近年、ブロードバンドサービスの幅広い普及や企業のインターネットを利用した情報交換の利用増加に伴い、通信トラフィックは恒常的に増加している。通信ネットワークの大容量化及び高速化の要求は絶えることがない。
複数の光信号を異なる波長の光に乗せ、1本の光ファイバで伝送する波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムは、伝送路の容量を大幅に増大させることが可能であり、既に基幹系システムを中心に導入が進んでいる。WDM伝送システムにおいて多くの通信ノード間に適用するためには、伝送路の合流点(分岐点)において多重化された多数の光信号を高速に交換、処理する機能が必要である。しかしながら、伝送速度の高速化や大容量化に伴い、通信ノードにおける、電気信号処理による経路制御処理が膨大な量となり、近い将来限界に達すると考えられる。
上述の問題の解決するために、近年では、伝送路容量の増大のための光信号の波長の適用だけでなく、ネットワークの経路設定に用いる波長ルーティング技術の検討も進んでいる。波長ルーティングは、光信号を電気信号に変換して電気的にルーティングを行うのではなく、光信号のままでルーティングを行う。波長ルーティングを使用したネットワークの一例として、フルメッシュ構成WDM光信号伝送システムがある。
図11は、フルメッシュWDM光信号伝送システムを示す概略的なブロック図である。中心にN入力N出力(以下、N×Nと表記する)光波長合分波装置1101が配置され、WDM信号送受信装置を備える複数の通信ノード1102−1〜1102−nとの間を、それぞれ2芯の光ファイバ1103で接続している。図11からわかるように、本光信号伝送システムの物理的配置は、N×N光波長合分波装置1101を中心としたスター型構成となる。
図12は、N×N光波長合分波装置の入出力ポート間の波長入出力特性を示す図である。この波長入出力特性に基づいて、論理的な構成としては、各通信ノード1102−1〜1102−n間にフルメッシュの光ファイバを敷設した場合と同じ接続性が得られる。従って、各通信ノード1102−1〜1102−n間において、大容量のデータを低遅延で送受信することが可能となる(非特許文献1を参照)。
図13は、N×N光波長合分波装置を実現できるアレイ導波路回折格子型光合分波回路の構成を示す図である。以下、第1の従来技術例として、アレイ導波路回折格子型光合分波回路(以下、AWGと表記する)の構成および動作原理を示す。AWGは、隣り合う導波路が所定の光路長差を有するアレイ導波路1301、その両端に接続された2つのスラブ導波路1302a、1302b、スラブ導波路1302aに接続されたN本の入力導波路1303、もう1つのスラブ導波路1302bに接続されたN本の出力導波路1304から構成されている。
アレイ導波路1301、スラブ導波路1302a、1302b、入力導波路1303、出力導波路1304をそれぞれ適切に設計することにより、所望のAWG合分波特性を得ることができる。ここで、このAWGの入力導波路1303、出力導波路1304の導波路本数がN、合分波する波長間隔がΔλであるとする。このとき、AWGの基本周期(FSR:Free Spectral Range)をΔλ×Nより十分大きく設計することによって、AWGの各入出力ポート間の損失が均一な合分波特性が得られる。
図14は、AWGの入出力導波路の導波路本数が4の場合の波長入出力特性の一例を示す図である。4入力4出力構成のAWGにおいて、各入力導波路と各出力導波路との間には、入力導波路および入力信号光の波長に応じた16通りの経路が存在する。図14の波長入出力特性に基づいて、各通信ノード1102−1〜1102−4に、λ1からλ7までのうちの4種類の波長の信号を送受信するWDM信号送受信装置を備えることができる(図11を参照)。これによって、これら4つの通信ノード間においてフルメッシュ論理構成の接続性を得ることができる。
図15は、周回性を持ったAWGの入出力ポート間の波長入出力特性の一例を示す図である。AWGにおいて、FSR=Δλ×Nに設計すると、入出力ポートに関して周期的な合分波特性が得られる。図15は、入出力導波路の導波路本数がそれぞれ4の場合の例である。4入力4出力構成のAWGにおいて、各入力導波路と各出力導波路との間には、入力導波路と入力波長に応じた16通りの経路が存在する。図15の波長入出力特性に基づいて、各通信ノード1102−1〜1102−4に、λ1からλ4までの4種類の波長の信号を送受信するWDM信号送受信装置を備えることができる。これによって、4つの通信ノード間でフルメッシュ論理構成の接続性を得ることができる(非特許文献2を参照)。
しかしながら、上述した従来技術を用いて実現されるフルメッシュWDM光信号伝送システムにおいては、ある特定の組み合わせの通信ノード間で通信に用いることのできる光信号の波長の数は、1つに制限されている。この制限のために、ネットワークの設計における自由度が狭くなり、また通信需要に見合うネットワークの拡張も困難であった。
この制限に対処するために、各通信ノード間で通信に用いることのできる光信号の波長の数を、2つ以上に増やすことが必要である。これを実現する光波長合分波装置として、AWGの透過波長帯域を拡大した光波長合分波装置が提案された。
図16は、AWGの透過波長帯域を拡大した光波長合分波装置の動作特性を説明する図である。以下、この第2の従来技術の動作原理について説明する。この透過帯域幅を拡大した光波長合分波装置は、第1の従来技術として説明した光波長合分波装置の合分波波長間隔を広げて、例えば、波長間隔を12Δλとしている。
図16において、横軸は波長を示し、縦軸はこの光波長合分波装置の透過率を示している。山型形状の太い実線は、光波長合分波装置の透過スペクトル特性1601−1、1601−2、1601−3を示す。3つの太い矢印の組は、本波長光合分波装置において使用されるWDM信号の波長1602−1、1602−2、1602−3を示す。各通信ノードが送受信を行う、近接している3つのWDM信号の波長は、お互いにΔλの間隔を持つ。また、光波長合分波装置の透過スペクトル1601は、図16において2つのピークの間が12Δλと示されているように、12Δλに拡張された波長間隔を持っている。
上で述べたように、本光波長合分波装置の透過スペクトル1601の波長間隔とWDM信号1602の波長間隔とが異なるため、各通信ノード間で通信に用いることのできる光信号の波長の数を、2つ以上に増やすことができる。例えば、光波長合分波装置の透過スペクトル1601−1のピーク部分を用いて、WDM信号波長のうち損失の少ない中心部に位置する3つの波長の信号1602−1を、ある同一の組合せの通信ノード間の通信に使用できる。同様に、光波長合分波装置の透過スペクトル1601−2のピーク部分を用いて、WDM信号波長のうち損失の少ない中心部に位置する3つの波長の信号1602−2を、他の同一の組み合わせの通信ノード間の通信に使用できる。同様に、光波長合分波装置の透過スペクトル1601−3のピーク部分を用いて、WDM信号波長のうち損失の少ない中心部に位置する3つの波長の信号1602−3を、さらに他の同一の組合せの通信ノード間の通信に使用できる(非特許文献3を参照)。
上述した第2の従来技術を用いて実現されるフルメッシュWDM光信号伝送システムでは、ある組み合わせの通信ノード間で通信に用いることのできる光信号の波長の数は、2つ以上に拡張できる。しかしながら、ある通信ノード間で必要とされる光信号の波長数が少なくてよい場合であっても、必ず2つ以上に拡張された波長が割り当てられるため、必ずしも波長利用効率が良くなるとは言えなかった。例えば、図16で説明した場合について考えると、ある特定の組合せAの通信ノード間において、3つの波長を必要とするほどの通信需要があったとしても、他の組合せBの通信ノード間では、1つの波長で十分な場合があり得る。このような場合であっても、組合せBの通信ノード間に対して、3つの波長が割り当てられる。この場合、組合せBの通信ノード間では1つの波長のみが使用されて、残りの2つの波長は使われないままとなる。このように、波長の利用効率が悪くなる問題点は、通信需要がますます増大し、ネットワークが複雑化している状況を考えれば、より深刻である。
[第1の実施形態]
以下、図1から図3を参照しながら、本発明にかかる光波長合分波装置の第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態にかかる光波長合分波装置の構成を示す図である。N本の入力導波路101は、第1スラブ導波路102に接続される。第1のスラブ導波路の出力は、隣り合う導波路が所定の光路長差を有するアレイ導波路103に接続される。アレイ導波路103の他方は、第2スラブ導波路104に接続され、さらにN本の出力導波路105に接続される。
次に、本発明の動作原理を説明する。入力導波路101に入力された光信号は、導波路ごとに異なる所定の位置から、第1のスラブ導波路102に入力される。第1のスラブ導波路102に入力された光信号はスラブ導波路102を伝播し、入力された位置に応じて定まる位相関係で、アレイ導波路103に分配されて入力される。アレイ導波路103は、隣り合う導波路間が所定の導波路長差で順次長くなる複数の導波路により構成されている。アレイ導波路103を形成する材料は、屈折率の波長依存性、すなわち伝播速度の波長依存性を持っている。この伝播速度の波長依存性に従い、アレイ導波路103の一端に入力された光信号は、波長ごとに異なる位相関係で他端に出力される。そして、第2のスラブ導波路104にさらに入力される。第2のスラブ導波路104の一端に入力された光信号は、入力された位相関係に応じて定まる位置に集光して他端から出力される。さらに、出力導波路105を経て出力される。
以上に述べたように、本光波長合分波装置は、入力された光信号を、その光信号の入力された入力ポートおよびその光信号の波長に応じて定まる出力ポートから、出力する機能を実現する。この波長ルーティング機能は、当業者には良く知られたものである。尚、本実施形態におけるFSRは、WDM通信システムの波長間隔の17倍と等しいか、17倍よりも大きな値である。
本発明の光波長合分装置は、入出力導波路と各スラブ導波路との接合部分の構造に大きな特徴がある。ここで、特に入力導波路101と第1のスラブ導波路102との接合部分、並びに、第2のスラブ導波路104と出力導波路105との接合部分の構造に注目する。入力導波路と出力導波路がそれぞれ4本である場合を例として、以下説明をする。
図2は、本発明の第1の実施形態における入出力導波路とスラブ導波路との接合部の拡大図を示す図である。図2(a)は、入力導波路101と第1のスラブ導波路102との接合部分の拡大図を示し、接合部は幅[x]を持つ。図2(b)は、第2のスラブ導波路104と出力導波路105との接合部分の拡大図を示し、接合部は幅[y]を持つ。本発明においては、各幅[x]が全て同一ではないように、または、各幅[y]が全て同一ではないようにすることを特徴としている。
図2(a)においては、入力導波路101−1、101−3と第1のスラブ導波路102の接合部分の幅は、それぞれ[x1]であり、入力導波路101−2、101−4と第1のスラブ導波路102の接合部分の幅は[x2]である。また、図2(b)においては、第2のスラブ導波路104と出力導波路105−1、105−3の接合部分の幅は、それぞれ[y1]であり、第2のスラブ導波路104と出力導波路105−2、105−4の接合部分の幅は、それぞれ[y2]である。そして、各幅が、[x1]=[y1]<[x2]=[y2]の関係を満たす場合を示している。
次に、上述の接合部の構成をもつ光波長合分波装置において、1つの入力導波路101に入力され、1つの出力導波路105から出力される光信号の透過特性について説明する。光信号の透過特性は、従来技術のAWGと同様に、特定の中心波長、透過帯域幅、および挿入損失を持つバンドパスフィルタ特性を有している。
透過特性のうち「中心波長」は、従来技術のAWGと同様に入力導波路101と第1のスラブ導波路102との接合部分の中心位置と、第2のスラブ導波路104と出力導波路105との接合部分の中心位置とによって定まる。
透過特性のうち「透過帯域幅」は、入力導波路101と第1のスラブ導波路102との接合部分の幅[x]、第2のスラブ導波路104と出力導波路105との接合部分の幅[y]によって定まる。入力導波路101と第1のスラブ導波路102との接合部分の幅[x]を広げると、第2のスラブ導波路104において集光される際に、スポットサイズが拡大する。その結果、幅[x]を広げる前の状態では出力導波路105に結合しない場所に集光していた波長の光も、出力導波路105に結合するようになる。従って、より広い波長帯域幅の光が出力導波路105から出力される。また、第2のスラブ導波路104と出力導波路105との接合部分の幅[y]を広げると、幅[y]を広げる前の状態では出力導波路105に結合しない場所に集光していた波長の光も、出力導波路105に結合するようになる。結果として、より広い波長帯域幅の光が出力導波路105から出力される。以上に述べたように、透過帯域幅は、xおよびyに関して単調増加である関数F(x,y)を用いて、F([x],[y])と表すことができる。
透過特性のうち「挿入損失」は、入力導波路101と第1のスラブ導波路102との接合部分の幅[x]、第2のスラブ導波路104と出力導波路105との接合部分の幅[y]によって定まる。入力導波路101と第1のスラブ導波路102の接合部分との幅[x]が、第2のスラブ導波路104と出力導波路105との接合部分の幅[y]に等しい時に、最も結合効率がよくなり低損失となる。また両者の比率が1からずれるに従って、結合効率が低下し、損失が増加する。従って、挿入損失はa=1で最小値となり、0<a<1で単調減少、a>1で単調増加である関数G(a)を用いて、G([x]/[y])と表すことができる。
以上に説明したように、第1スラブ導波路102、アレイ導波路103、および第2スラブ導波路104の各々の構成、並びに、入力導波路101と第1のスラブ導波路102との接合部分の位置および幅[x]、第2のスラブ導波路104と出力導波路105との接合部分の位置および幅[y]を適切に設計することで、様々な透過帯域幅が混在するN×N光波長合分波装置を得ることができる。
図3は、第1の実施形態の光波長合分波装置の波長入出力特性を示す図である。図2に示したような入力側および出力側にそれぞれ2種類の接合部分の構造が混在する構成を使用すると、等周波数間隔に配置されたWDM通信システムの各波長λ1〜λ17について、図3に示すような各入出力ポート間の波長入出力特性が得られる。図3により規定される関係に従って、波長ルーティングされるN×N光波長合分波装置を得ることができる。
図3に示される波長入出力特性のN×N光波長合分波装置では、入出力ポート間で通信に用いることのできる波長数は1〜3種類の範囲で混在している。例えば、入力ポート1から入力されて出力ポート1から出力されるのは、波長がλ1の光信号である。一方、入力ポート1から入力されて出力ポート2から出力されるのは、λ3およびλ4の2種類の波長の光信号である。このように、入出力ポート間によって、ルーティングされる波長の数が異なる点において、前述した第2の従来技術において全てのポート間で常に一定数の波長が使用されるのと大きく異なることに注意されたい。
言い換えると、第2の従来技術においては、均一な波長の数によって、各入出力ポート間の波長ルーティングが行われていた。これに対し、本発明においては、選択する入力ポート−出力ポートの組合せによって、波長ルーティングに使用される波長の数は不均一で、偏在しているということができる。すなわち、入出力ポート間に割り当てられる光信号の波長の数を選択することができるN×N光波長合分波装置を実現できる。
このような本発明の特長により、入出力ポート間の波長数を不均一に割り当て、偏在化させることで、フルメッシュ論理構成のWDM通信システムの通信需要に不均一があっても、あらかじめその不均一に柔軟に適合させて波長を割り当てることができる。従って、波長利用効率良くネットワークを構成することができるというすぐれた効果がある。
本実施形態においては、入力導波路とスラブ導波路との接合部分の幅、並びに出力導波路とスラブ導波路との接合部の幅を、それぞれ2種類以上設けることによって、本発明の特有の効果が得られている。この効果は、入出力導波路とスラブ導波路の境界面において、光信号の電界分布の広がり(モードフィールド径)に差を生じさせることに本質的に起因している。従って、同じ効果が得られる限り、例えば、導波路の厚み方向に変化をもたせること等によっても実現が可能である。すなわち導波路とスラブ導波路との接合部の形状に何らかの変化を与えることで、入出力ポート間の波長ルーティングが可能な波長数を不均一に割り当てることが可能であることに留意されたい。
本実施形態においては、入力側と出力側の両方に対して、それぞれ接合部分の幅[x]、[y]を変化させているが、入力側または出力側のいずれか一方だけに適用しても、同様な効果が得られる。
本実施形態においては、[x1][x2][x1][x2]のように、2種類の幅を交互に4つ並べる構成を例として説明しているが、このパターンに限定されるわけでないことは言うまでもない(以下、接合部分の幅は、単に幅と略する)。例えば、[x1][x2][x3][x1][x2][x3]・・のように、3種類の幅を交互に繰り返す構成も考えられる。また、[x1][x2][x2][x1]にように、左右対称に並べることもできる。さらに、[x2][x1][x2][x3][x2][x1][x2][x3]・・のように、3種類の幅を持ち、隣り合う導波路幅の差を小さくするように並べることも考えられる。この時、大小関係は、x1<x2<x3の関係だけでなく、隣り合う導波路の幅の差は大きくなるものの、x2<x1<x3またはx1<x3<x2の関係であっても良い。
また、[x1][x1][x1][x1][x2][x1][x1][x1][x1]のように、1つだけ異なる幅の導波路を配置することもできる。さらに、[x2][x1][x1][x1][x1][x1][x1][x1][x2]のように、両端の2箇所に、他の導波路と幅の異なる導波路を配置することもできる。このように、様々な導波路幅の配列パターンによっても、入出力ポート間の波長数を不均一に割り当てることが可能であることに留意されたい。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態の光波長合分波装置の波長入出力特性を示す図である。本実施形態の光波長合分波装置の基本構成は、第1の実施形態と同一であるため、説明を省略する。入出力導波路は、それぞれ4本である。
本実施形態では、第1の実施形態と異なり、FSRをWDM通信波長間隔の10倍に設定する。この時、等周波数間隔に構成されたWDM通信システムの各波長λ1〜λ10に関して、図4に示されるような周期性を有する波長入出力特性が得られる。図4により規定される周回性を持った関係に従って、波長ルーティングされるように各波長が配置されたN×N光波長合分波装置を得ることができる。
図4に示される波長入出力特性を持ったN×N光波長合分波装置においては、入出力ポート間で通信に用いることのできる波長数は、1〜3種類の範囲で混在している。例えば、入力ポート1から入力されて出力ポート3から出力されるのは、波長がλ6の光信号である。一方、入力ポート1から入力されて出力ポート4から出力されるのは、λ8およびλ9の2種類の波長の光信号である。
本実施形態においても、各入出力ポート間の波長ルーティングが可能な波長数を不均一に割り当て、偏在化させることで、フルメッシュWDM通信システムの通信ノード間の通信需要に不均一があっても、あらかじめその不均一に柔軟に適合させて波長を割り当てることができる。従って、波長利用効率良くネットワーク構成を行うことができるというすぐれた効果がある。
また、本実施形態では、波長入出力特性がλ1〜λ10の範囲で周期性(周回性)を有する。このため、第1の実施形態において通信に必要な波長の数は17であったのに対し、本実施形態では必要な波長の数は10に減らされる。従って、第1の実施形態と比較して、より狭い波長帯域を使用して同一の機能を実現することができる。
[第3の実施形態]
以下、図5から図7を参照しながら、本発明にかかる光波長合分波装置の第3の実施形態を説明する。本実施形態は、第1の実施形態の出力導波路の構成に変更を加えた点に特徴がある。従って、この出力導波路の構成と動作に焦点をあてて説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態である光波長合分波装置の構成を説明する図である。N本の入力導波路101は、第1スラブ導波路102に接続される。さらに、第1のスラブ導波路の出力は、隣り合う導波路が所定の光路長差を有するアレイ導波路103に接続される。アレイ導波路103の他端は、第2スラブ導波路104に接続される。第2のスラブ導波路103の他端は、2N本の導波路501に接続される点で、第1の実施形態と異なる。2N本の導波路501の他端は、N個の光カプラ502に接続され、さらに、N本の出力導波路503に接続される。導波路501と光カプラの接続方法は、詳しく後述する。尚、図5では、例としてN=4の場合を示している。
次に、本実施形態の光波長合分波装置の動作原理を説明する。N本の入力導波路101に光信号が入力され、アレイ導波路103を経て第2のスラブ導波路104に光信号が入力されるまでは、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第2のスラブ導波路104の一端に入力された光信号は、入力された位相関係に応じて定まる位置に集光して他端から出力される。そして、2N本の導波路501に入力される。2N本の導波路501を通る光信号は、N本離れた導波路を通る光信号と光カプラ502によって混合される。すなわち、1番目と(N+1)番目、2番目と(N+2)番目、・・N番目と2N番目の導波路が、それぞれ各光カプラにより接続される。図5の場合は、1番目と5番目、2番目と6番目、・・4番目と8番目の各光導波路501が光カプラ502によって接続される。光カプラ502からの出力は、それぞれN本の出力導波路503を通り、光波長合分波装置の光信号出力となる。
ここで、入力導波路101と第1のスラブ導波路102との接合部分の幅[x]は全て同一ではないように、または、第2のスラブ導波路104と2N本の導波路501との接合部分の幅[y]は、全て同一ではないように設計する。ただし、カプラ502によって接続されるN本離れた2つの導波路501の各々と、第2のスラブ導波路104との接合部分は、それぞれ、等しい幅になるように設計する。図5でより具体的に説明すれば、1番目の光導波路501と第2のスラブ導波路との接合部分の幅をyとした場合、光カプラによって接続される5番目の導波路501と第2のスラブ導波路との接合部分の幅も、同じyとする。
本実施形態では、入力導波路101の各々と第1のスラブ導波路102との接合部分の幅は、交互に[x1]と[x2]とを繰り返す。同様に、第2のスラブ導波路104と導波路501の各々との接合部分の幅は、交互に[y1]と[y2]を繰り返すものとする。また、各幅は、[x1]=[y1]<[x2]=[y2]の関係を満たすものとする。(図示せず。)
ここで、第1スラブ導波路102、アレイ導波路103、および第2スラブ導波路104の各々の構成、並びに、入力導波路101と第1のスラブ導波路102との接合部分の位置および幅[x]、第2のスラブ導波路104と導波路501との接合部分の位置および幅[y]を適切に設計することで、第1の実施形態同様に、様々な透過帯域幅が混在するN×2N光波長合分波特性を得ることができる
図6は、第3の実施形態の光波長合分波装置におけるN本の入力導波路101と2N本の導波路の間の波長入出力特性を説明する第1の図である。前述したように、この2N本の導波路501からの光信号は、2本ずつ組み合わせて、それぞれN個の光カプラ502によって混合され、N本の出力導波路503を通って出力される。この結果、本実施形態の光波長合分波装置の全体としては、N×N光波長合分波装置が得られる。
図7は、第3の実施形態の光波長合分波装置におけるN本の入力導波路101とN本の出力導波路の間の波長入出力特性を説明する第2の図である。ここでは、N本の入力導波路101とN本の出力導波路503の間の入出力特性から、特にλ10からλ19に着目した特性が示されている。
図7に示したN本の入力導波路101とN本の出力導波路の間の波長入出力特性では、入出力ポート間で通信に用いることのできる波長数は1〜3種類の範囲で混在している。本実施形態においても、入出力ポート間の波長ルーティングが可能な波長数を不均一に割り当て、偏在化させることで、フルメッシュWDM通信システムの通信ノード間の通信需要に不均一があっても、あらかじめその不均一に柔軟に適合させて波長を割り当てることができる。従って、波長利用効率良くネットワークの構成を行うことができるというすぐれた効果がある。
さらに、入出力特性がλ10〜λ19の範囲で周期性(周回性)を有するため、通信に必要な波長数が少なくて済む。第2の実施形態と同様に、狭い波長帯域を使用して同一の機能を実現することができる。
[第4の実施形態]
図8は、本発明にかかる第4の実施形態である光信号伝送システムの構成を説明する図である。図8に示す光信号伝送システムは、N×N光波長合分波装置801と、WDM信号送受信装置を含む最大N台の通信ノード802−1、802−2、802−3、802−nと、光波長合分波装置801と各通信ノードとを接続する2芯の光ファイバ803とを備える。本実施形態では、光波長合分波装置801として、前述の第1〜第3の実施形態の光波長合分波装置のうちのいずれかを使用する。また、本実施形態においては、N=4の場合を例として示す。
本実施形態における光信号伝送システムでは、中心にN×N光波長合分波装置801が設置され、WDM信号送受信装置を含む複数の通信ノード802との間が、それぞれ2芯の光ファイバ803によって接続されている。本システムの物理構成は、N×N光波長合分波装置801を中心とするスター型の構成をとる。次に、各通信ノード802内に設けられるWDM信号送受信装置の構成を説明する。
図9は、第4の実施形態の光信号伝送システムに用いるWDM信号送受信装置の構成を説明する図である。本WDM信号送受信装置900は、上り信号の経路上に、複数の上り信号入力ポート901と、各信号入力ポートに接続された第1の伝送媒体中継装置902と、合波器903と、上り信号出力ポート904とを含む。同様に、下り信号の経路上に、下り信号入力ポート905と、分波器906と、第2の伝送媒体中継装置907と、複数の下り信号出力ポート908とを含む。
通信ノードから送出される信号は、WDM信号送受信装置900の上り信号入力ポート901に入力される。次に、第1の伝送媒体中継装置902において、入力信号は適切な波長の光信号に変換され出力される。第1の伝送媒体中継装置902からの出力光は、合波器903によって波長多重化され、上り信号出力ポート904から出力される。上り信号出力ポート904から出力された光信号は、図8中に示される2芯の光ファイバ803の内の1本を通り、N×N光波長合分波装置801の適切な入力ポートに入力される。
一方、N×N光波長合分波装置801の出力ポートから出力される光信号は、2芯の光ファイバ803のもう1本を通り、WDM信号送受信装置900の下り信号入力ポート905に入力される。次に、分波器906によって光信号の波長ごとに異なるポートに分けられる。分波された各光信号は、第2の伝送媒体中継装置907に入力され、光信号や電気信号など信号形態を問わずに、通信ノードに適した信号形態で信号を出力する。出力された信号は、各下り信号出力ポート908から通信ノードに出力される。
本実施形態では、N×N光波長合分波装置801として、第1の実施形態における光波長合分波装置を適用する場合において、λ1〜λ17の波長を使用することを想定している。従って、図9においては、第1の伝送媒体中継装置902および第2の伝送媒体中継装置907に、それぞれ最大17台分の伝送媒体中継装置を記載している。実際には、通信に必要な数分の伝送媒体中継装置を実装すればよい。伝送媒体中継装置の数を限定する意図はないことに留意されたい。
以上に説明した構成のWDM信号送受信装置900を使用することにより、図8に示した本実施形態の光信号伝送システムにおいて、各通信ノード間の通信が行われる。ある通信ノードから送出された信号は、その通信ノードが備えるWDM信号送受信装置を経由して、上り信号出力ポート904から光信号としてN×N光波長合分波装置801へ出力される。N×N光波長合分波装置801においては、光信号は波長入出力特性に従って波長ルーティングされ、目的の通信ノードが備えるWDM信号送受信装置900の下り信号入力ポート905に入力される。WDM信号送受信装置900を経由して、目的の通信ノード内へ信号が送られる。
第1〜第3の実施形態に関して述べたように、第1〜第3の実施形態のN×N光波長合分波装置801は、その全ての入出力ポート間で少なくとも1波長の光信号を通信に使用できる。このため、本発明の光信号通信システムは、通信ノード間にフルメッシュ論理構成の接続性を持つ。
さらに本実施形態の光信号通信システムの特徴として、通信ノード間の通信に用いることのできる光信号の数に注目されたい。例えば、N×N光波長合分波装置801として、第1の実施形態における光波長合分波装置を適用する場合を考える。図3を参照すれば、N×N光波長合分波装置801の第1入力ポートに接続された送信側通信ノードから、第3出力ポートに接続された受信側通信ノードに向けて送られる光信号には、λ6の1波長の信号を使用することができる。また、N×N光波長合分波装置801の第1入力ポートに接続された送信側通信ノードから、第4出力ポートに接続された受信側通信ノードに向けて送られる光信号には、λ8,λ9の2種類の波長の光信号を使用することができる。N×N光波長合分波装置801の第2入力ポートに接続された送信側通信ノードから、第4出力ポートに接続された受信側通信ノードに向けて送られる光信号には、λ10,λ11,λ12の3種類の波長の光信号を使用することができる。
上述したように、通信ノード間で通信に用いることのできる波長は、1〜3種類の範囲で混在している。フルメッシュ論理構成のネットワークを構築する場合においては、すべての通信ノード間の通信需要は必ずしも均一ではない。ノード間において通信需要が不均一である場合でも、あらかじめその不均一に適応するように、本発明の光信号通信システムを適用することができる。第2の従来技術において指摘したように、割り当てられた波長が未使用となるために波長利用効率を低下させることがない。通信ノード間の通信需要に応じて入出力ポートを割り当てることで、波長帯域を無駄なく使用できる。波長利用効率の良い、フルメッシュ論理構成のWDM光信号伝送システムを実現できる。
[第5の実施形態]
以下に述べる第5の実施形態の光信号伝送システムは、各通信ノード間を接続している光ファイバ上に上り下り双方向の光信号を混在させる点で、第4の実施形態と異なる特徴を持っている。以下、本実施形態において使用されるWDM信号送受信装置の構成と光信号の送受信を中心に説明する。
図10は、本発明にかかる第5の実施形態である光信号伝送システムに用いるWDM信号送受信装置の構成を説明する図である。本実施形態の光信号伝送システムは、N×N光波長合分波装置と、それぞれがWDM信号送受信装置を含む最大N台の複数の通信ノードと、光波長合分波装置と各通信ノードとを接続する2芯の光ファイバとを備える。光信号伝送システム全体の構成は、図8において示した第4の実施形態と同様であるため、説明は省略する。本実施形態では、光波長合分波装として、前述の第1〜第3の実施形態の光波長合分波装置のうちのいずれかを使用する。また、本実施形態においては、N=4の場合を例として示す。
図10(a)に示すWDM信号送受信装置1000は、属する通信ノードからの信号が入力される上り経路と、属する通信ノードへ信号が出力される下り経路の2つに大別できる。第4の実施形態のWDM信号送受信装置は、上り経路と下り経路が完全に分離された構成となっている。これに対し、本実施形態のWDM信号送受信装置1000は、一部の上り信号および下り信号がそれぞれ2芯の光ファイバ803上に混在した状態で信号処理される構成となっている点に特徴がある。
上り経路においては、複数の上り信号入力ポート901が、第1の伝送媒体中継装置902に接続される。第1の伝送媒体中継装置902の一部の出力は、第1の合分波器1001に接続され、さらに、第1の信号入出力ポート1003へ接続される。ここで、第1の伝送媒体中継装置902の一部の出力は、後述する第2の合分波器1002にも接続されている点に留意されたい。下り経路においては、第2の信号入出力ポート1004が、第2の合分波器1002に接続される。第2の光合分波器1002は、第2の伝送媒体中継装置907を経由して、複数の下り信号出力ポート908に接続される。ここで、第1の光合分波器1001からの出力の一部も、第2の伝送媒体中継装置907に接続されていることに留意されたい。上述の構成からも理解されるように、本実施形態のWDM信号送受信装置1000においては、上り信号と下り信号とが混在した状態で、2つの信号入出力ポート1003、1004から入出力できる構成となっている。
次に、本実施形態のWDM信号送受信装置1000の動作を説明する。所属する通信ノードから送出される信号は、WDM信号送受信装置1000の上り信号入力ポート901から入力され、第1の伝送媒体中継装置902において、適切な波長の光信号に変換される。光信号に変換された伝送媒体中継装置902からの出力光は、第1の合分波器1001によって波長多重化され、第1の信号入出力ポート1003から出力される。また、光信号に変換された伝送媒体中継装置902からの出力光の一部は、第2の合分波器1002によって波長多重化され、第2の信号入出力ポート1004からも出力される。第1の信号入出力ポート1003から出力された光信号は、2芯の光ファイバのうちの1本を通り、N×N光波長合分波装置の適切な入力ポートに入力される。また第2の信号入出力ポート1004から出力された光信号は、2芯の光ファイバのもう1本を通り、N×N光波長合分波装置の適切な出力ポートに入力される。
一方、N×N光波長合分波装置から出力される光信号は、2芯の光ファイバの1本を通り、WDM信号送受信装置1000の第1の信号入出力ポート1003、または、2芯の光ファイバのもう1本を通り第2の信号入出力ポート1004に入力される。第1の合分波器1001または第2の合分波器1002によって、波長ごとに異なるポートから光信号がそれぞれ取り出される。合分波器から取り出された各光信号は、伝送媒体中継装置907に入力され、光信号や電気信号など信号形態を問わずに、所属する通信ノードに適した信号形態に処理される。信号は、下り信号出力ポート908から通信ノードへ出力される。
本実施形態の特徴は、WDM信号送受信装置とN×N光波長合分波装置の間を結ぶ光ファイバに、上り下り双方向の光信号を混在させるところにある。これは、N×N光波長合分波装置内において、光信号が混信することを防ぐためである。N×N光波長合分波装置内のアレイ導波路回折格子の構造上、主として信号が透過するポートのほかに、そのポートに隣接するポートにも一部の信号が漏れて出力される。この漏れ信号は、その隣接するポートを通る同一波長の信号と干渉し、光信号の品質を劣化させる要因となる。例えば、第1の実施形態の光波長合分波装置について考えてみる。図3の波長入出力特性に示されているように、第2の入力ポートに入力されたλ4の信号は、主として第1の出力ポートに出力されるが、信号の一部は隣接する第2の出力ポートにも漏れ信号として出力される。一方、第1の入力ポートに入力されたλ4の信号は、主として第2の出力ポートに出力されるため、前述の漏れ信号と干渉し、信号品質は劣化する。
以上に説明したような光信号の混信の問題を避けるため、アレイ導波路回折格子の入出力特性の可逆性を活用し、光波長合分波装置の隣接するポートから、同一波長の信号が出力されないようにする。このために、WDM信号送受信装置とN×N光波長合分波装置の間を結ぶ2芯光ファイバのそれぞれに、上りおよび下り双方向の光信号を混在させている。
以下、具体的なWDM信号送受信装置の構成指針の例を示す。
第a番目(aは1以上N以下の整数)の通信ノードに備えられたWDM信号送受信装置の第1の信号入出力ポート1003は、光ファイバを介してN×N光波長合分波装置の第a番目の入力ポートに接続される。第2の信号入出力ポート1004は、もう1本の光ファイバを介してN×N光波長合分波装置の第(N−a)番目の出力ポートに接続される。
第a番目の通信ノードから第b番目(bは1以上N以下の整数)の通信ノードに送られる信号は、伝送媒体中継装置902から出力された後、(a+b) mod 4が0または1の場合には、第1の合分波器1001によって波長多重化し、第1の信号入出力ポート1003から出力する。また、(a+b) mod 4が2または3の場合には、第2の合分波器1002によって波長多重化し、第2の信号入出力ポート1004から出力する。(但し、A mod Bは、整数Aを整数Bで割った時の余りとする。)
同様にして、全ての通信ノードから送信する信号の出力ポートを決定することで、自動的に各通信ノードの第1の合分波器1001および第2の合分波器1002から取り出される信号が定まる。合分波器から取り出された各光信号は、伝送媒体中継装置907に入力され、光信号や電気信号など信号形態を問わずに、通信ノードに適した信号形態で信号を処理される。信号は、下り信号出力ポート908から通信ノードへ出力される。
上述のように構成すると、光波長合分波装置の隣接するポートから、同一波長の信号が出力されることなく、通信ノード間にフルメッシュ論理構成の接続性を実現できる。
上述の構成指針は、第1の実施形態の光波長合分波装置のように、波長周回性を持たないN×N光波長合分波装置を用いる場合には、全てのNに対して適用できる。しかしながら、第2または第3の実施形態の光波長合分波装置のように、波長周回性を持ったN×N光波長合分波装置を用いる場合には、Nが4の倍数である場合のみに適用できることに注意されたい。
図10は、N×N光波長合分波装置を第1の実施形態における光波長合分波装置とした場合に、上述した構成指針を適用したときのWDM信号送受信装置1000の構成を示している。WDM信号送受信装置1000内の構成は、図10(a)に示した奇数番目の通信ノード用のものと、図10(b)に示した偶数番目の通信ノード用のものの2通りに分けられる。尚、図10においては、第1の伝送媒体中継装置902および第2の伝送媒体中継装置907に、それぞれ最大17台分の伝送媒体中継装置を記載している。実際には、通信に必要な数分の伝送媒体中継装置を実装すれば良い。伝送媒体中継装置の数を限定する意図はないことに留意されたい。
以上の詳細に説明したように、本実施形態では、第4の実施形態と同様に、通信ノード間で通信に用いることのできる波長は、1〜3種類の範囲で混在している。フルメッシュ論理構成のネットワークを構築する場合においては、すべての通信ノード間の通信需要は必ずしも均一ではない。通信需要にノード間で不均一がある場合でも、あらかじめその不均一に適応するように、本発明の光信号通信システムを適用することができる。特に本実施形態によれば、漏れ信号との干渉による信号品質の劣化が起きにくい、フルメッシュ論理構成のWDM光信号伝送システムを実現できる。
以上、本発明について、具体的に説明してきたが、本発明の原理を適用できる多くの実施可能な形態に鑑みて、ここに記載した実施形態は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、上記の光波長合分波装置の入出力特性や、WDM信号送受信装置内の構成は、本発明の趣旨から逸脱することなく、その構成と詳細を変更することができる。また、説明のための構成要素は、本発明の趣旨を逸脱することなく変更、補足、またはその順序を変えても良い。