JP2007242961A - 点火コイル - Google Patents
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Abstract
【課題】コイル部とコネクタケース部とを筒状の嵌合部材を介して組み付けた場合の曲げ強度を向上させることができる点火コイルを提供すること。
【解決手段】点火コイル1は、一次コイル21及び二次コイル22を備えたコイル部2の軸方向一端側D1に、コネクタケース部3を筒状の嵌合部材4を介して組み付けてなる。一次コイル21及び二次コイル22の内周側には、中心コア23が配置してあり、一次コイル21及び二次コイル22の外周側には、外周コア24が配置してある。嵌合部材4は、その軸方向一端側D1における外周をコネクタケース部3の嵌合穴31内に嵌入してなると共に、その軸方向他端側D2における内周に外周コア24を嵌入してなる。嵌合部材4とコネクタケース部3とが嵌合する第1嵌合部位A1と、嵌合部材4と外周コア24とが嵌合する第2嵌合部位A2とは、点火コイル1の軸方向Dにおいて互いに重ならない状態で形成してある。
【選択図】図1
【解決手段】点火コイル1は、一次コイル21及び二次コイル22を備えたコイル部2の軸方向一端側D1に、コネクタケース部3を筒状の嵌合部材4を介して組み付けてなる。一次コイル21及び二次コイル22の内周側には、中心コア23が配置してあり、一次コイル21及び二次コイル22の外周側には、外周コア24が配置してある。嵌合部材4は、その軸方向一端側D1における外周をコネクタケース部3の嵌合穴31内に嵌入してなると共に、その軸方向他端側D2における内周に外周コア24を嵌入してなる。嵌合部材4とコネクタケース部3とが嵌合する第1嵌合部位A1と、嵌合部材4と外周コア24とが嵌合する第2嵌合部位A2とは、点火コイル1の軸方向Dにおいて互いに重ならない状態で形成してある。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関において、スパークプラグからスパークを発生させるために用いる点火コイルに関する。
エンジン等の内燃機関に用いる点火コイルにおいては、一次スプールに電線を巻回して形成した一次コイルと、二次スプールに電線を巻回して形成した二次コイルとを同心円状に配置する。また、一次コイル及び二次コイルの内周側に、磁性材料からなる中心コアを配置し、一次コイル及び二次コイルの外周側に、磁性材料からなる外周コアを配置して、中心コア及び外周コアを通過する磁路を形成している。そして、点火コイル内に生ずる間隙には、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を充填している。
また、上記一次コイル、二次コイル、中心コア及び外周コア等を備えたコイル部を、エンジンのプラグホール内に配置して用いるスティックタイプの点火コイルが多用されている。そして、この点火コイルにおいては、コイル部の軸方向一端側に、コネクタケース部を配置し、このコネクタケース部に、一次コイルへ電力を供給するためのコネクタ部及び点火コイルをエンジンに固定するための取付フランジ部を形成している。
このような形状の点火コイルとしては、例えば、特許文献1のスティック形点火コイルがある。
このような形状の点火コイルとしては、例えば、特許文献1のスティック形点火コイルがある。
特許文献1の点火コイルにおいては、コイル部の軸方向一端側に、筒状の嵌合部材(ターミナルアッシ)を介してコネクタケース部(制御部)を組み付けている。嵌合部材は、点火コイル内における隙間に充填したエポキシ樹脂の漏れ防止機能や、通電用ターミナルの取付部位としての機能を有している。
また、特許文献1においては、嵌合部材には、この嵌合部材を撓み易くするための環状溝を形成している。そして、コイル部を、嵌合部材を介してコネクタケース部に圧入するときには、嵌合部材を環状溝によって撓ませることによって、この嵌合部材が割れてしまうことを防止している。
また、特許文献1においては、嵌合部材には、この嵌合部材を撓み易くするための環状溝を形成している。そして、コイル部を、嵌合部材を介してコネクタケース部に圧入するときには、嵌合部材を環状溝によって撓ませることによって、この嵌合部材が割れてしまうことを防止している。
しかしながら、上記従来の点火コイルにおいては、嵌合部材とコネクタケース部とが嵌合する部位と、嵌合部材と外周コアとが嵌合する部位とは、軸方向において重なる状態で形成されている。すなわち、外周コアが嵌合部材に嵌合された部位の外周側において、コネクタケース部が嵌合部材に嵌合されている。
そのため、コイル部をプラグホール内に配置して、当該点火コイルをエンジンに組み付けた状態において、点火コイルに、エンジンの振動による曲げ荷重が作用したときには、上記嵌合部材の嵌合部位に応力が集中し易くなっており、点火コイルにおいて折損に耐え得る十分な曲げ強度を確保するためには、更なる工夫が必要であった。
そのため、コイル部をプラグホール内に配置して、当該点火コイルをエンジンに組み付けた状態において、点火コイルに、エンジンの振動による曲げ荷重が作用したときには、上記嵌合部材の嵌合部位に応力が集中し易くなっており、点火コイルにおいて折損に耐え得る十分な曲げ強度を確保するためには、更なる工夫が必要であった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、コイル部とコネクタケース部とを筒状の嵌合部材を介して組み付けた場合の曲げ強度を向上させることができる点火コイルを提供しようとするものである。
本発明は、一次コイル及び二次コイルを備えたコイル部の軸方向一端側に、コネクタ部及び取付フランジ部を備えたコネクタケース部を、筒状の嵌合部材を介して組み付けてなる点火コイルにおいて、
上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性材料からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性材料からなる外周コアが配置してあり、
上記嵌合部材は、その軸方向一端側における外周を上記コネクタケース部に形成した嵌合穴内に嵌入してなると共に、その軸方向他端側における内周に上記外周コアを嵌入してなり、
上記嵌合部材と上記コネクタケース部とが嵌合する第1嵌合部位と、上記嵌合部材と上記外周コアとが嵌合する第2嵌合部位とが、軸方向において互いに重ならない状態で形成してあることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性材料からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性材料からなる外周コアが配置してあり、
上記嵌合部材は、その軸方向一端側における外周を上記コネクタケース部に形成した嵌合穴内に嵌入してなると共に、その軸方向他端側における内周に上記外周コアを嵌入してなり、
上記嵌合部材と上記コネクタケース部とが嵌合する第1嵌合部位と、上記嵌合部材と上記外周コアとが嵌合する第2嵌合部位とが、軸方向において互いに重ならない状態で形成してあることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
本発明の点火コイルは、上記コイル部をエンジンのプラグホール内に配置して用いるスティックタイプのものである。
そして、本発明の点火コイルは、コイル部とコネクタケース部とを分割形成してなり、コイル部の軸方向一端側には、筒状の嵌合部材を介してコネクタケース部を組み付けている。また、嵌合部材の軸方向一端側における外周は、コネクタケース部に形成した嵌合穴内に嵌入してあり、嵌合部材の軸方向他端側における内周には、コイル部における外周コアが嵌入してある。
そして、本発明の点火コイルは、コイル部とコネクタケース部とを分割形成してなり、コイル部の軸方向一端側には、筒状の嵌合部材を介してコネクタケース部を組み付けている。また、嵌合部材の軸方向一端側における外周は、コネクタケース部に形成した嵌合穴内に嵌入してあり、嵌合部材の軸方向他端側における内周には、コイル部における外周コアが嵌入してある。
そして、本発明においては、嵌合部材とコネクタケース部とが嵌合する第1嵌合部位と、嵌合部材と外周コアとが嵌合する第2嵌合部位とが、軸方向において互いに重ならないよう軸方向にずれて形成してある。
そのため、コイル部をプラグホール内に配置して、当該点火コイルをエンジンに組み付けた状態において、点火コイルに、エンジンの振動による曲げ荷重が作用したときには、この曲げ荷重は、第1嵌合部位と第2嵌合部位とに分散して作用する。
そのため、コイル部をプラグホール内に配置して、当該点火コイルをエンジンに組み付けた状態において、点火コイルに、エンジンの振動による曲げ荷重が作用したときには、この曲げ荷重は、第1嵌合部位と第2嵌合部位とに分散して作用する。
これにより、点火コイルにおける1箇所に応力集中が生じることを防止し、第1嵌合部位と第2嵌合部位とに分散して応力を作用させることができる。
それ故、本発明によれば、コイル部とコネクタケース部とを筒状の嵌合部材を介して組み付けた場合の曲げ強度を向上させることができる点火コイルを提供することができる。
それ故、本発明によれば、コイル部とコネクタケース部とを筒状の嵌合部材を介して組み付けた場合の曲げ強度を向上させることができる点火コイルを提供することができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記嵌合部材の上記第1嵌合部位における表面には、環状溝が形成してあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、環状溝の形成によって、嵌合部材とコネクタケース部とが嵌合する第1嵌合部位を、軸方向に分割することができる。そのため、点火コイルにエンジンの振動による曲げ荷重が作用したときに、第1嵌合部位に生ずる応力をさらに分散させることができ、点火コイルの曲げ強度をさらに向上させることができる。
本発明において、上記嵌合部材の上記第1嵌合部位における表面には、環状溝が形成してあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、環状溝の形成によって、嵌合部材とコネクタケース部とが嵌合する第1嵌合部位を、軸方向に分割することができる。そのため、点火コイルにエンジンの振動による曲げ荷重が作用したときに、第1嵌合部位に生ずる応力をさらに分散させることができ、点火コイルの曲げ強度をさらに向上させることができる。
また、上記外周コアの軸方向一端側における端部は、上記嵌合部材の軸方向他端側における内周に形成した嵌入溝内に嵌入してあり、上記嵌合部材の軸方向他端側における外周には、上記コイル部をエンジンのプラグホール内に配置した際に、該プラグホール内への水の浸入を防ぐためのシール部材が装着してあることが好ましい(請求項3)。
この場合には、外周コアの軸方向一端側における端部を嵌合部材の内周に安定して嵌入することができる。また、嵌合部材の軸方向他端側における外周にシール部材を装着することにより、点火コイルにおいて、嵌合部材の外周を利用してシール部材を配設することができる。そのため、点火コイルの小型化を図ることができる。
この場合には、外周コアの軸方向一端側における端部を嵌合部材の内周に安定して嵌入することができる。また、嵌合部材の軸方向他端側における外周にシール部材を装着することにより、点火コイルにおいて、嵌合部材の外周を利用してシール部材を配設することができる。そのため、点火コイルの小型化を図ることができる。
以下に、本発明の点火コイルにかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22を備えたコイル部2の軸方向一端側D1に、コネクタ部32及び取付フランジ部33を備えたコネクタケース部3を、筒状の嵌合部材4を介して組み付けてなる。
一次コイル21及び二次コイル22の内周側には、磁性材料からなる中心コア23が配置してあり、一次コイル21及び二次コイル22の外周側には、磁性材料からなる外周コア24が配置してある。
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22を備えたコイル部2の軸方向一端側D1に、コネクタ部32及び取付フランジ部33を備えたコネクタケース部3を、筒状の嵌合部材4を介して組み付けてなる。
一次コイル21及び二次コイル22の内周側には、磁性材料からなる中心コア23が配置してあり、一次コイル21及び二次コイル22の外周側には、磁性材料からなる外周コア24が配置してある。
図1に示すごとく、嵌合部材4は、その軸方向一端側D1における外周をコネクタケース部3に形成した嵌合穴31内に嵌入してなると共に、その軸方向他端側D2における内周に外周コア24を嵌入してなる。
そして、本例の点火コイル1においては、嵌合部材4とコネクタケース部3とが嵌合する第1嵌合部位A1と、嵌合部材4と外周コア24とが嵌合する第2嵌合部位A2とが、点火コイル1の軸方向Dにおいて互いに重ならないよう軸方向Dにずれて形成してある。
そして、本例の点火コイル1においては、嵌合部材4とコネクタケース部3とが嵌合する第1嵌合部位A1と、嵌合部材4と外周コア24とが嵌合する第2嵌合部位A2とが、点火コイル1の軸方向Dにおいて互いに重ならないよう軸方向Dにずれて形成してある。
以下に、本例の点火コイル1につき、図1〜図5と共に詳説する。
図2に示すごとく、本例の点火コイル1の軸方向他端側D2には、スパークプラグ65を取り付けるためのプラグ取付部6が形成してある。
そして、図3に示すごとく、本例の点火コイル1は、コイル部2及びプラグ取付部6をエンジン7のプラグホール71内に配置すると共に、コネクタケース部3における取付フランジ部33をエンジン7におけるプラグホール71の周辺部にボルト335を介して固定するよう構成したスティックタイプのものである。
図2に示すごとく、本例の点火コイル1の軸方向他端側D2には、スパークプラグ65を取り付けるためのプラグ取付部6が形成してある。
そして、図3に示すごとく、本例の点火コイル1は、コイル部2及びプラグ取付部6をエンジン7のプラグホール71内に配置すると共に、コネクタケース部3における取付フランジ部33をエンジン7におけるプラグホール71の周辺部にボルト335を介して固定するよう構成したスティックタイプのものである。
図1に示すごとく、コネクタケース部3におけるコネクタ部32は、点火コイル1とエンジン7における電子制御ユニット(ECU)との電気接続を行う部位である。また、取付フランジ部33は、点火コイル1をエンジン7のシリンダヘッドに固定するための部位である。そして、コネクタ部32及び取付フランジ部33は、コネクタケース部3から径方向外方へ向けて突出形成してある。
また、コネクタケース部3内には、電力供給回路等を備えた電子部品としてのイグナイタ34が配置してある。コネクタ部32及び取付フランジ部33を形成してなるコネクタケース部3は、熱可塑性樹脂から形成してある。また、嵌合部材4も、熱可塑性樹脂から形成してある。
また、コネクタケース部3内には、電力供給回路等を備えた電子部品としてのイグナイタ34が配置してある。コネクタ部32及び取付フランジ部33を形成してなるコネクタケース部3は、熱可塑性樹脂から形成してある。また、嵌合部材4も、熱可塑性樹脂から形成してある。
図1、図2に示すごとく、本例の一次コイル21は、断面円環形状に形成した熱可塑性樹脂からなる一次スプール211の外周面に、絶縁被覆した一次電線を複数回巻回してなる。本例の二次コイル22は、断面円環形状に形成した熱可塑性樹脂からなる二次スプール221の外周面に、一次電線よりも細径の絶縁被覆した二次電線を、一次電線よりも多い巻回数で巻回してなる。本例の二次コイル22は、一次コイル21の内周側に挿通配置してある。また、中心コア23は、二次コイル22の内周側に挿通配置してある。
また、一次コイル21の外周側には、断面円環形状に形成した熱可塑性樹脂からなるコイルケース25が配置してある。
本例の中心コア23は、平板状の電磁鋼板(珪素鋼板等)を点火コイル1の径方向に積層して、断面略円形状に形成してある。本例の外周コア24は、コイルケース25の外周面の形状に沿って円筒状に形成した電磁鋼板(珪素鋼板等)を積層してなる。本例の外周コア24は、コイルケース25の外周に配置してある。
本例の中心コア23は、平板状の電磁鋼板(珪素鋼板等)を点火コイル1の径方向に積層して、断面略円形状に形成してある。本例の外周コア24は、コイルケース25の外周面の形状に沿って円筒状に形成した電磁鋼板(珪素鋼板等)を積層してなる。本例の外周コア24は、コイルケース25の外周に配置してある。
図2に示すごとく、本例のプラグ取付部6は、一次スプール211における軸方向他端側D2から延長形成した取付ベース部212に、ゴム製のプラグキャップ61を取り付けてなる。また、二次スプール221の軸方向他端側D2には、高電圧端子62が配置してあり、この高電圧端子62には、スパークプラグ65の端子部を接触させるコイルバネ63が取り付けてある。そして、二次コイル22の高電圧側の巻線端部は、高電圧端子62及びコイルバネ63を介してスパークプラグ65の端子部と導通される。
また、スパークプラグ65は、その碍子部をプラグキャップ61に形成した中空穴に係合し、碍子部の先端に形成した端子部を、コイルバネ63に接触させた状態でエンジン7のシリンダヘッドに固定される。
また、スパークプラグ65は、その碍子部をプラグキャップ61に形成した中空穴に係合し、碍子部の先端に形成した端子部を、コイルバネ63に接触させた状態でエンジン7のシリンダヘッドに固定される。
図1に示すごとく、本例の嵌合部材4は、筒状(断面円環形状)に形成した熱可塑性樹脂からなる。嵌合部材4の軸方向一端側D1には、コネクタケース部3における嵌合穴31内に嵌入するためのケース嵌合部41が形成してあり、嵌合部材4の軸方向他端側D2には、外周コア24を嵌入させるためのコア嵌合部42が形成してある。第1嵌合部位A1は、ケース嵌合部41とコネクタケース部3との間に形成され、第2嵌合部位A2は、コア嵌合部42と外周コア24との間に形成される。
また、コア嵌合部42の内周には、外周コア24を嵌入するための環状の嵌入溝421が形成してある。そして、外周コア24の軸方向一端側D1における端部は、嵌合部材4のコア嵌合部42における嵌入溝421内に嵌入してある。
また、コア嵌合部42の外周には、環形状を有するゴムからなるシール部材55が装着してある。このシール部材55は、プラグホール71内への水の浸入を防ぐために用いるものである。
また、コア嵌合部42の外周には、環形状を有するゴムからなるシール部材55が装着してある。このシール部材55は、プラグホール71内への水の浸入を防ぐために用いるものである。
図2に示すごとく、本例のコイルケース25の軸方向一端側D1の端部は、嵌合部材4のケース嵌合部41における内周に嵌入させてあり、コイルケース25の軸方向他端側D2の端部は、一次スプール211の取付ベース部212に嵌合させてある。
また、コネクタケース部3、嵌合部材4、コイルケース25、取付ベース部212及び高電圧端子62によって囲まれた点火コイル1の間隙内には、エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂11が充填してある。そして、この熱硬化性樹脂11は、中心コア23と二次コイル22との間の間隙、二次コイル22と一次コイル21との間の間隙、一次コイル21とコイルケース25との間の間隙、及びコネクタケース部3内の間隙に充填してある。また、この熱硬化性樹脂11は、点火コイル1の組付を行った後、組付後に形成された間隙(空間)に、液状の熱硬化性樹脂11を充填して硬化させたものである。
また、コネクタケース部3、嵌合部材4、コイルケース25、取付ベース部212及び高電圧端子62によって囲まれた点火コイル1の間隙内には、エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂11が充填してある。そして、この熱硬化性樹脂11は、中心コア23と二次コイル22との間の間隙、二次コイル22と一次コイル21との間の間隙、一次コイル21とコイルケース25との間の間隙、及びコネクタケース部3内の間隙に充填してある。また、この熱硬化性樹脂11は、点火コイル1の組付を行った後、組付後に形成された間隙(空間)に、液状の熱硬化性樹脂11を充填して硬化させたものである。
上記点火コイル1において、ECUからのパルス状のスパーク発生信号によって、一次コイル21に電流を流したときには、中心コア23及び外周コア24を通過する磁界が形成される。次いで、一次コイル21に流す電流を遮断したときには、上記磁界の形成方向とは反対方向に向けて、中心コア23及び外周コア24を通過する誘導磁界が形成される。そして、この誘導磁界の形成により、二次コイル22に高電圧の誘導起電力(逆起電力)が発生し、点火コイル1におけるプラグ取付部6に取り付けたスパークプラグ65からスパークを発生させることができる。
本例の点火コイル1においては、上記のごとく、嵌合部材4とコネクタケース部3とが嵌合する第1嵌合部位A1と、嵌合部材4と外周コア24とが嵌合する第2嵌合部位A2とが、軸方向Dにおいて互いに重ならない状態で形成してある。
そのため、コイル部2をプラグホール71内に配置して、当該点火コイル1をエンジン7に組み付けた状態において、点火コイル1に、エンジン7の振動による曲げ荷重が作用したときには、この曲げ荷重は、第1嵌合部位A1と第2嵌合部位A2とに分散して作用する。そして、点火コイル1においては、第1嵌合部位A1と第2嵌合部位A2との2箇所に折り曲がる節が形成される。
そのため、コイル部2をプラグホール71内に配置して、当該点火コイル1をエンジン7に組み付けた状態において、点火コイル1に、エンジン7の振動による曲げ荷重が作用したときには、この曲げ荷重は、第1嵌合部位A1と第2嵌合部位A2とに分散して作用する。そして、点火コイル1においては、第1嵌合部位A1と第2嵌合部位A2との2箇所に折り曲がる節が形成される。
これにより、点火コイル1における1箇所に応力集中が生じることを防止し、第1嵌合部位A1と第2嵌合部位A2とに分散して応力を作用させることができる。
それ故、本例の点火コイル1によれば、コイル部2とコネクタケース部3とを筒状の嵌合部材4を介して組み付けた場合の曲げ強度を向上させることができる。
それ故、本例の点火コイル1によれば、コイル部2とコネクタケース部3とを筒状の嵌合部材4を介して組み付けた場合の曲げ強度を向上させることができる。
また、図4に示すごとく、嵌合部材4のケース嵌合部41における軸方向一端側D1の端部には、上記エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂11を充填するための環形状の充填用溝411を形成することができる。そして、点火コイル1における間隙内に熱硬化性樹脂11を充填するときには、この熱硬化性樹脂11を充填用溝411内にも充填する。この場合には、嵌合部材4を構成する熱可塑性樹脂よりも硬度及びヤング率が高い熱硬化性樹脂11を嵌合部材4のケース嵌合部41内に埋設することにより、嵌合部材4とコネクタケース部3との間の第1嵌合部位A1の嵌合強度を向上させることができる。
また、図5に示すごとく、嵌合部材4の第1嵌合部位A1における表面には、環状溝412を形成することもできる。この場合には、環状溝412の形成によって、嵌合部材4とコネクタケース部3とが嵌合する第1嵌合部位A1を、軸方向Dに分割することができる。そのため、点火コイル1にエンジン7の振動による曲げ荷重が作用したときに、第1嵌合部位A1に生ずる応力をさらに分散させることができ、点火コイル1の曲げ強度をさらに向上させることができる。
1 点火コイル
11 熱硬化性樹脂
2 コイル部
21 一次コイル
22 二次コイル
23 中心コア
24 外周コア
3 コネクタケース部
31 嵌合穴
32 コネクタ部
33 取付フランジ部
4 嵌合部材
41 ケース嵌合部
42 コア嵌合部
421 嵌入溝
55 シール部材
6 プラグ取付部
7 エンジン
71 プラグホール
A1 第1嵌合部位
A2 第2嵌合部位
D 軸方向
D1 軸方向一端側
D2 軸方向他端側
11 熱硬化性樹脂
2 コイル部
21 一次コイル
22 二次コイル
23 中心コア
24 外周コア
3 コネクタケース部
31 嵌合穴
32 コネクタ部
33 取付フランジ部
4 嵌合部材
41 ケース嵌合部
42 コア嵌合部
421 嵌入溝
55 シール部材
6 プラグ取付部
7 エンジン
71 プラグホール
A1 第1嵌合部位
A2 第2嵌合部位
D 軸方向
D1 軸方向一端側
D2 軸方向他端側
Claims (3)
- 一次コイル及び二次コイルを備えたコイル部の軸方向一端側に、コネクタ部及び取付フランジ部を備えたコネクタケース部を、筒状の嵌合部材を介して組み付けてなる点火コイルにおいて、
上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性材料からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性材料からなる外周コアが配置してあり、
上記嵌合部材は、その軸方向一端側における外周を上記コネクタケース部に形成した嵌合穴内に嵌入してなると共に、その軸方向他端側における内周に上記外周コアを嵌入してなり、
上記嵌合部材と上記コネクタケース部とが嵌合する第1嵌合部位と、上記嵌合部材と上記外周コアとが嵌合する第2嵌合部位とが、軸方向において互いに重ならない状態で形成してあることを特徴とする点火コイル。 - 請求項1において、上記嵌合部材の上記第1嵌合部位における表面には、環状溝が形成してあることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1又は2において、上記外周コアの軸方向一端側における端部は、上記嵌合部材の軸方向他端側における内周に形成した嵌入溝内に嵌入してあり、
上記嵌合部材の軸方向他端側における外周には、上記コイル部をエンジンのプラグホール内に配置した際に、該プラグホール内への水の浸入を防ぐためのシール部材が装着してあることを特徴とする点火コイル。
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---|---|---|---|
JP2006064488A JP2007242961A (ja) | 2006-03-09 | 2006-03-09 | 点火コイル |
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2006
- 2006-03-09 JP JP2006064488A patent/JP2007242961A/ja active Pending
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