JP2007244097A - 電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】起電力を生じて電力を発生する電力発生手段の複数個を用いる電源装置において、1つの電力発生手段が故障して使用できなくなった場合でも、電源装置としての出力電圧を維持するこができ、かつ故障していない電力発生手段から供給可能な電力を余すことなく出力することを可能にする電源装置を得ること。
【解決手段】起電力を生じ電力を発生する電力発生手段101と、この電力発生手段から取り出される電圧を所望の電圧に変換する電圧変換手段102とを有するユニットの複数個(108,109,110)を出力端子104,105に対して並列に配置し、当該電源装置の内部または外部に、各ユニットにおける電圧変換手段102に個別に制御指示を発行して各ユニットが出力する電力の配分比率を制御する連係制御手段111を設けてある。
【選択図】 図1

Description

この発明は、起電力を生じて電力を発生する電力発生手段の複数個を用いる電源装置に関するものである。
図5は、従来の電源装置の構成例を示すブロック図である。図5に示す電源装置では、電力発生手段として充電池501を用いている。1個の充電池の起電力は、ニッケルカドミウム電池では約1.2ボルトであり、リチウムイオン電池でも約3ボルトであるので、電子機器の動作に必要な電圧としては不足する場合が多い。そのため、充電池の単体(以降「セル」ともいう)を複数個直列接続することにより必要な電圧を得ている。図5に示す例では、充電池401を3セル直列接続した構成とすることで、必要な電圧を得ているのである。
充電池501は、電力を取り出すに従って起電力が低下する性質があり、さらに取り出す電力が変動すると、充電池501の内部抵抗や配線の抵抗によって電圧降下を生じるので出力電圧が変動してしまう。そのため、充電池501と出力端子(+)506及び出力端子(−)507との間に定電圧回路503が設けられる。この定電圧回路503は、充電池501の出力電圧の変動を除去して常に一定の電圧を取り出し、充電池501から取り出した電力を出力端子(+)506及び出力端子(−)507から所望の電圧のもとで出力する。
また、充電池501は、電力を取り出すと、蓄えているエネルギーが減少してしまうので、充電によりエネルギーを蓄える必要がある。そのために、充電制御回路502を接続して充電する。充電においては、入力端子(+)504及び入力端子(−)505から供給される電力を、充電制御回路502を通して充電池501に供給して充電する。充電制御回路502は、過大な充電電流を充電池501に流さないように制御する。また、充電制御回路502は、充電池501が満充電に達した時に充電の終了制御を行う。
特開平6−283210号公報(蓄電装置及び電力システム) 特開平6−290815号公報(機器システム)
しかしながら、上記のように、必要な電圧を得るために充電池単体(セル)を複数直列接続して構成される従来の電源装置では、一つのセルが故障しただけで電源装置として致命的な故障を生じてしまうという問題がある。
一般に充電池は、充放電のサイクルを重ねることにより劣化する。つまり、充電池の寿命は、充放電のサイクルに依存し、通常300サイクル程度とされており、寿命をそれほど考慮する必要のない他の電子部品に比べると極めて短い寿命である。また、充電池は、充放電に化学反応を利用しているので、製造上のばらつきや温度、充放電サイクルにおける不適切な充放電電流の影響によって故障する可能性も高い。
このように、充電池(セル)は、信頼性が低い部品であるが、電源装置では、信頼性の低い充電池セルを直列接続して複数個同時に使用する必要があるので、電源装置の全体としての信頼性を一層低いものにしている。例えば、充電池セルの1個がある期間内に正常動作する確率をsとし、同時使用する充電池セルの個数をn個とすれば、電源装置全体が同じ期間内正常動作する確率はsnとなる。正常動作する確率sは、s<1であるので、電源装置全体が一定期間正常に動作する確率は、同時使用するセル個数nが増えるに従って指数関数的に低下する。
次に、図5に示すように、セルの複数個を直列接続した充電池を用いる場合に、充電池を構成するセルの1個が故障した場合に電源装置全体に与える影響について検討する。まず、例えば、充電池セルの一つがオープン故障した場合を考える。オープン故障とは、内部の配線の断線やセル自体の故障により、充電池のそれぞれの端子間が高インピーダンス状態となり充電も放電もできなくなる故障のことである。このような場合、直列接続した他のセルに全く問題がないとしても、当該電源装置からは電力を取り出すことが全くできなくなってしまう。
今度は、充電池セルの一つがショート故障した場合を考える。ショート故障とは、内部の配線の短絡やセル自体の故障により、充電池の端子間が低インピーダンス状態となり、起電力を取り出せなくなる故障のことである。この場合、故障したセルに電圧が生じなくなるので、セル1個分の電圧が得られなくなる。そのため、負荷を動作させるために必要な電圧を維持できなくなる可能性がある。さらにこの場合は、故障した充電池セルを切り離す手段が無ければ、故障した充電池セルを異常な状態で使用し続けることになる。そうすると、故障した充電池セルの過熱や破裂、液漏れなど、当該電源装置以外に被害が及ぶような重大なトラブルを引き起こす可能性がある。
さらに、製造される各充電池(セル)の容量は、一般に、ばらついている。そのように容量にばらつきのあるセルの複数個を直列接続した充電池を容量の限界近くまで使用した場合、容量の少ないセル自体は電流を流すための起電力が低下しているが、他のセルに起電力が残っていれば電流が流れることになる。この電流は当該容量の少ないセルを反対の向きに充電することになる。その結果、当該容量の少ないセルは、マイナスの起電力を生じるいわゆる「逆電池」という状態になる。このような状況が発生すると、充電池全体の電圧は起電力が残っているセルの電圧よりも減少するとともに、逆充電された容量の少ないセルは著しく劣化する。
そのため、信頼性を必要とする電源装置では、故障したセルを切り離すスイッチを備えている。しかし、スイッチによって故障セルを切り離したとしても、そのセルが担っていた電圧を補えるわけではない。また、スイッチは、セルの個数分必要であるが、機構部品であるので、一般的に機械構造を持たない部品に比べると信頼性が劣っている。結局、このスイッチの機械的な構造によって電源装置の信頼性が制限されることになる。
なお、特許文献1,2では、図5に示すようなセルの複数個を直列接続した充電池を用いる電源装置における上記した「一つのセルが故障しただけで装置として致命的な故障を生じてしまうという問題」を解決する方策が提案されている。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、起電力を生じて電力を発生する電力発生手段の複数個を用いる電源装置において、1つの電力発生手段が故障して使用できなくなった場合でも、電源装置としての出力電圧を維持するこができ、かつ故障していない電力発生手段から供給可能な電力を余すことなく出力することを可能にする電源装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、起電力を生じて電力を発生する電力発生手段の複数個を用いる電源装置において、電力発生手段として充電タイプを用いる場合に、充放電サイクルを個々の電力発生手段の単位で最適化することにより、それぞれの電力発生手段の劣化を最小限に抑えることを可能にする電源装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明にかかる電源装置は、起電力を生じ電力を発生する電力発生手段と、前記電力発生手段から取り出される電圧を所望の電圧に変換する電圧変換手段とを有するユニットの複数個を出力端子に対して並列に配置し、当該電源装置の内部状態に応じた自律的な判断に基づき、または外部からの指示に基づき、前記各ユニットにおける前記電圧変換手段に個別に制御指示を発行してそれぞれのユニットが出力する電力の配分比率を制御する連係制御手段を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、複数のユニットそれぞれが出力する電力の配分比率を制御することができるので、各1つの電力発生手段が故障して使用できなくなった場合でも、電源装置としての出力電圧を維持することが可能になる。同時に、故障していない電力発生手段から供給可能な電力を余すことなく出力することが可能になる。
この発明によれば、1つの電力発生手段が故障して使用できなくなった場合でも、電源装置としての出力電圧を維持するこができ、かつ故障していない電力発生手段から供給可能な電力を余すことなく出力することが可能になるという効果を奏する。
以下に図面を参照して、この発明にかかる電源装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電源装置の構成を示すブロック図である。図1に示す電源装置は、基本的には、出力端子(+)104及び出力端子(−)105に対して並列に設けられる複数のユニット(図1ではユニット108,109,110の3つを示す)と、連係制御手段111とを備えている。
各ユニットは、同じ構成であって、起電力を生じて電力を発生する電力発生手段101と、この電力発生手段101から取り出される電圧を所望の電圧に変換する電圧変換手段102とを備える。この構成は、電力発生手段101が充電タイプでない場合(つまり一次電池である場合)であるが、電力発生手段101が充電タイプである場合(つまり二次電池やキャパシタである場合)には、さらに充電制御手段103を備える。各ユニットが充電制御手段103を備える場合には、各ユニットの充電制御手段103に充電電力を供給する入力端子(+)106及び入力端子(−)107が設けられる。なお、各ユニットの電力発生手段101は、それぞれ1つのセルで構成されている。
連係制御手段111は、個々のユニットにおける電圧変換手段102を制御してそれぞれのユニットに対する出力電力の配分比率を制御する。また、各ユニットに充電制御手段103が存在する場合には、各ユニットの充電制御手段103も個別に制御してそれぞれのユニットにおける電力発生手段101への充電電力の配分比率を制御するようになっている。
次に、動作について説明する。図2において、各ユニットでは、電力発生手段101の発生した電力が電圧変換手段102にて所望の電圧に変換されるので、それぞれのユニットから出力される所望の電圧による電力が合成されて出力端子(+)104及び出力端子(−)105から出力される。
このとき、各ユニットから出力される電力の配分比率が連係制御手段111によって制御される。すなわち、各ユニットの電圧変換手段102は、連係制御手段111からの指示を受けて、例えば、変換出力する所望の電圧による電力の平均出力電流を制御する。平均の電流を制御するとしているのは、各ユニットが電力を出力する時間を、連係制御手段111の指示配分比率に応じた時間だけ分担するように、十分に短い時間において電力の配分比率を制御する場合があるからである。
このように、各ユニットから出力される電力の配分比率を制御することにより、各ユニットにおける電力発生手段101の状態に応じた制御をユニット毎に行うことができる。ここで、電力発生手段101の状態とは、容量や内部抵抗の大きさの変化状況、外形の変化状況、劣化の進行状況、電力の残量、温度、湿度などの物理的な環境や状態である。なお、容量など直接計測することができないパラメータに関しては、他の計測可能なパラメータとその履歴とによって推定する手法を採る。
連係制御手段111は、これらの状況に応じて出力電力の配分比率を制御する。これによって、電力発生手段101の劣化を最小限に留めることができる。また、寿命や突発的な故障によって或る電力発生手段101から電力を取り出すことができなくなった場合には、連係制御手段111は、その故障した電力発生手段101を含むユニットの電力出力配分をゼロとし、全ての電力を残りのユニットから供給できるように制御する。これによって、電源装置としての出力電圧を維持することができる。
このとき、ユニットの一つが休止する場合には、当該電源装置から供給可能な最大電力は、その分減少するので、連係制御手段111では、当該電源装置から供給可能な最大電力よりも十分少ない電力を使用電力として配分比率を制御するようになっている。なお、使用電力を当該電源装置から供給可能な最大電力よりも少ない電力としたとしても、その分電力供給時間を長くすることができるので、無駄になることはない。
次に、電力発生手段101が充電タイプである場合の充電制御について説明する。充電時は、入力端子(+)106及び入力端子(−)107から供給される電力が各ユニットの充電制御手段103に並列に入力される。これによって、各ユニットでは、並行して、充電制御手段103が受け取った電力を電力発生手段101に供給することで、電力発生手段101の充電が行われる。
このとき、各ユニットでは、電力発生手段101は、電圧変換手段102を介して電力を出力しているので、電力発生手段101への正味の充電電流は、充電制御手段103から出力される電流から電圧変換手段102に出力される電流を減じた値となる。
この充電時において連係制御手段111は、各ユニットの充電制御手段103に対して個別に制御指示を発行し、入力端子(+)106及び入力端子(−)107から供給される電力を、当該電源装置の全体として効率よく利用できるように制御する。
具体的には、連係制御手段111は、個々の電力発生手段101への充電電流が過大とならないように、対応する充電制御手段103の出力電流値を制御する。また、連係制御手段111は、電力発生手段101が満充電の状態の場合、それ以上充電を行うと過充電となり電力発生手段101に悪影響を与える場合には、過充電を防ぐように、対応する充電制御手段103の充電動作を規制制御する。
そして、当然であるが、連係制御手段111は、電力発生手段101等が故障して使用できなくなったユニットにおける充電制御手段103に対して「充電電力ゼロ」の指示を発行し、その故障したユニットでは充電動作を行わせない措置を採る。このように、充放電サイクルを個々の電力発生手段101の単位で最適化することができるので、各ユニットでの電力発生手段101の劣化を最小限に抑えることが可能になる。
上記のような連係制御手段111が行う充放電の指示は、2つの方法で実現できる。すなわち、連係制御手段111が当該電源装置の全体を監視した自律的な判断に基づき電圧変換手段102及び充電制御手段103に充放電の指示を発行する方法と、連係制御手段111が当該電源装置の外部からの指示(例えば電力分配率や出力電圧等の外部から与えられる指示)に基づき電圧変換手段102及び充電制御手段103に充放電の指示を発行する方法とがある。
連係制御手段111が行う各ユニットに対する充放電の電力配分比率は、ユニットの故障時以外でも「ゼロ」まで変更可能である。これを利用することによって、あるユニットは充電のみを実施し、当該電源装置からの電力出力は、別のユニットからのみとするような制御方法も可能となる。
このように、電力発生手段101が充電タイプである場合は、充電するユニット、放電するユニット、場合によっては休止するユニットを加えたユニットの組合せを、時間によって切り替えることにより、当該電源装置に高い信頼性を担保する制御が可能である。
以下、この発明の実施の形態2〜4として、電力発生手段101が充電タイプである場合の電源装置の具体的構成例(実施の形態2)と、電力発生手段101が充電タイプでない場合の電源装置の具体的構成例(実施の形態3)と、電圧変換手段102の具体的構成例(実施の形態4)とについて説明する。
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2による電源装置の構成を示すブロック図である。図2に示す電源装置は、入力端子(+)206及び入力端子(−)207と出力端子(+)204及び出力端子(−)205との間に並列に配置される複数のユニット(図2ではユニット208,209,210の3つを示す)と、連携制御手段111である連携制御回路211とを備えている。
各ユニットは、同じ構成であって、電力発生手段101である二次電池としての充電池201と、電圧変換手段102である電圧変換回路202と、充電制御手段103である充電制御回路203とを備えている。なお、充電池201は、ここでは、複数のセルを直列接続したものではなく、1つのセルである。
そして、連携制御回路211は、各ユニットにおける電圧変換回路202に対して出力する電力の分配比を制御する。また、連携制御回路211は、各ユニットにおける充電制御回路203に対して充電する電力の比率を制御する。
以上の構成において、充電時は、入力端子(+)206及び入力端子(−)207から供給される電力が各ユニットの充電制御回路203に並列に入力される。これによって、各ユニットでは、並行して、充電制御回路203が受け取った電力を充電池201に供給することで、充電池201の充電が行われる。
このとき、連携制御回路211は、各ユニットの充電制御手段203に対して個別に制御指示を発行し、入力端子(+)206及び入力端子(−)207から供給される電力を当該電源装置の全体として効率よく利用できるように制御する。
また、例えば、ユニット209の充電池201が故障して電力を出力できない状況になった場合は、連携制御回路211は、ユニット209の出力電力の配分比率を「ゼロ」とし、出力電力をユニット208とユニット210とに配分する制御を行い、出力端子(+)204及び出力端子(−)205の出力電圧を維持する。
このとき、当該電源装置から出力可能な最大電力は、ユニット209の分だけ少なくなるが、当該電源装置を動作電源として使用する負荷装置では、当該電源装置の出力できる最大電力よりも十分に小さい電力で動作可能となるようにしておけば、当該電源装置は、出力電圧を維持することにより使用可能となる。
また、このとき、当該電源装置に蓄えられるエネルギーもユニット209の分だけ減少してしまうが、一応のレベルに維持できるので、従来のように即座に使用できなくなるよりもメリットがある。
なお、図2では、電力発生手段101が充電タイプである場合として、二次電池(充電池)を示したが、キャパシタを使用することもできる。充電池は、放電末期までほぼ一定の電圧を維持するが、キャパシタは、端子電圧が出力した電力に応じて減少する性質がある。一方、充電池は、電圧が急激に低下するのは放電末期であり、電圧が低下した状態で電力を取り出すことはないが、キャパシタは、電圧が無くなるまで電力を取り出すことができる。
したがって、図1において、電力発生手段101にキャパシタを使用した場合には、連係制御手段111が、取り出す電圧が低下しても電力を取り出すことができるように電圧変換手段102を制御することによって、キャパシタに蓄えた電力を効率よく取り出すことができる。
そして、電力発生手段101に充電池やキャパシタを使用した場合には、充電するユニット、放電するユニット、場合によっては休止するユニットを加えたユニットの組合せを時間によって切り替えることにより、当該電源装置に高い信頼性を担保する制御が可能である。
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3による電源装置の構成を示すブロック図である。図3に示す電源装置は、出力端子(+)303及び出力端子(−)304に対して並列に設けられる複数のユニット(図3ではユニット305,306,307の3つを示す)と、連係制御回路308とを備えている。
各ユニットは、同じ構成であって、電力発生手段101である一次電池としての電池301と、電圧変換手段102である電圧変換回路302とを備えている。なお、電池301は、ここでは、複数のセルを直列接続したものではなく、1つのセルである。そして、連携制御回路308は、各ユニットにおける電圧変換回路302に対して出力する電力分配比を制御する。
以上の構成において、例えば、ユニット306の電池301が故障して電力を出力できない状況になった場合は、連携制御回路308は、ユニット306の出力電力の配分比率を「ゼロ」とし、出力電力をユニット305とユニット307とに配分する制御を行い、出力端子(+)204及び出力端子(−)205の出力電圧を維持する。
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4として、図1に示す電圧変換手段の具体的な構成例を示す回路図である。図4では、電圧変換回路402に電力を供給するのは充電池401である場合を示す。電圧変換回路402は、コイル403と、ダイオード404と、FET405と、コンデンサ406とで構成される昇圧型のコンバータである。
FET405は、昇圧型のコンバータにおけるスイッチング素子であり、接合型のトランジスタなど回路設計に応じて使用するデバイスを選択する。昇圧した電力は、出力端子(+)407及び出力端子(−)408から出力される。
次に、動作について説明する。制御入力409を制御してFET405を導通状態にすると、充電池401からコイル403に電流が流れる。コイル403を通して流れる電流は、一度に流れることはなく時間とともに増大する。
適当な時間経過後に、制御入力409を制御してFET405を非導通状態にする。すると、コイル403は電流を流し続けようとするので、電流はダイオード404を通してコンデンサ406を充電する。その結果、コンデンサ406の端子間に電圧が生じ、出力端子(+)407及び出力端子(−)408から電力を取り出すことができる。
コンデンサ406への充電電流は、時間とともに減少するので、制御入力409を適当に制御してFET405をオン・オフすることによってコンデンサ406に生じる電圧を所望の電圧となるようにする。
コンデンサ406の端子間に生じる電圧は、コンデンサ406に充電される電力と出力端子(+)407及び出力端子(−)408から取り出す電力がつりあったものとなる。コンデンサ406に充電される電力が多いと、コンデンサ406の端子間に生じる電圧は上昇する。また、出力端子(+)407及び出力端子(−)408から取り出す電力が多いと、コンデンサ406の端子間に生じる電圧は減少する。
この実施の形態による電源装置は、複数のユニットから構成されるので、電圧変換回路402の出力端子(+)407及び出力端子(−)408は並列接続される。つまり、出力端子(+)407及び出力端子(−)408は、図1における出力端子(+)107及び出力端子(−)108である。その結果、各ユニットにおける電圧変換回路402のコンデンサ406は、電源装置として共有されるので、並列接続されたコンデンサ406がそれぞれの充電池401の電力で充電されることになる。
そこで、図1に示す連携制御手段111では、コンデンサ406を充電する電流はFET405の導通時間が長いほど大きくなるので、各ユニットのFET405の導通時間に差をつけることにより、各ユニットの充電池401から取り出す電力の分配比率を制御する。それと同時に出力端子(+)407及び出力端子(−)408の電圧を常に監視し、出力端子(+)407及び出力端子(−)408間に生じる電圧が所望の電圧で一定となるように、電源装置全体としてコンデンサ406に充電される電力を制御するのである。なお、図4では、電圧変換回路402に電力を供給するのは充電池401であるが、キャパシタを用いる場合や一次電池を用いる場合も同様である。
斯くして、この実施の形態によれば、起電力を生じて電力を発生する電力発生手段の複数個を用いる電源装置において、1つの電力発生手段が故障して使用できなくなった場合でも、電源装置としての出力電圧を維持するこができ、かつ故障していない電力発生手段から供給可能な電力を余すことなく出力することが可能になるので、信頼性の高い電源装置が得られる。
また、電力発生手段として充電タイプを用いる場合に、充放電サイクルを個々の電力発生手段の単位で最適化することができるので、それぞれの電力発生手段の劣化を最小限に抑えることが可能になり、この点からも信頼性の高い電源装置が得られる。
以上のように、この発明にかかる電源装置は、起電力を生じて電力を発生する電力発生手段の複数個を用いる電源装置において、1つの電力発生手段が故障して使用できなくなった場合でも、電源装置としての出力電圧を維持し、かつ故障していない電力発生手段から供給可能な電力を余すことなく出力するのに有用である。
また、この発明にかかる電源装置は、起電力を生じて電力を発生する電力発生手段の複数個を用いる電源装置において、電力発生手段として充電タイプを用いる場合に、充放電サイクルによるそれぞれの電力発生手段の劣化を最小限に抑えるのに有用である。
この発明の実施の形態1による電源装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による電源装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3による電源装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4として、図1に示す電圧変換手段の具体的な構成例を示す回路図である。 従来の電源装置の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
101 電力発生手段
102 電圧変換手段
103 充電制御手段
104,204,303 出力端子(+)
105,205,304 出力端子(−)
106,206 入力端子(+)
107,207 入力端子(−)
108〜110,208〜210,305〜307 ユニット
111 連係制御手段
201,401 充電池(二次電池)
202,302,402 電圧変換回路
203 充電制御回路
211,308 連係制御回路
301 電池(一次電池)
302 電圧変換回路
203 充電制御回路
211 連係制御回路
403 コイル
404 ダイオード
405 FET
406 コンデンサ

Claims (11)

  1. 起電力を生じ電力を発生する電力発生手段と、前記電力発生手段から取り出される電圧を所望の電圧に変換する電圧変換手段とを有するユニットの複数個を出力端子に対して並列に配置し、
    当該電源装置の内部状態に応じた自律的な判断に基づき、または外部からの指示に基づき、前記各ユニットにおける前記電圧変換手段に個別に制御指示を発行してそれぞれのユニットが出力する電力の配分比率を制御する連係制御手段を設けた
    ことを特徴とする電源装置。
  2. 前記連係制御手段は、前記各ユニットが出力する電力の配分比率を可変制御することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記連係制御手段は、幾つかの前記ユニットから出力される電力の配分比率をゼロに制御する場合があることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記連係制御手段は、前記各ユニットにおける前記電圧変換手段が変換電圧を調整出力するのに用いているスイッチング素子の導通時間を、前記各ユニットの出力電力の配分比率に応じて制御することによって出力電力を配分することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電源装置。
  5. 前記各ユニットにおける電力発生手段は、1つのセルで構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電源装置。
  6. 前記電力発生手段は、一次電池であることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  7. 前記電力発生手段は、二次電池であることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  8. 前記電力発生手段は、キャパシタであることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  9. 前記各ユニットは、前記電力発生手段を充電するための充電制御手段を有することを特徴とする請求項7または8に記載の電源装置。
  10. 前記連係制御手段は、前記各ユニットにおける前記充電制御手段による充電電力の比率を制御することを特徴とする請求項9に記載の電源装置。
  11. 前記連係制御手段は、幾つかの前記ユニットにおける前記充電制御手段による充電電力の比率をゼロに制御する場合があることを特徴とする請求項10に記載の電源装置。
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