JP2007239802A - 環状伝動体の疲労警告システム - Google Patents

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Abstract

【課題】タイミングベルト等の環状伝動体の交換時期等を適切に判断する環状伝動体の疲労警告システムを提供する。
【解決手段】複数の回転体48、52、54間に巻回され、エンジン10の動力を伝動する環状伝動体56の疲労警告システムであって、前記エンジン10の回転数が所定の基準回転数を超えている時間に基づいて、累積的に前記環状伝動体56の疲労度を導出する導出手段と、該導出手段により導出された疲労度を、所定の基準疲労度と比較することにより、前記環状伝動体56が所定の消耗レベルに至ったか否かを判定する判定手段と、該判定手段により前記環状伝動体56が前記消耗レベルに至ったと判定されたとき、該環状伝動体56の疲労を警告する警告手段と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両等でエンジンの回転に基づいて動く環状伝動体の疲労警告システムに関する。
近年、エンジン出力の高出力化や、車両の小型化などによるエンジンコンパートメントスペースの縮小などにより、エンジンにおいて、十分な強度のチェーンシステムを用いることが難しい車両が出てきている。このような車両においては、チェーンシステムにおけるチェーン等を、その疲労度合いに応じて交換などをする必要が生じ得る。
例えば、特許文献1には、タイミングベルトの交換時期を運転者に知らせる保守点検時期報知装置が開示されている。このものは、車両の走行距離を計測し、それが所定の距離になった場合、保守点検時期の到来を運転者に対してワーニング等の警告表示で知らせるものである。
また、特許文献2には、車両用距離積算装置が開示されている。このものは、車両の走行距離を積算した積算距離がエンジンのタイミングベルトの交換時期に対応する値に達したときに、その旨を報知するものである。
特開平6−40297号公報 特開平10−82657号公報
上記特許文献1や特許文献2に記載のものは、単に走行距離を計測して、これが所定の距離に至った場合に、タイミングベルトの交換時期等を運転者に知らせるものである。それ故、タイミングベルトの交換時期等を判定するに際して、タイミングベルトの疲労にほとんど影響しない程度の張力がタイミングベルトに及んでいる場合の走行距離をもその判断材料として考慮することになる。これでは、タイミングベルトの交換時期等を適切に判断することは不可能である。
そこで、本発明は、タイミングチェーン、タイミングベルト等の環状伝動体の交換時期等を適切に判断する環状伝動体の疲労警告システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の環状伝動体の疲労警告システムは、複数の回転体間に巻回され、エンジンの動力を伝動する環状伝動体の疲労警告システムであって、前記エンジンの回転数が所定の基準回転数を超えている時間に基づいて、累積的に前記環状伝動体の疲労度を導出する導出手段と、該導出手段により導出された疲労度を、所定の基準疲労度と比較することにより、前記環状伝動体が所定の消耗レベルに至ったか否かを判定する判定手段と、該判定手段により前記環状伝動体が前記消耗レベルに至ったと判定されたとき、該環状伝動体の疲労を警告する警告手段と、を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、エンジンの回転数が所定の基準回転数を超えている時間に基づいて、累積的に前記環状伝動体の疲労度が導出される。そして、その疲労度を所定の基準疲労度と比較することにより、前記環状伝動体が所定の消耗レベルに至ったか否かが判定される。したがって、エンジンの回転数が環状伝動体の疲労に影響するような所定の基準回転数を超えているときの運転時間に基づいて、環状伝動体の疲労度合いを適切に判定することができる。それ故、環状伝動体の交換時期等が適切に判断される。
特に、前記導出手段は、前記回転数が前記所定回転数を超えている時間と、該回転数と前記基準回転数との偏差に応じた重み付けとに基づいて、前記疲労度を導出すると好ましい。これにより、エンジンの回転数に応じて環状伝動体の疲労度合いをより適切に判定することが可能になる。
本発明による環状伝動体の疲労警告システムについて、実施形態に基づいて図面を参照しながら詳細に説明する。まず、第一実施形態について説明する。
第一実施形態における車両のエンジンシステムの概念図を図1に示す。図1におけるエンジン10は、直列4気筒の車載用ガソリンエンジンである。エンジン10は、その主要外郭部材として、シリンダブロック12と、シリンダヘッド14と、オイルパン16とを備えている。シリンダブロック12の各シリンダ(気筒)18内には、ピストン20が往復動可能に設けられている。シリンダ18内におけるピストン20の上側には、燃焼室22が形成されている。
ピストン20は、コネクティングロッド24を介して、クランクシャフト26に連結されている。気筒18内におけるピストン20の往復運動は、コネクティングロッド24を介してクランクシャフト26の回転運動に変換される。
燃焼室22にそれぞれ臨む吸気ポート28および排気ポート30が形成されたシリンダヘッド14には、吸気バルブ32および排気バルブ34を駆動する動弁機構36と、燃焼室22内の混合気を着火させる点火プラグ38と、が組み込まれ、さらにこの点火プラグ38に火花を発生させるイグナイタ40が搭載されている。ここでは、エンジン10は、燃料であるガソリンを燃料噴射弁42から燃焼室22内に直接噴射し、点火プラグ38によって着火させる筒内噴射型式のものとされている。
シリンダヘッド14には、動弁機構36の一部として、吸気カムシャフト44および排気カムシャフト46が平行に設けられ、それらは回転可能にシリンダヘッド14に支持されている。図2に、機関出力軸であるクランクシャフト26と、吸気および排気カムシャフト44、46との間の駆動伝達構造を概略的に示す。
吸気カムシャフト44の一端部には、吸気カムスプロケット48を備えた回転位相差可変アクチュエータ(連続可変バルブタイミング機構)50が設けられている。また、排気カムシャフト46の一端部には排気カムスプロケット52が取り付けられている。一方、駆動側回転軸であるクランクシャフト26にはクランクスプロケット54が取り付けられている。これら吸気カムスプロケット48、排気カムスプロケット52、およびクランクスプロケット54には、タイミングチェーン56が巻き掛けされている。すなわち、環状伝動体としてのタイミングチェーン56は、複数の回転体48、52、54(あるいは44、46、26)間に巻回されている。そして、タイミングチェーン56によって、クランクスプロケット54の回転が吸気および排気カムスプロケット48、52に伝達される、すなわちエンジン10の動力が伝動される。このようにして、駆動側回転軸としてのクランクシャフト26の回転が、環状伝動体であるタイミングチェーン56を介して、従動側回転軸としての吸気カムシャフト44および排気カムシャフト46に伝達されることで、それら吸気カムシャフト44および排気カムシャフト46がクランクシャフト26の回転に同期して回転するようになっている。なお、このタイミングチェーン56は、テンショナ58によって適度なテンションが与えられるとともに、その走行軌道上に設けられたチェーンガイド60によって、同走行軌道が規制され、スプロケット48、52、54からの外れが防止されている。
吸気カムシャフト44には、吸気バルブ32の上端に当接する吸気カム62が設けられ、排気カムシャフト46には、排気バルブ34の上端に当接する排気カム64が設けられている。そして、吸気カムシャフト44が回転すると吸気カム62により吸気バルブ32が開閉駆動され、排気カムシャフト46が回転すると排気カム64により排気バルブ34が開閉駆動されるようになっている。
吸気ポート28に連通するようにシリンダヘッド14に連結されて吸気ポート28と共に吸気通路66を区画形成する吸気管68の上流端側には、大気中に含まれる塵埃などを除去して吸気通路66に導くためのエアクリーナ70が設けられている。このエアクリーナ70よりも下流側に位置すると共に、サージタンク72よりも上流側に位置する吸気管68の部分には、運転者によって操作されるアクセルペダル74の踏み込み量に基づき、スロットルアクチュエータ76によって開度が調整される吸気絞り弁、すなわち電子制御式のスロットルバルブ78が組み込まれている。ただし、アクセルペダル74の踏み込み動作と、スロットルバルブ78の開閉動作とを切り離して電子的に制御できるようにしている。
排気ポート30に連通するようにシリンダヘッド14に連結されて排気ポート30と共に排気通路80を区画形成する排気管82の途中には、燃焼室22内での混合気の燃焼により生成する有害物質を無害化する触媒84が組み込まれている。
したがって、空気が、エアクリーナ70を通って、吸気管68から燃焼室22内に供給されると、ピストン20の上昇により空気は圧縮される。主としてその圧縮行程で燃料噴射弁42から燃焼室22内に燃料が噴射され、空気は燃料と混合気を形成する。混合気はさらに圧縮されて、点火プラグ38の火花により点火する。これにより、燃料、すなわち混合気に燃焼が生じて膨張し、ピストン20が押し下げられる。こうして生成する排気ガスは、その後のピストン20の上昇により排気バルブ34から押し出されて、触媒84を通って排気管82から大気中に排出される。
エンジン10は、各種値を検出してこれを電子制御装置(以下、ECUと称する。)86に出力する各種センサ類を備えている。具体的には、吸気管68内の空気の圧力、すなわち吸気圧を検出する吸気圧センサ88を備えている。また運転者によって操作されるアクセルペダル74の踏み込み量に対応する位置を検出するアクセルポジションセンサ90を備えている。また、スロットルバルブ78の開度を検出するスロットルポジションセンサ92を備えている。また、ピストン20が往復動するシリンダブロック12には、クランクシャフト26のクランク回転信号を検出するクランクポジションセンサ94が取り付けられている。ここでは、このクランクポジションセンサ94をエンジン回転数センサとしても利用している。
さらに、後述するようにECU86によりタイミングチェーン56が所定の消耗レベルに至ったと判定されたとき、その疲労を警告する警告装置96が備えられている。警告装置96は、図示しないが、ECU86からの出力信号により、運転者等にタイミングチェーン56の疲労を警告すべく、運転席のコンビネーションメーターに警告ランプを点灯する。
ECU86は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器、入力インタフェース、出力インタフェース等を含むマイクロコンピュータで構成されている。入力インタフェースには、上記各種センサ類などが電気的に接続されている。これらの各種センサ類などからの検出信号に基づき、予め設定されたプログラムにしたがって円滑なエンジン10の運転がなされるように、ECU86は出力インタフェースから電気的に信号を出力して、動弁機構36、イグナイタ40、燃料噴射弁42、回転位相差可変アクチュエータ50、スロットルアクチュエータ76、警告装置96などの作動を制御するようになっている。なお、ECU86は、後述する、環状伝動体であるタイミングチェーン56の疲労度を導出する導出手段と、タイミングチェーン56が所定の消耗レベルに至ったか否かを判定する判定手段とを構成すると共に、環状伝動体の疲労を警告する警告手段の一部をも構成する。さらに、ECU86は、時間を計測するタイマ手段を有している。
エンジン10では、吸気圧センサ88からの出力値に基づく吸気圧や、アクセルポジションセンサ90からの出力値に基づくアクセル開度や、スロットルポジションセンサ92からの出力値に基づくスロットル開度や、クランクポジションセンサ94からの出力値に基づくエンジン回転数など、すなわちエンジン負荷およびエンジン回転数で表される運転状態に基づいて燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期等が設定される。その際、不図示の水温センサからの出力値に基づくエンジン冷却水温などに応じて、それらの補正がなされ、これらの補正された燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期に基づいて、イグナイタ40や燃料噴射弁42などが制御される。
本第一実施形態のエンジン10は高い出力を生じ得る。その一方、エンジン10が搭載されている車両では、その小型化により、エンジンコンパートメントスペースが縮小されている。それ故、上記タイミングチェーン56の強度が、エンジン10の出力に対して低くとられている。すなわち、タイミングチェーン56は、エンジン10において特定の条件下では十分な強度を有するに至っていない。
図3に、横軸にタイミングチェーン56の使用時間(単位:h)をとり、縦軸にエンジン10の回転数(単位:rpm)をとり、タイミングチェーン56の疲労限界の曲線αを示す。図3の曲線αは、実験により求めて作成されていて、概ね二つの直線部α1、α2からなっている。曲線αは、曲線αよりも右上の領域D、すなわちエンジン回転数が高く且つ使用時間が長い領域Dでは、タイミングチェーン56は破断し、それよりも左下の領域S、すなわちエンジン回転数が低く且つ使用時間が短い領域Sでは、タイミングチェーン56が破断しないことを意味している。
図3では、横軸に平行に二つの点線が引かれていて、高回転側の点線はエンジン10の最高許容回転数R1を、低回転側の点線はチェーン寿命有限回転数R2を表している。なお、最高許容回転数とは、いわゆるレッドゾーンの下限回転数に相当する。また、チェーン寿命有限回転数R2とは、これを超える回転数で運転され続けると、タイミングチェーン56が寿命に至り易くなる境界回転数に相当する。曲線αの内、タイミングチェーン56の使用時間が短い側の直線部α1は、最高許容回転数R1をまたいで右下がりに延びていて、その使用時間が長い側の直線部α2は、チェーン寿命有限回転数R2上に、横軸にほぼ平行に延びている。なお、本明細書において、曲線α上の最高許容回転数R1での使用時間h1を最短有限寿命と称し得、曲線α上のチェーン寿命有限回転数R2での最短の使用時間h2、すなわち直線部α1と直線部α2との交わり部での使用時間h2を最長有限寿命と称し得る(図3参照)。
タイミングチェーン56とは異なる、一般的なタイミングチェーンは、エンジン出力に対して十分な強度を有していて、図4に表されるように疲労限界の曲線βを有する。曲線βは、そのエンジンの最高許容回転数を超えた高回転領域で延び、最高許容回転数以下にはならない。それ故、一般的なタイミングチェーンは、エンジンが最高許容回転数以下で運転されている限りは破断に至ることはない。一般的なタイミングチェーンの最高許容回転数と本第一実施形態のタイミングチェーン56の最高許容回転数とが同一であると仮定して、図4にタイミングチェーン56の曲線αを並べて表す。これによれば、本第一実施形態のタイミングチェーン56の曲線αは、白抜き矢印で示すように、曲線βを低回転数側へシフトしたものとみなすことができる。
一般的なタイミングチェーンに対して、本第一実施形態のタイミングチェーン56は、上記から明らかなように、例えば、最高許容回転数R1で運転され続けるといずれは曲線αを超えて領域Dでの使用に至り、破断に至る(図3参照)。一般にタイミングチェーンはメンテナンスフリーとされていることからも明らかに、破断に至ることがあってはならないのであるが、エンジン10が搭載された本車両ではタイミングチェーン56の破断の可能性が考慮されなければならない。そこで、エンジン10のタイミングチェーン56においては本発明の環状伝動体の疲労警告システムが有用になる。後述するように、本発明が適用されることで、タイミングチェーン56が所定の消耗レベルに至ったと判定されたときに、タイミングチェーン56が疲労したことを示す警告がなされることになるので、タイミングチェーン56は破断に至る前に確実に交換等されることになる。
本第一実施形態の制御について、図5の制御フローチャートに基づいて以下に説明する。なお、図5の制御フローチャートは、およそ20ms毎に繰り返されるものである。
本第一実施形態では、タイミングチェーン56の疲労度として、疲労時間という概念が用いられる。疲労時間とは、エンジン10の回転数が所定の基準回転数を超えているときの時間を累積したものであり、その時間が計測されるたびにRAMに累積的に記憶される。なお、疲労時間の初期値は「0」である。本第一実施形態において所定の基準回転数とは、上記のチェーン寿命有限回転数R2のことであって(図3参照)、予めROMに記憶されている。そして、タイミングチェーン56が所定の消耗レベルに至ったか否かを判定するための基準として所定の基準時間が疲労時間と対比すべく用いられる。本第一実施形態では最高許容回転数R1での使用時間h1である最短有限寿命が、その所定の基準時間として採用されていて、予めROMに記憶されている。なお、タイミングチェーン56の所定の消耗レベルとは、それが破断しない程度に疲れているレベルであり、その消耗レベルに至った後もタイミングチェーン56はある程度の使用に耐え得る。
ECU86は、まず、ステップS501で、疲労時間Hが所定の基準時間である最短有限寿命h1を越えていないか否かを判定する。ここでは、車両の走行が始まったばかりであるので、疲労時間は「0」である。それ故、疲労時間が所定の基準時間を越えていないとして肯定され、ステップS503へ進む。
ステップS503では、クランクポジションセンサ94からの出力信号に基づいて検出されたエンジン10の回転数Rが、上記所定の基準回転数であるチェーン寿命有限回転数R2を超えているか否かが判定される。ここでは、エンジン10の回転が低速回転であり、所定の基準回転数を超えていない。それ故、否定されて、当該ルーチンは終了する。
そして、次回以降のルーチンにおけるステップS503で、エンジン10の回転数が所定の基準回転数を超えていると判定されると、肯定されてステップS505へ進み、時間の計測が行われる。この計測は、ECU86の上記タイマ手段によりなされる。ここでは、ステップS505に至ったときにタイマ手段により時間の計測がなされていなかったので、時間の計測が開始される。
次いで、ステップS507へ進むと、エンジン10の回転数Rが上記所定の基準回転数を超えていないか否かが判定される。ここでは、エンジン10の回転数RがステップS503で肯定されてからその基準回転数を下回っておらず、超えているので否定される。したがって、ステップS505へ戻る。
ステップS505では、タイマ手段により時間の計測がなされているので、そのまま時間の計測が続行される。
このように、ステップS505に至って、一旦、タイマ手段による時間の計測が開始されると、エンジン10の回転数Rが所定の基準回転数を下回って、ステップS507で肯定されるまで、継続して時間の計測がなされる。そして、ステップS507で、エンジン10の回転数が所定の基準回転数を下回って、所定の基準回転数を超えていないとして肯定されるとステップS509へ進み、時間の計測が終了される。
時間の計測が終了すると、ステップS511へ進み、その計測された時間ΔH(図5中の計測時間)はRAMに記憶されている疲労時間Hに累積的に加算される。なお、加算後、タイマ手段はリセットされて、該ルーチンは終了される。このように図5のフローチャートのルーチンが繰り返されるにつれて、RAMに記憶されている疲労時間は徐々に大きくなり得る。そして、例えば、何年か後に疲労時間Hが所定の基準時間を越えるようになり、ステップS501で否定されるようになると、ステップS513へ進むことになる。
本第一実施形態では、疲労時間Hが所定の基準時間を越えるに至ると、タイミングチェーン56が所定の消耗レベルにまで疲労したと推定される。これ以後も、当該エンジン10が継続して使用されるのであれば、タイミングチェーン56が交換されるのが良い。そこで、タイミングチェーン56がそのような消耗レベルにまで疲労したのでその交換などを促すべく、ステップS513で警告装置96へECU86から作動信号が出力されることになる。したがって、運転席のコンビネーションメーターに警告ランプが点灯されることになる。これにより、運転者等は、タイミングチェーン56が寿命に至って破断する前にタイミングチェーン56の疲労度合いを的確に知ることができ、適切に車両の使用の終了や、タイミングチェーン56の交換などを行うことが可能になる。なお、警告ランプは、車両の保守点検等を行う整備者等により疲労時間Hが特別にリセットされるまで、点灯された状態に保たれるのが良い。
以上、本第一実施形態によれば、上記の如く、タイミングチェーン56が寿命に至る前にタイミングチェーン56が所定の消耗レベルに至るとそれが的確に知らされることになるので、エンジン10の特定の出力条件に対して、タイミングチェーン56が脆弱的であっても、安全且つ適切に車両を走行させることが可能になる。なお、上記第一実施形態における所定の基準時間や、所定の基準回転数は、任意に設定可能である。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。本第二実施形態におけるエンジンシステムは、上記第一実施形態のエンジンシステムと同じであるので、ここでの説明は省略する。以下の説明において、上記第一実施形態で説明したのと同様の構成要素に対しては、同じ符号を付して説明を省略する。本第二実施形態は、上記第一実施形態と、タイミングチェーン56の疲労度の導出および、その消耗レベルの判定が異なっている。本第二実施形態では、エンジン10の回転数が上記所定の基準回転数を超えている時間と、その回転数と上記基準回転数との偏差に応じた重み付けとに基づいて、疲労度を導出することにしている。それ故、タイミングチェーン56が所定の消耗レベルに至ったか否かを判定する基準も上記第一実施形態とは異なる。これを、以下に説明する。
本第二実施形態では、上記の如く、タイミングチェーン56の疲労度は、エンジン10の回転数が上記所定の基準回転数を超えている時間と、その回転数とその基準回転数との偏差に応じた重み付けとに基づいて導出される。例えば、図6に示すように、エンジン10の回転数が時々刻々変化している場合には、エンジン10の回転数がその基準回転数を超えている時々刻々変化する時間を、所定時間おきの時間要素(t1〜tn)に分解して、その都度、そのときの回転数(r1〜rn)をRAMに記憶することが行われる。例えば、要素時間t1での回転数r1、次の要素時間t2(=t1)での回転数r2、・・・、要素時間tn(=t1)での回転数rnを順次記憶していき、そして、それぞれの要素時間(t1、t2、・・・あるいはtn)を、その要素時間での回転数(r1、r2、・・・あるいはrn)の所定の基準回転数としてのチェーン寿命有限回転数R2との差分(rn−R2(ただしn=1〜n))に基づいて重み付けを行い、累積的に加算することが行われる。すなわち、各要素時間にその時々の回転数の差分に対応する値を付与して、それらを加算していくことで疲労度が求められる。より具体的には、予め、要素時間に対するエンジン10の回転数の基準回転数との差分に応じた重み付け値のマップを作成しておき、そのマップをその時々の回転数で検索することでそれぞれの所定時間における微少疲労度(疲労度の各要素)が導出される。そしてその微少疲労度が累積的に加算されることで疲労度が導出される。なお、疲労度の初期値は「0」である。そして、本第二実施形態での所定の基準回転数とは、上記第一実施形態と同様に、チェーン寿命有限回転数R2であって(図3参照)、予めROMに記憶されている。そして、タイミングチェーン56が所定の消耗レベルに至ったか否かを判定するための基準として所定の基準疲労度が疲労度と対比すべく用いられる。本第二実施形態では最高許容回転数R1で使用時間h1の間運転されたときの疲労度がその所定の基準疲労度として採用されていて、予めROMに記憶されている。
以下に、本第二実施形態の制御について、図7の制御フローチャートを用いて説明する。なお、図7の制御フローチャートは、およそ20ms毎に繰り返されるものである。
ECU86は、まず、ステップS701で、疲労度が所定の基準疲労度を越えていないか否かを判定する。ここでは、車両の走行が始まったばかりであるので、疲労度は「0」である。それ故、疲労度が所定の基準疲労度を越えていないとして肯定され、ステップS703へ進む。
ステップS703では、上記ステップS503と同様に、エンジン10の回転数が上記所定の基準回転数を超えているか否かが判定される。ここでは、エンジン10の回転数が低速回転であり、所定の基準回転数を超えていないので否定されて、当該ルーチンは終了する。
一方、ステップS703で、エンジン10の回転数が所定の基準回転数を超えていると判定されると、肯定されてステップS705へ進み、時間とそのときの回転数の計測が行われることになる。この計測は、上記タイマ手段を伴ってなされる。ここでは、ステップS705に至ったときにタイマ手段により計測がなされていなかったので、それらの計測が開始される。
次いで、ステップS707へ進むと、エンジン回転数が上記所定の基準回転数を超えていないか否かが判定される。ここでは、エンジン回転数がステップS703で判定されてからその基準回転数を下回っていないので、否定される。したがって、ステップS705へ進む。ステップS705では、それらの計測がなされているので、そのまま続行される。このように、ステップS705に至って、一旦、それらの計測が開始されると、ステップS707でエンジン10の回転数が所定の基準回転数を下回るまでそれらの計測がなされる。そして、ステップS707で、エンジン10の回転数が所定の基準回転数を下回って、所定の基準回転数を超えていないとして肯定されるとステップS709へ進み、それらの計測が終了される。
それらの計測が終了されると、ステップS711へ進み、上記の如く、その計測した時間(図7中の計測時間)およびそのときの回転数に基づいて予めROMに記憶されている上記マップが検索されて、疲労度に関する上記微少疲労度が導出される。そしてこれらがRAMの疲労度に累積的に加算される。このように図7のフローチャートのルーチンが繰り返されるにつれて、RAMに記憶されている疲労度は徐々に大きくなっていき得る。そして、例えば、何年か後に疲労度が所定の基準疲労度を越えるようになり、ステップS701で否定されるようになると、ステップS713へ進むことになる。
疲労度が所定の基準疲労度を越えるに至ると、タイミングチェーン56が所定の消耗レベルにまで疲労したと推定される。そこで、タイミングチェーン56がそのようなレベルにまで疲労したとして、上記ステップS513と同様に、ステップS713で警告装置96へ作動信号が出力されることになる。
以上、本第二実施形態によれば、上記第一実施形態の如く、タイミングチェーン56が寿命に至る前にタイミングチェーン56の交換時期が的確に知らされる。
以上、本発明を上記第二実施形態に基づいて説明したが、種々の変更などが可能である。例えば、ステップS705で時間とそのときの回転数が計測されて記憶されるが、このときの時間は連続的であっても良いし、不連続であっても良い、また回転数は連続的であっても良い。例えば回転数は100rpm刻みで記憶されても良い。タイミングチェーン56の疲労度は、ECU86がその消耗レベルを的確に判断可能でさえあれば、どのように細分化されても良い。
さらに、上記疲労度は、例えば図8に示す如くして導出されても良い。図8(a)に示す如く、エンジン10の回転数が所定の基準回転数としてのチェーン寿命有限回転数R2を超えているときの図6の曲線を計測(ステップS705)中に記憶しておき、計測終了(ステップS709)後に所定の基準時間R2から上の領域A1、A2の面積を求めて、累積的に加算することで疲労度を求めても良い。あるいは、図8(b)に示す如く、エンジン10の回転数が所定の基準回転数を超えているときの図6の曲線を同様に記憶しておき、その所定の基準回転数からの突出分を概略ブロック状の要素(e1、e2・・・)に加工して、これらの高さや面積などを加算していくことで、疲労度を求めるようにしても良い。さらには、エンジン10の回転数の所定の基準回転数からの差分が大きくなるほど、重み付けの割合が多くなるように、重み付けに段階を設けるようにしても良い。また、所定の基準疲労度は、任意に設定可能であり、例えば上記基準疲労度にさらに安全率を乗じたものでも良い。また、上記所定の基準回転数も、任意に設定可能である。さらには、各回転数ごと、例えば100rpm刻みの回転数ごとに所定時間おきの要素時間の数を記憶しておき、それらをマップに照合して累積することで疲労度が求められても良い。
なお、エンジン10の回転数と、タイミングチェーン56にかかる張力(応力)との関係を予め求めておき、それから回転数に対する重み付けの割合が決定されて、それが重み付けに用いられるのが好ましい。
以上、本発明を、上記第一実施形態および第二実施形態、並びにそれらの変形例に基づいて説明してきたが、本発明はこれらに限定されず、様々な修正や変更が許容される。上記の如く、エンジン回転の運転履歴に基づいて、タイミングチェーンなどの環状伝動体が寿命に至る前に、その疲労が適切に判断されれば良い。そして、エンジンの出力条件に対して、エンジン回転数と関連するエンジン負荷や、その変化の履歴などに基づいて、環状伝動体の疲労が判断されても良い。
なお、本発明が適用される環状伝動体は、タイミングチェーンに限定されず、タイミングベルトであっても良い。さらには、環状伝動体は、吸排気バルブを動かすべくエンジンからの動力を吸排気バルブに伝動するものに限られない。本発明が適用される環状伝動体は、例えば、各種ポンプ、モータなどの補機を駆動させるべく、エンジンの動力を伝動するVベルトなどであっても良い。また、環状伝動体の破断前に環状伝動体の疲労度合いとしての消耗レベルを的確に判断可能であれば、種々の値を疲労度として用いることができる。
さらには、上記実施形態では、直列4気筒の車載用ガソリンエンジンに適用したが、ディーゼルエンジン、アルコールエンジンなどの各種エンジンに適用可能である。また、気筒数などは問わない。さらに、本発明は、筒内噴射形式のエンジンに関わらず、ポート噴射型式などの他の機構のエンジンにも適用可能である。また、一般的に、破断するはずのないタイミングチェーンなどに対して、さらなる安全性の向上のために、本発明は適用されても良い。
第一実施形態におけるエンジンシステムの概念図である。 クランクシャフトと、吸気および排気カムシャフトとの間の駆動伝達構造を表す斜視図である。 第一実施形態のタイミングチェーンの疲労限界の曲線を表したグラフである。 第一実施形態のタイミングチェーンの疲労限界の曲線を、一般的なタイミングチェーンの疲労限界の曲線と共に表したグラフである。 第一実施形態の制御フローチャートである。 第二実施形態の疲労度の導出を説明するためのグラフである。 第二実施形態の制御フローチャートである。 (a)および(b)は第二実施形態の疲労度の導出の他の例を説明するためのグラフである。
符号の説明
10 エンジン
24 コネクティングロッド
26 クランクシャフト
32 吸気バルブ
34 排気バルブ
44 吸気カムシャフト
46 排気カムシャフト
48 吸気カムスプロケット
52 排気カムスプロケット
54 クランクスプロケット
56 タイミングチェーン

Claims (2)

  1. 複数の回転体間に巻回され、エンジンの動力を伝動する環状伝動体の疲労警告システムであって、
    前記エンジンの回転数が所定の基準回転数を超えている時間に基づいて、累積的に前記環状伝動体の疲労度を導出する導出手段と、
    該導出手段により導出された疲労度を、所定の基準疲労度と比較することにより、前記環状伝動体が所定の消耗レベルに至ったか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段により前記環状伝動体が前記消耗レベルに至ったと判定されたとき、該環状伝動体の疲労を警告する警告手段と、
    を備えていることを特徴とする環状伝動体の疲労警告システム。
  2. 前記導出手段は、前記回転数が前記所定回転数を超えている時間と、該回転数と前記基準回転数との偏差に応じた重み付けとに基づいて、前記疲労度を導出することを特徴とする請求項1に記載の環状伝動体の疲労警告システム。
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