制御が終了されるか否かが判断され(ステップS408)、終了しない場合はステップS402に戻る。
上記実施形態によれば、モータ1の出力をオープンループ制御するための目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時もない時も、そのデューティ比が電流検出許容域にある時に求めた最新のインピーダンスZu、Zv、Zwに基づき求めることができる。よって、PWM制御信号のデューティ比の如何に係わらずモータ出力をオープンループ制御するための目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を求めることができるので、そのデューティ比すなわちコイルへの印加電圧を制限する必要がなく、電圧利用率を向上できる。
さらに、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* は演算により時系列に求められるインピーダンスZu、Zv、Zwの中の最新のインピーダンスに基づき求められる。よって、インピーダンスZu、Zv、Zwがモータ1の状態に応じて時間の経過により変化しても、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を正確に求めてモータ性能を向上することができる。他は第1実施形態と同様とされる。
図12〜図14は本発明の第5実施形態を示す。以下、第4実施形態と同様部分は同一符で示し、相違点を説明する。第5実施形態における制御装置10は、第4実施形態におけるインピーダンス演算部23、最新インピーダンス記憶部、および速度起電力決定部225に代えて、単位速度起電力演算部123、最新単位速度起電力記憶部、および設定インピーダンス記憶部226を備える。
第5実施形態における記憶部22cは関係記憶部と最新単位速度起電力記憶部を構成する。設定インピーダンス記憶部226は、三相のコイルそれぞれの予め設定されたインピーダンスZu、Zv、Zwを記憶する。本実施形態の設定インピーダンスZu、Zv、Zwは一定値とされる。記憶部22cに記憶された式(1)〜(3)で表される関係と設定インピーダンス記憶部226に記憶された設定インピーダンスZu、Zv、Zwは、単位速度起電力演算部123と電圧演算部217u、217v、217wにより読み出される。また、第5実施形態においては単位速度起電力演算部123および電圧演算部217u、217v、217wが回転速度決定部として機能し、レゾルバ2から時系列に入力されるロータ1bの回転位置の変化からロータ1bの回転速度ωを求める。
単位速度起電力演算部123は、U相における下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、記憶された式(1)で表される関係、電圧決定部において求められたU相コイルにおける端子電圧Vu、記憶された設定インピーダンスZu、回転速度決定部において求められた回転速度ω、および検出相電流Iuに基づき、U相コイルにおける単位速度起電力Keuを演算により時系列に求め、V相における下アームFET13v2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、記憶された式(2)で表される関係、電圧決定部において求められたV相コイルにおける端子電圧Vv、記憶された設定インピーダンスZv、求められた回転速度ω、および検出相電流Ivに基づき、V相コイルにおける単位速度起電力Kevを演算により時系列に求め、W相における下アームFET13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、記憶された式(3)で表される関係、電圧決定部において求められたW相コイルにおける端子電圧Vw、記憶された設定インピーダンスZw、求められた回転速度ω、および検出相電流Iwに基づき、W相コイルにおける単位速度起電力Kewを演算により時系列に求める。
単位速度起電力演算部123により求められた最新の単位速度起電力Keu、Kev、Kewは記憶部22に記憶され、記憶された単位速度起電力Keu、Kev、Kewは電圧演算部217u、217v、217wにより読み出される。
各電圧演算部217u、217v、217wは、記憶部22に記憶される式(1)〜(3)で表される関係と最新の単位速度起電力Keu、Kev、Kewを読み出し、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を演算する。すなわち、U相電圧演算部217uは、目標相電流Iu* がU相コイルにおける相電流Iuに、目標印加電圧Vu* がU相コイルにおける端子電圧Vuにそれぞれ対応するものとして、式(1)で表される記憶された関係、求められた電流目標値Iu* 、記憶された設定インピーダンスZu、求められた回転速度ω、及び求められた最新の単位速度起電力Keuに基づき、目標印加電圧Vu* を演算により求める。V相電圧演算部217vは、目標相電流Iv* がV相コイルにおける相電流Ivに、目標印加電圧Vv* がV相コイルにおける端子電圧Vvにそれぞれ対応するものとして、式(2)で表される記憶された関係、求められた電流目標値Iv* 、記憶された設定インピーダンスZv、求められた回転速度ω、及び求められた最新の単位速度起電力Kevに基づき、目標印加電圧Vv* を演算により求める。W相電圧演算部217wは、目標相電流Iw* がW相コイルにおける相電流Iwに、目標印加電圧Vw* がW相コイルにおける端子電圧Vwにそれぞれ対応するものとして、式(3)で表される記憶された関係、求められた電流目標値Iw* 、記憶された設定インピーダンスZw、求められた回転速度ω、及び求められた最新の単位速度起電力Kewに基づき、目標印加電圧Vw* を演算により求める。
図13、図14に示すフローチャートは第5実施形態の制御装置10による制御手順を示す。
車両のイグニッションスイッチのオン等により制御が開始されると、初期設定が行われ(ステップS601)、各センサによる検出値が読み込まれ(ステップS602)、操舵トルクと車速に応じて基本目標電流I* が演算される(ステップS603)。その演算された基本目標電流I* とロータ1bの回転位置とに基づき目標相電流Iu* 、Iv* 、Iw* が演算され(ステップS604)、三相のコイルそれぞれにおける設定インピーダンスZu、Zv、Zwが読み出される(ステップS605)。
次に、三相のコイルそれぞれにおける目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* が演算される(ステップS606)。
すなわち図14に示すように、U相における下アームFET13u2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Duが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS701)、デューティ比Duが電流検出許容域にある場合、検出相電流Iuと求められた端子電圧Vuと記憶された設定インピーダンスZuと求められた回転速度ωから式(1)を用いてU相コイルにおける単位速度起電力Keuが演算され(ステップS702)、最新の演算された単位速度起電力Keuが記憶される(ステップS703)。次にU相コイルにおける目標印加電圧Vu* が演算される(ステップS704)。ステップS701においてデューティ比Duが電流検出許容域にない場合、ステップS704においてU相コイルにおける目標印加電圧Vu* が演算される。また、V相における下アームFET13v2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Dvが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS705)、デューティ比Dvが電流検出許容域にある場合、検出相電流Ivと求められた端子電圧Vvと記憶された設定インピーダンスZvと求められた回転速度ωから式(2)を用いてV相コイルにおける単位速度起電力Kevが演算され(ステップS706)、最新の演算された単位速度起電力Kevが記憶される(ステップS707)。次にV相コイルにおける目標印加電圧Vv* が演算される(ステップS708)。ステップS705においてデューティ比Dvが電流検出許容域にない場合、ステップS708においてV相コイルにおける目標印加電圧Vv* が演算される。さらに、W相における下アームFET13w2のゲートに入力されるPWM制御信号のデューティ比Dwが電流検出許容域にあるか否かが判定され(ステップS709)、デューティ比Dwが電流検出許容域にある場合、検出相電流Iwと求められた端子電圧Vwと記憶された設定インピーダンスZwと求められた回転速度ωから式(3)を用いてW相コイルにおける単位速度起電力Kewが演算され(ステップS710)、最新の演算された単位速度起電力Kewが記憶される(ステップS711)。次にW相コイルにおける目標印加電圧Vw* が演算される(ステップS712)。ステップS709においてデューティ比Dwが電流検出許容域にない場合、ステップS712においてW相コイルにおける目標印加電圧Vw* が演算される。なお、制御開始当初において演算に必要な端子電圧Vu、Vv、Vwとしては初期設定値を用いればよい。
次に、バッテリーEから各相のコイルに印加される電圧が目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* になるように、各FET13u1〜13w2がPWM制御信号により開閉されることでモータ1が駆動される(ステップS607)。次に、例えばイグニッションスイッチの開閉状態により制御が終了されるか否かが判断され(ステップS608)、終了しない場合はステップS602に戻る。
上記実施形態によれば、モータ1の出力をオープンループ制御するための目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を、PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時もない時も、求められた回転速度ωとそのデューティ比が電流検出許容域にある時に求めた最新の単位速度起電力Keu、Kev、Kewとの積である速度起電力Eu、Ev、Ewに基づき求めることができる。よって、PWM制御信号のデューティ比の如何に係わらずモータ出力をオープンループ制御するための目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を求めることができるので、そのデューティ比すなわちコイルへの印加電圧を制限する必要がなく、電圧利用率を向上できる。
さらに、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* は求められた回転速度ωと演算により求められる最新の単位速度起電力Keu、Kev、Kewとの積である速度起電力Eu、Ev、Ewに基づき求められる。よって、速度起電力Eu、Ev、Ewがモータ1の状態に応じて時間の経過により変化しても、目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を正確に求めてモータ性能を向上することができる。他は第4実施形態と同様とされる。さらに、第5実施形態を第4実施形態と組み合わせることで、例えばモータ1の停止時は速度起電力は0であるので、デューティ比が電流検出許容域にある時にインピーダンスZu、Zv、Zwを求めておくことができ、これによりインピーダンスZu、Zv、Zwが実際はモータ1の状態に応じて時間の経過により変化した場合でも、電圧演算部217u、217v、217wにおいて目標印加電圧Vu* 、Vv* 、Vw* を正確に求めることができる。
本発明は上記各実施形態に限定されない。例えば、本発明の制御装置により制御されるモータの用途は特に限定されない。また、モータの相数は限定されず、ブラシ式モータにも本発明を適用できる。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の部分破断正面図 本発明の第1実施形態に係るモータ用制御装置の構成説明図 本発明の第1実施形態に係るモータ用制御装置による制御手順を示すフローチャート 本発明の第1実施形態に係るモータ用制御装置による制御手順を示すフローチャート 本発明の第2実施形態に係るモータ用制御装置の構成説明図 本発明の第3実施形態に係るモータ用制御装置の構成説明図 本発明の第3実施形態に係るモータ用制御装置による制御手順を示すフローチャート 本発明の第3実施形態に係るモータ用制御装置による制御手順を示すフローチャート 本発明の第4実施形態に係るモータ用制御装置の構成説明図 本発明の第4実施形態に係るモータ用制御装置による制御手順を示すフローチャート 本発明の第4実施形態に係るモータ用制御装置による制御手順を示すフローチャート 本発明の第5実施形態に係るモータ用制御装置の構成説明図 本発明の第5実施形態に係るモータ用制御装置による制御手順を示すフローチャート 本発明の第5実施形態に係るモータ用制御装置による制御手順を示すフローチャート
符号の説明
1…モータ、1a…ステータ、10…制御装置、11…電流検出部、13u1、13u2、13v1、13v2、13w1、13w2…FET(スイッチング素子)、15…基本目標電流演算部(電流目標値演算部)、16…三相目標電流演算部(電流目標値演算部)、17u、17v、17w…PI演算部(電圧決定部)、21…判定部、22…記憶部(関係記憶部、最新インピーダンス記憶部、最新単位速度起電力記憶部、設定インピーダンス記憶部)、22a…記憶部(関係記憶部、最新単位速度起電力記憶部、設定インピーダンス記憶部)、22c…記憶部(関係記憶部、最新単位速度起電力記憶部)、23…インピーダンス演算部(速度起電力決定部、回転速度決定部)、24…電流演算部(速度起電力決定部、回転速度決定部)、50…dq軸目標電流演算部(電流目標値演算部)、123…単位速度起電力演算部(回転速度決定部)、217u、217v、217w…電圧演算部(電圧決定部、回転速度決定部)、225…速度起電力決定部(回転速度決定部)、226…設定インピーダンス記憶部

Claims (5)

  1. モータへの電力供給ラインに配置されるスイッチング素子をPWM制御信号により開閉することで、前記モータの出力を制御するモータ用制御装置において、
    前記モータの電機子捲線を構成するコイルにおける電流、端子電圧、速度起電力、およびインピーダンスの間の予め定めた関係を記憶する関係記憶部と、
    前記コイルにおける端子電圧を求める電圧決定部と、
    前記コイルにおける速度起電力を求める速度起電力決定部と、
    前記コイルにおける電流を検出する電流検出部と、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にあるか否かを設定された基準値と比較することで判定する判定部と、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、前記コイルにおけるインピーダンスを、記憶された関係、求められた端子電圧、求められた速度起電力、及び検出電流に基づき、演算により時系列に求めるインピーダンス演算部と、
    前記インピーダンス演算部によって求められた最新のインピーダンスを記憶する最新インピーダンス記憶部と、
    前記コイルにおける電流を、記憶された関係、求められた端子電圧、求められた速度起電力、及び記憶された最新のインピーダンスに基づき演算により求める電流演算部と、
    電流目標値を演算により求める電流目標値演算部とを備え、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は、前記電流目標値演算部により求められる電流目標値と検出電流に対応する値との偏差を低減するように、前記モータの出力が制御され、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にない時は、前記電流目標値演算部により求められる電流目標値と前記電流演算部により求められた電流に対応する値との偏差を低減するように、前記モータの出力が制御されることを特徴とするモータ用制御装置。
  2. モータへの電力供給ラインに配置されるスイッチング素子をPWM制御信号により開閉することで、前記モータの出力を制御するモータ用制御装置において、
    前記モータの電機子捲線を構成するコイルにおける電流、端子電圧、速度起電力、およびインピーダンスの間の予め定めた関係を記憶する関係記憶部と、
    前記コイルにおける端子電圧を求める電圧決定部と、
    前記コイルにおける設定されたインピーダンスを記憶する設定インピーダンス記憶部と、前記コイルにおける電流を検出する電流検出部と、
    前記モータの回転速度を求める回転速度決定部と、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にあるか否かを設定された基準値と比較することで判定する判定部と、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、前記モータにおける単位回転速度当たりの速度起電力である単位速度起電力を、記憶された関係、求められた端子電圧、記憶されたインピーダンス、求められた回転速度、及び検出電流に基づき、演算により時系列に求める単位速度起電力演算部と、
    前記単位速度起電力演算部によって求められた最新の単位速度起電力を記憶する最新単位速度起電力記憶部と、
    前記コイルにおける電流を、記憶された関係、求められた端子電圧、記憶されたインピーダンス、求められた回転速度、及び記憶された最新の単位速度起電力に基づき演算により求める電流演算部と、
    電流目標値を演算により求める電流目標値演算部とを備え、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時は、前記電流目標値演算部により求められる電流目標値と検出電流に対応する値との偏差を低減するように、前記モータの出力が制御され、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にない時は、前記電流目標値演算部により求められる電流目標値と前記電流演算部により求められた電流に対応する値との偏差を低減するように、前記モータの出力が制御されることを特徴とするモータ用制御装置。
  3. モータへの電力供給ラインに配置されるスイッチング素子をPWM制御信号により開閉することで、前記モータの出力を制御するモータ用制御装置において、
    前記モータの電機子捲線を構成するコイルにおける電流、端子電圧、速度起電力、およびインピーダンスの間の予め定めた関係を記憶する関係記憶部と、
    前記コイルにおける端子電圧を求める電圧決定部と、
    前記コイルにおける速度起電力を求める速度起電力決定部と、
    前記コイルにおける電流を検出する電流検出部と、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にあるか否かを設定された基準値と比較することで判定する判定部と、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、前記コイルにおけるインピーダンスを、記憶された関係、求められた端子電圧、求められた速度起電力、及び検出電流に基づき、演算により時系列に求めるインピーダンス演算部と、
    前記インピーダンス演算部によって求められた最新のインピーダンスを記憶する最新インピーダンス記憶部と、
    電流目標値を演算により求める電流目標値演算部と、
    電流目標値が前記コイルにおける電流に、目標印加電圧が前記コイルにおける端子電圧にそれぞれ対応するものとして、目標印加電圧を、記憶された関係、求められた電流目標値、求められた速度起電力、及び求められた最新のインピーダンスに基づき演算により求める電圧演算部とを備え、
    前記電圧演算部により求められる目標印加電圧が前記コイルに印加されるように、前記モータの出力が制御されることを特徴とするモータ用制御装置。
  4. モータへの電力供給ラインに配置されるスイッチング素子をPWM制御信号により開閉することで、前記モータの出力を制御するモータ用制御装置において、
    前記モータの電機子捲線を構成するコイルにおける電流、端子電圧、速度起電力、およびインピーダンスの間の予め定めた関係を記憶する関係記憶部と、
    前記コイルにおける端子電圧を求める電圧決定部と、
    前記コイルにおける設定されたインピーダンスを記憶する設定インピーダンス記憶部と、前記コイルにおける電流を検出する電流検出部と、
    前記モータの回転速度を求める回転速度決定部と、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にあるか否かを設定された基準値と比較することで判定する判定部と、
    前記PWM制御信号のデューティ比が電流検出許容域にある時、前記モータにおける単位回転速度当たりの速度起電力である単位速度起電力を、記憶された関係、求められた端子電圧、記憶されたインピーダンス、求められた回転速度、及び検出電流に基づき、演算により時系列に求める単位速度起電力演算部と、
    前記単位速度起電力演算部によって求められた最新の単位速度起電力を記憶する最新単位速度起電力記憶部と、
    電流目標値を演算により求める電流目標値演算部と、
    電流目標値が前記コイルにおける電流に、目標印加電圧が前記コイルにおける端子電圧にそれぞれ対応するものとして、前記コイルにおける目標印加電圧を、記憶された関係、求められた電流目標値、記憶されたインピーダンス、求められた回転速度、及び求められた最新の単位速度起電力に基づき演算により求める電圧演算部とを備え、
    前記電圧演算部により求められる目標印加電圧が前記コイルに印加されるように、前記モータの出力が制御されることを特徴とするモータ用制御装置。
  5. 前記モータは、そのモータの電機子捲線を構成する三相のコイルそれぞれにおける相電流に応じてフィードバック制御される三相ブラシレスモータとされ、
    前記コイルにおける電流、端子電圧、速度起電力、およびインピーダンスの間の予め定めた関係として、以下の式(1)〜(3)で表される関係が記憶され、
    Iu=(Vu−Eu)/Zu…(1)
    Iv=(Vv−Ev)/Zv…(2)
    Iw=(Vw−Ew)/Zw…(3)
    ここで、Iu、Iv、Iwは三相の前記コイルそれぞれにおける相電流、Vu、Vv、Vwは三相の前記コイルそれぞれにおける端子電圧、Eu、Ev、Ewは三相の前記コイルそれぞれにおける速度起電力、Zu、Zv、Zwは三相の前記コイルそれぞれにおけるインピーダンスであり、速度起電力は前記モータの回転速度に単位速度起電力を乗じることにより求められる請求項1〜4の中の何れか1項に記載のモータ用制御装置。
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