JP2007240508A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、色覚異常者が識別しやすく、健常者に違和感を与えないカラー・ユニバーサルな色彩デザインを達成するための技術に係る。さらに詳しくは、カラー印刷、染色、塗装、化粧品など色を扱う業界において、色覚異常者が視認しやすく健常者に違和感を与えない配色を実施する方法とそれを用いた製品に関する。
人間が物体を見て判断を下す場合、物体の色は重要な判断情報である。しかし、世の中には物体の色を判断する際に、多くの人とは違った感じ方をする人々がかなり存在する。このような特質を持った人々は色覚異常者とか色覚障害者と呼ばれているが、これは異常でも障害でもなく、そのような遺伝形質を受け継いだ人々と理解すべきである。ただ、そのような遺伝形質を受け継いだ人々を表現する用語が他に見出せないので便宜上「色覚異常者」という旧来の表現に従う。一方、そのような遺伝形質を受け継いでいない人々は「健常者」と表現する。通常色が伝える情報、特に配色などは、健常者に都合よくできており、色覚異常者には非常に不便なものとなっている。近年このような不便さを解消する試みがなされるようになっており、バリアフリー・デザインあるいはユニバーサル・デザインという用語で呼ばれている。バリアフリーとユニバーサルでは若干内容が異なっている。バリアフリーという場合は、色覚異常者に重きをおいており、色覚異常者に見分けやすくすることを第一義としている。しかし、色覚異常者の都合を優先した場合、健常者が著しく違和感を覚えてしまうようなデザインになってしまう場合がある。このような現象はできるだけ解消されることが望ましい。色覚異常者に見分けやすく健常者に違和感を覚えさせないような、柔軟で万能な方法としてユニバーサル・デザインという考え方がされるようになってきた。
IT化の浸透や、パソコンの普及により、多くの人がカラーディスプレイと対面するようになっており、色覚異常に対応する方法(主として変換ソフト)が種々開発されている。しかし、配色等を色覚異常者が視認しやすいように変更すると、色覚異常者本人のみが見るのであれば問題ないが、健常者には違和感を覚えるものとなる場合が多い。また、普段人間が目にするのは物体色であって、カラーディスプレイのような光源色を目にするのはTV鑑賞やパソコン操作のような特別の場合を除いてあまりない。従って、物体色のバリアフリー化あるいはユニバーサル・デザイン化を推進することが重要である。印刷物に関しては、ディスプレイ・システムよりさらに遅れた状態にある。印刷物を色覚異常者に視認し易くする方法として、(1)色の変わり目に太い輪郭線を追加するか、あるいはセパレーションカラーで明度の違う縁取りをすることによって、色の変わり目であることを知らせる方法、(2)色の部分にハッチング(斜線や線の種類の違い)などを入れて、パターンの違いによって色の変化を知らせる方法、(3)色の部分に、色を表す文字を入れることによって、色の変化を知らせる方法等がある。特開2001−293926には、このような方法で色覚異常者にとって見やすい印刷物を提供する印刷システムが開示されている。
また、特開2001−257867では、色の部分に色名を記入する印刷装置が開示されている。しかし、これらの方法は何れも健常者には違和感を覚えるものばかりである。
特開2001−293926 特開2001−257867
また、特開2001−257867では、色の部分に色名を記入する印刷装置が開示されている。しかし、これらの方法は何れも健常者には違和感を覚えるものばかりである。
現代はいたる所あらゆる物に色彩情報があふれている。色覚に訴えることによって、情報の認識度をより高くしようとする意図によるものである。カラーテレビ、カラー印刷、フアッション、玩具、広告等を初めとして、色のついていないものを探す方が大変なほどである。これら、色彩情報は健常者には確かに華やかで視覚による印象を強くする効果がある。しかし、色覚異常者には必ずしも好ましいものばかりではなく、むしろ逆に判断を狂わせ苦しめるケースがかなりある。
色覚異常には、3色型の第一・第二・第三色覚異常、2色型の第一・第二・第三色覚異常があり、ほとんどが男性である。人間の眼には、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色を感じる視覚細胞(錐体細胞)が網膜に存在する。この錐体細胞の一種類の機能が失われると2色型色覚異常(色盲)となり、錐体細胞の一種類に変異があり分光感度がずれてしまっている場合には3色型色覚異常(色弱)となる。2色型・3色型色覚異常には、赤色を感じる錐体細胞に異常がある第一色覚異常、緑色を感じる錐体細胞に異常がある第二色覚異常、青色を感じる錐体細胞に異常がある第三色覚異常がある。色覚異常者の99%以上が第一・第二色覚異常で、ほとんど同じ色覚傾向を示すため、まとめて、赤緑色覚異常と呼ばれている。3色型第一・第二色覚異常は分光感度のずれ方のちがいにより色の感じ方に個人差が大きいが、色の識別能力には全く問題がなく、ただ健常者とは見えが異なっている場合である。3色型第一・第二色覚異常に関しては、より異常が大きい2色型の第一・第二色覚異常者に対応できれば、ほとんどの色覚異常者にも対応させることが可能であり、カラーユニバーサル化することができる。色覚異常者はかなりの割合で存在し、日本人では男性の約5%、女性の約0.2%がそうであると言われている。全人口比でいうと約2.5%であり、異常と称するには非常に多いと言わざるをえない。従って色覚異常者に対するバリアフリーな生活環境を作り上げることが重要な課題となっている。本発明では、特に断らない限り、色覚異常者とは2色型第一・第二色覚異常者のことを指している。色覚異常のシミュレーションも2色型第一・第二
異常者の結果を示しているが、既に述べたように健常者・2色型色覚異常者とも、多少の個人差がありシミューレションの結果は標準的なものであり全ての例がシミュレーション通りとは限らず、多少のずれがあることを付け加えておく。
従来、カラー印刷物や各種のカラーサイン(表示物や案内板など)などの配色に関しては、色覚異常者が明度と彩度の変化に対して非常に鋭敏であることを利用して、明度と彩度に差をつけて見分けやすくする方法で対処されることが多かった。例えば、カラー印刷物では、モノクロコピーやモノクロプリント等で複写することにより、黒色濃度の差として現れる配色は、すべて色の階調変化として判別可能であるという色覚異常者の指摘があり、主として明度を変換することでバリアフリー化することが重要な手段とされてきた。色と色が接している部分に白や黒の境界線を入れて見やすくする方法なども前記事実を有効に活用したものである。さらに誤認を避ける目的で、基本的に色のみによる表示は避けて文字や記号などを付加して識別しやすくする方法が取られている。
通常、色分け表示などは一目で判別することができ、健常者には非常に便利なものであるが、色覚異常者は文字情報や記号情報に頼り色情報の利用を重要視していない。しかし、このような方法では、地図などのように情報量が多い製品の場合、文字と記号情報だけで情報を伝えようとすると、空白が少なく文字と記号に埋まった地図となり、健常者には甚だ違和感を覚えさせるものとなる。
このような地図は、色覚異常者にとっても決して見やすいものとは言えない。
通常、色分け表示などは一目で判別することができ、健常者には非常に便利なものであるが、色覚異常者は文字情報や記号情報に頼り色情報の利用を重要視していない。しかし、このような方法では、地図などのように情報量が多い製品の場合、文字と記号情報だけで情報を伝えようとすると、空白が少なく文字と記号に埋まった地図となり、健常者には甚だ違和感を覚えさせるものとなる。
このような地図は、色覚異常者にとっても決して見やすいものとは言えない。
配色を、明度と彩度を中心にして変換した場合、色相の変化は二の次になるので、カラー表示の重要な要素である色覚に訴える効果が、大幅に減少する危険性がある。カラー表示の場合、色彩的な華やかさに欠けていると見る者の印象が非常に弱くなる。バリアフリー化は、色覚異常者には見分けやすくなる反面、健常者には逆に印象を弱くする効果がある。例えば、カラー印刷のような場合、明度を上げるために網点ドットを小さくしていくと、明度が上昇する反面、急激に色彩感が失われていき、印象度が指数関数的に減少する。
色覚異常者のことを考慮して、バリアフリーなデザインを制作する場合、色相だけで配色を行うと、盛り込める情報量が非常に貧弱になる。そこで、通常色相に明度差と彩度差をつけて配色する方法が採用されているが、色覚異常者が色相に関する感度を全く欠いているわけではない。青と黄色系統の色については健常者とほぼ同等の感度を有している。ただ、全ての色を青と黄色系統の色と混同してしまう傾向がある。さらに詳しくのべると、(1)青色系から灰色系、(2)茶色系から黄色系および、(3)白から黒のような無彩色又はそれに近い色、の3種類の色相を明確に識別できる。従って、色覚異常者のこの能力を活用すれば、色相を用いて色情報を伝達することが可能であり、このような能力を活用すれば色相による情報を盛り込むことができる。
色覚異常者の色相感度を活用できる可能性はあるが、製品の中にどのように取り込むかということになると、前例がなくかなりの工夫を必要とする。本発
明委員会)で採用され、わが国でもJIS規格でJIS−Z8729として採
度は健常者と同等である。即ち、青と黄色系統の色に対しては感度を持ってい
軸方向の色相変化は色情報の伝達に利用することができることを意味している。
数値化が容易であり、デザインする時に非常に能率が高くなる。本発明の概念
色法等)を用いる場合も含んでいる。
明委員会)で採用され、わが国でもJIS規格でJIS−Z8729として採
度は健常者と同等である。即ち、青と黄色系統の色に対しては感度を持ってい
軸方向の色相変化は色情報の伝達に利用することができることを意味している。
数値化が容易であり、デザインする時に非常に能率が高くなる。本発明の概念
色法等)を用いる場合も含んでいる。
色覚異常者の色相感度を活用するためには、健常者の見えと、色覚異常者の
して、健常者の見えと、色覚異常者の見えとを対比して表示するカラーチャートを工夫した。特開平11−344383では、健常者を対象とする通常のカ
ている。しかし、色覚異常者と健常者との色の見えの違いを対比して、両者の見えの違いを調べることができるようなカラーチャートについては前例がない。
無彩色である。色コマには、混色した色とその色を色覚異常者の見えに変換した色とを表示し対比する。このようにして一枚のチャートが完成するが、さら
囲にあり、階調ステップ幅は5〜10が適当である。光源色の場合には明度は100以上になり上限を設定することができない。対比の方法は幾つか考えられるが、各色コマを2分して、一つに健常者の見えを、他方に色覚異常者の見えを割り当て並列対比する方法や、1ページの半分を健常者の見えを示すチャート×し、他の半分を色覚異常者の見えを示すチャートで埋める方法もあり、目的に応じて使い易い対比方法にすることができる。該色見本帳をカラー印刷でプロセスカラーインキを用いて作成する場合、CMYKインキのみで表色で
おく必要がある。
して、健常者の見えと、色覚異常者の見えとを対比して表示するカラーチャートを工夫した。特開平11−344383では、健常者を対象とする通常のカ
ている。しかし、色覚異常者と健常者との色の見えの違いを対比して、両者の見えの違いを調べることができるようなカラーチャートについては前例がない。
無彩色である。色コマには、混色した色とその色を色覚異常者の見えに変換した色とを表示し対比する。このようにして一枚のチャートが完成するが、さら
囲にあり、階調ステップ幅は5〜10が適当である。光源色の場合には明度は100以上になり上限を設定することができない。対比の方法は幾つか考えられるが、各色コマを2分して、一つに健常者の見えを、他方に色覚異常者の見えを割り当て並列対比する方法や、1ページの半分を健常者の見えを示すチャート×し、他の半分を色覚異常者の見えを示すチャートで埋める方法もあり、目的に応じて使い易い対比方法にすることができる。該色見本帳をカラー印刷でプロセスカラーインキを用いて作成する場合、CMYKインキのみで表色で
おく必要がある。
はない。諧調ステップにより段階的に変化させている。従って、カラーチャー
頻度がほとんどないインキを表示する場合がある。即ち各ステップ間の色彩に
似した色彩を一つの色彩群にまとめ、類似色ごとに分類してカラー分類帳にしておけば、使用頻度の高い特色インキを見つけ出すことが容易になると思われ
頻度がほとんどないインキを表示する場合がある。即ち各ステップ間の色彩に
似した色彩を一つの色彩群にまとめ、類似色ごとに分類してカラー分類帳にしておけば、使用頻度の高い特色インキを見つけ出すことが容易になると思われ
カラーユニバーサルなデザインを実行する方法には、二つのやり方がある。
一つは、最初に健常者を対象とするデザインを実行し、しかる後にそれを色覚異常者が如何に知覚するかを検証し、色覚異常者に見分けやすい配色に変更するという方法である。二つは、最初に色覚異常者を意識してデザインを実行し、しかる後にそれを健常者が如何に知覚するかを検証し、健常者に違和感を覚えないものに配色を変更するという方法である。第二の方法のように通常とは異なる順序でデザインをする手法については、特許、文献で開示された例が全くない。第二の方法で、最初に色覚異常者を意識したデザインを企画する場合、
て選択して配色の骨組みを作り上げる。この配色骨組みを前記カラーチャートの色覚異常者の見えに対比した健常者の見えを活用して、健常者にどのように見えるかを検証して違和感を覚えないものに変更すれば完全なデザインとすることができる。
一つは、最初に健常者を対象とするデザインを実行し、しかる後にそれを色覚異常者が如何に知覚するかを検証し、色覚異常者に見分けやすい配色に変更するという方法である。二つは、最初に色覚異常者を意識してデザインを実行し、しかる後にそれを健常者が如何に知覚するかを検証し、健常者に違和感を覚えないものに配色を変更するという方法である。第二の方法のように通常とは異なる順序でデザインをする手法については、特許、文献で開示された例が全くない。第二の方法で、最初に色覚異常者を意識したデザインを企画する場合、
て選択して配色の骨組みを作り上げる。この配色骨組みを前記カラーチャートの色覚異常者の見えに対比した健常者の見えを活用して、健常者にどのように見えるかを検証して違和感を覚えないものに変更すれば完全なデザインとすることができる。
前記第一の方法で、最初に健常者を対象としてデザインを企画した場合に、色覚異常者が判別しやすいものに変換するための三つの技法を考えた。第一の技法は、色彩変化法である。この技法は色覚異常者の見えを考慮に入れて、健
のと同じ移動である。特に第一色盲、第二色盲の場合には、全ての色が黒系、茶色・黄色系と青色・灰色系のどれかに見えてしまうために、同系色に認識されてしまう色(紫と青、緑と茶色、赤と茶色等)の場合には明度差が近いと非常に見分けづらいが、このような色と色とが接する場合には、彩度・明度・色相の全てを調節することにより、色覚異常者に見やすい配色になるようにすることができる。水色とピンクや灰色と藤色が並んだ配色などは色覚異常者には非常に判別の難しい組み合わせであるが、この方法で見やすいものにすることができる。この方法は新しいデザインを企画する場合に、計画段階で配色プランが色覚異常者にどのように知覚されるのかを確認し、配色を変更する場合に非常に有効な手段になると考えられる。この方法をカラー印刷で実行する場合には、CMY値を全て変更して色彩を変えることになる。
のと同じ移動である。特に第一色盲、第二色盲の場合には、全ての色が黒系、茶色・黄色系と青色・灰色系のどれかに見えてしまうために、同系色に認識されてしまう色(紫と青、緑と茶色、赤と茶色等)の場合には明度差が近いと非常に見分けづらいが、このような色と色とが接する場合には、彩度・明度・色相の全てを調節することにより、色覚異常者に見やすい配色になるようにすることができる。水色とピンクや灰色と藤色が並んだ配色などは色覚異常者には非常に判別の難しい組み合わせであるが、この方法で見やすいものにすることができる。この方法は新しいデザインを企画する場合に、計画段階で配色プランが色覚異常者にどのように知覚されるのかを確認し、配色を変更する場合に非常に有効な手段になると考えられる。この方法をカラー印刷で実行する場合には、CMY値を全て変更して色彩を変えることになる。
第二の技法は、濃淡法である。これは、色覚異常者が識別できる色の数は少ないものの、色の濃淡を見分ける能力は健常者よりかえって優れていることを利用する方法である。彩度と明度を調節することにより濃淡を調整することが
色覚異常者に比較して彩度と明度にはあまり敏感ではないので、健常者に配色の変更を感じさせることなく目的を達成することができるという長所がある。
大胆な配色の変換が好ましくなく、配色の全体印象を変えたくない場合に用いるのに好適であるが、色覚異常者には色感分離が十分でない場合が多いので、ハッチングやセパレーションと組み合わせて用いると非常に有効である。この方法をカラー印刷で実行する場合には、網点ドットの大きさまたは密度を変更して色彩を変えることが必要である。
色覚異常者に比較して彩度と明度にはあまり敏感ではないので、健常者に配色の変更を感じさせることなく目的を達成することができるという長所がある。
大胆な配色の変換が好ましくなく、配色の全体印象を変えたくない場合に用いるのに好適であるが、色覚異常者には色感分離が十分でない場合が多いので、ハッチングやセパレーションと組み合わせて用いると非常に有効である。この方法をカラー印刷で実行する場合には、網点ドットの大きさまたは密度を変更して色彩を変えることが必要である。
第三の技法は、色相変化法である。これは、互いに隣接した2色が色覚異常者によって判別しにくい色調の場合に、色覚異常者と健常者で色相変化に対する感度が異なることを利用して、健常者には大きな色相変化と感じさせないが、色覚障害者には容易に変化を感じ取れるように配色の色相を調節する方法である。このような手段は、石原式の色盲検査表の図柄で採用している方法であり、健常者と色覚障害者とでは別の文字に見えてしまうように作られている。
域では上下の象元で色相の変化が少いので注意する必要がある。例えば第四象
えば駅の案内板)などで色覚異常者にとって判別しにくい配色の組み合わせを含んでいるような場合に、健常者にはあまり変化を感じさせないで色覚異常者にバリアフリーでユニバーサルなデザインに改善する場合などに非常に効果のある技法である。
域では上下の象元で色相の変化が少いので注意する必要がある。例えば第四象
えば駅の案内板)などで色覚異常者にとって判別しにくい配色の組み合わせを含んでいるような場合に、健常者にはあまり変化を感じさせないで色覚異常者にバリアフリーでユニバーサルなデザインに改善する場合などに非常に効果のある技法である。
前記の技法をカラー印刷で実行する場合には、CMY値のうち主としてY値の移動により色相を変換する手法が非常に有効であり、三つの技法全てに係わっている。イエロー色(Y)は他のシアン色(C)やマゼンタ色(M)と比較して明度が高く、イエロー色を混色することにより明度を高くすることができるという特徴がある。イエロー色は健常者には色感の薄い色であるが、明度と彩度に関して感度の高い色覚異常者には知覚しやすい色である。しかも、イエロー色はインキの混色により大きな色の変換を行える色である、例えば青色と混ぜると青・黄緑・緑・黄色と呈色し、赤と混ぜると赤・橙・黄色と呈色する。
このような混色によって得られる色は、色覚異常者には青色との混色の場合は青・灰色・茶色・黄色と認識され、赤色との混色の場合は褐色・茶色・黄色と認識され、きわめて判別しやすい色相変化を生じる。この現象は、色相変化法をイエロー色の出し入れによって行うことができることを意味している。また既に述べたようにイエロー色は明度が高いので、イエロー色インキの混色により明度を調節することが可能であり、濃淡法をイエロー色インキの混色で実行することも可能である。さらに、カラー印刷では明度と彩度とは連動しており、どちらか一方だけを変更するのは難しい。イエロー色インキの混色により、明度と同時に彩度も変化するので、イエロー色により色彩変化法を実行することも可能である。即ち、前記第一の方法における三つの技法の全てをイエロー色の混色により実行することが可能である。カラー印刷では、CMYK(特にCMY)のプロセスカラーの網点ドットの重なりと面積によって色が作りだされ、特色のようにインキの混合によって色を作りだす方法とは大きく異なっている。
らCMYK値を予測することは難しい。カラー印刷ではCMYK色の各色の版が重ね合わされ、各層からの透過光と反射光が加算して知覚される、従って減法混色と加法混色とが同時に行われており、非常に特殊である。具体的には見本色に対して色覚異常者の見えを茶色系統に感じさせたい時にはCとMの%の和を常にYの%より小さく保つように操作し、逆に青色系統に感じさせたい時にはCとMの%の和を常にYの%より大きく保つように操作する。CとMの%の和がYの%と近い場合には色覚異常者は、薄い茶か薄い青乃至灰色に感じる。
このような混色によって得られる色は、色覚異常者には青色との混色の場合は青・灰色・茶色・黄色と認識され、赤色との混色の場合は褐色・茶色・黄色と認識され、きわめて判別しやすい色相変化を生じる。この現象は、色相変化法をイエロー色の出し入れによって行うことができることを意味している。また既に述べたようにイエロー色は明度が高いので、イエロー色インキの混色により明度を調節することが可能であり、濃淡法をイエロー色インキの混色で実行することも可能である。さらに、カラー印刷では明度と彩度とは連動しており、どちらか一方だけを変更するのは難しい。イエロー色インキの混色により、明度と同時に彩度も変化するので、イエロー色により色彩変化法を実行することも可能である。即ち、前記第一の方法における三つの技法の全てをイエロー色の混色により実行することが可能である。カラー印刷では、CMYK(特にCMY)のプロセスカラーの網点ドットの重なりと面積によって色が作りだされ、特色のようにインキの混合によって色を作りだす方法とは大きく異なっている。
らCMYK値を予測することは難しい。カラー印刷ではCMYK色の各色の版が重ね合わされ、各層からの透過光と反射光が加算して知覚される、従って減法混色と加法混色とが同時に行われており、非常に特殊である。具体的には見本色に対して色覚異常者の見えを茶色系統に感じさせたい時にはCとMの%の和を常にYの%より小さく保つように操作し、逆に青色系統に感じさせたい時にはCとMの%の和を常にYの%より大きく保つように操作する。CとMの%の和がYの%と近い場合には色覚異常者は、薄い茶か薄い青乃至灰色に感じる。
本発明の技術を活用したデザイン製品には、人為的に彩色の施された有形・無形の製作物が考えられる。第一に利用者に何らかの情報を伝達するために設けられた設備や建造物が考えられる。このようなものには、一般的な案内板、料金案内板、時刻案内板、番組案内板、交通案内板、フロアー案内板、危険表示板、車両・機体等の内外表示および内外操作表示板、信号機、看板、一般的掲示板、標識、電光掲示板などが含まれる。
第二に案内図、図表、タイトル文字およびイラスト等が挿入された、各種のカラー印刷物が考えられる。このようなものには、カタログ、パンフレット、リーフレット、DM、ポスター、ちらし、カード、はがき、封筒、包装紙、会社案内書、事業案内書、教科書、参考書、辞典、雑誌、観光案内書、旅行案内書、地図、道路および鉄道の路線または経路図、カレンダー、使用説明書、利用案内書、商品札、荷札などが含まれる。
第三に色素を混入して着色したものや、塗装によって彩色された種々の工業製品が考えられる。このようなものには、建築物の内外装、玩具、教材、文具、遊具、自動車、航空機、鉄道車両、船舶、服飾品、家電製品、雑貨、道具類などが含まれる。
第四に案内図、図表、タイトル文字、イラストおよびアニメーションなどが挿入された、各種のディスプレイ画面が考えられる。このようなものには、テレビ、携帯電話画面、ゲーム機画面、インターネット、ホームページなどが含まれる。
第五に表示板、印刷物、造形物や各種ディスプレイ画面などの中で適宜採用される各種のマークや絵柄類が考えられる。このようなものには、ロゴマーク、色認識マーク、色認識文字、グラフ、表、フローチャート、男女別の色分け表示、イラスト、重要事項・注意事項を示す表示、上下・左右・東西南北の色分け表示、スイッチ・計器類の色分け表示などが含まれる。
従来、カラー製品はまず健常者を対象としてデザインされ、健常者用のデザインあるいは製品が完成した後で、色覚異常者にも見分けやすくする方法を検討するというのが普通の順序であった。しかし、本発明の方法を用いれば、まず色覚異常者に判別しやすい配色をデザインし、そこから逆に健常者にはどのように見えるのかを検討して配色しなおすという技法が可能になる。この通常とは逆の順序によりカラーユニバーサルデザインを実施すれば、制作時間が大幅に短縮されるものと思われる。色覚異常者の場合にも、色相の違いにより色を見分けることができた方がよいことは明白であるが、今までこの点について考慮されることは全くなかった。色覚異常者の場合、色相変化を感じることが
て色情報を盛り込むことにより、色相の少ない無味乾燥なデザインを避けることが可能である。
て色情報を盛り込むことにより、色相の少ない無味乾燥なデザインを避けることが可能である。
色覚異常者の場合には、センサーである眼の視覚細胞が一部欠落しているか、あるいは感度曲線が健常者とは異なっている。色覚異常者は色相を知覚する場合に困難を伴うが、明度差や彩度差に関しては健常者よりかえって鋭敏であると言われている。従って、色覚異常者を対象にして配色を変換する際に、明度と彩度による調整に頼りがちである。しかし、人間が物体の色を知覚する過程は、最初に対象物から反射あるいは放射された光を眼の視覚細胞が感知する。
眼の視覚細胞はセンサーであるが、可視光の全スペクトルを判別しているわけではなく、ある波長帯ごとに感知するようにできている。太陽光をプリズムでスペクトル分解した場合、昔から7色に見えると言われてきた。しかしこの7色には個人差が大きく、各色の境目に別の色を感じる人がおり、このような人は10色以上を識別できる場合もある。また、逆に識別できる色が少なくて5色程度という人もいる。色覚異常者は識別できる色がもっと少ない人の例だと言うこともできる。このように色感は個人差が大きいので、カラーユニバーサルなデザインを検討する場合、健常者や色感豊かな人への配慮も必要であり、本発明の技法を使えばこの弊害を回避することができる。
眼の視覚細胞はセンサーであるが、可視光の全スペクトルを判別しているわけではなく、ある波長帯ごとに感知するようにできている。太陽光をプリズムでスペクトル分解した場合、昔から7色に見えると言われてきた。しかしこの7色には個人差が大きく、各色の境目に別の色を感じる人がおり、このような人は10色以上を識別できる場合もある。また、逆に識別できる色が少なくて5色程度という人もいる。色覚異常者は識別できる色がもっと少ない人の例だと言うこともできる。このように色感は個人差が大きいので、カラーユニバーサルなデザインを検討する場合、健常者や色感豊かな人への配慮も必要であり、本発明の技法を使えばこの弊害を回避することができる。
さらに、色をRGBやCMYKで表色した場合表色域が狭く、特色インキの
にすれば、特色インキの色域をもカバーすることができるという大きなメリットがある。色覚異常者の見えをチェックする場合、色盲シミュレーションソフト(例えば「Vischeck ImageJ Plug−In」[略:ビスチェック]のようなフリーウェア)を用いて色覚異常者の見えをRGB値として確認し、さらにそれを別の色に変換した場合のRGB値も確認するような作業を必要とする。しかし、本発明のように、カラーチャートを用意しておくと、カラ
カラーデータソフトであるフォトショップを用いて、例えば大日本インキ化学工業(株)の特色インキの見本番号であるスポット・カラーガイド中のDICナンバーを迅速に見つけ出すことができるという大きなメリットがある。
にすれば、特色インキの色域をもカバーすることができるという大きなメリットがある。色覚異常者の見えをチェックする場合、色盲シミュレーションソフト(例えば「Vischeck ImageJ Plug−In」[略:ビスチェック]のようなフリーウェア)を用いて色覚異常者の見えをRGB値として確認し、さらにそれを別の色に変換した場合のRGB値も確認するような作業を必要とする。しかし、本発明のように、カラーチャートを用意しておくと、カラ
カラーデータソフトであるフォトショップを用いて、例えば大日本インキ化学工業(株)の特色インキの見本番号であるスポット・カラーガイド中のDICナンバーを迅速に見つけ出すことができるという大きなメリットがある。
以下、本発明の実施の形態を詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。本発明を実施する手順は、一つの流れとして(1)対象とするデザインに、色覚異常者に判別しにくい配色があるかどうかをチェックする。(2)特色インキにより配色が行われている場合は、色覚異常者が判別しにくい配色を本発明のカラーチャートを参照しながらどのような色に変換するかを検討する。(3)あるいは、デザインされたものがカラー印刷物である場合は、アドビ社の印刷用ソフトであるフォトショップを用いて変換したい色のY色網点濃度を本発明のカラーチャートをコンピュータファイル化したチャート上で調節す
カラー印刷の場合は、得られたCMYK値の画像をプリンターで印刷し、目的とする配色になっているかどうかをチェックする、特色番号の場合には、例えば大日本インキ化学工業株式会社のDICスポットカラーやパントーン社のパントーンRGBを参照して色の確認を行い、多色のときは印刷により確認する。
あるいは、別の流れは(1)本発明のカラーチャートを用いれば最初から色覚異常者が判別しやすい配色デザインを企画することが可能であり、まず色覚異常者主体のデザインを企画する。(2)企画したデザインに、健常者が違和感を覚えるような配色があるかどうかを、カラーチャートを用いて検討し、必要な場合には色を変換する。(3)特色インキによる配色の場合は、決定した色のカ
の番号を決定する。(4)カラー印刷による配色の場合はフォトショップを用いて変換したい色のY色網点濃度をコンピュータファイル化したカラーチャート上で調節する。後の操作は第一の流れと同じ操作を行う。
カラー印刷の場合は、得られたCMYK値の画像をプリンターで印刷し、目的とする配色になっているかどうかをチェックする、特色番号の場合には、例えば大日本インキ化学工業株式会社のDICスポットカラーやパントーン社のパントーンRGBを参照して色の確認を行い、多色のときは印刷により確認する。
あるいは、別の流れは(1)本発明のカラーチャートを用いれば最初から色覚異常者が判別しやすい配色デザインを企画することが可能であり、まず色覚異常者主体のデザインを企画する。(2)企画したデザインに、健常者が違和感を覚えるような配色があるかどうかを、カラーチャートを用いて検討し、必要な場合には色を変換する。(3)特色インキによる配色の場合は、決定した色のカ
の番号を決定する。(4)カラー印刷による配色の場合はフォトショップを用いて変換したい色のY色網点濃度をコンピュータファイル化したカラーチャート上で調節する。後の操作は第一の流れと同じ操作を行う。
本発明では、対象としている物または作品に色覚異常者が判別しにくい配色が含まれているかどうかをチェックすることが必要である。このチェックは、色覚異常者の色の見えを調べるためのコンピュータソフトを使って配色の一つ一つの色を変換することによって可能であるが、チェックをより迅速に行うためには、健常者の色の見えと色覚異常者の色の見えとを対比して表示したカラーチャートを作成するのが便利である。色覚異常者の色の見えを調べるためのコンピュータソフトでは、現在前記ビスチェックが最も信頼性が高いと判断される。ビスチェックはフォトショップにプラグ・インされており、ビスチェッ
あるいはCMYK値に変換する機能が搭載されているのでフォトショップを用いてカラーチャートのファイルを作成し、作業の多くをコンピュータで行った。
あるいはCMYK値に変換する機能が搭載されているのでフォトショップを用いてカラーチャートのファイルを作成し、作業の多くをコンピュータで行った。
囲の広いシステムであり、わが国の工業規格にも取り入れられている。従って、
0とは黒色であり、明度100とは白色のことである。0と100の中間の色
クスを形成する。このようにして形成した各マトリックスのチャートを集積することによって色見本帳(カラーチャート)を製作することができる。本発明のカラーチャートは、最初にコンピュータ上のファイルとして作成されるので、ディスプレイによりRGB値の画像として閲覧することができる。さらにカラー印刷で制作する場合には、ビスチェックで得られるRGB値をフォトショッ
い。
0とは黒色であり、明度100とは白色のことである。0と100の中間の色
クスを形成する。このようにして形成した各マトリックスのチャートを集積することによって色見本帳(カラーチャート)を製作することができる。本発明のカラーチャートは、最初にコンピュータ上のファイルとして作成されるので、ディスプレイによりRGB値の画像として閲覧することができる。さらにカラー印刷で制作する場合には、ビスチェックで得られるRGB値をフォトショッ
い。
はない。諧調ステップにより段階的に変化させている。従って、カラーチャー
頻度がほとんどないインキを表示する場合がある。即ち各ステップ間の色彩に
に近似した色彩を一つの色彩群にまとめ、類似色ごとに分類してカラー分類帳にしておけば、使用頻度の高い特色インキを見つけ出すことが容易になると思
により何枚かの表を作る必要があった。さらにもう一つの方法は、色変換の際
頻度がほとんどないインキを表示する場合がある。即ち各ステップ間の色彩に
に近似した色彩を一つの色彩群にまとめ、類似色ごとに分類してカラー分類帳にしておけば、使用頻度の高い特色インキを見つけ出すことが容易になると思
により何枚かの表を作る必要があった。さらにもう一つの方法は、色変換の際
本発明の技法により、既存の配色デザインを色覚異常者が判別しやすいものに変換する場合の一般的にあてはまる重要な操作を列挙する(なおCMYKの
る操作はCMYK表色でも対応する操作を見つけ出すことができる)。(1)主
値を20以上になるように変換し、青・灰色系と茶・黄色系が交互になるよう
領域に存在する色を色覚異常者は暗い茶色に感じるため黒との判別が難しい。
る。カラー印刷の場合には、マゼンタ色(M)濃度を下げて明るい色に変換し
し黄色系に感じる。隣接する2色がこれにあてはまる場合(例:黄緑色と薄緑
系に感じるようになる。健常者には第1象元の色は、ほぼ赤系統に見えるはずであるが、色覚異常者には原点を通る45度の直線を境にして別系統の色に感じられるので、色覚異常者への情報伝達を色相変化で行いたい場合にこの現象を大いに活用することができる。(5)色覚異常者が青色・灰色系に感じる色を、
色系に感じる色と茶色系に感じる色とは、あまり明度差をつけなくても色覚異常者は容易に判別がつくので、健常者に違和感を与えることを避けたい場合は
間に明度差をつけて配色し見分けやすくする。(8)カラー印刷の場合、シアン色(C)とマゼンタ色(M)は色覚異常者には青色系に見え、イエロー色(Y)と混色すると、CとMの網点%の和がYの網点%とほぼ同じになったときに茶色系に色感が変化する。このような現象を利用すると、Yの割合を調節することにより、色覚異常者が知覚する色調を変えることができ、色による情報伝達の手段として使うことができる。(9)健常者は黄色に対する感度が低く、逆に色覚異常者にとっては判別しやすい色であることを利用して、カラー印刷の場合には、黄色もしくはそれに近い色でセパレーションを入れるなどの工夫をすることにより色覚異常者には判別しやすく、健常者者には変更をあまり感じさせないで変換することができる。
る操作はCMYK表色でも対応する操作を見つけ出すことができる)。(1)主
値を20以上になるように変換し、青・灰色系と茶・黄色系が交互になるよう
領域に存在する色を色覚異常者は暗い茶色に感じるため黒との判別が難しい。
る。カラー印刷の場合には、マゼンタ色(M)濃度を下げて明るい色に変換し
し黄色系に感じる。隣接する2色がこれにあてはまる場合(例:黄緑色と薄緑
系に感じるようになる。健常者には第1象元の色は、ほぼ赤系統に見えるはずであるが、色覚異常者には原点を通る45度の直線を境にして別系統の色に感じられるので、色覚異常者への情報伝達を色相変化で行いたい場合にこの現象を大いに活用することができる。(5)色覚異常者が青色・灰色系に感じる色を、
色系に感じる色と茶色系に感じる色とは、あまり明度差をつけなくても色覚異常者は容易に判別がつくので、健常者に違和感を与えることを避けたい場合は
間に明度差をつけて配色し見分けやすくする。(8)カラー印刷の場合、シアン色(C)とマゼンタ色(M)は色覚異常者には青色系に見え、イエロー色(Y)と混色すると、CとMの網点%の和がYの網点%とほぼ同じになったときに茶色系に色感が変化する。このような現象を利用すると、Yの割合を調節することにより、色覚異常者が知覚する色調を変えることができ、色による情報伝達の手段として使うことができる。(9)健常者は黄色に対する感度が低く、逆に色覚異常者にとっては判別しやすい色であることを利用して、カラー印刷の場合には、黄色もしくはそれに近い色でセパレーションを入れるなどの工夫をすることにより色覚異常者には判別しやすく、健常者者には変更をあまり感じさせないで変換することができる。
更に、このような色彩による工夫を他の方法と組み合わせることにより、色覚異常者に一層見やすいものとすることができる。例えば、旅行案内料金表等には、色分け表示が良く利用されており、健常者にとっては大変便利なものと
なっている。しかし、色覚異常者に対して配慮していない配色のものが多く、色覚異常者には非常に識別しづらいものとなっている。しかし、本発明の技法を用いて色覚異常者に識別しやすい色分け表示を実施すれば、色覚異常者にとっても色分け表示は非常に便利なものとなるが、他の手法と組み合わせることにより更に見やすいもにすることができる。通常色分け表示は、色のブロックを連続してつなげる例が多く、ブロックの境目は線で表示している。しかし、各色ブロックの境目を隙間とし色ブロックを分離して色の差を分り易くする工夫をすると、健常者にも色覚異常者にも見やすいものとなる。色ブロック間の隙間は白色とするのが良いが、場合によっては他の色にすることも考えられる。
更に、色ブロック毎に地模様(ハッチング)を入れると、地模様が一層識別し易くなる。また、連続する色ブロックの色調を、色覚異常者(2色型第一・第二色覚異常)が判りやすい色相を交互に配し、色ブロックの分類数に応じて明度差をつけると色覚異常者が識別し易くなる。色覚異常者の感じる色相を変化させるには、色相変あ化法を利用して、CMYKで再現されているものには、Yの混合比率を変えて変化させることができるし、塗料のようにインキを混ぜ合わせて色調を変える場合には黄色インキの混合比率を変えることで、色覚異常者の感ずる色相を変化させることができる。しかし、色数が増えてくると、色覚異常者が感じる色相と明度差だけでは識別し易いものを制作できなくなるので、識別しづらい色ブロックが並ぶ場合には、濃淡法、
色彩変化法、色相変化法を利用した地模様を入れて、識別し易くする。濃淡法、色相変化法を利用した地模様は、健常者より色覚異常者の方が色の変化に敏感なため、健常者に違和感を与えることが少なくなる。更に、各色ブロックには、A・B・Cあるいは1・2・3などの文字情報を付加し、その文字情報も黒文字・白抜き文字など色を変え、文字も正体・斜体等やゴシック体・明朝体など書体を変えるなど工夫を加えることで、色覚異常者にも旅行案内料金表等の色分け表示を識別しやすくすることができる。文字情報に下線を加えたり、▲1▼のように○・□などを加えることでも識別のし易さを増大することができる。
更に、色ブロック毎に地模様(ハッチング)を入れると、地模様が一層識別し易くなる。また、連続する色ブロックの色調を、色覚異常者(2色型第一・第二色覚異常)が判りやすい色相を交互に配し、色ブロックの分類数に応じて明度差をつけると色覚異常者が識別し易くなる。色覚異常者の感じる色相を変化させるには、色相変あ化法を利用して、CMYKで再現されているものには、Yの混合比率を変えて変化させることができるし、塗料のようにインキを混ぜ合わせて色調を変える場合には黄色インキの混合比率を変えることで、色覚異常者の感ずる色相を変化させることができる。しかし、色数が増えてくると、色覚異常者が感じる色相と明度差だけでは識別し易いものを制作できなくなるので、識別しづらい色ブロックが並ぶ場合には、濃淡法、
色彩変化法、色相変化法を利用した地模様を入れて、識別し易くする。濃淡法、色相変化法を利用した地模様は、健常者より色覚異常者の方が色の変化に敏感なため、健常者に違和感を与えることが少なくなる。更に、各色ブロックには、A・B・Cあるいは1・2・3などの文字情報を付加し、その文字情報も黒文字・白抜き文字など色を変え、文字も正体・斜体等やゴシック体・明朝体など書体を変えるなど工夫を加えることで、色覚異常者にも旅行案内料金表等の色分け表示を識別しやすくすることができる。文字情報に下線を加えたり、▲1▼のように○・□などを加えることでも識別のし易さを増大することができる。
図1、2,3,4は色相変化法による配色変換の実例図である。実例は鉄道のサインボードなどで日常よく目にすることができるものである。即ち、図1は健常者が知覚している色データ(通常の色彩データ)である。健常者には容易に判別できる配色であるが、色覚異常者にどのように見えているのかをシミュレーションしたのが図2である。データが示すように、赤色はほとんど黒色に見えてしまうので、黒色のバックに埋没してしまい、非常に判別しにくいことが分かる。図3は色相変化法により配色を変換した後の色データである。文字を黄色に変換し、バックも藍色に換えてある。これが色覚異常者にどのように見えるのかをシミュレーションしたのが図4である。データが示すように、黄色は色覚異常者に非常に知覚しやすい色彩であるため、明確に判別できるようになったことが分かる。
図5、図6は、図1、図2と同じ図柄の例である。図1が色覚異常者には非常に判別しにくい配色である点を、文字のまわりに濃淡法により下地の色(黒色)のグラデーションを施すことにより、文字を浮き上がらせる効果によって色覚異常者に判別しやすくした例である。図5がグラデーションを施した後の健常者の見え示しており、それを色覚異常者がどのように知覚するのかをシミュレーションしたのが図6である。
図7,8、9、10は主として濃淡法により色彩によるハッチングを施した実例図である。実例は多色を用いたグラフ、イラスト、地図や路線図などでよく遭遇するものである。色数が多く、色の調整だけでは対応しきれない場合などに利用すると有効である。即ち、図7は健常者が知覚する色データ(通常の色彩データ)であり、上段のバーは茶色、中段のバーは橙色、下段のバーは緑色で彩色されている。健常者には明確に判別できる色彩であるが、これが色覚異常者にどのように見えているのかをシミュレーションしたのが図8である。
データが示すように、3色とも黄土色に見え、ほとんど判別不能であることが分かる。図9は明度の低い同系統の色を用いて地色にハッチングで模様を施した例である。図10はハッチングしたデザインが色覚異常者にどのように知覚されるのかをシミュレーションしたものである。色彩ハッチングを加えることにより別の色であることを伝えることができることが分かる。
データが示すように、3色とも黄土色に見え、ほとんど判別不能であることが分かる。図9は明度の低い同系統の色を用いて地色にハッチングで模様を施した例である。図10はハッチングしたデザインが色覚異常者にどのように知覚されるのかをシミュレーションしたものである。色彩ハッチングを加えることにより別の色であることを伝えることができることが分かる。
図11、12、13、14は濃淡法による配色の変換と同時に、ハッチングを施し、さらに文字情報を挿入して誤認を防ぐようにした円グラフの実例図である。即ち、図11は健常者が知覚する色データ(通常の色彩データ)であり、隣接した2色間は白線でカラーセパレーションされている。健常者には、セパレーションカラーがなくても容易に判別できる配色であるが、色覚異常者にどのように見えているのかをシミュレーションしたのが図12である。データが示すように、ピンク色、藤色、水色はすべて青味がかった灰色に見えてしまい、セパレーションカラーが入れてないと全く判別がつかないことが分かる。図13は、各色を濃淡法により明度を少しずつ変化させ、ハッチングを施し、さらに色覚異常者が混同しそうな2色は隣接しないように配慮されている。また文字情報も、グラフの外で色毎に表示するのではなく、直接グラフの中に書き込むように変更している。これが色覚異常者にどのように見えているのかをシミュレーションしたのが図14である、データが示すように非常に判別しやすいものになっていることが分かる。本実施例は円グラフであるが、その他棒グラフ、折れ線グラフ、表、幾何学模様、イラスト、地図、路線図など応用範囲は広い。
図15、16は図13,14と同じ円グラフで配色も同じであるが、セパレーションカラーを白線から各扇形部分の左側に色彩と同系統で明度の低い色に変換した例である。図15は健常者が知覚する色データであり。これが色覚異常者にどのように見えているのかをシミュレーションしたのが図16である。円グラフの種類によってはこちらが好まれる場合がある。
図17、18、19,20は総合的な配色の変換を行った実例図である。実例は、百貨店、病院、オフィスビルのフロア案内等でよく目にすることができるが、色相の濃い色は印象が強すぎるため淡い色が好まれる傾向がある。図17は健常者が知覚する色データ(通常の色彩データ)である。健常者には特に問題となるような点はない。これが色覚異常者にどのように見えているのかをシミュレーションしたのが図18である。本例では、色覚異常者の見えを全く考慮せずにデザインしたために同系統に見える色を隣接させ、しかも明度と彩度にほとんど差をつけないという誤りを犯していることがよく分かる。図19は色覚異常者が混同してしまう同系統色が並ばないように配慮し、かつ明度と彩度を調整し、配色を変換し、スミ罫でCANセパレーションカラーで各階の表示を明確に分離したものである。図20はこれが色覚異常者によってどのように知覚されるのかをシミュレーションしたのものである。データが示すように非常に見やすいものになっていることが分かる。
図21、22、23、24は主として色相変化法で配色の変換を行った例である。実例は、小学校や幼稚園等で用いられている教育補助用具であり算数セットである。色覚異常者は、成人の場合には、過去の生活体験からほとんどの色を識別できるようになっているが、幼児の場合には生活体験が浅いために識別に迷う場合が多い。図21は健常者が知覚する色データである。健常者には容易に判別できる色彩であるが、これを色覚異常者がどのように知覚するのかをシミュレーションしたのが、図22である。データが示すように、赤色と緑色は色覚異常者には両方とも茶色系にみえてしまうので、明度に差がない場合には非常に見分けずらいものになっていることがわかる。図23は色調を変えずに明度差が大きくなるよに色彩を変換したものである。健常者には、色調の変化をあまり感じさせない変化であるが、これを色覚異常者が見た場合図24のように明度差が大きくなり識別しやすいものになっていることがわかる。
図25、26、27、28は主として色相変化法により配色の変換を行った例である。実例は公共施設の表示板などでよく見かけるものである。図25は健常者が知覚する色データである。これを色覚色覚異常者がどのように知覚するかをシミュレーションしたのが図26である。色覚異常者には赤色の純色は、褐色ないしほとんど黒色に見えてしまうので赤地に黒い文字で書き込むと埋没して判別がつかなくなる。防災地図、非難経路図など生命にかかわる場合の表示に、注意を引く目的で危険個所を赤色、安全な個所を緑色で示すことが慣習化しているが、色覚異常者には両色とも同じ色調に見えるので、どこが危険でどこが安全か判断に迷うことになる。図27は、図25の文字に黄色でセパレーションカラーを施した例である。健常者には特段に必要となる操作ではないが、これを色覚異常者が見た場合、色覚異常者には黄色が非常に知覚しやすい色であるため、図28のシミュレーションの色データで分かるように文字が浮き上がって見える効果がある。
図29、30、31,32は色彩変換法により配色の変換を行った例である。
実例は鉄道の駅でよく目にする列車の発車時間などを利用者に知らせる電光掲示板である。地色が黒色で、表示内容を示す列は白色であるが、列車の発車時刻は赤色で表示されている。図29は健常者がこれを知覚する色データである。
健常者には何ら判別に苦しむような問題はない。これを色覚異常者がどのように知覚するかをシミュレーションしたのが図30である。色データから分かるように赤色が褐色ないしほとんど黒色に見えてしまうので、地色に埋没してしまい非常に判別しにくい配色となっている。これを列車の種類別に表示色を換えて配色したのが、図31であり健常者が知覚する色彩である。快速が黄緑色、普通が青色、特急がオレンジ色で表示されている。図31を色覚異常者はどのように知覚するのかをシミュレーションしたのが図32である。
色データからわかるように、文字が非常に見やすくなっていることがわかる。
このように、赤色は色覚異常者には黒に近い色に見えてしまうので、黒地に赤文字または赤地に黒文字は特に避けなければならない配色である。
実例は鉄道の駅でよく目にする列車の発車時間などを利用者に知らせる電光掲示板である。地色が黒色で、表示内容を示す列は白色であるが、列車の発車時刻は赤色で表示されている。図29は健常者がこれを知覚する色データである。
健常者には何ら判別に苦しむような問題はない。これを色覚異常者がどのように知覚するかをシミュレーションしたのが図30である。色データから分かるように赤色が褐色ないしほとんど黒色に見えてしまうので、地色に埋没してしまい非常に判別しにくい配色となっている。これを列車の種類別に表示色を換えて配色したのが、図31であり健常者が知覚する色彩である。快速が黄緑色、普通が青色、特急がオレンジ色で表示されている。図31を色覚異常者はどのように知覚するのかをシミュレーションしたのが図32である。
色データからわかるように、文字が非常に見やすくなっていることがわかる。
このように、赤色は色覚異常者には黒に近い色に見えてしまうので、黒地に赤文字または赤地に黒文字は特に避けなければならない配色である。
図33、34、35、36は総合的な配色の変換を行った例である。実例は地図および道路図などでよく目にすることができる。図33は健常者が知覚する色データである。黒色の文字情報を引立たせるために地図の彩色はピンク、淡い水色、灰色を用いて配色されることが多い。これを色覚異常者がどのように知覚するかをシミュレーションしたのが図34である。色データから判るように、黒色、灰色、青色という寒色系ばかりの色感に乏しいものとなる。図35は色彩変化法により図33の配色を変換したものである。地図はカラー印刷で作成されることを考慮し、黄色成分が増加するような配色変換を行った。特に、バック地の色をピンクから薄い茶色、公園を示す薄緑色を薄黄緑、区役所を示す赤色をオレンジ色のように変換した。さらに道路の囲み罫線に濃いイエロー色を用いている。図35を色覚異常者がどのように知覚するのかをシミュレーションしたのが図36である。色データが示しているように、図34に比較してかなり色彩が豊富になったことが感じ取れる。さらに道路の囲み罫線の黄色により区画が明確に判断できるようになっている。このように、ピンク、淡い水色、灰色などは色覚異常者には同じ色に見えてしまうので濃淡をつけて見分けやすくする必要がある。
図37、38は図35の罫線の色を変換した例である。図35も黒色の文字情報が見落とされないようにするために、比較的淡い色で配色してある。淡い色には濃いセパレーションカラーを使用すると見やすくなるので、図35の道路の囲み罫線を濃いイエロータ色から黒色に変換したのが図37である。図37を色覚異常者がどのように知覚するのかをシミュレーションしたのが図38である。健常者には図35より図37の方が見やすいので、よりカラーユニバーサルなデザインになっている。
図39、40、41,42は総合的な配色の変換を行い尚且つ誤認を避けるためにハッチングも施した例である。実例は旅行会社のパンフレットでよく目にするものである。通常健常者が目にする例は図39のような色データとなっている。これを色覚異常者がどのように知覚するのかをシミュレーションしたのが図40である。図40から分かるように色分けの効果がなく色覚異常者は文字情報から判断しなければならなくなっている。特に問題になるのは出発日情報の色分けである。図39の色彩を変換し、同系統色が隣り合わせにならないように配色し、尚且つ色覚異常者が混同することが予想される同系統色にハッチングを施しものが図41である。これを色覚異常者がどのように知覚するのかをシミュレーションしたのが図42である。色データから分かるように、健常者には大きな変化とは見えないが、色覚異常者には劇的ともいえるほど見分けやすいものに変わっていることが分かる。
図43、44は図41、42の例を更に見やすいものにする為に工夫を加えた例である。旅行案内料金表には、色分け表示が良く利用されており、健常者には大変便利なものである。このことは、図39の例からも知ることができる。
しかし、図39のように色覚異常者に配慮していない配色のものは色覚異常者にとっては非常に識別しづらいものとなっている。このことは図39を色覚異常者の見えに変換した図40を見れば一目瞭然となる。図39のこのような欠点を改善したのが図41であり、図41を色覚異常者の見えに変換したものが図42である。図41より更に見易さを改良した例が図43である。図43では、図41より色分け表示の色数が増大してよりカラーフルになっている。図43では各色ブロックの色数の増大による色調差の認識のしにくさが増加する ので、各色ブロックを白いセパレーションカラーで分離している。それに伴い文字と数字の各枡も白いセパレーションカラーで分離されている。各色ブロックを分離したことで、各色ブロックB、D、E、F、J、Lなどのような地模様を入れた場合にも、地模様が判りやすく健常者にも色覚異常者にも識別し易くなっている。また、色ブロックA、D、G、H、Kのように罫線で囲って形による識別を増大させる場合にも、各ブロックの違いが分かりやすく健常者にも色覚異常者にも識別し易くなっている。図43では白いセパレーションカラーを利用しているが、他色のセパレーションカラーを用いてもよい。配色の順番は色覚異常者が同系統に感じることが予想される色が隣り合わないようにして、色ブロックAからLにかけて徐々に色濃度を増すように配色して、色濃度による識別も可能なように試みた。色覚異常者が混同することが予想される同系統色に地模様を施したものが、色ブロックB、D、E、F、J、Lである。
色ブロックB、Dには、濃淡法を利用して外枠に地模様を施している。特に色ブロックDは健常者が色の差を感じることが難しい黄色の濃淡法を利用した外枠の地模様を施し色覚異常者に識別し易くしてある。色ブロックE、F、Jは、健常者より色覚異常者の方が色の変化に感じ易い色相変化法を利用して、色覚異常者が異なる色相に知覚する地模様を外枠に施し識別し易くした。地模様は縦じま模様、横じま模様、斜線模様等模様の形を変えて利用することも可能である。また、色ブロックA、B、C、D、E、F、G、Hに黒文字を使い、I、J、K、Lには白抜き文字を使うことで、文字の色の違いによる識別もできるようにした。文字の色の違いにより識別性を増大する試みは他の色でも可能である。図43を色覚異常者がどのように知覚するかをシミュレーションしたものが図44である。色データから分かるように色覚異常者には劇的とも言えるほどに見分け易くなっている。また健常者にも、図39、図41より見分け易くなっていることが明白である。
しかし、図39のように色覚異常者に配慮していない配色のものは色覚異常者にとっては非常に識別しづらいものとなっている。このことは図39を色覚異常者の見えに変換した図40を見れば一目瞭然となる。図39のこのような欠点を改善したのが図41であり、図41を色覚異常者の見えに変換したものが図42である。図41より更に見易さを改良した例が図43である。図43では、図41より色分け表示の色数が増大してよりカラーフルになっている。図43では各色ブロックの色数の増大による色調差の認識のしにくさが増加する ので、各色ブロックを白いセパレーションカラーで分離している。それに伴い文字と数字の各枡も白いセパレーションカラーで分離されている。各色ブロックを分離したことで、各色ブロックB、D、E、F、J、Lなどのような地模様を入れた場合にも、地模様が判りやすく健常者にも色覚異常者にも識別し易くなっている。また、色ブロックA、D、G、H、Kのように罫線で囲って形による識別を増大させる場合にも、各ブロックの違いが分かりやすく健常者にも色覚異常者にも識別し易くなっている。図43では白いセパレーションカラーを利用しているが、他色のセパレーションカラーを用いてもよい。配色の順番は色覚異常者が同系統に感じることが予想される色が隣り合わないようにして、色ブロックAからLにかけて徐々に色濃度を増すように配色して、色濃度による識別も可能なように試みた。色覚異常者が混同することが予想される同系統色に地模様を施したものが、色ブロックB、D、E、F、J、Lである。
色ブロックB、Dには、濃淡法を利用して外枠に地模様を施している。特に色ブロックDは健常者が色の差を感じることが難しい黄色の濃淡法を利用した外枠の地模様を施し色覚異常者に識別し易くしてある。色ブロックE、F、Jは、健常者より色覚異常者の方が色の変化に感じ易い色相変化法を利用して、色覚異常者が異なる色相に知覚する地模様を外枠に施し識別し易くした。地模様は縦じま模様、横じま模様、斜線模様等模様の形を変えて利用することも可能である。また、色ブロックA、B、C、D、E、F、G、Hに黒文字を使い、I、J、K、Lには白抜き文字を使うことで、文字の色の違いによる識別もできるようにした。文字の色の違いにより識別性を増大する試みは他の色でも可能である。図43を色覚異常者がどのように知覚するかをシミュレーションしたものが図44である。色データから分かるように色覚異常者には劇的とも言えるほどに見分け易くなっている。また健常者にも、図39、図41より見分け易くなっていることが明白である。
本発明は、人為的に2色以上の彩色が施された有形・無形の色覚的ユニバーサル・デザイン製品に適用することができる。例えば、(1)利用者に何らかの情報を伝達するために設けられた設備や建造物、(2)案内図、図表、タイトル文字およびイラスト等が挿入された、各種のカラー印刷物、(3)色素を混入して着色したものや、塗装によって彩色した種々の工業製品、(4)案内図、図表、タイトル文字、イラストおよびアニメーションなどが挿入された、各種のディスプレイ画面、(5)表示板、印刷物、造形物や各種ディスプレイ画面などの中で適宜採用される各種のマークや絵柄類などに応用することができる。
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