JP2007240810A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型で、固定性に優れ、かつ製造が容易な電気光学装置、電気光学装置の製造方法、および電気光学装置を含む電子機器を提供する。
【解決手段】電気光学パネルと、その周囲のフレ−ムと、を備えた電気光学装置、そのような電気光学装置の製造方法、およびそのような電気光学装置を含む電子機器において、電気光学パネルの基板の端部に、当該端部の高さが、他の領域の高さよりも低い段差部を形成し、当該段差部と、フレ−ムとを勘合させて、フレ−ムの少なくとも一部を、電気光学パネルの基板に対して、埋設状態とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、および電気光学装置を含む電子機器に関する。特に、薄型化が容易な電気光学装置、電気光学装置の製造方法、および電気光学装置を含む電子機器に関する。
従来、液晶表示装置の薄型化、小型化、あるいは強度等の向上のために、液晶表示装置を被覆するフレームに関して種々の提案がなされている。
例えば、薄型化のために駆動用LSIを保護するための保護板を除去できるように構成した液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、図15に示されるように、偏光板314と、液晶表示パネル318と、裏側樹脂フレーム320と、表側金属フレーム319と、回路基板312と、駆動用LSI322を搭載したフィルム状配線テープ321と、を備え、裏側樹脂フレーム320に形成された凹部324または貫通部に、駆動用LSI322が収容できるように構成した液晶表示装置300である。そして、偏光板314の一部に段差部を形成し、その段差部に対して、表側金属フレーム319により、フィルム状配線テープ321を押圧している。
また、薄型化のために液晶モジュールをフレームに、間接的に固定できるように構成した液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、図16に示されるように、表示窓402が形成されたフレーム404と、液晶表示素子410および表示パネル409を含む液晶モジュール411とを備え、かかる液晶モジュール411における表示パネル401を、フレーム404への取り付け部405を設けて固定するとともに、表示パネル409の表示面を表示窓402側から、視認できるように構成された液晶表示装置である。
また、薄型化や小型化を図るとともに、表示不良の発生を防止できるように構成した液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
より具体的には、図17に示されるように、液晶表示パネル522と、面光源部577と、第1フレーム512と、第2フレーム513と、を備え、第2フレーム513の受け面のエッジが面取りされた液晶表示装置である。
特開平 6−342165号(第3頁、図2) 特開平11−142818号(第2頁、図1) 特開2002−31791号(第2−5頁、図3)
しかしながら、特許文献1〜3に開示された液晶表示装置は、いずれも基板の端部に直接的に段差部を設けておらず、薄型化や固定性の向上が不十分であるという問題が見られた。
例えば、特許文献1に開示された液晶表示装置300は、駆動用LSI322を収容するための裏側樹脂フレーム320および表側金属フレーム319を組み合わせて用いなければならず、全体構造が複雑になるばかりか、偏光板314の張替えや、偏光板314の複数配置がそれぞれ困難になりやすいという問題が見られた。
また、特許文献2に開示された液晶表示装置400は、液晶表示素子410の偏光板409の上面に、フレーム404への取り付け部405を有する表示パネル401が設けてあることから、全体構造が複雑になったり、表示パネル401の厚さが厚くなったり、さらには、液晶表示素子410の固定性が不十分になりやすいという問題が見られた。
また、偏光板409が、表示パネル401の下方に設けてあることから、偏光板409の張替えが事実上困難になったり、厚さが異なる複数の偏光板409を設けたりすることが不可能になりやすいという問題が見られた。
さらに、偏光板409と、表示パネル401との間に、比較的厚い接着剤層を設ける必要があり、液晶表示装置400の薄型化が実質的に困難であるという問題も見られた。
さらに、特許文献3に開示された液晶表示装置500についても、また、第1フレーム512が、第2フレーム513を押圧し、液晶表示パネル522を直接的に押圧していないために、液晶表示パネル522の固定性が不十分になりやすいという問題が見られた。また、第1フレーム512と、偏光板514とが一部重なっているため、偏光板514の張替えが困難になったり、厚さが異なる複数の偏光板514を設けたりすることが困難になりやすいという問題も見られた。
そこで、本発明の発明者は鋭意検討した結果、電気光学パネルの基板の端部に段差部を形成し、フレ−ムと勘合させて、フレ−ムの少なくとも一部を、電気光学パネルの基板に対して、埋設状態とすることにより、電気光学パネルの基板の耐久性を低下させることなく、薄型化や優れた固定性が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、薄型化や固定性に優れた電気光学装置およびその製造方法、並びに、そのような電気光学装置を含む電子機器を提供することを目的とする。
本発明によれば、電気光学パネルと、その周囲のフレ−ムと、を備えた電気光学装置において、電気光学パネルの基板の端部に、当該端部の高さが、他の領域の高さよりも低い段差部を形成し、当該段差部と、フレ−ムとを勘合させて、フレ−ムの厚さ方向における少なくとも一部を、電気光学パネルの基板に対して、埋設状態とした電気光学装置が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、このように構成することによって、フレ−ムの少なくとも一部を、電気光学パネルの基板の端部に埋設状態とすることができるとともに、フレ−ムと、電気光学パネルの基板との間の密着性を向上させることができる。したがって、特別の部材を用いることなく、かつ、電気光学パネルの基板の耐久性を低下させることなく、電気光学装置の薄型化や固定性を向上させることができる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、基板の段差部を階段状とすることが好ましい。
このように構成することにより、電気光学装置の製造が容易になるばかりか、段差部と、フレ−ムとの勘合も容易になって、フレ−ムの一部を確実に埋設状態とすることができる。
また、フレ−ムの形状についても、階段状の段差部に係合するような逆段差形状とすることができ、段差部と、フレ−ムとの勘合をさらに強固なものとすることができる。
なお、基板の段差部が、階段状であって、複数段ある場合には、そのうち任意の段差部を選択して、フレ−ムと勘合させることもできる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、基板の段差部と、フレ−ムとの間に、緩衝材を設けることが好ましい。
このように構成することにより、基板の段差部に対するフレ−ムの固定性が向上したり、基板の段差部に対する衝撃を緩和して、耐久性を向上させたりすることができる。さらに、かかる緩衝材が導電性であれば、金属製のフレ−ムを介して、外部にアースをとったり、電極の一部として使用したりすることもできる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、フレ−ムの表面位置と、基板の表面位置と、が一致していることが好ましい。
このように構成することにより、電気光学装置の表面を実質的に平坦化することができ、
その上に、偏光子を設けたり、それ以外の機能性部材を備えたり、さらには筐体によりカバーしたりすることが容易となる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、基板表面に、機能性部材を備えることが好ましい。
機能性部材の種類や形態にもよるが、このように構成することにより、三次元表示液晶装置等を提供することができる。
なお、一部上述したように、フレ−ムの表面と、基板表面の高さ位置が実質的に一致している場合には、フレ−ム側にはみでて機能性部材を備えるような場合であっても、機能性部材の設置に対して、フレ−ムが阻害するおそれが少なくなる。
また、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、基板の段差部に凸部が設けてあり、フレ−ムに設けた凹部と勘合させることが好ましい。
このように構成することにより、所定の凸部および凹部(開口部を含む。)を利用して、基板の段差部に対するフレ−ムの固定性や位置決め性をさらに向上させることができる。
また、本発明の別の態様は、電気光学パネルと、その周囲のフレ−ムと、を備えた電気光学装置の製造方法において、電気光学パネルの基板の端部に、化学的処理または機械的処理を施して、端部の高さが、他の領域の高さよりも低い段差部を形成する工程と、段差部と、フレ−ムとを勘合させて、フレ−ムの厚さ方向における少なくとも一部を、電気光学パネルの基板に対して、埋設状態とする工程と、を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法である。
このように製造することにより、フレ−ムの少なくとも一部を、電気光学パネルの基板の端部に容易に埋設状態とすることができるとともに、フレ−ムと、電気光学パネルの基板との間の密着性を向上させることができる。したがって、特別の部材を用いることなく、かつ、電気光学パネルの基板の耐久性を低下させることなく、薄型化や固定性を向上させた電気光学装置を効率的に得ることができる。
また、段差部によって、フレ−ムの位置が正確に定まるため、電気光学装置の製造精度を高めたり、製造時間を短縮したりすることができる。
また、本発明のさらに別の態様は、上述したいずれかの電気光学装置と、当該電気光学装置を制御するための制御手段と、を備えることを特徴とする電子機器である。
このように構成することにより、特別の部材を用いることなく、かつ、電気光学パネルの基板の耐久性を低下させることなく、薄型化かつ耐久性に優れ、しかも製造が容易である電気光学装置を備えた電子機器を効率的に提供することができる。
[第1実施形態]
第1実施形態は、図1(a)および(b)に例示するように、電気光学パネル10´と、その周囲のフレ−ム12と、を備えた電気光学装置10において、電気光学パネル10´の基板30の端部に、当該端部の高さが、他の領域の高さよりも低い段差部17(17a、17b)を形成し、当該段差部17と、フレ−ム12とを勘合させて、フレ−ム12の少なくとも一部を、電気光学パネル10´の基板30に対して、埋設状態とした電気光学装置10である。
以下、本発明の第1実施形態の電気光学装置について、スイッチング素子としてのTFT素子を用いた液晶パネルであって、半透過反射方式の液晶パネルを例に採って説明する。
ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
1.液晶装置の基本構造
(1)基本構成
まず、本実施形態に係る液晶装置の基本構成について説明する。ここで、図2に液晶装置において、バックライトやフレーム等を除いた状態の液晶パネル10´の断面図を示し、図3に、同じく液晶パネル10´の外観を表す概略斜視図を示す。
これらの図に示されるように、液晶パネル10´は、カラーフィルタ41を備えた対向基板30と、TFT素子69を備えた素子基板60とが、その周辺部においてシール材23を介して貼り合わされ、それによって形成される間隙21a内に液晶材料21が収容されている。
より具体的には、かかる液晶パネル10´は、ガラス板や合成樹脂板等からなる透明な第1の基板31を基体とし、それにカラーフィルタ41を備えた対向基板30と、同様に、ガラス板等からなる第2の基板61を基体とし、それにTFT素子69を搭載した素子基板60とが、接着剤等のシール材230を介して貼り合わせられている。そして、対向基板30と、素子基板60とが形成する空間であって、シール材23の内側部分に対して、液晶材料21を収容してなるセル構造を備えている。
(2)素子基板
素子基板60は、ガラス等からなる基体61上に、スイッチング素子としてのTFT素子69と、透明な有機絶縁膜81を挟んでTFT素子69の上層に形成された画素電極63と、を主として備える基板である。
ここで、画素電極63とは、反射領域Rにおいては、反射表示を行うための光反射膜79(63a)を兼ねて形成されるとともに、透過領域Tにおいては、インジウムスズ酸化物(ITO)などにより透明電極63bとして形成されている。また、この画素電極63としての光反射膜79は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等といった光反射性材料によって形成されている。更に、この画素電極63の上には、対向基板の場合と同様に、ポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜85が形成されるとともに、この配向膜85に対して、配向処理としてのラビング処理が施されている。
また、素子基板60の外側表面、すなわち、図1の液晶パネル10´の下面には、位相差板87と、偏光板89と、が順次形成されている。そして、図示しないものの、素子基板60の下方には、バックライトユニット(図示せず)が配置されることになる。
また、素子基板60におけるTFT素子69は、素子基板60上に形成されたゲート電極71と、このゲート電極71の上で素子基板60の全域に形成されたゲート絶縁膜72と、このゲート絶縁膜72を挟んでゲート電極71の上方位置に形成された半導体層70と、その半導体層70の一方の側にコンタクト電極77を介して形成されたソース電極73と、さらに半導体層70の他方の側にコンタクト電極77を介して形成されたドレイン電極66とから構成されている。
また、ゲート電極71は、ゲートバス配線(図示せず)から延びており、ソース電極73はソースバス配線(図示せず)から延びている。また、ゲートバス配線は素子基板60の横方向に延びていて縦方向へ等間隔で平行に複数本形成されるとともに、ソースバス配線はゲート絶縁膜72を挟んでゲートバス配線と交差するように縦方向へ延びていて横方向へ等間隔で平行に複数本形成される。
かかるゲートバス配線は、液晶駆動用IC(図示せず)に接続されて、例えば走査線として作用し、他方、ソースバス配線は、他の駆動用IC(図示せず)に接続されて、例えば信号線として作用する。
また、画素電極63は、互いに交差するゲートバス配線と、ソースバス配線とによって区画される方形領域のうちTFT素子69に対応する部分を除いた領域に形成されている。
また、有機絶縁膜81は、ゲートバス配線、ソースバス配線及びTFT素子を覆って素子基板60上の全域に形成されている。
但し、有機絶縁膜81のドレイン電極66に対応する部分にはコンタクトホール83が形成され、このコンタクトホール83を介して、画素電極63と、TFT素子69のドレイン電極66との間の、電気的接続がなされている。
また、かかる有機絶縁膜81には、反射領域Rに対応する領域に、散乱形状として、山部と谷部との規則的な又は不規則的な繰り返しパターンから成る凹凸パターンを有する樹脂膜が形成されている。この結果、有機絶縁膜81の上に積層される光反射膜79(63a)も同様にして凹凸パターンから成る光反射パターンを有することになる。但し、この凹凸パターンは、光透過量を低下させてしまうため、透過領域Tには形成されていない。
(3)対向基板(カラーフィルタ基板)
対向基板30は、ガラス等からなる基体31上に、着色層37r、37g、37bと、対向電極33と、リタデーションを最適化するための層厚調整層41と、配向膜45と、を主として備える基板である。
ここで、対向基板30における対向電極33は、ITO等によって表面全域に形成された面状電極である。また、この対向電極33の下層には、素子基板60側の画素電極63に対応するように、R(赤)、G(緑)、B(青)等のカラーフィルタエレメントとしての着色層37r、37g、37bが配置されている。そして、この着色層37r、37g、37bに隣接しており、画素電極63に垂直方向にならない位置に、隣接色間の混色防止領域としてのブラックマトリクスすなわち遮光膜39が設けられている。更に、対向電極33の上には、ポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜45が形成されるとともに、この配向膜45に対して、配向処理としてのラビング処理が施されている。
なお、対向基板30の外側表面、すなわち、図1の液晶パネル10´の上面には、偏光子47として、相差板と、偏光板と、が順次形成されている。
(4)段差部
また、図1(a)に示すように、上述した対向基板30、あるいは素子基板60であっても良いが、それらの端部に、当該端部の高さが、他の領域の高さよりも低い段差部17(17a、17b)を形成し、当該段差部17と、フレ−ム12とを勘合させて、フレ−ム17の少なくとも一部を、対向基板30の基板に対して、埋設状態としてあることを特徴としている。
すなわち、この理由は、フレ−ムの少なくとも一部を、基板に対して埋設状態とし、全体としての高さを低下することができるとともに、フレ−ムと、電気光学パネルの基板との間の密着性を向上させることができるためである。仮に、段差部が無いとすると、フレームが、電気光学パネルの基板を縦方向から一方的に押圧することになって、電気光学パネルが、フレームに対して横方向に移動する場合が起こりやすくなる。また、電気光学パネルにおける基板の厚さを薄くして、電気光学パネルの全体としての高さを低下させようとすると、機械的強度が低下して、耐久性が劣ることになる。
それに対して、図1(a)に示す段差部17は、縦方向の面17aと、横方向の面17bと、を有しているため、電気光学パネルが、フレームに対して上下方向にずれることはもちろんのこと、横方向にずれることも防止することができる。さらに、端部に、選択的に段差部を設けていることから、電気光学パネルにおける基板の強度が低下するようなこともない。
したがって、図1(a)に示すような構成であれば、特別な部材を設けることなく、かつ、電気光学パネルの基板の耐久性を低下させることなく、電気光学装置の薄型化や固定性の向上を図ることができることになる。
なお、かかる段差部において、その高さは、通常、0.05〜1mmの範囲内の値であって、横方向の幅も0.05〜1mmの範囲内の値であるが、化学的処理または機械的処理を施して、基板の端部をエッチングしたり、研削したり、あるいは基板の成形時に形成したりすることができる。
また、図4(a)〜(c)に示すように、対向基板30の基板の段差部17における形状に関して、階段状とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、電気光学装置の製造が容易になるばかりか、段差部と、フレ−ムとの勘合も容易になって、フレ−ムの一部を確実に埋設状態とすることができるためである。
また、フレ−ム12の形状についても、図4(a)に示すように、階段状の段差部に係合するような逆段差形状とすることも好ましい。この理由は、段差部17と、フレ−ム12との勘合をさらに強固なものとすることができるためである。
また、基板の段差部17が階段状であって、複数段ある場合には、高さ調整のために、そのうち任意位置の段差部を選択して、フレ−ム12と勘合させることもできる。例えば、図4(b)に示すように、基板の段差部17における下位の段差部を選択して、フレ−ム12と勘合させることもできる。このように構成すると、電気光学装置をカバーガラスレス構成とすることもできる。
さらに、図4(c)に示すように、基板の段差部17における上位の段差部を選択して、フレ−ム12と勘合させることもできる。その場合、対向基板30の基板の段差部17と、フレ−ム12との間に、別なフレ−ム部材17´を設けることもできる。
また、図4(d)に示すように、対向基板30の基板の段差部17と、フレ−ム12との間に、緩衝材17cを設けることが好ましい。
この理由は、緩衝材17cにより、基板の段差部17に対するフレ−ム12の固定性が向上したり、基板の段差部17に対する衝撃を緩和して、耐久性をさらに向上させたりすることができるためである。
さらに、かかる緩衝材17cが、導電ゴムや異方導電性材料等の導電性材料であれば、仮に金属製のフレ−ム12を使用することにより、外部にアースをとったり、電極の一部として使用したりすることもできるためである。
一方、かかる緩衝材17cが、接着剤や粘着テープ等からなる非導電性(電気絶縁性)材料であれば、基板の段差部17やフレーム12の勘合面に電気配線やアンテナ線等を施したり、フレーム12の勘合面から外部電極を取り出したりすることも可能となる。
また、図5(a)に示すように、フレ−ム12の表面の位置と、対向基板30における基板表面の高さ位置とが一致していることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、電気光学装置の表面を実質的に平坦化することができるためである。したがって、その上に、位相差板および偏光板等の偏光子を設けたりすることが容易となる。
逆に言うと、図5(a)に示すように、フレ−ムの表面の位置と、基板表面の高さ位置とが一致するように、段差部の深さと、フレ−ムの厚さとを実質的に一致させることが好ましい。
但し、図1(a)に示すように、フレ−ム12の表面の位置と、位相差板および偏光板等の偏光子47を設けた後の基板表面の高さと、が一致することも好ましい。
この理由は、このように構成することにより、機能性部材を備えたり、さらには筐体によりカバーしたりすることが容易となるためである。
一方で、図5(b)に示すように、フレ−ム12の表面の位置のほうが、基板表面の高さ位置よりもわずかに大きいことも好ましい。すなわち、位相差板および偏光板等の偏光子47を設けた場合には、フレ−ムが、これらの偏光子を保護する機能を発揮できるためである。また、これらの偏光子を張り替える場合には、位相差板および偏光板等の偏光子47が、フレ−ム12の表面の位置よりも、若干飛び出していることが有利なためである。
また、図6(a)および(b)に、その傾斜部を含む断面および平面をそれぞれ示すように、基板の段差部17に凸部または凹部17dが設けてあり、それに対応する凹部(開口部を含む。)または凸部が、フレ−ム12に設けてあり、段差部17と、フレ−ム12とを勘合させる際に、これらの凸部と、凹部とを勘合させることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、段差部と、フレ−ムとを面的に勘合させる際に、段差部およびフレ−ムにおける凸部および凹部を利用して、局所的にさらに勘合させることにより、基板の段差部に対するフレ−ムの固定性や位置決め性をさらに向上させることができるためである。
なお、かかる図6(a)および(b)に示す基板における凸部17dは、実質的に棒状であって、先端部にテーパが設けてある例である。但し、基板の段差部における凸部または凹部、それに対応するフレ−ムにおける凹部(開口部を含む。)または凸部の大きさや形状、あるいは個数等については、図6(a)および(b)に記載のものに制限されることはない。すなわち、凸部または凹部を、段差部およびフレ−ムの角部のみに設ける変形例や、複数個設けるような変形例であっても好適である。
2.フレーム
(1)基本的構造
フレームは、上述した基板における段差部と勘合する形態であれば、特に制限されるものではないが、上述した基板における段差部に対応して、例えば、図1(a)〜(b)、図4(a)〜(b)、図6(a)〜(b)に示すような形態であることが好ましい。
(2)開口部
また、図1(a)および(b)に示すように、フレ−ム12の開口部の面積を、偏光子47の面積と実質的に同一とするか、あるいは偏光子47の面積よりも大きくすることを特徴とする。
すなわち、このようにフレームの開口部の面積と、偏光子の面積との関係等を考慮することにより、フレームが、偏光子以外の電気光学パネル(液晶表示パネル等)を直接的に押圧できるため、偏光子の厚さが影響されずに、薄型化が容易となるためである。また、フレームが、電気光学パネルを直接的に押圧するため、電気光学パネルの固定性についても優れたものになるためである。さらにまた、フレームと、偏光子とが重なっていないために、偏光子の貼り付けや取替えが容易になったり、厚さが異なる複数の偏光子を容易に設けたりすることができるためである。
(3)筐体
また、図示しないものの、フレ−ムを備えた電気光学装置の外側に、さらに筐体を設けることも好ましい。
この理由は、このように筐体を設けることにより、電気光学装置の機械的保護が図られるとともに、電気光学装置の取り付け位置を正確に決定することができるためである。
3.機能性部材
また、図7に示すように、電気光学パネル(液晶表示パネル等)の基板表面に、機能性部材180、180´を備えることが好ましい。図7に示す例では、二つの機能性部材180、180´を備えており、それぞれ接着剤170で固定してある。
この理由は、機能性部材の種類や形態にもよるが、このように構成することにより、三次元表示液晶装置等を容易に提供することができるためである。
また、フレ−ムの表面と、基板表面の高さ位置が実質的に一致している場合には、フレ−ム側にはみでて機能性部材を形成した場合であっても、フレ−ムが阻害するおそれが少なくなるという利点も得ることができる。
ここで、本発明に用いられる機能性部材は、例えば、液晶材料等の偏光子を含む機能性部材とすることができる。すなわち、図8に示すように、液晶装置10に対して、偏光子を含む機能性部材180を所定の間隔を持って配置することより、観察者110の左右目にそれぞれ異なる画像を提供して三次元表示することができる三次元液晶装置11を構成することができる。
より具体的には、この三次元液晶装置11は、液晶装置10と、この液晶装置10に光を照射するための光源(バックライト)114と、この光源から出射し液晶装置10を通過してきた光を制御する偏光子を含む機能性部材180と、から構成される。
また、この機能性部材180と液晶装置10との間には、複数の偏光方向を持つ偏光膜を備えたバリア層119を配置することができる。このバリア層19を配置することで、左目110aに向かう第1の透過光A及び右目110bに向かう第2の透過光Bを細分化して位相制御することができ、より高精度の三次元画像を提供することができる。
このように構成される三次元液晶装置11において、まず光源114から出射された光は、液晶装置10を通過することにより、第1の透過領域116aを通過した第1の光Aと、第2の透過領域116bを通過した第2の光Bと、に分解される。
次いで、このように分離された第1の光A及び第2の光Bは、それぞれバリア層119を通過して、位相制御された後、偏光子を含む機能性部材180に照射される。
そして、機能性部材180は、照射された第1の光A及び第2の光Bを、それぞれ左目110a方向と、右目110b方向と、に更に分離して透過方向を制御する。その結果、観察者110の左目110a上では第1の透過領域116aからの光のみで画像化され、一方、右目110b上では第2の透過領域116bからの光のみで画像化されることとなる。
したがって、第1の透過領域116aから構成される画像と、第2の透過領域116bから構成される画像と、をそれぞれ独立に制御することにより、観察者110に対して三次元画像を提供したり、更には、異なる二次元画像を提供したりすることができる。
また、機能性部材の別の態様として、接触式センサとしてのタッチキーが挙げられる。このタッチキーは、内部に複数の透明導電膜を有する積層構造を有しており、表面を指やペンで押圧した際に、この透明導電膜が互いに接触して接触抵抗の変化を検出する抵抗接触方式や、透明導電膜間の間隙幅が変化を静電容量として検出する静電容量方式等があり、いずれも好適に用いることができる。
また、このタッチキーを採用した場合には、指やペンによる押圧力によっては、液晶装置が変形して表示特性に影響を与える場合があるが、本発明のように、接着界面に紫外線硬化性樹脂からなる接着層を有する構造であれば、押圧による衝撃を吸収して、かかる問題を回避することができる。
また、機能性部材の更に別の態様として、表面に幾何学模様をパターニングしてある幾何学模様基板が挙げられる。この幾何学模様基板の役割としては、例えば、視角コントロールのための妨害画像を表示する視野角調整機能が挙げられる。すなわち、従来の広視覚化とは逆に狭視覚の機能が必要とされる場合には、かかる幾何学模様が、特定の方向の光のみを選択的に通過させるとともに、それ以外の方向への光を遮断して、視角コントロールすることができる。
また、機能性部材の更に別の態様として、防塵ガラスが挙げられる。この防塵ガラスは、所定の強度を有するガラス板であって、液晶装置に直接的に塵や埃が付着することを防止するための保護膜としての機能を備えている。
かかる防塵ガラスの種類としては、塵埃の混入を防止できるものであれば特に限定されるものではなく、素子基板や対向基板に用いられる透明性ガラス基体やガラス基体と同様のものを用いることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、電気光学パネルと、その周囲のフレ−ムと、を備えた電気光学装置の製造方法において、電気光学パネルの基板の端部に、化学的処理または機械的処理を施して、当該端部の高さが、他の領域の高さよりも低い段差部を形成する工程と、当該段差部と、フレ−ムとを勘合させて、フレ−ムの少なくとも一部を埋設状態とする工程と、を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法である。
すなわち、第2実施形態の電気光学装置の製造方法は、図9に例示されるように、素子基板の形成工程と、対向基板の形成工程と、組立工程と、実装工程と、接着層の形成工程と、機能性部材の設置工程と、仮固定工程と、固定工程と、フレ−ム取付工程と、を含んでいる。
なお、第2実施形態の電気光学装置の製造方法を実施するに際して、化学的処理または機械的処理を施して、予め段差部を形成した基板を用いても良いし、あるいは電気光学パネルを構成した後であって、フレームを取り付ける前に、所定の段差部を形成しても良い。
1.電気光学パネルの製造工程
(1)素子基板の形成工程
まず、素子基板において、図9中、S1として示されるTFT素子の形成工程を実施する。かかるTFT素子の形成工程は、素子基板の基体上に金属膜および絶縁膜を形成し、パターニングすることによって、図10(a)に示すように、TFT素子69等のスイッチング素子を形成する工程である。
このようなスイッチング素子69を形成するにあたり、ガラス基板からなる基体61上に、ゲート電極71を形成する。このゲート電極71は、例えば、クロム、タンタル、モリブデン等の低抵抗材料から構成されており、スパッタリング法や電子ビーム蒸着法を用いて形成することができる。
次いで、このゲート電極71上に、絶縁層としてのゲート絶縁膜72を形成する。このゲート絶縁膜72は、窒化シリコン(SiNx)や酸化シリコン(SiOx)等の半導体材料からなる電気絶縁材料を積層させて形成することができる。
次いで、このゲート絶縁膜72上に、アモルファスシリコン(a−Si)、多結晶シリコン、CdSe等の半導体材料を積層させて半導体層70を形成する。さらに、この半導体層70の両端部分に、ドープされたアモルファスシリコン等によりコンタクト電極77を形成する。
最後に、このコンタクト電極77と接触するように、ソース電極73及びそれと一体をなすソースバス配線並びにドレイン電極66を形成する。このとき、ソース電極73、ソースバス配線(図示せず)及びドレイン電極66は、例えばチタン、モリブデン、アルミニウム等の低抵抗材料を、スパッタリング法や電子ビーム蒸着法を用いることで形成することができる。
次いで、図9中、S2として示される画素電極等の形成工程を実施する。かかる画素電極等の形成工程は、図10(b)〜(c)に示すように、TFT素子69が形成された基体61上に、有機絶縁膜からなる保護膜81と、透明導電膜からなる画素電極63と、を順次形成する工程である。
より具体的には、TFT素子69が形成してある基体61上に、光硬化性樹脂等の樹脂材料を塗布するとともに、この樹脂層に対して所定のパターニングを施すことにより有機絶縁膜からなる保護膜81を形成する。
次いで、この有機絶縁膜からなる保護膜81内に設けられたコンタクトホール83の周辺部であって、反射領域(R)に相当する領域に対して、アルミニウム等の金属を蒸着した後、この膜に対して、フォトリソグラフィ及びエッチング法を施すことで、表示領域にマトリクス状の光反射膜79を形成する。
一方、透過領域(T)に相当する領域に対して、スパッタリング法等により透明導電膜を形成することにより、画素電極63を形成し、素子基板60の基本形態とする。
次いで、このようにして得られた素子基板60に対して、ポリイミド樹脂等からなる配向膜85を形成するとともに、この配向膜85にラビング処理を施すことにより、配向制御機能を持たせることができる。
最後に、TFT素子や画素電極が形成された基体上に、フォトリソグラフィ法等を用いて、感光性樹脂材料からなる樹脂膜としての柱状スペーサを形成する。この柱状スペーサにより、素子基板60と対向基板30との間隙幅(セルギャップ)を正確に規定して、所望の表示特性を得ることができる。
(2)対向基板の形成工程
次いで、対向基板の形成工程について説明する。まず、図9中、S1´として示される着色層の形成工程を実施する。かかる着色層の形成工程は、図11(a)〜(b)に示すように、対向基板の基体31上に着色層37(37r、37g、37b)、遮光膜39及び層厚調整層41等を順次形成する工程である。
より具体的には、基体31上に、顔料や染料等の着色材を分散させた樹脂材料からなる感光性樹脂を塗布し、この感光性樹脂に対してパターン露光及び現像処理を順次施すことにより、着色層37(37r、37g、37b)を形成することができる。
なお、かかる露光及び現像処理は、R(赤)、G(緑)、B(青)それぞれの色毎に繰り返すことで、三色に対応した着色層37r、37g、37bをそれぞれ形成することができる。
次いで、それぞれの画素領域の境界領域に遮光膜39を形成する。この遮光膜39に用いられる材料としては、例えば、クロム(Cr)やモリブテン(Mo)等の金属膜を使用したり、あるいは、R、G、Bの3色の着色材を共に樹脂その他の基材中に分散させたものや、黒色の顔料や染料等の着色材を樹脂その他の基材中に分散させたものなどを用いたりすることができる。
したがって、かかる遮光膜39を金属膜から形成するに際しては、例えば、クロム(Cr)等の金属材料をスパッタリング法等により基体31上に積層した後、所定パターンに合わせて、エッチング処理を施すことによって形成することになる。
最後に、着色層37(37r、37g、37b)や、遮光膜39等が形成された対向基板の基体31上に、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等を用いて、全面的に層厚調整層41を形成する。
この層厚調整層41は、透過領域(T)と反射領域(R)とのリタデーション調整のための層であって、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の樹脂材料に対して所定のパターニングを施すことにより形成される。
次いで、図9中、S2´として示される対向電極の形成工程を実施する。かかる対向電極の形成工程は、図11(c)に示すように、対向基板に形成された着色層37(37r、37g、37b)、遮光膜39及び層厚調整層41に、透明導電材料等からなる対向電極33を形成する工程である。
より具体的には、着色層37(37r、37g、37b)及び遮光膜39が形成された対向基板の基体31上に、スパッタリング法等により透明導電膜を積層した後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法により、表示領域全面に所定パターンを有する対向電極33を形成する。
さらに、この対向電極33の表面に、ポリイミド樹脂等からなる配向膜45を形成することで、対向基板30の基本形態とすることができる。
ここで、上述した素子基板60に用いられるスイッチング素子が、TFT素子(Thin
Film Transistor)69の場合には、この対向電極33は、それぞれのセル領域に対応した面状電極としてパターニングされる。
(3)組立工程
次いで、図9中、S3として示される組立工程は、図12(a)〜(b)に示すように、素子基板60と、対向基板30とを、シール材23を介して貼り合わせ、その間隙に液晶材料を注入する工程である。
より具体的には、対向基板30と、シール材23が形成された素子基板60と、をアライメントして貼り合わせ位置を確定する。その後、両基板を重ね合わせて接合させた後、加熱しながら加圧保持して、シール材23を硬化させながら対向基板30と、素子基板60とを貼合せることにより、液晶注入口21aを備えた一対の基板20が形成される。
次いで、液晶注入口21aから、従来公知の方法により基板間隙内に液晶材料を注入した後、その注入口を、エポキシ樹脂等の封止樹脂を用いて封止する。
最後に、素子基板60の外表面に位相差板87と偏光板89とを貼り付けるとともに、対向基板30の外表面に位相差板47と偏光板49とを貼り付けることにより、図12(b)に示すような一対の基板20を形成することができる。
(4)実装工程
次いで、図9中、S4として示される実装工程は、図12(c)に示すように、素子基板60上の基板張り出し部60Tに液晶駆動用の半導体素子91やFPC93を実装する工程である。
例えば、ACF(Anisotropic Conductive Film)を用いて、電気光学装置用基板上の外部端子である配線と、半導体素子等を電気的に接続する工程である。ここで、液晶駆動用の半導体素子91を実装するに際して、ACFの圧着特性にもよるが、例えば、120〜200℃、5〜30秒、5〜100kgf/cm2の圧着条件とすることが好ましい。
(5)接着層の形成工程
次いで、図9中、S5として示される接着層の形成工程を実施する。この接着層の形成工程は、図13(a)に示すように、機能性部材と液晶装置10とを接着固定するための接着剤としての紫外線硬化性樹脂を用いて、接着層170を形成する工程である。
また、本発明において用いられる接着層170の材料は、紫外線硬化性樹脂を用いることを特徴とする。ここで用いられる紫外線硬化性樹脂の成分としては特に限定されるものではないが、汎用性の高さから、エポキシ樹脂あるいはアクリル樹脂を主成分とする紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
(6)機能性部材の設置工程
次いで、図9中、S6として示される機能性部材を設置する工程を実施する。かかる機能性部材の設置工程は、図12(b)〜(c)に示すように、機能性部材180を、電気光学装置10上の接着層(紫外線硬化性樹脂)170が形成してある箇所に対して設置する工程である。
このとき、機能性部材と電気光学装置との位置合わせは、CCDカメラ等の撮像手段50を用いて、液晶装置10上の所定位置に設けられたアライメントマークと、機能性部材180上の所定位置に設けられたアライメントマークと、が重なるように相対位置を調整しながら位置合わせすることができる。
(7)仮固定工程
次いで、図9中、S7として示される仮固定工程を実施する。かかる仮固定工程は、電気光学装置上に形成された接着層としての紫外線硬化性樹脂層に対して、LED光源等を用いて、紫外線を照射して硬化させる工程であって、後の固定工程に先立って行われる仮止めとしての役割を果たす工程である。
なお、この仮固定工程における紫外線照射をスポット照射とすることが好ましい。
この理由は、照射領域が狭く、照射強度を比較的高めに設定できるスポット照射とすることで、局所的かつ強固に樹脂を硬化させることができ、硬化収縮に伴う機能性部材と電気光学装置との位置ずれを抑えて、安定的に両者を仮止めすることができるためである。
(8)固定工程
次いで、図9中、S8として示される固定工程を実施する。かかる固定工程は、上述した仮固定工程に続いて実施される紫外線照射工程であって、仮止めされた機能性部材を完全に固定する、本硬化としての役割を果たす工程である。
また、この固定工程における光源を、紫外線ランプとすることが好ましい。
この理由は、照射領域が広く、比較的広範囲で均一に照射できる紫外線ランプとすることで、広範囲かつ均一に樹脂を硬化させることができ、硬化収縮に伴う機能性部材と電気光学装置との位置ずれを抑えて、安定的に両者を固定することができるためである。
2.フレ−ム取付工程
(1)具体的内容
図9中、S9として示されるフレ−ム取付工程は、所定のフレ−ムを使用して、電気光学パネルの周囲を保護する工程である。例えば、電気光学パネルの面積よりも大きい面積の開口部を有するフレームによって、電気光学パネルの基板のふちを押さえるとともに、電気光学パネルの周囲を保護する工程である。
すなわち、図1(a)に示すように、電気光学パネル10の基板30の端部に段差部17(17a、17b)を形成し、それとフレ−ム12とを勘合させることにより、フレ−ム12の少なくとも一部を、基板30に対して埋設状態とすることができる。したがって、特別の部材を用いることなく、かつ、電気光学パネルの基板の耐久性を低下させることなく、薄型化や優れた固定性を得ることができる。
また、段差部17によって、フレ−ム12の位置が正確に定まるため、電気光学装置の製造精度を高めたり、製造時間を短縮したりすることもできる。
なお、フレ−ムの形態等については、第1実施形態において既に説明したので、ここでの説明は省略する。
(2)表面位置の制御工程
また、一対の偏光子のうち、上方の偏光子の表面位置と、フレ−ムの表面位置とを、実質的に等しくする工程を設けることが好ましい。
この理由は、このように実施することにより、電気光学装置の表面を容易に平坦化することができ、固定性に優れた電気光学装置を効率的に得ることができるためである。
例えば、図5(b)に示すように、フレーム12と、電気光学パネル10´との間に、位置調整部材46を設け、偏光子47の表面位置を適宜調整することができる。
[第3実施形態]
本発明に係る第3実施形態としての電気光学装置を、電子機器における表示装置として用いた場合について具体的に説明する。
(1)電子機器の概要
図14は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶パネル200と、これを制御するための制御手段1200とを有している。また、図14中では、液晶パネル200を、パネル構造体200Aと、半導体素子(ICチップ)等で構成される駆動回路200Bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段1200は、表示情報出力源1210と、表示処理回路1220と、電源回路1230と、タイミングジェネレータ1240とを有することが好ましい。
また、表示情報出力源1210は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ1240によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路1220に供給するように構成されていることが好ましい。
また、表示情報処理回路1220は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路200Bへ供給することが好ましい。そして、駆動回路200Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路および検査回路を含むことが好ましい。また、電源回路1230は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する機能を有している。
以上、説明したように、本発明の電気光学装置によれば、電気光学パネルの基板の端部に段差部を形成し、フレ−ムと勘合させて、電気光学パネルの基板に対して、埋設状態とすることにより、電気光学パネルの基板の耐久性を低下させることなく、薄型化や良好な固定性が図れるようになった。
また、本発明の電気光学装置の製造方法によれば、フレームによる製造上の制約が少なくなるとともに、薄型化や固定性が向上した電気光学装置を効率的に製造することができるようになった。
さらに、本発明の電子機器によれば、電子機器の薄型化や、電気光学パネルの固定性の向上を容易に図れるとともに、偏光子を容易に取替えることができるようになった。
したがって、本発明に係る電気光学装置を適用可能な電子機器としては、パーソナルコンピュータや、携帯電話機のほかにも、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電気泳動装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器などが挙げられる。
(a)および(b)は、傾斜部におけるフレームによる押圧状態を説明するために供する図である。 第1実施形態の液晶パネルを模式的に示す概略断面図である。 第1実施形態の液晶パネルの外観を示す概略斜視図である。 (a)〜(d)は、別の傾斜部におけるフレームによる押圧状態を説明するために供する図である。 (a)および(b)は、フレームの表面位置と、液晶パネルの表面位置との関係を説明するために供する図である。 (a)および(b)は、さらに別の傾斜部におけるフレームによる押圧状態を説明するために供する図である。 機能性部材を備えた液晶パネルを模式的に示す概略断面図である。 三次元表示液晶装置の原理を説明するために供する図である。 第2実施形態の電気光学装置の製造方法を示すフローチャートである。 素子基板の製造方法に関する工程図(a)〜(e)である。 対向基板の製造方法に関する工程図(a)〜(c)である。 第2実施形態の電気光学装置の製造方法に関する工程図(a)〜(c)である。 第2実施形態の電気光学装置の製造方法に関する別の工程図(a)〜(c)である。 本発明に係る電子機器の実施形態における構成ブロックを示す概略構成図である。 従来の液晶装置におけるフレームを説明するために供する図である(その1)。 従来の液晶装置におけるフレームを説明するために供する図である(その2)。 従来の液晶装置におけるフレームを説明するために供する図である(その3)。
符号の説明
10:電気光学装置、10´:電気光学パネル(液晶パネル)、11:三次元液晶装置、12:フレーム、17:段差部、21:液晶材料、30:対向基板(カラーフィルタ基板)、41:カラーフィルタ、46:位置調整部材、47:偏光子、60:素子基板、69:TFT素子、200:液晶パネル、1200:制御手段

Claims (8)

  1. 基板を有する電気光学パネルと、その周囲のフレ−ムと、を備えた電気光学装置において、
    前記電気光学パネルの基板の端部に、当該端部の高さが、他の領域の高さよりも低い段差部を形成し、当該段差部と、前記フレ−ムとを勘合させて、前記フレ−ムの厚さ方向における少なくとも一部を、前記電気光学パネルの基板に対して、埋設状態とすることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記基板の段差部を階段状とすることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記基板の段差部と、前記フレ−ムとの間に、緩衝材を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記フレ−ムの表面位置と、前記基板の表面位置と、が一致していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記基板表面に、機能性部材を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記基板の段差部に凸部または凹部が設けてあり、それに対応する凹部または凸部が、フレ−ムに設けてあり、前記段差部と、前記フレ−ムとを勘合させる際に、これらの凸部と、凹部とを勘合させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 基板を有する電気光学パネルと、その周囲のフレ−ムと、を備えた電気光学装置の製造方法において、
    前記電気光学パネルの基板の端部に、化学的処理または機械的処理を施して、前記端部の高さが、他の領域の高さよりも低い段差部を形成する工程と、
    前記段差部と、前記フレ−ムとを勘合させて、前記フレ−ムの厚さ方向における少なくとも一部を、前記電気光学パネルの基板に対して、埋設状態とする工程とを含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気光学装置と、当該電気光学装置を制御するための制御手段と、を備えることを特徴とする電子機器。
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