JP2007239777A - 軸受 - Google Patents

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JP2007239777A JP2006059412A JP2006059412A JP2007239777A JP 2007239777 A JP2007239777 A JP 2007239777A JP 2006059412 A JP2006059412 A JP 2006059412A JP 2006059412 A JP2006059412 A JP 2006059412A JP 2007239777 A JP2007239777 A JP 2007239777A
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Masahito Hamaguchi
将人 濱口
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Abstract

【課題】軸受保持部に圧入にて組み付ける軸受における軸支孔の真円度の確保を安価に実現する。
【解決手段】軸受11を、ケーシング2に凹設した軸受保持部9に圧入する圧入部分11aと、圧入部分よりも大径でありかつ圧入状態で軸受保持部から突出して自由状態となる非圧入部分11bとにより形成し、軸線方向について非圧入部分に対応する範囲に軸支孔11cを設け、圧入部分には回転軸よりも大径となるテーパ孔を設ける。圧入部分が圧力により変形しても非圧入部分には圧力が加わらないため軸支孔が変形することはなく、また非圧入部分のテーパ孔が圧入時に変形しても回転軸に影響を及ぼすことがないため、軸受を圧入にて組み付ける構造においてもその軸支孔の真円度が確保されて、回転時に異音が発生することがないと共に、簡単な構造により安価である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ケーシングに設けられた軸受保持部に圧入にて組み付けられた状態で回転軸を軸支する形態の軸受に関するものである。
従来、小型モータにあってはヨークを兼ねる有底筒状ケーシングを設けたものがあり、そのようなものにおいてアーマチュアの回転軸の軸端部を支持する軸受の組み付け構造にあっては、ケーシングの底部に軸線方向に凹設して軸受保持部を形成し、その軸受保持部に軸受を圧入して組み付けるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2003−239951号公報
上記した軸受の組み付け構造にあっては、円筒形状のメタル軸受を円形凹設形状の軸受保持部に同軸的に圧入してケーシングに軸受を組み付けている。したがって、圧入により軸受には半径方向内向きの圧力がかかるため、圧力の大きさによっては軸受の強度の弱い部分が他の部分よりも大きく変形し、それにより軸受に設けた軸支孔の真円度が影響を受ける場合がある。真円度が設計値から外れてしまうと、回転時に異音が発生するという問題があった。例えば軸受に高強度の部材を用いることが考えられるが、材料費及び加工費が高騰化する。
このような課題を解決して、軸受保持部に圧入にて組み付ける軸受における軸支孔の真円度の確保を安価に実現するために本発明に於いては、ケーシング内に受容された回転軸を回転可能に支持するべく当該ケーシングに設けられた軸受保持部に圧入にて組み付けられる軸受であって、前記軸受保持部に圧入される圧入部分と、前記圧入部分から前記回転軸長手方向に突出されると共に、前記圧入部分が前記軸受保持部に圧入された状態で前記軸受保持部と接触しない非圧入部分とを有し、前記非圧入部分に対応する部分に前記回転軸を回転可能に支持する軸支孔が形成され、前記圧入部分に対応する部分に前記回転軸を遊嵌する大きさの大径孔が形成されているものとした。
特に、前記圧入部分と前記非圧入部分とが互いに異なる外径で形成されていると良い。また、前記圧入部分に、前記軸支孔と同軸に連通するテーパ孔が形成されていると良い。また、前記圧入部分の外周面に、周方向に延在する突条が形成されていると良い。また、前記圧入部分の外周面に、軸線方向に延在しかつ前記非圧入部分に至る溝が形成されていると良い。また、前記圧入部分の外周面が球面の一部からなると良い。
このように本発明によれば、軸受をケーシングの軸受保持部に圧入される圧入部分と軸受保持部から外方に突出する非圧入部分とに分けて、軸受の組み付け状態におけるケーシングの軸受保持部からの圧力を圧入部分で受けかつ軸支孔を非圧入部分に設けたことから、圧入部分が上記圧力により変形しても非圧入部分には圧力が加わらないため軸支孔が変形することはなく、また非圧入部分には回転軸を遊嵌する大径孔を設けていることから、大径孔を圧入時に変形しても回転軸に影響を及ぼすことがない大きさとすることにより、軸受を圧入にて組み付ける構造においてもその軸支孔の真円度が確保されるため、回転時に異音が発生することがない。
特に、圧入部分と非圧入部分とが異なる外径の円筒形状軸受の場合には、圧入が容易でありかつ圧入により軸受保持部に対する芯出しが行われると共に、軸受保持部に対して非圧入部分の外径が合わなくなることから誤組付を防止することができる。また、圧入部分に設けた大径孔をテーパ孔とすることにより、大径孔の加工を容易に行うことができ、簡単に回転軸との非接触状態となる形状のものを形成することができる。
また、圧入部分の外周面に周方向突条を形成することにより、軸受保持部の弾性復元力により圧入後に周方向突条が軸受保持部と係合するようにすることができ、抜け止め機能をもたせることができる。その場合には軸受保持部からより大きな圧力を受けて圧入部分の変形が大きくなることが考えられるが、上記したように軸支部には何等影響を及ぼすことがないため、軸受の圧入による組み付け構造における信頼性を向上し得る。また、圧入部分の外周面に非圧入部分に至る軸線方向溝を形成することにより、軸受として焼結金属などからなる含油軸受を用いた場合に、圧入部分により遮蔽された空間が圧入時に圧縮されたり使用時に高温雰囲気となったりして高圧になっても、その高圧を溝により逃がすことができるため、高圧が生じて含浸されている潤滑油がアーマチュア側にしみ出ることを防止することができる。その溝は軸支孔となる非圧入部分とは違う圧入部分に設けられるので、溝を設けた部分が他の部分よりも圧入により変形し易くなっても、軸支孔の真円度に対して何等影響を及ぼすことがない。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明が適用された例えば自動車用パワーウィンドウに用いられる電動モータ装置を示す要部破断側断面図である。図に示される電動モータ装置にあっては、モータ1とそのヨークを兼ねる有底円筒状のケーシング2に一体的に結合された減速装置3とにより構成されている。なお、本発明の適用対象はモータに限定されるものではなく、回転伝達機構に用いられる回転軸を軸支する軸受であれば良く、種々の装置に適用可能である。
図示例のモータ1にあっては、ケーシング2内に受容された回転軸4と、回転軸4に同軸かつ一体に設けられた回転子5と、回転子5を外囲するようにケーシング2の対応する内周面に配設された複数の永久磁石6とを備える一般的なDCモータの構造であって良く、その詳しい説明は省略する。
また、図示例では、回転軸4のケーシング2から突出する側は減速装置3内に延在して2ヶ所で軸支されており、その突出した回転軸4の中間部分にウォーム4aが一体的に設けられている。ウォーム4aにはウォームホイール8がギア結合されており、これらウォームギアにより減速装置3が構成されている。なお、ウォームホイール8の軸が本モータ装置の出力軸として用いられ、その出力軸には図示されない窓を開閉するためのレギュレータのリンク機構が駆動されるようになっている。
有底円筒形状のケーシング2の底部には軸線方向に凹設された軸受保持部9が形成されており、軸受保持部9には圧入にて軸受11が組み付けられて、その軸受11により回転軸4の軸端部が回転可能に支持されている。
その軸受11及び軸受保持部9の詳細について図2を参照して示す。図に示されるようにケーシング2の底部には例えばプレス加工により大小径の孔を同軸かつ軸線方向に並べた段付孔が凹設されており、その小径の孔が軸受保持部9として形成されている。
軸受11は、軸受保持部9に圧入される大きさの圧入部分11aと、圧入部分11aから回転軸4の長手方向に突出されかつ圧入部分11aよりも大径の非圧入部分11bとを有しており、両部分11a・11bを軸線方向に並べた略円筒形状に形成されている。軸受11には軸線方向に貫通する軸線方向孔が同心に形成されており、その軸線方向孔における非圧入部分11bに対応する部分(図のAの範囲)には回転軸4を回転可能に軸支する大きさの軸支孔11cが形成されており、圧入部分11aに対応する部分には軸端に至るにつれて拡径されたテーパ孔11dが形成されている。
また、軸受保持部9を形成した上記段付き孔の大径孔2aは非圧入部分11bよりも大径に形成されている。圧入部分11aを軸受保持部9に圧入して軸受11を組み付けた場合には非圧入部分11bが軸受保持部9と大径孔2aとの境となる段部に当接するため、組み付け状態では非圧入部分11bはケーシング2に対して自由状態になる。したがって、圧入によりケーシング2の対応する部分から圧力を受けるが、その部分は圧入部分11aであり、圧力により圧入部分11aが変形したとしても、非圧入部分11bが変形することはない。その非圧入部分11bに回転軸4を軸支する軸支孔11cが設けられていることから、回転軸4を軸支する場合に重要な真円度は設計値に合わせて加工された状態のまま保持される。圧入部分11aが変形してテーパ孔11dの真円度が悪化したとしても、回転軸4に対してテーパ孔11aは非接触状態であり、軸支孔11cの真円度が保持されている限り何等問題ない。
なお、軸受保持部9を段付き孔の小径孔により形成したが、軸受保持部9の形成を段付き孔により形成する必要はなく、図2の二点鎖線に示されるようにケーシング2の底部に軸受保持部9となる孔を凹設しただけの形状にしても良い。いずれにしても、軸受保持部9以外のケーシング2の形状は自由であり、非圧入部分11bの外周面と接触しないようにすれば良い。
また、軸受保持部9を図示例のように円形断面形状に形成する場合には、その真円度をそれ程高くする必要が無い。回転軸4の相反する側の軸受との芯出し精度が確保されるのであれば円形断面の真円度は問題ではなく、軸受保持部9の加工精度を高める必要がないため加工コストを低廉化し得る。
軸受11にあっては、軸線方向について軸支孔11cと重ならない部分に対して自由な設計が可能であり、以下にその例を示す。図3に示された軸受11は、圧入部分11aの外周面に周方向に延在する突条12を設けている。このようにすることにより、圧入部分11aを軸受保持部9に圧入した場合に突条12により軸受保持部9がより一層半径方向外向きに押し広げられるが、塑性変形するほどでなければ、押し広げられた部分がある程度半径方向内向きに復元し得るため、軸受保持部9のその部分に突条12が係合して抜け止めされる。軸受の圧入部分にも軸支孔が設けられているものにあっては、上記突条12を設けると、軸受保持部9側からの圧力をより一層強く受けることになり、それにより軸支孔の真円度が悪化する虞があるが、本発明ではそのような問題は生じない。なお、突条12は、図では周方向に連続するものとしたが、破線のように断続して設けられても良い。
また、図4に示された軸受11では、圧入部分11aの外周面に軸線方向に延在する溝13が設けられている。溝は13は非圧縮部分11bに及ぶように形成されている。これにより、軸受として焼結金属などからなる含油軸受を用いた場合に、圧入時に軸受保持部9の空間内の気圧が上昇しても溝13を介してケーシング2内(アーマチュア受容部)側に逃げることができ、潤滑油が漏れ出ることがない。なお、使用中の雰囲気温度の昇温により軸受保持部9の密閉された空間が高圧になる場合においても、その高圧空気を溝13を介して逃がすことができ、上記と同様の効果を奏し得る。この溝13にあっても、図では1本のみを設けたものを示しているが、2本以上を周方向に任意に振り分けて設けて良い。
また、図5に示された軸受11では、上記圧入部分11bに相当する圧入部分14の外周面の形状を球面の一部となるように形成している。このように形成した場合には、圧入部分14が軸受保持部9により保持された状態で球の中心を中心として回転可能になるため、それにより調心効果が得られる。また、上記突条12と同様に抜け止め効果も得られる。なお、図示例では上記圧入部分11bと同じ範囲を球面の一部となるように形成したが、円柱状の上記圧入部分11bの一部を残して部分的に球面の一部を形成するようにしても良い。
また、図6に示されるように、圧入部分11aと非圧入部分11bとの大小径の関係を逆にしても良い。または、図の二点鎖線に示されるように圧入部分11aと非圧入部分11bと同一径にしても良い。ただし、同一径とした場合には、圧入部分11aの軸受保持部9に対する没入(軸線方向)深さを規制して、没入状態で軸支孔11cが軸受保持部9と軸線方向について重ならないようにする必要がある。例えば、圧入部分11aの軸線方向端面が軸受保持部9の対向する底面9aと当接するように、圧入部分11aの対応する端部を図の二点鎖線のように形成すると良い。これらにおいても、上記図示例と同様の効果を奏し得る。
さらに、上記図3〜6にあっては、それぞれ単独に用いても良いが、2つ以上を組み合わせることができる。それにより、軸支孔11cの真円度の確保と、上記した各付随的な効果が得られる。
なお、上記図示例では圧入部分11aに対応する部分にはテーパ孔11dを設けたが、その部分の孔の形状は任意でありテーパ孔に限定されるものではない。例えば、軸支孔11cよりも拡径されたストレート孔を同軸に形成し、軸受11全体としては段付き孔となるようにすることができる。いずれにしても、圧入部分11bに形成される孔は回転軸4よりも大径であれば良い。
また、図示例では軸支孔11cを形成する範囲を非圧入部分11bの全体(軸線方向について同一長さ)としたが、軸線方向について圧入部分11aと重ならなければ良く、非圧入部分11bの一部となる長さとしても良い。また、軸受保持部9の形状も、図示例では有底円筒状のケーシング2における底部にプレス加工により形成した凹設状としたが、ケーシングの中間部に軸受保持部を設けるようにしたものであっても適用可能である。例えば筒状のケーシングの軸線方向中間部を半径方向内向きに絞った縮径部を設け、その縮径部の内周面に軸受を圧入するものにも適用し得る。また、図示例では圧入部分を軸端側としたが圧入部分が軸受保持部に圧入された状態で非圧入部分が軸受保持部と接触しなければ良く、非圧入部分を軸端側としても良い。
このように、軸受を圧入にて組み付ける構造のものにおいて、真円度が重要となる軸支孔11cを圧入組み付けに関係しない非圧入部分11bに設けたことから、軸支孔11cに設計通りの真円度が確保されるため、真円度の不足による回転時の異音の発生が防止される。そのための構造として、上記したように軸受11に圧入部分11aと非圧入部分11bとを設け、非圧入部分11bに軸支孔11cを設けるという簡単なものとすることができ、それにより真円度を確保し得る軸受を安価に実現し得る。
本発明にかかる軸受は、軸受を圧入にて組み付けても軸支孔の真円度が悪化しないため、圧入にて組み付ける部位に用いられる種々の軸受に適用できる。
本発明が適用された電動モータ装置を示す要部破断側断面図である。 軸受及び軸受保持部を示す拡大側断面図である。 軸受の圧入部分の第2の例を示す斜視図である。 軸受の圧入部分の第3の例を示す図3に対応する図である。 軸受の圧入部分の第4の例を示す図3に対応する図である。 軸受の別の例を示す図2に対応する図である。
符号の説明
2 ケーシング、2a 大径孔
4 回転軸
9 軸受保持部
11 軸受
11a 圧入部分、11b 非圧入部分、11c 軸支孔、11d テーパ孔
12 突条
13 溝
14 圧入部分

Claims (6)

  1. ケーシング内に受容された回転軸を回転可能に支持するべく当該ケーシングに設けられた軸受保持部に圧入にて組み付けられる軸受であって、
    前記軸受保持部に圧入される圧入部分と、前記圧入部分から前記回転軸長手方向に突出されると共に、前記圧入部分が前記軸受保持部に圧入された状態で前記軸受保持部と接触しない非圧入部分とを有し、
    前記非圧入部分に対応する部分に前記回転軸を回転可能に支持する軸支孔が形成され、前記圧入部分に対応する部分に前記回転軸を遊嵌する大きさの大径孔が形成されていることを特徴とする軸受。
  2. 前記圧入部分と前記非圧入部分とが互いに異なる外径で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受。
  3. 前記大径孔が、前記軸支孔と同軸に連通するテーパ孔であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軸受。
  4. 前記圧入部分の外周面に、周方向に延在する突条が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の軸受。
  5. 前記圧入部分の外周面に、軸線方向に延在しかつ前記非圧入部分に至る溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の軸受。
  6. 前記圧入部分の外周面が球面の一部からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014212647A (ja) * 2013-04-19 2014-11-13 株式会社デンソー 電動アクチュエータ
JP2020070858A (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 Kyb株式会社 嵌合構造

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