JP2007239090A - 超大入熱haz靱性および低温母材靱性に優れた厚鋼板 - Google Patents

超大入熱haz靱性および低温母材靱性に優れた厚鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】超大入熱溶接でも良好なHAZ靱性を示すと共に、低温母材靱性に優れた厚鋼板を提供すること。
【解決手段】C:0.030〜0.10%、Si:1.0%以下、Mn:0.8〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜0.10%、Nb:0.015〜0.035%、Ti:0.015〜0.03%、B:0.0015〜0.0035%、およびN:0.0055〜0.01%を含有し、さらにCu:2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1%以下、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、且つ2≦[Ti]/[N]≦4、および40≦(500[C]+32[Si]+8[Mn]−9[Nb]+14[Cu]+17[Ni]−5[Cr]−25[Mo]−34[V])を満足する厚鋼板。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば船舶および海洋構造物などの溶接構造物に適用される厚鋼板に関し、殊に50kJ/mm以上の超大入熱溶接後の熱影響部(Heat Affected Zone、HAZ)の靭性に優れると共に、低温母材靱性に優れた厚鋼板に関するものである。
近年、例えばコンテナ船等の大型化が進められ、板厚が60mm以上の厚鋼板が用いられることがある。このような厚鋼板を効率良く溶接するために、入熱量が50kJ/mm以上である超大入熱溶接を行うことが求められている。
しかし超大入熱溶接を行うと、HAZが高温のオーステナイト領域まで加熱されてから徐冷されるため、その組織が粗大化し、HAZ靱性が著しく劣化するという問題があった。そのため従来では、溶接入熱量の制限を余儀なくされていた。
このような超大入熱溶接で良好なHAZ靱性を達成するために、例えば特許文献1は、厚鋼板中のC含有量を低減させると共に、不可避的に混入してくるPの含有量を制限し、加えてNbおよびBの含有量を適切な範囲に制御することを提案している(殊に特許請求の範囲および段落0010参照)。また特許文献2は、鋼材にNを比較的多量に添加し、且つTiとBの添加バランスを適切に制御することを提案している(殊に特許請求の範囲および段落0013参照)。さらに特許文献3は、溶接用鋼中に存在するTiN系介在物の中に積極的にNbを含有させることを提案している(殊に特許請求の範囲および段落0009参照)。
特開2003−166033号公報、特許請求の範囲および段落0010 特開2005−200716号公報、特許請求の範囲および段落0013 特開2004−218010号公報、特許請求の範囲および段落0009
しかし溶接の分野では、HAZ靱性のさらなる改良が求められている。さらに上記特許文献のいずれも、低温母材靱性(以下、「低温靱性」と省略することがある)について考慮していない。従って本発明が解決しようとする課題は、50kJ/mm以上の超大入熱溶接でも良好なHAZ靱性を示すと共に、低温靱性に優れた厚鋼板を提供することである。
上記課題を解決し得た本発明の厚鋼板とは、C:0.030〜0.10%(質量%の意味、以下同じ)、Si:1.0%以下(0%を含まない)、Mn:0.8〜2.0%、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.01%以下(0%を含まない)、Al:0.01〜0.10%、Nb:0.015〜0.035%、Ti:0.015〜0.03%、B:0.0015〜0.0035%、およびN:0.0055〜0.01%を含有し、さらにCu:2.0%以下(0%を含む)、Ni:2.0%以下(0%を含む)、Cr:1%以下(0%を含む)、Mo:0.5%以下(0%を含む)およびV:0.1%(0%を含む)以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、且つ下記式(1)および(2)を満足することを特徴とするものである。
2≦[Ti]/[N]≦4 ・・・ (1)
40≦X値 ・・・ (2)
X値=500[C]+32[Si]+8[Mn]−9[Nb]
+14[Cu]+17[Ni]−5[Cr]−25[Mo]−34[V]
(式中、[ ]は各元素の含有量(質量%)を表す。)
本発明の厚鋼板の中で、良好な低温靱性およびHAZ靱性の観点から、(I)δ域の温度範囲が40℃以下であるもの、および/または(II)深さt/4の位置(t=板厚)において、Ti系炭窒化物の平均粒子径が40nm以下であり、Nb系炭窒化物の平均粒子径が60nm以下であるものが好ましい。
本発明の厚鋼板は、さらに、(イ)Ca:0.005%以下(0%を含まない)および/またはMg:0.005%以下(0%を含まない)、(ロ)Zr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはHf:0.05%以下(0%を含まない)、および/または(ハ)Co:2.5%以下(0%を含まない)および/またはW:2.5%以下(0%を含まない)を含有していても良い。本発明の厚鋼板は、大型のコンテナ船等の製造に適した490MPa以上の引張強度を有する高張力鋼板であることが望ましい。
なお本明細書において「炭窒化物」は、窒化物も含む意味で使用する。
驚くべきことに、各化学成分の量を適切な範囲内に収めると共に、上記式(1)および(2)を満たすように化学成分組成を調整することにより、超大入熱溶接でも優れたHAZ靱性を示すと共に、低温靱性に優れた厚鋼板を得ることができる。
発明を実施するための形態
本発明者らは、Ti系炭窒化物を微細化することによって、超大入熱溶接でも良好なHAZ靱性を達成することを試みた。従来のTi系炭窒化物の分散状態は、溶鋼凝固時の冷却速度が一定であれば、Ti、Nの添加バランスのみにより定まるものと考えられてきた。しかし本発明者らが鋭意検討した結果、鋼の状態図において表されるδ域の温度範囲を縮小させることにより、同じTi、N添加量でも、Ti系炭窒化物を微細分散させ得ることを見出した。
ここで「δ域」とは、鋼の状態図においてδ鉄が含まれる領域を意味する。この「δ鉄が含まれる領域」は、δ鉄のみの領域の他にも、δ+γの2相領域など、δ鉄と他の状態が含まれる領域も包含する。そして「δ域の温度範囲」とは、δ鉄が含まれる温度範囲(δ域の上限温度と下限温度との差)をいう。ここで特定組成の鋼において、例えばδ鉄のみの温度範囲とδ+γ鉄の温度範囲がある場合、これらの温度範囲の合計が、δ域の温度範囲である。このδ域の温度範囲は、総合熱力学計算ソフトウェア(Thermo−calc、CRC総合研究所から購入可能)に、鋼板の化学成分組成を入力することにより計算することができる。
このδ鉄中ではTiの拡散速度が速いため、δ域の温度範囲が広いと、δ鉄が存在する時間が長くなり、粗大なTi系炭窒化物が形成され易くなると考えられる。そこで化学成分組成を調整してδ域の温度範囲を縮小することにより、Ti系炭窒化物を微細化することを検討した。そのためにThermo−calcの計算にて、特定成分を基準に化学成分量の1つだけを変更することにより、各化学成分のδ域の温度範囲への影響を調べた。そのような検討により、δ域の温度範囲と相関関係にあり、化学成分組成の関数で表されるX値を定めた:
X値=500[C]+32[Si]+8[Mn]−9[Nb]
+14[Cu]+17[Ni]−5[Cr]−25[Mo]−34[V]
(式中、[ ]は各元素の含有量(質量%)を表す。)
X値の上記式中の係数は、特定成分の鋼から、各化学成分を変化させた場合のδ域の温度範囲の変化量に対応する。具体的には、例えば[C]の係数の「500」は、C量を0.01%だけ増大させたときに、Thermo−calcの計算にてδ域の温度範囲が約5℃減少することを意味する。そしてX値とδ域の温度範囲とは、ほぼ反比例の関係(X値が増大すれば、δ域の温度範囲は減少するという関係)にある。
このような考えに基づいて、様々なX値を有する鋼板を製造して調べたところ、X値を増大させることで、Ti系炭窒化物の平均粒子径を微細化でき、HAZ靱性を向上させ得ることを見出した。
そしてX値を増大させることで、さらに、鋼板の低温靱性も向上することを見出した。この現象は、X値を増大させることで、Ti系炭窒化物の平均粒子径の減少と共に、Nb系炭窒化物の平均粒子径が減少したことによるものと推定される。またNb系炭窒化物の平均粒子径が減少したのは、Ti系炭窒化物が微分散されたためであると考えられる。なぜならNb系炭窒化物のほとんどは、Ti系炭窒化物を核に析出するからである。
上記のように本発明の鋼板は、その化学成分組成が下記式(2):
40≦X値 ・・・ (2)
X値=500[C]+32[Si]+8[Mn]−9[Nb]
+14[Cu]+17[Ni]−5[Cr]−25[Mo]−34[V]
(式中、[ ]は各元素の含有量(質量%)を表す。)
を満たしている点に、大きな特徴がある。但し本発明は、上記のような推定理由(δ域の温度範囲の減少による炭窒化物の平均粒子径の減少、平均粒子径の減少によるHAZ靱性および低温靱性の向上など)には制限されず、本発明の範囲は、特許請求の範囲により定められる。即ち特許請求の範囲に規定する構成要件を満たす厚鋼板は、本発明の範囲内に包含される。
各化学成分量が適正範囲内であれば、X値が大きくなるほど、Ti系炭窒化物およびNb系炭窒化物の平均粒子径、並びにHAZ靱性および低温靱性が向上する。このX値の下限は、40、好ましくは45、より好ましくは50である。X値の上限は、各化学成分の適正量から定められ、160程度である。硬質相MA組織(マルテンサイト−オーステナイトの混合組織)の生成抑制の観点から、X値の好ましい上限は、75以下である。
本発明の厚鋼板では、X値が40以上となるように化学成分組成を調整することにより、Ti系およびNb系炭窒化物を微細にしている。しかしTi量とN量とのバランスが崩れると、鋼板の靱性、特にHAZ靱性が劣化する。具体的には[Ti]/[N]が4を超える場合は、Ti系炭窒化物が粗大になり、HAZ靱性が低下する。逆に2未満であれば、過剰Nの影響で、低温靱性およびHAZ靱性が低下する。よって本発明の鋼板は、X値を規定する上記式(2)に加えて、下記式(1):
2≦[Ti]/[N]≦4 ・・・ (1)
(式中、[ ]は各元素の含有量(質量%)を表す。)
を満たすように、Ti量とN量とのバランスが図られていることも特徴の1つとする。この[Ti]/[N]の好ましい下限は2.5であり、好ましい上限は3.5である。
靱性の観点から、本発明の厚鋼板中のTi系およびNb系炭窒化物は微細であることが好ましい。よって本発明の厚鋼板中のTi系炭窒化物は、好ましくは40nm以下、より好ましくは35nm以下、さらに好ましくは30nm以下であり、Nb系炭窒化物は、好ましくは60nm以下、より好ましくは55nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。
本発明におけるTi系炭窒化物およびNb系炭窒化物の平均粒子径の値は、以下のようにして測定した値である:まず、鋼板の熱履歴を代表する部分として深さt/4の位置(t=板厚)を、透過型電子顕微鏡(TEM)で、観察倍率6万倍以上、観察視野2.0×2.0μm以上、観察箇所5箇所以上の条件で観察する。そしてその視野中の各炭窒化物の面積を測定し、この面積から各炭窒化物の円相当径を算出する。この各炭窒化物の円相当径を算術平均(相加平均)して得られる値を、本発明におけるTi系またはNb系炭窒化物の平均粒子径とする。
なおTi系炭窒化物またはNb系炭窒化物のいずれであるかの判別は、各炭窒化物粒子の主体となる成分(炭素および窒素以外で最大の含有量(質量%)である成分)によって定まり、これはエネルギー分散型X線検出器(EDX)によって決定することができる。なお、あまりに微細な炭窒化物は測定できないため、本発明における炭窒化物とは、5nm以上のものに限定する。
上記のように本発明の厚鋼板は、その化学成分組成が上記式(1)および(2)の関係を満たすことを特徴とする。しかし上記式(1)および(2)の関係を満たしても、それぞれの化学成分(各元素)の含有量が適正範囲内になければ、優れたHAZ靱性および低温靱性を達成することができない。よって本発明の厚鋼板は、上記式(1)および(2)を満たすことに加えて、それぞれの化学成分の量が、以下に記載するような適正範囲内にあることも特徴とする。以下、化学成分について個々に説明する。
[C:0.030〜0.10%]
Cは、鋼板の強度を確保するために必要な元素であり、また鋼の状態図におけるδ域の温度範囲を縮小させるために有効な元素である。C量が0.030%未満では強度を確保することができなくなる。一方、C量が0.10%を超えると、硬質の第2相MA組織が多くなりすぎて、母材靱性およびHAZ靭性が低下する。そこでC量を0.030〜0.010%と定めた。C量の好ましい下限は0.040%であり、好ましい上限は0.080%である。
[Si:1.0%以下(0%を含まない)]
Siは、鋼板の強度を確保するために有効な元素であり、そのためには、0.10%以上添加することが好ましい。しかしSiを過剰に添加すると、MA組織が多く生成し、母材靱性およびHAZ靭性が低下するため、その上限を1.0%とする必要がある。Si量の好ましい上限は0.8%であり、より好ましくは0.6%以下である。
[Mn:0.8〜2.0%]
Mnは、焼入れ性を向上させ、鋼板の強度を確保するのに有効な元素である。Mn量が0.8%未満では、強度確保の作用が充分に発揮されない。一方、Mn量が2.0%を超えると、母材靱性およびHAZ靭性が低下する。そこでMn量を、0.8〜2.0%と定めた。Mn量の好ましい下限は1.00%であり、より好ましくは1.50%以上である。一方、Mn量の好ましい上限は1.80%である。
[P:0.03%以下(0%を含まない)]
不純物元素であるPは、母材靱性およびHAZ靭性に悪影響を及ぼすため、その量は、できるだけ少ないことが好ましい。よってP量は、0.03%以下、好ましくは0.010%以下である。しかし工業的に、鋼中のP量を0%にすることは困難である。
[S:0.01%以下(0%を含まない)]
Sは、MnSを形成して延性を低下させる元素であり、特に高張力鋼において悪影響が大きくなるため、その量は、できるだけ少ないことが好ましい。よってS量は、0.01%以下、好ましくは0.005%以下である。しかし工業的に、鋼中のS量を0%にすることは困難である。
[Al:0.01〜0.10%]
Alは、脱酸、およびミクロ組織の微細化により母材靱性を向上させる効果を有する元素である。このような効果を充分に発揮させるため、Alを0.01%以上添加する。もっともAlを過剰に添加すると、かえって母材靱性およびHAZ靱性が低下するため、上限を0.10%とする。Al量の好ましい下限は0.020%である。一方、その好ましい上限は0.060%であり、より好ましくは0.040%以下である。
[Nb:0.015〜0.035%]
Nbは、素地の焼入れ性を向上させて鋼板の強度を高めるために有効な元素である。このような効果を充分に発揮させるために、Nb量は0.015%以上であることが必要である。しかしNbを過剰に添加すると、母材靱性およびHAZ靭性が低下するため、その上限量を0.035%と定めた。Nb量は、好ましくは0.020%以上であり、好ましくは0.030%以下、より好ましくは0.025%以下である。
[Ti:0.015〜0.03%]
Tiは、Nと微細な窒化物を形成し、溶接時におけるHAZのオーステナイト粒の粗大化を抑制することにより(いわゆるピンニング効果)、HAZ靭性を向上させるために有効な元素である。このような効果を充分に発揮させるため、Tiを0.015%以上添加する。しかしTi量が過剰であると、かえってHAZ靭性が劣化するため、Ti量の上限を0.03%と定めた。Ti量は、好ましくは0.018%以上、0.025%以下である。
[B:0.0015〜0.0035%]
Bは、超大入熱溶接の際に、HAZ、殊にボンド部の付近で、BNを核にした粒内フェライトを生成させると共に、固溶Nの固定作用も有し、HAZ靭性改善に重要な元素である。本発明では、その効果を充分に発揮させるためにBを、通常の厚鋼板中の含有量よりも多く、0.0015%以上含有させている。しかしB量が過剰であると、超大入熱溶接の際に粗大なベイナイト組織が形成されるため、かえってHAZ靱性が劣化する。そのためB量の上限を0.0035%と定めた。B量は、好ましくは0.0020%以上、0.0030%以下である。
[N:0.0055〜0.01%]
Nは、Tiと結合して微細な炭窒化物を形成し、超大入熱溶接の際にオーステナイト粒の粗大化を抑制し、HAZ靭性を向上させる効果を有する元素である。N量が少なすぎると、上記効果が充分に発揮されないため、その下限を0.0055%と定めた。一方、N量が過剰であると、母材靱性およびHAZ靭性に悪影響を及ぼすため、その上限を0.01%と定めた。N量の好ましい下限は0.0060%であり、より好ましくは0.0070%以上である。またN量の好ましい上限は0.0090%であり、より好ましくは0.0080%以下である。
[Cu:2.0%以下(0%を含む)]
Cuは、焼入れ性を高めて強度向上に寄与する元素であり、必要に応じて添加することができる。またCと同様にδ域の温度範囲を縮小させて、Ti系炭窒化物を微細化する効果を有すると考えられる。このような効果を充分に発揮させるために、Cu量は、好ましくは0.20%以上、より好ましくは0.40%以上であることが推奨される。しかしCu量が過剰であると、母材靱性およびHAZ靱性が低下する傾向があるため、その上限を2.0%と定めた。Cu量は好ましくは1.0%以下である。
[Ni:2.0%以下(0%を含む)]
Niも、Cuと同様に、焼入れ性を高めて強度向上に寄与し、δ域の温度範囲を縮小させるために有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。このような効果を充分に発揮させるために、Ni量は、好ましくは0.20%以上、より好ましくは0.40%以上であることが推奨される。しかしNi量が過剰であると、母材靱性およびHAZ靱性が低下する傾向があるため、その上限を2.0%と定めた。Ni量は好ましくは1.0%以下である。
[Cr:1%以下(0%を含む)]
Crも、Cuと同様に、焼入れ性を高めて強度向上に寄与する元素であり、必要に応じて添加することができる。このような効果を充分に発揮させるために、Cr量は、好ましくは0.20%以上、より好ましくは0.40%以上であることが推奨される。しかしCr量が過剰であると、母材靱性およびHAZ靱性が低下するので、その上限を1%と定めた。Cr量の好ましい上限は0.80%である。
[Mo:0.5%以下(0%を含む)]
Moは、焼入れ性を高めて強度を向上させることに加えて、焼戻し脆性を防止するために有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。このような効果を充分に発揮させるために、Mo量は、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.10%以上であることが推奨される。しかしMo量が過剰であると、母材靱性およびHAZ靭性が劣化するため、その上限を0.5%と定めた。Mo量は、好ましくは0.30%以下である。
[V:0.1%以下(0%を含む)]
Vは、少量の添加により、焼入れ性および焼戻し軟化抵抗を高める効果を有する元素であり、必要に応じて添加することができる。このような効果を充分に発揮させるために、V量は、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上であることが推奨される。しかしV量が過剰であると、母材靱性およびHAZ靭性が劣化するため、その上限を0.1%と定めた。V量は、好ましくは0.05%以下である。
本発明の厚鋼板は、上記成分の他は基本的に、Feおよび不可避不純物からなる。しかし本発明は、他の元素が含有される厚鋼板を排除するものではなく、本発明の範囲には、本発明の効果が損なわれない範囲で、他の成分元素を含有している厚鋼板も含まれる。
例えば本発明の厚鋼板には、上記成分の他、必要に応じて、(イ)Ca:0.005%以下(0%を含まない)および/またはMg:0.005%以下(0%を含まない)、(ロ)Zr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはHf:0.05%以下(0%を含まない)、および/または(ハ)Co:2.5%以下(0%を含まない)および/またはW:2.5%以下(0%を含まない)、等を含有させることも有効であり、含有させる成分の種類に応じて、鋼板の特性がさらに改善される。
[Ca:0.005%以下および/またはMg:0.005%以下]
CaおよびMgは、HAZ靭性を向上させる効果を有する元素である。詳しくは、Caは、MnSを球状化するという介在物の形態制御による異方性を低減させることによって、HAZ靭性を向上させる。一方、Mgは、MgOを形成し、HAZのオーステナイト粒の粗大化を抑制することによってHAZ靭性を向上させる。このような効果を充分に発揮させるために鋼板中に、Caを好ましくは0.0005%以上、および/またはMgを0.0001%以上含有させることが好ましい。しかしこれらの量が過剰であると、かえって母材靱性およびHAZ靱性を劣化させるので、Caおよび/またはMgを含有させる場合の上限を、それぞれ0.005%と定めた。Ca量の好ましい上限は0.0030%であり、Mg量の好ましい上限は0.0035%である。
[Zr:0.1%以下および/またはHf:0.05%以下]
ZrおよびHfは、Tiと同様に窒化物を形成し、溶接時におけるHAZのオーステナイト粒の粗大化を抑制するので、HAZ靭性の改善に有効な元素である。このような効果を充分に発揮させるため、Zr量は、好ましくは0.001%以上、Hf量は、好ましくは0.0005%以上であることが推奨される。しかしこれらの量が過剰であると、かえって母材靱性およびHAZ靭性が低下させるので、これらを含有させる場合、Zr量の上限を0.1%、Hf量の上限を0.05%と定めた。
[Co:2.5%以下および/またはW:2.5%以下]
CoおよびWは、焼入れ性を向上させ、鋼板の強度を高める効果を有する元素である。このような効果を充分に発揮させるため、これらの1つまたは両方を、それぞれ0.2%以上で含有させることが好ましい。しかしこれらの量が過剰であると、母材靱性およびHAZ靭性が劣化するため、これらの量の上限を、それぞれ2.5%と定めた。
本発明の厚鋼板は、上記化学成分量、[Ti]/[N]およびX値の要件を満たす鋼を、通常の溶製法によって溶製し、この溶鋼を冷却してスラブとした後、通常の条件で加熱および熱間圧延を行い、次いで焼入れ(場合により焼入れ・焼戻し)を行うことにより製造することができる。
本発明の厚鋼板は、X値を制御してδ域の温度範囲を狭くさせているので、溶鋼を通常の条件で冷却(例えば1500℃から1100℃までを0.1〜2.0℃/秒の冷却速度で冷却)してスラブを形成することにより、充分に小さいTi系およびNb系炭窒化物の平均粒子径を形成することができる。但し、より微細な炭窒化物を形成させるために、鋳造機の冷却水量や冷却方法を変更させて、凝固時の冷却速度を向上させることが好ましい。
本発明は厚鋼板に関するものであり、該分野において厚鋼板とは、JISで定義されるように、一般に板厚が3.0mm以上であるものを指す。しかし本発明の厚鋼板の板厚は、好ましくは20mm以上、好ましくは40mm以上、さらに好ましくは60mm以上である。なぜなら本発明の厚鋼板は、入熱量が50kJ/mmである超大入熱溶接であっても良好なHAZ靱性を示すので、板厚が厚くても、入熱量を増大させることで効率よく溶接できるからである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
表1に示す組成の鋼を、通常の溶製法によって溶製し、この溶鋼を0.1〜2.0℃/分の冷却速度で1500℃から1100℃まで冷却してスラブとした後、1100℃に加熱して熱間圧延を行い、および場合により焼戻しを行い、板厚60mmの高張力鋼板を製造した。
鋼板の化学成分組成から計算した[Ti]/[N]およびX値、並びにThermo−calcから計算したδ域の温度範囲の値(表中で「δ域」と記載)を、表2に示す。
また上記のようにして製造した鋼板について、下記要領でTi系炭窒化物の平均粒子径、Nb系炭窒化物の平均粒子径、鋼板の引張強度、低温靱性およびHAZ靱性を測定した。これらの結果を表2に示す。
[Ti系炭窒化物およびNb系炭窒化物の平均粒子径]
深さt/4の位置(t=板厚)を、透過型電子顕微鏡(TEM)で、観察倍率6万倍、観察視野2.0×2.0μm、観察箇所5箇所の条件で観察した。そしてその視野中の各炭窒化物の面積を測定し、この面積から各炭窒化物の円相当径を算出した。この各炭窒化物の円相当径を算術平均(相加平均)して、各鋼板におけるTi系またはNb系炭窒化物の平均粒子径を算出した。
[引張強度]
深さt/4の位置(t=板厚)でJIS4号試験片を採取し、引張試験を行うことにより、引張強度を測定した。この実施例では、引張強度が490MPa以上のものを合格とした。
[低温靱性]
深さt/4の位置(t=板厚)でJIS4号試験片を採取し、−60℃でシャルピー衝撃試験を行い、吸収エネルギー(vE-60)を測定した。この実施例では、引張強度が150J以上のものを合格とした。
[HAZ靭性]
入熱50kJ/mmで溶接(エレクトロガスアーク溶接)を行い、図1に示す部位からJIS4号試験片を採取し(ノッチ位置は、ボンドから0.5mmHAZ側)、−40℃でシャルピー衝撃試験を行い、吸収エネルギー(vE-40)を測定した。この実施例では、引張強度が200J以上のものを合格とした。
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鋼板No.1〜24は、本発明の各化学成分量の要件を満たすものである。また鋼板No.25および26は、C量は本発明で規定する下限未満であるが、その他の成分量の要件は満たすものである。これら鋼板No.1〜26のX値とδ域の温度範囲との関係、X値とTi系炭窒化物の平均粒子径との関係、およびX値とNb系炭窒化物の平均粒子径との関係を図2〜4に示す。図2から分かるように、X値とδ域の温度範囲とは、良好な相関関係(具体的にはほぼ反比例の関係)にある。また図3および4から分かるように、X値が増大するにつれ、炭窒化物の平均粒子径が減少している。
鋼板No.1〜26のX値とHAZ靱性(vE-40)との関係、X値と低温靱性(vE-60)との関係、δ域の温度範囲とHAZ靱性(vE-40)との関係、およびδ域の温度範囲と低温靱性(vE-60)との関係を、図5〜8に示す。これらの図から分かるように、X値が増大するにつれ、即ちδ域の温度範囲が減少するにつれ、鋼板のHAZ靱性および低温靱性が向上している。そしてX値が40以上である鋼板(δ域の温度範囲が40℃以下である鋼板)は、そのvE-40が200J以上であり、vE-60が150J以上であり、良好なHAZ靱性および低温靱性を有している。これは、X値が40以上となるように化学成分組成を調整することにより、δ域の温度範囲が狭くなる結果、Tiの拡散が抑制されて、Ti系炭窒化物およびNb系炭窒化物の平均粒子径が抑制されたためであると考えられる。
さらに鋼板No.1〜26のTi系炭窒化物の平均粒子径とHAZ靱性(vE-40)との関係、およびNb系炭窒化物の平均粒子径と低温靱性(vE-60)との関係を、図9および10に示す。これらの図から炭窒化物の平均粒子径が小さくなるにつれ、HAZ靱性および低温靱性は向上することが分かる。殊に図9から、Ti系炭窒化物の平均粒子径が40nm以下であれば、200J以上のvE-40が達成されることが示され、図10からNb系炭窒化物の平均粒子径が60nm以下であれば、150J以上のvE-60が達成されることが示される。
表にまとめた結果から、本発明の各化学成分量、[Ti]/[N]およびX値の要件を満たす鋼板No.1〜23は、引張強度、低温靱性およびHAZ靱性に優れていることが分かる。これに対して、基本的に本発明の各化学成分量の要件を満たすが、40≦X値の要件を満たさない鋼板No.24〜26は、低温靱性、または低温およびHAZ靱性の両方が不充分である。さらに鋼板No.25および26は、C量が0.030%未満であり、引張強度も不充分である。
本発明で規定する化学成分量の上限値の要件のいずれかを満たさない鋼板No.27〜33、35、37および40は、化学成分のいずれかを過剰に含有するため、低温靱性およびHAZ靱性の両方とも不充分である。逆に本発明で規定する各化学成分量の下限値の要件のいずれかを満たさない鋼板も、靱性が不充分である。具体的にはTiまたはNを下限値未満でしか含有しない鋼板No.34または38は、Ti系炭窒化物が充分に形成されないため、HAZ靱性が不充分である。同様にBを下限値未満でしか含有しない鋼板No.36は、BNが充分に形成されないため、HAZ靱性が不充分である。さらに鋼板No.39は、[Ti]/[N]が2未満であり、過剰Nの影響で靱性が不充分である。
HAZ靭性(vE-40)測定用の試験片を採取した位置を示す概略図である。 実施例で製造した鋼板No.1〜26の、X値とδ域の温度範囲との関係を示すグラフである。 実施例で製造した鋼板No.1〜26の、X値とTi系炭窒化物の平均粒子径との関係を示すグラフである。 実施例で製造した鋼板No.1〜26の、X値とNb系炭窒化物の平均粒子径との関係を示すグラフである。 実施例で製造した鋼板No.1〜26の、X値とHAZ靱性(vE-40)との関係を示すグラフである。 実施例で製造した鋼板No.1〜26の、X値と低温靱性(vE-60)との関係を示すグラフである。 実施例で製造した鋼板No.1〜26の、δ域の温度範囲とHAZ靱性(vE-40)との関係を示すグラフである。 実施例で製造した鋼板No.1〜26の、δ域の温度範囲と低温靱性(vE-60)との関係を示すグラフである。 実施例で製造した鋼板No.1〜26の、Ti系炭窒化物の平均粒子径とHAZ靱性(vE-40)との関係を示すグラフである。 実施例で製造した鋼板No.1〜26の、Nb系炭窒化物の平均粒子径と低温靱性(vE-60)との関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. C:0.030〜0.10%(質量%の意味、以下同じ)、Si:1.0%以下(0%を含まない)、Mn:0.8〜2.0%、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.01%以下(0%を含まない)、Al:0.01〜0.10%、Nb:0.015〜0.035%、Ti:0.015〜0.03%、B:0.0015〜0.0035%、およびN:0.0055〜0.01%を含有し、さらにCu:2.0%以下(0%を含む)、Ni:2.0%以下(0%を含む)、Cr:1%以下(0%を含む)、Mo:0.5%以下(0%を含む)およびV:0.1%以下(0%を含む)を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、且つ下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする、HAZ靱性および低温母材靱性に優れた厚鋼板。
    2≦[Ti]/[N]≦4 ・・・ (1)
    40≦X値 ・・・ (2)
    X値=500[C]+32[Si]+8[Mn]−9[Nb]
    +14[Cu]+17[Ni]−5[Cr]−25[Mo]−34[V]
    (式中、[ ]は各元素の含有量(質量%)を表す。)
  2. δ域の温度範囲が40℃以下である、請求項1に記載の厚鋼板。
  3. 深さt/4の位置(t=板厚)において、Ti系炭窒化物の平均粒子径が40nm以下であり、Nb系炭窒化物の平均粒子径が60nm以下である請求項1または2に記載の厚鋼板。
  4. さらにCa:0.005%以下(0%を含まない)および/またはMg:0.005%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の厚鋼板。
  5. さらにZr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはHf:0.05%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の厚鋼板。
  6. さらにCo:2.5%以下(0%を含まない)および/またはW:2.5%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の厚鋼板。
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