JP2007240573A - 微小チップ移載方法及び移載装置、並びにマザーボード固定機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】 無駄な動きを減らし、短時間での動作が可能で、移載の確実性が高く移載精度にも優れた微小チップ移載方法及び移載装置を提供する。
【解決手段】 チップ供給部(スレーブハンド16)上の微小チップ4をチップ移載部(マスタハンド15)によりマザーボード7上に移載する。マスタハンド15は、マザーボード7の幅方向及び長手方向に順次移動しながら微小チップ4の移載を行う。スレーブハンド16は、マスタハンド15に追従して移動し、微小チップ4の授受を行う
【選択図】 図2
【解決手段】 チップ供給部(スレーブハンド16)上の微小チップ4をチップ移載部(マスタハンド15)によりマザーボード7上に移載する。マスタハンド15は、マザーボード7の幅方向及び長手方向に順次移動しながら微小チップ4の移載を行う。スレーブハンド16は、マスタハンド15に追従して移動し、微小チップ4の授受を行う
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の平面ディスプレイ基板に微小チップ(例えば画素制御素子)を間隔を拡大して転写する際に適用される微小チップ移載方法及び移載装置に関するものであり、さらには、これら移載方法、移載装置に応用されるマザーボード固定機構に関する。
例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに代表される平面ディスプレイにおいては、ガラス基板上に化学気相堆積法(CVD法)等を利用して各画素を駆動する薄膜トランジスタ(TFT)等の微小電子デバイスを直接形成することが行われている。この微小電子デバイスで各画素のオン、オフ、濃淡等を制御することにより、画像表示が可能となる。
この種の平面ディスプレイにおいては、大画面化への需要が旺盛であり、これに伴い基板面積の拡大が急務となっている。当然のことながら、大画面化に対応して、使用するガラス基板の面積も大面積化する必要があり、前記従来技術では、この大面積化されたガラス基板上に駆動素子である薄膜トランジスタ等を直接形成する必要がある。
しかしながら、大面積化されたガラス基板上に駆動素子である薄膜トランジスタ等を直接形成しようとすると、様々な困難を伴い、製造コストを大幅に上昇する要因となっている。具体的には、基板面積の拡大に伴い、ガラス基板上に薄膜トランジスタ等の微小電子デバイスを作製するための製造装置(CVD装置等)を必然的に大型化する必要があり、それらを設置するクリーンルームも大型化する必要がある。その結果として、多大な設備投資が必要となり、これが製造コストの上昇に繋がっている。
また、ガラス基板上に駆動素子である薄膜トランジスタ等を直接形成する方法では、素子(薄膜トランジスタ)の特性の点でも問題を残しており、平面ディスプレイの表示品質を向上する上で大きな障害となっている。前記方法では、ガラス基板が耐えられる300℃程度の低温における堆積薄膜で作製可能なアモルファス・シリコン(a−Si)膜を半導体膜として使用せざるを得ず、結晶シリコンを使用する半導体電子デバイスに較べ動作性能が劣る。これを解決するために、例えば堆積されたa−Si膜をレーザー照射により溶融させて多結晶シリコン(ポリシリコン)とし、これを用いて移動度が大きい薄膜トランジスタを形成することも検討されているが、この場合には、レーザー溶融による多結晶シリコンの作製に高コストを要し、現状では適用範囲が比較的小さな面積の平面ディスプレイに限られる。
このような状況から、本願発明者らは、薄膜トランジスタ等の電子デバイスをウエハ等に密集状態で形成し、これをダイシングした微小チップをガラス基板上の所定の位置に実装することで大画面平面ディスプレイを実現する技術を提案している(例えば特許文献1及び特許文献2等を参照)。
特許文献1には、平面ディスプレイ基板のピッチを自然数で除したピッチにて画素制御素子を多数形成し、平面ディスプレイ基板のピッチに対応する画素制御素子を選択的にピックアップし、平面ディスプレイ基板上に形成した透明熱可塑性樹脂フィルムの塑性変形により画素制御素子を保持させ、透明紫外線硬化樹脂膜により画素制御素子の周辺を固定するという画素制御素子の転写方法が開示されており、特許文献2には、これを応用して平面ディスプレイ基板を製造する方法が開示されている。
特許第3474187号公報
特許第3492679号公報
ところで、前記画素制御素子のような微小チップを間隔を拡大して転写する方法では、密集状態にある切断済み微小チップ群から選択的に転写対象となる複数の微小チップを剥離して取り出し、マザーボードである平面ディスプレイ基板上に移載する必要がある。そこで、前記特許文献には、X軸方向及びY軸方向に平行移動され且つ鉛直方向(Z軸方向)に上下動する真空チャックを用いて微小チップをピックアップし、マザーボード上に順次実装する実装装置が開示されている。
しかしながら、前記特許文献等にも開示されるような部品供給移載装置(実装装置)では、部品実装部(前記真空チャック)による1回の実装操作が終わると、前記部品実装部は、装置の一端側に設置された固定状態の部品供給部まで部品を受け取りに戻る必要がある。そのため、毎回大きなストロークでの移動が必要になって、無駄な動きにより動作時間が長くなること、動作に無理が生じて実装(移載)の確実性が低下すること、さらには部品の移載精度が低下すること等の問題が生じている。
本発明は、前述の従来の実情に鑑みて提案されたものであり、無駄な動きを減らすことができ、短時間での動作が可能で、移載の確実性が高く移載精度にも優れた移載が可能な微小チップ移載方法及び移載装置を提供することを目的とする。また、本発明は、装置の空間利用率を高めることが可能で、装置を大型化することなく前記移載を実現することが可能な微小チップ移載方法及び移載装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記移載技術に関連して、マザーボードを変形することなく確実に吸着固定し得るマザーボード固定機構を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の微小チップ移載方法は、チップ供給部上の微小チップをチップ移載部によりマザーボード上に移載する微小チップ移載方法であって、前記チップ移載部は、マザーボードの幅方向及び長手方向に順次移動しながら前記微小チップの移載を行うとともに、前記チップ供給部はチップ移載部に追従して移動し、微小チップの授受を行うことを特徴とするものである。
また、本発明の微小チップ移載装置は、微小チップを供給するチップ供給部と、供給された微小チップをマザーボード上に移載するチップ移載部とを有し、前記チップ移載部は、マザーボードの幅方向及び長手方向に順次移動しながら前記微小チップの移載を行うとともに、前記チップ供給部はチップ移載部に追従して移動し、微小チップの授受を行うことを特徴とするものである。
本発明においては、前述の通り、チップ供給部がチップ移載部に追従して移動するようにし、チップ供給部とチップ移載部とが互いに協調して微小チップの授受を行うようにしている。したがって、チップ移載部は、チップ供給位置までいちいち微小チップを受け取りに戻る必要がなく、移動距離が大幅に削減される。また、前記チップ供給部は、前記チップ移載部とともにマザーボード上の空間に配置されるので、空間利用率が向上し、装置の大型化を招くこともない。
一方、本発明のマザーボード固定機構は、微小チップが移載されるマザーボードを吸着固定するマザーボード固定機構であって、前記マザーボードの外周縁部を支持する吸着固定用枠と、前記吸着固定用枠の内側に所定の間隔を持って配されマザーボードの下面を支持するスペーサとを有し、前記スペーサの前記マザーボードと接する面が多孔質材により構成されていることを特徴とする。
従来、マザーボードを吸着固定する場合、表面に溝が設けられた支持台等が用いられることが多いが、この場合、例えばマザーボードが変形し易い材質で形成されていると、前記溝形状にマザーボードが変形する等の不都合が発生するおそれがある。マザーボードが薄い場合も同様であり、極端な場合、マザーボードの破損に繋がる。
本発明においては、多孔質材によってマザーボードの大部分の面を支持するようにしているので、マザーボードの変形や破損のおそれは皆無である。また、多孔質材を介して真空吸引することで確実に吸着固定される。
前述の構成を有する本発明の微小チップ移載方法及び微小チップ移載装置によれば、チップ移載部の無駄な動きを大幅に減らすことができ、短時間での動作が可能で、移載の確実性が高く移載精度にも優れた微小チップ移載方法及び移載装置を実現することが可能である。また、本発明によれば、装置の空間利用率を高めることが可能で、装置を大型化することなく前記移載を実現することが可能である。
一方、本発明のマザーボード固定機構によれば、マザーボードを変形したり破損することなく確実且つ安定に吸着固定することが可能である。したがって、これを微小チップの移載装置に応用することにより、安定性に優れ、より一層移載の確実性が高く移載精度に優れた微小チップ移載方法及び移載装置を実現することが可能である。
以下、本発明を適用した微小チップ移載方法及び微小チップ移載装置、さらにはマザーボード固定機構の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(微小チップ移載プロセス)
本発明の微小チップ移載方法及び移載装置の説明に先立って、先ず、本発明の微小チップ移載方法及び移載装置が適用される微小チップ移載プロセス(微小チップの選択転写方法)について説明する。
本発明の微小チップ移載方法及び移載装置の説明に先立って、先ず、本発明の微小チップ移載方法及び移載装置が適用される微小チップ移載プロセス(微小チップの選択転写方法)について説明する。
図1に、微小チップ移載プロセスの概要を示す。この微小チップ移載プロセスは、シリコンウエハに作り込んだ素子(例えば画素制御素子)を切断後、選択的に取り出し、最終的にはマザーボード(例えば平面ディスプレイ基板)上に所定の間隔で配列するように転写することで、例えば大画面平面ディスプレイを実現するものである。
前記微小チップ移載プロセスでは、図1(A)に示すように、シリコンウエハ1に薄膜トランジスタ等の微小電子デバイスを作り込む。大画面平面ディスプレイを作製する場合には、画素制御素子を作り込む。
次いで、微小電子デバイスを作り込んだシリコンウエハ1をウエハリング2に所定のテンションで張設されたエクステンションシート3上に載置し、図1(B)に示すように、各微小電子デバイスに対応して微小チップ4に切断(ダイシング)し、エクステンションシート3上に微小チップ群が密集して載置された状態とする。各微小チップ4の形状は、例えば0.4mm角の方形状であり、チップ間隔は例えば0.06mmである。エクステンションシート3上に載置される微小チップ4の個数は、例えば125×125個であり、微小チップ4が配列される微小チップ領域は57.5mm角である。
前記エクステンションシート3上の微小チップ4は、複数個おきに選択的に取り出すことで、各微小チップ4間の間隔を拡大する。例えば、微小チップ4を3個飛ばして4個おきに順次取り出せば、微小チップ4間の間隔は1.84mmに拡大される。選択的に取り出した微小チップ4は、図1(C)に示すように、例えば選択的取り出しシート5上に配列する形で転写する。本例では、選択的取り出しシート5上の微小チップ4間の間隔は1.84mmであり、微小チップ4の個数は25×25個、微小チップ4が配列される微小チップ領域は46mm角である。
選択的取り出しシート5上の微小チップ4は、図1(D)に示すように、チップバッチ移載用基板6上に転写する。ここでは、4枚の選択的取り出しシート5上の微小チップ4をチップバッチ移載用基板6上に転写する。このチップバッチ移載用基板6の形状は、例えば125mm角であり、材質は例えばステンレスである。チップバッチ移載用基板6の微小チップ4の載置面には粘着材層を形成しており、微小チップ4を粘着力により保持する。
図1(E)に示すように、このようなチップバッチ移載用基板6を複数枚、例えば16×9枚用意し、図1(F)に示すように、各チップバッチ移載用基板6上の微小チップ4を大面積基板であるマザーボード7上に順次転写する。マザーボード7の形状は、1620mm×948mmの矩形状である。16×9枚のチップバッチ移載用基板6の微小チップ4を転写することで、マザーボード7上には800×450個の微小チップ4がマトリクス状に配列されることになる。平面ディスプレイとする場合、表示領域は1472mm×828mmであり、前記マザーボード7を平面ディスプレイ基板とする大画面ディスプレイが実現される。この方法によれば、前記チップバッチ移載用基板6の段階で転写状態を確認することができ、最終的なマザーボード7の歩留まりを上げることができる。最終的なマザーボード7の段階で微小チップ4の転写状態を確認するのでは、仮に転写不良があった場合にはマザーボード7全体が不良品になってしまうが、前記チップバッチ移載用基板6の段階で確認すれば、転写不良が発生しているチップバッチ移載用基板6を取り除くことで、マザーボード7の段階での不良の発生を最小限に抑えることができる。
本発明の微小チップ移載方法、微小チップ移載装置は、前記図1(E)に示すチップバッチ移載用基板からマザーボードへの微小チップの移載、あるいは切断した微小チップ群から直接マザーボードへの微小チップの移載等に適用可能である。
(第1の実施形態)
本実施形態は、本発明の微小チップ移載方法及び微小チップ移載装置を、前記微小チップ移載プロセスにおいて、チップバッチ移載用基板上の微小チップのマザーボード上への移載に適用した実施形態である。
本実施形態は、本発明の微小チップ移載方法及び微小チップ移載装置を、前記微小チップ移載プロセスにおいて、チップバッチ移載用基板上の微小チップのマザーボード上への移載に適用した実施形態である。
図2及び図3は、本実施形態の微小チップ移載装置を示すものである。本実施形態の微小チップ移載装置は、大きく分けて制御部11,移載操作部12、及びマザーボード導入搬送部13とから構成されている。
前記制御部11は、操作パネル11aや警告表示部11b等を備え、本実施形態の微小チップ移載装置全体の動作の制御を行うものである。マザーボード導入搬送部13は、移載操作部12に微小チップ実装前のマザーボード7を順次導入し、微小チップ移載後のマザーボード7を搬送するためのものであり、マザーボード7を支持するに足る大きさの支持台として構成されている。
前記移載操作部12は、マザーボード7を吸着固定するマザーボード支持ステージ14と、このマザーボード支持ステージ14上で動作するマスタハンド(チップ移載部に相当)15及びスレーブハンド(チップ供給部に相当)16とを備えるとともに、マザーボード7の搬出側にマザーボード7上に移載された微小チップ4の移載状態を検査する検査部17が設置されている。
ここで、マザーボード支持ステージ14は、マザーボード7を吸着固定するためのマザーボード固定機構を有しており、このマザーボード固定機構はマザーボード7を安定且つ確実に吸着保持する構造とされている。具体的には、前記マザーボード支持ステージ14は、マザーボード固定機構として、図4に示すように、マザーボード7の外周縁部を支持する吸着固定用枠21と、前記吸着固定用枠21の内側に所定の間隔をもって配されマザーボード7の下面を支持するスペーサ22とを有している。
前記吸着固定用枠21は、熱膨張係数が小さくマザーボード7の膨張収縮を制限できる材料(例えばインバ材)により形成されており、4片を組み合わせるとともに、これら4片が互いに大気圧で内側にずれ込まないように接触部に嵌合ピン(図示は省略する。)を装着してある。吸着固定用枠21の構成としてはこれに限らず、例えば前記4片に切り欠きを設け、これを組み合わせることによってズレを防止するようにしてもよい。あるいは、接合部を接着したり、一体成形してもよい。また、本実施形態では、前記吸着固定用枠21のマザーボード7との接触面ににエア漏れシール材として発泡性樹脂シールを貼り付けているが、吸着固定用枠21に溝を設け、ここにシール材を嵌め込むようにしてもよい。吸着固定用枠21のステージとの接触面側については、吸着固定用枠21とステージの境界付近に樹脂性シール材を注入しているが、マザーボード7側と同様、シール材を貼り付けてもよいし、吸着固定用枠21に溝を設け、ここにシール材を嵌め込むようにしてもよい。
前記スペーサ22は、マザーボード7の下面の大部分を支持するものであるが、ここではスペーサ22を支持基板23と多孔質シート24の2層構造とし、前記多孔質シート24がマザーボード7の下面と接するようにしている。スペーサ22を構成する支持基板23には、熱膨張係数が小さく表面平行度が良好なガラス材等が用いられ、多孔質シート24には、発塵がなく均一に多孔質状態となった樹脂シート等が使用される。前記多孔質シート2に用いられる樹脂シートは、発色が白色であり、マザーボード7上に移載される微小チップの背景が明るくなり、移載状態を検査する画像処理にとって都合が良くなっている。
また、前記スペーサ22は、前記吸着固定用枠21の内側寸法よりも例えば5mm程度小さくし、それによって構成される固定吸着用枠21とスペーサ22間の空間25を真空、圧空配管系統の一部とするとともに、真空、圧空用の終端タンクとしても利用している。したがって、前記吸着固定用枠21を貫通して前記空間25に至る配管26が設置されており、この配管26に真空・圧空ポンプが接続されている。なお、本例では、前記配管26を真空、圧空で兼用するようにしているが、真空吸引の際に混入することがある塵埃が圧空時に逆流しマザーボード7を汚染することを防止するために、互いに別系統とすることも可能である。
前述のマザーボード固定機構では、マザーボード7を前記吸着固定用枠21上に載せ、配管26を経由して前記空間25内の空気を吸引することにより、大気圧力でマザーボード7がスペーサ22側に押し付けられる。さらに吸引を続けることにより、多孔質シート24内の気圧が下がり、マザーボード7の全面を吸着固定する。また、真空吸引を停止し、配管26を経由して圧力空気を前記空間25に送り込むことによって、その気圧を上昇させ、これによりマザーボード7が解放される。前記マザーボード7の真空吸着は、最終的に多孔質シート24の通気孔を通してマザーボード7を全面的に均一に吸着することで完了するが、完了までに要する時間は30秒程度である。一方、マザーボード7の解放については、圧空がマザーボード7の一部を下側から押し上げ、これに伴い押し上げた部分のマザーボード7と多孔質シート24の間に一気に圧空が流れ込むため、1秒以内に動作が完了する。
このような構成を有するマザーボード固定機構を採用することで、高さを例えば5mm以下に抑えながら、マザーボード7の全面を均一に、しかも十分な力で吸引固定することができる。したがって、マザーボード7とスペーサ22の間に隙間が発生せず、マザーボード7の反りも十分に抑えることが可能である。
マスタハンド15とスレーブハンド16は、前記マザーボード固定機構によって吸着固定されたマザーボード7上で動作するものであり、前記スレーブハンド16が微小チップを供給し、マスタハンド15が受け取った微小チップをマザーボード7上に移載する。本実施形態の場合、前記スレーブハンド16は微小チップがマザーボード7上での配列間隔で配列保持されたチップバッチ移載用基板を供給し、マスタハンド15はチップバッチ移載用基板上の微小チップをマザーボード7上に移載(転写)する。
前記マスタハンド15及びスレーブハンド16は、それぞれマザーボード支持ステージ14を挟むようにして両側に設けられた2本のレール18,19に跨るように設置されたガントリ(架台)31,32に設置され、各レール18,19の独立した駆動軸によりX軸方向にスライド操作される。また、スレーブハンド16は、前記ガントリ32によるX軸方向の移動に加えて、前記ガントリ32上をY軸方向に移動させる駆動機構を備えている。マスタハンド15は、前記ガントリ31によるX軸方向の移動に加えて、前記ガントリ31上をY軸方向に移動させる駆動機構、及び鉛直方向(Z軸方向)に上下動させる駆動機構を備えている。
前記スレーブハンド16は、Y軸上に移動するチップバッチ移載用基板供給部16A、及びチップバッチ移載用基板回収部16Bを装備している。本例では、チップバッチ移載用基板供給部16Aは3箇所、チップバッチ移載用基板回収部16Bは2箇所である。微小チップを移載後のチップバッチ移載用基板は、微小チップ移載前のチップバッチ移載用基板に比べて厚さが薄いので、前記チップバッチ移載用基板回収部16Bの方がチップバッチ移載用基板供給部16Aよりも設置数が少なくて済む。なお、本例では前記物理的な設置条件の都合上、前記チップバッチ移載用基板供給部16Aとチップバッチ移載用基板回収部16Bの数が異なっているが、同数、あるいはさらに数を増やす等の工夫をしてもよい。
スレーブハンド16のチップバッチ移載用基板供給部16Aにストックされるチップバッチ移載用基板は、各々のチップバッチ移載用基板供給部16Aで基準面にならうように位置決めピンで当て止めされ、その位置を保持している。基準面と反対側に設置されるガイドピンは、チップバッチ移載用基板の脱落を防止する目的で設置されており、直接チップバッチ移載用基板と接触することはないが、バネ圧や空気圧、あるいはアクチュエータによって基準面側に押し当てる構造とし、位置決め精度をより向上するように構成してもよい。
スレーブハンド16は、X軸方向及びY軸方向においてマスタハンド15に追従して移動し、スレーブハンド16とマスタハンド15は協調してチップバッチ移載用基板の受け渡しを行う。したがって、マスタハンド15は、マザーボード7上のチップバッチ移載用基板の移載場所に移動した後は、チップバッチ移載用基板を受け取って微小チップを移載及び仮固定するまで水平面内で移動する必要がない。このため、微小チップ移載のための繰り返し精度が悪化することはない。また、マスタハンド15は、チップバッチ移載用基板を次々と受け取り、スレーブハンド16に返却する際の水平面内の移動も最低限で済むため、全体の動作時間が短くなる。さらに、チップバッチ移載用基板受け取り後にそれを振り回すことがないため、チップバッチ移載用基板の位置ズレや、その上に載置されている微小チップ自体の姿勢に悪影響を与えることもない。
なお、本実施形態では、1つのガントリ31に1つのマスタハンド15を設置しているが、これに限らず2個以上(複数)のマスタハンド15を設置することも可能である。さらには、マスタハンド15とスレーブハンド16が複数対となるように、ガントリ31,32にそれぞれマスタハンド15及びスレーブハンド16を複数設置し、さらに微小チップの移載及び固定に要する時間が短くなるように工夫してもよい。
また、図示は省略するが、前述のマスタハンド15及びスレーブハンド16間で授受されるチップバッチ移載用基板には、マスタハンド15の取付軸面とは反対側の両端に位置合わせ用マーカが配置されており、マスタハンド15には、それら位置合わせマーカを検出するための照明と画像撮影用カメラが装備されている。位置合わせマーカの位置が微小チップの移載位置から離れるとチップバッチ移載用基板が大きくなり、その結果、チップバッチ移載用基板の供給、吸着、移載、回収の全ての動作に悪影響を与えるので、極細カメラ及び扇状照明を採用して、チップバッチ移載用基板が最小限で済むように工夫している。
マスタハンド15は、チップバッチ移載用基板を受け取るためにスレーブハンド16に接近すると、前記位置合わせマーカを検出してチップバッチ移載用基板の位置ズレ、及び基板面内の回転方向の傾きを記憶する。そして、この位置ズレデータ及び傾きデータをスレーブハンド16に送り、スレーブハンド16を前記位置ズレや傾きを解消するように移動させ、チップバッチ移載用基板を受け取る。スレーブハンド16上には、チップバッチ移載用基板を回転させる専用の制御軸が設けられていないが、スレーブハンド16をX軸方向に駆動する一対の駆動軸(ガントリ32の両駆動軸)を互いに逆位相に駆動することにより、チップバッチ移載用基板の水平回転方向の傾き位置を補正することができ、移載精度を向上することができる。本例では、チップバッチ移載用基板の最も外側の微小チップにおいて、Y軸方向の5μmに相当する傾きを補正することができるように設計してある。
以上がマスタハンド15及びスレーブハンド16の基本構造であり、マスタハンド15がマザーボード7の幅方向(Y軸方向)及び長手方向(X軸方向)に順次移動するとともに上下動を繰り返し、チップバッチ移載用基板上の微小チップをマザーボード7上に移載及び仮固定する。このとき、前記スレーブハンド16はマスタハンド15に追従して移動し、互いに協調して微小チップの授受を行う。
微小チップ移載後のマザーボード7においては、移載された微小チップの移載状態の良否の検査が行われる。そのために、本実施形態の微小チップ移載装置には、前記検査部17が設けられている。検査部17は、前記チップ移載部(マスタハンド15及びスレーブハンド16)とは独立して構成され、前記マスタハンド15やスレーブハンド16と同様、マザーボード支持ステージ14を挟むようにして両側に設けられた2本のレール18,19に跨るように設置されたガントリ(架台)33に配置され、X軸方向及びY軸方向に移動可能に設置されている。前記検査部17の微小チップ移載状態検査用ハンド17aには、図示しないズーム式光学式二次元CCDカラーカメラ、レーザ式非接触表面変位センサ、メカレバー式表面変位センサ、静電気センサ、イオナイザ、クリーナ等が装備されている。
前記静電気センサは、マザーボード7表面の静電気を測定し、電位が高い場合には、イオナイザを使用して残存静電気を制御することによって、微小チップ移載前のマザーボード7表面状態を良好に保つ。また、微小チップ移載完了後には、静電気が発生し易いので、マザーボード7の搬送前にイオナイザを照射して、塵埃の付着や微小チップの破壊を防止する。
前記検査部17は、マスタハンド15及びスレーブハンド16が協調してマザーボード7に全微小チップを移載した後に、微小チップの移載状態を一括して検査するようにしてもよいし、微小チップをチップバッチ移載用基板一列分移載した直後に微小チップの移載済み領域について順次検査するようにしてもよい。後者の場合、検査時間を別途設ける必要がなくなるので、チップ移載動作を含めた全体の動作時間のスループットが向上する。また、この場合、検査結果を直ちにフィードバックし、検査の結果に基づいて移載動作の停止または続行を決定するすることができ、微小チップの移載不良が連続して発生することを防止することができるので、微小チップが移載されたマザーボード7の歩留まりが向上するという利点も有する。
微小チップのマザーボード7への移載状態を判断する基準としては、微小チップ位置のズレ(XY方向)、水平面内回転方向の傾き、浮き(Z方向)を検出する。また、マザーボード7の微小チップ移載位置に移載されていない微小チップの抜け、微小チップ移載位置以外の位置への微小チップの移載ミス、微小チップの欠け、割れ、あるいはそれによって生じた破片のマザーボード7表面への飛散による汚染等を検出する。
以上の構成を有する微小チップ移載装置においては、制御用配線や配管の取り回しにも工夫をしている。具体的には、マスタハンド15とスレーブハンド16を制御するための配線、配管ケーブルを収納するフレキシブルケーブルを鉛直方向にタンデム構造となるように並べ、それらが互いに干渉しないようにダクトへの入口、及び出口の位置をオフセットして配置している。また、フレキシブルケーブルのそれぞれの内周と外周が摺動しないように、湾曲する半径を外側の方は大きく、内側の方は小さくしている。さらに、微小チップ移載状態検査用ハンド17aの配線、配管ケーブルを収納するフレキシブルケーブルを、前記マスタハンド15用及びスレーブハンド16用のものとは反対方向に湾曲するように配置している。
以上が本実施形態の微小チップ移載装置の概略構成であるが、次に、マスタハンド15及びスレーブハンド16によるマザーボード7への微小チップ移載プロセスについて説明する。
図5及び図6は、マスタハンド15によるエンボスプレス及び微小チップ移載を示す図である。マスタハンド15は、図5に示すように、鉛直方向(Z軸方向)に上下動するリニアガイド41の先端(下端)にエンボス形成のためのスタンパとなるエンボス板42と、前記エンボス板42を背面側から加熱するヒータ43、チップバッチ移載用基板を吸着保持する吸着ガイド44、前記ヒータ42の熱を遮断する遮熱カバー45、さらには熱を背面側から逃がす冷却ファン46を備えている。したがって、本実施形態の場合、前記マスタハンド15によってマザーボード7にエンボスプレスを行い、その後、マスタハンド15によってチップバッチ移載基板からマザーボード7への微小チップの移載(転写)を行う。
エンボス加工は、図5に破線で示すように、前記マスタハンド15を鉛直方向に降下させ、その先端のエンボス板42をマザーボード7に押し付けることにより行う。前記エンボス板42は、マザーボード7に押し付けられる面にエンボス部42aを有するとともに、前記ヒータ43によって加熱されており、前記マザーボード7の表面が前記エンボス部42aに倣って変形することにより凹部(エンボス)7aが形成される。
前記エンボス板42に形成されるエンボス部42aは、例えば0.4mm角、高さ0.4mmであり、突起(エンボス部42a)間隔は1.84mm、突起(エンボス部42a)個数は2500個である。また、エンボス部42aの四隅には微小チップ4の角部と干渉しないような逃げ部が設けてある。前記エンボス加工の例としては、例えばエンボス板42の表面温度を200度とし、前記マザーボード7に3秒間押し付けて深さ50μmのエンボス加工を実施した。
前記エンボス加工後、マスタハンド15は上昇し、スレーブハンド16のチップバッチ移載用基板供給部16Aにストックされるチップバッチ移載基板6を受け取って、微小チップ4のマザーボード7への移載を行う。微小チップ4のマザーボード7への移載に際しては、スレーブハンド16が前記マスタハンド15の動きに追従してマスタハンド15近傍で待機しており、前記エンボス加工の後、図6に示すように、マスタハンド15の下方に潜り込むように進入し、マスタハンド15が下降して吸着ガイド44により最上部のチップバッチ移載用基板6を真空吸着する。前記吸着ガイド44の先端には密閉シール44aが設けられており、チップバッチ移載用基板6の真空吸着状態を維持することができる。また、チップバッチ移載用基板6の吸着状態では、前記エンボス板42のエンボス加工用突起部42aがチップバッチ移載用基板6を均一に吸着するために効果的に機能する。
従来、薄板を均一に吸引し固定するためには、多孔質プレートまたは微細穴加工された板をヒータ面に貼合せて使用するか、あるいはヒータ表面に真空吸引の溝加工をして使用するのが通常である。本実施形態では、エンボス加工用突起42aがそのまま薄板(値婦バッチ移載用基板6)吸着用の支柱となるために、真空吸着用の新たな加工をしなくてもそのまま利用できる。またヒータ43の熱がこの支柱となるエンボス加工用突起42aを経由して個々の微小チップ4に確実に伝達されるために熱効率が落ちないという利点も有する。
マスタハンド15が前記チップバッチ移載用基板6を受け取ると、前記スレーブハンド16はマスタハンド15の下方位置から後退し、待避する。マスタハンド15は、スレーブハンド16から受け取ったチップバッチ移載用基板6を前記エンボス加工用突起42aを介して加熱し、微小チップ4をマザーボード7のエンボス加工された位置に嵌め込みながら熱転写し、移載及び仮固定を行う。前記微小チップ4の移載後、再びスレーブハンド16がマスタハンド15の下方に進入し、微小チップ4移載後のチップバッチ移載用基板6を回収する。
前述のように、マザーボード7上に微小チップを熱転写することによって移載及び仮固定する方法では、一度に転写する接触面積、あるいは微小チップ4の個数が増加するにしたがって、転写成功率が落ちてくる。これは、マザーボード7の一部の高さの乱れ、あるいは移載前の微小チップ4側における一部微小チップ4の把持状態の乱れが微小チップ4の移載時に大きく影響してくるからである。さらに、微小チップ4を移載するためにマザーボード7側に微小チップ4を押し付ける力は、その接触面積あるいは微小チップ4の個数が増加するのに比例して大きくしなければならない。前記力を大きくすることは、チップ移載部であるマスタハンド15のガントリ構造の剛性向上を強いることにもなる。
本実施形態では、先ず前記エンボス加工を行っているので、微小チップ4を押し付ける力を増加させることなく、多数個の微小チップ4の移載成功率を向上させることができ、また、その移載精度を向上させ得る画期的な方法ということができる。エンボス加工することによって、微小チップ4が移載されるべき位置が正確に確保される。そして、エンボス加工面に沿って微小チップ4が導入されるため、仮に移載前の微小チップ4の移載状態に乱れがあったとしても、それが修正される。さらに、微小チップ4を熱転写する際の微小チップ4とマザーボード7の接触面が微小チップ4底面だけではなく、微小チップ4側面も接触面となるので微小チップ4を安定して仮固定することができるようになる。このように、微小チップ4の移載及び仮固定する工程を、エンボス加工とチップの熱転写という2段階に分けることによって、一度で微小チップ4を熱転写する方法に比べてより多数の微小チップ4を確実に精度良く移載及び仮固定することができる。
図7(A)〜図7(R)に、マスタハンド15とスレーブハンド16の協調による一連の微小チップ移載プロセスを示す。
チップバッチ移載用基板6上の微小チップ4をマザーボード7に移載するには、先ず、図7(A)に示すように、マスタハンド15をマザーボード7の微小チップ移載位置まで移動し、位置決めする。この時点では、スレーブハンド16は待機状態であり、微小チップ4が保持されたチップバッチ移載用基板6をチップバッチ移載用基板供給部16Aにストックした状態で待機している。
次に、図7(B)に示すように、マスタハンド15を降下させ、加熱されたエンボス板42をマザーボード7の表面に押し付ける。その後、図7(C)に示すようにマスタハンド15を上昇させると、前記エンボス板42のエンボス部42aによりマザーボード7の表面に凹部7aが形成される。
前記エンボス(凹部7a)の形成の後、図7(D)に示すように、スレーブハンド16をマスタハンド15の下方に潜り込むように進入させ、図7(E)に示すように、マスタハンド15を下降させる。すると、前記マスタハンド15の下面がスレーブハンド16のチップバッチ移載用基板供給部16Aの最上部にあるチップバッチ移載用基板6と当接し、これを吸着固定する。
図7(F)に示すように、前記チップバッチ移載用基板6を吸着固定した状態でマスタハンド15を若干上昇させ、図7(G)に示すように、スレーブハンド16をマスタハンド15の下方位置から後退させ待機状態とする。
次いで、図7(H)に示すようにマスタハンド15を降下させ、図7(I)に示すように、各微小チップ4の位置が前記マザーボード4に形成された凹部7aの形成位置と一致するように位置合わせする。そして、図7(J)に示すように、前記位置合わせ状態でマスタハンド4をさらに下降させ、微小チップ4をマザーボード7の前記凹部7aに押し込む。このとき、前記微小チップ4は前記マスタハンド15のヒータ43で加熱されており、マザーボード7に熱転写されることになる。
微小チップ4のマザーボード7への熱転写後、図7(K)に示すように、マスタハンド15を上昇させ、図7(L)に示すように、マスタハンド15の下方にスレーブハンド16のチップバッチ移載用基板回収部16Bを進入させる。そして、図7(M)に示すように、マスタハンド15の下面に残存するチップバッチ移載用基板6(微小チップ4無し)を前記チップバッチ移載用基板回収部16B上に載置し、チップバッチ移載用基板6に対する真空吸着を解放する。前記真空吸着解放後、図7(N)に示すようにマスタハンド15を上昇させ、スレーブハンド16のチップバッチ移載用基板回収部16Bをマスタハンド15の下方位置から後退させる。
前記のように、微小チップ4のマザーボード7への移載及び仮固定を、前記エンボス加工と熱転写の2段階で行うが、さらにマザーボード7の凹部7a内の微小チップ4を上面から一定の力、あるいは一定の距離だけ押し付けることにより、微小チップ4の仮固定状態をより安定した状態になるように矯正させてもよい。これが図7(P)から図7(R)に示す工程である。前記矯正は、図7(P)に示すように、マスタハンド15を降下させ、図7(Q)に示すようにエンボス板42のエンボス部42aを各微小チップ4の上面に突き当てる。この状態で微小チップ4をさらに押し込む。例えば、図7(R)に示すように、微小チップ4の上面がマザーボード7の表面と面一となるまで押し込むことにより、安定した仮固定状態を実現することができる。
前述の微小チップ移載プロセスを繰り返し行うことで、マザーボード7の全面に微小チップ4を移載する。例えば、図8は、144枚のチップバッチ移載用基板6の微小チップ4を順次マザーボード7上に移載する過程を示すものである。マザーボード7上の1から144の各位置に順次チップバッチ移載用基板6の微小チップ4の転写を行う。前記数字で示すように、Y軸方向に関しては、交互に反対方向に移動(したがって、蛇行するように移動)することで、マスタハンド15やスレーブハンド16の移動距離を最小限に抑えることができる。
ところで、前記微小チップ移載装置においては、前記マザーボード固定機構を用いてマザーボード7を安定に吸着固定するようにしているが、それでもマザーボード7の表面を完全に均一な高さにすることは難しい。前記マザーボード固定機構を用いても、例えば図9に示すような高さ分布を有する。図9は、マザーボード7表面の高さ測定図である。
このような高さ分布を有するマザーボード7に対して微小チップ4の移載状態を均一に保つためには、いわゆる当て止めの技術を応用することが有効である。例えば、前記図7(B)に示すエンボス加工時や、図7(J)に示す熱転写時、さらには図7(Q)に示す矯正時には、前記当て止めを行うことが好ましい。例えば微小チップ4の熱転写時には、マスタハンド15にチップバッチ移載用基板6を真空吸着後、一旦ある一定の推力でマザーボード7に前記チップバッチ移載用基板6を押し当て、当て止めした位置を記憶する。そして、その位置から改めて予め決められた距離だけ押し込むことにより、微小チップ4を熱転写する。これにより、常に一定の押圧が実現され、微小チップ4の仮固定状態が均一になる。
なお、前記マザーボード7の高さを測定するために、例えば非接触の光学式距離測定器を使用することも有用であるが、マザーボード7とその下に配置されたスペーサ22(支持基板23及び多孔質シート24)等を含めた部分の反り及び隙間をなくした上で測定することが重要である。そして、実際にその測定面を押し付ける測定用ハンドが移載に使用されるマスタハンド15と同じであることが重要である。測定用ハンドに押し付け力が印加されると、それ自体の形状が変化するため、精密な移載を実施するためには、測定用ハンド部分のひずみ量を含めた分のマザーボード7の高さを測定しなければならないからである。
以上、本実施形態の微小チップ移載方法及び移載方法について説明してきたが、本実施形態は前記構成を有することにより、チップ移載部(マスタハンド15)の無駄な動きを大幅に減らすことができ、短時間での動作が可能で、移載の確実性が高く移載精度にも優れた微小チップ移載方法及び移載装置を実現することが可能である。また、装置の空間利用率を高めることが可能で、装置を大型化することなく前記移載を実現することが可能である。さらに、本実施形態の微小チップ移載方法及び移載方法では、前記に加えて、次のような利点も有する。
例えば、吸着対象物をその対象物上の位置合せマーカを画像処理して位置合せして吸着する方式では、対象物の水平回転方向の傾きを修正するための回転制御の専用軸を吸着側のハンドあるいは供給側のハンドに装備するのが通常である。しかしながら、修正に必要な傾きの大きさが小さい場合には、専用の軸を装備することは装置構造を複雑にするばかりでなく、ハンド質量を増大させ、また制御軸のガタやブレのために肝心の水平位置合せ精度や位置合せ速度等の機能を犠牲にせざるを得ない。本実施形態では、専用の回転制御軸を装備していなくても、各ハンド(マスタハンド15及びスレーブハンド16)のX軸方向に両側駆動する駆動部の接合部をわずかに柔軟な接合にすることによって、チップバッチ移載用基板6の水平回転方向の傾きを修正できるので、水平位置合せ機能を劣化させることなく、水平回転方向の傾きを修正することができる。
また、マザーボード支持ステージ14には起伏があり、その上に載せられるスペーサ22及びマザーボード7にも厚みムラや部分的な反りがある。それに加えて、微小チップ4、あるいはチップバッチ移載用基板6を押し付けるマスタハンド15を駆動するガントリ31にも製作及び組立上の精度の問題から、マスタハンド15面の高さがマザーボード7上で変化するという特性がある。それ故、これらを考慮せずに、マスタハンド15の微小チップ4あるいはチップバッチ移載用基板6吸着面をある一定の位置から一定量下降させるという単純な機械的位置位置決め制御では、微小チップの移載成功率を上げられない。本実施形態では、微小チップ4あるいはチップバッチ移載用基板6を吸着後、一旦ある一定の推力でマザーボード7に押し当てて、その当止めをした位置を記憶する。そして、その位置から改めて予め決められた距離だけ押し込むことによって微小チップ4を移載するようにしているので、たとえマザーボード7面の高さにムラがあっても、微小チップ4を正確にその面に押し当て、移載成功率を高く確保することができる。
さらに、微小チップ4の移載に際しては、マザーボード7のチップ移載領域全面を均一に吸引することが重要である。従来、ディスプレイ関連のマザーボード吸着固定装置は、静電気を応用した方法と真空圧を利用したものに分類される。前者は、大気中で使用するには非常に複雑で高価なものとなっている。後者の真空圧を利用したものは、ステージに通気孔を開けてその上に直接マザーボードを配置しているが、マザーボード7表面に多数の微小チップ4を同時に移載する用途では、マザーボード7表面の平行度が非常に重要となる。特に、マザーボード7が樹脂製であってその厚さが薄い場合には、マザーボード7を真空吸引するためのステージ上の通気孔がマザーボード7を局部的に陥没変形させる原因となるために採用することができない。局部的に陥没することによって、その部分の微小チップ4がマザーボード7と接触しないことになり、良好な移載が実現できないからである。ここで、陥没変形の度合いを小さくしようとすると、ステージの通気孔径を小さくし数を増やさなければならないが、そのような加工をステージに施すことは実際には非常に困難である。仮に実施したとしても、ステージ本体にひずみが発生し、ステージの本来の機能に支障を与える。このことは、ステージ表面に真空吸引用の複数の微細な溝を加工したとしても同様である。本実施形態では、前述のマザーボート固定機構を採用しているので、ステージ本体にマザーボード7を固定するための加工を何ら施すことなく、その上に設置するだけでマザーボード7を表面平行度を保ったまま吸着固定することができる。また、マザーボード7を吸着固定するための構造が簡単であり、その高さが低く且つマザーボード7の形状によらず一定で良いため、ガントリ側の構造体に影響を与えない。それ故、マザーボード7の形状が種々変化しても吸着固定装置を交換するだけで簡単に対応できる。
さらにまた、微小チップ4をマザーボード7に移載する装置に微小チップ4の移載状態の良否を判断する検出装置(検査部17)を装備していることによって、それ無しに次工程へ進みそこでチップ移載状態を検査する方法に比て、微小チップ4の移載成功率を格段に向上することができる。特に、マスタハンド15がマザーボード7の所定領域(例えばチップバッチ移載用基板6一列分)に微小チップ4を移載した直後にそれらを順に検査する場合には、検査時間を別途設ける必要がなくなるので、チップ移載動作を含めた全体の動作時間のスループットが向上する。また、この場合、微小チップ4の移載不良が連続して発生することを防止できるので、マザーボード7の歩留まりが向上する。
また、本実施形態の微小チップ移載装置では、マスタハンド15及びスレーブハンド16は、ステージを挟むようにしてその両脇に設置された2本のレール18,19上に跨るようにして配置されている。また、それらのハンド(マスタハンド15及びスレーブハンド16)とは別のハンドとして、同じ2本のレール18,19上にまたがるようにしてチップ表面状態検査用のハンド(検査部17)が設置されている。この構造は、マスタハンド15とスレーブハンド16が互いに協調した動作をする上で障害とはならない。互いを追い越すような動きは求められず、構造的にもそれができないからである。
なお、従来、このような追い越し不可能な構造であっても、それらの軸に配線及び配管するためのフレキシブルケーブルを水平方向に並列に配置し、追い越し可能な構造の場合と同じような配置としている。本実施形態では、互いに追い越し不可能な構造であることに注目し、その構造に最も適切な配置となるようにフレキシブルケーブルを鉛直方向にタンデム構造となるように並べ、それらが互いに干渉しないようにダクトへの入口及び出口の位置をオフセットして配置し、さらにフレキシブルケーブルのそれぞれの内周と外周が摺動しないように湾曲する半径の大きさを外側のほうは大きく、内側のほうは小さくしている。以上の工夫によって、マザーボード支持ステージ14から外側にはみ出すケーブルの幅が狭くなり、設置面積が縮小するばかりではなく、フレキシブルケーブルダクト設置側からでもマザーボード支持ステージ14上のメンテナンス作業が楽になるという利点を有する。また、制御されるマスタハンド15及びスレーブハンド16のガントリ31,32の外側端から飛び出すケーブル設置部の長さが短くなるため、ガントリ31,32の往復動作を行う場合にあっても、各ガントリ31,32がケーブル設置部の反動を受けにくくなるため、制御精度が向上する。そのため、ガントリ31,32の剛性をケーブル設置部の反動の影響を避けるために上げる必要がなくなっている。
(第2の実施形態)
本実施形態では、スレーブハンド16にストックされた微小チップ4群の中からマスタハンド15が選択的に微小チップを抽出し、粘着材が塗布されたマザーボード7上に移載する。図10に、本実施形態の微小チップ移載装置の構成を示す。装置構成は先の第1の実施形態のものと基本的には同じであり、スレーブハンド16に微小チップ供給部16Cのみが設けられ、チップバッチ移載用基板回収部16Bが省略されている点で相違する。したがって、図10においては、先の図2に示すチップバッチ移載装置と同一の構成要素に同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態では、スレーブハンド16にストックされた微小チップ4群の中からマスタハンド15が選択的に微小チップを抽出し、粘着材が塗布されたマザーボード7上に移載する。図10に、本実施形態の微小チップ移載装置の構成を示す。装置構成は先の第1の実施形態のものと基本的には同じであり、スレーブハンド16に微小チップ供給部16Cのみが設けられ、チップバッチ移載用基板回収部16Bが省略されている点で相違する。したがって、図10においては、先の図2に示すチップバッチ移載装置と同一の構成要素に同一の符号を付して、その説明は省略する。
図11及び図12は、本実施形態の微小チップ移載装置におけるマスタハンド15及びスレーブハンド16の協調による微小チップ4の受け渡し動作、及びマザーボード7への微小チップ4の移載動作を説明するものである。
マスタハンド15及びスレーブハンド16の構造についても、基本的な部分は先の第1の実施形態の微小チップ移載装置のマスタハンド15及びスレーブハンド16の構造と同じであるが、本実施形態の微小チップ移載装置では、マスタハンド15は、リニアガイド41の先端に微小チップ4を真空吸着するための真空ピックアップ51を有しており、その先端面に形成され真空吸引のための貫通孔が形成された凹部51aに微小チップ4を吸着保持する構造とされている。
また、スレーブハンド16は、前記の通り、微小チップ供給部16Cが3箇所設けられているが、各微小チップ供給部16Cには、チップ群供給台52が設置されており、このチップ群供給台52によって微小チップ4群を密集した状態で保持している。
微小チップ4の移載に際しては、先ず、微小チップ4の移載位置に予め他所で粘着材7bを塗布したマザーボード7をステージ上の決められた位置に固定する。マザーボード7は、チップ移載位置にエンボス加工されたものであって、その位置に粘着材7bが塗布されたものであってもよい。
そして、マスタハンド15がマザーボード7上のチップ移載位置に位置決めすると、スレーブハンド16がその下に潜り込み、図11中一点鎖線で示すように、予め決められたチップ群を選択的に取出すために位置決めする。この状態でマスタハンド15は上下動して微小チップ4を受け取り、スレーブハンド16が待避後に、図12に示すように、それら微小チップ4を粘着材7bの塗布されたマザーボード7上に移載及び仮固定する。
本実施形態の場合、第1の実施形態と同様の効果が得られることは勿論であるが、チップ移載プロセスの簡略化にも寄与する。すなわち、本実施形態の場合、チップバッチ移載用基板を経ることなく、密集した状態の微小チップ4群の中から複数個おきにマスタハンド15で微小チップ4を取り出している。したがって、一度の転写で微小チップ4のマザーボード7への移載を行うことになり、工数削減、作業時間の短縮に大きく寄与する。
(第3の実施形態)
本実施形態では、スレーブハンド16にストックされた微小チップ4群の中からマスタハンド15が選択的に微小チップを抽出し、粘着材を塗布した後、マザーボード7上に移載する。図13に、本実施形態の微小チップ移載装置の構成を示す。装置構成は先の第1の実施形態や第2の実施形態のものと基本的には同じであるが、スレーブハンド16には微小チップ供給部16Cが設けられるとともに、粘着材供給部16Dが設けられている。したがって、図13においては、先の図2や図10に示すチップバッチ移載装置と同一の構成要素に同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態では、スレーブハンド16にストックされた微小チップ4群の中からマスタハンド15が選択的に微小チップを抽出し、粘着材を塗布した後、マザーボード7上に移載する。図13に、本実施形態の微小チップ移載装置の構成を示す。装置構成は先の第1の実施形態や第2の実施形態のものと基本的には同じであるが、スレーブハンド16には微小チップ供給部16Cが設けられるとともに、粘着材供給部16Dが設けられている。したがって、図13においては、先の図2や図10に示すチップバッチ移載装置と同一の構成要素に同一の符号を付して、その説明は省略する。
図14乃至図16は、本実施形態の微小チップ移載装置におけるマスタハンド15及びスレーブハンド16の協調による微小チップ4の受け渡し動作、及びマザーボード7への微小チップ4の移載動作を説明するものである。マスタハンド15の構造は、先の第2の実施形態のチップ移載装置のマスタハンドの構造と同一である。スレーブハンド16は、微小チップ供給部16Cが3箇所設けられるとともに、粘着材供給部16Dが設けられている。各微小チップ供給部16Cには、チップ群供給台52が設置されており、このチップ群供給台52によって微小チップ4群を密集した状態で保持している。粘着材供給部16Dには、粘着材54が入った粘着材塗布台53が保持されている。
微小チップ4の移載に際しては、先ず、微小チップ4の移載位置に予めエンボス加工が施され凹部7aが形成されたマザーボード7をステージ上の決められた位置に固定する。マザーボード7は、エンボス加工され、チップ移載位置に凹部7aが形成されている。
そして、マスタハンド15がマザーボード7上のチップ移載位置に位置決めすると、スレーブハンド16の微小チップ供給部16Cがその下に潜り込み、図14中一点鎖線で示すように、予め決められたチップ群を選択的に取出すために位置決めする。この状態でマスタハンド15は上下動して微小チップ4を受け取る。さらに、スレーブハンド16の微小チップ供給部16Cが待避し、図15に示すように、スレーブハンド16の粘着材供給部16Dがその下に潜り込む。この状態でマスタハンド15が上下動して、微小チップ4の下面に粘着材塗布台53の粘着材54を塗布し、スレーブハンド16の粘着材供給部16Dが待避後に、図16に示すように、粘着材7bの塗布された微小チップ4をマザーボード7上に移載及び仮固定する。
(第4の実施形態)
本実施形態のチップ移載装置の構成は、先の第2の実施形態のチップ移載装置と同様である。第2の実施形態のチップ移載装置との相違は、マスタハンド15が加熱用のヒータを備えており、微小チップ4を粘着材を使用せず熱転写する点である。
本実施形態のチップ移載装置の構成は、先の第2の実施形態のチップ移載装置と同様である。第2の実施形態のチップ移載装置との相違は、マスタハンド15が加熱用のヒータを備えており、微小チップ4を粘着材を使用せず熱転写する点である。
図17及び図18に、本実施形態の微小チップ移載装置におけるマスタハンド15及びスレーブハンド16の協調による微小チップ4の受け渡し動作、及びマザーボード7への微小チップ4の移載動作を示す。
本実施形態の場合、マスタハンド15は、リニアガイド41の先端に微小チップ4を真空吸着するための真空ピックアップ51を有しており、その先端面に形成され真空吸引のための貫通孔が形成された凹部51aに微小チップ4を吸着保持する構造とされている。また、前記真空ピックアップ51にはヒータ43が内蔵されるとともに、その背面側には冷却ファン46が設けられている。
微小チップ4の移載に際しては、先ず、微小チップ4の移載位置に予めエンボス加工が施され凹部7aが形成されたマザーボード7をステージ上の決められた位置に固定する。マザーボード7は、エンボス加工され、チップ移載位置に凹部7aが形成されている。
そして、マスタハンド15がマザーボード7上のチップ移載位置に位置決めすると、スレーブハンド16がその下に潜り込み、図17中一点鎖線で示すように、予め決められたチップ群を選択的に取出すために位置決めする。この状態でマスタハンド15は上下動して微小チップ4を受け取り、スレーブハンド16が待避後に、図18に示すように、それら微小チップ4をヒータ43の熱で加熱しながらマザーボード7上に移載及び仮固定(熱圧着)する。
1 シリコンウエハ、2 ウエハリング、3 エクステンションシート、4 微小チップ、5 選択的取り出しシート、6 チップバッチ移載用基板、7 マザーボード、11 制御部、12 移載操作部、13 マザーボード導入搬送部、14 マザーボード支持ステージ、15 マスタハンド(チップ移載部)、16 スレーブハンド(チップ供給部)、16A チップバッチ移載用基板供給部、16B チップバッチ移載用基板回収部、16C 微小チップ供給部、17 検査部、21 吸着固定用枠、22 スペーサ、23 支持基板、24 多孔質シート、25 空間、31,32,33 ガントリ、41 リニアガイド、42 エンボス板、43 ヒータ、44 吸着ガイド、45 遮熱カバー、46 冷却ファン、51 真空ピックアップ、52 チップ群供給台、53 粘着材塗布台
Claims (29)
- チップ供給部上の微小チップをチップ移載部によりマザーボード上に移載する微小チップ移載方法であって、
前記チップ移載部は、マザーボードの幅方向及び長手方向に順次移動しながら前記微小チップの移載を行うとともに、前記チップ供給部はチップ移載部に追従して移動し、微小チップの授受を行うことを特徴とする微小チップ移載方法。 - 前記マザーボードの微小チップ移載位置に予めエンボス加工を施しておくことを特徴とする請求項1記載の微小チップ移載方法。
- 微小チップを移載する前に前記チップ移載部によりマザーボードの微小チップ移載位置にエンボス加工を施すことを特徴とする請求項1記載の微小チップ移載方法。
- マザーボードに予め粘着材を塗布しておくことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の微小チップ移載方法。
- 前記チップ供給部から供給された微小チップにチップ移載部で粘着材を塗布することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の微小チップ移載方法。
- 前記チップ移載部により前記微小チップをマザーボードに熱転写することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の微小チップ移載方法。
- 前記チップ供給部は、前記チップ移載部がマザーボードの移載位置に位置決め完了した時点でチップ移載部の下方位置に進入し、微小チップの供給を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の微小チップ移載方法。
- 前記チップ移載部は、鉛直方向に上下動して微小チップをチップ供給部から受け取り、前記微小チップの受け取り後、前記チップ供給部は前記チップ移載部の下方位置から後退することを特徴とする請求項7記載の微小チップ移載方法。
- 前記チップ供給部は微小チップを密集した状態で供給し、前記チップ移載部は密集した微小チップ群から選択的に複数の微小チップを取り出すことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の微小チップ移載方法。
- 前記チップ供給部は所定の間隔で微小チップが配列されたチップバッチ移載用基板の形態で微細チップを供給し、前記チップ移載部は前記チップバッチ移載用基板上の微小チップを前記マザーボードに転写することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の微小チップ移載方法。
- 前記チップ供給部は、微小チップが載置されたチップバッチ移載用基板を供給する基板供給部と、微小チップ転写後のチップバッチ移載用基板を回収する基板回収部とを有することを特徴とする請求項10記載の微小チップ移載方法。
- 微小チップの移載済み領域について、微小チップの移載状態の良否を検査することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の微小チップ移載方法。
- 前記検査の結果に基づいて、移載動作の停止または続行を決定することを特徴とする請求項12記載の微小チップ移載方法。
- 前記微小チップが画素制御素子であり、前記マザーボードが平面ディスプレイ基板であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の微小チップ移載方法。
- 微小チップを供給するチップ供給部と、供給された微小チップをマザーボード上に移載するチップ移載部とを有し、
前記チップ移載部は、マザーボードの幅方向及び長手方向に順次移動しながら前記微小チップの移載を行うとともに、前記チップ供給部はチップ移載部に追従して移動し、微小チップの授受を行うことを特徴とする微小チップ移載装置。 - 前記チップ移載部は、マザーボードの微小チップ移載位置にエンボス加工を施すエンボス加工部を有することを特徴とする請求項15載の微小チップ移載装置。
- 前記チップ移載部は、チップ供給部から供給された微小チップに粘着材を塗布する粘着材塗布部を有することを特徴とする請求項14記載の微小チップ移載装置。
- 前記チップ移載部は、前記微小チップをマザーボードに熱転写するためのヒータを備えることを特徴とする請求項15記載の微小チップ移載装置。
- 前記チップ供給部は、前記チップ移載部がマザーボードの移載位置に位置決め完了した時点でチップ移載部の下方位置に進入し、微小チップの供給を行うことを特徴とする請求項15から18のいずれか1項記載の微小チップ移載装置。
- 前記チップ移載部は、鉛直方向に上下動して微小チップをチップ供給部から受け取り、前記微小チップの受け取り後、前記チップ供給部は前記チップ移載部の下方位置から後退することを特徴とする請求項19記載の微小チップ移載装置。
- 前記チップ供給部は微小チップを密集した状態で供給し、前記チップ移載部は密集した微小チップ群から選択的に複数の微小チップを取り出すことを特徴とする請求項15から20のいずれか1項記載の微小チップ移載装置。
- 前記チップ供給部は所定の間隔で微小チップが配列されたチップバッチ移載用基板の形態で微細チップを供給し、前記チップ移載部は前記チップバッチ移載用基板上の微小チップを前記マザーボードに転写することを特徴とする請求項15から20のいずれか1項記載の微小チップ移載装置。
- 前記チップ供給部は、微小チップが載置されたチップバッチ移載用基板を供給する基板供給部と、微小チップ転写後のチップバッチ移載用基板を回収する基板回収部とを有することを特徴とする請求項22記載の微小チップ移載装置。
- 前記微小チップの移載済み領域について、微小チップの移載状態の良否を検査する検査部を備えることを特徴とする請求項15から23のいずれか1項記載の微小チップ移載装置。
- 前記検査部は、2次元撮像カメラ及び非接触表面変位センサを装備していることを特徴とする請求項24記載の微小チップ移載装置。
- 前記微小チップが画素制御素子であり、前記マザーボードが平面ディスプレイ基板であることを特徴とする請求項15から25のいずれか1項記載の微小チップ移載装置。
- 微小チップが移載されるマザーボードを吸着固定するマザーボード固定機構であって、
前記マザーボードの外周縁部を支持する吸着固定用枠と、前記吸着固定用枠の内側に所定の間隔をもって配されマザーボードの下面を支持するスペーサとを有し、
前記スペーサの前記マザーボードと接する面が多孔質材により構成されていることを特徴とするマザーボード固定機構。 - 前記吸着固定用枠を貫通する配管が設けられ、当該配管を通して前記吸着固定用枠とスペーサ間の空間内を真空吸引することにより、前記多孔質材を通してマザーボードがスペーサ上に真空吸着されることを特徴とする請求項27記載のマザーボード固定機構。
- 請求項15から25のいずれか1項記載の微小チップ移載装置に装備されることを特徴とする請求項27または28記載のマザーボード固定機構。
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JP2006058962A JP2007240573A (ja) | 2006-03-06 | 2006-03-06 | 微小チップ移載方法及び移載装置、並びにマザーボード固定機構 |
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JP2012064702A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Hitachi High-Tech Instruments Co Ltd | ダイボンダ及び半導体製造方法 |
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2006
- 2006-03-06 JP JP2006058962A patent/JP2007240573A/ja active Pending
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